JP2004196913A - 反応性ケイ素含有基を有する共重合体、及び有機・無機ハイブリッド高分子材料 - Google Patents
反応性ケイ素含有基を有する共重合体、及び有機・無機ハイブリッド高分子材料 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】主鎖であるポリエチレンセグメントと;該ポリエチレンセグメントの側基である反応性ケイ素含有基と;該ポリエチレンセグメントに結合した重縮合セグメントであって、ポリエチレンセグメントと共に主鎖の一部である重縮合セグメント、又はポリエチレンセグメントに対して側鎖である重縮合セグメントとを;有する共重合体。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無機官能基を有する有機共重合体、及びこの共重合体から調製される有機・無機ハイブリッド高分子材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチックは成形加工性、生産性、軽量性、柔軟性、機械的特性や電気的特性に優れ、金属、ガラス、木材、紙等の既存材料と置き換えることができ、建築資材、電気、電子製品の構造部品や機構部品、自動車、車両、航空機、船舶の外装や内装部品、日常雑貨、包装材等、多岐にわたる分野で用いられている。このためプラスチックの種類は多い。
【0003】
プラスチックを分類すると、まず熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂に大別される。熱硬化性樹脂はプレポリマーを加熱することにより架橋反応を起こし、硬化する樹脂である。従って、硬化前は流動性があるが、一度硬化すると再加熱しても軟化溶融しない。その例としてはフェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂、アルキッド樹脂等が挙げられる。
【0004】
これに対して、熱可塑性樹脂は加熱すると溶融し、冷却すると固化する樹脂である。熱可塑性樹脂は一度固化しても再加熱すると軟化溶融するため、成形用途に適している。そのため、最近ではプラスチックの全生産量の約9割を熱可塑性樹脂が占めている。この熱可塑性樹脂は汎用プラスチックとエンジニアリングプラスチックとに分類することができる。
【0005】
汎用プラスチックの例としてはポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル酸、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエン、ポリエチレンテレフタレート等が挙げられ、その大半はポリエチレン系ポリマーである。これらは安価なことから、現在最も多く使用されているプラスチックである。しかし、エンジニアリングプラスチックと比較すると耐熱性や機械的特性といった物性面で劣り、工業用途や構造材料用途には適さない。
【0006】
エンジニアリングプラスチックは、金属材料の代替材として、軽量化、小型化、高性能化、コストダウン等の目的で開発されたものであり、主用途は工業用である。エンジニアリングプラスチックの物性は、一般に上記汎用プラスチックより優れている。ポリカーボネート、ポリアミド(ナイロン)、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、変性ポリフェニレンエーテル、ガラス繊維強化ポリエチレンテレフタレートなどは需要が多く、汎用エンジニアリングプラスチックと呼ばれている。
【0007】
また、エンジニアリングプラスチックの中でも、更に高い物性を有するように開発されたものはスーパーエンジニアリングプラスチックと呼ばれている。スーパーエンジニアリングプラスチックの例として、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミドイミド、フッ素樹脂、液晶ポリマー等が挙げられる。これらエンジニアリングプラスチックの大半は縮合ポリマーである。
【0008】
現在、プラスチックに対する各種特性の向上やコストに対する市場からの要求は高まる一方である。しかし、これらの要求に合致した新規なプラスチックを次々と開発することは困難であるため、異なる種類のプラスチックを組み合わせて特性を改良する試みが盛んに行われている。
【0009】
例えば、共重合は、種類が異なる複数のモノマーを組み合わせてポリマーを合成する方法である。前述したプラスチックの大半が1種類の構造単位から構成されるホモポリマーであるのに対し、共重合化することによりポリマー1分子中に複数の構造単位が導入できる。モノマーの組み合わせによっては、それぞれの単一モノマーから構成されるホモポリマーと異なる特性が生じ、高性能化することができる。また、重合方法を工夫することによりランダム体、ブロック体、グラフト体とすることができ、高機能化することもできる。汎用プラスチックのAS樹脂とABS樹脂はその例であり、それぞれアクリロニトリル/スチレン、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレンから構成される共重合体である。
【0010】
このように、共重合体の構成成分である各セグメントが同じ重合法で合成される場合には、目的とする形態(ランダム、ブロック、グラフト)に応じて難易度に多少の差があるが、共重合体の合成はさほど困難ではない。しかし、異なる方法で重合されるセグメント同士を組み合わせる場合、共重合体の合成は困難であり、合成方法に工夫が必要となる。
【0011】
例えば、ポリエチレンセグメントと重縮合セグメントとを組み合わせて合成する方法は、特開昭59−27908号公報(特許文献1)、特開昭61−19630号公報(特許文献2)および特開平9−302196号公報(特許文献3)等に記載されている。ここでは、分子内に重縮合セグメントと重合開始部分とを有するマクロ重合開始剤を用いて、このような共重合体が合成されている。
【0012】
一方、プラスチックの表面硬度、光沢、耐汚染性、強度、耐熱性、耐候性、耐薬品性等の特性を更に向上させるために、Si、Ti、Zrのような無機成分を有機ポリマーの骨格に導入する試みも行われている。特に、無機成分を有機成分中に分子レベルで分散させた有機・無機ハイブリッド高分子材料は、高性能かつ高機能であり、新素材として有望である。
【0013】
有機・無機ハイブリッド高分子材料の調製方法として、特開平8−104710号公報(特許文献4)および特開平8−104711号公報(特許文献5)には、アルコキシシリル基末端アゾ系開始剤を用いてエチレン性不飽和モノマー(以下単に「不飽和モノマー」という。)をラジカル重合させ、得られるアルコキシシリル基末端ポリエチレンポリマーを加水分解・縮合する方法が記載されている。しかし、得られる有機・無機ハイブリッド高分子材料は有機骨格がポリエチレン構造であり、耐熱性や機械的強度が低い。そのため、工業用途や構造材料用途には不適切である。
【0014】
