JPH0565320A - グラフト化ポリカーボネート樹脂組成物及びその製法 - Google Patents

グラフト化ポリカーボネート樹脂組成物及びその製法

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JPH0565320A
JPH0565320A JP3182933A JP18293391A JPH0565320A JP H0565320 A JPH0565320 A JP H0565320A JP 3182933 A JP3182933 A JP 3182933A JP 18293391 A JP18293391 A JP 18293391A JP H0565320 A JPH0565320 A JP H0565320A
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JP
Japan
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polycarbonate resin
vinyl monomer
weight
polymerization initiator
temperature
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JP3182933A
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English (en)
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Toshikazu Umemura
俊和 梅村
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F290/00Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers modified by introduction of aliphatic unsaturated end or side groups
    • C08F290/02Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers modified by introduction of aliphatic unsaturated end or side groups on to polymers modified by introduction of unsaturated end groups
    • C08F290/06Polymers provided for in subclass C08G
    • C08F290/061Polyesters; Polycarbonates

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  • Organic Chemistry (AREA)
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光ディスク、光学用レンズ等の光学用成形材
料、ポリマーブレンドにおける相溶化剤、接着剤、塗
料、等として有用な、グラフト化されたポリカーボネー
ト樹脂組成物及びその工業的な製法を提供する。 【構成】 平均一分子当たり少なくとも1つの不飽和末
端基を有する芳香族ポリカーボネート樹脂の水懸濁液
に、ビニル単量体とラジカル重合開始剤を加えて水性懸
濁液を生成させ、該液をラジカル重合開始剤の分解が実
質的に起こらない温度に加熱してビニル単量体及びラジ
カル重合開始剤をポリカーボネート樹脂に含浸させ、次
いで水性懸濁液の温度を上昇させて一部グラフト反応さ
せてグラフト化前駆体を生成させた後、固液分離し、該
グラフト化前駆体を 200〜350 ℃の温度で溶融混練して
グラフト化反応させて得られるグラフト化ポリカーボネ
ート樹脂組成物

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平均一分子当たり少な
くとも1つの不飽和末端基を有する芳香族ポリカーボネ
ート樹脂とビニル単量体をグラフト化重合させて得られ
る、透明性や流動性に優れた組成物及びその製法に関す
るものであり、光ディスク、光学用レンズのような光学
的な用途、ポリマーブレンドにおける相溶化剤、接着
剤、塗料として有用な組成物を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光学用透明成形品の材料として
は、アクリル樹脂が透明性、流動性が良く複屈折が小さ
