JP2013216808A - 新規な末端変性芳香族ポリカーボネート樹脂 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた撥水性を示す末端変性芳香族ポリカーボネート樹脂を提供。
【解決手段】ビスフェノール化合物と、炭酸エステル形成化合物と、下記一般式(2)で表されるフルオロアルケニル誘導体からなる末端停止剤とを反応させて得られる末端変性芳香族ポリカーボネート樹脂。
(式中、R10及びR11は各々独立に、水素原子、又は、ハロゲン原子、置換基を各々有してもよい炭素数1〜5のアルキル基等を表し、これらの基の炭素に結合しても良い置換基はハロゲン原子である。R12〜R14は、置換基を有する炭素数1〜10のアルキル基を表す。これらの基の炭素に結合する置換基は、フッ素原子または炭素数1〜10のフルオロアルキル基等であり、R12〜R14のうち少なくとも1つがフルオロアルキル基等で置換されたものである。)
【選択図】なし
【解決手段】ビスフェノール化合物と、炭酸エステル形成化合物と、下記一般式(2)で表されるフルオロアルケニル誘導体からなる末端停止剤とを反応させて得られる末端変性芳香族ポリカーボネート樹脂。
(式中、R10及びR11は各々独立に、水素原子、又は、ハロゲン原子、置換基を各々有してもよい炭素数1〜5のアルキル基等を表し、これらの基の炭素に結合しても良い置換基はハロゲン原子である。R12〜R14は、置換基を有する炭素数1〜10のアルキル基を表す。これらの基の炭素に結合する置換基は、フッ素原子または炭素数1〜10のフルオロアルキル基等であり、R12〜R14のうち少なくとも1つがフルオロアルキル基等で置換されたものである。)
【選択図】なし
Description
本発明は、新規な末端変性芳香族ポリカーボネート樹脂に係り、さらに詳しくは特殊なフルオロアルケニル構造を末端基に有する芳香族ポリカーボネート樹脂に関する。本発明のポリカーボネート樹脂は高い撥水性を有し、耐汚れ性や難燃性に優れるシートやフィルムを提供することが可能となる。
ポリカーボネート樹脂は、透明性と優れた機械的特性とを有するエンジニアプラスチックとして知られており、その用途は光学ディスクや自動車、電子デバイス、雑貨など非常に広範囲に及ぶ。また多岐に渡る用途に適応するために、特殊な構造のモノマーや末端封止剤を原料に用いて製造された特殊ポリカーボネート樹脂が開発されている。そして市場からはポリカーボネートの更なる用途の拡大や各種機能性の向上が求められている。
このような特殊ポリカーボネート樹脂として、フッ素原子を末端構造中に導入したポリカーボネート樹脂が既に開発されており、このようなポリカーボネート樹脂が、汚染防止性や難燃性等の諸性質を向上させることが明らかとなっている(特許文献1)。
しかし、特許文献1に記載の方法により得られるポリカーボネート樹脂は、撥水性の点でいまだ向上の余地があった。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、優れた撥水性を示す末端変性芳香族ポリカーボネート樹脂を提供することを目的とする。
本発明者らは上記従来の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の発明により、従来よりも高い撥水性を有するポリカーボネート樹脂が得られることを見出した。
すなわち本発明は、下記一般式(1)で表されるビスフェノール化合物と、炭酸エステル形成化合物と、下記一般式(2)で表されるフルオロアルケニル誘導体からなる末端停止剤とを反応させて得られる末端変性芳香族ポリカーボネート樹脂である。
(式中、R1〜R4はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、それぞれ置換基を有してもよい、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数7〜17のアラルキル基を表し、前記置換基が、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、又は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子からなる群より選ばれるハロゲン基である。Xは、下記式で表される二価の基を表す。)
(式中、R5及びR6はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、各々置換基を有してもよい、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、又は、炭素数6〜12アリール基を表す。R5及びR6は一緒に結合して炭素数5〜12の炭素環又は炭素数5〜12の複素環を形成してもよい。前記置換基は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、又は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子からなる群より選ばれるハロゲン基である。R7及びR8はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、各々置換基を有してもよい、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、又は、炭素数6〜12のアリール基を表す。これらの基の炭素に結合してもよい置換基は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、又は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子からなる群より選ばれるハロゲン基である。R9は、置換基を有しても良い炭素数1〜9のアルキレン基である。aは0〜20の整数を表し、bは1〜500の整数を表す。)