有機・無機ハイブリッド高分子材料の他の調製方法として、Polymer第39巻、第4号、第973頁、1998年(非特許文献1)およびPolymer第39巻、第4号、第965頁、1998年(非特許文献2)には、ポリブタジエンの末端水酸基を利用してアルコキシシリル基を導入し、次いでこれを加水分解・重縮合する方法が記載されている。また、Polymer第39巻、第4号、第855頁、1998年(非特許文献3)およびPolymer第37巻、第17号、第3983頁、1996年(非特許文献4)にはポリカプロラクトンの末端水酸基を利用してアルコキシシリル基を導入し、次いでこれを加水分解・重縮合する方法が記載されている。また、Polymer第38巻、第17号、第4523頁、1997年(非特許文献5)には、ポリフェニレンテレフタラミドの末端にアルコキシシリル基を導入し、これを加水分解・重縮合する方法が記載されている。また、特開平5−43679号公報(特許文献6)には、ハイドロシリレーション反応を利用して、アリル基を末端に有するポリエーテルにアルコキシシリル基を導入する方法が記載されている。
【0015】
エンジニアリングプラスチックの大部分は、重縮合反応で合成される縮合ポリマーである。重縮合反応ではモノマー中の縮合可能な官能基を反応させて重合が行われ、重合反応終了後は、分子末端を除き官能基はほとんど消費されている。従って、これら従来の方法で得られるアルコキシシリル基含有ポリマーは、アルコキシシリル基が有機ポリマーの両末端に1個ずつ存するタイプのものである。
【0016】
つまり、従来のアルコキシシリル基含有ポリマーでは、ポリマーに含まれるアルコキシシリル基の数は一分子当り2個に限定される。それゆえ、これらのポリマーを加水分解・重縮合させて得られる有機・無機ハイブリッド高分子材料は無機成分や架橋点の量が少なく、プラスチック材料として、強度、耐熱性、耐候性、耐薬品性等の特性は十分に改良されていない。
【0017】
【特許文献1】
特開昭59−27908号公報
【特許文献2】
特開昭61−19630号公報
【特許文献3】
特開平9−302196号公報
【特許文献4】
特開平8−104710号公報
【特許文献5】
特開平8−104711号公報
【特許文献6】
特開平5−43679号公報
【非特許文献1】
Polymer第39巻、第4号、第973頁、1998年
【非特許文献2】
Polymer第39巻、第4号、第965頁、1998年
【非特許文献3】
Polymer第39巻、第4号、第855頁、1998年
【非特許文献4】
Polymer第37巻、第17号、第3983頁、1996年
【非特許文献5】
Polymer第38巻、第17号、第4523頁、1997年
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、一分子当りに多数の反応性ケイ素含有基を有する縮合ポリマーを提供し、それを用いて強度、耐熱性、耐候性、耐薬品性等の特性が優れた有機・無機ハイブリッド高分子材料を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、主鎖であるポリエチレンセグメントと;該ポリエチレンセグメントの側基である反応性ケイ素含有基と;該ポリエチレンセグメントに結合した重縮合セグメントであって、ポリエチレンセグメントと共に主鎖の一部である重縮合セグメント、又はポリエチレンセグメントに対して側鎖である重縮合セグメントとを;有する共重合体を提供する。また、本発明は、上記共重合体を加水分解・重縮合させて得られる有機・無機ハイブリッド高分子材料を提供する。そして、これらによって上記目的が達成される。
【0020】
ここで、「セグメント」とは、ポリマーを構成している一部分をいう。「ポリエチレンセグメント」とは、ポリマーを構成している一部分であってその骨格がポリエチレン構造であるものをいう。従って、置換基は有していてもよい。また、「重縮合セグメント」とは、ポリマーを構成している一部分であってその骨格が縮合反応によって形成された構造であるものをいう。
【0021】
【発明の実施の形態】
(1)共重合体
本発明の共重合体は、一般に、式
【0022】
【化7】
【0023】
[式中、Aは反応性ケイ素含有基であり、Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基であり、Qは反応性ケイ素含有基と共存可能な基であり、Eは主鎖の一部である重縮合セグメント、又は側鎖として重縮合セグメントを有するポリエチレンセグメントであり、mは1以上の整数であり、nは0又は1以上の整数であり、kは1以上の整数である。]
で示される繰返し単位を有するポリマー、と表現することができる。
【0024】
反応性ケイ素含有基は、加水分解・重縮合反応などによって相互に結合することができる官能基であればよい。反応性ケイ素含有基としては、具体的には、トリアルコキシシリル基、ジアルコキシアルキルシリル基及びアルコキシジアルキルシリル基のようなアルコキシシリル基を有するものが好ましい。アルコキシシリル基はゾルゲル法により簡便にシリカに変換でき、また取扱いも比較的容易であるからである。さらにアルコキシシリル基を有する不飽和モノマーは、比較的入手しやすいからである。これらの中でも、トリアルコキシシリル基を有するものが特に好ましい。トリアルコキシシリル基を有するものは、モノまたはジアルコキシシリル基を有するものに比べて、ゾルゲル法により生成する有機・無機ハイブリッド高分子材料において架橋が密となり、その表面硬度等をより向上させることができるからである。
【0025】
具体的には、Aは、式
【0026】
【化8】
【0027】
[式中、R1は炭素数1〜10のアルキレン基又は炭素数6〜20のアリーレン基であり、R2は炭素数1〜10のアルキル基であり、yは0又は1である。]で示す構造を有することが好ましい。より好ましくは、R1はメチレン基、プロピレン基、ブチレン基等であり、R2はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等である。
【0028】
重縮合セグメントは、エンジニアリングプラスチックに代表される、縮合反応によって形成される樹脂の構造を含んでいればよい。このような樹脂の例には、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド等の縮合ポリマーが挙げられる。重縮合セグメントとして好ましい構造は、ポリカーボネート、ポリアリレート又はポリサルホンのセグメントである。ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリサルホンは透明なエンプラであるが、これら以外の上記ポリマーは一般に不透明である。従って、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリサルホンをベースとした有機・無機ハイブリッド高分子材料には、より幅広い用途が考えられ、また市場価値もより高いからである。
【0029】
重縮合セグメントはポリエチレンセグメントと共に主鎖の一部であっても、ポリエチレンセグメントに対して側鎖であってもよい。重縮合セグメントが主鎖の一部である場合、共重合体はブロック共重合体とみることができる。Eは、例えば、式
【0030】
【化9】
【0031】
