JP2001164082A - レーザーマーキング用樹脂組成物およびそれからなる成形品 - Google Patents

レーザーマーキング用樹脂組成物およびそれからなる成形品

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JP2001164082A
JP2001164082A JP35405599A JP35405599A JP2001164082A JP 2001164082 A JP2001164082 A JP 2001164082A JP 35405599 A JP35405599 A JP 35405599A JP 35405599 A JP35405599 A JP 35405599A JP 2001164082 A JP2001164082 A JP 2001164082A
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weight
monomer
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copolymer
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JP35405599A
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Shusuke Tanaka
秀典 田中
Kozo Kitano
幸三 北野
Satoshi Mitsui
聡 三井
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベース樹脂を淡色あるいは鮮明色に容易に着
色でき、レーザーマーキングにより鮮明な白色マーキン
グを成形品に現出することができる熱可塑性樹脂組成物
を提供する。 【解決手段】 ゴム含有グラフト共重合体、シアン化ビ
ニル系共重合体を含む熱可塑性樹脂100重量部に対
し、平均粒子径が1〜100nmの四酸化三鉄0.01
〜0.5重量部、及び、その他の着色剤0.5〜10重
量部を含有させてなるレーザーマーキング用樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザー光照射に
よって鮮明な白色マーキングを現出させることができる
レーザーマーキング用樹脂組成物およびそれからなる成
形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン共重合体(ABS樹脂)は、成形性、耐衝撃性のバラ
ンスに優れ、OA機器や家電製品向けの用途に幅広く利
用されている。このような成形品には文字や図形等が表
示されることが多く、従来はシルク印刷やタンポ印刷等
のインキなどを用いた印刷またはシールによる表示が行
われてきた。ところが、近年になって、レーザー光線に
よるマーキング手法が簡便かつ効率的に行えるため、注
目を集めている。
【0003】このレーザーマーキングはレーザー光線の
照射を受けた部分の樹脂が発泡・分解しまたは樹脂表面
が炭化することによりマーキングが現出する技術であ
る。このレーザーマーキングの技術的方法として、カー
ボンブラックまたはグラファイトを材料にブレンドする
方法(特開昭57−116620号公報)、(メタ)ア
クリル酸エステル系単量体とビニル系単量体からなる共
重合体をゴム含有スチレン系樹脂にブレンドする方法
(特開平8−112968号公報)、およびゴム含有ス
チレン系樹脂に他の熱可塑性樹脂をブレンドする方法
(特開平9−100390号公報)などが提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、樹脂組
成物中にカーボンブラック、グラファイトなどの炭素系
黒色顔料が一定量以上含まれると、ベース樹脂を淡色あ
るいは鮮明色に着色することができなくなる問題があ
り、一方、カーボンブラック、グラファイトなどの添加
量を削減するとマーキング部分の鮮明度が低下する問題
があった。
【0005】本発明は、かかる問題を解決するために、
淡色あるいは鮮明色に着色することができ、かつレーザ
ー光照射によって鮮明な白色マーキングを現出させるこ
とができるレーザーマーキング用樹脂組成物およびそれ
からなる成形品を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討した結果、樹脂組成物中に特
定粒子径の四酸化三鉄を特定量添加するとともにその他
の着色剤を特定量添加することにより、ベース樹脂を淡
色あるいは鮮明色に容易に着色することができかつ鮮明
な白色マーキングを現出させることができることを見出
し、本発明を完成するに至ったものである。
【0007】すなわち本発明のレーザーマーキング用樹
脂組成物は、熱可塑性樹脂(I)100重量部に対し、
平均粒子径が1〜100nmの四酸化三鉄(II)0.0
1〜0.5重量部、及び、その他の着色剤(III)0.