(式中、R10及びR11はそれぞれ独立に、水素原子、又は、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子からなる群より選ばれるハロゲン原子、置換基をそれぞれ有してもよい炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基を表し、これらの基の炭素に結合しても良い置換基はフッ素原子、塩素原子および臭素原子からなる群より選ばれるハロゲン原子である。R12〜R14はそれぞれ独立に、置換基を有する炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基を表す。これらの基の炭素に結合する置換基は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜10のフルオロアルキル基、又は、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子からなる群より選ばれるハロゲン原子であり、R12〜R14のうち少なくとも1つがフッ素原子又はフルオロアルキル基で置換されたものである。)
(式中、R5及びR6はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、各々置換基を有してもよい、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、又は、炭素数6〜12アリール基を表す。R5及びR6は一緒に結合して炭素数5〜12の炭素環又は炭素数5〜12の複素環を形成してもよい。前記置換基は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、又は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子からなる群より選ばれるハロゲン基である。R7及びR8はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、各々置換基を有してもよい、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、又は、炭素数6〜12のアリール基を表す。これらの基の炭素に結合してもよい置換基は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、又は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子からなる群より選ばれるハロゲン基である。R9は、置換基を有しても良い炭素数1〜9のアルキレン基である。aは0〜20の整数を表し、bは1〜500の整数を表す。)
上記末端変性芳香族ポリカーボネート樹脂によれば、優れた撥水性を示すポリカーボネート樹脂が実現される。
上記末端変性芳香族ポリカーボネート樹脂においては、上記一般式(2)で表される末端封止剤が4−[パーフルオロ(2−イソプロピル−1,3−ジメチル−1−ブテニル)オキシ]フェノールであることが好ましい。
この場合、上記末端封止剤以外の封止剤を用いる場合に比べて、溶剤として用いる塩化メチレンへの溶解性に優れ、また生成する末端変性芳香族ポリカーボネート樹脂はより撥水性に優れる。
本発明により、優れた撥水性を示すフッ素含有末端変性芳香族ポリカーボネート樹脂が提供される。このように本発明のフッ素含有末端変性芳香族ポリカーボネート樹脂は、従来よりも高い撥水性を示すため、耐汚れ性を生かした農業用及び建材などの製品に使用可能である。また本発明のフッ素含有末端変性芳香族ポリカーボネート樹脂は、同様の理由で自動車の窓や道路標識等の分野にも好適である。さらに本発明のフッ素含有末端変性芳香族ポリカーボネート樹脂は、フッ素を含有する高分子添加剤として、種々のプラスチックの離型性や滑剤の改良に用いることも可能である。
本発明は、下記一般式(1)で表されるビスフェノール化合物と、炭酸エステル形成化合物と、下記一般式(2)で表されるフルオロアルケニル誘導体からなる末端停止剤とを反応させて得られる末端変性芳香族ポリカーボネート樹脂である。
(ビスフェノール化合物)
本発明の末端変性芳香族ポリカーボネート樹脂を得るために用いられるビスフェノール化合物は、下記一般式(1)で表される。ビスフェノール化合物は、下記一般式(1)で表されるビスフェノール化合物を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記式中、R1〜R4はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、それぞれ置換基を有してもよい、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数7〜17のアラルキル基を表し、前記置換基が、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、又は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子からなる群より選ばれるハロゲン基である。