[式中、E1はポリカーボネート、ポリアリレート又はポリサルホンのセグメントであり、R3はそれぞれ独立して炭素数1〜10のアルキレン基又は炭素数6〜20のアリーレン基であり、xは1以上の整数である。]
【0032】
又は、式
【0033】
【化10】
【0034】
[式中、E1及びR3は上記と同意義である。]
で示す構造を有する。より好ましくは、E1はポリカーボネートのセグメントであり、R3はメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、フェニレン基等である。
【0035】
重縮合セグメントがポリエチレンセグメントに対して側鎖である場合、共重合体はグラフト共重合体とみることができる。Eは、例えば、式
【0036】
【化11】
【0037】
[式中、E1はポリカーボネート、ポリアリレート又はポリサルホンのセグメントであり、R4は水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基であり、xは1以上の整数である。]
で示す構造を有する。より好ましくは、E1はポリカーボネートのセグメントであり、R4は水素原子又はメチル基である。
【0038】
E1の末端水酸基は架橋点として機能させることができる。この水酸基は別の官能基に変換されていてもよい。例えば、この水酸基が不飽和酸と更に縮合してエチレン性不飽和基に変換されていてもよい。その場合、E1の末端は別の重合体のポリエチレンセグメントに組み込まれることができる。
【0039】
つまり、Eは、式
【0040】
【化12】
【0041】
[式中、R4及びE1は上記と同意義であり、Zはそれぞれ独立して別の重合体のセグメントである。]
で示す構造であってもよい。
【0042】
R及びQは、ポリエチレンセグメントの原料である不飽和モノマーが有する置換基である。これらは反応性ケイ素含有基と共存可能な基であれば特に限定されない。一般にRはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基であり、好ましくは水素原子又はメチル基である。一般にQは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、カルボキシル基、炭素数1〜9のアルコキシカルボニル基、炭素数6〜20のアリール基、又はハロゲン原子であり、好ましくはカルボキシル基、メトキシカルボキニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェニル基、塩素原子等である。
【0043】
本発明の共重合体は、数平均分子量500,000〜1,000、好ましくは100,000〜3,000、より好ましくは50,000〜10,000を有する。特に、本発明のブロック共重合体は数平均分子量300,000〜1,000、好ましくは100,000〜3,000、より好ましくは50,000〜10,000を有する。また、本発明のグラフト共重合体は、数平均分子量分子量300,000〜1,000、好ましくは100,000〜3,000、より好ましくは50,000〜10,000を有する。
【0044】
共重合体の数平均分子量が1,000未満であると有機・無機ハイブリッド高分子材料の成膜性が低下し、また500,000を超えるとゲル化が生じるおそれがある。共重合体の分子量はポリスチレンを標準として用いて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定結果から算出することができる。
【0045】
本発明の共重合体では、ポリエチレンセグメントと重縮合セグメントとの割合は、共重合体に要求される性能に応じて自由に変更することができる。この割合は、例えば、両者の原料であるモノマー、マクロマー、又はマクロ重合開始剤の仕込み量の比率によって決定される。例えば、ポリエチレンセグメントと重縮合セグメントとの割合は、重量比で1:99〜99:1、5:95〜95:5、10:90〜90:10等とすることができる。
【0046】
(2)共重合体の製造方法
本発明の共重合体のうちブロック共重合体は、例えば、反応性ケイ素含有基を有する不飽和モノマー、及び上記反応性ケイ素含有基と共存可能な不飽和モノマーを含有するモノマー混合物を、重縮合セグメントを有するマクロ重合開始剤を用いてラジカル重合させて製造することができる。
【0047】
反応性ケイ素含有基を有する不飽和モノマーは、例えば、以下の式で示す構造のものを用いることができる。
【0048】
【化13】
【0049】
式中、R1、R2、R3は水素原子、または直鎖状でも分岐していても良く、官能基を含んでも含まなくても良いC1〜C20のアルキル基もしくはアラルキル基を示す。R1、R2、R3は、同一であっても異なっていても良い。R4は直鎖状でも分岐していても良く、官能基を含んでも含まなくても良いC1〜C20のアルキレン基またはアリーレン基を示す。また、R4は必ずしも存在せずとも良く、ビニル、アクリレート、メタクリレートなどにSiが直接結合していても良い。R5は同一であっても異なっていても良いC1〜C12のアルキル基、フェニル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子を示し、Xは同一であっても異なっていても良いC1〜C8のアルコキシ基、アセトキシ基またはアセチルアセトキシ基、好ましくはC1〜C4のアルコキシ基を示す。mは0または1、およびnは0〜2の整数である。
【0050】
反応性ケイ素含有基を有する不飽和モノマーの具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルフェニルジエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルジフェニルエトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシプロピルトリス(メトキシエトキシ)シラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリス(メトキシエトキシ)シラン等が挙げられ、これらの一部はチッソ社や信越化学社等から入手することができる。
【0051】
これらの不飽和モノマーは1種類だけで用いても良く、2種以上を併用しても良い。このような不飽和モノマーを重合させることにより、ポリオレフィン、ポリアクリレート、またはポリメタクリレートなどを主骨格とし、反応性ケイ素含有基を側鎖とする、エチレン系ポリマーが合成できる。反応性ケイ素含有基のSiの部分が他の金属、例えばAl、Ti、Zr等であってもよく、アルコキシ基の部分がアセトキシ基やアセチルアセトキシ基であってもよい。
【0052】
反応性ケイ素含有基と共存可能な不飽和モノマーは、共重合体中の反応性ケイ素含有基の数や分布を調整するために、必要に応じて使用される。使用する不飽和モノマーの種類や量を変化させることにより、この後調製される有機・無機ハイブリッド高分子材料の特性を調整することができる。かかる不飽和モノマーの具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ブタジエン等が挙げられる。
【0053】