5〜10重量部を含有させてなることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態について
説明する。
【0009】本発明における熱可塑性樹脂(I)として
は、特に限定されるものではなく、ABS樹脂、ポリメ
チルメタクリレート系樹脂、ナイロン6樹脂、ナイロン
66樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリエ
チレンテレフタレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂など
が挙げられる。
【0010】この熱可塑性樹脂(I)としては、好まし
くは、ゴム質重合体(a)の存在下に、シアン化ビニル
系単量体(b)、芳香族ビニル系単量体(c)及びこれ
らと共重合可能な他のビニル系単量体(d)から選ばれ
る少なくとも1種以上の単量体をグラフト重合してなる
ゴム含有グラフト共重合体(IV)10〜50重量部、シ
アン化ビニル系単量体(b)5〜45重量%、芳香族ビ
ニル系単量体(c)40〜90重量%及びマレイミド系
単量体(e)5〜55重量%からなる単量体を重合して
なるマレイミド系共重合体(V)0〜50重量部、及
び、シアン化ビニル系単量体(b)3〜45重量%、芳
香族ビニル系単量体(c)90〜20重量%及びこれら
と共重合可能な他のビニル系単量体(d)0〜80重量
%からなる単量体を重合してなるシアン化ビニル系共重
合体(VI)5〜90重量部からなる混合樹脂(ただし、
(IV)+(V)+(VI)=100重量部である)が用い
られる。なかでも、ゴム含有グラフト共重合体(IV)と
してABS樹脂を用いることが成形加工性、着色性の点
で好ましく、ゴム含有グラフト共重合体(IV)とマレイ
ミド系共重合体(V)とシアン化ビニル系共重合体(V
I)の合計が100重量部となる混合組成のABS樹脂
系混合樹脂が耐衝撃性、耐熱性の点で特に好ましい。
【0011】本発明におけるゴム含有グラフト共重合体
(IV)に用いるゴム質重合体(a)としては,ジエン系
ゴム、アクリル系ゴム、エチレン系ゴムなどであり、具
体例としては、ポリブタジエン、ポリ(ブタジエン−ス
チレン)、ポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)、ポ
リイソプレン、ポリ(ブタジエン−アクリル酸ブチ
ル)、ポリ(ブタジエン−アクリル酸メチル)、ポリ
(ブタジエン−メタクリル酸メチル)、ポリ(アクリル
酸ブチル−メタクリル酸メチル)、ポリ(ブタジエン−
アクリル酸エチル)、エチレン−プロピレンラバー、エ
チレン−プロピレン−ジエンラバー、ポリ(エチレン−
イソブチレン)、ポリ(エチレン−アクリル酸メチル)
などが挙げられる。これらのゴム質重合体は、1種また
は2種以上の混合物で使用される。これらのゴム質重合
体のうち、ポリブタジエン、ポリ(ブタジエン−スチレ
ン)、ポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)、エチレ
ン−プロピレンラバーが耐衝撃性の点で特に好ましく用
いられる。
【0012】本発明におけるゴム含有グラフト共重合体
(IV)、マレイミド系共重合体(V)およびシアン化ビ
ニル系共重合体(VI)で用いるシアン化ビニル系単量体
(b)の具体例としては、アクリロニトリルおよびメタ
クリロニトリルなどが挙げられ、それらの1種または2
種以上を用いることができる。中でもアクリロニトリル
が耐薬品性の面から特に好ましい。
【0013】本発明におけるゴム含有グラフト共重合体
(IV)、マレイミド系共重合体(V)およびシアン化ビ
ニル系共重合体(VI)で用いる芳香族ビニル系単量体
(c)の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、オルソメチルスチレン、パラメチルスチレン、パラ
−t−ブチルスチレンおよびハロゲン化スチレンなどが
挙げられ、それらの1種または2種以上を用いることが
できる。なかでもスチレン、α−メチルスチレンが成形
加工性の面から好ましく、さらにスチレンが特に好まし
い。
【0014】本発明におけるゴム含有グラフト共重合体
(IV)及びシアン化ビニル系共重合体(VI)で用いる共
重合可能な他のビニル系単量体(d)の具体例として
は、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン
酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル
酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステル類、アクリ
ルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミ
ドなどの(メタ)アクリルアミド類、マレイミド、N−
メチルマレイミドなどのマレイミド類、および無水マレ
イン酸、無水シトラコン酸、無水アコニット酸などの不
飽和カルボン酸無水物などを挙げることができ、なかで
もメタクリル酸メチル、N−フェニルマレイミドが成形
加工性の面で好ましい。
【0015】本発明におけるマレイミド系共重合体
(V)に用いるマレイミド系単量体(e)の具体例とし
ては、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマ
レイミド、N−メチルマレイミド、マレイミドなどがあ
り、中でもN−フェニルマレイミドが成形加工性の面で
特に好ましく用いられる。
【0016】本発明におけるゴム含有グラフト共重合体
(IV)におけるゴム質重合体(a)の含有率は、耐衝撃
性の点から10〜80重量%が好ましく、40〜70重
量%がさらに好ましい。また、ゴム含有グラフト共重合
体(IV)におけるシアン化ビニル系単量体(b)の含有
率は、3〜70重量%が色調安定性の点で好ましく、さ
らには10〜40重量%が好ましい。さらに、ゴム含有
グラフト共重合体(IV)における芳香族ビニル系単量体
(c)の含有率は、10〜80重量%が色調安定性の点
で好ましく、さらには20〜50重量%が好ましい。ま
たそのグラフト率は10〜80重量%が、グラフト成分
の共重合体の還元粘度は0.2〜0.8dl/gが耐衝
撃性の点で好ましい。
【0017】本発明におけるマレイミド系共重合体
(V)の構成単位は、単量体組成で、シアン化ビニル系
単量体(b)5〜45重量%,芳香族ビニル系単量体
(c)40〜90重量%およびマレイミド系単量体
(e)5〜55重量%である。その中で、シアン化ビニ
ル系単量体(b)5〜40重量%、芳香族ビニル系単量
体(c)40〜55重量%およびマレイミド系単量体
(e)30〜55重量%の範囲のものが耐衝撃性、耐熱
性のバランスの点で好ましい。
【0018】シアン化ビニル系単量体(b)が5重量%
未満では耐薬品性が劣り、また、45重量%を越えると
色調安定性が低下する。また、芳香族ビニル系単量体
(c)が40重量%未満であると、シート成形用熱可塑
性樹脂組成物の溶融時の色調安定性が著しく低下し、9
0重量%を越えると耐薬品性が劣る。またマレイミド系
単量体(e)が5重量%未満であると耐熱性が十分でな
く、55重量%を越えると耐衝撃性が劣る。
【0019】また本発明におけるマレイミド系共重合体
(V)のガラス転移温度は、耐熱性の観点から、120
℃以上が好ましく、耐衝撃性の観点から210℃以下が
好ましい。より好ましくは135〜200℃である。
【0020】また、本発明におけるシアン化ビニル系共
重合体(VI)の構成単位は、単量体組成で、シアン化ビ
ニル系単量体(b)3〜45重量%、芳香族ビニル系単
量体(c)90〜20重量%及びこれらと共重合可能な
他のビニル系単量体(d)0〜80重量%である。好ま
しくは、シアン化ビニル系単量体(b)10〜45重量
%、特に20〜40重量%、芳香族ビニル系単量体
(c)90〜55重量%、特に80〜60重量%であ
る。
【0021】シアン化ビニル系単量体(b)が3重量%
未満であり、芳香族ビニル系単量体(c)が90重量%
を越えると耐薬品性が十分でない。また、シアン化ビニ
ル系単量体(b)が45重量%を越え、芳香族ビニル系
単量体(c)が20重量%未満であると色調安定性が低
下する。
【0022】また、シアン化ビニル系共重合体(VI)の
分子量としては特に制限はないが、還元粘度が0.30
〜0.90dl/g、特に0.35〜0.85dl/g
の範囲のものが、耐衝撃性、流動性の点から好ましく用
いられる。
【0023】請求項2の本発明の樹脂組成物において
は、ゴム含有グラフト共重合体(IV)、マレイミド系共
重合体(V)およびシアン化ビニル系共重合体(VI)の
配合割合は、ゴム含有グラフト共重合体(IV)10〜5
0重量部、マレイミド系共重合体(V)0〜50重量
部、シアン化ビニル系共重合体(VI)5〜90重量部で
