JP2003297526A - 加熱装置、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

加熱装置、定着装置及び画像形成装置

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JP2003297526A JP2002157717A JP2002157717A JP2003297526A JP 2003297526 A JP2003297526 A JP 2003297526A JP 2002157717 A JP2002157717 A JP 2002157717A JP 2002157717 A JP2002157717 A JP 2002157717A JP 2003297526 A JP2003297526 A JP 2003297526A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、大容量コンデンサを補助電源と
して使用した際には定着ローラ温度が大きく変動しやす
いという課題を解決しようとするものである。 【解決手段】 この発明は、発熱部材11a、11bの
発熱により温度が上がる加熱部11と、商用電源が用い
られて発熱部材11aに電力を供給する主電源14と、
商用電源より充電され発熱部材11bに電力を供給する
補助電源15として用いられる複数のセル15a、15
bから構成される大容量キャパシタとを有する加熱装置
において、複数のセル15a、15bの接続を少なくと
も放電時に可変する構成としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙、フィルムなど
の被加熱体を加熱する加熱装置、定着装置及び、複写
機,プリンタ,ファクシミリ等の画像形成装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画
像形成装置は、普通紙やOHP紙等の被加熱体としての
被加熱体上に画像を形成する工程を有する。この画像形
成装置は、様々な画像形成方式が実現されているが、そ
の中でも高速性、画像品質、コストなどから広く採用さ
れているのが電子写真方式である。電子写真方式では、
普通紙やOHP紙などの被加熱体である被加熱体上に未
定着トナー像を形成し、この被加熱体上の未定着トナー
像を定着装置により熱と圧力で固定する定着工程があ
る。この定着装置としては、高速性、安全性等の面から
ヒートローラ方式が現在最も多く採用されている。
【0003】ヒートローラ方式の定着装置とは、ハロゲ
ンヒータなどの発熱部材により加熱される加熱ローラ
と、この加熱ローラに対向して配置される加圧ローラと
が圧接されてニップ部と呼ばれる相互圧接部が形成さ
れ、加熱ローラと加圧ローラとの間に被加熱体を通過さ
せて被加熱体上の未定着トナー像を熱と圧力で固定する
方式である。
【0004】ヒートローラ方式の定着装置において加熱
ローラの芯金に離型層としてフッ素系樹脂を被覆した場
合には、フッ素系樹脂は材質そのものが硬いため、以下
に説明するような画質上の問題が生ずる。被加熱体上の
トナー像は微視的には凹凸を有しており、加熱ローラの
表面が硬いとそれに追従できず、加熱ローラの表面に対
する微視的な密着性が低くなる。このため、被加熱体上
の定着後のトナー像は、加熱ローラが接触した部分と加
熱ローラが接触しない部分との間で、ベタ部での細かい
光沢ムラが発生する。
【0005】白黒複写機においては、画質の要求度がフ
ルカラー複写機に比べるとそれほど高いものではないた
め、定着装置の加熱ローラは上述のような芯金にフッ素
系樹脂を被覆したもので十分であった。しかし、装置の
高速化が進むにつれ、印刷領域へと展開されるにあた
り、高画質化の要求が高くなってきた。
【0006】これに対して、フルカラー複写機において
は、高画質化への要求が白黒複写機に比べて非常に大き
い。トナー像の光沢ムラが起こりにくいように加熱ロー
ラの芯金に弾性層(耐熱性ゴム)を被覆することによ
り、加熱ローラのゴム自身の伸縮性で加熱ローラの表面
と被加熱体上のトナー層との密着性を高くして光沢ムラ
のない優れた画質の定着画像を得るようにしており、こ
の技術は白黒複写機へと展開されてきている。
【0007】加熱ローラは、芯金が鉄やアルミニウムな
どの金属からなるローラを主に使用しており、熱容量が
大きい。このため、ヒートローラ方式は、使用時に使用
可能温度である約180℃前後まで昇温するには数分か
ら十数分の長い立ち上がり時間が必要であるという欠点
がある。
【0008】そこで、画像形成装置では、使用者が画像
形成を行わない待機時にも、加熱ローラに電力を供給し
て加熱ローラの温度を使用可能温度よりやや低い予熱温
度に保っており、使用時に直ぐに使用可能温度まで立ち
上がるようにしている。これは使用者が加熱ローラの昇
温を待つことがないようにするためであり、画像形成装
置を使用していない待機時にも画像形成には不必要な、
余分なエネルギーが消費されていた。なお、この待機時
の消費エネルギーは画像形成装置全体の消費エネルギー
の約7〜8割に上るという調査結果もある。
【0009】近年、環境保護意識の高まりから各国で省
エネルギー規制が制定されている。国内では省エネ法が
改正されて強化され、米国でもエナジースターやZES
M(Zero Energy Star Mode)などの省エネプ
ログラムが制定されている。これらの規制やプログラム
に対応するべく省電力化を図る際には、画像形成装置全
体の消費エネルギーのうち割合の大きい待機時消費エネ
ルギーを削減すると省電力化の効果が大きいため、画像
形成装置の未使用時には加熱ローラへの電力供給をゼロ
にすることが望ましい。しかし、従来の定着装置で待機
時の加熱ローラへの供給電力をゼロにすると、再使用時
には加熱ローラの昇温時間がかかるために待ち時間が長
くなり、使用者の使い勝手が悪化してしまう。このた
め、速やかに加熱ローラの温度を上昇させる構成が省エ
ネ型の画像形成装置を実現する上で必要とされ、例えば
上記ZESMでは再立ち上げには10秒以下が要求され
ていいる。
【0010】加熱ローラの昇温時間を短くするために
は、加圧ローラも含めた定着装置全体の熱容量を下げる
ことが有効である。そこで、弾性層を含む定着ローラ
と、この定着ローラとの間に被加熱体が通過するニップ
部が形成される加圧ベルトと、この加圧ベルトの内側に
配置された加圧部材との組合せで、高画質化、高速化、
省エネルギー化、長寿命化を満足するようにした定着装
置が特開平11−133776号公報に記載されてい
る。
【0011】また、特開2001−92281号公報に
は、高画質、省エネルギー、長寿命を満足することを目
的としたもので、転写材上のトナー像を加熱と加圧とに
より前記転写材に固定する定着装置において、固定発熱
体を内接して設けたフィルム状回転部材と、前記フィル
ム状回転部材に対向して設けられる、熱線を発する熱線
照射部材を内部に有し、前記熱線に対して透光性を有す
る円筒状の透光性基体と、該透光性基体の外側に透光性
弾性層と、該透光性弾性層の外側に前記熱線を吸収する
熱線吸収層とを設けたロール状の熱線定着用回転部材と
よりなることを特徴とする定着装置が記載されている。
【0012】また、加熱ローラの昇温時間を短くするた
めには、加熱ローラを加熱する発熱部材に対する単位時
間の投入エネルギー、すなわち定格電力を大きくすると
良い。実際に、画像形成速度の高い高速の画像形成装置
には、電源電圧を200Vにして加熱ローラの昇温時間
を短くしているものもある。しかし、日本国内の一般的
なオフィスでは、電源は100V15Aが一般的で15
00Wが上限であり、200Vの電源電圧に対応させる
には画像形成装置設置場所の電源関連部分に特別な工事
を施す必要があり、これは加熱ローラの昇温時間を短く
するための一般的な解決方法とは言えない。
【0013】また、100V15Aの商用電源を2系統
用いて定着装置の発熱部材に対する全投入電力を上げる
画像形成装置も実用化されている。しかし、この画像形
成装置では、2系統のコンセントが近くにあるところが
ないと、設置することができないという不具合がある。
さらに、定着装置の発熱部材に対する供給電力を単純に
増やした際に問題となるのが安全性である。発熱部材に
大電力を投入することで加熱ローラの温度は急上昇する
が、システムが暴走して発熱部材に対する供給電力の制
御が不能になった際に発火の危険が格段に高くなる。こ
れは、加熱ローラの昇温があまりに早すぎると、温度ヒ
ューズやサーモスタットなどの安全装置が作動するまで
に、加熱ローラの温度が紙の発火点温度を超えてしまう
ためである。上記のように、これまでは加熱ローラを短
時間で昇温させようとしても、投入エネルギーの上限は
上げられないのが実状であった。
【0014】発熱部材に対する最大供給電力を増やすこ
とで省エネを実現するために、補助電源を用いて発熱部
材に補助電源からも電力を供給することが提案され、充
電可能な補助電源として二次電池を使用することが提案
されている。二次電池としては、鉛蓄電池やカドニカ電
池等が代表的なものである。しかし、二次電池は、充電
に時間がかかり、フルに充電するには数時間がかかって
しまうため、一日に何度も使用することができない。
【0015】また、二次電池は、充放電を何回も繰り返
すと劣化して容量が低下していき、大電流で放電するほ
ど寿命が短くなるという性質を持つ。一般的に大電流で
長寿命とされているカドニカ電池でも、充放電の繰り返
し回数は500〜1000回程度であり、一日に20回
の充放電を繰り返すと一ヶ月程度で寿命が来てしまう。
これでは、電池交換の手間がかかり、電池代などのラン
ニングコストも非常に高くつくことになってしまう。ま
た、二次電池は、充電時間が長くかかるため、夜間に充
電すると、装置外部へ取り出して充電することなどが必
要である。また、二次電池は、放電が少しずつであり、
短時間に大電力を取り出すことが難しい。また、二次電
池は、放電の必要が無い時に充電し続けると、ガスが発
生して故障の原因となり、安全ではない。さらに、鉛蓄
電池では、液体の硫酸を使用するなどオフィス用機器と
しては好ましくない。これらの不具合により、発熱部材
に二次電池からも電力を供給することは、実用上は実現
が困難であった。
【0016】このような二次電池の欠点を解決するため
に、電気二重層キャパシタなどの大容量コンデンサを補
助電源として用いた定着装置が提案されている。大容量
コンデンサは、充放電の繰り返し回数がほぼ無制限であ
り、充電特性の劣化がほとんどなく、定期的なメンテナ
ンスが不要である。また、充電時間も二次電池であるバ
ッテリは数時間を要するのに対して大容量コンデンサは
数秒から数十秒程度にすることが可能であるという特徴
を有する。また、電気二重層キャパシタでは、数十アン