い等の特性を有するため光学用透明成形品の材料として
知られている (特開昭56-131654 号他) 。しかし、アク
リル樹脂は耐熱性が約70℃と低く、耐衝撃性も低く、水
分により反りを生じやすいという欠点がある。上記の欠
点をなくす為、粘度平均分子量が15,000〜18,000のポリ
カーボネート樹脂をディスクやレンズ等の成形材料とし
て用いること (特開昭58-180553)が検討されているが、
なお流動性が不十分である等の欠点を有し、その使用に
は限界がある。ポリカーボネート樹脂の流動性を改善す
るために、ポリカーボネート樹脂にポリスチレン、ポリ
メチルメタクリレート、AS樹脂、無水マレイン酸−ス
チレン共重合体等のビニル系樹脂を溶融ブレンドする方
法があるが、非相溶性のために分散粒子径を1μm以下
にすることは困難であり、光学的に不均一になる。ビニ
ル系モノマーをポリカーボネート樹脂の溶剤として使用
して塊状グラフト重合させる方法(特開昭63-196612)も
あり、この方法では 0.2μm以下の粒子分散が達成され
るが、溶剤の使用量が多くコスト的に不利である。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明はこれらの課題を
解決したものであり、工業的に製造し得るグラフト化ポ
リカーボネート樹脂組成物及びその製造方法を提供する
ものである。すなわち本発明は、平均一分子当たり少な
くとも1つの不飽和末端基を有する芳香族ポリカーボネ
ート樹脂の水懸濁液に、ポリカーボネート樹脂 100重量
部当たり5〜200 重量部のビニル単量体と、当該ビニル
単量体 100重量部当たり0.01〜5重量部のラジカル重合
開始剤を加えて水性懸濁液を生成させ、該液をラジカル
重合開始剤の分解が実質的に起こらない条件で加熱して
ビニル単量体及びラジカル重合開始剤をポリカーボネー
ト樹脂に含浸させ、次いで水性懸濁液の温度をラジカル
重合開始剤の分解が開始する温度まで上昇させて一部グ
ラフト反応を進めてグラフト化前駆体を生成させた後、
固液分離し、該グラフト化前駆体を 200〜350 ℃の温度
で溶融混練してグラフト化反応させて得られるグラフト
化ポリカーボネート樹脂組成物及びその製法に関するも
のである。
【0004】以下、本発明の構成について説明する。本
発明の平均一分子当たり少なくとも1つの不飽和末端基
を有する芳香族ポリカーボネート樹脂の製法は、分子量
調節剤若しくは末端停止剤として、不飽和二重結合を有
する一官能化合物を、又はこれと従来の末端停止剤とを
併用して用いる他は従来の芳香族ポリカーボネート樹脂
と同様の製法、界面重合法、ピリジン法、クロロホーメ
ート法等の溶液法で製造されるものであり、粘度平均分
子量2,000〜100,000 好ましくは5,000 〜50,000、特に
6,000 〜30,000のものである。反応後のポリカーボネー
ト樹脂溶液からポリカーボネート樹脂を固形化して回収
する方法には、ポリカーボネート樹脂溶液に貧溶媒を添
加して沈殿化する方法、ポリカーボネート樹脂溶液から
溶媒を留去して濃縮し、粉状体とする方法、ポリカーボ
ネート樹脂溶液に貧溶媒を添加し、加熱下の温水中に該
混合物を添加し温水中に懸濁させて溶媒及び貧溶媒を留
去して固形化して水スラリー液を生成させつつ固形化過
程の液を湿式粉砕機に循環し粉砕する方法等の種々の方
法があるが、本発明においてはポリカーボネート樹脂の
水懸濁液として、ポリカーボネート樹脂の水スラリー液
をそのまま用いるのが、合理的であり好ましい。
【0005】本発明のポリカーボネート樹脂の製造に使
用する二価フェノール系化合物として好ましいものは、
具体的には、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スル
フィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、1,1-ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ブタン、1,1-ビス(4−ヒドロキシフェニル)シ
クロヘキサン、2,2-ビス(4−ヒドロキシ−3,5-ジブロモ
フェニル)プロパン、2,2-ビス(4−ヒドロキシ-3,5- ジ
クロロフェニル)プロパン、2,2-ビス(4−ヒドロキシ−
3-ブロモフェニル)プロパン、2,2-ビス(4−ヒドロキシ
−3-クロロフェニル)プロパン、2,2-ビス(4−ヒドロキ
シ−3,5-ジメチルフェニル)プロパン、1,1-ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ジフェニルメタンが例示される。