あることが必要である。ゴム含有グラフト共重合体(I
V)が10重量部未満であると衝撃強度が十分ではな
く、50重量部を越えるとレーザーマーキング性が劣
る。マレイミド系共重合体(V)が50重量部を越える
と耐衝撃性が劣る。シアン化ビニル系共重合体(VI)が
5重量部未満であると耐薬品性が十分ではなく、90重
量部を越えると色調安定性が劣る。
【0024】本発明における平均粒子径1〜100nm
の四酸化三鉄(II)は、熱可塑性樹脂(I)100重量
部に対して0.01〜0.5重量部であることが必要で
あり、好ましくは0.03〜0.3重量部である。四酸
化三鉄(II)が0.01重量部未満であるとレーザーマ
ーキング性が不十分であり、0.5重量部を越えるとベ
ース樹脂を淡色あるいは極彩色に着色することが困難に
なる。また、四酸化三鉄の平均粒子径は1〜100nm
が好ましく、更に好ましくは1〜50nmである。平均
粒子径が100nmを超えるとレーザーマーキング性が
不十分となる。
【0025】本発明において用いるその他の着色剤(II
I)は、四酸化三鉄(II)とカーボンブラック、グラフ
ァイトなどの炭素系黒色顔料とを除く着色剤であり、好
ましい着色剤しては、例えば、コバルト含有複合酸化
物、クロム含有複合酸化物、三酸化二鉄、二酸化チタ
ン、及び有機染料が挙げられる。なかでも、コバルト含
有複合酸化物、クロム含有複合酸化物、三酸化二鉄、及
び二酸化チタンのうちの少なくとも1種が特に好まし
い。これら種類の金属酸化物系着色剤はその化学構造に
より赤、青、黄、緑などの特定の色調を呈しており、必
要とされるベース色に応じて単独、あるいは2種類以上
を組み合わせて使用することが可能である。
【0026】本発明に用いるその他の着色剤(III)の
添加量は、熱可塑性樹脂(I)100重量部に対して
0.5〜10重量部である。その他の着色剤(III)が
10重量部を越えると耐衝撃性が低下し、0.5重量部
未満であるとベース樹脂を淡色および極彩色に調色する
ことが困難になる。
【0027】本発明においては、さらに必要に応じて
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4、
4´−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチル
フェノール)などのフェノール系酸化防止剤、トリス
(ミックスド、モノおよびジノニルフェニル)ホスファ
イト、ジフェニル・イソデシルホスファイトなどのリン
系酸化防止剤、ジラウリルチオジプロピネート、ジミリ
スチルチオジプロピネートジアステリアルチオジプロピ
ネートなどのイオウ系酸化防止剤、2−ヒドロキシ−4
−オクトキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ−
5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどの紫外線
吸収剤、ビス(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピ
ペリジニル)などの光安定剤、ヒドロキシルアルキルア
ミン、スルホン酸塩などの帯電防止剤、エチレンビスス
テアリルアミド、金属石鹸などの滑剤、ガラス繊維、カ
ーボン繊維などの無機充填材、ポリブロモジフェニルエ
ーテル、テトラブロモビスフェノール−A、臭素化エポ
キシオリゴマー、臭素化ポリカーボネートオリゴマー等
の含ハロゲン系化合物、りん系化合物、三酸化アンチモ
ン等の難燃剤・難燃助剤なども添加することも可能であ
る。
【0028】以下、本発明のレーザーマーキング用樹脂
組成物の製造方法について述べる。
【0029】本発明におけるゴム含有グラフト共重合体
(IV)、マレイミド系共重合体(V)及びビニル系共重
合体(VI)のそれぞれの製造方法については特に制限は
なく、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、溶液重合
法ならびにそれらの組み合わせによる重合法により製造
することができる。ゴム含有グラフト共重合体(IV)製
造時におけるゴム質重合体による変性手段としては、主
としてゴム質の存在下で樹脂相を形成する単量体を乳化
重合法、乳化−懸濁重合法、塊状重合法などでグラフト
重合する方法が採用される。この際、機械的特性の観点
からグラフト率は10〜80重量%であることが好まし