ペアから数百アンペアの大電流を流すことが可能である
ため、短時間での電力供給が可能である。また、大容量
コンデンサは、充電し続けても、ガスの発生などが無く
安全である。さらに、電気二重層キャパシタは、所定時
間放電すると保持電力が低下して電圧が低下し、供給電
力を自動的に低減することができるため、安全性が高
い。このような大容量コンデンサを補助電源として用い
ると、定着装置が立ち上がる数秒から数十秒の短時間に
商用電源の電力の限界を超える電力を定着装置に供給す
ることができる。また、大容量コンデンサは、保持電力
を短時間に使い切ってしまうため、放電開始から所定の
時間後に供給電力が低減し、加熱ローラの温度上昇が小
さくて安全な構成を実現することができる。このため、
立ち上がり時間の短い定着装置を実現して信頼性、耐久
性及び安全性を高くすることが可能である。
【0017】特開平5−232839号公報には、主電
源の他に補助電源を有し、この補助電源が定着ローラを
加熱するためのヒータへ電力を増すのではなく別系統の
発熱体に電力を供給する加熱装置が記載されている。特
開平10−10913号公報には、主電源の他に補助電
源を用いた省エネルギー型の定着装置が記載されてい
る。この定着装置では、補助電源としての二次電池は、
単一の電源から2つのレベルの電力を供給するもので、
最大の供給電力を主電源のみの供給電力より高めること
を主眼としたものではない。
【0018】特開平10−282821号公報には、主
電源の他に二次電池、一次電池等の補助電源を用いて色
々な機能を持たせた画像形成装置が記載されている。特
開2000−315567号公報には、主電源の他に補
助電源として大容量キャパシタを用いた加熱装置が記載
されている。この加熱装置によれば、立ち上がり時に補
助電源で商用電源をアシストすることで立ち上がり時間
を短くすることができ、省エネルギーとなる。
【0019】特開2000−075737号公報には、
商用電源と蓄電池を備えた画像形成装置において、蓄電
池への充電中はプロダクティビティーを落とすこと、蓄
電池の装填を判別する蓄電池装填判別手段と蓄電池の充
電容量を監視する充電容量監視手段を備え、蓄電池装填
判別手段の判別結果や充電容量監視手段の監視結果によ
りプロダクティビティーを落とすことが記載されてい
る。また、特開2000−075737号公報には、蓄
電池を用いていてその充電時間が長いため、蓄電池を外
部で充電したり夜間に充電したりすることが記載されて
いる。
【0020】画像形成装置において短時間昇温を実現す
る定着方式として、板状のセラミックヒータの周囲に耐
熱樹脂製のフィルムを巻き回した構成のものがある。こ
れは、セラミックヒータの熱容量が小さくなるため、立
ち上がり時間を短くすることができ、30枚/分以下の
低速の画像形成装置で実用化されている。
【0021】しかし、これは、今後さらに高速の画像形
成装置へ対応するためにはフィルムを破損防止のために
厚くする必要がある。この場合の問題として、フィルム
がニップに入る前にフィルムの温度を上げておかない
と、樹脂は金属よりも熱伝導率が悪くニップ中で熱が被
加熱体に十分に伝わらなくなるため、フィルムをニップ
部に入る前の上流部から加熱する必要が出てくる。この
ため、ヒータの板状部の面積が大きくなり、より急速な
昇温を行うためにはヒータに電力を供給する電力源とし
て高い電力源が必要である。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】上述した大容量コンデ
ンサを補助電源として用いた定着装置や加熱装置では、
以下のような課題が現在明らかになっている。立ち上げ
時間を短くするには、定着ローラ(加熱ローラ)の熱容
量を低減すると共に定着ローラに大電力での電力供給を
行う必要がある。そして、補助電源により大電力を得る
には、配線及び回路の負荷を考えると、大電流よりも高
電圧の補助電源を用いることが望ましい。
【0023】しかし、電力供給のオン/オフで定着ロー
ラ温度の制御を行いながら大容量キャパシタ(大容量コ
ンデンサ)を用いた補助電源を使用する際には、発熱体
としてのヒータへ大電力を一気に供給するため、図4に
示すように定着ローラの温度が大きく変動しやすい。こ
のため、被加熱体上の画像の途中で定着ローラの温度が
変化することにより画像品質にムラができ、画像品質を
低下させてしまうという不具合があった。
【0024】また、上述のように加熱ローラの芯金に弾
性層(耐熱性ゴム)を被覆したものでは、光沢ムラが起
こりにくくなって高画質化を図ることができるが、弾性
層は熱伝導性が悪く、連続通紙時に加熱ローラの表面温
度が低下して定着不良を招く。この定着不良を回避する
ため、一部の画像形成装置では、加熱ローラの表面温度
がある一定の温度以下になった場合にプロセス速度を低
下させることで定着性を確保しており、加熱ローラの弾
性層の熱伝導性の悪さは高速化の妨げとなっている。
【0025】また、大容量キャパシタの保持する電力を
数秒から数十秒の立ち上げ時間で使い切るには、大容量
キャパシタから大電力を取り出す構成が必要である。電
力=電圧×電流であるから、大容量キャパシタの出力電
圧を高くするか大容量キャパシタの出力電流を大きくす
ることで、大容量キャパシタから大電力を得ることが可
能である。
【0026】しかし、加熱ローラの加熱に通常用いられ
るハロゲンヒータは、最大電流が10A〜12A程度が
上限で、最大電流を大きくすることが困難である。これ
は、ハロゲンヒータに大電流を供給するとハロゲンヒー
タの寿命が短くなるためである。よって、ハロゲンヒー
タを発熱部材として用いて大電力をハロゲンヒータに供
給するためには、ハロゲンヒータに電力を供給する電力
供給源として出力電圧の大きい電源を用いた構成を取る
必要があった。
【0027】しかし、もともと大容量キャパシタは1セ
ル当たりの電圧が数V程度と低い特性がある。これは、
大容量キャパシタのセル内部の溶液が電気分解するのを
防ぐためで、水系で1ボルト強、有機系でも3ボルト弱
程度である。このため、従来用いられてきたハロゲンヒ
ータを発熱部材として加熱を行うには、大容量キャパシ
タのセルを十数個〜数十個直列に接続したものを、50
〜100V程度の高電圧をハロゲンヒータに供給する電
源ユニットとして利用する必要がある。
【0028】しかし、装置内部に高電圧の電源ユニット
を設置すると以下のような問題がある。装置の保守点検
をする際には装置内部にアクセスする場合も多いが、作
業中には意図せずに電源端子に触れてしまい、感電事故
が発生する可能性がある。また、ユーザも記録紙づまり
の処理などで装置の内部に手を入れることが考えられ、
これに対しても感電を防止するための方策が必要であ
る。
【0029】また、大容量キャパシタの一つのキャパシ
タセルの蓄電容量は十分に大きくなってきており、多く
のキャパシタセルを直列につないで高電圧・大電力を得
る構成では、数個のキャパシタセルだけで被加熱体温度
を上昇させるのに十分なエネルギーが得られる場合もあ
る。しかし、これまでは大容量キャパシタの電圧を上げ
るためにキャパシタセルの数を増やす必要があり、いわ
ば余分な容量のキャパシタセルを電源部構成として用意
しておく必要があった。しかし、現在はまだ大容量キャ
パシタはエネルギーの密度が低くて体積が大きく、コス
トも高いものであるためキャパシタセルの数を減らすこ
とが欠かせない。
【0030】すなわち、ハロゲンヒータを発熱部材とし
て用いる構成では、ハロゲンヒータへの供給電圧を上げ
るためにエネルギー的に余分なキャパシタセルを用いる
必要があるため、ハロゲンヒータへ電力を供給する電源
は体積が大きくコストも高くなってしまうという問題が
あった。
【0031】また、もう一つの重要な課題は温度のオー
バーシュートである。現在、定着ローラでは、温度検知
にサーミスタを用いている。サーミスタはかなり小さく
なり反応速度も向上してきているが、ハロゲンヒータへ
の電力供給量が多くて昇温時間が短い構成では、サーミ
スタの温度検知が遅れて温度が所定の値よりも高くオー
バーシュートしやすくなるという課題が出てきた。
【0032】本発明は、上記課題を解決すべくなされた
もので、温度変動を小さくでき、キャパシタの保持エネ
ルギーをできるだけ多く利用することができ、温度上昇
を速くでき、立ち上がり時間を短くすることができ、高
画質化と高速化を両立させることができ、加熱部とトナ
ー像との分離性を向上させることができる加熱装置を提
供することを目的とする。
【0033】本発明の他の目的は、画像のムラをなくす
ことができ、出力品質を高くできる画像形成装置を提供
することにある。本発明の他の目的は、補助電力源の出
力電圧を下げることで感電を防止でき、安全性の高い加
熱装置、定着装置及び画像形成装置を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、補助電源の体積を減らすこと
ができ、設置スペースを小さくして低価格にすることが
できる加熱装置、定着装置及び画像形成装置を提供する
ことにある。本発明の他の目的は、温度のオーバーシュ
ートを低減することができる加熱装置、定着装置及び画
像形成装置を提供することにある。
【0034】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、発熱部材の発熱により温度
が上がる加熱部と、商用電源が用いられ前記発熱部材に
電力を供給する主電源と、商用電源より充電され前記発
熱部材に電力を供給する補助電源として用いられる複数
のセルから構成される大容量キャパシタとを有する加熱
装置において、前記複数のセルの接続を少なくとも放電
時に可変する構成としたものである。
【0035】請求項2に係る発明は、請求項1記載の加
熱装置において、前記複数のセルを並列と直列に切り替
える構成としたものである。
【0036】請求項3に係る発明は、請求項1または2
記載の加熱装置において、該装置の状況を検知する検知
手段を有し、この検知手段の検知情報により前記複数の
セルの接続を切り替えるものである。
【0037】請求項4に係る発明は、請求項3記載の加
熱装置において、前記検知手段として前記加熱部の温度
を検知する温度検知手段を用いたものである。
【0038】請求項5に係る発明は、請求項4記載の加
熱装置において、前記加熱部が所定の温度以上の時に前
記複数のセルを並列に接続して該複数のセルから前記加
熱部に電力を供給するものである。
【0039】請求項6に係る発明は、請求項4記載の加
熱装置において、前記加熱部が所定の温度に達しない時
に前記複数のセルを直列に接続して該セルから前記加熱
部に電力を供給するものである。
【0040】請求項7に係る発明は、請求項3記載の加
熱装置において、前記検知手段の検知情報の代りに被加
熱体の連続加熱枚数情報を用いるものである。
【0041】請求項8に係る発明は、請求項7記載の加