【0006】又、不飽和末端基を導入するための不飽和
二重結合を有する一官能性化合物としては、アクリル
酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、2-ペンテン酸、3-ペン
テン酸、5-ヘキセン酸、9-デセン酸、9-ウンデセン酸な
どの不飽和カルボン酸; アクリル酸クロライド、メタク
リル酸クロライド、ソルビン酸クロライド、アリルアル
コールクロロホーメート、イソプロペニルフェノールク
ロロホーメート又はヒドロキシスチレンクロロホーメー
トなどの酸クロライド又はクロロホーメート; イソプロ
ペニルフェノール、ヒドロキシスチレン、ヒドロキシフ
ェニルマレイミド、ヒドロキシ安息香酸アリルエステル
又は安息香酸メチルアリルエステルなどの不飽和基を有
するフェノール類等があげられる。これらの化合物は従
来の末端停止剤と併用してもよいものであり、上記した
二価フェノール系化合物1モルに対して、通常、1〜25
モル%、好ましくは 1.5〜10モルの範囲で使用される。
【0007】本発明のポリカーボネート樹脂は、上記の
成分を必須として製造するものであるが、分岐化剤を上
記の二価フェノール系化合物に対して0.01〜3 モル%、
特に0.1〜1.0 モル%の範囲で併用して分岐化ポリカー
ボネート樹脂とすることもできる。このような分岐化剤
としては、フロログリシン、2,6-ジメチル-2,4,6- トリ
(4-ヒドロキシフェニル) ヘプテン−3、4,6-ジメチル
-2,4,6- トリ (4-ヒドロキシフェニル) ヘプテン−2、
1,3,5-トリ (2-ヒドロキシフェニル) ベンゾール、1,1,
1-トリ (4-ヒドロキシフェニル) エタン、2,6-ビス (2-
ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-4-メチルフェノール、
α, α',α"-トリ (4-ヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリ
イソプロピルベンゼンなどで例示されるポリヒドロキシ
化合物、及び3,3-ビス (4-ヒドロキシアリール) オキシ
インドール(=イサチンビスフェノール) 、5-クロルイサ
チン、5,7-ブロムイサチン、5-ブロムイサチンなどが例
示される。
【0008】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂の形
状は、粒径 0.1〜5mm 程度の粉状又はペレット状である
ことが好ましい。粒径が過度に大きいと懸濁液中での分
散が困難であるばかりでなく、ビニル単量体等の含浸時
間が長くなる欠点がある。
【0009】本発明におけるビニル単量体は水中におい
て安定なものであり、水に不溶でかつ水との親和性の低
いものが好ましい。例えばビニル芳香族単量体、 (メ
タ) アクリル酸エステル単量体、 (メタ) アクリロニト
リル、グリシジルメタクリレート及びビニルエステル単
量体からなる群から選ばれる一種又は二種以上が用いら
れる。ビニル芳香族単量体としては、スチレン; o-メチ
ルスチレン、p-メチルスチレン、α- メチルスチレン、
o-ブチルスチレン、p-ブチルスチレン、2,4-ジメチルス
チレン等で例示されるアルキル置換スチレン; クロロス
チレン、ブロモスチレン等で例示されるハロゲン化スチ
レンがあげられ、 (メタ) アクリル酸エステル単量体と
しては例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、ブチルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、
シクロヘキシルメタクリレート等で例示される (メタ)
アクリル酸アルキルエステルがあげられる。ビニル単量
体としてはスチレン、置換スチレンが好ましい。ビニル
単量体の使用量はポリカーボネート樹脂 100重量部に対
して5〜200 重量部、好ましくは10〜100 重量部であ
る。
【0010】本発明においてはビニル単量体の分子量調
節剤を用いることができる。好適な分子量調節剤として
は有機イオウ化合物があげられ、有機イオウ化合物とし
ては、例えば炭素数1〜30の脂肪族又は芳香族化合物、
具体的にはn-オクチルメルカプタン、n-ドデシルメルカ
プタン等で例示される脂肪族メルカプタン; 芳香族メル
カプタン、チオグリコール酸とそのエステル、エチレン
チオグリコール酸とそのエステル、エチレンチオグリコ
ール等をあげることができる。分子量調節剤の使用量は
ビニル単量体 100重量部に対して0.0001〜5重量部、好
ましくは0.01〜1重量部である。
