JPH10322198A - フェーズロックドループ回路 - Google Patents

フェーズロックドループ回路

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JPH10322198A
JPH10322198A JP9124070A JP12407097A JPH10322198A JP H10322198 A JPH10322198 A JP H10322198A JP 9124070 A JP9124070 A JP 9124070A JP 12407097 A JP12407097 A JP 12407097A JP H10322198 A JPH10322198 A JP H10322198A
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temperature
controlled oscillator
phase
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JP9124070A
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Toshiaki Kobayashi
利秋 小林
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Original Assignee
NEC Corp
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 PLL回路において温度変化による回路特性
の変動を抑制する際に回路のコスト上昇及び調整工数の
増加を抑える。 【解決手段】 周囲温度を電圧値に変換する温度センサ
9、温度センサの出力をデジタル信号に変換するA/D
変換器10、A/D変換器の出力をアドレスとしそのア
ドレスに対応して補償データを記憶するメモリ11、メ
モリの出力を電圧値に変換するD/A変換器12、D/
A変換器の出力の急峻な変化を平滑するローパスフィル
タ13を温度補償出力発生手段5として設け、演算増幅
器14は、入力信号と、電圧制御発振器3の出力を分周
する分周回路4の出力との位相差を比較する位相比較器
1の出力と、温度補償出力発生手段の出力とを入力して
演算し電圧制御発振器の制御入力として与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基準入力信号に周
波数同期した出力信号を得るフェーズロックドループ回
路(以下、PLL回路)に関する。
【0002】
【従来の技術】図10は、この種のPLL回路の一例を
示すブロック図である。同図において、位相比較器1に
入力される入力端子21からの入力信号aは、位相比較
器1において、電圧制御発振器3の出力が分周回路4に
より分周された分周出力と位相比較され、その比較結果
は2つの入力の位相差に対応した電圧値として出力され
る。この位相比較器1の出力は、PLL回路上で所望の
ループ特性を得るためにフィルタ2を通して予め決めら
れた周波数制限と利得制限を受ける。そしてフィルタ2
の出力は電圧制御発振器3の制御入力となる。
【0003】電圧制御発振器3はその制御入力の電圧値
により出力周波数が変化する。電圧制御発振器3の出力
は、分周回路4により入力端子21からの入力信号aと
等しい周波数まで分周されて位相比較器1の一方の入力
となる。電圧制御発振器3の出力周波数の変動は、位相
比較器1の位相比較結果の変動として現れるため、以上
のPLL回路は一種のサーボ機構を構成する。そして定
常状態では位相比較器1の2つの入力の位相差は一定で
あり、かつその周波数は一致している。このため、こう
したPLL回路では、入力端子21からの入力信号aの
周波数は分周回路4の分周比倍に逓倍する機能を有して
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のこの種のPLL
回路では、自走周波数安定度、定常位相誤差、ループ利
得、ジッタ伝達特性、周波数引き込み範囲等の主要特性
は各部の素子の温度変化等により大きく特性が変動する
という問題点があった。即ち例えば、高精度かつ高安定
な基準周波数の信号aが入力端子21から入力されてい
る状態にあれば、PLL回路の基本機能として入力端子
21からの入力信号aに正確に周波数同期した出力を出
力端子22から発生するが、このとき出力端子22の出
力信号bと入力端子21からの入力信号aの位相差は周
囲温度の変化に伴い変動する。
【0005】このことは一般に定常位相誤差の温度特性
と言われ、この現象は位相比較器1の温度的なオフセッ
ト変動、電圧制御発振器3の周波数可変特性の温度変
動、分周回路4の入出力遅延の温度特性等の複数の要因