熱装置において、前記複数のセルの並列接続の列数を可
変にして前記複数のセルの接続を可変する構成としたも
のである。
【0042】請求項9に係る発明は、大容量キャパシタ
の複数のセルの接続を可変する構成とした請求項7記載
の加熱装置において、前記加熱部が弾性層を有するもの
である。
【0043】請求項10に係る発明は、請求項9記載の
加熱装置において、前記弾性層の厚さが0.1mm以上
であるものである。
【0044】請求項11に係る発明は、請求項9または
10記載の加熱装置において、前記弾性層の最外層に離
型層を設けたものである。
【0045】請求項12に係る発明は、定常的な電力供
給可能な主電源から電力が供給されることによって発熱
する主発熱部材と、充電可能な補助電源と、この補助電
源から電力が供給されることにより発熱する補助発熱部
材と、前記主発熱部材及び前記補助発熱部材により加熱
される加熱部材とを有する加熱装置において、前記補助
電源の出力電圧を所定の指示に応じて降下させるもので
ある。
【0046】請求項13に係る発明は、請求項12記載
の加熱装置において、前記補助電源に対して接続可能な
電気的負荷と、この電気的負荷を前記補助電源に選択的
に接続する選択的接続手段とを備え、この選択的接続手
段が前記指示に応じて前記電気的負荷を前記補助電源に
接続するものである。
【0047】請求項14に係る発明は、請求項13記載
の加熱装置において、前記電気的負荷が抵抗発熱体であ
るものである。
【0048】請求項15に係る発明は、請求項13記載
の加熱装置において、前記電気的負荷がモータであるも
のである。
【0049】請求項16に係る発明は、請求項12記載
の加熱装置において、前記補助電源は直列に接続された
複数の電源からなり、この複数の電源の一部を前記指示
に応じて切り離して前記補助電源の出力電圧を降下させ
るものである。
【0050】請求項17に係る発明は、請求項12〜1
6のいずれか1項に記載の加熱装置において、当該装置
内部への作業者のアクセスを検知するアクセス検知手段
を有し、このアクセス検知手段の検知結果を前記指示と
するものである。
【0051】請求項18に係る発明は、請求項17記載
の加熱装置において、前記アクセス検知手段は保守作業
員の能動的な前記補助電源に対する放電指示を検知する
ものである。
【0052】請求項19に係る発明は、請求項12〜1
8のいずれか1項に記載の加熱装置において、前記補助
電源の高い出力電圧が直流電圧であるものである。
【0053】請求項20に係る発明は、電力の供給によ
って発熱する発熱部材を有し、この発熱部材に対して電
力を供給する電力供給手段として充電可能な補助電源を
少なくとも有する加熱装置において、前記補助電源の出
力電圧を昇圧する昇圧手段を有するものである。
【0054】請求項21に係る発明は、請求項20記載
の加熱装置において、前記補助電源が電気二重層キャパ
シタであるものである。
【0055】請求項22に係る発明は、請求項20また
は21記載の加熱装置において、前記昇圧手段の入力電
圧が低下するにつれて前記昇圧手段の出力電圧が低下す
るものである。
【0056】請求項23に係る発明は、請求項20〜2
2のいずれか1項に記載の加熱装置において、前記昇圧
手段の出力電圧を制御する制御手段を有するものであ
る。
【0057】請求項24に係る発明は、請求項23記載
の加熱装置において、前記制御手段が前記昇圧手段の出
力電圧を時間的に一定になるように制御するものであ
る。
【0058】請求項25に係る発明は、請求項20記載
の加熱装置において、前記発熱部材は、定常的な電力供
給可能な主電源から電力が供給されることによって発熱
する主発熱部材と、前記補助電源から前記昇圧手段を介
して電力が供給されることにより発熱する補助発熱部材
とを有し、前記補助電源から前記昇圧手段を介して前記
補助発熱部材へ供給する電力が、前記主電源から前記主
発熱部材へ供給する電力よりも大きいものである。
【0059】請求項26に係る発明は、定常的な電力供
給可能な主電源から電力が供給されることによって発熱
する主発熱部材と、充電可能な補助電源と、この補助電
源の出力電圧を昇圧する昇圧手段と、この昇圧手段から
電力が供給されることにより発熱する補助発熱部材と、
前記主発熱部材及び前記補助発熱部材により加熱される
加熱部材とを有する加熱装置において、前記補助電源に
関する情報を検知する検知手段を有し、この検知手段か
らの検知情報に応じて前記昇圧手段の出力電圧を制御す
るものである。
【0060】請求項27に係る発明は、請求項26記載
の加熱装置において、前記補助電源が電気二重層キャパ
シタであるものである。
【0061】請求項28に係る発明は、請求項26また
は27記載の加熱装置において、前記検知手段は前記加
熱部材の温度を検知する温度検知手段であるものであ
る。
【0062】請求項29に係る発明は、請求項28記載
の加熱装置において、前記温度検知手段の検知温度が所
定の温度よりも高い場合に前記出力電圧を第1の電圧よ
りも低減するものである。
【0063】請求項30に係る発明は、請求項28記載
の加熱装置において、前記温度検知手段の検知温度が所
定の温度よりも高い場合に前記出力電圧を第1の電圧よ
り低く切り替えるものである。
【0064】請求項31に係る発明は、請求項28記載
の加熱装置において、前記補助電源の残電力量を検知す
る残電力量検知手段を有し、この残電力量検知手段の検
知結果に応じて前記出力電圧を変化させるものである。
【0065】請求項32に係る発明は、請求項31記載
の加熱装置において、前記残電力量検知手段で検知した
前記補助電源の残電力量が所定の値よりも高い場合に前
記出力電圧を第2の電圧より低くするものである。
【0066】請求項33に係る発明は、被加熱体上の未
定着物を定着させる定着手段を有する定着装置におい
て、前記定着手段として請求項1〜32のいずれか1項
に記載の加熱装置を備えたものである。
【0067】請求項34に係る発明は、記録媒体上に画
像を形成する像形成手段と、前記記録媒体上の画像を加
熱する像加熱手段とを有する画像形成装置において、前
記像加熱手段として請求項1〜32のいずれか1項に記
載の加熱装置を備えたものである。
【0068】請求項35に係る発明は、記録媒体上に未
定着画像を形成する像形成手段と、前記記録媒体上の未
定着画像を加熱して前記記録媒体に定着させる定着手段
とを有する画像形成装置において、前記定着手段として
請求項1〜32のいずれか1項に記載の加熱装置を備え
たものである。
【0069】
【発明の実施の形態】図7は本発明の実施形態1の概略
を示す。この実施形態1は、定着装置を有する電子写真
方式の画像形成装置の一実施形態である。回転体からな
る像担持体は、例えばドラム形状の感光体1が用いら
れ、図示しない駆動部により回転駆動される。この感光
体1の周りには、矢印で示す回転方向へ順次に、帯電手
段としての帯電装置2、露光手段の一部を構成するミラ
ー3、現像手段として現像装置4、シート状被加熱体で
ある記録媒体としての転写紙P(OHP紙などでもよ
い)に感光体1上の未定着トナー像を転写する転写手段
としての転写装置5、クリーニング手段としてのクリー
ニング装置6などが配置されている。
【0070】ここに、帯電装置2は帯電ローラからな
り、現像装置4は現像ローラ4aを有する現像装置から
なる。クリーニング装置6は感光体1の外周面に摺接す
るブレード6aを有する。感光体1は帯電装置2と現像
ローラ4aとの間で露光手段によりミラー3を介して露
光光Lbで走査されるようになっており、感光体1上の
露光光Lbが照射される位置を露光部7と呼ぶ。転写装
置5は感光体1の下面と対向しており、感光体1上の転
写装置5と対向する位置を転写部8と呼ぶ。
【0071】転写部8より転写紙搬送方向上流側の位置
には一対のレジストローラ9が設けられ、このレジスト
ローラ9に向けて図示しない給紙トレイから転写紙Pが
給紙コロ10により送り出される。この転写紙Pは図示
しない搬送ガイドにより案内されてレジストローラ9で
一旦停止する。転写部8より転写紙搬送方向下流側の位
置には加熱ローラ11を有する加熱装置としての定着装
置12が配置されている。
【0072】この画像形成装置においては、次のように
画像形成が行われる。使用時には感光体1が回転を始
め、この感光体1の回転中に感光体1が暗中において帯
電装置2により均一に帯電され、露光手段によりミラー
3を介して露光光Lbが感光体1の露光部7に照射され
て感光体1が走査されることにより、形成すべき画像に
対応した静電潜像が形成される。この感光体1上の静電
潜像は、感光体1の回転により現像装置4のところに移
動してきて、ここで現像装置4によりトナーで可視像化
されてトナー像が形成される。
【0073】一方、給紙コロ10により給紙トレイから
転写紙Pの給送が開始され、この転写紙Pは破線で示す
搬送経路を経て一対のレジストローラ9の位置で一旦停
止して感光体1上のトナー像と転写部8で合致するよう
な送り出しのタイミングを待つ。この送り出しのタイミ
ングが到来すると、レジストローラ9の位置で停止して
いた転写紙Pはレジストローラ9により送り出されて転
写部8に向けて搬送される。
【0074】感光体1上のトナー像と転写紙Pとは転写
部8で合致し、転写装置5による電界により感光体1上
のトナー像が転写紙Pに転写される。従って、感光体
1、帯電装置2、露光手段、現像手段4、転写装置5
は、転写紙P上に未定着のトナー像からなる未定着画像
を形成する像形成手段を構成する。転写紙Pは、転写さ
れたトナー像を担持し、定着装置12に向けて搬送され
る。この転写紙Pは、定着装置12を通過する間にトナ
ー像が定着され、図示しない排紙部に排紙される。ま
た、転写部8で転写されずに感光体1上に残った残留ト
ナーは、感光体1の回転と共にクリーニング装置6に至
り、このクリーニング装置6を通過する間にブレード6
aで清掃されて次の画像形成に備える。
【0075】図8は上記定着装置12の詳細な構成を示
す。定着装置12は、加熱部としての定着ローラ11
と、この定着ローラ11に圧接される加圧部材としての
加圧ローラ13とを有する。定着ローラ11及び加圧ロ
ーラ13は図示しない駆動部により回転駆動され、定着
ローラ11は主発熱部材11a、補助発熱部材11bの
発熱により加熱されて温度が上がる。この発熱部材(発
熱体ともいう)11a、11bは、ハロゲンヒータが用
いられているが、特にハロゲンヒータに限られず、その
他抵抗発熱体などの発熱部材を用いてもかまわない。未
定着のトナー像tを担持する転写紙Pは、定着ローラ1
1及び加圧ローラ13のニップ部を通過する間に定着ロ
ーラ11及び加圧ローラ13による加熱及び加圧により
トナー像tが定着される。
【0076】図1及び図2は上記定着装置12の回路構
成を示す。図1及び図2において、14は主電源、15