【0011】ラジカル重合開始剤は10時間の半減期を得
るための分解温度が40〜90℃、好ましくは60〜80℃のも
のである。ここに10時間半減期温度はベンゼン 1L 中に
ラジカル重合開始剤を 0.1モル添加し、ある温度で10時
間経過した時の分解率が50%となる温度である。ラジカ
ル重合開始剤としては例えばジイソプロピルペルオキシ
ジカーボネート、ジ-n- プロピルペルオキシジカーボネ
ート、ジミリスチルペルオキシジカーボネート、ジ (2-
エトキシエチル) ペルオキシジカーボネート、ジ (メト
キシイソプロピル) ペルオキシジカーボネート、ジ (2-
エチルヘキシル) ペルオキシジカーボネート、t-ヘキシ
ルペルオキシネオデカノエート、ジ (3-メチル-3- メト
キシブチル) ペルオキシジカーボネート、t-ブチルペル
オキシネオデカノエート、t-ヘキシルペルオキシネオヘ
キサノエート、t-ブチルペルオキシネオヘキサノエー
ト、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、t-ヘキシル
ペルオキシピバレート、t-ブチルペルオキシピバレー
ト、3,5,5-トリメチルヘキサノイルペルオキシド、オク
タノイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、クミ
ルペルオキシオクトエート、アセチルペルオキシド、t-
ブチルペルオキシ-2- エチルヘキサノエート、m-トルオ
イルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、t-ブチル
ペルオキシイソブチレート、1,1-ビス (t-ブチルペルオ
キシ)-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン等をあげること
ができる。ラジカル重合開始剤の使用量はビニル単量体
に対して0.01〜5%、好ましくは0.05〜1重量%であ
る。
【0012】本発明においては、ポリカーボネート樹
脂、ビニル単量体及びラジカル重合開始剤を水媒体中に
懸濁させ、水性懸濁液をラジカル重合開始剤の分解が実
質的に起こらない温度で加熱してビニル単量体及びラジ
カル重合開始剤をポリカーボネート樹脂に含浸させ、次
いで昇温して一部グラフト反応を進めてグラフト化前駆
体を生成させる。水媒体には懸濁剤、例えばポリビニル
アルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロー
ス、その他の水溶性重合体; リン酸カルシウム、酸化マ
グネシウム、その他の難水溶性無機物質; を適宜使用す
ることができる。水性懸濁液中のポリカーボネート樹脂
等の反応成分の濃度は任意であるが、通常、水 100重量
部に対して反応成分5〜100 重量部である。
【0013】本発明においては、ポリカーボネート樹脂
へのビニル単量体及びラジカル重合開始剤の含浸は、で
きるだけ高温で行うのが好ましいが、ラジカル重合開始
剤の分解が実質的に起こらない温度で行う必要がある。
含浸時にラジカル重合開始剤が分解すると、グラフト化
前駆体の組成が不均質になる。含浸時の温度は通常、ラ
ジカル重合開始剤の10時間半減温度より、5℃以上低い
温度が好ましい。
【0014】次いで水性懸濁液の温度をラジカル重合開
始剤の分解が開始する温度まで徐々に昇温して一部グラ
フト化反応を進めてグラフト化前駆体を生成させる。一
部グラフト反応においてはラジカル重合開始剤が50%以
上分解し、かつビニル単量体の転化率が50%以上になる
温度と時間を保持する。ラジカル重合開始剤の残存量は
初期仕込み量に対し通常、5〜50重量%である。一部グ
ラフト反応後、固液分離し、グラフト化前駆体を回収す
る。得られたグラフト化前駆体は、必要に応じ水、熱水
等で洗浄し、乾燥する。
【0015】次いで、該グラフト化前駆体を 200〜350
℃の温度で溶融混練してグラフト化させてグラフト化ポ
リカーボネート樹脂組成物を製造する。溶融混練はバッ
チ、連続のどちらも可能である。溶融混練は上記の温度
で実施すればよく、具体的な装置としては例えば、バン
バリーミキサー、押出機、射出成形機、等があげられ
る。溶融混練中に一部の未反応モノマーを減圧蒸留回収
することも可能である。グラフト化前駆体に、水中で不
安定または水との親和性の高いビニル単量体、例えば無
水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、N-フェニル
マレイミド、等を溶融混練することもできる。この場合
には、これらの成分を予め混合し、所定時間保持して熟