が絡み合った複雑な相互作用に起因する。特にデジタル
信号処理系においてはデータラッチタイミングが得られ
なくなるケースが生じないよう、この位相差変動をどこ
まで抑圧できるかがこの分野のPLL回路の留意すべき
性能指標の1つとなっている。
【0006】また、PLL回路は入力端子21からの入
力信号aが断となったとき位相比較器1では一般に入力
位相差「0」に相当する出力を発生し、そのため出力端
子22からの出力信号bの周波数が一定の値に制御され
ることになる。この状態をPLL回路の自走状態と言
い、またこの時の出力端子22からの出力信号bの周波
数を自走周波数と呼ぶ。自走周波数はその性能として周
波数安定度が高いことが望まれるが、現実には前記入力
位相差「0」に相当する位相比較器1の出力が温度変動
すること、及び電圧制御発振器3に温度特性があること
等の要因で、周囲温度の変化に伴いその値が変動してし
まう。これらの変動を抑制するために、従来は高安定か
つ高精度の素子を選択して回路を構成し、かつ多大な調
整工数を費やすことにより対処していた。このため、よ
り優れた特性を得ようとするほどコストと必要な労力と
が増大するという問題点を有していた。したがって本発
明は、PLL回路において、温度変化による回路特性の
変動を抑制する際に回路のコスト上昇及び調整工数の増
加を抑えることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために本発明は、位相比較器により入力信号と、電圧
制御発振器の出力またはその出力を分周回路に入力して
得られる分周出力とを比較し、位相比較器の出力をフィ
ルタを通して電圧制御発振器の制御入力とするPLL回
路において、温度補償出力発生手段と、その出力を位相
比較器の出力またはフィルタの出力と演算する第1の演
算手段とを設けたものである。したがって、PLL回路
内部で周囲温度を検出し、その検出値に対応した補償値
を内部生成し、その温度補償値を位相比較結果に作用さ
せることで、周囲温度変化に対し安定した回路の特性を
得ることができる。さらに、入出力位相差もしくは電圧
制御発振器の制御入力の動作点の変化に対し安定した特
性が得られる。また、温度検出手段と、その出力を位相
比較器の出力またはフィルタの出力と演算する第2の演
算手段とを設けたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面を参照
して説明する。図1は本発明に係るPLL回路の第1の
実施の形態を示すブロック図である。同図において、こ
のPLL回路は、位相比較器1と、フィルタ2と、電圧
制御発振器3と、分周回路4と、温度補償出力発生手段
5と、演算手段6(第1の演算手段)とにより構成され
る。
【0009】位相比較器1では、入力端子21からの入
力信号aと、電圧制御発振器3から出力され分周回路4
により分周された信号との間の位相差を入力すると、2
つの入力信号の位相差に対応した出力に変換してフィル
タ2へ出力する。位相比較器1の出力は、PLL回路上
で所望のループ特性を得るためにフィルタ2により予め
定められた周波数制限と利得制限を受ける。
【0010】このフィルタ2の出力は演算手段6におい
て、別に具備する温度補償出力発生手段5の出力を用い
て演算処理され、温度補償された電圧値に変換される。
演算手段6の出力は、電圧制御発振器3の制御入力とな
り、電圧制御発振器3ではその制御入力の電圧値により
出力周波数が変化する。電圧制御発振器3の出力は、分
周回路4によって入力端子21を介する入力信号aと等
しい周波数まで分周され位相比較器1の一方に入力され
る。ここで、電圧制御発振器3の出力周波数の変動は、
位相比較器1の位相比較結果の変動として表れるため、
以上のPLL回路は一種のサーボ系を構成しており、定
常状態では位相比較器1の2つの入力の位相差は一定
で、かつその周波数は一致している。
【0011】次に、図2はPLL回路の第2の実施の形
態を示すブロック図である。この第2の実施の形態に示
す構成は、図1の第1の実施の形態に示す温度補償出力
発生手段5及び演算手段6の代わりに、温度検出手段7
及び演算手段8(第2の演算手段)を設けたものであ
る。位相比較器1では、図1の第1の実施の形態と同
様、入力端子21からの入力信号aと、電圧制御発振器
3から出力され分周回路4により分周された信号との間
の位相差を入力すると、2つの入力信号の位相差に対応
した出力に変換してフィルタ2へ出力する。位相比較器
1の出力は、PLL回路上で所望のループ特性を得るた
めにフィルタ2により予め定められた周波数制限と利得
制限を受ける。
【0012】このフィルタ2の出力は演算手段8におい
て、別に具備する温度検出手段7の出力を用いて演算処
理され、温度補償された電圧値に変換される。演算手段
8の出力は、電圧制御発振器3の制御入力となり、電圧