マクロ重合開始剤とは、ラジカル重合を開始させる官能基を有するポリマーをいう。ここで用いられるマクロ重合開始剤はラジカル重合を開始させる官能基を有する縮合ポリマーである。ラジカル重合を開始させる官能基としては、一般に、ジアゾ基やペルオキシ基が挙げられる。
【0054】
ジアゾ基を有する縮合ポリマーの例としては以下の式で示される化合物が挙げられる。
【0055】
【化14】
【0056】
ここで、R6、R7はC1〜C20のアルキレン基、アリーレン基を示し、これらは直鎖状でも分岐していてもよく、官能基を含んでも含まなくても良い。また、R6、R7は同一でも異なってもよい。X1、X2はO又はSを示し、これらは同一でも異なっていてもよい。Y1、Y2はO又はイミノ基を示し、これらは同一でも異なっていてもよい。a、b、c、dは0又は1、nは1以上の整数である。また、Pは上記共重合体の重縮合セグメントと同じ縮合ポリマーのセグメントを示す。
【0057】
かかる化合物の調製法として、例えば特開昭59−27908号公報、特開平9−302196号公報、特開平10−67836号公報に記載された方法が挙げられる。ここでは、両末端に水酸基を有するポリカーボネートオリゴマーと、ジアゾ基を有するカルボン酸クロリドを縮合させることにより、ジアゾ基を有する縮合ポリマーが調製されている。
【0058】
ジアゾ基を有する縮合ポリマーは、数平均分子量300,000〜1,000、好ましくは200,000〜3,000、より好ましくは100,000〜10,000を有する。この縮合ポリマーの数平均分子量が1,000未満であると、内部の重縮合セグメントが相対的に低分子量化せざるを得なくなり、後に調製される有機・無機ハイブリッド高分子材料の特性が不十分となるおそれがある。
【0059】
また、ジアゾ基を有する縮合ポリマーは、分子内に平均1〜100個、好ましくは平均2〜50個、より好ましくは平均3〜20個のジアゾ基を有する。但し、ジアゾ基の数が2個未満であると、重合開始剤としての効率が不十分となり得る。
【0060】
ペルオキシ基を有する縮合ポリマーの例としては以下の式で示される化合物が挙げられる。
【0061】
【化15】
【0062】
ここで、R8、R9はC1〜C20のアルキレン基、アリーレン基を示し、これらは直鎖状でも分岐していてもよく、官能基を含んでも含まなくても良い。また、R8、R9は同一でも異なってもよい。X3、X4、X5、X6はO又はSを示し、これらは同一でも異なっていてもよい。Y3、Y4はO又はイミノ基を示し、これらは同一でも異なっていてもよい。a、b、c、d、e、fは0又は1、m、nは1以上の整数である。また、Pは上記共重合体の重縮合セグメントと同じ縮合ポリマーのセグメントを示す。
【0063】
かかる化合物の調製法として、例えば高分子論文集、44(2)、73−79(1987)に記載されている方法が挙げられる。ここでは、アジピン酸クロライドとトリエチレングリコールから合成したオリゴエステルに過酸化ナトリウムを反応させることにより、ペルオキシ基を有する縮合ポリマーが調製されている。
【0064】
ペルオキシ基を有する縮合ポリマーは、数平均分子量300,000〜1,000、好ましくは200,000〜3,000、より好ましくは100,000〜10,000を有する。この縮合ポリマーの数平均分子量が1,000未満であると、内部の重縮合セグメントが相対的に低分子量化せざるを得なくなり、後で調製される有機・無機ハイブリッド高分子材料の特性が不十分となるおそれがある。また、数平均分子量が300,000を超えるとゲル化が生じるおそれがある。
【0065】
また、ペルオキシ基を有する縮合ポリマーは、分子内に平均1〜100個、好ましくは平均2〜50個、より好ましくは平均3〜20個のペルオキシ基を有する。但し、このペルオキシ基の数が2個未満であると、重合開始剤としての効率が不十分となり得る。
【0066】
モノマー混合物をラジカル重合する方法としては、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の従来の方法が使用可能である。通常は室温〜100℃程度で加温・混合し、マクロ重合開始剤が完全に消費されるまで反応を継続する。得られる共重合体のポリエチレンセグメントと重縮合セグメントの組成や分子量等は、マクロ重合開始剤における重合開始官能基の含有量、分子量等、不飽和モノマーの添加量、反応温度・時間等の諸条件によって調整される。
【0067】
本発明の共重合体のうちグラフト共重合体は、例えば、反応性ケイ素含有基を有する不飽和モノマー、重縮合セグメントを有する不飽和マクロマー、及び該反応性ケイ素含有基と共存可能な不飽和モノマーを含有するモノマー混合物を、ラジカル重合させて製造することができる。
【0068】
不飽和マクロマーとは、末端にエチレン性不飽和基を有するポリマーをいう。ここで用いられる不飽和マクロマーは重縮合セグメントを有するものである。重縮合セグメントを有する不飽和マクロマーは、例えば、水酸基を有する縮合ポリマーと、(i)ラジカル重合可能な官能基を有するカルボン酸等、または(ii)ラジカル重合可能な官能基を有するハロゲン化物等、を反応させることにより調製することができる。
【0069】
水酸基を有する縮合ポリマーの例として、例えば特公平7−33441号公報には、ポリカーボネートジオールの製法が記載されている。カルボン酸等(i)の例としては、アクリル酸、メタクリル酸およびその誘導体が挙げらる。また、ハロゲン化物等(ii)の例としてはアリルクロライドやアリルブロマイドが挙げらる。これらは縮合ポリマーに導入した水酸基と縮合反応することができる。
【0070】
不飽和マクロマーは、数平均分子量200,000〜500、好ましくは50,000〜1,000、より好ましくは10,000〜1,500を有する。この不飽和マクロマーの数平均分子量が500未満であると、有機・無機ハイブリッド高分子材料の成膜性が低下するおそれがあり、一方、200,000を超えるとゲル化が生じるおそれがある。また、エチレン性不飽和基は不飽和マクロマーの片末端、又は両末端に存在してよい。
【0071】
モノマー混合物をラジカル重合する方法は、重合開始剤としてマクロ重合開始剤の代わりに、常套の低分子量重合開始剤、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)等を使用すること以外はブロック共重合体について説明したのと同様である。
【0072】
(3)有機・無機ハイブリッド高分子材料
本発明の共重合体を加水分解・重縮合させることにより、有機・無機ハイブリッド高分子材料を製造することができる。この製造では、主にゾル−ゲル反応が利用される。
【0073】
ゾル−ゲル法による加水分解・重縮合とは、溶液中において溶質が有する金属アルコキシ基と水とを反応させることでアルコキシ基を水酸基に変換し、次いでこの水酸基を同時進行的に重縮合させることにより、ヒドロキシ金属基(例えば−Si−OH)を有する化合物が隣接した分子または官能基と脱水あるいは脱アルコール反応を生じ、無機的な共有結合を介して三次元に架橋する反応を言う。
【0074】
