JP2003308133A - 多相クロック伝送回路及び多相クロック伝送方法 - Google Patents

多相クロック伝送回路及び多相クロック伝送方法

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JP2003308133A
JP2003308133A JP2003033303A JP2003033303A JP2003308133A JP 2003308133 A JP2003308133 A JP 2003308133A JP 2003033303 A JP2003033303 A JP 2003033303A JP 2003033303 A JP2003033303 A JP 2003033303A JP 2003308133 A JP2003308133 A JP 2003308133A
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clock
delay
circuit
phase
signal
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Takashi Hirata
貴士 平田
Toru Iwata
徹 岩田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多相クロックを伝送する際に、必要となる配
線の面積を小さくするとともに、各相のクロック間のス
キューを小さくする。 【解決手段】 多相クロック伝送回路として、参照クロ
ックに同期したクロックと、前記参照クロックと前記ク
ロックとの間の位相差に応じた制御信号とを生成して出
力するクロック発生部と、前記クロックと前記制御信号
とに基づいて、多相クロックを生成して出力する遅延回
路とを備える。クロック発生部は、前記参照クロックの
周波数の整数倍の周波数を有する信号を生成して前記ク
ロックとして出力する。遅延回路は、各々が、入力され
た信号に対して前記制御信号に応じた遅延を与えて出力
する、複数の遅延素子が縦続接続され、かつ、前記クロ
ックが入力された回路を有し、前記複数の遅延素子の各
々が出力する信号を、前記多相クロックを構成する信号
として出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路に
おけるクロックの伝送技術に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路において、周波数が同一
であり、所定の位相差を保った複数のクロックが用いら
れることがある。このような複数のクロックは、多相ク
ロックと呼ばれる。多相クロックを用いる場合、従来
は、PLL(位相同期ループ:phase locked loop)等
で構成されたクロック発生回路が多相クロックを生成し
て出力していた。そして、各相のクロックは、それぞれ
を伝送するための専用の配線を経由して、多相クロック
を必要とする回路ブロックに分配されていた。このよう
な技術の一例が、特許文献1に記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開平2−255908号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、多相クロック
をこのような従来の方法で伝送すると、各相のクロック
を個別に伝送するため、m相のクロック(mは自然数)
を伝送するためには、m本の配線が必要となる。このた
め、mが大きくなるにつれて、配線の面積が増大する。
【0005】また、クロックが伝送される距離が長くな
ると、一般に、各相のクロック間における経路長差が大
きくなる他、他の信号線との間のクロストーク等の影響
が大きくなるので、各相のクロック間のスキューが増大
する。
【0006】更に、クロックの周波数が高くなると、伝
送された各相のクロック間のスキューの、クロック周期
に対する割合が増加する。このため、多相クロックを受
け取る各回路ブロックにおいて、各相のクロック間の位
相関係が保証されなくなり、その結果、回路の誤動作を
招いてしまう。
【0007】本発明は、これらの問題点に鑑み、多相ク
ロックを伝送する際に、必要となる配線の面積を小さく
するとともに、各相のクロック間のスキューを小さくす
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、請求項1の発明が講じた手段は、多相クロック伝送
回路として、参照クロックに同期したクロックと、前記
参照クロックと前記クロックとの間の位相差に応じた制
御信号とを生成して出力するクロック発生部と、前記ク
ロックと前記制御信号とに基づいて、多相クロックを生
成して出力する遅延回路とを備え、前記クロック発生部
は、入力された信号に対して前記制御信号に応じた遅延
を与えて出力する遅延素子を含んだ、前記参照クロック
の周波数の整数倍の周波数を有する信号を生成して前記
クロックとして出力するクロック生成回路を有するもの
であり、前記遅延回路は、各々が、入力された信号に対
して前記制御信号に応じた遅延を与えて出力する、複数
の遅延素子が縦続接続され、かつ、前記クロックが入力
された回路を有し、前記複数の遅延素子の各々が出力す
る信号を、前記多相クロックを構成する信号として出力
するものである。
【0009】請求項1の発明によると、クロック発生部
から遅延回路へは1つのクロックのみを伝送して、遅延
回路において多相クロックを生成することができる。こ
のため、クロック発生部で多相クロックを生成して遅延
回路に伝送する場合に比べて、クロック発生部と各遅延
回路との間の配線の数を削減することができる。また、
クロックを伝送する配線の長さの影響を受けることな
く、遅延回路が生成する多相クロックを構成するクロッ
クのそれぞれの間の位相差を一定に保つことができるの
で、このような遅延回路を有する各回路ブロックでは、
各クロック間のスキューが小さい多相クロックを利用す
ることができる。
【0010】また、請求項2の発明では、請求項1に記
載の多相クロック伝送回路において、前記クロック発生
部は、前記参照クロックと前記クロック生成回路が出力
するクロックとの位相を比較し、得られた比較結果を出
力する位相比較回路と、前記比較結果の低周波成分を前
記制御信号として出力するローパスフィルタとを更に有
するものであり、前記クロック生成回路は、発振するこ
とによって前記制御信号に応じた周波数の信号を生成し
て出力するものであり、前記クロック生成回路と、前記
位相比較回路と、前記ローパスフィルタとは、PLL
(phase locked loop)を構成していることを特徴とす
る。
【0011】請求項2の発明によると、参照クロックに
同期し、周波数が安定したクロックに基づいて、多相ク
ロックを得ることができる。
【0012】また、請求項3の発明では、請求項1に記
載の多相クロック伝送回路において、前記クロック発生
部は、前記参照クロックと前記クロック生成回路が出力
するクロックとの位相を比較し、得られた比較結果を出
力する位相比較回路と、前記比較結果の低周波成分を前
記制御信号として出力するローパスフィルタとを更に有
するものであり、前記クロック生成回路は、前記制御信
号に応じて前記参照クロックを遅延させて出力するもの
であり、前記クロック生成回路と、前記位相比較回路
と、前記ローパスフィルタとは、DLL(delay locked
loop)を構成していることを特徴とする。
【0013】請求項3の発明によると、参照クロックに
同期し、これと周波数が同じクロックに基づいて、多相
クロックを得ることができる。
【0014】また、請求項4の発明では、請求項1に記
載の多相クロック伝送回路において、前記クロック生成
回路の遅延素子と、前記遅延回路の複数の遅延素子と
は、ほぼ同一の構成を有するものである。
【0015】請求項4の発明によると、クロック生成回
路の内部で生成される信号と同様の信号を遅延回路にお
いて容易に得ることができる。また、ほぼ同一の遅延素
子を用いるので、多相クロック伝送回路の設計が簡単に
なる。
【0016】また、請求項5の発明では、請求項1に記
載の多相クロック伝送回路において、前記クロックは差