く、より好ましくは20〜70重量%である。
【0030】本発明のレーザーマーキング用樹脂組成物
の製造には、上記各樹脂の所定量ずつを、バンバリーミ
キサー、ロールおよび単軸または多軸押出機で溶融混練
するなどの種々の方法を採用することができる。
【0031】本発明のレーザーマーキング用樹脂組成物
は、射出成形、押出成形、ブロー成形、真空成形、圧縮
成形、ガスアシスト成形等の現在熱可塑性樹脂の成形に
用いられる公知の方法によって成形することができ、特
に制限されるものではない。
【0032】これらの成形品の用途については、電気、
電子、自動車、機械、雑貨など特に制限はないが、本発
明の成形品の特徴から、文字や記号等が印字・表示され
る用途に有効である。なかでもOA機器・電気・電子製
品のハウジングおよび冷蔵庫の構造体部品、パチンコの
受け皿等の雑貨用途、トイレ・台所等のサニタリー用
途、自動車用内外装材の文字や記号等を印字・表示する
部位に有効に適用することができる。
【0033】[物性の測定法]本発明のレーザーマーキ
ング用樹脂組成物に関する特性の測定方法を下記する。 (1)ゴム含有グラフト共重合体(IV)におけるグラフ
ト率 グラフト共重合体の所定量(m)にアセトンを加え、3
時間還流し、この溶液を8800r.p.m.(1000
0G)で40分間遠心分離後、不溶分を濾過し、この不
溶分を60℃で5時間減圧乾燥し、重量(n)を測定
し、下記式によりグラフト率を算出した。ここで、L
(wt%)はグラフト共重合体中のゴム含有量であり、
参考例1の場合、共重合体のゴム含有量は40重量%で
あった。 グラフト率(wt%)={[(n)−(m)×L]/
[(m)×L]}×100 (2)還元粘度(ηsp/c) ウベローデ粘度計を使用し、測定温度30℃、試料濃度
0.4g/dlのメチルエチルケトン溶液により測定し
た。
【0034】(3)ガラス転移温度 東洋ボールドウィン社製の自動動的粘弾性測定器(バイ
ブロン:DDV−II−EA)を用いて測定した。
【0035】(4)四酸化三鉄の平均粒子径 N2ガス吸着法によりBET比表面積を測定し、得られ
た比表面積値より平均粒子径を算出した。
【0036】(5)レーザーマーキング性(マーキング
部の白色度、色調)が射出成形により製造した平板状角
板の表面に、Nd:YAGレーザーマーカー(electrox
社製“Scriba2”)を用いて、波長1064nmのレー
ザー光線により、レーザー出力75%(100%=17
W)でマーキングを行い、レーザーマーキング部が形成
された樹脂角板を製造した。
【0037】レーザーマーキング部分の白色度を、大日
精化工業社製カラーコンピューター(カラコムシステ
ム)を用いて、白色度指数WIを測定し、WI値60を
超えるものを○、40〜60を△、40未満を×として
評価した。さらに、マーキング部分の色調も評価した。
【0038】(6)ベース樹脂の着色性、色調 評価対象の樹脂組成物と、四酸化三鉄(II)を削除した
以外の樹脂組成が全く同一な比較用組成物とを、それぞ
れ射出成形して評価用角板を作成した。大日精化工業社
製カラーコンピューター(カラコムシステム)を用いて
当該角板の色差(△E値)を測定した。△E値10未満
を○、10〜30を△、30を超えるものを×として評
価した。さらにその色調も評価した。
【0039】(7)耐衝撃性(Izod衝撃強さ) ASTM D256(12.7mmノッチ付き、23℃)
に準じて測定した。
【0040】(8)耐熱性(6.4mmDTL) 6.4mmDTL(荷重撓み温度)は、射出成形品につ
いて、ASTM D648(1.82MPa/cm2
に準じて測定した。
【0041】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示す。
【0042】[参考例1] ゴム含有グラフト共重合体
(IV)の製造 窒素置換した反応器に純水120部、ブドウ糖0.5
部、ピロリン酸ナトリウム0.5部、硫酸第一鉄0.0
05部およびポリブタジエンラテックス(ゴム粒子径
0.3μm,ゲル含有率85%)50部(固形分換算)
を仕込み、撹拌しながら反応器内の温度を65℃に昇温
した。内温が65℃に達した時点を重合開始としてモノ
マ(スチレン35部,アクリロニトリル15部)および
t−ドデシルメルカプタン0.3部からなる混合物を5
時間かけて連続滴下した。同時に並行してクメンハイド
ロパーオキサイド0.25部,オレイン酸カリウム2.