用いられる溶媒は、溶質となる化合物を良好に溶解できるものであれば構わないが、加水分解を考慮すれば、水と混和する極性溶媒が好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールモノエーテル(セロソルブ)類、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールジエーテル(グライム)類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン等の環状エーテル類、蟻酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトニトリル、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。また、これらの混合溶媒でも構わない。
【0075】
加水分解に用いられる水として、全てのアルコキシ基を水酸基に変換するのに必要な量を加えても良いし、反応系あるいは大気中の水分を用いても良い。反応条件としては、室温〜100℃で0.5〜24時間程度が望ましい。またその際、塩酸、酢酸、硫酸、硝酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の酸性触媒や水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、トリエチルアミン、ピペリジン、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン)等の塩基性触媒を用いても良い。この際、条件によっては加水分解だけでなく、縮合反応も同時に進行する。その後、ゲル化、溶媒の蒸発、試料の乾燥に伴って縮合反応は進行するが、更に縮合反応を進めて架橋をより強固なものとしたい場合は、適当な条件で加熱してもよい。また、ゲル化、乾燥、加熱の際に生じる可能性があるクラックを抑制するために、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、シュウ酸、ジオキサン等を加えても良いし、添加物としてアセチルアセトン等を加えても良い。
【0076】
本発明の共重合体を加水分解・重縮合させた場合には、共重合体内部の反応性ケイ素含有基が加水分解してシラノール基(−Si−OH)となった後に、隣接する他のシラノール基又は反応性ケイ素含有基と縮合してシロキシ鎖(−Si−O−Si−)を形成し、三次元に架橋した有機・無機ハイブリッド高分子材料となる。
【0077】
また本発明の共重合体をSi、Ti、Zr、Al、Fe、Cu、Sn、B、Ge、Ce、TaまたはWなど金属元素を有する、金属、金属アルコキシド化合物、金属酸化物、金属錯体、無機塩などと共に加水分解・重縮合させてもよい。そうすることによって共重合体内部の反応性ケイ素含有基と金属アルコキシド化合物等が共に加水分解して縮合し、共重合体と微小な金属酸化物が共有結合し、相互に微分散した有機・無機ハイブリッド高分子材料となる。その結果、無機物含有量やポリマー間の架橋密度等を調整することができ、有機・無機ハイブリッド高分子材料の特性や機能を向上させることができる。
【0078】
かかる用途に好適な金属アルコキシド化合物の例を以下の式に示す。
【0079】
【化16】
【0080】
式中、R10は水素、ハロゲンまたはC1〜C12、好ましくはC1〜C6のアルキル基またはフェニル基を示す。AはC1〜C8、好ましくはC1〜C4のアルコキシ基を示す。Mは、Si、Ti、Zr、Al、Fe、Cu、Sn、B、Ge、Ce、Ta、W等からなる群、好ましくはSi、Ti、Zr、Alからなる群から選択される金属元素を示す。R11はC1〜C4、好ましくはC2〜C4のアルキレン基またはアルキリデン基を示す。Xはイソシアネート基、エポキシ基、カルボキシル基、酸ハロゲン化物基、酸無水物基、アミノ基、チオール基、ビニル基、(メタ)アクリル基、ハロゲン原子等の一般的な官能基を示す。kは0〜5、lは1〜6、mは0または1、nは0〜5の整数を示す。
【0081】
MがSiである場合の金属アルコキシド化合物を例示すると、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリn−プロポキシシラン、ジメトキシシラン、ジエトキシシラン、ジイソプロポキシシラン、モノメトキシシラン、モノエトキシシラン、モノブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、エチルジエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジイソプロピルイソプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリn−プロポキシシラン、ブチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジイソプロピルジイソプロポキシシラン、ジブチルジブトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリエチルエトキシラン、トリn−プロピルn−プロポキシシラン、トリブチルブトキシシラン、フェニルトリメトキシラン、ジフェニルジエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、等のアルキルアルコキシシラン類、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、2−イソシアネートエチルトリn−プロポキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、2−イソシアネートエチルエチルジブトキシシラン、3−イソシアネートプロピルジメチルイソプロポキシシラン、2−イソシアネートエチルジエチルブトキシシラン、ジ(3−イソシアネートプロピル)ジエトキシシラン、ジ(3−イソシアネートプロピル)メチルエトキシシラン、エトキシシラントリイソシアネート等のイソシアネート基を有する(アルキル)アルコキシシラン類、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシブチルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有する(アルキル)アルコキシシラン、カルボキシメチルトリエトキシシラン、カルボキシメチルエチルジエトキシシラン、カルボキシエチルジメチルメトキシシラン等のカルボキシル基を有する(アルキル)アルコキシシラン、3−(トリエトキシシリル)−2−メチルプロピルコハク酸無水物等の酸無水物基を有するアルコキシシラン、2−(4−クロロスルフォニルフェニル)エチルトリエトキシシラン等の酸ハロゲン化物基を有するアルコキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を有する(アルキル)アルコキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のチオール基を有する(アルキル)アルコキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン等のビニル基を有する(アルキル)アルコキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシピロピルメチルジメチルシラン等の(メタ)アクリル基を有する(アルキル)アルコキシシラン、トリエトキシフルオロシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−ブロモプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルメチルジメトキシシラン等のハロゲン原子を有する(アルキル)アルコキシシランを挙げることができる。