動信号であり、前記クロック生成回路及び前記遅延回路
における遅延素子は差動バッファであることを特徴とす
る。
【0017】請求項5の発明によると、多相クロックを
差動信号として得ることができる。
【0018】また、請求項6の発明では、請求項1に記
載の多相クロック伝送回路において、前記遅延回路の複
数の遅延素子は各々、入力された信号に対して与える遅
延を、前記制御信号に加えて遅延補正信号にも従って制
御するものである。
【0019】請求項6の発明によると、遅延回路の各遅
延素子で生じる遅延を遅延補正信号によって補正するこ
とができる。したがって、この遅延が発振回路の遅延素
子で生じる遅延と等しくなるようにすれば、多相クロッ
クを構成する各クロック間の位相差を所定の値に保つこ
とができる。例えば集積回路内において配置される場所
の違いによって、クロック発生部の遅延素子と回路ブロ
ック内の遅延回路の遅延素子との間で供給される電源電
位又はグラウンド電位が異なる場合がある。このような
場合においても、クロック発生部と遅延回路とで、遅延
素子に生じる遅延を等しくすることができる。
【0020】また、請求項7の発明では、請求項6に記
載の多相クロック伝送回路において、前記遅延回路は、
前記縦続接続された複数の遅延素子の各々が出力する信
号と、前記クロックとのうちの2つの信号を入力とし、
前記2信号間の位相差と所定の値との差に応じて前記遅
延補正信号を生成して出力する遅延補正回路を更に有す
るものである。
【0021】請求項7の発明によると、2信号間の位相
差に応じて、遅延回路の各遅延素子で生じる遅延を自動
的に補正することができる。
【0022】また、請求項8の発明では、請求項7に記
載の多相クロック伝送回路において、前記遅延補正回路
は、前記遅延補正信号をディジタル信号として出力する
ものである。
【0023】請求項8の発明によると、遅延補正信号が
ディジタル信号であるので、遅延補正回路の構成を簡略
化することができる。
【0024】また、請求項9の発明では、請求項6に記
載の多相クロック伝送回路において、前記遅延補正信号
は、当該多相クロック伝送回路を含む半導体集積回路の
外から入力されるものである。
【0025】請求項9の発明によると、半導体集積回路
チップの外から、チップ毎に簡単に、遅延回路の各遅延
素子で生じる遅延を補正することができる。
【0026】また、請求項10の発明では、請求項1〜
9のいずれか1項に記載の多相クロック伝送回路におい
て、前記遅延回路に対応してバッファ回路を更に備え、
前記バッファ回路は、前記クロックの振幅を所定の大き
さにして、対応する遅延回路に出力するものである。
【0027】請求項10の発明によると、伝送される距
離にかかわらず、所定の振幅を持ったクロックを遅延回
路に供給することができる。
【0028】また、請求項11の発明では、請求項10
に記載の多相クロック伝送回路において、前記バッファ
回路は、前記遅延回路の遅延素子とほぼ同一の特性を有
する遅延素子を備えるものである。
【0029】請求項11の発明によると、クロック発生
部が出力したクロックが、遅延回路における遅延素子の
出力信号とほぼ等しい振幅の信号として遅延回路に与え
られるので、遅延回路における複数の遅延素子で生じる
遅延を揃えることができる。このため、多相クロックを
構成するクロック間の位相差を揃えることができる。
【0030】また、請求項12の発明は、請求項1〜9
のいずれか1項に記載の多相クロック伝送回路におい
て、前記クロックを伝送する配線の前記遅延回路への分
岐点と前記クロック発生部との間に、入力信号の振幅を
所定の大きさにして出力するバッファ回路を更に備える
ものである。
【0031】請求項12の発明によると、伝送されるク
ロックの振幅をほぼ所定の大きさに保つことができる。
【0032】また、請求項13の発明では、請求項12
に記載の多相クロック伝送回路において、前記バッファ
は、前記クロック生成回路の遅延素子とほぼ同一の特性
を有する遅延素子を備えるものである。
【0033】請求項13の発明によると、伝送される距
離にかかわらず、クロックの振幅をクロック生成回路の
遅延素子が出力する信号の振幅にほぼ保つことができ
る。
【0034】また、請求項14の発明は、請求項1〜9
のいずれか1項に記載の多相クロック伝送回路におい
て、前記制御信号をディジタル信号に変換して出力する
アナログ−ディジタル変換回路を更に備えるとともに、
ディジタル信号に変換されて伝送された前記制御信号を
アナログ信号に変換し、前記遅延回路に出力するディジ
タル−アナログ変換回路を前記遅延回路に対応して更に
備えるものである。
【0035】請求項14の発明によると、遅延回路へ伝
送される途中で、クロストークの影響や、電源電位又は
グラウンド電位の変動の影響を受けて、制御信号が変化
することを防ぐことができる。
【0036】また、請求項15の発明では、請求項1に
記載の多相クロック伝送回路において、前記遅延回路を
複数備えるとともに、前記複数の遅延回路の各々に対応
して複数の位相補間器を更に備え、前記クロックを伝送
する配線は、前記クロック発生部から折り返し点までの
第1の部分と、前記折り返し点から前記クロック発生部
に向かって設けられた第2の部分とを有し、かつ、前記
位相補間器毎に、その位相補間器へ分岐する第1及び第
2の分岐点をそれぞれ前記第1及び第2の部分に有する
ものであり、前記複数の位相補間器のそれぞれは、前記
第1及び第2の分岐点のそれぞれから分岐した配線を経
由した2信号を入力とし、前記2信号がそれぞれレベル
を変化させる2つのタイミングのほぼ中間の時点におい
て出力信号のレベルを変化させて、対応する遅延回路に
前記クロックとして出力するものであり、前記第1の分
岐点のうち、隣り合う2つのものの間の区間と、前記第
2の分岐点のうち、これらの第1の分岐点に対応する2
つのものの間の区間とにおいて、信号の伝搬に要する時
間がほぼ等しくなるように構成されていることを特徴と
する。
【0037】請求項15の発明によると、離れた位置に
ある複数の遅延回路に入力されるクロックのタイミング
を一致させることができる。このため、遅延回路を備え
た複数の回路ブロックにおいて、タイミングが一致した
多相クロックを利用することができる。
【0038】また、請求項16の発明は、請求項15に
記載の多相クロック伝送回路において、前記第1の分岐
点のうち、隣り合う2つのものの間の区間と、前記第2
の分岐点のうち、これらの第1の分岐点に対応する2つ
のものの間の区間とに、同数のバッファを更に備えてい
るものである。
【0039】請求項16の発明によると、位相補間器に
入力される2信号の間の遅延を大きくすることができる
ので、位相補間器は、この2信号がレベルを変化させる
2つのタイミングのほぼ中間の時点においてレベルが変
化する出力信号を容易に生成することができる。
【0040】また、請求項17の発明は、請求項15に
記載の多相クロック伝送回路において、前記第1の分岐
点のうち、隣り合う2つのものの間の配線の長さと、前
記第2の分岐点のうち、これらの第1の分岐点に対応す
る2つのものの間の配線の長さとがほぼ等しいことを特
徴とする。
【0041】請求項17の発明によると、第1の分岐点
のうち、隣り合う2つのものの間の区間と、第2の分岐
点のうち、これらの第1の分岐点に対応する2つのもの
の間の区間とにおいて、信号の伝搬に要する時間がほぼ
等しくなるようにすることができる。
【0042】また、請求項18の発明は、多相クロック
伝送方法として、参照クロックに同期したクロックと、
前記参照クロックと前記クロックとの間の位相差に応じ
た制御信号とを求めるクロック発生ステップと、前記ク
ロックと前記制御信号とに基づいて、多相クロックを求
める遅延ステップとを備え、前記クロック発生ステップ
は、入力された信号に対して前記制御信号に応じた遅延
を与えて出力する遅延素子を用い、前記参照クロックの
周波数の整数倍の周波数を有する信号を前記クロックと
して求めるものであり、前記遅延ステップは、各々が、
入力された信号に対して前記制御信号に応じた遅延を与
えて出力する、複数の遅延素子が縦続接続され、かつ、
前記クロックが入力された回路を用い、前記複数の遅延
素子の各々が出力する信号を、前記多相クロックを構成