成させ、均一に分散させておくのが好ましい。又、溶融
混練に際し通常のポリカーボネート樹脂、あるいはポリ
スチレン、ポリメチルメタクリレート、AS樹脂等を加
え、該グラフトポリマーを相溶化剤として用いてポリマ
ーアロイ化することも可能である。
【0016】本発明のグラフト化ポリカーボネート樹脂
組成物は、種々の用途に使用することができる。例え
ば、ビニル単量体としてスチレンを用いた場合には光学
用ポリカーボネート樹脂成形材料として特に好適であ
り、スチレン又は (メタ) アクリロニトリルを用いた場
合には相溶化剤、ポリカーボネート樹脂の表面塗布用の
プライマーとして有用である。本発明のグラフト化ポリ
カーボネート樹脂組成物を樹脂の相溶化剤として用いる
ことによりミクロ分散されたポリマーアロイ、例えば、
ポリカーボネート樹脂─スチレングラフト化ポリカーボ
ネート樹脂組成物─スチレン/無水マレイン酸共重合
体、ポリカーボネート樹脂─アクリロニトリルグラフト
化ポリカーボネート樹脂組成物─ポリメチルメタクリレ
ート、等のポリマーアロイを得ることができる。
【0017】
【実施例】
実施例1 水酸化ナトリウム 3.4kgを水4.2 L に溶解し、20℃に保
ちながら、2,2-ビス (4-ヒドロキシフェニル) プロパン
(=BPA) 6.6kg 、ハイドロサルファイト 8g を溶解し
た。これにメチレンクロライド 28 L を加えて攪拌しつ
つ、p-イソプロペニルフェノール 250g を加え、ついで
ホスゲン 3.3kgを60分で吹き込んだ。ホスゲン吹き込み
終了後、激しく攪拌して反応液を乳化させ、乳化後、8g
のトリエチルアミンを加え約1時間攪拌を続け重合させ
た。重合液を、水相と有機相に分離し、有機相をリン酸
で中和した後、洗液のpHが中性となるまで水洗を繰り返
した後、イソプロパノールを 35 L 加えて、重合物を沈
殿させた。沈殿物を濾過し、その後、真空乾燥すること
により、白色粉末状のポリカーボネート樹脂を得た。こ
のポリカーボネートの粘度を測定した結果、粘度平均分
子量(Mv)は16,000であった。該末端不飽和ポリカーボネ
ート樹脂の粉末 500g を内容積 5L のステンレス製オー
トクレーブに入れ、純水2500mLを加えた。別にラジカル
重合開始剤としてベンゾイルパーオキシド (10時間半減
温度74℃) 2.5gとスチレンモノマー200g及び分子量調節
剤としてn-ドデシルメルカプタン 0.2g を加えた。オー
トクレーブの温度を60〜65℃に保ち、2時間攪拌してラ
ジカル重合開始剤及びスチレン、n-ドデシルメルカプタ
ンを末端不飽和ポリカーボネート樹脂粉末に含浸させ
た。さらに温度を80℃に上げ、7時間攪拌を続けた。こ
の時点でのラジカル重合開始剤の分解率は78%に達し
た。又、スチレンモノマーの転化率は60%であった。懸
濁液からポリマー粉末を分離し、熱水で洗浄した後、水
をよく振り切った。このときの含水率は8重量%であっ
た。この湿潤した粉末を、軸径30mm L/D=32のベント式
二軸押出機に供給し、樹脂温度を 280℃として押出し
た。得られたペレットは透明であった。このペレットを
冷凍粉砕し、ソックスレー抽出器でn-ヘプタンによりグ
ラフト化していないスチレンモノマーを抽出したが、実
質上モノマーは抽出されなかった。又、さらにトルエン
によって抽出し、スチレンホモポリマーの生成量を調べ
たところ、ポリマー 100g 当たり0.32gのポリマーが抽
出された。これをIRによって分析するとポリスチレンで
あることが確認された。
【0018】実施例2 水酸化ナトリウム 4.0kgを水4.2 L に溶解し、20℃に保
ちながら、2,2-ビス (4-ヒドロキシフェニル) プロパン
(=BPA) 7.3kg 、ハイドロサルファイト 8g を溶解し
た。これにメチレンクロライド 28 L を加えて攪拌しつ
つ、ホスゲン 4.4kgを60分で吹き込んだ。ホスゲン吹き
込み終了後、アクリル酸 460g 、テトラブチルアンモニ
ウムブロマイド 73gを添加し、激しく攪拌して反応液を
乳化させ、乳化20分後、8gのトリエチルアミンを加え約
1時間攪拌を続け重合させた。重合液を、水相と有機相
に分離し、有機相をリン酸で中和した後、洗液のpHが中
性となるまで水洗を繰り返した後、イソプロパノールを
35 L 加えて、重合物を沈殿させた。沈殿物を濾過し、
その後、真空乾燥することにより、白色粉末状のポリカ
ーボネート樹脂を得た。このポリカーボネートの粘度を
測定した結果、粘度平均分子量(Mv)は 16,000であっ
た。該末端不飽和ポリカーボネート樹脂の粉末 500g を
内容積 5L のステンレス製オートクレーブに入れ、純水