上記一般式(1)において、Xは、下記式で表される二価の基を表す。
上記式中、R5及びR6はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、各々置換基を有してもよい、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、又は、炭素数6〜12アリール基を表す。R5及びR6は一緒に結合して炭素数5〜12の炭素環又は炭素数5〜12の複素環を形成してもよい。前記置換基は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、又は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子からなる群より選ばれるハロゲン基である。R7及びR8はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、各々置換基を有してもよい、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、又は、炭素数6〜12のアリール基を表す。これらの基の炭素に結合してもよい置換基は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、又は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子からなる群より選ばれるハロゲン基である。R9は、置換基を有しても良い炭素数1〜9のアルキレン基である。aは0〜20の整数を表し、bは1〜500の整数を表す。
本発明の末端変性芳香族ポリカーボネート樹脂を得るために用いられるビスフェノール化合物は、下記一般式(1)で表される。ビスフェノール化合物は、下記一般式(1)で表されるビスフェノール化合物を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記一般式(1)において、Xは、下記式で表される二価の基を表す。
上記一般式(1)及びXを表す式において、炭素数1〜5のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、ターシャリーブチル基及びペンチル基が挙げられ、炭素数6〜9のアルキル基としては、例えばn−ヘキシル基及びオクチル基が挙げられる。
炭素数6〜12のアリール基としては、例えばフェニル基、トリル基及びナフチル基が挙げられる。
炭素数1〜5のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec−ブトキシ基及びtert−ブトキシ基などが挙げられる。
炭素数7〜17のアラルキル基としては、例えばベンジル基及びフェネチル基などが挙げられる。
Xを表す式において、R5とR6とが一緒に結合して形成される炭素数5〜12の炭素環を有する基としては、例えばシクロヘキシル基やシクロドデシル基などが挙げられる。
Xを表す式において、R5とR6とが一緒に結合して形成される炭素数5〜12の複素環を有する基としては、例えばチオフェニル基やオキサニル基などが挙げられる。
Xを表す式において、R5とR6とが一緒に結合して形成される炭素数5〜12の複素環を有する基としては、例えばチオフェニル基やオキサニル基などが挙げられる。
Xを表す式において、炭素数1〜9のアルキレン基としては、例えばメチレン基、エチレン基、 プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、 ヘキシレン基、ヘプチレン基及びオクチレン基が挙げられる。
一般式(1)で表されるビスフェノール化合物としては、具体的には1,1’−ビフェニル−4,4’−ジオール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(BPZ:ビスフェノールZ)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、α,ω−ビス[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス[3−(o−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール及び1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンなどが例示される。これらは、単独で又は2種類以上を併用して用いてもよい。これらの中でも特に2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(BCFL)、α,ω−ビス[3−(o−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン(Si−Bis)から選ばれることが好ましい。
(炭酸エステル形成化合物)