する信号として求めるものである。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0044】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1
の実施形態に係る多相クロック伝送回路を有する半導体
集積回路のブロック図である。図1において、多相クロ
ック伝送回路は、クロック発生部10と、遅延回路4
0,60,80とを備えている。遅延回路40,60,
80は、それぞれ回路ブロック30,50,70に含ま
れている。回路ブロック30,50,70は、いずれ
も、多相クロックを用いて信号処理等を行う。
【0045】クロック発生部10は、分周器(FD)1
2と、位相周波数比較器(PFD)13と、チャージポ
ンプ(CP)14と、ローパスフィルタ(LPF)15
と、バッファ(BUF)16と、クロック生成回路とし
ての電圧制御発振回路(VCO)20とを備えている。
位相周波数比較器13とチャージポンプ14とは、位相
比較回路として動作する。クロック発生部10の位相周
波数比較器13と、チャージポンプ14と、ローパスフ
ィルタ15と、VCO20とは、PLL(phase locked
loop)を構成している。
【0046】分周器12は、VCO20が出力する信号
を分周して、位相周波数比較器13に出力する。位相周
波数比較器13は、入力された参照クロックREFCL
Kと分周器12の出力との位相を比較し、位相差に応じ
た信号をチャージポンプ14に出力する。チャージポン
プ14は、位相比較回路における比較結果として、位相
差に応じた電圧をローパスフィルタ15に出力する。ロ
ーパスフィルタ15は、入力された電圧の低周波成分を
制御信号BAとしてVCO20に出力する。
【0047】VCO20は、リング状に接続された複数
の遅延素子を備えており、遅延素子1つで生じる遅延の
ほぼ整数倍の周期を有する信号を出力する。VCO20
は、制御信号BAによって各遅延素子で生じる遅延を制
御し、制御信号BAに応じた周波数の信号を生成して分
周器12及びバッファ16に出力する。VCO20は、
バッファ16には差動信号を出力する。
【0048】このように、クロック発生部10は、VC
O20の出力信号が分周された信号の周波数及び位相が
参照クロックREFCLKのものと一致するように、制
御信号BAを変化させてVCO20をフィードバック制
御する。その結果、クロック発生部10は、参照クロッ
クREFCLKの周波数の整数倍の周波数を有する信号
を生成する。
【0049】バッファ16は、VCO20から入力され
た差動信号を遅延回路40,60及び80に出力する。
バッファ16が出力する差動信号は、信号CLKA及び
CLKBによって構成されており、この差動信号をクロ
ックCLKA/CLKBと称することとする。また、ロ
ーパスフィルタ15は、制御信号BAを遅延回路40,
60及び80にも出力する。
【0050】図2は、図1のVCO20の構成の例を示
す回路図である。VCO20は、遅延素子21,22,
23と、バッファ24とを備えている。遅延素子21〜
23はいずれも同様のものであり、これらのいずれに
も、制御信号BAが入力されている。遅延素子21〜2
3は、例えば差動バッファであって、いずれも正入力端
子、負入力端子、正出力端子及び負出力端子を備えてい
る。
【0051】遅延素子21は、正入力端子及び負入力端
子に入力された信号に対して、制御信号BAに応じた遅
延を与えて、正出力端子及び負出力端子から遅延素子2
2に出力する。遅延素子21の正出力端子及び負出力端
子は、それぞれ、遅延素子22の正入力端子及び負入力
端子に接続されている。
【0052】同様に、遅延素子22及び23も、入力さ
れた信号に対して、制御信号BAに応じた遅延を与えて
出力する。遅延素子22の正出力端子及び負出力端子
は、それぞれ、遅延素子23の正入力端子及び負入力端
子に接続されている。一方、遅延素子23の正出力端子
及び負出力端子は、それぞれ、遅延素子21の負入力端
子及び正入力端子に接続されている。更に、遅延素子2
3は、出力信号をバッファ24に与えており、バッファ
24は、入力された差動信号をシングルエンドの信号に
変換し、分周器12に出力する。
【0053】遅延素子21が出力する2つの信号は、互
いに逆位相となっている。遅延素子22,23について
も同様である。図2のように、遅延素子21〜23がリ
ング状に接続されているので、VCO20は発振する。
遅延素子21〜23はいずれも、遅延素子21等のうち
の1つで生じる遅延のほぼ6倍の長さの周期TCLKを
有する差動信号を出力する。
【0054】遅延素子21〜23のそれぞれが出力する
差動信号は、互いに一定の位相差を保っているので、こ
れらの差動信号を3相のクロックとして用いることがで
きる。しかしここでは、遅延素子22が出力する差動信
号のみをバッファ16を介してクロックとして伝送する
こととする。バッファ16は、例えば、CMOS(comp
lementary metal oxide semiconductor)ロジック回路
である。バッファ16は、その出力を、周期TCLKを
有するクロックCLKA/CLKBとして遅延回路4
0,60,80に出力する。
【0055】図3は、図1の回路ブロック30に含まれ
る遅延回路40の構成の例を示す回路図である。以下で
は、回路ブロック30を例として説明するが、同様の遅
延回路を有する他の回路ブロック50,70等において
も同様である。
【0056】遅延回路40は、遅延素子41,42,及
び43を備えている。遅延素子41〜43は、例えば、
VCO20の遅延素子21〜23とほぼ同一の構成を有
しているものである。遅延素子41〜43のいずれに
も、制御信号BAが入力されている。また、遅延素子4
1〜43は、縦続接続されている。すなわち、遅延素子
41の正出力端子及び負出力端子は、それぞれ、遅延素
子42の正入力端子及び負入力端子に接続されている。
遅延素子42の正出力端子及び負出力端子は、それぞ
れ、遅延素子43の正入力端子及び負入力端子に接続さ
れている。
【0057】遅延素子41の負入力端子には信号CLK
Aが入力され、正入力端子には信号CLKBが入力され
ている。遅延素子41は、制御信号BAに応じた遅延を
これらの信号に与え、信号CK1A,CK1Bとして出
力する。信号CK1A,CK1Bで構成される差動信号
を、多相クロックを構成する1つのクロックとして用
い、これをクロックCK1A/CK1Bと表記すること
とする。同様に、遅延素子42が出力する信号CK3
A,CK3Bで構成される差動信号を、多相クロックを
構成する他の1つのクロックCK3A/CK3Bとして
用いることとし、遅延素子43が出力する信号CK2
A,CK2Bで構成される差動信号を、多相クロックを
構成する更に他の1つのクロックCK2A/CK2Bと
して用いることとする。
【0058】ここで、信号CK1A,CK3B,CK2
Aは、それぞれ遅延素子41〜43の負出力端子から出
力される信号である。信号CK1B,CK3A,CK2
Bは、それぞれ遅延素子41〜43の正出力端子から出
力される信号である。遅延素子41〜43は、これらの
クロックを回路ブロック30内の回路に対して出力す
る。
【0059】図4は、図1の遅延回路40が出力するク
ロックのタイミング図である。遅延素子41〜43のそ
れぞれで生じる遅延TD1は、遅延素子21〜23と同
様に、クロックCLKA/CLKBの周期TCLKの1
/6となっている。したがって、クロックCK1A/C
K1BとクロックCK2A/CK2Bとの時間差TD2
は、周期TCLKの1/3となる。
【0060】信号CK3Aは、遅延素子42の負出力端
子ではなく、正出力端子から出力されるので、クロック
CK2A/CK2BとクロックCK3A/CK3Bとの
時間差、及びクロックCK3A/CK3BとクロックC
K1A/CK1Bとの時間差も、周期TCLKの1/3
となる。すなわち、遅延素子41〜43のそれぞれが出
力するクロックの間の位相差は、いずれも2π/3とな
る。なお、周期TCLKに対する遅延TD1及び時間差
TD2の割合は、VCO20においてリング状に接続さ
れた遅延素子の段数によって決まる。
【0061】このように、図1の多相クロック伝送回路