2500mLを加えた。別にラジカル重合開始剤としてベンゾ
イルパーオキシド (10時間半減温度74℃) 2.5g及びメチ
ルメタクリレート150gを加えた。オートクレーブの温度
を60℃に保ち、2時間攪拌してラジカル重合開始剤及び
メチルメタクリレートを末端不飽和ポリカーボネート樹
脂粉末に含浸させた。さらに温度を80℃に上げ、4時間
攪拌を続けた。この時点でのラジカル重合開始剤の分解
率は75%に達した。又、メチルメタクリレートモノマー
の転化率は68%であった。懸濁液からポリマー粉末を分
離し、熱水で洗浄した後、水をよく振り切った。このと
きの含水率は8重量%であった。この湿潤した粉末を、
軸径30mm L/D=32のベント式二軸押出機に供給し、樹脂
温度を 250℃として押出した。得られたペレットは透明
であった。このペレットを冷凍粉砕し、ソックスレー抽
出器でn-ヘプタンによりグラフト化していないメチルメ
タクリレートモノマーを抽出したが、実質上未反応モノ
マーは抽出されなかった。又、さらにトルエンによって
抽出し、メチルメタクリレートホモポリマーの生成量を
調べたところ、ポリマー 100g 当たり0.16g のポリマー
が抽出された。これをIRによって分析するとメチルメタ
クリレートホモポリマーであることが確認された。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、光ディスク、光学用レ
ンズ等の成形材料、ポリマーブレンドにおける相溶化
剤、接着剤、塗料、等として有用な、グラフト化された
ポリカーボネート樹脂組成物を得ることができる。さら
に本発明によれば工業的に有利に大量のグラフト化ポリ
カーボネート樹脂組成物を得ることができ、またグラフ
ト化ポリカーボネート樹脂組成物中にビニル単量体を大
量に導入することが可能である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均一分子当たり少なくとも1つの不飽
    和末端基を有する芳香族ポリカーボネート樹脂の水懸濁
    液に、ポリカーボネート樹脂 100重量部当たり5〜200
    重量部のビニル単量体と、当該ビニル単量体 100重量部
    当たり0.01〜5重量部のラジカル重合開始剤を加えて水
    性懸濁液を生成させ、該液をラジカル重合開始剤の分解
    が実質的に起こらない条件で加熱してビニル単量体及び
    ラジカル重合開始剤をポリカーボネート樹脂に含浸さ
    せ、次いで水性懸濁液の温度をラジカル重合開始剤の分
    解が開始する温度まで上昇させて一部グラフト反応を進
    めてグラフト化前駆体を生成させた後、固液分離し、該
    グラフト化前駆体を 200〜350 ℃の温度で溶融混練して
    グラフト化反応させて得られるグラフト化ポリカーボネ
    ート樹脂組成物
  2. 【請求項2】 ビニル単量体と共に分子量調節剤として
    有機イオウ化合物をビニル単量体 100重量部に対して0.
    0001〜5重量部用いる請求項1記載の組成物
  3. 【請求項3】 分子量調節剤が炭素数1〜30の脂肪族又
    は芳香族化合物である請求項1記載の組成物
  4. 【請求項4】 ビニル単量体がビニル芳香族単量体、
    (メタ) アクリル酸エステル単量体、 (メタ) アクリロ
    ニトリル及びビニルエステル単量体からなる群から選ば
    れる一種又は二種以上である請求項1記載の組成物
  5. 【請求項5】 ビニル単量体がスチレン又は置換スチレ
    ンである請求項1記載の組成物
  6. 【請求項6】 平均一分子当たり少なくとも1つの不飽
    和末端基を有する芳香族ポリカーボネート樹脂の水懸濁
    液に、ポリカーボネート樹脂 100重量部当たり5〜200
    重量部のビニル単量体と、当該ビニル単量体 100重量部
    当たり0.01〜5重量部のラジカル重合開始剤を加えて水
    性懸濁液を生成させ、該液をラジカル重合開始剤の分解
    が実質的に起こらない条件で加熱してビニル単量体及び
    ラジカル重合開始剤をポリカーボネート樹脂に含浸さ
    せ、次いで水性懸濁液の温度をラジカル重合開始剤の分
    解が開始する温度まで上昇させて一部グラフト反応を進
    めてグラフト化前駆体を生成させた後、固液分離し、該
    グラフト化前駆体を 200〜350 ℃の温度で溶融混練して
    グラフト化反応させることを特徴とするグラフト化ポリ
    カーボネート樹脂組成物の製造方法
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