5部および純水25部からなる水溶液を7時間かけて連
続滴下し、反応を完結させた。得られたグラフト共重合
体ラテックスを硫酸で凝固し、苛性ソ−ダで中和後、洗
浄、濾過、乾燥してゴム含有グラフト共重合体(IV)を
得た。このグラフト共重合体(IV)のグラフト率は45
重量%、樹脂成分の還元粘度は0.68dl/gであっ
た。
【0043】[参考例2] マレイミド系共重合体
(V)の製造 容量が20Lで、バッフルおよびファウドラ型攪拌翼を
備えたステンレス製オートクレーブに、懸濁安定剤とし
て特公昭45−24151号公報記載のメタクリル酸メ
チル/アクリルアミド共重合体0.05部をイオン交換
水165部に溶解した溶液を400rpmで攪拌し、系
内を窒素ガスで置換した。次にアクリロニトリル10
部、スチレン50部、N−フェニルマレイミド40部、
t−ドデシルメルカプタン0.46部、および2,2’
−アゾビスイソブチルニトリル0.15部の混合溶液を
反応系を攪拌しながら添加し、60℃に昇温し110分
重合を行った。この後、100℃まで50分かけて昇温
し重合を完結させた。その後、反応系の冷却、ポリマー
の分離、洗浄、乾燥を行ない、アクリロニトリル10重
量%、スチレン50重量%、N−フェニルマレイミド4
0重量%のマレイミド系共重合体(V)を得た。このマ
レイミド系共重合体(V)のガラス転移温度は167
℃、重量平均分子量/数平均分子量の比は2.4であっ
た。
【0044】[参考例3] シアン化ビニル系共重合体
(VI)の製造 容量が20Lで、バッフルおよびファウドラ型攪拌翼を
備えたステンレス製オートクレーブに、懸濁安定剤とし
て特公昭45−24151号公報記載のメタクリル酸メ
チル/アクリルアミド共重合体0.05部をイオン交換
水165部に溶解した溶液を400rpmで攪拌し、系
内を窒素ガスで置換した。次にアクリロニトリル32
部、スチレン4.0部、t−ドデシルメルカプタン0.
46部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)0.39部,2,2’−アゾビスイソブチル
ニトリル0.05部の混合溶液を反応系を攪拌しながら
添加し、58℃に昇温し重合を開始した。重合開始から
15分が経過した後オートクレーブ上部に備え付けた供
給ポンプからのスチレン64部を110分かけて添加し
た。この間、反応温度を65℃まで昇温した。スチレン
の反応系への添加終了後、50分かけて100℃まで昇
温した。以降は、通常の方法に従って、反応系の冷却、
ポリマーの分離、洗浄、乾燥を行ない、アクリロニトリ
ル10重量%、スチレン50重量%のシアン化ビニル系
共重合体(VI)を得た。このシアン化ビニル系共重合体
(VI)の還元粘度は0.55dl/gであった。
【0045】[参考例4] 四酸化三鉄(II) A:シーアイ化成社製 NanoTek Fe34(平
均粒子径30nm) B:四酸化三鉄(平均粒子径500nm) C:四酸化三鉄(平均粒子径1000nm) [参考例5] その他の着色剤(III) A:大日精化工業社製 ダイピロキサイド ブルー#9
453(コバルト含有複合酸化物) B:大日精化工業社製 ダイピロキサイド イエロー#
9151(クロム含有複合酸化物) C:大日精化工業社製 ダイピロキサイド グリーン#
9310(コバルト含有複合酸化物) D:大日精化工業社製 TRANS−OXIDE RE
D AA2005(三酸化二鉄) E:有本化学工業社製 Plast Yellow 8
000(有機染料) F:有本化学工業社製 Plast Red 8370
(有機染料) G:有本化学工業社製 Plast Blue 852
0(有機染料) H:二酸化チタン。
【0046】[実施例1〜39、比較例1〜12]参考
例記載のゴム含有グラフト共重合体(IV)、マレイミド
系共重合体(V)、シアン化ビニル系共重合体(VI)を
用い、表1〜8記載の組成で、(IV)+(V)+(VI)
=100重量部となるように配合し、熱可塑性樹脂
(I)を得た。続いて熱可塑性樹脂(I)100重量部
に対し、微細な四酸化三鉄(II)A〜C、その他の着色
剤(III)A〜H等を表1〜8に記載の組成(重量部)
でヘンシェルミキサーで均一に混合したのち小型押出機