【0082】
Siだけではなく、Ti、Zr、Al、Fe、Cu、Sn、B、Ge、Ce、Ta、W等の他の金属においても同様の化合物を例示することができる。
【0083】
これらの金属アルコキシド化合物は1種類だけでも良く、2種以上を併用しても良い。また、Mg[Al(iso−OC3H7)4]2、Ba[Zr2(OC2H5)9]2、(C3H7O)2Zr[Al(OC3H7)4]2等の1分子内に2種以上の金属元素が含まれているような金属アルコキシド化合物や、テトラメトキシシランオリゴマー、テトラエトキシシランオリゴマー等の1分子内に2個以上の繰り返し単位を有するオリゴマータイプの金属アルコキシド化合物を用いても良い。また、アルコキシ基がアセトキシ基やアセチルアセトキシ基であっても良い。
【0084】
また、本発明では前述したような無機化合物だけでなく、他のプラスチックや有機化合物を添加しても良い。特に、市販のプラスチックの添加はコスト面で有利となるため望ましいが、本発明の共重合体と相溶するものでなければならない。このようなプラスチックの例としては、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリレート、ポリサルホン等が挙げられる。
【0085】
これらのプラスチックを本発明で併用した場合には、本発明の共重合体が相溶化剤として働き、通常は非相溶なプラスチックと無機化合物を馴染ませる。
【0086】
【発明の効果】
本発明の共重合体は分子の末端及び分子の内部に複数の反応性ケイ素含有基を有しており、一分子に含まれる反応性ケイ素含有基の数が多い。また、本発明の共重合体は物性に優れた重縮合ポリマーのセグメントを有している。従って、本発明の共重合体を含む組成物を加水分解・重縮合することにより、架橋密度が高く、骨格が強靱な有機・無機ハイブリッド材料を得ることができる。こうして、無機材料が有する耐熱性、耐候性、硬度、剛性、耐薬品性、耐汚染性、機械的強度、難燃性等の特性を縮合ポリマーに良好に付与することができる。
【0087】
本発明による有機・無機ハイブリッド材料は、工業用プラスチック材料、特に構造材料、光学材料、プラスチック成形品・フィルム、シーリング材、高分子シランカップリング剤、相溶化剤、表面改質剤、ハードコート剤、樹脂添加物等に用いることができる。
【0088】
以下に合成例、実施例および比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されない。ことわりのない限り各例中の「部」は「重量部」を表し、「%」は「重量%」を表す。
【0089】
【実施例】
合成例1:両末端水酸基ポリカーボネートの合成
203.2g(10mmol)の市販のポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチックス製ユーピロンE−2000)、22.8g(100mmol)のビスフェノールAおよび2.2g(10mmol)の酢酸亜鉛を、2L(リットル)の1,2,4−トリクロロベンゼンに懸濁させて、180℃で3時間加熱撹拌した。放冷後、反応混合物を大過剰のメタノールに投入し、沈殿・濾別して174.0gの両方の末端に水酸基を有するポリカーボネートを得た(収率77%)。GPC測定の結果、数平均分子量は3960であった。
【0090】
合成例2:両末端メタクリル基ポリカーボネートの合成
39.6g(10mmol)の合成例1で得た両末端水酸基ポリカーボネートと2.0g(20mmol)のトリエチルアミンを100mlのクロロホルムに溶解した。この溶液に、100mlのクロロホルムに溶解した2.1g(20mmol)のメタクリル酸クロリドを氷冷中滴下し、次いで50℃で1時間加温撹拌した。その後、反応混合物を大過剰のメタノールに投入し、析出した沈殿をろ別して両方の末端にメタクリル基を有するポリカーボネートを得た(収量41g、収率98%)。GPC測定の結果、数平均分子量は4100であった。また、1H−NMR測定によりポリカーボネートヘのメタクリル基の導入を確認した。
【0091】
合成例3:片末端メタクリル基ポリカーボネートの合成
39.6g(10mmol)の合成例1で得た両末端水酸基ポリカーボネートと1.0g(10mmol)のトリエチルアミンを100mlのクロロホルムに溶解した。この溶液に、100mlのクロロホルムに溶解した1.05(10mmol)のメタクリル酸クロリドを氷冷中滴下し、次いで50℃で1時間加温撹拌した。その後、反応混合物を大過剰のメタノールに投入し、析出した沈殿をろ別して片方の末端にメタクリル基を有するポリカーボネートを得た(収量40g、収率98%)。GPC測定の結果、数平均分子量は4000であった。また、1H−NMR測定によりポリカーボネートヘのメタクリル基の導入を確認した。
【0092】
合成例4:アゾ基含有ポリカーボネートの合成
39.6g(10mmol)の合成例1で得た両末端水酸基ポリカーボネートと2.0g(20mmol)のトリエチルアミンを100mlのクロロホルムに溶解した。この溶液に、100mlのクロロホルムに溶解した3.2g(10mmol)の4,4'−アゾビス(4−シアノペンタン酸クロリド)を氷冷中滴下し、次いで35℃で1時間加温撹拌した。その後、反応混合物を大過剰のメタノールに投入し、沈殿・ろ別してアゾ基含有ポリカーボネートを得た(収量41g、収率96%)。GPC測定の結果、数平均分子量は39600であり、アゾ基平均結合数は9.4個であった。
【0093】
合成例5:ペルオキシ基含有ポリカーボネートの合成
高分子論文集、44(2)、73‐79(1987)を参考としてペルオキシ基含有ポリカーボネートを合成した。39.6g(10mmol)の合成例1で得た両末端水酸基ポリカーボネートと4.0g(40mmol)のトリエチルアミンを100mlのクロロホルムに溶解した。この溶液に、50mlのクロロホルムに溶解した3.7g(20mmol)のアジピン酸クロリドを氷冷中滴下し、次いで50℃で1時間加温撹拌した後、冷却した。この溶液に、1.0g(24mmol)の水酸化ナトリウム、1.4g(12mmol)の30%過酸化水素水、0.4gのジオクチルホスフェートを50gのイオン交換水に溶解した溶液を氷冷中添加し、3時間撹拌した。静置・分液後の反応混合物からクロロホルム層を取り出し、大過剰のメタノールに投入して析出した沈殿をろ別し、ペルオキシ基含有ポリカーボネートを得た(収量41g、収率93%)。GPC測定の結果、数平均分子量は22300であり、ペルオキシ基平均結合数は5.3個であった。
【0094】
実施例1:アルコキシシリル基を有するポリメタクリレート−ポリカーボネートブロック共重合体の合成