本発明の末端変性芳香族ポリカーボネート樹脂を得るために用いられる炭酸エステル形成化合物としては、例えばホスゲンや、ジフェニルカーボネート、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−p−トリルカーボネート、ジ−p−クロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネートなどのビスアリルカーボネートが挙げられる。これらの化合物は単独で又は2種類以上を併用して使用することも可能である。
本発明の末端変性芳香族ポリカーボネート樹脂を得るために用いられる炭酸エステル形成化合物としては、例えばホスゲンや、ジフェニルカーボネート、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−p−トリルカーボネート、ジ−p−クロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネートなどのビスアリルカーボネートが挙げられる。これらの化合物は単独で又は2種類以上を併用して使用することも可能である。
(末端封止剤)
本発明の末端変性芳香族ポリカーボネート樹脂を得るために用いられる一般式(2)で表される末端封止剤はフェノール類である。
式中、R10及びR11はそれぞれ独立に、水素原子、又は、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子からなる群より選ばれるハロゲン原子、置換基をそれぞれ有してもよい炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基を表し、これらの基の炭素に結合しても良い置換基はフッ素原子、塩素原子、臭素原子からなる群より選ばれるハロゲン原子である。R12〜R14はそれぞれ独立に、置換基を有する炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基を表す。これらの基の炭素に結合する置換基は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜10のフルオロアルキル基、又は、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子からなる群より選ばれるハロゲン原子であり、R12〜R14のうち少なくとも1つがフッ素原子又は上記フルオロアルキル基で置換されたものである。
本発明の末端変性芳香族ポリカーボネート樹脂を得るために用いられる一般式(2)で表される末端封止剤はフェノール類である。
R10及びR11は、水素原子、ハロゲン基、メチル基であることが好ましく、水素原子やハロゲン基であることがより好ましい。この場合、ヒドロキシル基の反応性を低下させにくいという利点がある。
R12〜R14のうち少なくとも1つはフッ素またはフルオロアルキル基で置換された炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましく、その上でアルキル基の水素原子が全てフッ素原子に置換されているものであることがより好ましい。この場合、生成する末端変性芳香族ポリカーボネート樹脂の撥水性がより高くなる。
ここで、R12〜R14のうち全部がフッ素又はフルオロアルキル基で置換されたものであることが好ましい。この場合、R12〜R14のうち全部がフッ素又はフルオロアルキル基で置換されたものでない場合に比べて、より一層優れた撥水性を示すポリカーネート樹脂を実現することができる。
上記一般式(2)において、炭素数1〜5のアルキル基としては、上記一般式(1)における炭素数1〜5のアルキル基と同様のものが用いられる。炭素数6〜10のアルキル基としては、例えばn−ヘキシル基及びオクチル基が挙げられる。
炭素数2〜5のアルケニル基としては、例えばビニル基、アリル基及びブテニル基が挙げられる。炭素数6〜10のアルケニル基としては、例えばヘキセニル基及びデセニル基が挙げられる。
炭素数1〜5のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ 基、sec−ブトキシ基及びtert−ブトキシ基などが挙げられる。
炭素数1〜10のフルオロアルキル基としては、上述した炭素数1〜10のアルキル基の水素原子の少なくとも一部をフッ素原子で置換したものが用いられる。
一般式(2)で表されるフェノール類としては、具体的には、4−[パーフルオロ(2−イソプロピル−1,3−ジメチル−1−ブテニル)オキシ]フェノール(以下、「RfPOH」と略記する)、4−[パーフルオロ(2−エチル−1−メチル−1−ブテニル)オキシ]フェノール、4−[パーフルオロ(1−エチル−2−メチル−1−プロペニル)オキシ]フェノール、4−[パーフルオロ(1,2−ジプロピル−1−ペンテニル)オキシ]フェノール、4−[パーフルオロ(1,2−ジメチル−1−プロペニル)オキシ]フェノール、4−[パーフルオロ(1,2−ジイソプロピル−3−メチル−1−ブテニル)オキシ]フェノール、4−[パーフルオロ(2−メチル−1−プロピル−1−プロペニル)オキシ]フェノール、4−[パーフルオロ(2−メチル−1−プロピル−1−ブテニル)オキシ]フェノールなどが挙げられる。この中でも特に、4−[パーフルオロ(2−イソプロピル−1,3−ジメチル−ブテニル)オキシ]フェノール、4−[パーフルオロ(1−エチル−2−メチル−1−プロペニル)オキシ]フェノールが好ましい。