を用いてペレット化して樹脂組成物を得た。その評価結
果は表1〜8に示す通りであった。
【0047】表1〜8の結果から、本発明のレーザーマ
ーキング用樹脂組成物は、比較例の樹脂組成物と比較し
て、レーザーマーキング性、ベース樹脂着色性のバラン
スに優れていることがわかる。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】
【表5】
【0053】
【表6】
【0054】
【表7】
【0055】
【表8】
【0056】
【発明の効果】本発明のレーザーマーキング用樹脂組成
物または成形品は、ベース樹脂を淡色あるいは鮮明色に
容易に着色でき、鮮明な白色マーキングを現出すること
ができるので、文字・記号等を表示する部品用として好
適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (C08L 33/20 C08L 55:02 55:02 33:24) 33:24) 101/00 Fターム(参考) 4F071 AA10X AA22 AA22X AA34X AA35 AA35X AA77 AB18 AE09 AH12 BA01 BB05 BC01 BC07 4J002 AA011 BC063 BG093 BG103 BH012 BN061 BN121 BN141 BN151 DE097 DE116 DE137 FD010 FD040 FD050 FD070 FD097 FD110 FD130 FD170

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂(I)100重量部に対
    し、平均粒子径が1〜100nmの四酸化三鉄(II)
    0.01〜0.5重量部、及び、その他の着色剤(II
    I)0.5〜10重量部を含有させてなることを特徴と
    するレーザーマーキング用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂(I)が、ゴム質重合体
    (a)の存在下に、シアン化ビニル系単量体(b)、芳
    香族ビニル系単量体(c)及びこれらと共重合可能な他
    のビニル系単量体(d)から選ばれる少なくとも1種以
    上の単量体をグラフト重合してなるゴム含有グラフト共
    重合体(IV)10〜50重量部、シアン化ビニル系単量
    体(b)5〜45重量%、芳香族ビニル系単量体(c)
    40〜90重量%及びマレイミド系単量体(e)5〜5
    5重量%からなる単量体を重合してなるマレイミド系共
    重合体(V)0〜50重量部、及び、シアン化ビニル系
    単量体(b)3〜45重量%、芳香族ビニル系単量体
    (c)90〜20重量%及びこれらと共重合可能な他の
    ビニル系単量体(d)0〜80重量%からなる単量体を
    重合してなるシアン化ビニル系共重合体(VI)5〜90
    重量部からなる混合樹脂(ただし、(IV)+(V)+
    (VI)=100重量部である)であることを特徴とする
    請求項1記載のレーザーマーキング用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 その他着色剤(III)が、コバルト含有
    複合酸化物、クロム含有複合酸化物、三酸化二鉄、二酸
    化チタン、有機染料から選ばれる少なくとも1種である
    請求項1又は2記載のレーザーマーキング用樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか記載のレーザー
    マーキング用樹脂組成物を成形することにより製造され
    るレーザーマーキング用樹脂成形品。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか記載のレーザー
    マーキング用樹脂組成物を成形することにより製造され
    る樹脂成形品に、レーザー光線照射によるマーク部が形
    成されてなるレーザーマーキングされた樹脂成形品。
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