によると、回路ブロック30において、3相のクロック
を得ることができる。これらのクロック間の位相差は、
クロック発生部10で得られる3相のクロックとほぼ同
じである。言い換えると、3相のクロックを、その周波
数と各クロック間の位相差とをほぼ完全に保持して、回
路ブロック30に伝送できたことになる。遅延回路40
と同等の回路を備えた他の回路ブロック50等において
も、同様にして3相のクロックを得ることができる。ま
た、クロックを伝送するための配線が長い場合や、クロ
ック周波数が高い場合においても、各クロックの周波数
と各クロック間の位相差とを一定に保ったまま、複数の
回路ブロックに多相クロックを分配することが可能であ
る。
【0062】遅延回路40の遅延素子41〜43に、V
CO20の遅延素子21〜23とほぼ同一の特性を持た
せることは、同一の半導体集積回路内であれば容易に実
現することができる。
【0063】なお、遅延素子41〜43は、VCO20
の遅延素子21〜23とほぼ同一の構成を有しているも
のとして説明したが、入力された信号に遅延素子21〜
23とほぼ同一の遅延を与えるものであれば、他の構成
を有しているものであってもよい。
【0064】また、VCO20における遅延素子の段数
nを変化させ(nは自然数)、同様に遅延回路40等に
おける遅延素子の段数を変化させることにより、クロッ
ク周期TCLKの1/2nずつ位相がシフトしたクロッ
クで構成される多相クロックを生成することができる。
より多くの相のクロックを生成するには、位相補間回路
を用いて、2つのクロックの間の位相を有する信号を生
成してもよい。
【0065】また、望む周波数のクロックをVCO20
が出力するように、制御信号を与えるようにすれば、ク
ロック発生部10が位相同期ループを備えていなくても
よい。
【0066】(第1の実施形態の第1の変形例)図5
は、第1の実施形態の第1の変形例に係る多相クロック
伝送回路を有する半導体集積回路のブロック図である。
図5の半導体集積回路は、図1の半導体集積回路におけ
る回路ブロック30,50,70のそれぞれに代えて、
回路ブロック130,150,170を備えている。
【0067】図6は、図5のクロック発生部10のバッ
ファ16が出力する信号、及び遅延回路40の遅延素子
41〜43が出力する信号の振幅の例を示すグラフであ
る。ここで、クロック発生部10のバッファ16はCM
OSロジック回路であるとする。一般的に、遅延素子の
入出力信号は、CMOSロジック回路の入出力信号とは
電圧レンジが異なっている。バッファ16に与えられて
いる電源電圧と、遅延素子41〜43に与えられている
電源電圧とが等しい場合には、図6に示されているよう
に、遅延素子41〜43の出力信号の振幅WBは、バッ
ファ16の出力信号の振幅WAよりも小さい。
【0068】バッファ16の出力信号CLKA,CLK
Bが遅延回路40に直接入力される場合には、遅延素子
41〜43の入出力信号と同様の電圧レンジの信号が入
力される理想的な場合と比べて、1段目の遅延素子41
の出力信号の振幅や、この遅延素子で生じる遅延が異な
るものとなる。すると、遅延素子41が出力するクロッ
クCK1A/CK1Bの信号レベルが変化するタイミン
グが、理想的な場合とは異なるものとなる。2段目の遅
延素子42、及び3段目の遅延素子43においても、同
様の現象が生じ得る。このため、遅延素子41〜43の
それぞれが出力するクロック間の位相差を2π/3とす
ることができなくなることがある。
【0069】そこで、図5のように、回路ブロック13
0は遅延回路40だけではなく、これに対応したバッフ
ァ回路132を備えることとする。バッファ回路132
は、入力された信号の振幅を所定の大きさにして出力す
るものであって、バッファ16の出力信号CLKA,C
LKBがバッファ回路132を経由して遅延回路40に
入力されるようにする。
【0070】図7は、図5の回路ブロック130の構成
の例を示す回路図である。バッファ回路132は、遅延
回路40の遅延素子41〜43とほぼ同一の特性を有す
る遅延素子34,35を備えている。遅延素子34,3
5には、制御信号BAが入力されている。遅延素子34
は、入力された信号CLKA,CLKBを、その振幅が
振幅WBに近づくようにして遅延素子35に出力する。
同様に、遅延素子35は、入力された信号を、その振幅
が振幅WBに近づくようにして遅延素子41に出力す
る。
【0071】遅延素子35が出力する信号の振幅は、遅
延素子41〜43が出力する信号とほぼ等しくなってい
る。このため、信号CLKA,CLKBの振幅WAが、
遅延素子41〜43が出力する信号の振幅WBとは異な
っていても、遅延回路40は、クロック間の位相差が2
π/3である3相のクロックを出力することができる。
【0072】回路ブロック150,170においても、
バッファ回路152,172を遅延回路60,80のそ
れぞれに対応して更に備える。回路ブロック150,1
70の構成及び動作は、回路ブロック130と同様であ
るので、その説明は省略する。
【0073】(第1の実施形態の第2の変形例)図8
は、第1の実施形態の第2の変形例に係る多相クロック
伝送回路を有する半導体集積回路のブロック図である。
図8の半導体集積回路は、図1の半導体集積回路におい
て、クロック発生部10に代えてクロック発生部110
を備え、バッファ106,107,108を更に備えた
ものである。クロック発生部110は、図1のクロック
発生部10からバッファ16を取り除いたものであり、
VCO20が差動信号であるクロックCKDA/CKD
Bを出力している。バッファ106〜108は、いずれ
もVCO20の遅延素子21等とほぼ同一の特性を有す
るものである。
【0074】クロック発生部110が出力したクロック
CKDA/CKDBを伝送する2本の配線は、いずれ
も、回路ブロック30の遅延回路40への分岐点と、回
路ブロック50の遅延回路60への分岐点とを有してい
る。バッファ106は、遅延回路40への分岐点とクロ
ック発生部110との間にあって、信号CKDA,CK
DBを入力とし、これらの振幅を所定の大きさにして出
力する。バッファ107は、遅延回路60への分岐点と
遅延回路40への分岐点との間にあって、バッファ10
6が出力する信号を入力とし、これらの振幅を所定の大
きさにして出力する。バッファ108は、回路ブロック
70の遅延回路80と遅延回路60への分岐点との間に
あって、バッファ107が出力する信号を入力とし、こ
れらの振幅を所定の大きさにして出力する。
【0075】バッファ106〜108が出力する信号
は、クロック発生部110が出力する信号CKDA,C
KDBと振幅がほぼ等しい。したがって、クロック発生
部110と回路ブロック30,50又は70との間の距
離が大きい場合であっても、各回路ブロックの遅延回路
にクロック発生部110の出力とほぼ同じ振幅の信号を
供給することができる。
【0076】接続される配線や負荷によって、バッファ
106〜108が出力する信号の振幅が信号CKDA,
CKDBとは異なるものとなる可能性があるが、バッフ
ァ106〜108のゲインを調整すれば、これを防ぐこ
とができる。
【0077】(第1の実施形態の第3の変形例)図9
は、第1の実施形態の第3の変形例に係る多相クロック
伝送回路を有する半導体集積回路のブロック図である。
一般に、制御信号BAを伝送する配線は長く、抵抗が高
いので、制御信号BAはノイズの影響を受けやすい。こ
のため、クロック発生部と回路ブロックとで1段分の遅
延素子の遅延量が一致しなくなることがある。このよう
なことを避けるために、制御信号BAをディジタル化し
て伝送することとする。
【0078】図9の多相クロック伝送回路は、クロック
発生部210と、回路ブロック230,250,270
とを備えている。クロック発生部210は、図1のクロ
ック発生部10において、アナログ−ディジタル変換回
路(ADC)17と、ディジタル−アナログ変換回路
(DAC)18とを更に備えたものである。回路ブロッ
ク230,250,270は、それぞれ図1の回路ブロ
ック30,50,70において、DAC232,25
2,272を更に備えたものである。
【0079】クロック発生部210において、ADC1
7は、ローパスフィルタ15が出力する制御信号BAを