末端封止剤は、一般式(1)で表されるビスフェノール化合物1モルに対し、1×10−3〜500×10−3モルの割合で添加することが好ましく、10×10−3〜250×10−3モルの割合で添加することがより好ましい。末端封止剤の添加量が、上記範囲内にあると、上記範囲を外れる場合と比べて、高分子としての性質を示しかつ溶剤への溶解性により優れるという利点がある。
一般式(2)で表される末端封止剤(フェノール類)の多くは、公知の方法で製造することが出来る(例えば特開昭63−233940号公報参照)。
本発明の末端変性芳香族ポリカーボネート樹脂は、ビスフェノールAと炭酸エステル形成化合物とからポリカーボネートを製造する際に用いられている公知の方法、例えばビスフェノール類とホスゲンとの直接反応(ホスゲン法)、あるいはビスフェノール類とビスアリールカーボネートとのエステル交換反応(エステル交換法)などの方法を採用することができる。
ホスゲン法とエステル交換法とでは、一般式(2)のビスフェノールの不飽和二重結合の安定性を考慮すると、ホスゲン法の方が好ましい。
ホスゲン法においては通常、酸結合剤および溶媒の存在下において、一般式(1)で表される化合物と、末端封止剤として一般式(2)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種と、ホスゲンとを反応させる。
酸結合剤としては、例えばピリジンや、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物などが用いられる。
溶媒としては、例えばメチレンクロライド(MC)、クロロホルムなどが用いられる。
さらに、縮合反応を促進するために、トリエチルアミンのような第三級アミン又は第四級アンモニウム塩などの触媒を添加してもよい。
また末端封止剤として、一般式(2)で表される化合物に、フェノール、p−t−ブチルフェノール、p−クミルフェノール、長鎖アルキル置換フェノール、オレフィン置換フェノール等の官能基化合物を併用して使用することも可能である。
また、所望に応じ亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイトなどの酸化防止剤や、フロログルシン、イサチンビスフェノールなど分岐化剤を少量添加してもよい。
反応は通常0〜150℃、好ましくは5〜40℃の範囲とすればよい。反応時間は反応温度によって左右されるが、通常0.5分〜10時間、好ましくは1分〜2時間である。また、反応中は、反応系のpHを10以上に保持することが望ましい。
一方、エステル交換法においては、一般式(1)のビスフェノール化合物とビスアリールカーボネートとを混合し、末端封止剤として一般式(2)で示されるフェノール類を使用して減圧下で高温において反応させる。
反応は通常150〜350℃、好ましくは200〜300℃の範囲の温度において行われる。減圧度は最終で好ましくは1mmHg以下とし、エステル交換反応により生成した該ビスアリールカーボネートに由来するフェノール類を系外へ留去させる。反応時間は反応温度や減圧度などによって左右されるが、通常1〜4時間程度である。反応は窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。また所望に応じ、他の末端封止剤を併用したり、酸化防止剤や分岐化剤を添加したりして反応を行ってもよい。
本発明の末端変性芳香族ポリカーボネート樹脂は、一般式(2)で表される末端封止剤を用いて得られる。そして、一般式(2)で表される末端封止剤は、一般式(1)で表されるビスフェノール化合物と炭酸エステル形成化合物との反応物の末端と反応する。このため、本発明の末端変性芳香族ポリカーボネート樹脂は、下記式(3)で表される構造を末端に有する。
次に、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
(実施例1)
9.0(w/v)の水酸化ナトリウム水溶液(以下、「AK溶液」と略記する)320mlとメチレンクロライド(以下、「MC」と略記する)320mlと純水300mlとの混合溶液に、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(本州化学工業株式会社製;ビスフェノールZ;BPZ)60gとハイドロサルファイト0.15gを加え溶解させ、溶液を得た。この溶液を15℃に保ちながら撹拌しつつ、ホスゲン32gを1g/分の速度で吹き込んだ。吹き込み終了後、AK溶液70ml、MC120ml、株式会社ネオス製造の4−[パーフルオロ(2−イソプロピル−1,3−ジメチル−1−ブテニル)オキシ]フェノール(RfPOH)1.40gを反応容器に加え、常温で7分間激しく撹拌し続け、さらに1.0mlのトリエチルアミンを加え約1時間撹拌し重合させ、重合液を得た。
9.0(w/v)の水酸化ナトリウム水溶液(以下、「AK溶液」と略記する)320mlとメチレンクロライド(以下、「MC」と略記する)320mlと純水300mlとの混合溶液に、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(本州化学工業株式会社製;ビスフェノールZ;BPZ)60gとハイドロサルファイト0.15gを加え溶解させ、溶液を得た。この溶液を15℃に保ちながら撹拌しつつ、ホスゲン32gを1g/分の速度で吹き込んだ。吹き込み終了後、AK溶液70ml、MC120ml、株式会社ネオス製造の4−[パーフルオロ(2−イソプロピル−1,3−ジメチル−1−ブテニル)オキシ]フェノール(RfPOH)1.40gを反応容器に加え、常温で7分間激しく撹拌し続け、さらに1.0mlのトリエチルアミンを加え約1時間撹拌し重合させ、重合液を得た。