は補助電源、16は充電器、17は補助電源15の充放
電を切替える充放電切替手段としてのスイッチ、18は
定着ローラ11の温度(表面温度)を検知する温度検知
手段としての温度センサ、19は構成切替手段、20は
発熱部材11aの通電制御を行う通電制御用スイッチで
ある。加熱部としての定着ローラ11は内部に発熱部材
11a、11bを有しており、発熱部材11aは主電源
14から通電制御用スイッチ20を介して供給される電
力により発熱して定着ローラ11を加熱する。
【0077】主電源14は、当該画像形成装置の設置場
所に備えられているコンセントなどに接続されることで
商用電源からの交流電力を出力するものであり、定着ロ
ーラ11に応じた電圧の調整及び交流から直流への整流
などを行う機能を有していてもよい。補助電源15は、
充放電可能な装置であり、本実施形態では大容量コンデ
ンサである電気二重層キャパシタを用いている。コンデ
ンサは、二次電池と異なり化学反応を伴わないために以
下のような優れた特徴(1)(2)を有する。 (1)充電時間が短い。:二次電池として一般的なニッ
ケル−カドミウム電池を用いた補助電源では、急速充電
を行っても充電に数時間の時間を要するため、一日の大
電力供給可能回数が数時間おきに数回しか実現できず、
実用的ではなかった。これに対して、コンデンサを用い
た補助電源では、数十秒〜数分程度の急速な充電が可能
であるため、補助電源を用いた加熱の回数を実用的な回
数にまで増やすことができる。このため、本実施形態の
ようにコンデンサを補助電源として用いた場合には、一
般的なニッケル−カドミウム電池を補助電源として用い
た場合に比べて、同一時間内での補助電源を用いた定着
ローラの加熱の回数が増える。 (2)寿命が長い。:ニッケル−カドミウム電池は、充
放電の繰り返し回数が500から1000回であるた
め、加熱用補助電源としては寿命が短く、交換の手間や
コストが問題となる。これに対して、コンデンサを用い
た補助電源は、1万回以上のほぼ永久的な寿命を有し、
繰り返しの充放電による劣化も少ない。従って、非加熱
動作(待機)と加熱動作を繰り返す加熱装置や画像形成
装置に特に有利である。また、鉛蓄電池のように液交換
や補充なども必要としないため、メンテナンスがほとん
どいらない。 (3)安全性が高い。:二次電池は、化学反応を利用し
ているため、最大容量まで充電した後、放電の必要が無
い場合、充電回路に接続し続けると、化学反応によるガ
スなどにより容器が膨張して破裂するなどの危険があ
る。これに対し、キャパシタを用いた補助電源は化学反
応ではなく物理現象を利用しているので、ガスの発生な
どは無く安全である。
【0078】近年、コンデンサにも多量の電気エネルギ
ーを蓄えられるものが開発されてきており、コンデンサ
の電気自動車などへの採用も検討されている。例えば、
日本ケミコン(株)の開発した電気二重層キャパシタ等
は、2000F程度の静電容量を有しており、数秒から
数十秒の電力供給に十分な容量を備えている。また、N
ECではハイパーキャパシタという商品名で80F程度
のコンデンサが実現されており、このコンデンサは10
A程度の電流を数十秒程度の時間供給することが可能で
ある。
【0079】本実施形態では、定着ローラ11の発熱部
材11a、11bに対する電力供給については、主電源
14から通電制御用スイッチ20を介して発熱部材11
aに電力が供給されるとともに、発熱部材11bに対し
ても補助電源15からスイッチ17を介して電力を供給
することが可能である。これにより、主電源14及び補
助電源15の両方からの電力を定着ローラ11の加熱に
利用することで、数秒から数十秒程度の短い所定時間の
間だけでも主電源14による最大供給電力を上回る大量
の電力を定着ローラ11に供給できる。
【0080】コンデンサからなる補助電源15が十分に
充電されていない場合には、比較的電力を消費しない待
機時などに図示しない制御手段によりスイッチ17が充
電器16側に切替えられ、充電器16が主電源14から
の交流電力を直流電力に変換してスイッチ17を介して
補助電源15に印加することにより、補助電源15が充
電される。定着ローラ11の温度を室温から作動温度
(定着可能な温度)まで急激に上昇させたい立ち上がり
時など、定着ローラ11が多量の電力を必要とする時に
は、制御手段によりスイッチ17が発熱部材11b側に
切替えられて補助電源15からスイッチ17を介して発
熱部材11bへ電力が供給される。
【0081】これにより、定着ローラ11が多量の電力
を必要とする時には、主電源14及び補助電源15から
の電力を共に利用して定着ローラ11の発熱部材11
a、11bに多量のエネルギーを供給することで短時間
に定着ローラ11の温度を上昇させることができ、補助
電源15としてコンデンサを用いたことにより、二次電
池では得られなかった効果を得ることができる。
【0082】図示しない制御手段は、温度センサ18か
らの検知信号に基づいて、定着ローラ11の表面温度が
定着可能な設定温度以下の時には通電制御用スイッチ2
0をオンさせて主電源14から定着ローラ11の発熱部
材11aへ電力を供給させるが、定着ローラ11の表面
温度が定着可能な設定温度を超えた時には通電制御用ス
イッチ20をオフさせて主電源14から定着ローラ11
の発熱部材11aへの電力供給をオフさせることで、定
着ローラ11の表面温度を一定の温度に制御する。
【0083】本実施形態では、補助電源15は少なくと
も2つ以上のキャパシタセル15a、15bからなり、
この複数のキャパシタセル15a、15bのつなぎ方を
電力供給時に変えることが可能である。また、複数のキ
ャパシタセル15a、15bからなる補助電源15の構
成は少なくとも放電時に変更することが可能である。構
成切替手段19は、温度センサ18からの検知信号に基
づいて、定着ローラ11の温度が高くなるに従って発熱
部材11a、11bへの供給電力が低くなるように切替
える。
【0084】例えば、構成切替手段19は、定着ローラ
11の温度が低くて所定の温度に達しない初期加熱時の
ような状態では、図1に示すようにキャパシタセル15
a、15bを直列につないで発熱部材11bへの印加電
圧を高電圧とし、発熱部材11bに対して大電力を供給
させる。
【0085】その後、構成切替手段19は、定着ローラ
11の温度が高くなって所定の温度以上になったときに
は、図2に示すようにキャパシタセル15a、15bを
並列につないで発熱部材11bへの印加電圧を図4に示
すように下げ、発熱部材11bに対する電力供給を小さ
くする。これにより、主電源14及び補助電源15から
定着ローラ11の発熱部材11a、11bへの電力供給
のオン/オフ制御でも定着ローラ11の温度変化が緩や
かになるため、定着ローラ11の時間的な温度変動が小
さくなり、転写紙P上に形成した画像の加熱ムラが小さ
くなって高品質な画像形成が可能になる。
【0086】なお、キャパシタセル15a、15bのつ
なぎ方としては、図1に示すようにキャパシタセル15
a、15bを直列につながずに図3に示すように一部の
キャパシタセル15aだけをスイッチ17を介して発熱
部材11bにつなぐようにしても良いが、発熱部材11
bに供給できるエネルギーが補助電源15の保持エネル
ギーの一部であること及び、充電時のキャパシタセル1
5a、15b間のバランスをとりにくいことから、図1
に示すようにキャパシタセル15a、15bを直列につ
ないで発熱部材11bに電力を供給することが望まし
い。
【0087】この実施形態1によれば、発熱部材11
a、11bの発熱により温度が上がる加熱部としての定
着ローラ11と、商用電源が用いられて発熱部材11a
に電力を供給する主電源14と、商用電源より充電され
発熱部材11bに電力を供給する補助電源15として用
いられる複数のセル15a、15bから構成される大容
量キャパシタとを有する加熱装置において、複数のセル
15a、15bの接続を少なくとも放電時に可変する構
成としたので、発熱部材11bに低電圧で電力を供給す
ることにより加熱部の温度ムラの発生を低減することが
できる。つまり、加熱部の温度が低いときに高電圧で大
電力を供給すると、加熱部の温度ムラが大きくなるが、
発熱部材に低電圧で電力を供給することにより加熱部の
温度ムラの発生を低減することができ、加熱部の温度変
動を小さくすることができる。
【0088】また、実施形態1によれば、複数のセル1
5a、15bを並列と直列に切り替える構成としたの
で、キャパシタの保持エネルギーをできるだけ多く利用
することができる。
【0089】また、実施形態1によれば、当該装置の状
況を検知する検知手段(温度センサ18)を有し、この
検知手段の検知情報により複数のセル15a、15bの
接続を切り替えるので、温度変動を小さくでき、立ち上
がり時間を短くすることができる。
【0090】また、実施形態1によれば、上記検知手段
として加熱部11の温度を検知する温度検知手段として
の温度センサ18を用いたので、温度変動を小さくで
き、立ち上がり時間を短くすることができる。
【0091】また、実施形態1によれば、加熱部11が
所定の温度以上の時に複数のセル15a、15bを並列
に接続して該複数のセル15a、15bから加熱部11
に電力を供給するので、加熱部の温度変動を小さくする
ことができる。
【0092】また、実施形態1によれば、加熱部11が
所定の温度に達しない時に複数のセル15a、15bを
直列に接続して該セル15a、15bから加熱部11に
電力を供給するので、温度上昇を速くでき、温度変動を
小さくできる。
【0093】図5は本発明の実施形態2におけるキャパ
シタセルの各接続状態を示す。この実施形態2では、上
記実施形態1において、補助電源15は複数のキャパシ
タセル15a〜15fからなる大容量の電気二重層キャ
パシタが用いられている。1つのキャパシタセルの電圧
をVとすると、図5(a)に示すように3つずつのキャ
パシタセル15a〜15c、15d〜5fをそれぞれ直
列に接続したものを並列に接続した場合には補助電源1
5の出力電圧は3Vとなる。
【0094】また、図5(b)に示すように2つずつの
キャパシタセル15a,15b、15c,15d、15
e,5fをそれぞれ直列に接続したものを並列に接続し
た場合には補助電源15の出力電圧は2Vとなり、図5
(c)に示すように各キャパシタセル15a〜5fを並
列に接続した場合には補助電源15の出力電圧は1Vと
なる。
【0095】構成切替手段19は、温度センサ18から
の検知信号に基づいて、定着ローラ11の温度に応じて
キャパシタセル15a〜5fのつなぎ方を切替える。な
お、構成切替手段19は、キャパシタセル15a〜15
fのつなぎ方を図5(a)〜図5(c)の全ての構成に
切替える必要はなく、例えば図5(a)(b)の構成に
切替えるだけでもよい。
【0096】発熱部材11a、11bには、供給電力が
