JP2003301468A - 基礎形成工法、基礎構造、及び免震構造物 - Google Patents

基礎形成工法、基礎構造、及び免震構造物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基礎構造の形成が容易であり、特にアンカー
部材の精度が容易に確保できる基礎形成工法と基礎構
造、及びこれを使用する免震構造物を提供する。 【解決手段】 ベースコンクリート部4、支持コンクリ
ート部5を備える基礎コンクリートに、アンカー部材1
0より大径の上方に開口する取付け穴7を形成し、取付
け穴7にアンカー部材10を挿入して所定位置に位置決
めし、アンカー部材10を取付け穴7にグラウト等の固
定材を注入し、硬化させて固定部8を形成する。アンカ
ー部材10の位置決めは、アンカー部材をガイドする四
方枠35を水平方向に移動して調整し、四方枠内でアン
カー部材を上下させて鉛直方向の調整を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構造物を支持する
基礎の形成工法と、基礎構造、及び前記の基礎構造を使
用する免震構造物に係り、特に、工程が簡略化できるア
ンカー精度の高い基礎形成工法と、基礎構造、及びこの
基礎構造を使用する免震構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の基礎構造としては、特開
2001−323482号公報に記載の免震建物の基礎
構造と、基礎の施工方法がある。この技術は、基礎上に
設置された免震装置上に上部構造物が設置され、上部構
造物が免震装置によって免震支承される免震建物の基礎
構造において、免震装置を設置される部分の基礎のみを
プレキャストコンクリート製で構成し、免震装置を設置
される部分間の他の部分の基礎を現場打ちされたコンク
リートにより構成し、全体として一体接合されているも
のである。
【0003】この構成によれば、プレキャストコンクリ
ート製の部分と現場打ちされたコンクリートとはコール
ドジョイントで接合され、部分現場打ちで、基礎全体が
一体接合構造となっているから、免震建物の基礎として
現実性に優れ、現地作業工数を軽減して工期を短縮でき
るという優れた効果を奏するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記構造の
基礎構造は、前記のような優れた効果を有するものであ
るが、プレキャストコンクリート製の部分を予め作製す
る必要があり、この部分の搬送が必要であるという問題
があった。また、コンクリート打設前のアンカー位置の
精度確保に手間がかかるという問題があった。
【0005】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであって、その目的とするところは、基礎構造の
形成が容易であり、特にアンカー部材の精度が容易に確
保できる基礎構造の形成方法と、基礎構造を提供するこ
とにある。また、前記の基礎構造を使用し、免震支承装
置の固定が容易で位置精度を確保でき、性能を安定させ
ることができる免震構造物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成すべく、
請求項1に記載の発明による基礎形成工法は、下地コン
クリート上にシース管等の中空パイプの支持治具を固定
する工程と、支持治具に中空パイプを鉛直に立設する工
程と、中空パイプの周囲に型枠を形成する工程と、型枠
内に基礎コンクリートを打設する工程と、基礎コンクリ
ートの硬化後に中空パイプを外して取付け穴を形成する
工程と、取付け穴にアンカー部材を挿入し位置決めする
工程と、取付け穴にグラウト等の固定材を注入してアン
カー部材を固定する工程とから構成されることを特徴と
する。
【0007】この工法によれば、基礎コンクリートを打
設する際に、所定の位置に中空パイプを立設しているた
め、基礎コンクリートの硬化後に中空パイプを外した取
付け穴にアンカー部材を挿入し、水平方向と鉛直方向に
位置調整してから、取付け穴に固定材を注入して固定す
るため、工程を簡略化できると共にアンカー部材の位置
精度を高めることができる。
【0008】請求項2に記載の発明による基礎形成工法
は、前記の基礎形成工法において、基礎コンクリートを
打設する工程の前工程として、さらに鉄筋等を配筋する