次に、得られた重合液を遠心分離により水相と有機相に分離し、有機相にリン酸約2mlを加えて中和した。その後、有機相の導電率が10μS/cm以下になるまで水洗を繰り返し、精製樹脂溶液を得た。そして、得られた精製樹脂溶液を強撹拌されている65℃の温水に滴下し、溶媒を除去しつつ重合物を固形化し、固形物を得た。固形物を濾過後、120℃で24時間乾燥して白色粉末状重合体を得た。得られた重合体について赤外吸収スペクトルにより分析した。結果を図1に示す。図1に示すように、1770cm−1付近にカルボニル基による吸収が、1240cm−1付近の位置にエーテル結合による吸収が認められ、カーボネート結合(−O−COO−)を有することが確認された(表1)。また3650〜3200cm−1の位置に水酸基由来の吸収はほとんど認められなかった。従って、この重合体は下記構造式を主成分とする重合体と認められた。
(実施例2)
AK溶液340mlとMC380ml、純水250mlに、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3―メチルフェニル)プロパン(本州化学工業株式会社製;ビスフェノールC;BPC)60gとハイドロサルファイト0.15gとベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(TEBAC)0.01gを加え溶解させた。この溶液を15℃に保ちながら撹拌しつつ、ホスゲン33gを1g/分の速度で吹き込んだ。吹き込み終了後、AK溶液100ml、MC100ml、RfPOH4.80gを反応容器に加え、常温で7分間激しく撹拌し続け、さらに1.0mlのトリエチルアミンを加え約1時間撹拌し重合させた。それ以外の操作は実施例1と同様に行った。得られた重合体について赤外吸収スペクトルにより分析した。結果を図2に示す。図2に示すように、1770cm−1付近にカルボニル基による吸収が、1240cm−1付近の位置にエーテル結合による吸収が認められ、カーボネート結合(−O−COO−)を有することが確認された(表1)。また3650〜3200cm−1の位置に水酸基由来の吸収はほとんど認められなかった。従って、この重合体は下記構造式を主成分とする重合体と認められた。
AK溶液340mlとMC380ml、純水250mlに、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3―メチルフェニル)プロパン(本州化学工業株式会社製;ビスフェノールC;BPC)60gとハイドロサルファイト0.15gとベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(TEBAC)0.01gを加え溶解させた。この溶液を15℃に保ちながら撹拌しつつ、ホスゲン33gを1g/分の速度で吹き込んだ。吹き込み終了後、AK溶液100ml、MC100ml、RfPOH4.80gを反応容器に加え、常温で7分間激しく撹拌し続け、さらに1.0mlのトリエチルアミンを加え約1時間撹拌し重合させた。それ以外の操作は実施例1と同様に行った。得られた重合体について赤外吸収スペクトルにより分析した。結果を図2に示す。図2に示すように、1770cm−1付近にカルボニル基による吸収が、1240cm−1付近の位置にエーテル結合による吸収が認められ、カーボネート結合(−O−COO−)を有することが確認された(表1)。また3650〜3200cm−1の位置に水酸基由来の吸収はほとんど認められなかった。従って、この重合体は下記構造式を主成分とする重合体と認められた。
(実施例3)
AK溶液340mlとMC380ml、純水250mlに、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3―メチルフェニル)フルオレン(大阪ガスケミカル株式会社製;BCFL)71.8g、α,ω−ビス[3−(o−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン(信越化学工業株式会社製;以下、「Si−Bis」と略記する)47.9g、ハイドロサルファイト0.15gとベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(TEBAC)0.1gを加え溶解させた。この溶液を15℃に保ちながら撹拌しつつ、ホスゲン30gを1g/分の速度で吹き込んだ。吹き込み終了後、AK溶液100ml、MC200ml、RfPOH9.20gを反応容器に加え、常温で7分間激しく撹拌し続け、さらに1.0mlのトリエチルアミンを加え約1時間撹拌し重合させた。それ以外の操作は実施例1と同様に行った。得られた重合体について赤外吸収スペクトルにより分析した。結果を図3に示す。図3に示すように、1770cm−1付近にカルボニル基による吸収が、1240cm−1付近の位置にエーテル結合による吸収が認められ、カーボネート結合(−O−COO−)を有することが確認された(表1)。従って、この重合体は下記構造式を主成分とする重合体と認められた。