制御発振器3ではその制御入力の電圧値により出力周波
数が変化する。そして電圧制御発振器3の出力は、分周
回路4によって入力端子21を介する入力信号aと等し
い周波数まで分周され位相比較器1の一方に入力され
る。ここで、電圧制御発振器3の出力周波数の変動は、
図1に示す回路と同様、位相比較器1の位相比較結果の
変動として表れるため、以上のPLL回路は一種のサー
ボ系を構成しており、定常状態では位相比較器1の2つ
の入力の位相差は一定で、かつその周波数は一致してい
る。
【0013】次に図3は本PLL回路の第3の実施の形
態を示すブロック図であり、図1に示す温度補償出力発
生手段5及び演算手段6の具体的な構成を示すものであ
る。図3において、温度補償出力発生手段5は、温度セ
ンサ9と、温度センサ9の出力をデジタル値に変換する
A/D変換器10と、A/D変換器10の出力をアドレ
スとするメモリ11と、メモリ11の値をアナログ信号
に変換するD/A変換器12と、ローパスフィルタ13
とにより構成される。また、演算手段6は、抵抗R1〜
R3と、演算増幅器14とから構成される。
【0014】図3において、温度センサ9は周囲温度に
対応した電圧値を出力する。この温度センサ9の出力は
A/D変換器10によりデジタル信号に変換される。A
/D変換器10の出力をアドレスとするメモリ11に
は、このアドレスに対応した温度補償デジタルデータが
予め記憶されている。そして、メモリ11から出力され
る温度補償デジタルデータはD/A変換器12で電圧値
に変換される。D/A変換器12の変換出力は時間的に
急峻な電圧変化を伴うためローパスフィルタ13を通し
て平滑化される。
【0015】ここで、抵抗R1,R2,R3と演算増幅
器14は、PLL回路のループ利得を最適化するために
利得調整可能な増幅器の機能を有している。また、前記
演算手段6として位相差の情報を代表するフィルタ2の
出力と、温度補償出力発生手段5の出力に相当するロー
パスフィルタ13の出力を電圧的に加算する機能を有す
る。そして、この加算によりPLL回路の各種特性の温
度変動をキャンセルしている。この演算増幅器14の出
力は、電圧制御発振器3の制御入力となる。
【0016】次に、上記メモリ11に予め記憶しておく
補償データ(温度補償デジタルデータ)について説明す
る。高精度の基準周波数の信号を位相比較器1の入力と
して与えた時、この入力信号と出力端子22の出力信号
bとの位相差を代表するフィルタ2の出力に、D/A変
換器12より適当な電圧を発生させローパスフィルタ1
3を通して加えてやることにより、端子21からの入力
信号aと端子22から出力される出力信号bとの位相差
を「0」近傍に設定することが可能である。このような
D/A変換器12の電圧を得るために必要なメモリ11
のデータが定常位相誤差抑圧の補償データとなる。この
補償データの値は周囲温度の値により異なる値を設定す
る必要があるため、予め測定、もしくは近似等により各
温度ポイント毎に補償データを決定しておく。この補償
データが本実施の形態におけるメモリ11に記憶させる
補償データの一例となる。こうした補償データを用いた
本PLL回路の定常位相誤差温度特性と従来のPLL回
路の定常位相誤差温度特性の各々の一例を図4に示す。
図4に示すように、従来回路では定常位相誤差は周囲温
度に対して変動しているのに対し、本回路では殆ど変動
していないことが判る。
【0017】次に、自走周波数安定度の補償データにつ
いて述べる。PLL回路では、入力端子21からの入力
信号aが断となったとき、位相比較器1は、上述したよ
うに一般に入力位相差「0」に対応する出力を発生す
る。この位相差「0」に対応する出力は現実には出力誤
差があり、また電圧制御発振器3の出力周波数にもオフ
セットがあるため、この時の出力端子22の出力信号b
の周波数、即ち自走周波数には自ずから公称周波数から
の誤差が存在する。この誤差は、この状態におけるフィ
ルタ2の出力に対して、D/A変換器12より適当な電
圧値を発生させローパスフィルタ13を通して加えるこ
とにより、キャンセルすることができる。
【0018】このように出力端子22の出力信号bの公
称周波数の誤差をキャンセルするようなD/A変換器1
2の出力を得るための必要なメモリ11のデータが自走
周波数の補償データとなる。この補償データの値は周囲
温度により異なる値を設定する必要があるため、予め測
定、あるいは近似等により各温度ポイント毎に補償デー
タを決定したものがこの実施の形態におけるメモリ11
に記憶させる補償データの他の一例となる。こうした温
度補償を用いた本発明のPLL回路の自走周波数の温度
特性と従来のそれの各々の一例を図5に示す。なお、図
5において、f0は公称周波数、Δfは誤差周波数であ
る。図5に示すように、従来回路では自走周波数は周囲