工程を有することを特徴とする。この工法によれば、基
礎コンクリートを鉄筋等で補強でき、強度の高い基礎構
造を達成できる。
【0009】また、請求項3に記載の発明による基礎形
成工法は、前記の基礎形成工法において、アンカー部材
を位置決めする工程は、アンカー部材が上下方向に移動
できる枠体を基礎コンクリートに固定する水平方向の位
置決め工程と、枠体にガイドされてアンカー部材を上下
に移動する鉛直方向の位置決め工程を有することを特徴
としている。例えば、アンカー部材は複数本のアンカー
軸を固定するアンカープレートを備え、このアンカープ
レートに外接する枠体を固定して水平方向の位置決めを
行い、アンカープレートに垂直方向に螺合する調整ボル
トにより、枠体内で上下方向の位置決めと傾斜調整を行
う。この構成によれば、アンカー部材の位置決めは、水
平方向と鉛直方向に分けて行うことができるため、アン
カー部材を効率良く、しかも円滑に高精度に位置決めで
きる。また、枠体はアンカー部材を固定するときの固定
材を注入するときに、その流出を防止する。
【0010】さらに、請求項4に記載の発明による基礎
構造は、取付け穴を形成した基礎コンクリートと、前記
取付け穴に挿入して配置したアンカー部材と、前記取付
け穴に注入され前記アンカー部材を前記基礎コンクリー
トに固定する固定材とから構成されることを特徴とす
る。取付け穴はアンカー部材より大径の上方に開口する
もので、この取付け穴にアンカー部材を挿入して所定位
置に位置決めし、取付け穴にグラウト等の固定材を注入
して硬化させアンカー部材を基礎コンクリートに固定す
る。取付け穴は基礎コンクリートを打設する前に、型枠
内にシース管等の中空パイプを固定し、打設後に中空パ
イプを引抜いて形成する。この構成によれば、取付け穴
内にアンカー部材を挿入して配置し、水平位置と垂直位
置を調整してからグラウト等の固定材を注入して固定す
るので、アンカー部材を容易に精度良く位置決めできる
ため、工程を簡略化できると共に、精度の良い基礎構造
を提供でき、建物等の構造物の性能を向上できる。
【0011】請求項5に記載の発明による免震構造物
は、前記の基礎構造のアンカー部材を用いて免震支承装
置を固定し、該免震支承装置上に上部構造物を支承した
ことを特徴とする。免震支承装置上に鉄骨架台等を介し
て建物ユニット等の上部構造物を支承するようにしても
よい。この構成によれば、アンカー部材が水平方向、鉛
直方向に精度良く固定された基礎構造に免震支承装置を
固定できるため、固定作業が容易となると共に、上部構
造物を安定して支承でき、免震構造物の性能を安定させ
ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る基礎構造を使
用した免震構造物の一実施形態を図面に基づき詳細に説
明する。図1は、本実施形態に係る基礎構造を使用した
免震構造物の要部断面図、図2は、図1のA−A線に沿
う一部を省略した断面図である。図1,2において、免
震構造物の基礎構造1は、地面をGLラインから所定の
深さ掘削し、割栗石を敷いた割栗層2が形成され、その
上に捨てコンクリート等の下地コンクリート層3が形成
されている。そして、下地コンクリート層3の上部には
ベースコンクリート部4が所定の厚さで形成され、ベー
スコンクリート層4の上部に複数の支持コンクリート部
5と、支持コンクリート部5を連結する立上げコンクリ
ート部6が形成されている。支持コンクリート部5は構
造物の規模に合わせて複数個所に形成され、立上コンク
リート部6は通常、基礎の外周に沿って形成され、支持
コンクリート部5を連結している。図1は、このような
基礎構造の1つのコーナー部について図示している。基
礎コンクリートを構成するベースコンクリート部4、支
持コンクリート部5及び立上げコンクリート部6は、図
示していないが必要に応じて鉄筋が配筋されて補強され
ている。
【0013】ベースコンクリート部4及び支持コンクリ
ート部5を貫通し、下地コンクリート層3に至る上方に
開口する取付け穴7が4本平行に形成されている。この
取付け穴7にアンカー部材10のアンカー軸11が挿入
され、取付け穴7に注入されたグラウト等の固定材が硬
化した固定部8により固定されている。固定部8は支持
コンクリート部5の上面から所定の厚さで突出してい
る。なお、固定材はグラウトに限られるものでなく、モ
ルタル、コンクリートや接着剤でもよい。