7.9g(0.2mmol)の合成例4で得たアゾ基含有ポリカーボネートと9.0g(36mmol)の3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレートを、150mlのクロロホルムに溶解して、60℃で5時間加熱撹拌した。冷却した反応混合物を大過剰のメタノールに投入した後、沈殿・ろ別してブロック共重合体を回収した(収量5.4g、収率32%)。GPC測定の結果、数平均分子量は25300であった。1H−NMR測定の結果、共重合体中のポリカーボネートとポリ3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレートの組成は重量比で65:35であった。
【0095】
実施例2:アルコキシシリル基を有するポリメタクリレート−ポリカーボネートブロック共重合体の合成
7.9g(0.2mmol)の合成例4で得たアゾ基含有ポリカーボネートと4.5g(18mmol)の3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレートを150mlのクロロホルムに溶解して、60℃で5時間加熱撹拌した。冷却した反応混合物を大過剰のメタノールに投入した後、沈殿・ろ別してブロック共重合体を回収した(収量8.1g、収率65%)。GPC測定の結果、数平均分子量は20300であった。1H−NMR測定の結果、共重合体中のポリカーボネートとポリ3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレートの組成は重量比で83:17であった。
【0096】
実施例3:アルコキシシリル基を有するポリメタクリレート−ポリカーボネートブロック共重合体の合成
7.9g(0.2mmol)の合成例4で得たアゾ基含有ポリカーボネートと2.3g(9mmol)の3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレートを150mlのクロロホルムに溶解して、60℃で5時間加熱撹拌した。冷却した反応混合物を大過剰のメタノールに投入した後、沈殿・ろ別してブロック共重合体を回収した(収量9.0g、収率88%)。GPC測定の結果、数平均分子量は17300であった。1H−NMR測定の結果、共重合体中のポリカーボネートとポリ3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレートの組成は重量比で94:6であった。
【0097】
実施例4:アルコキシシリル基を有するポリメタクリレート−ポリカーボネートブロック共重合体の合成
4.5g(0.2mmol)の合成例5で得たペルオキシ基含有ポリカーボネートと4.5g(18mmol)の3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレートを100mlのクロロホルムに溶解して、60℃で5時間加熱撹拌した。冷却した反応混合物を大過剰のメタノールに投入した後、析出した沈殿をろ別してブロック共重合体を回収した(収量5.5g、収率61%)。GPC測定の結果、数平均分子量は18800であった。1H−NMR測定の結果、共重合体中のポリカーボネートとポリ3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレートの組成は重量比で85:15であった。
【0098】
実施例5:アルコキシシリル基を有するポリメタクリレート−ポリカーボネートグラフト共重合体の合成
8.2g(2mmol)の合成例2で得た両末端メタクリル基ポリカーボネート、2.5g(10mmol)の3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート、0.03g(0.2mmol)の2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を100mlのクロロホルムに溶解して、60℃で5時間加熱撹拌した。冷却した反応混合物を大過剰のメタノールに投入した後、析出した沈殿をろ別してグラフト共重合体を回収した(収量4.8g、収率45%)。GPC測定の結果、数平均分子量は18700であった。1H−NMR測定の結果、共重合体中のポリカーボネートとポリ3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレートの組成は重量比で33:67であった。
【0099】
実施例6:アルコキシシリル基を有するポリメタクリレート−ポリカーボネートグラフト共重合体の合成
8.1g(2mmol)の合成例3で得た片末端メタクリル基ポリカーボネート、2.5g(10mmol)の3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート、0.03g(0.2mmol)の2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を100mlのクロロホルムに溶解して、60℃で5時間加熱撹拌した。冷却した反応混合物を大過剰のメタノールに投入した後、析出した沈殿をろ別してグラフト共重合体を回収した(収量4.6g、収率43%)。GPC測定の結果、数平均分子量は18200であった。1H−NMR測定の結果、共重合体中のポリカーボネートとポリ3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレートの組成は重量比で42:58であった。
【0100】
実施例7:ゾル−ゲル反応によるフィルムの作製
実施例1で合成した重量組成比65:35のブロック共重合体1.0gを10mlのテトラヒドロフランに溶解させた後、0.23gの1mol/L(リットル)塩酸水を添加し、室温下で10分間撹拌した。この溶液を二つに分け、一方はガラス基板へのスピンコートに使用した。また、もう一方はポリエチレン製シャーレ上にキャストして溶媒を蒸発させ、厚さ約40μmの不透明なフィルムを得た。
【0101】
実施例8:ゾル−ゲル反応によるフィルムの作製
実施例2で合成した重量組成比83:17のブロック共重合体1.0gを10mlのテトラヒドロフランに溶解させた後、0.11gの1mol/L−塩酸水を添加し、室温下で10分間撹拌した。この溶液を二つに分け、一方はガラス基板へのスピンコートに使用した。また、もう一方はポリエチレン製シャーレ上にキャストして溶媒を蒸発させ、厚さ約40μmの透明で良好なフィルムを得た。
【0102】
実施例9:ゾル−ゲル反応によるフィルムの作製
実施例3で合成した重量組成比94:6のブロック共重合体1.0gを10mlのテトラヒドロフランに溶解させた後、0.04gの1mol/L−塩酸水を添加し、室温下で10分間撹拌した。この溶液を二つに分け、一方はガラス基板へのスピンコートに使用した。また、もう一方はポリエチレン製シャーレ上にキャストして溶媒を蒸発させ、厚さ約40μmの半透明で良好なフィルムを得た。
【0103】
実施例10:ゾル−ゲル反応によるフィルムの作製
実施例4で合成した重量組成比85:15のブロック共重合体1.0gを10mlのテトラヒドロフランに溶解後、0.10gの1mol/L−塩酸水を添加し、室温下で10分間撹拌した。この溶液を二つに分け、一方はガラ又基板へのスピンコートに使用した。また、もう一方はボリエチレン製シャーレ上にキャストして溶媒を蒸発させ、厚さ約40μmの透明で良好なフィルムを得た。