温度に対して変動しているのに対し、本回路では殆ど変
動していないことが判る。
【0019】次に図6は本PLL回路の第4の実施の形
態を示すブロック図であり、図2に示す演算手段8を、
予め補償データが記憶されるメモリ11と、メモリ11
に記憶されている補償データを用いて、温度センサ9の
出力と位相比較器1の出力とを演算しその演算結果をデ
ジタルコードとして出力するマイクロプロセッサ(制御
部)15と、マイクロプロセッサ15の出力を電圧値に
変換するD/A変換器12と、D/A変換器12の出力
の急峻な変化を平滑化するローパスフィルタ13とから
構成したものである。また、位相比較器1をカウンタ1
6とラッチ回路17とにより構成したものである。
【0020】ここで、カウンタ16は、電圧制御発振器
3の出力の立ち上がり毎にカウントアップする。そして
カウンタ16の出力値は入力端子21からの入力信号a
の立ち上がりでラッチ回路17によりラッチされ記憶さ
れる。このラッチ回路17の出力のデータ値cは、入力
端子21からの入力信号aと出力端子22の出力信号b
との位相差を代表している。即ち、カウンタ16と、ラ
ッチ回路17の組み合わせで位相差をデジタル値cとし
て出力するデジタル位相比較器が構成される。また、温
度センサ9とA/D変換器10の組み合わせで周囲温度
をデジタル値dとして出力するデジタル温度センサ(温
度検出手段)が構成される。
【0021】また、マイクロプロセッサ15は、ラッチ
回路17から位相差情報cを、A/D変換器10から温
度情報dをそれぞれ入力し、これらをメモリ11に記憶
されている補償データを用いて演算処理しその演算処理
値gをD/A変換器12へ出力する。この演算処理値g
は、D/A変換器12でアナログの電圧値に変換される
が、その電圧値はD/A変換器12の入力データ値の変
化に伴い急峻に変化するため、それをローパスフィルタ
13で平滑化した後、電圧制御発振器3に制御入力とし
て与える。
【0022】このように本PLL回路では、上述した図
3の抵抗R1,R2,R3及び演算増幅器14により構
成されるアナログ加算処理の機能を、マイクロプロセッ
サ15の内部でデジタル的に行うようにしたものであ
る。したがって、本実施の形態でも自走周波数と定常位
相誤差の温度補償が可能なことは明らかである。
【0023】次に、本実施の形態におけるループ補償の
一例を図7及び図8を用いて説明する。PLL回路のル
ープ利得の変動は、図8に示すように、電圧制御発振器
3の制御入力電圧とその出力周波数の間の非線形な特
性、及び周囲温度による変動が一因となっている。この
ループ利得の変動分についてマイクロプロセッサ15の
処理により補償できることを説明する。
【0024】ここで、図7の破線内がマイクロプロセッ
サ15の内部処理をブロック的に示している。図7の入
力信号cは、上述したラッチ回路17の出力信号であり
本PLL回路におけるデジタル化された位相差情報であ
る。入力信号cのデータは、マイクロプロセッサ15内
のデジタルフィルタ31を介した後に、演算手段8に相
当するマイクロプロセッサ15内のデジタル演算処理部
32へ入力される。また、このデジタルフィルタ31の
出力は、上述の温度情報であるデータ信号dとともにメ
モリ11に入力される。ここでメモリ11に記憶されて
いる補償データを仮にα(図中の符号fに相当)とする
と、マイクロプロセッサ15はデジタル演算処理部32
においてこのαとディジタルフィルタ31の出力との乗
算処理を行い、その結果をデータ信号gとして外部のD
/A変換器12へ出力する。
【0025】ここで、メモリ11には予め本PLL回路
のループ利得を一定とするためにデジタル演算処理部3
2で必要とされる前記の乗算係数αが、データ信号cと
データ信号dの各々の組み合わせに対応して複数記憶さ
れている。このようにしてマイクロプロセッサ15の処
理によりPLL回路のループ利得を安定化することがで
きる。
【0026】以上、本発明の実施の形態をいくつか説明
したが、本発明は、このような実施の形態に限定される
ものではない。即ち、図6に示す実施の形態において、
図9に示すようなマイクロプロセッサ15の内部構成例
でもループ利得の補償が可能である。即ち、図9におい
て、メモリ11には温度データdと位相データcの演算
に必要な複数の係数のみを予め記憶し、デジタル演算処
理部32において一括演算処理を行う。
【0027】具体的には、予め測定値から補償の近似式
を決定し、この近似式から決定される複数の演算係数 an ,bn ,cn ,dn ,・・・(n=0,1,2,
3,・・・) をメモリ11に記憶しておく。この演算係数を用いてフ
ィルタ31の出力xと温度情報データd(=yとする)