【0014】支持コンクリート部5に固定されるアンカ
ー部材10について以下に説明する。アンカー部材10
は、図3に示されるように4本のアンカー軸11と1枚
のアンカープレート15を備え、アンカー軸11の上下
端部に雄ねじ部が形成され、下端の雄ねじ部にナット1
3が螺合され、上端の雄ねじ部には長ナット14が螺合
され、この長ナット14の上面にアンカープレート15
がボルト16で連結されている。これにより4本のアン
カー軸11は所定の間隔で平行に位置決めされ、アンカ
ー部材10となる。
【0015】アンカープレート15は2〜3mm程度の
鉄板等から形成された略正方形をしており、4本のアン
カー軸11を所定の間隔で保持するものであり、中央に
はグラウト等の固定材を注入する大径の注入口15aが
形成されている。アンカープレート15には高さ調整用
の雌ねじ孔15bが3個形成されており、この雌ねじ孔
に調整ボルト17が螺合されている。3本の調整ボルト
17は下端が基礎コンクリートの天端に対接し、アンカ
ープレート15の上下位置と傾斜角度を調整するもので
あり、アンカープレート15を固定材で固定した後は取
外される。
【0016】このアンカー部材10は取付け穴7内で水
平方向にある程度自由に移動することができる。すなわ
ち、取付け穴7の内径と、アンカー軸11の下端のナッ
ト13又は上端の長ナット14の外径とのクリアランス
に相当する範囲で移動することができる。例えば、ナッ
ト13の外径に対して、取付け穴7の内径を1.5〜2
倍とすることによりクリアランスを形成し、このクリア
ランスの範囲内で水平方向に移動が可能となっている。
また取付け穴7の範囲内で上下方向にも移動が可能とな
っている。
【0017】このアンカー部材10は、基礎コンクリー
トに形成された取付け穴7に挿入され、後述するように
水平方向、及び鉛直方向に位置調整して取付け穴7に注
入された固定材であるグラウトにより固定されている。
すなわち、基礎コンクリートの支持コンクリート部5と
ベースコンクリート部4を貫通して形成された取付け穴
7と、支持コンクリート部5の上面とアンカープレート
15の間の空間に固定材が注入され、アンカー部材10
は注入されて硬化した固定部8により固定されている。
【0018】支持コンクリート部5にはアンカー部材1
0により免震支承装置20が設置固定され、この上に架
台25を介して上部構造物26が支承される。免震支承
装置20は、上面が円錐状に凹んだ下部支持板21と、
鋼球等の支持球体22と、下面が円錐状に凹んだ上部支
持板23とから構成されており、平常時には下部支持板
21の中央に支持球体22が位置し、支持球体22は上
部支持板23の中央に位置して上部構造物26を支持す
るものである。架台25は断面がT型やH型の鋼材を溶
接等により連結したものであり、この上に固定される上
部構造物を支持する強度が必要である。
【0019】免震支承装置20の下部支持板21は、ア
ンカー部材10のアンカープレート15に開口する長ナ
ット14の雌ねじ穴に4本の固定ボルト24で固定され
る。免震支承装置20の上部支持板23は、架台25の
下面に固定ボルト27等で固定された受け板を介して固
定され、架台25の上に鉄骨ボックスラーメン構造の複
数の建物ユニットから構成される上部構造物26がボル
ト等により固定されている。
【0020】免震支承装置20は、前記したように支持
コンクリート部5に埋設されたアンカー部材10の長ナ
ット14に固定ボルト24をねじ込んで固定されてお
り、アンカー部材10は現場打ちされた基礎コンクリー
トに、アンカー部材10が水平方向及び鉛直方向に動き
得る内径を有する取付け穴7を形成し、この取付け穴7
にグラウト材等の固定材を注入して固定されるので、取
付け穴7に対して位置を調整して精度良く固定できるた
め、免震構造物の基礎に適している。
【0021】すなわち、基礎コンクリートは、外周の複
数個所に免震支承装置20を固定する複数の支持コンク
リート部5が形成され、支持コンクリート部5を連結す
る立上げコンクリート部6とが形成された後に、アンカ
ー部材10を精度良く位置決めして固定するため、アン
カー部材10の位置精度を高くすることができる。そし
て、支持コンクリート部5にアンカー部材10で免震支
承装置20が固定され、免震支承装置20に上に鉄骨架
台25が設置され、その上に鉄骨ボックスラーメン構造
の建物ユニットが複数個連結された上部構造物26が固