余りに低いと発熱しなくなる最低発熱電圧がある。この
ため、キャパシタセル15a〜5fのつなぎ方を図1、
図2に示すように単純に並列接続の列数と、直列接続の
個数とを変えると、発熱部材11a、11bが低電力供
給時に発熱しないことがある。この場合には、構成切替
手段19は、温度センサ18からの検知信号に基づい
て、定着ローラ11の温度に応じて(定着ローラ11の
温度が所定の温度に達したか否かにより)キャパシタセ
ル15a〜5fのつなぎ方を図5(a)の構成と図5
(b)の構成に切替えて(定着ローラ11の温度が所定
の温度に達しない場合にはキャパシタセル15a〜5f
のつなぎ方を図5(a)の構成に切替え、定着ローラ1
1の温度が所定の温度以上になった場合にはキャパシタ
セル15a〜5fのつなぎ方を図5(b)の構成に切替
えて)発熱部材11a、11bへの出力電圧を3V、2
Vというやや高めの電圧(変化が小さい電圧)とするこ
とにより、発熱部材11a、11bを発熱させながら定
着ローラ11の温度変化のムラを小さくできる画像形成
装置を実現する。
【0097】この実施形態2によれば、複数のセル15
a〜5fの並列接続の列数を可変にして複数のセル15
a〜5fの接続を可変する構成としたので、加熱部の温
度変動を小さくすることができる。
【0098】図6は本発明の実施形態3における定着装
置の回路構成を示す。この実施形態3では、上記実施形
態1において、当該画像形成装置の制御部は連続画像形
成枚数を計数してその連続画像形成枚数情報を保持して
いるが、この連続画像形成枚数情報が構成切替手段19
に送られる。構成切替手段19は、温度センサ18から
の検知情報の代りに上記制御部からの連続画像形成枚数
情報が入力され、キャパシタセル15a、15bのつな
ぎ方を連続画像形成枚数情報に応じて変えて発熱部材1
1a、11bへの供給電力を適切に制御する。
【0099】すなわち、定着ローラ11の温度は連続画
像形成枚数が増えるに従って低下していくため、構成切
替手段19は、連続画像形成枚数が増えるに従って発熱
部材11bへの供給電力が高くなるようにキャパシタセ
ル15a、15bのつなぎ方を切替える。例えば、構成
切替手段19は、連続画像形成枚数が所定の枚数に達し
ない場合にはキャパシタセル15a、15bのつなぎ方
を図2に示すように切替え、連続画像形成枚数が所定の
枚数以上になった場合にはキャパシタセル15a、15
bのつなぎ方を図1に示すように切替える。
【0100】この実施形態3によれば、被加熱体である
転写紙の連続加熱枚数情報(ここでは連続画像形成枚数
情報)を用いてキャパシタセルのつなぎ方を切替えるの
で、加熱部の温度変動を小さくすることができる。
【0101】また、実施形態1乃至実施形態3によれ
ば、被加熱体としての転写紙P上に画像を形成する像形
成手段(感光体1、帯電装置2、露光手段、現像手段
4、転写装置5)と、転写紙P上の画像を加熱する像加
熱手段とを有する画像形成装置において、前記像加熱手
段として上記加熱装置12を備えたので、画像のムラを
なくすことができ、出力品質を高くできる。
【0102】また、実施形態1乃至実施形態3によれ
ば、被加熱体としての転写紙P上に未定着画像を形成す
る像形成手段(感光体1、帯電装置2、露光手段、現像
手段4、転写装置5)と、転写紙P上の未定着画像を加
熱して転写紙Pに定着させる定着手段とを有する画像形
成装置において、定着手段として上記定着装置12を備
えたので、画像のムラをなくすことができ、出力品質を
高くできる。
【0103】図9は本発明の実施形態4における加熱装
置を示す。この実施形態4では、上記実施形態1におい
て、定着ローラ11の代りに定着ローラ21が用いら
れ、この定着ローラ21は芯金上に弾性層及び離型層が
順次に形成されて3層構造に構成される。図10は実施
形態4における定着装置12の回路構成を示す。主電源
14から発熱部材14aへの通電を制御する制御手段と
しての制御部22は、通電制御用スイッチ20及びはC
PUなどの制御装置からなり、温度センサ18からの検
知信号に基づいて、定着ローラ21の表面温度が設定温
度以下の時には通電制御用スイッチ20をオンさせて主
電源14から定着ローラ21の発熱部材11aへ電力を
供給させるが、定着ローラ21の表面温度が設定温度を
超えた時には通電制御用スイッチ20をオフさせて主電
源14から定着ローラ21の発熱部材11aへの電力供
給をオフさせることで、定着ローラ21の表面温度を一
定の温度に制御する。
【0104】補助電源15の充放電を切替える充放電切
替手段としての充放電切替部23は、補助電源15が十
分に充電されていない場合には比較的電力を消費しない
待機時などにスイッチ17を充電器16側に切替え、充
電器16がスイッチ17を介して補助電源15を充電す
る。また、充放電切替部23は、定着ローラ21の温度
を室温から作動温度(定着可能な温度)まで急激に上昇
させたい立ち上がり時など、定着ローラ21が多量の電
力を必要とする時には、スイッチ17を発熱部材11b
側に切替えて補助電源15からスイッチ17を介して発
熱部材11bへ電力を供給させる。
【0105】この実施形態4では、定着ローラ21の芯
金に弾性層を被覆したことにより、この弾性層の伸縮性
により定着ローラ21と転写紙P上のトナー層との密着
性を高くすることができ、光沢ムラの無い優れた画質を
得ることができる。また、定着ローラ21の弾性層の熱
伝導性が悪いことにより、主電源14から発熱部材11
aへの電力供給のみでは連続通紙時に定着ローラ21の
表面温度の落ち込みが生じた場合でも、補助電源15か
ら発熱部材11bへ電力を供給することにより、プロセ
ス速度を低下させることなく画像定着性を良好に保つこ
とができる。
【0106】定着ローラ21の芯金としては、鉄、アル
ミニウム、ステンレスなどの熱伝導性の高い金属を用い
ることができる。定着ローラ21の弾性層としては、耐
熱性の高い弾性体であればよく、シリコーンゴム、フッ
素ゴム等を挙げることができる。この中でも特に、耐熱
性と耐久性の点からシリコーンゴムが定着ローラ21の
弾性層として好ましい。定着ローラ21の弾性層の厚み
としては、用いる材料のゴム硬度にもよるが、0.1〜
1mm程度が好ましい。定着ローラ21の弾性層の厚み
が0.1mmより薄い場合にはトナー層や転写紙の凹凸
を吸収しきれず、光沢ムラなどの画像不良が生じる。ま
た、定着ローラ21の弾性層が1mmよりも厚いと定着
ローラ21の熱容量が大きくなり、立ち上がり時の時間
が長くなるので、好ましくない。
【0107】定着ローラ21の離型層としては、耐熱性
を有する樹脂が用いられ、例えば、フッ素樹脂、シリコ
ーン樹脂などが挙げられる。離型性や耐久性を考慮する
と、定着ローラ21の離型層は、特にフッ素樹脂が好ま
しく、PFA(パーフルオロアルキルビニールエーテル
共重合樹脂)、PTFE(ポリテトラフフルオロエチレ
ン)、FEP(四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共
重合樹脂)等のフッ素樹脂が使用できる。
【0108】定着ローラ21の離型層の厚みとしては、
好ましくは5〜30μmである。定着ローラ21の離型
層の厚みが5μm未満であると離型層の耐久性が低くな
り、定着ローラ21の離型層の厚みが30μmを越える
と離型層が硬くなり、光沢ムラ等の画質不良が現れる可
能性があり、共に好ましくない。定着ローラ21の離型
層は必ずしも必要では無いが、定着ローラ21の離型層
がある場合には、定着ローラと転写紙上のトナーとの分
離性が向上するので、定着ローラ21は離型層を備える
ことが好ましい。
【0109】このように実施形態4では、上記実施形態
1において、加熱部としての定着ローラ21が弾性層を
有するので、高画質化と高速化を両立させることができ
る。また、実施形態4では、弾性層の厚さが0.1mm
以上であるので、高画質を確保することができる。さら
に、実施形態4では、弾性層の最外層に離型層を設けた
ので、加熱部とトナー像との分離性を向上させることが
できる。
【0110】ところで、上記実施形態4では、定着ロー
ラ21の表面温度が所定の温度以下になると、定着ロー
ラ21から転写紙P上のトナーに熱を十分に与えられ
ず、着定不良が生じる。そこで、本発明の実施形態5
は、上記実施形態4において、充放電切替部23は、連
続通紙時(連続画像形成時)に温度センサ18からの検
知信号に基づいて定着ローラ21の表面温度が所定の温
度以下になったかどうかを判断し、定着ローラ21の表
面温度が所定の温度以下になった場合には、スイッチ1
7を発熱部材11b側に切替えて補助電源15からスイ
ッチ17を介して発熱部材11bへ電力を供給させ、定
着ローラ21の表面温度を着定不良が生じない温度範囲
に保持する。充放電切替部23は、補助電源15が十分
に充電されていない場合には比較的電力を消費しない待
機時などにスイッチ17を充電器16側に切替え、充電
器16がスイッチ17を介して補助電源15を充電して
おく。
【0111】この実施形態5のように主電源14から発
熱部材11aへの電力供給を通電制御用スイッチ20で
オン/オフして定着ローラ21の表面温度を制御しなが
ら大容量キャパシタを用いた補助電源15を使用する際
には、補助電源15から発熱部材11bへ大電力を一気
に供給するため、図4に示すように定着ローラ21の表
面温度が時間的に大きく変動しやすい。
【0112】定着装置12にて連続的な加熱動作を行っ
ている最中に主電源14の供給電力だけでは定着ローラ
21を加熱するための加熱部材11a、11bへの供給
電力が僅かに不充分である場合、補助電源15から加熱
部材11bへ急激に大電力を供給することは、定着ロー
ラ21の表面温度が通紙中に変化することにより画像品
質にムラができ、画質を低下させてしまうという不具合
がある。
【0113】そこで、構成切替手段19は、複数のキャ
パシタセル15a、15bのつなぎ方を変えて補助電源
15から加熱部材11bへの供給電力量を調整し、例え
ば温度センサ18からの検知信号に基づいて定着ローラ
21の表面温度をチェックして定着ローラ21の温度が
所定の温度に達しない初期加熱時のような状態では、図
1に示すようにキャパシタセル15a、15bを直列に
つないで発熱部材11bへの印加電圧を高電圧とし、発
熱部材11bに対して大電力を供給させる。
【0114】その後、構成切替手段19は、連続通紙時
(連続画像形成時)に定着ローラ21の表面温度が所定
の温度以上になって補助電源15から加熱部材11bへ
電力を供給するときには、図2に示すように複数のキャ
パシタセル15a、15bを並列につないで発熱部材1
1bへの印加電圧を下げ、発熱部材11bに対する供給
電力を小さくする。
【0115】このように実施形態5では、補助電源15
は複数のキャパシタセル15a、15bのつなぎ方を少
なくとも放電時に並列接続に変更することが可能であ