について下記の演算を行う。即ち、 A0 =a0 +b0 x+c02 +d03 +・・・ (1) A1 =a1 +b1 x+c12 +d13 +・・・ (2) ・ ・ ・ ・ ・ ・ An =an +bn x+cn2 +dn3 +・・・ (3) z =A0 +A1 y+A22 +・・・+Ann (4)
【0028】そして式(4)に示す値zを演算結果のデ
ータgとして出力する。この実施の形態では、上記演算
の近似式の次数を高くするほど補償の精度が高くなり、
図7に示した例と同等の効果を得ることができる。ま
た、この実施の形態では、図7の例においてメモリ11
を直接補償データのルックアップテーブルとして用いた
場合に比べて、メモリ11の補償データ数を少なくする
ことができ、したがってメモリ11の容量を低減できる
という利点がある。
【0029】また、上記した各実施の形態では、説明の
便宜上、PLL回路の1つ1つの特性の個別の安定化に
関してのみ述べているが、同時に複数の特性を安定化す
ることも可能なことは極めて容易に類推できるであろ
う。また、PLL回路の引き込み周波数範囲、ジッタ伝
達特性等、その他の特性も同様の構成で補償できること
も容易に類推可能である。また、上記マイクロプロセッ
サ15で行う各種処理を高速化するためにDSPを使用
することももちろん可能である,また、この他にも、本
発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々様々な変形が実
施可能なことは明らかである。
【0030】このように、本発明では、PLL回路の定
常位相誤差の低減と、自走周波数、ループ利得、周波数
引き込み範囲、ジッタ伝達特性等の各種特性の安定化を
図ることができる優れた効果を有する。例えば自走周波
数の安定化のために本発明を使用すれば、PLL回路自
走時においても正確なタイミングを出力できるため、通
信システム上でPLL回路の入力が断となった非常時で
も、データを従来より正確に伝送することが可能とな
り、ビット誤り率が低減され回線品質が向上するという
効果が期待できる。
【0031】また、PLL回路の各種特性の安定化は、
PLL回路を構成する複数の内部素子の各々の温度特性
の相互作用で引き起こされるため、一般にそれらの特性
の温度補償は容易でないが、前記実施の形態に示すデジ
タル補償方式を採用すれば、メモリ11に予め補償デー
タを記憶させておくだけで、広い温度範囲で高精度の補
償が極めて容易に得られることに加え、PLL回路の調
整工数が激減するという優れた特徴を有している。ま
た、上記実施の形態のPLL回路では、位相比較器1、
電圧制御発振器3、分周回路4、温度補償出力発生手段
5、演算回路6,8、及び温度検出手段7をワンチップ
LS1に取り込むことが可能であるため、これらをLS
I化することにより部品点数が削減できるうえ、従来回
路で同等な特性を得るため使用していた高安定かつ高精
度の各種高額部品を不要にできるため、調整工数の低減
と合わせて大幅なコストダウンが可能になる優れた効果
を有する。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、位
相比較器により入力信号と、電圧制御発振器の出力また
はその出力を分周回路に入力して得られる分周出力を比
較する位相比較器の出力をフィルタを通して電圧制御発
振器の制御入力とするようなPLL回路において、温度
補償データを出力する温度補償出力発生手段と、その出
力を位相比較器の出力またはフィルタの出力と演算する
第1の演算手段とを設け、第1の演算手段の出力を電圧
制御発振器の制御入力とするようにしたので、高安定か
つ高精度の各種高額部品を用いることなく、また特別な
調整を必要とせずに周囲温度変化に対して安定した回路
の特性を得ることができる。したがって温度変化による
回路特性の変動を抑制する際に回路のコスト上昇及び調
整工数の増加を抑えることができる。さらに、入出力位
相差もしくは電圧制御発振器の制御入力の動作点の変化
に対し安定した特性を得ることができる。また、温度検
出手段と、その出力を位相比較器の出力またはフィルタ
の出力と演算する第2の演算手段とを設け、第2の演算
手段の出力を電圧制御発振器の制御入力とするようにし
たので、同様に、温度変化による回路特性の変動を抑制
する際に回路のコスト上昇及び調整工数の増加を抑える
ことができる。また、位相比較器、電圧制御発振器、分
周回路、温度補償出力発生手段、第1及び第2の演算手
段、及び温度検出手段をワンチップLS1に取り込むよ
うにしたので、回路の部品点数が削減でき、したがって
回路の大幅なコストダウンと調整工数の低減が可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るPLL回路の第1の実施の形態
を示すブロック図である。
【図2】 上記PLL回路の第2の実施の形態を示すブ
ロック図である。
【図3】 PLL回路の第3の実施の形態を示すブロッ