AK溶液340mlとMC380ml、純水250mlに、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3―メチルフェニル)フルオレン(大阪ガスケミカル株式会社製;BCFL)71.8g、α,ω−ビス[3−(o−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン(信越化学工業株式会社製;以下、「Si−Bis」と略記する)47.9g、ハイドロサルファイト0.15gとベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(TEBAC)0.1gを加え溶解させた。この溶液を15℃に保ちながら撹拌しつつ、ホスゲン30gを1g/分の速度で吹き込んだ。吹き込み終了後、AK溶液100ml、MC200ml、RfPOH9.20gを反応容器に加え、常温で7分間激しく撹拌し続け、さらに1.0mlのトリエチルアミンを加え約1時間撹拌し重合させた。それ以外の操作は実施例1と同様に行った。得られた重合体について赤外吸収スペクトルにより分析した。結果を図3に示す。図3に示すように、1770cm−1付近にカルボニル基による吸収が、1240cm−1付近の位置にエーテル結合による吸収が認められ、カーボネート結合(−O−COO−)を有することが確認された(表1)。従って、この重合体は下記構造式を主成分とする重合体と認められた。
(比較例1)
RfPOHの代わりに代表的な末端封止剤であるp−t−ブチルフェノール0.75g(以下、「PTBP」と略記、0.0050mol)を用い、それに合わせて他の原料もモル比を揃えて増量したこと以外は、実施例1と同様にして重合体を得た。得られた重合体について赤外吸収スペクトルにより分析した。結果を図4に示す。図4に示すように、1770cm−1付近にカルボニル基による吸収が、1240cm−1付近の位置にエーテル結合による吸収が認められ、カーボネート結合(−O−COO−)を有することが確認された(表2)。従って、この重合体は下記構造式を主成分とする重合体と認められた。
RfPOHの代わりに代表的な末端封止剤であるp−t−ブチルフェノール0.75g(以下、「PTBP」と略記、0.0050mol)を用い、それに合わせて他の原料もモル比を揃えて増量したこと以外は、実施例1と同様にして重合体を得た。得られた重合体について赤外吸収スペクトルにより分析した。結果を図4に示す。図4に示すように、1770cm−1付近にカルボニル基による吸収が、1240cm−1付近の位置にエーテル結合による吸収が認められ、カーボネート結合(−O−COO−)を有することが確認された(表2)。従って、この重合体は下記構造式を主成分とする重合体と認められた。
(比較例2)
RfPOHの代わりに、PTBP2.27gを用い、それに合わせて他の原料もモル比を揃えて増量したこと以外は、実施例2と同様にして重合体を得た。得られた重合体について赤外吸収スペクトルにより分析した。結果を図5に示す。図5に示すように、1770cm−1付近にカルボニル基による吸収が、1240cm−1付近の位置にエーテル結合による吸収が認められ、カーボネート結合を有することが確認された。従って、この重合体は下記構造式を主成分とする重合体と認められた。
RfPOHの代わりに、PTBP2.27gを用い、それに合わせて他の原料もモル比を揃えて増量したこと以外は、実施例2と同様にして重合体を得た。得られた重合体について赤外吸収スペクトルにより分析した。結果を図5に示す。図5に示すように、1770cm−1付近にカルボニル基による吸収が、1240cm−1付近の位置にエーテル結合による吸収が認められ、カーボネート結合を有することが確認された。従って、この重合体は下記構造式を主成分とする重合体と認められた。
(比較例3)
PTBPの代わりに、代表的な末端封止剤である4―[パーフルオロ(2−イソプロピルー1,3―ジメチル−ブテニル)オキシ]安息香酸((株)ネオス製FTA、以下、「FTA」と略記する)を2.84g用い、遠心分離工程において発生した一部溶媒不溶のゲルを濾別したこと以外は、比較例1と同様にして重合体を得た。得られた重合体について赤外吸収スペクトルにより分析した。結果を図6に示す。図6に示すように、1770cm−1付近にカルボニル基による吸収が、1240cm−1付近の位置にエーテル結合による吸収が認められ、カーボネート結合(−O−COO−)を有することが確認された(表2)。従って、この重合体は下記構造式を主成分とする重合体と認められた。
PTBPの代わりに、代表的な末端封止剤である4―[パーフルオロ(2−イソプロピルー1,3―ジメチル−ブテニル)オキシ]安息香酸((株)ネオス製FTA、以下、「FTA」と略記する)を2.84g用い、遠心分離工程において発生した一部溶媒不溶のゲルを濾別したこと以外は、比較例1と同様にして重合体を得た。得られた重合体について赤外吸収スペクトルにより分析した。結果を図6に示す。図6に示すように、1770cm−1付近にカルボニル基による吸収が、1240cm−1付近の位置にエーテル結合による吸収が認められ、カーボネート結合(−O−COO−)を有することが確認された(表2)。従って、この重合体は下記構造式を主成分とする重合体と認められた。
実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた重合体について、接触角測定、極限粘度、および、末端OH基量を以下のようにして求めた。
(接触角)