ディジタル信号に変換し、得られた制御信号BDをDA
C18及び各回路ブロックのDAC232,252,2
72に出力する。DAC18は、入力された制御信号B
Dをアナログ信号に変換し、VCO20に出力する。し
たがって、クロック発生部210は、クロック発生部1
0とほぼ同様にPLLとして動作する。
【0080】回路ブロック230において、DAC23
2は、ディジタル化された制御信号BDを受け取ってア
ナログ信号に変換し、これを図1の制御信号BAに代え
て遅延回路40に出力する。同様に、DAC252,2
72は、制御信号BDをアナログ信号に変換し、遅延回
路60,80にそれぞれ出力する。その他の点について
は、図1の多相クロック伝送回路と同様である。
【0081】なお、VCO20や遅延回路40,60,
80において、ディジタル信号によって遅延が制御され
る遅延素子を用いてもよく、この場合は、DAC18,
232,252,272は不要となる。
【0082】また、ローパスフィルタ15の出力を、デ
ィジタル信号ではなく、電流信号に変換して伝送するよ
うにしてもよい。この場合は、例えば、ADC17に代
えて電圧−電流変換回路を備え、DAC18,232,
252,272に代えて電流−電圧変換回路を備えるこ
ととし、電流信号に変換された制御信号がこれらの電流
−電圧変換回路を経由するようにすればよい。
【0083】(第1の実施形態の第4の変形例)図10
は、第1の実施形態の第4の変形例に係る多相クロック
伝送回路におけるクロック発生部310のブロック図で
ある。図1の多相クロック伝送回路においては、PLL
を有するクロック発生部10を備えていたが、これに代
えて、図10のクロック発生部310を備えるようにし
てもよい。
【0084】クロック発生部310は、位相比較器(P
D)313と、チャージポンプ(CP)314と、ロー
パスフィルタ(LPF)315と、バッファ(BUF)
316と、クロック生成回路としての遅延回路(DL)
320とを備えている。位相比較器313とチャージポ
ンプ314とは、位相比較回路として動作する。クロッ
ク発生部310の位相比較器313と、チャージポンプ
314と、ローパスフィルタ315と、遅延回路320
とは、DLL(delay locked loop)を構成している。
【0085】位相比較器313は、入力された参照クロ
ックREFCLKとVCO20が出力する信号との位相
を比較し、位相差に応じた信号をチャージポンプ314
に出力する。チャージポンプ314は、位相比較回路に
おける比較結果として、位相差に応じた電圧をローパス
フィルタ315に出力する。ローパスフィルタ315
は、入力された電圧の低周波成分を制御信号BAとして
遅延回路320に出力する。
【0086】遅延回路320は、制御信号BAに応じた
遅延を参照クロックREFCLKに与え、位相比較器3
13及びバッファ316に出力する。ここで、遅延回路
320は、バッファ316には差動信号を出力する。バ
ッファ316は、図1のバッファ16と同様に動作す
る。また、ローパスフィルタ315は、制御信号BAを
遅延回路40,60及び80にも出力する。
【0087】図11は、図10の遅延回路320の構成
の例を示す回路図である。遅延回路320は、遅延素子
321,322,323と、バッファ324,326と
を備えている。遅延素子321〜323は、いずれも図
2の遅延素子21〜23と同様のものであり、これらの
いずれにも、制御信号BAが入力されている。遅延素子
321〜323は、例えば差動バッファであり、これら
は、縦続接続されている。バッファ324は、図2のバ
ッファ24と同様のものである。
【0088】図11において、バッファ326は、シン
グルエンドの信号である参照クロックREFCLKを差
動信号に変換して、遅延素子321に出力する。遅延素
子323は、その出力をバッファ324に与える。ま
た、バッファ324は、その出力を位相比較器313に
与え、例えば遅延素子322は、その出力をバッファ3
16に与える。
【0089】このように、クロック発生部310は、遅
延回路320の出力信号の位相が参照クロックREFC
LKの位相と一致するように、制御信号BAを変化させ
て遅延回路320をフィードバック制御する。伝送すべ
き多相クロックの周波数が参照クロックREFCLKと
同じである場合には、クロック発生部310を用いるこ
とができる。
【0090】(第2の実施形態)クロック発生部と回路
ブロックとの間では、両者の距離が大きい場合には、ト
ランジスタの特性のばらつきが生じやすく、電源電位や
グラウンド電位の不一致も生じやすい。このような場合
においても、クロック発生部と回路ブロックとで1段分
の遅延素子の遅延量が一致しなくなることがある。これ
を避けるため、遅延回路に遅延を補正するための回路を
備えることとする。
【0091】図12は、本発明の第2の実施形態に係る
多相クロック伝送回路における遅延回路の回路図であ
る。図12の遅延回路は、図3の遅延回路40におい
て、遅延素子41〜43に代えて遅延素子341,34
2及び343を備え、遅延補正回路345を更に備えた
ものである。遅延補正回路345は、位相比較器(P
D)346と、チャージポンプ(CP)347と、ロー
パスフィルタ(LPF)348とを備えている。
【0092】遅延素子341〜343は、遅延素子21
等と同様に、例えば差動バッファであって、いずれも正
入力端子、負入力端子、正出力端子及び負出力端子を備
えている。また、遅延素子341〜343には、制御信
号BAの他に、遅延補正回路345が出力する遅延補正
信号DBAが入力されている。遅延素子341〜343
はいずれも、入力端子に入力された信号に対して制御信
号BA及び遅延補正信号DBAに応じた遅延を与えて出
力する。遅延素子341〜343は、図12のように縦
続接続されている。
【0093】各遅延素子341〜343で生じる遅延
は、図3の遅延回路と同様に、クロックCLKA/CL
KBの周期TCLKのほぼ1/6となっている。したが
って、遅延素子343が出力するクロックCK2A/C
K2Bは、遅延素子341に入力されるクロックCLK
A/CLKBとは位相が約πだけシフトしている。そこ
で、遅延補正回路345は、2つのクロックの間の位相
差とπとの間の差に応じて遅延補正信号DBAを生成し
て遅延素子341〜343に出力する。
【0094】位相比較器346は、クロックCLKA/
CLKBと、クロックCK2A/CK2Bを逆位相にし
たものとの間で位相を比較し、位相差に応じた信号をチ
ャージポンプ347に出力する。チャージポンプ347
は、位相比較器346が検出した位相差に応じた電圧を
ローパスフィルタ348に出力する。ローパスフィルタ
348は、入力された電圧の低周波成分を遅延補正信号
DBAとして遅延素子341〜343に出力する。遅延
素子341〜343は、制御信号BAだけではなく遅延
補正信号DBAにも応じて、それぞれで生じる遅延を変
化させて、位相比較器346が検出する位相差が小さく
なるようにする。
【0095】図12の多相クロック伝送回路によると、
クロック発生部が出力する制御信号BAと、遅延回路が
生成したクロックに応じて求められた遅延補正信号DB
Aとによって遅延素子を制御する。遅延補正信号DBA
が遅延素子にフィードバック制御を行うので、遅延素子
が制御信号BAのみによって制御された場合に生じる遅
延を、遅延補正信号DBAによって適切な値に補正する
ことができる。したがって、プロセスばらつきや、クロ
ック発生部と回路ブロックとの間における電源電位又は
グラウンド電位の不一致等に起因する遅延素子における
遅延の誤差を補正することが可能となる。
【0096】(第2の実施形態の変形例)図13は、第
2の実施形態の変形例に係る多相クロック伝送回路にお
ける遅延回路の回路図である。図13の遅延回路は、図
12の遅延回路において、遅延素子341〜343に代
えて遅延素子441,442及び443を備え、遅延補
正回路345に代えて遅延補正回路445を備えたもの
である。遅延補正回路445は、位相比較器446と、
シフトレジスタ(SREG)449とを備えている。位
相比較器446は、位相比較器346と同様のものであ
る。
【0097】遅延素子441〜443は、遅延補正信号