定ボルト27で固定される。
【0022】免震支承装置20は地震時には、架台25
に固定された上部構造物26に対して基礎部分が移動す
るが、この移動は支持球体22が回転することにより吸
収し、上部構造物26に地震の変位を直接伝えないよう
にしている。そして、円錐状に凹んだ上下の支持板の中
央部に支持球体が復帰するような力が働き、地震の変位
を減衰させ、地震が収まると支持球体22は上下の支持
板23,21の中央に復帰して安定するものである。
【0023】つぎに、前記の基礎構造を形成する工法に
ついて、図4〜7を参照して説明する。基礎を造成する
敷地部分をGLラインから所定の深さ掘削し、割栗石を
敷いて突き固めて割栗層2を形成し、その上に捨てコン
クリート等の下地コンクリート層3を形成する。そし
て、図4(a)に示すように、下地コンクリート層3上
のアンカー部材10を挿入する取付け穴を形成するため
の中空パイプを固定する位置の位置出しを行い、マーク
M1を付ける。マークM1は比較的粗い精度でもよい。
【0024】図4(b)に示すように、前記により位置
出しされた下地コンクリート層3のマークM1に合わせ
て、中空パイプとしてのシース管30を保持する支持治
具31を固定する。シース管30は例えばボール紙を螺
旋状に巻回した中空の円筒管であり、支持治具31はシ
ース管30の内径に密着嵌合する外径を有する円盤状を
している。この支持治具31をコンクリート釘等で下地
コンクリート層3に打ち込んで固定する。なお、中空パ
イプとして樹脂等で形成したパイプを使用してもよい。
支持治具は円盤状に限らず、中空パイプの下端を所定の
位置に係止できるものであれば形状を問わず、ピン状の
ものやブロック状のものでもよい。
【0025】図4(c)に示すように、支持治具31に
シース管30を外嵌して下地コンクリート層3から垂直
状態に立設する。シース管30の外径はアンカー軸11
の外径より大きく設定され、シース管30の長さはコン
クリートを打設する型枠の高さより高く、またアンカー
部材10のアンカー軸11の長さより大きくなるように
設定される。
【0026】基礎構造が鉄筋コンクリートの場合、シー
ス管30の周囲の支持コンクリート部5に鉄筋(図示せ
ず)を配筋すると共に、基礎外周の立上げコンクリート
部6やベースコンクリート部4にも配筋する。そして、
配筋部分を覆うように型枠32,33を形成する。型枠
32,33の上部に位置決め板34を固定し、この位置
決め板によりシース管30の上部を位置決めする。これ
によりシース管30は下部が支持治具31に固定される
と共に、上部が位置決め板34で固定されて安定する。
位置決め板34は木材で形成し型枠に釘止めしてもよ
く、鋼板で形成し万力等で固定してもよい。
【0027】つぎに、型枠32,33内に基礎コンクリ
ートを打設する。この打設は、最初にベースコンクリー
ト部4を打設し、つぎに支持コンクリート部5、立上げ
コンクリート部6を打設するように2回に分けて打設す
ることが好ましい。コンクリートを打設する高さは、配
筋が完全に覆われる高さとし、コンクリートの上面から
シース管30が突出するようして、天端仕上げをする。
なお、天端仕上げは、脱枠後にするようにしてもよい。
【0028】このあと、養生して、図5(a)に示すよ
うに、基礎コンクリートの硬化後に脱枠し、シース管3
0を外して取付け穴7を形成する。シース管30の上部
は硬化した支持コンクリート部5から突出しており、こ
の突出部をペンチ等の工具を用いて引き上げると、シー
ス管30は螺旋に沿って引き裂かれ基礎コンクリートの
下端まで引抜くことができ、これにより取付け穴7が形
成される。取付け穴7の下端には下地コンクリート層3
に固定した支持治具31が位置している。
【0029】つぎに、図5(b)に示すように、取付け
穴7にアンカー部材10を挿入して配置し位置決めする
工程に移る。シース管30が引抜かれた取付け穴7部分
に位置決め用のマークM2を設定し、このマークM2に
合わせて、図3に示す四方枠35をコンクリート釘等で
図6(a)のように固定する。四方枠35は注入される
固定材の流出を防止すると共に、内部に位置するアンカ
ープレート15を上下方向に移動させるときのガイドと
なる枠体である。
【0030】四方枠35は、例えば厚さが1〜2mm程
度の金属製の折り曲げ材を連結して形成され、水平部に
は位置決め用の4つの切欠き部36が形成されると共に