接触角の測定については、協和界面科学株式会社製の固液界面解析装置DropMaster700を用いて測定を実施した。得られた約20μm厚のキャストフィルム上に、純水をシリンジで1滴落とし、水との接触角を、CCDカメラを用いて目視測定した。結果を表1及び表2に示す。
接触角の測定については、協和界面科学株式会社製の固液界面解析装置DropMaster700を用いて測定を実施した。得られた約20μm厚のキャストフィルム上に、純水をシリンジで1滴落とし、水との接触角を、CCDカメラを用いて目視測定した。結果を表1及び表2に示す。
(極限粘度)
0.5g/100ccのジクロロメタン樹脂溶液について、20℃で還元粘度を求め、ハギンズ定数0.45で極限粘度[η](dl/g)を求めた。結果を表1及び表2に示す。
0.5g/100ccのジクロロメタン樹脂溶液について、20℃で還元粘度を求め、ハギンズ定数0.45で極限粘度[η](dl/g)を求めた。結果を表1及び表2に示す。
(末端OH基量)
芳香族ポリカーボネート樹脂のフェノール性水酸基末端濃度は四塩化チタン/酢酸法(Micromole. Chem. 88 215(1965))により、比色定量を行い、その結果に基づいて末端OH量を求めた。結果を表1及び表2に示す。
芳香族ポリカーボネート樹脂のフェノール性水酸基末端濃度は四塩化チタン/酢酸法(Micromole. Chem. 88 215(1965))により、比色定量を行い、その結果に基づいて末端OH量を求めた。結果を表1及び表2に示す。
表1及び表2に示す結果より、本発明の末端変性ポリカーボネート樹脂によれば、優れた撥水性を示すことが確認された。
本発明の末端変性芳香族ポリカーボネート樹脂は、撥水性の高いポリカーボネート樹脂の性質を生かして耐汚れ性が要求される農業用及び建材などの製品への応用が可能である。また同様の理由により、自動車の窓や道路標識等の分野にも好適である。またフッ素を含有する高分子添加剤として、種々のプラスチックの離型性や滑剤改良に用いることも可能である。
Claims (2)
- 下記一般式(1)で表されるビスフェノール化合物と、炭酸エステル形成化合物と、下記一般式(2)で表されるフルオロアルケニル誘導体からなる末端停止剤とを反応させて得られる末端変性芳香族ポリカーボネート樹脂。
(式中、R5及びR6はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、各々置換基を有してもよい、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、又は、炭素数6〜12アリール基を表す。R5及びR6は一緒に結合して炭素数5〜12の炭素環又は炭素数5〜12の複素環を形成してもよい。前記置換基は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、又は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子からなる群より選ばれるハロゲン基である。R7及びR8はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、各々置換基を有してもよい、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、又は、炭素数6〜12のアリール基を表す。これらの基の炭素に結合してもよい置換基は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、又は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子からなる群より選ばれるハロゲン基である。R9は、置換基を有しても良い炭素数1〜9のアルキレン基である。aは0〜20の整数を表し、bは1〜500の整数を表す。)
- 一般式(2)で表される末端封止剤が、4−[パーフルオロ(2−イソプロピル−1,3−ジメチル−1−ブテニル)オキシ]フェノールである請求項1に記載の末端変性芳香族ポリカーボネート樹脂。
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JP2012089409A JP2013216808A (ja) | 2012-04-10 | 2012-04-10 | 新規な末端変性芳香族ポリカーボネート樹脂 |
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---|---|---|---|---|
JP2015206040A (ja) * | 2014-04-17 | 2015-11-19 | 中国科学院▲長▼春▲応▼用化学研究所Changchun Institute Of Applied Chemistry,Chinese Academy Of Sciences | 塩化ポリ(プロピレンカーボネート)、及びその調製方法 |
WO2019022176A1 (ja) * | 2017-07-28 | 2019-01-31 | 出光興産株式会社 | カーボネート-オレフィン系共重合体 |
-
2012
- 2012-04-10 JP JP2012089409A patent/JP2013216808A/ja active Pending
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