DBAに代えて、ディジタル信号である遅延補正信号D
BDが入力されている点の他は、遅延素子341〜34
3と同様のものである。遅延素子441〜443はいず
れも、入力端子に入力された信号に対して制御信号BA
及び遅延補正信号DBDに応じた遅延を与えて出力す
る。遅延補正信号DBDは、nbビット(nbは自然
数)のディジタル信号であって、nbビットのうちの1
ビットがアクティブになっている(たとえば1ビットの
み“1”、他のビットは“0”)。遅延素子441〜4
43は、アクティブなビットの位置に応じて、予め決め
られた大きさだけ遅延を変化させる。
【0098】位相比較器446は、クロックCLKA/
CLKBと、クロックCK2A/CK2Bを逆位相にし
たものとの間で位相差を検出し、位相差に応じて信号を
シフトレジスタ449に出力する。たとえば、クロック
CK2A/CK2Bの位相がクロックCLKA/CLK
Bの位相よりも進んでいるときは、右シフトをするよう
に、逆の場合は左シフトをするように指示する信号をシ
フトレジスタ449に出力する。
【0099】シフトレジスタ449は、位相比較器44
6が検出した位相差に応じてアクティブなビットをシフ
トさせ、遅延補正信号DBDとして遅延素子441〜4
43に出力する。遅延素子441〜443は、それぞれ
で生じる遅延を変化させて、位相比較器446が検出す
る位相差が小さくなるようにする。
【0100】第2の実施形態及びその変形例において
は、図12,図13の遅延回路内の各遅延素子による遅
延は、クロック発生部の各遅延素子による遅延にかなり
近くなるように制御信号BAによって制御されている。
このため、遅延回路内の遅延素子341〜343等が生
じる遅延を遅延補正信号DBA又はDBDによって大幅
に変化させる必要はない。
【0101】なお、第2の実施形態及びその変形例にお
いては、入力されたクロックCLKA/CLKBを、こ
れと位相差がπとなるべきクロックとの間で位相差を検
出する場合について説明したが、位相差が検出可能であ
れば、他の2つのクロックの組み合わせについて位相差
を検出するようにしてもよい。すなわち、クロックCL
KA/CLKB及び遅延素子341〜343が出力する
クロックのうちのいずれか2つの間の位相を比較するよ
うにしてもよい。
【0102】また、遅延回路において位相差を検出し、
自動的に位相差を補正する場合について説明したが、集
積回路の外部から位相差を制御するようにしてもよい。
すなわち、遅延回路が生成したクロックを集積回路の外
部でモニタし、遅延補正信号を外部から与えるようにし
てもよい。
【0103】また、第2の実施形態又はその変形例と、
第1の実施形態の第1〜第4の変形例のいずれかとを組
み合わせるようにしてもよい。
【0104】(第3の実施形態)以上の実施形態におい
ては、各回路ブロック内でクロックの周波数と多相のク
ロック間の位相差とを保持するための技術について説明
した。第3の実施形態では、異なる回路ブロック間でク
ロックの位相を合わせるための技術について説明する。
例えば図8のように、クロックCKDA/CKDBをバ
ッファを用いて各回路ブロックに伝送すると、各回路ブ
ロックに入力されるクロックの位相は一致しないという
問題がある。クロック発生部から各回路ブロックまでの
距離が異なる他、クロックが経由するバッファの数が回
路ブロックによって異なるためである。
【0105】図14は、本発明の第3の実施形態に係る
多相クロック伝送回路を有する半導体集積回路のブロッ
ク図である。図14において、多相クロック伝送回路
は、図8のクロック発生部110と、バッファ501,
502,503,504,505,506,507と、
位相補間器532,552,572と、遅延回路54
0,560,580とを備えている。
【0106】バッファ501〜507は、遅延素子21
等とほぼ同様の特性を有するものであり、いずれにも制
御信号BAが入力されている。遅延回路540,56
0,580は、それぞれ図1の遅延回路40,60,8
0と同様のものである。位相補間器532と遅延回路5
40とは回路ブロック530に、位相補間器552と遅
延回路560とは回路ブロック550に、位相補間器5
72と遅延回路580とは回路ブロック570に含まれ
ている。回路ブロック530,550,570は、いず
れも、多相クロックを用いて信号処理等を行う。
【0107】クロックCKDA/CKDBを伝送する配
線は、クロック発生部110から折り返し点であるバッ
ファ504までの第1の部分と、バッファ504からク
ロック発生部110に向かって設けられた第2の部分と
を有している。第1の部分は、位相補間器532,55
2,572のそれぞれへ分岐する分岐点A1,A2,A
3を有し、第2の部分は、位相補間器532,552,
572のそれぞれへ分岐する分岐点B1,B2,B3を
有している。
【0108】この配線において、クロック発生部110
と分岐点A1との間の区間には、バッファ501が設け
られている。分岐点A1とA2との間の区間、分岐点A
2とA3との間の区間、分岐点A3とB3との間の区間
には、バッファ502,503,504がそれぞれ設け
られている。分岐点B3とB2との間の区間、分岐点B
2とB1との間の区間には、バッファ505,506が
それぞれ設けられている。配線の終端には、バッファ5
07が接続されている。
【0109】隣り合う分岐点A1とA2との間の配線の
長さと、これらの分岐点のそれぞれに対応する分岐点B
1とB2との間の配線の長さとは等しい。隣り合う分岐
点A2とA3との間の配線の長さと、これらの分岐点の
それぞれに対応する分岐点B2とB3との間の配線の長
さとは等しい。
【0110】位相補間器532には、分岐点A1から分
岐した配線を経由したクロックと、分岐点B1から分岐
した配線を経由したクロックとが入力されている。位相
補間器532は、これらの2つのクロックがレベルを変
化させる2つのタイミングのほぼ中間の時点において出
力信号のレベルを変化させて、対応する遅延回路540
に出力する。
【0111】同様に、位相補間器552には、分岐点A
2から分岐した配線を経由したクロックと、分岐点B2
から分岐した配線を経由したクロックとが入力されてい
る。位相補間器572には、分岐点A3から分岐した配
線を経由したクロックと、分岐点B3から分岐した配線
を経由したクロックとが入力されている。位相補間器5
52,572も、位相補間器532と同様に動作し、出
力信号を遅延回路560,580にそれぞれ出力する図
15は、各分岐点にクロックが到達する時間の例を示す
グラフである。図15は、図14の配線上において、座
標xと、クロックCKDA/CKDBのあるレベル変化
が到達する時間との関係を概念的に表している。x軸
は、クロック発生部110からバッファ504に向かっ
ている。
【0112】分岐点A1,A2,A3にクロックのある
レベル変化が到達する時間をそれぞれTA1,TA2,
TA3とし、分岐点B1,B2,B3にクロックのその
レベル変化が到達する時間をそれぞれTB1,TB2,
TB3とする。時間TA3と時間TB3との中間の時点
をTM=(TA3+TB3)/2とする。
【0113】隣り合う分岐点間には、バッファが1個ず
つ存在するので、隣り合う分岐点A1とA2との間の区
間と、分岐点B1とB2との間の区間とにおいて、信号
の伝搬に要する時間はほぼ等しい。同様に、隣り合う分
岐点A2とA3との間の区間と、分岐点B2とB3との
間の区間とにおいて、信号の伝搬に要する時間はほぼ等
しい。すなわち、図15において、 TA2−TA1=TB1−TB2 …(1) である。
【0114】位相補間器532の出力にクロックのレベ
ル変化が現れる時間TM1が、(TA1+TB1)/2
であるときに、位相補間器552の出力にクロックのレ
ベル変化が現れる時間TM2は、(TA2+TB2)/
2である。式(1)の関係から、TM1=TM2が成り
立つ。同様にして、位相補間器572の出力にクロック
のレベル変化が現れる時間TM3について、TM2=T
M3=TMが成り立つ。
【0115】このように、位相補間器532,552,
572は、いずれも時間TMにおいて出力のレベルを変
化させる。すなわち、位相補間器532,552,57
2は、位相がほぼ一致したクロックを出力するので、回