固定孔37が形成され、垂直部の内法はアンカープレー
ト15が上下動できるように外接するか、僅かな隙間が
形成される寸法に設定される。四方枠35の垂直部の高
さはアンカープレート15の位置より高くなるような高
さが必要である。四方枠35は支持コンクリート部5の
天端に精度良くつけられたマークM2に切欠き部36を
合わせて固定されるため、アンカー部材10の水平方向
の位置精度は高精度となると共に、固定作業も容易に行
える。なお、四方枠は4本のアングル材を直角に溶接等
で接合したものでもよい。
【0031】支持コンクリート部5の所定の位置に四方
枠35を位置決め固定したあと、図6(b),(c)に
示すように、四方枠35の内側にアンカー部材10を位
置させる。すなわち、アンカー部材10の4本のアンカ
ー軸11を取付け穴7に挿入し、四方枠35の4辺の内
側に、アンカー部材10のアンカープレート15を位置
させると、3本の調整ボルト17が基礎コンクリートの
天端に対接する。3本の調整ボルト17を進退させるこ
とにより、四方枠35の内側でガイドされてアンカープ
レート15の上下位置と、傾斜状態を調整できるので、
調整が円滑に行える。このように、アンカー部材10の
水平位置は四方枠35で設定し、四方枠35内で上下位
置と傾斜状態を調整ボルト17で調整するので、アンカ
ー部材の位置決めが効率良く、しかも精度良く行える。
【0032】このように、基礎コンクリートの取付け穴
7にアンカー軸11を挿入し、アンカープレート15を
四方枠35内に位置させて上下位置を調整した後、アン
カープレート15の中央の注入口15aから固定材とし
てグラウトを注入する。グラウトは四方枠35の内側か
ら取付け穴7の底部に進入し、取付け穴7および四方枠
35内の天端とアンカープレート15との間に充填され
る。
【0033】グラウトが硬化し、固定部8が形成された
あとに、図7に示すように、四方枠35を基礎コンクリ
ートから取外すと共に、ボルト16及び調整ボルト17
を取外す。これにより、アンカー部材10は基礎コンク
リート上から突出する固定部8上に精度良く固定され、
基礎構造1が完成する。そして、ボルト16を外した長
ナット14の雌ねじ穴は、免震支承装置20の下部支持
板21を固定する固定ボルト24を螺合する穴として使
用される。
【0034】このように、基礎コンクリートを打設する
ときに比較的粗い精度でマークM1を付けて取付け穴7
を形成し、基礎コンクリートの天端に精度良くマークM
2を付け、このマークM2に合わせてアンカー部材10
の水平位置を設定するべく四方枠35を固定し、四方枠
35内でアンカー部材10の鉛直方向の位置と傾斜状体
を設定するため、容易な施工動作によりアンカー部材1
0を精度良く固定することができる。
【0035】なお、アンカー部材として、下端にボルト
を螺合し、上端に長ナットを螺合した4本のアンカー軸
を有する例を示したが、これに限られるものでなく、例
えば上端に雄ねじ部を形成し、下端を直角あるいはU字
状に湾曲させたアンカーや、羽子板ボルト等の適宜のア
ンカー部材でもよい。また、アンカー軸は4本でなく適
宜の本数としてもよい。
【0036】免震支承装置として、鋼球を使用した転が
り支承タイプの免震支承装置の例を示したが、滑り支承
タイプの免震支承装置や、リニアベアリングを使用した
クロスリニアベアリング型の免震支承装置を使用しても
よい。また、上部構造物として鉄骨ボックスラーメン構
造の建物ユニットを連結した例を示したが、木造の建物
や鉄骨造の建物でもよいことは勿論である。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から理解できるように、請求
項1の記載の発明による基礎形成工法によれば、上部構
造物を支持するアンカー部材の位置精度を高めることが
でき、特に、免震構造物に使用する免震支承装置の固定
に適している。また工程が簡略化できるため基礎を容易
に形成することができる。
【0038】請求項2の記載の発明による基礎形成工法
によれば、基礎コンクリートを鉄筋等で補強できるた
め、強度の高い基礎構造が可能となる。
【0039】請求項3の記載の発明による基礎形成工法
によれば、水平方向と鉛直方向に分けてアンカー部材の
位置を正確に設定できる。また、水平方向の位置を枠体
で規制し、鉛直方向の位置調整は枠体をガイドとして行
うため、円滑に調整できると共に、枠体内に固定材を注