る。連続通紙時(連続画像形成時)における定着ローラ
21の表面温度の低下時のように定着ローラ21の表面
温度がある程度高い場合には複数のキャパシタセル15
a、15bを並列に接続することにより、発熱部材11
bへの印加電圧を下げて発熱部材11bに対する供給電
力を小さくすることができる。これにより、補助電源1
5から加熱部材11bへの供給電力をオン/オフ制御し
ても定着ローラ21の表面温度の変化が緩やかになって
定着ローラ21の表面温度の時間的な変化が小さくな
り、画像の定着装置12による加熱ムラが小さくなって
高品質な画像形成が可能になる。
【0116】この実施形態5では、被加熱体である転写
紙Pが定着装置12を連続的に通過する連続通紙時(連
続画像形成時)に加熱部としての定着ローラ21の表面
温度が所定の温度以下になった場合に補助電源15から
発熱部材11bへ電力を供給するので、連続通紙時(連
続画像形成時)の加熱部の温度落ち込みを防止し、高速
化を図ることができる。
【0117】また、実施形態5では、補助電源15は複
数のキャパシタセル15a、15bを備え、その接続を
可変としたので、補助電源15から発熱部材11bへの
供給電力量を最適化することができる。また、実施形態
5では、補助電源15の放電時にはキャパシタセル15
a、15bを並列に接続するので、加熱部としての定着
ローラ21の温度の安定性を向上させることができる。
【0118】定着ローラ21の表面温度低下量は、転写
紙Pの種類に依存するが、連続通紙枚数(連続画像形成
枚数)によりほぼ決まる。そこで、本発明の実施形態6
では、上記実施形態4において、充放電切替部23は、
連続通紙時(連続画像形成時)に当該画像形成装置の制
御部にて計数した連続画像形成枚数の情報に基づいて連
続画像形成枚数が所定の枚数以上になったかどうかを判
断し、連続画像形成枚数が所定の枚数以上になった場合
には、スイッチ17を発熱部材11b側に切替えて補助
電源15からスイッチ17を介して発熱部材11bへ電
力を供給させ、定着ローラ21の表面温度を定着不良が
生じない温度範囲に保持することで、速度を低下させな
くても定着性を良好に保つ。ここで、所定の枚数は、主
電源14からの投入電力、定着ローラ21の構成(特に
熱容量、熱伝動率)、プロセス、転写紙の搬送間隔(距
離)、転写紙の種類などにより決められる。充放電切替
部23は、補助電源15が十分に充電されていない場合
には比較的電力を消費しない待機時などにスイッチ17
を充電器16側に切替え、充電器16がスイッチ17を
介して補助電源15を充電しておく。
【0119】また、充放電切替部23は、複数のキャパ
シタセル15a、15bのつなぎ方を変えて補助電源1
5から加熱部材11bへの供給電力量を調整し、例えば
温度センサ18からの検知信号に基づいて定着ローラ2
1の表面温度をチェックして定着ローラ21の温度が所
定の温度に達しない初期加熱時のような状態では、図1
に示すようにキャパシタセル15a、15bを直列につ
ないで発熱部材11bへの印加電圧を高電圧とし、発熱
部材11bに対して大電力を供給させる。
【0120】その後、充放電切替部23は、連続通紙時
(連続画像形成時)に定着ローラ21の表面温度が所定
の温度以上になって補助電源15から加熱部材11bへ
電力を供給するときには、図2に示すように複数のキャ
パシタセル15a、15bを並列につないで発熱部材1
1bへの印加電圧を下げ、発熱部材11bに対する電力
供給を小さくする。
【0121】この実施形態6では、被加熱体である転写
紙Pが定着装置12を連続的に通過する枚数(連続画像
形成枚数)が所定の枚数になった場合に補助電源15か
ら発熱部材11bへ電力を供給するので、連続通紙時
(連続画像形成時)の加熱部の温度落ち込みを防止し、
高速化を図ることができる。
【0122】本発明の実施形態7は、上記実施形態2に
おいて、定着ローラ11の代りに上記実施形態4におけ
る加熱ローラ21を用いるようにしたものである。この
実施形態7によれば、補助電源15の少なくとも放電時
には複数のキャパシタセル15a〜5fを発熱部材11
bの印加電圧が発熱部材11bの最低発熱電圧以上にな
るように接続するので、発熱部材11bの印加電圧は発
熱部材11bの最低発熱電圧を確保して発熱部材11b
を確実に発熱させることができる。本発明の実施形態8
は、上記実施形態3において、定着ローラ11の代りに
上記実施形態4における加熱ローラ21を用いるように
したものであり、実施形態4と同様な効果が得られる。
【0123】次に本発明の実施例1について説明する。
この実施例1では、上記実施形態4において、定着ロー
ラ21は、外径40mm、厚さ1mmの鉄製の中空円筒
状芯金に、弾性層としてシリコーンゴムを厚さ0.5m
mに形成し、その上に表面の離型性を高めるために厚さ
30μmのPFA層を設けて構成した。加圧ローラ13
は、外径が40mmであり、アルミニウム製の芯金の外
周に厚さ3mmのシリコーンゴムの弾性層を設けた。こ
の加圧ローラ13は、定着ローラ21の回転軸方向にバ
ネを用いて荷重がかけられており、定着ローラ21との
ニップ部の幅が約8mmであった。発熱部材11aは9
00Wの主ヒータを用い、発熱部材11bは500Wの
補助ヒータを用いた。主ヒータ11aのみで定着ローラ
21を加熱し、定着装置12に連続通紙を行ったとこ
ろ、次第に定着ローラ21の表面温度が低下したので、
定着ローラ21の表面温度が165℃まで低下したとこ
ろで、補助電源15から補助ヒータ11bへの電力供給
を行った。その結果、定着ローラ21の表面温度は回復
し、線速を低下させることなく、定着性を良好に保つこ
とができた。
【0124】次に比較例1について説明する。比較例1
は、実施例1において、補助電源15を用いないように
したもので、連続通紙により定着ローラ21の表面温度
が160℃以下に低下し、定着不良が生じた。定着ロー
ラ21の表面温度を定着不良が生じない温度に保つに
は、線速を低下させなければならなかった。
【0125】次に本発明の実施例2について説明する。
実施例2は、実施形態7において、定着ローラ21及び
発熱部材11a,11bは実施例1と同様であり、複数
のキャパシタセル15a〜5fを図5(b)に示すよう
につないで補助ヒータ11bに電力供給を行った。主ヒ
ータ11aのみで定着ローラ21を加熱し、定着装置1
2に連続通紙を行ったところ、次第に定着ローラ21の
表面温度が低下したので、定着装置12に130枚通紙
したところで、補助電源15から補助ヒータ11bへの
電力供給を行った。その結果、定着ローラ21の表面温
度は緩やかに回復し、線速を低下させることなく、定着
性を良好に保つことができた。
【0126】次に比較例2について説明する。比較例2
は、実施例2において、補助電源15を用いないように
したもので、連続通紙で135枚目に定着不良が生じ
た。次に比較例3について説明する。比較例3は、実施
例2において、複数のキャパシタセル15a〜5fを図
5(c)に示すようにつないで補助ヒータ11bに電力
供給を行った。この比較例3では、補助ヒータ11bの
印加電圧が補助ヒータ11bの最低発熱電圧以下とな
り、補助ヒータ11bは発熱せず、定着装置12への連
続通紙により定着ローラ21の表面温度がさらに低下
し、定着不良が生じた。
【0127】次に実施例3について説明する。実施例3
は、実施形態7において、定着ローラ21は、外径40
mm、厚さ3mmのアルミニウム製の中空円筒状芯金
に、弾性層としてシリコーンゴムを厚さ0.3mmに形
成し、その上に表面の離型性を高めるために厚さ30μ
mのPFA層を設けて構成した。加圧ローラ13は、外
径が40mmであり、アルミニウム製の芯金の外周に厚
さ3mmのシリコーンゴムの弾性層を設けた。この加圧
ローラ13は、定着ローラ21の回転軸方向にバネを用
いて荷重がかけられており、定着ローラ21とのニップ
部の幅は約8mmであった。発熱部材11aは900W
の主ヒータを用い、発熱部材11bは500Wの補助ヒ
ータを用いた。複数のキャパシタセル15a〜5fは図
5(b)に示すようにつないで補助ヒータ11bに電力
供給を行った。主ヒータ11aのみで定着ローラ21を
加熱し、定着装置12に連続通紙を行ったところ、次第
に定着ローラ21の表面温度が低下したので、定着ロー
ラ21の表面温度が165℃まで低下したところで、補
助電源15から補助ヒータ11bへの電力供給を行っ
た。その結果、定着ローラ21の表面温度は緩やかに回
復し、線速を低下させることなく、定着性を良好に保つ
ことができた。また、定着後の画像は光沢ムラやザラツ
キが無く、画質が良好であった。
【0128】次に、本発明の実施形態9について説明す
る。この実施形態9では、上記実施形態1において、定
着装置の回路構成が図11に示すようになっている。図
11において、24は本実施形態の設置場所に備えられ
ているコンセントなどに接続されることで商用電源から
の交流電力を出力する主電源、25は補助電源、26は
充電器、27は補助電源25の充放電を切替える充放電
切替手段、28は主電源24から主発熱部材11aへの
電力供給を制御する主電力制御手段である。
【0129】主発熱部材11aは、主電源24から主電
力制御手段28を介して電力が供給されて発熱する。補
助発熱部材11bは補助電源25から電力が供給される
ことにより発熱する。充電器26が主電源24からの交
流電力を直流電力に変換して充放電切替手段27を介し
て補助電源25に印加することにより、補助電源25が
充電され、充放電切換手段27が充電器26側から補助
発熱部材11b側に切り替えられることにより、補助電
源25から補助発熱部材11bへ電力が供給される。
【0130】このように、主発熱部材11a、補助発熱
部材11bに対して主電源24と補助電源25から別系
統で電力が供給されることで、回路の簡素化とコストの
低減が可能である。これを図13に示すように1系統に
した構成例の定着装置と本実施形態9の定着装置とを比
較するに、図13に示す定着装置は主電源24及び補助
電源25からの電力を1つの発熱部材11cに供給して
熱に変換する構成である。
【0131】しかし、この定着装置では、主電源24か
らの電力をA/D変換部29でA/D変換して主電力制
御手段28及び切替スイッチ30を介して発熱部材11
cに供給することが必要になり、補助電源25から充放
電切替手段27及び切替スイッチ30を介して発熱部材
11cへ電力が供給される。このため、構成が複雑化す
ると共にコストが上昇し、さらに、A/D変換部29で
の変換効率によって供給電力が低下してしまうという課
題がある。従って、定着装置は図11に示す2系統の構
成が望ましい。
【0132】本実施形態9において加熱部としての加熱
ローラである定着ローラ11は発熱部材11a、11b
を有している。発熱部材11a、11bとしては、ハロ