路ブロック530,550,570では、これらの回路
ブロック間における時間差がほとんどない多相クロック
を用いることができる。
【0116】また、次のようにしてもよい。すなわち、
位相補間器532に関して考えると、分岐点A1からバ
ッファ504までの区間と、バッファ504から分岐点
B1までの区間とには、いずれも2個のバッファがあ
る。両区間の配線の長さがほぼ等しいとすると、両区間
においてクロックの伝搬に要する時間がほぼ等しいとい
うことができる。バッファ504にそのレベル変化が入
力された時間と、バッファ504がそのレベル変化を出
力する時間との中間の時点がTMであるとする。このと
き、TM−TA1=TB1−TMが成り立つので、位相
補間器532の出力にクロックのあるレベル変化が現れ
る時間は、(TA1+TB1)/2=TMとなる。
【0117】同様に、位相補間器552に関して、分岐
点A2からバッファ504までと、バッファ504から
分岐点B2までとでクロックの伝搬に要する時間がほぼ
等しいものとする。すると、TM−TA2=TB2−T
Mが成り立つので、位相補間器532が時間TMに出力
したレベル変化に対応したものが位相補間器552の出
力に現れる時間は、(TA2+TB2)/2=TMとな
る。
【0118】また、位相補間器572に関して、分岐点
A3からバッファ504までと、バッファ504から分
岐点B3までとでクロックの伝搬に要する時間がほぼ等
しいものとする。すると、TM−TA3=TB3−TM
が成り立つので、位相補間器532が時間TMに出力し
たレベル変化に対応したものが位相補間器572の出力
に現れる時間は、(TA3+TB3)/2=TMとな
る。
【0119】このように、位相補間器532,552,
572は、いずれも時間TMにおいて出力のレベルを変
化させる。すなわち、位相補間器532,552,57
2は、位相がほぼ一致したクロックを出力する。
【0120】なお、バッファ501〜507を備えてい
ない場合であっても各位相補間器について、2つの分岐
点のそれぞれと折り返し点との間の2区間の配線の長さ
がほぼ等しくなるようにすれば、同様である。
【0121】なお、以上の実施形態においては、遅延素
子として差動バッファ用いた例について説明したが、シ
ングルエンド信号用のバッファを用いてもよい。この場
合は、クロックをシングルエンドの信号とする。
【0122】また、遅延回路を有する回路ブロックが3
個の場合について説明したが、回路ブロックの数はいく
つであってもよい。
【0123】また、本発明の多相クロック伝送回路が出
力するクロックの周波数は、例えば1GHzであるが、
これ以上の周波数であってもよい。クロックの周波数が
高いほど、本発明によるクロック間のスキューを抑制す
る効果が大きい。特に、クロックの周波数が1GHz以
上の場合には大きな効果が得られる。
【0124】また、3相のクロックを伝送する場合につ
いて説明したが、2相又は4相以上のクロックを伝送す
ることも、同様にして容易に行うことができる。
【0125】
【発明の効果】以上のように、本発明によると、クロッ
ク間のスキューを抑制し、周波数も安定した多相クロッ
クを供給する多相クロック伝送回路を実現することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る多相クロック伝
送回路を有する半導体集積回路のブロック図である。
【図2】図1のVCOの構成の例を示す回路図である。
【図3】図1の遅延回路の構成の例を示す回路図であ
る。
【図4】図1の遅延回路が出力するクロックのタイミン
グ図である。
【図5】第1の実施形態の第1の変形例に係る多相クロ
ック伝送回路を有する半導体集積回路のブロック図であ
る。
【図6】図5のクロック発生部のバッファが出力する信
号、及び遅延回路の遅延素子が出力する信号の振幅の例
を示すグラフである。
【図7】図5の回路ブロックの構成の例を示す回路図で
ある。
【図8】第1の実施形態の第2の変形例に係る多相クロ
ック伝送回路を有する半導体集積回路のブロック図であ
る。
【図9】第1の実施形態の第3の変形例に係る多相クロ
ック伝送回路を有する半導体集積回路のブロック図であ
る。
【図10】第1の実施形態の第4の変形例に係る多相ク
ロック伝送回路におけるクロック発生部のブロック図で
ある。
【図11】図10の遅延回路の構成の例を示す回路図で
ある。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る多相クロック
伝送回路における遅延回路の回路図である。
【図13】第2の実施形態の変形例に係る多相クロック
伝送回路における遅延回路の回路図である。
【図14】本発明の第3の実施形態に係る多相クロック
伝送回路を有する半導体集積回路のブロック図である。
【図15】各分岐点にクロックが到達する時間の例を示
すグラフである。
【符号の説明】
10,110,210,310 クロック発生部 13 位相周波数比較器 14,314 チャージポンプ 15,315,348 ローパスフィルタ 16,106〜108,316,501〜507 バッ
ファ 17 アナログ−ディジタル変換器 18,232,252,272 ディジタル−アナログ
変換器 20 電圧制御発振回路(クロック生成回路) 21〜23,34,35,41〜43,321〜32
3,341〜343,441〜443 遅延素子 30,50,70 回路ブロック 40,60,80,540,560,580 遅延回路 132,152,172 バッファ回路 313 位相比較器 320 遅延回路(クロック生成回路) 345,445 遅延補正回路 532,552,572 位相補間器 CLKA/CLKB,CKDA/CKDB クロック BA,BD 制御信号 DBA,DBD 遅延補正信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5B079 BC03 CC02 DD06 DD08 5J001 AA11 BB00 BB14 BB17 BB19 BB20 CC03 DD07 5J039 EE10 EE13 EE24 JJ05 JJ07 JJ18 KK00 KK01 KK13 KK20 KK27 KK28 KK33 MM00

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 参照クロックに同期したクロックと、前
    記参照クロックと前記クロックとの間の位相差に応じた
    制御信号とを生成して出力するクロック発生部と、 前記クロックと前記制御信号とに基づいて、多相クロッ
    クを生成して出力する遅延回路とを備え、 前記クロック発生部は、 入力された信号に対して前記制御信号に応じた遅延を与
    えて出力する遅延素子を含んだ、前記参照クロックの周
    波数の整数倍の周波数を有する信号を生成して前記クロ
    ックとして出力するクロック生成回路を有するものであ
    り、 前記遅延回路は、 各々が、入力された信号に対して前記制御信号に応じた
    遅延を与えて出力する、複数の遅延素子が縦続接続さ
    れ、かつ、前記クロックが入力された回路を有し、前記
    複数の遅延素子の各々が出力する信号を、前記多相クロ
    ックを構成する信号として出力するものである多相クロ
    ック伝送回路。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の多相クロック伝送回路
    において、 前記クロック発生部は、 前記参照クロックと前記クロック生成回路が出力するク
    ロックとの位相を比較し、得られた比較結果を出力する
    位相比較回路と、前記比較結果の低周波成分を前記制御
    信号として出力するローパスフィルタとを更に有するも
    のであり、 前記クロック生成回路は、 発振することによって前記制御信号に応じた周波数の信
    号を生成して出力するものであり、 前記クロック生成回路と、前記位相比較回路と、前記ロ
    ーパスフィルタとは、PLL(phase locked loop)を
    構成していることを特徴とする多相クロック伝送回路。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の多相クロック伝送回路