【0104】
実施例11:ゾル−ゲル反応によるフィルムの作製
実施例5で合成した重量組成比33:67のグラフト共重合体1.0gを10mlのテトラヒドロフランに溶解させた後、0.44gの1mol/L−塩酸水を加え、室温下で10分間撹拌した。この溶液を二つに分け、一方はガラス基板へのスピンコートに使用した。また、もう一方はポリエチレン製シャーレ上にキャストして溶媒を蒸発させ、約30μmのフィルム厚を有する透明で良好なフィルムを得た。
【0105】
実施例12:ゾル−ゲル反応によるフィルムの作製
実施例6で合成した重量組成比42:58のグラフト共重合体1.0gを10mlのテトラヒドロフランに溶解させた後、0.38gの1mol/L−塩酸水を加え、室温下で10分間撹拌した。この溶液を二つに分け、一方はガラス基板へのスビンコートに使用した。また、もう一方はポリエチレン製シヤーレ上にキャストして溶媒を蒸発させ、厚さ約40μmの透明で良好なフィルムを得た。
【0106】
比較例1
5.0g(20mmol)の3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレートと0.07g(0.4mmol)の2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)を20mlのクロロホルムに溶解して、60℃で5時間加熱撹拌した。冷却した反応混合物を大過剰のヘキサンに投入した後、沈殿・濾別してポリ3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレートを回収した(収量3.4g、収率68%)。GPC測定の結果、数平均分子量は28000であった。
【0107】
比較例2
市販のポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチックス製ユーピロンE−2000)0.2gをクロロホルムに5mlに溶解した後、ガラス基板へスピンコートした。
【0108】
分析及び評価
実施例1〜3で合成したアルコキシシリル基を有するポリメタクリレート−ポリカーボネートブロック共重合体の1H−NMRスペクトルを図1〜3に示す。また、比較例1で合成したポリ3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレートおよびポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチック社製のユーピロンE−2000)の1H−NMRスペクトルをそれぞれ図4及び図5に示す。
【0109】
また、実施例1で合成したアルコキシシリル基を有するポリメタクリレート−ポリカーボネートブロック共重合体のFT−IRスペクトルを図6に示す。また、比較例1で合成したポリ3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレートおよびポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチック社製のユーピロンE−2000)のFT−IRスペクトルをそれぞれ図7及び図8に示す。
【0110】
これらのデータの比較・解析から、実施例1〜3で合成された化合物はアルコキシシリル基を有するポリメタクリレート−ポリカーボネート共重合体であることが確認された。
【0111】
実施例7〜12、および比較例2で作製したガラス基板へのコーティングフィルムを用いて、鉛筆硬度による表面硬度測定を行った。その結果、本発明のアルコキシシリル基を有するエチレン系ポリマー−縮合ポリマー共重合体から作製した有機・無機ハイブリッド高分子材料は、良好な表面硬度を有することが確認された。この結果をキャストフィルム外観の評価結果と併せて、表1に示す。
【0112】
【表1】
高分子材料の外観と表面硬度
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得た共重合体の1H−NMRスペクトルである。
【図2】実施例2で得た共重合体の1H−NMRスペクトルである。
【図3】実施例3で得た共重合体の1H−NMRスペクトルである。
【図4】比較例1で得たポリ3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレートの1H−NMRスペクトルである。
【図5】市販されているポリカーボネートの1H−NMRスペクトルである。
【図6】実施例1で得た共重合体のFT−IRスペクトルである。
【図7】比較例1で得たポリ3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレートのFT−IRスペクトルである。
【図8】市販されているポリカーボネートのFT−IRスペクトルである。
Claims (15)
- 主鎖であるポリエチレンセグメントと;該ポリエチレンセグメントの側基である反応性ケイ素含有基と;該ポリエチレンセグメントに結合した重縮合セグメントであって、ポリエチレンセグメントと共に主鎖の一部である重縮合セグメント、又はポリエチレンセグメントに対して側鎖である重縮合セグメントとを;有する共重合体。
- 前記反応性ケイ素含有基がアルコキシシリル含有基である請求項1又は2記載の共重合体。
- 前記重縮合セグメントがポリカーボネート、ポリアリレート又はポリサルホンのセグメントである請求項1又は2記載の共重合体。
- 前記Qが、水素原子、カルボキシル基、炭素数1〜9のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン原子である請求項2記載の共重合体。
- 反応性ケイ素含有基を有する不飽和モノマー、及び該反応性ケイ素含有基と共存可能な不飽和モノマーを含有するモノマー混合物を、重縮合セグメントを有するマクロ重合開始剤を用いてラジカル重合させる工程を包含する、請求項1又は2記載の共重合体の製造方法。
- 反応性ケイ素含有基を有する不飽和モノマー、重縮合セグメントを有する不飽和マクロマー、及び該反応性ケイ素含有基と共存可能な不飽和モノマーを含有するモノマー混合物を、ラジカル重合させる工程を包含する、請求項1又は2記載の共重合体の製造方法。
- 前記反応性ケイ素含有基がアルコキシシリル含有基である請求項9又は10記載の方法。
- 前記重縮合セグメントがポリカーボネート、ポリアリレート又はポリサルホンのセグメントである請求項9又は10記載の方法。
- 請求項1〜8のいずれか記載の共重合体を加水分解・重縮合させる工程を包含する有機・無機ハイブリッド高分子材料の製造方法。
- Si、Ti、Zr、Al、Fe、Cu、Sn、B、Ge、Ce、Ta、Wからなる群から選択される金属、金属アルコキシド化合物、金属酸化物、金属錯体または無機塩の存在下で、請求項1〜8いずれか記載の共重合体を加水分解・重縮合させる工程を包含する有機・無機ハイブリッド高分子材料の製造方法。
- 請求項13又は14記載の方法によって得られる有機・無機ハイブリッド高分子材料。
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