ゲンヒータや、セラミック基盤上に形成された発熱体が
電力供給によって発熱するセラミックヒータ、金属抵抗
薄膜などを基体状に形成した薄膜抵抗体などが用いられ
る。
【0133】本実施形態9は、主電源部24から主電力
制御手段28を介して供給される電力により発熱する主
発熱部材11a、及び補助電源25から充放電切替手段
27を介して供給される電力により発熱する補助発熱部
材11bを有し、加熱ローラ1の表面温度を所定温度ま
で上昇させることができる。
【0134】本実施形態9では、発熱部材11a、11
bとしてハロゲンヒータを用いている。ハロゲンヒータ
は、ハロゲンランプから照射される光を熱として利用し
たものであり、タングステンからなるフィラメントが蒸
発しても、ガラス中に封止されたハロゲンガスと反応し
てフィラメントに戻るハロゲンサイクルにより長寿命で
あるという特徴を持つ。
【0135】主電源24は、本実施形態9の設置場所付
近に備えられているコンセントなどとつながれて商用電
源からの交流電力を出力するものであり、日本では商用
電源として100Vの電圧電源が通常多く用いられる。
さらに、1回路は15A程度の電流容量でブレーカが落
ちることが多く、最大で1500Wという電力の上限が
ある。主電源24は、単純に主電力制御手段28を介し
て発熱部材11aと接続するだけでなく、加熱部材11
aに応じた電圧の調整及び交流と直流の整流や電圧の安
定化などの機能を有していてもよい。
【0136】補助電源25は充放電可能な電源であり、
本実施形態では補助電源25に大容量コンデンサである
電気二重層キャパシタを用いている。コンデンサは、二
次電池と異なり化学反応を伴わないために上述のような
優れた特徴(1)〜(3)を有し、さらに短時間で放電
するという優れた特徴を有する。大容量のコンデンサ
は、短時間で放電して電力を使い切ることができ、電圧
も放電量に応じて徐々に低下していく。
【0137】本実施形態9では、500F、2.5Vの
キャパシタセルを複数個直列につないで補助電源25と
して補助発熱部材11bへの電力供給に用いている。こ
れにより、補助電源25は、補助発熱部材11bへ電力
を数秒から数十秒供給するのに十分な容量を備えている
ことを確認している。また、補助電源25は、電気二重
層キャパシタ以外にもレドックスキャパシタやシュード
キャパシタなどの名称で呼ばれている大容量キャパシタ
を用いてもかまわない。
【0138】本実施形態9では、主電源24から主電力
制御手段28を介して発熱部材11aへ電力が供給され
るとともに、発熱部材11bに対しても補助電源25か
ら充放電切替手段27を介して電力を供給することが可
能である。主電源24及び補助電源25の両方から電力
を同時に加熱ローラ11内の発熱部材11a、11bに
供給することで、主電源24による供給電力を上回る大
量の電力を加熱ローラ11内の発熱部材に供給すること
ができる。
【0139】このため、図12に示すように加熱ローラ
11の温度が定着可能な温度まで上昇する時間は、主電
源24のみを用いるより、主電源24と補助電源25を
同時に用いた方が短くすることができる。そして、補助
電源25は、所定の時間放電すると電力供給量が低下し
ていくため、自動的に電力を遮断する安全装置を備えて
いるような動作をする。このため、主電源24と補助電
源25を用いる定着装置では、単純に主電源24の電力
を増やす構成よりも格段に安全に昇温時間を短縮させる
ことが可能である。
【0140】図14は本実施形態9の動作例を示す。本
実施形態9は、上述のように高速昇温が可能であり、補
助電源25の充電時間が短い。電気二重層キャパシタな
どの急速充電が可能な大容量コンデンサ等からなる補助
電源25が十分に充電されていない時、例えば朝一番に
本実施形態9の電源を投入する朝一昇温時には、主電源
24からのみ加熱部材11aへ電力を供給する。そし
て、加熱部材11aの温度を高くする必要がない待機状
態では、主電源24から充電器26及び充放電切替手段
27を介して補助電源25へ電力を供給して補助電源2
5を充電しておく。
【0141】次に、加熱ローラ11の温度を昇温する時
など、多量の電力を必要とするときには、主電源24及
び補助電源25から主電力制御手段28及び充放電切替
手段27を介して同時に発熱部材11a、11bへ電力
が供給され、発熱部材11a、11bに投入されるトー
タルの電力が主電源24だけの電力供給時よりも多く供
給されることで、短時間で加熱ローラ11の温度が上昇
する。このように、補助電源25としてコンデンサを用
いることにより、二次電池では得られなかった効果を得
ることができる。
【0142】例えば、従来30秒で所定温度まで昇温可
能であった加熱ローラについて説明する。従来の加熱ロ
ーラとして直径50mmで肉厚0.7mmの鉄製定着ロ
ーラを用いる場合、約180℃の所定の温度まで加熱ロ
ーラの温度を上げるのに、従来の定着装置で加熱部材と
して通常用いられる1200wのハロゲンヒータでは約
30秒で上記加熱ローラを昇温させることができた。
【0143】また、補助電源としての電気二重層キャパ
シタを高電圧に充電し、供給電流が12Aに制限された
発熱部材を使用する例を説明する。ハロゲンヒータは、
最大電流が制限される。このため、電気二重層キャパシ
タを50Vに充電した場合には電気二重層キャパシタか
ら12A×50Vすなわち600wの電力を取り出せ
る。商用電源の1200wと同時に補助電源の600w
の電力をハロゲンヒータに供給した場合は、ハロゲンヒ
ータに対して1800wの電力を供給することになり、
従来30秒であった加熱ローラの昇温時間が約20秒に
短縮された。
【0144】しかし、2.5Vに充電可能なキャパシタ
セルを複数個直列に接続してこれを50Vに充電してハ
ロゲンヒータへの電力供給に使用する場合には、電気的
な安全上の問題がある。すなわち、画像形成装置内に約
50Vの高圧電源を有しているため、使用者あるいは保
守点検作業者が装置内部へアクセスする際に、高電位の
端子部に触れてしまった際に感電してしまうおそれがあ
る。
【0145】(社)日本電気協会の発行している「電気
工事士教科書」によると、キャパシタなどの直流電源で
は、約3.5mA程度の電流の感電で「少しちくちく」
し、6mA程度の感電で「苦痛を伴わないショック」が
あるとされている。人間の抵抗が5〜10kΩであるた
め、人間は上述の感電でそれぞれ18〜35V、30〜
60Vで電撃を受ける可能性があるとされている。この
ため、上記構成で2.5Vに充電可能なキャパシタセル
を20個直列に接続してこれを50Vに充電した場合に
は、50Vに充電したコンデンサは誤って触れた使用者
に対して感電のショックを与えてしまうことになる。
【0146】本実施形態9では、補助電源25の端子間
に電気的負荷である抵抗体31が選択的接続手段として
の切換手段32を介して接続され、通常は切換手段32
が解放状態になっている。所定の指示動作により切換手
段32が閉成状態になると、補助電源25の端子間に抵
抗体31が接続され、補助電源25から抵抗体31へ電
力が供給されて補助電源25の電圧が降下する。抵抗体
31の代りにフィン等の電気的負荷を取り付け、この電
気的負荷で発生した熱を効率よく放熱して破損すること
のない構成としても良い。
【0147】切換手段32に対する指示は、例えば従来
から設置されている筐体(補助電源25などが該筐体に
収納される)のカバーの開閉検知スイッチなどのアクセ
ス検知手段(使用者及び保守作業者の装置内部アクセス
を検知する検知手段)と切換手段32とが連動すること
でなされ、筐体を開けることでアクセス検知手段が動作
してそのアクセス検知信号により切換手段32が閉成状
態に切り替わり、補助電源25から抵抗体31へ電力が
供給される。切換手段32に対する指示は、このほか、
補助電源3により電位が高くなっている端子へ使用者及
び保守作業者がアクセスする際に開閉する部材の開閉ス
イッチなどのアクセス検知手段によりなされ、使用者及
び保守作業者が高電位部にアクセスする際には自動的に
切換手段32に対する放電の指示としてアクセス検知手
段の検知信号が発生する構成としてもよい。
【0148】本実施形態9では、13Ω程度の抵抗体3
1を用いており、補助電源25の電圧を切換手段32の
閉成で抵抗体31に放電させると、約2.5分で50V
から30Vに低下させることができ、補助電源25の電
力供給端子の電圧を人間がショックのある電撃を受けな
いレベルにまで下げることができる。また、使用者及び
保守作業者は、補助電源25から抵抗体31への放電を
意識的に指示しなくてもよいため、うっかり忘れて感電
することがなく、安全上から望ましい。このように本実
施形態9によれば、補助電源の出力電圧を、誤って人が
触れても感電しない電圧に下げることで感電を防止で
き、安全性が高い。また、作業者の装置内部へのアクセ
スを自動的に検知して電圧を強制的に低減することがで
き、感電のおそれが少ない安全な加熱装置を実現でき
る。さらに、200V以下では、直流は交流よりも人体
を流れにくく、約4倍の安全性があるため、同じ電圧で
同じ電力供給性能を有していながら、安全性がより高い
補助電源を実現することができる。
【0149】図15は、本発明の実施形態10における
定着装置の回路構成を示す。この実施形態10では、上
記実施形態9において、補助電源25に充放電切換手段
27及び切換手段32を介してDC/ACコンバータ3
3の入力側が接続され、このDC/ACコンバータ33
の出力側が発熱部材11bに接続される。抵抗体31は
省略される。切換手段32は、上記実施形態9とは逆
に、通常は閉じており、筐体(補助電源25などが該筐
体に収納される)のカバーの開閉検知スイッチなどのア
クセス検知手段による所定の指示動作により閉成状態に
なる。
【0150】直流電源である補助電源25からの直流電
力は、充放電切換手段27及び切換手段32を介してD
C/ACコンバータ33により交流電力に変換され、補
助発熱部材11bに供給される。DC/ACコンバータ
33は、補助電源25の出力に対して昇圧もしくは降圧
など電圧を変更したり、単純にDC/AC変換をするこ
とができ、特に変圧に関する機能は問わない。ここで
は、DC/ACコンバータ33は、補助電源25からの
50Vの直流電圧を50Vの交流電圧に変換する。補助
発熱部材11bに対する電力供給をオン/オフする切換
手段32は、DC/ACコンバータ33の入力側のDC
回路に設置され、図16に示すような定着装置の比較例
3ではDC/ACコンバータ33の出力側のAC回路に
設置されている。
【0151】以下本実施形態10の作用と効果を説明す
る。ここでは、切換手段32がオフになった停止状態で
の各部の電位を考える。本実施形態10のようにDC回
路に切換手段32が設けられている場合には、使用者や
保守作業者が回路に触れて50Vの高電位で感電するの