    において、 前記クロック発生部は、 前記参照クロックと前記クロック生成回路が出力するク
    ロックとの位相を比較し、得られた比較結果を出力する
    位相比較回路と、前記比較結果の低周波成分を前記制御
    信号として出力するローパスフィルタとを更に有するも
    のであり、 前記クロック生成回路は、 前記制御信号に応じて前記参照クロックを遅延させて出
    力するものであり、 前記クロック生成回路と、前記位相比較回路と、前記ロ
    ーパスフィルタとは、DLL(delay locked loop)を
    構成していることを特徴とする多相クロック伝送回路。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の多相クロック伝送回路
    において、 前記クロック生成回路の遅延素子と、前記遅延回路の複
    数の遅延素子とは、ほぼ同一の構成を有するものである
    ことを特徴とする多相クロック伝送回路。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の多相クロック伝送回路
    において、 前記クロックは差動信号であり、 前記クロック生成回路及び前記遅延回路における遅延素
    子は差動バッファであることを特徴とする多相クロック
    伝送回路。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の多相クロック伝送回路
    において、 前記遅延回路の複数の遅延素子は各々、 入力された信号に対して与える遅延を、前記制御信号に
    加えて遅延補正信号にも従って制御するものであること
    を特徴とする多相クロック伝送回路。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の多相クロック伝送回路
    において、 前記遅延回路は、 前記縦続接続された複数の遅延素子の各々が出力する信
    号と、前記クロックとのうちの2つの信号を入力とし、
    前記2信号間の位相差と所定の値との差に応じて前記遅
    延補正信号を生成して出力する遅延補正回路を更に有す
    るものであることを特徴とする多相クロック伝送回路。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の多相クロック伝送回路
    において、 前記遅延補正回路は、 前記遅延補正信号をディジタル信号として出力するもの
    であることを特徴とする多相クロック伝送回路。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載の多相クロック伝送回路
    において、 前記遅延補正信号は、当該多相クロック伝送回路を含む
    半導体集積回路の外から入力されるものであることを特
    徴とする多相クロック伝送回路。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    多相クロック伝送回路において、 前記遅延回路に対応してバッファ回路を更に備え、 前記バッファ回路は、 前記クロックの振幅を所定の大きさにして、対応する遅
    延回路に出力するものであることを特徴とする多相クロ
    ック伝送回路。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の多相クロック伝送
    回路において、 前記バッファ回路は、 前記遅延回路の遅延素子とほぼ同一の特性を有する遅延
    素子を備えるものであることを特徴とする多相クロック
    伝送回路。
  12. 【請求項12】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    多相クロック伝送回路において、 前記クロックを伝送する配線の前記遅延回路への分岐点
    と前記クロック発生部との間に、入力信号の振幅を所定
    の大きさにして出力するバッファを更に備えることを特
    徴とする多相クロック伝送回路。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の多相クロック伝送
    回路において、 前記バッファは、 前記クロック生成回路の遅延素子とほぼ同一の特性を有
    する遅延素子を備えるものであることを特徴とする多相
    クロック伝送回路。
  14. 【請求項14】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    多相クロック伝送回路において、 前記制御信号をディジタル信号に変換して出力するアナ
    ログ−ディジタル変換回路を更に備えるとともに、ディ
    ジタル信号に変換されて伝送された前記制御信号をアナ
    ログ信号に変換し、前記遅延回路に出力するディジタル
    −アナログ変換回路を前記遅延回路に対応して更に備え
    ることを特徴とする多相クロック伝送回路。
  15. 【請求項15】 請求項1に記載の多相クロック伝送回
    路において、 前記遅延回路を複数備えるとともに、前記複数の遅延回
    路の各々に対応して複数の位相補間器を更に備え、 前記クロックを伝送する配線は、前記クロック発生部か
    ら折り返し点までの第1の部分と、前記折り返し点から
    前記クロック発生部に向かって設けられた第2の部分と
    を有し、かつ、前記位相補間器毎に、その位相補間器へ
    分岐する第1及び第2の分岐点をそれぞれ前記第1及び
    第2の部分に有するものであり、 前記複数の位相補間器のそれぞれは、 前記第1及び第2の分岐点のそれぞれから分岐した配線
    を経由した2信号を入力とし、前記2信号がそれぞれレ
    ベルを変化させる2つのタイミングのほぼ中間の時点に
    おいて出力信号のレベルを変化させて、対応する遅延回
    路に前記クロックとして出力するものであり、 前記第1の分岐点のうち、隣り合う2つのものの間の区
    間と、前記第2の分岐点のうち、これらの第1の分岐点
    に対応する2つのものの間の区間とにおいて、信号の伝
    搬に要する時間がほぼ等しくなるように構成されている
    ことを特徴とする多相クロック伝送回路。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の多相クロック伝送
    回路において、 前記第1の分岐点のうち、隣り合う2つのものの間の区
    間と、前記第2の分岐点のうち、これらの第1の分岐点
    に対応する2つのものの間の区間とに、同数のバッファ
    を更に備えていることを特徴とする多相クロック伝送回
    路。
  17. 【請求項17】 請求項15に記載の多相クロック伝送
    回路において、 前記第1の分岐点のうち、隣り合う2つのものの間の配
    線の長さと、前記第2の分岐点のうち、これらの第1の
    分岐点に対応する2つのものの間の配線の長さとがほぼ
    等しいことを特徴とする多相クロック伝送回路。
  18. 【請求項18】 参照クロックに同期したクロックと、
    前記参照クロックと前記クロックとの間の位相差に応じ
    た制御信号とを求めるクロック発生ステップと、 前記クロックと前記制御信号とに基づいて、多相クロッ
    クを求める遅延ステップとを備え、 前記クロック発生ステップは、 入力された信号に対して前記制御信号に応じた遅延を与
    えて出力する遅延素子を用い、前記参照クロックの周波
    数の整数倍の周波数を有する信号を前記クロックとして
    求めるものであり、 前記遅延ステップは、 各々が、入力された信号に対して前記制御信号に応じた
    遅延を与えて出力する、複数の遅延素子が縦続接続さ
    れ、かつ、前記クロックが入力された回路を用い、前記
    複数の遅延素子の各々が出力する信号を、前記多相クロ
    ックを構成する信号として求めるものである多相クロッ
    ク伝送方法。
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