ク図である。
【図4】 図3に示すPLL回路と従来回路の定常位相
誤差の温度特性の一例を示す図である。
【図5】 図3に示すPLL回路と従来回路の自走周波
数の温度特性の一例を示す図である。
【図6】 PLL回路の第4の実施の形態を示すブロッ
ク図である。
【図7】 図6に示すPLL回路をマイクロプロセッサ
により構成した場合の例を示すブロック図である。
【図8】 PLL回路に用いられる電圧制御発振器の制
御入力電圧対出力周波数の特性の一例を示す図である。
【図9】 図6に示すPLL回路をマイクロプロセッサ
により構成した場合の他の例を示すブロック図である。
【図10】 従来のPLL回路の構成を示すブロック図
である。
【符号の説明】
1…位相比較器、2…フィルタ、3…電圧制御発振器、
4…分周回路、5…温度補償出力発生手段、6,8…演
算手段、7…温度検出手段、9…温度センサ、10…A
/D変換器、11…メモリ、12…D/A変換器、13
…ローパスフィルタ、14…演算増幅器、15…マイク
ロプロセッサ、16…カウンタ、17…ラッチ回路、3
1…デジタルフィルタ、32…デジタル演算処理部。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位相比較器と、電圧制御発振器と、分周
    回路とからなり、入力信号の位相と、前記電圧制御発振
    器の出力及び該電圧制御発振器の出力を分周する前記分
    周回路の分周出力の何れか一方の位相とを比較する前記
    位相比較器の出力をフィルタを介して該電圧制御発振器
    へ制御入力として与えるフェーズロックドループ回路に
    おいて、 温度補償データを出力する温度補償出力発生手段と、こ
    の温度補償出力発生手段の出力を前記位相比較器の出力
    及び前記フィルタの出力の何れか一方と演算する第1の
    演算手段とを有し、前記第1の演算手段の演算出力を前
    記電圧制御発振器の制御入力として与えることを特徴と
    するフェーズロックドループ回路。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記温度補償出力発生手段は、周囲温度を電圧値に変換
    する温度センサと、温度センサの出力をデジタル信号に
    変換するA/D変換器と、A/D変換器の出力をアドレ
    スとしそのアドレスに対応して前記温度補償データを記
    憶するメモリと、メモリの出力を電圧値に変換するD/
    A変換器と、D/A変換器の出力の急峻な変化を平滑す
    るローパスフィルタとからなることを特徴とするフェー
    ズロックドループ回路。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、 位相比較器と、分周回路と、電圧制御発振器と、温度補
    償出力発生手段と、第1の演算手段とをワンチップLS
    I内に設けることを特徴とするフェーズロックドループ
    回路。
  4. 【請求項4】 位相比較器と、電圧制御発振器と、分周
    回路とからなり、入力信号の位相と、前記電圧制御発振
    器の出力及び該電圧制御発振器の出力を分周する前記分
    周回路の分周出力の何れか一方の位相とを比較する前記
    位相比較器の出力をフィルタを介して該電圧制御発振器
    へ制御入力として与えるフェーズロックドループ回路に
    おいて、 周囲温度を検出して温度情報として出力する温度検出手
    段と、温度検出手段の出力を入力して前記位相比較器の
    出力及びフィルタの出力の何れか一方と演算する第2の
    演算手段とを有し、前記第2の演算手段の演算出力を前
    記電圧制御発振器の制御入力として与えることを特徴と
    するフェーズロックドループ回路。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記第2の演算手段は、予め補償データが記憶されるメ
    モリと、前記温度検出手段の出力と位相比較器の出力と
    をメモリに記憶されている補償データを用いて演算処理
    しその演算結果をデジタルコードとして出力する制御部
    と、制御部の出力を電圧値に変換するD/A変換器と、
    D/A変換器の出力の急峻な変化を平滑化するローパス
    フィルタとからなることを特徴とするフェーズロックド
    ループ回路。
  6. 【請求項6】 請求項4または請求項5において、 位相比較器と、分周回路と、電圧制御発振器と、温度検
    出手段と、第2の演算手段とをワンチップLSI内に設
    けることを特徴とするフェーズロックドループ回路。
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