入したとき固定材の流出を防止できる。
【0040】請求項4の記載の発明による基礎構造によ
れば、アンカー部材を容易に精度良く位置決めでき、工
程を簡略化できるため施工が容易となり、基礎構造の形
成が容易に行える。このため、特に免震構造物等の基礎
構造に最適な基礎構造を提供することができる。
【0041】請求項5の記載の発明による基礎構造を使
用する免震構造物によれば、免震支承装置の固定作業が
精度良く容易に行え、上部構造物を安定して支承できる
ため、免震構造物の性能を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る基礎構造を使用した免震構造物の
一実施形態の要部断面図。
【図2】図1のA−A線に沿う一部を省略した断面図。
【図3】アンカー部材と四方枠を示す一部を分解した斜
視図。
【図4】本発明に係る基礎形成工法の各工程を示し、
(a)は基礎構造の下地コンクリート層を示す要部平面
図、(b)は(a)に支持治具を固定した状態の要部断
面図、(c)は(b)にシース管を立設し型枠を組んだ
状態の断面図。
【図5】図4の工程に続く各工程を示し、(a)は基礎
コンクリートを打設し型枠を外した後、シース管を引抜
く状態の断面図、(b)は基礎コンクリートにマークを
付けた状態の平面図。
【図6】図5の工程に続く各工程を示し、(a)は四方
枠を固定した状態の基礎コンクリートの平面図、(b)
は(a)にアンカー部材を挿入した状態の断面図、
(c)は(b)の四方枠部分の平面図。
【図7】図6の工程に続く工程を示し、グラウトを注入
して硬化させ、四方枠と調整ボルトを外した状態の断面
図。
【符号の説明】
1 基礎構造、 3 下地コンクリート層、 4 ベースコンクリート部、 5 支持コンクリート部、 6 立上げコンクリート部、 7 取付け穴、 8 固定部(固定材硬化部)、 10 アンカー部材、 11 アンカー軸、 15 アンカープレート、 17 調整ボルト、 20 免震支承装置、 26 上部構造物、 30 シース管(中空パイプ)、 31 支持治具、 32,33 型枠、 34 位置決め板、 35 四方枠、 36 切欠き部、 M1,M2 位置決め用のマーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04H 9/02 331 E04H 9/02 331D

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下地コンクリート上に中空パイプの支持
    治具を固定する工程と、前記支持治具に中空パイプを立
    設する工程と、前記中空パイプの周囲に型枠を形成する
    工程と、前記型枠内に基礎コンクリートを打設する工程
    と、前記基礎コンクリートの硬化後に前記中空パイプを
    外して取付け穴を形成する工程と、前記取付け穴にアン
    カー部材を挿入し位置決めする工程と、前記取付け穴に
    固定材を注入して前記アンカー部材を固定する工程とか
    ら構成されることを特徴とする基礎形成工法。
  2. 【請求項2】 前記基礎コンクリートを打設する工程の
    前工程として、さらに配筋工程を有することを特徴とす
    る請求項1に記載の基礎形成工法。
  3. 【請求項3】 前記アンカー部材を挿入し位置決めする
    工程は、前記アンカー部材が上下方向に移動できる枠体
    を前記基礎コンクリートに固定する水平方向の位置決め
    工程と、前記枠体にガイドされて前記アンカー部材を上
    下に移動する鉛直方向の位置決め工程を有することを特
    徴とする請求項1又は2に記載の基礎形成工法。
  4. 【請求項4】 取付け穴を形成した基礎コンクリート
    と、前記取付け穴に挿入して配置したアンカー部材と、
    前記取付け穴に注入され前記アンカー部材を前記基礎コ
    ンクリートに固定する固定材とから構成されることを特
    徴とする基礎構造。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の基礎構造のアンカー部
    材を用いて免震支承装置を固定し、該免震支承装置上に
    上部構造物を支承したことを特徴とする免震構造物。
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