はDC回路側の各部である。AC回路では、DC/AC
コンバータ33に電力が供給されていないために電位が
0となっており、感電することはない。
【0152】上記比較例3のようにAC回路に切換手段
32が設けられている場合には、使用者や保守作業者が
回路に触れて50Vの高電位で感電するのはAC回路の
各部及びDC回路の各部である。すなわち、本実施形態
10及び比較例3ともに50Vの直流電圧での感電のお
それはあるが、本実施形態10では50Vの交流電圧で
の感電のおそれはない。
【0153】(社)日本電気協会の発行している「電気
工事士教科書」によると、同じ電圧でも直流と交流で感
電への危険性が異なり、交流は直流の約4倍の危険性が
ある事が明らかにされている。直流電源では、図20に
示すように約3.5mA程度の電流で「少しちくちく」
し、6mA程度で「苦痛を伴わないショック」があるの
に対し、交流電源では、約3.5mA程度の電流では
「苦痛を伴わないショック」を充分に受け、6mA程度
では「苦痛を伴うショック」になる。
【0154】人間は、抵抗が5〜10kΩであるため、
それぞれ18〜35V、30〜60Vで電撃を受ける可
能性があるが、その危険性が交流では約4倍程度危険に
なる。このため、本実施形態10では、人間が電撃を受
けてしまった場合でも直流による電撃を受けたことにな
り、人体に対する安全性を高めることが可能となる。
【0155】このように本実施形態10によれば、20
0V以下では、直流は交流よりも人体を流れにくく、約
4倍の安全性があるため、同じ電圧で同じ電力供給性能
を有していていながら、安全性がより高い補助電源を実
現することができる。
【0156】図17は本発明の実施形態11における定
着装置の回路構成を示す。この実施形態11では、上記
実施形態9において、補助電源25を放電させるための
電気的負荷を抵抗発熱体である補助発熱部材11bにし
ている。補助発熱部材11bは、ハロゲンヒータを用い
ており、600wの出力が可能である。
【0157】補助発熱部材11bは、上記実施形態9の
単なる抵抗体31に比較して大電力での放電が可能であ
るため、短時間で補助電源25の電圧を低下させること
が可能である。例えば600wの補助電源25では、約
1分程度で50Vから30Vに降圧でき、補助電源25
の降圧に必要な放電時間を1/3程度に短縮することが
できる。さらに、補助電源25の1200w出力が可能
である場合には、30秒で補助電源25の降圧が可能で
ある。
【0158】本実施形態11では、補助電源25を放電
させる電気的な負荷として補助発熱部材11bを用いる
ことで、発熱に対する対策が最小限で済む利点もある。
もともと補助発熱部材11bは高温になることを想定し
て設計されており、補助発熱部材11bが高温になって
もこれを冷却をするための装置は最低限で済ませること
ができる。
【0159】本実施形態11において50V、25Fの
補助電源25を単体で放電させた場合には、最大でも約
120℃まで加熱ローラ11の温度を上昇させるため、
特に温度制御を入れる必要もなく熱的には安全な放電が
可能であった。これにより、装置が複雑になることな
く、安全な加熱装置を実現が可能である。
【0160】そして、保守作業員が能動的に補助電源2
5の放電のオン/オフ動作を指示する様になっている。
例えば、複写機の操作パネルには保守作業員だけが設定
可能な特殊な設定画面モードが備えられていることが多
く、本実施形態11でも同様である。本実施形態11で
は、保守作業員が内部の装置にアクセスして補助電源2
5の高電圧端子に触れる可能性がある作業をする際に
は、その特殊な設定画面モードにおいて、保守作業員が
能動的に補助電源25の電圧を低下させ、つまり、充放
電切換手段27を発熱部材11b側に切り替えさせて補
助電源25から発熱部材11bへ放電させることで補助
電源25の電圧を低下させる。これにより、高電圧にな
る端子に対する安全性が通常の作業で充分に保持されて
いる場合などには、補助電源25の無駄な放電を押さえ
ることが可能になる。
【0161】このように本実施形態11によれば、感電
を防止でき、安全性が高い。抵抗体は、許容できる電力
が小さいために放電時間が長く、作業者が短時間で内部
にアクセスした際には、まだ充分に補助電源25の電圧
が低下していない場合がある。しかし、補助電源25を
放電させるための電気的負荷を抵抗発熱体である発熱部
材11bにすることで電気的負荷の抵抗値を小さくして
補助電源25の放電時間を短くすることができる。この
ため、短時間で補助電源25の電圧を降下させることが
でき、安全な装置を提供することができる。
【0162】また、使用者が不用意にアクセスできず危
険度の低い状況に補助電源を設置している場合は、扉の
開閉など内部へのアクセスを検知しただけで補助電源が
放電してしまうと電力が無駄になるとともに、その後の
立ち上げに時間がかかり使用者の利便性が損なわれる。
しかし、保守作業員が保守作業を実施する際に能動的に
行う動作に対して補助電源25の電圧を低減させること
により補助電源25の無駄な放電動作をなくし、エネル
ギー消費を少なくでき、使用者の使い勝手の良い装置を
提供できる。なお、補助電源25の容量によっては、補
助電源25を完全に放電させても加熱ローラ11が180
℃を越えることがないため、記録紙の発熱は心配ない。
【0163】図18は本発明の実施形態12における定
着装置の回路構成を示す。この実施形態12では、上記
実施形態9において、補助電源25を放電させる電気的
な負荷として抵抗体31の代りにモータ34を用いてい
る。これにより、装置内部の発熱を押さえながら補助電
源25の電圧を降下させることが可能である。
【0164】このように実施形態12によれば、エネル
ギーを電気的な発熱以外で消費するため、装置の部材温
度を上げずに補助電源から放電させることが可能であ
る。このため、記録紙詰まりで装置内部に記録紙が残っ
ていたとしても、記録紙温度を上昇させることなく補助
電源の電圧を降下させることが可能である。補助電源2
5を放電させる電気的な負荷として抵抗体を用いた場合
に比較して発熱を格段に小さくできるため、記録紙等が
定着装置等の内部に残っていても、記録紙発火点(約3
00℃)を超えるような温度上昇がなく、発火に対して
安全な装置を提供することができる。
【0165】図19は本発明の実施形態13における補
助電源を示す。この実施形態13では、上記実施形態9
において、補助電源25は複数のキャパシタセル25
1,252、253,254をそれぞれ直列に接続した
複数の補助電源モジュール25a、25bを切換手段3
2を介して直列に接続して構成される。ただし、補助電
源モジュール25a、25b内に保有しているキャパシ
タセル251,252、253,254は、1つでも複
数でもよく、また、並列に接続されていてもかまわな
い。
【0166】補助電源モジュール25a、25bは、切
換手段32を介して直列に接続され、発熱部材11bに
対して大電圧を供給するが、所定の指示により切換手段
32が補助電源モジュール25a、25bの接続を切り
離してその一方のみを発熱部材11bに接続されること
でその一方の補助電源モジュールから発熱部材11bに
電圧が供給される。切換手段32は、通常は補助電源モ
ジュール25a、25bを直列に接続しており、筐体
(補助電源25などが該筐体に収納される)のカバーの
開閉検知スイッチなどのアクセス検知手段により所定の
アクセス動作で補助電源モジュール25a、25bの接
続を切り離してその一方のみを発熱部材11bに接続す
る。
【0167】本実施形態例13では、例えば500F、
2.5Vのキャパシタセルを10個直列に接続して25
Vの補助電源モジュールとし、さらにこの補助電源モジ
ュールを2つ切換手段32を介して直列にすることで5
0Vの補助電源とする。補助電源モジュール25a、2
5b内部のキャパシタセルは特に切り離すことができな
いが、補助電源モジュール25a、25b同士は切換手
段32により任意に接続を切り離してその一方のみを発
熱部材11bに接続することが可能である。
【0168】この様な構成にすることで、保守作業員や
使用者が画像形成装置内部にアクセスする際には、補助
電源モジュール25a、25bを切り離してその一方の
みを発熱部材11bに接続する動作が可能になる。すな
わち、補助電源25から発熱部材11bに電力を供給す
る際には、50Vであった補助電源25の端子電位は、
補助電源モジュール25a、25bを切換手段32によ
り切り離してその一方のみを発熱部材11bに接続した
際には半分の25Vに低下することになり、感電の危険
のない電位に瞬時に下げることができる。
【0169】この場合、補助電源25の50Vの端子電
位は、2つに等分割しているが、3つ以上にわけて一個
あたりの補助電源モジュール電圧をさらに低くしても良
いし、20Vと30Vの様に異なる補助電源モジュール
電圧にしても良い。以上のような方式によれば、リチウ
ムイオン電池などの様な放電しても電圧の低下が起きな
い、キャパシタ以外の電池系の補助電源を用いても安全
な構成をとることが可能である。
【0170】このように本実施形態13によれば、補助
電源25を複数の補助電源モジュールに分けることで、
高い全電圧を複数の低い電圧の補助電源モジュールに分
けることが可能である。これにより、補助電源の電力出
力端子における電圧を降下させることができ、感電のお
それがなく安全に作業ができる装置を実現可能である。
この際に補助電源の放電を伴わないため、安全な状態に
する時間が短く、電力のロスがない。また、キャパシタ
以外のリチウムイオン電池や燃料電池など放電しても電
圧が低下しない電池系を補助電源25として用いても、
感電のおそれがない安全に作業ができる装置を実現可能
である。
【0171】図21は本発明の実施形態14における定
着装置の回路構成を示す。この実施形態14では、上記
実施形態9において、抵抗体31及び切換手段32が省
略され、昇圧手段35が設けられる。この昇圧手段35
の入力側は充放電切替手段27を介して補助電源25に
接続され、昇圧手段35の出力側は発熱部材11bに接
続される。
【0172】補助電源25は例えば1300F、2.5
Vのキャパシタセルを複数個直列に接続して構成され
る。補助電源25からの電力は、充放電切替手段27を
介して昇圧手段35により昇圧され、発熱部材11bに
供給される。図22は本実施形態14の動作例を示す。
本実施形態14は、加熱ローラ11の高速昇温が可能で
あり、補助電源25の充電時間が短い。電気二重層キャ
パシタなどの急速充電が可能な大容量コンデンサ等から
なる補助電源25が十分に充電されていない朝一番に電
源(主電源24)を投入する朝一昇温時には、商用電源
からのみ発熱部材11aへ電力が供給される。そして、
加熱ローラ11の温度を高くする必要がない待機状態で
は、主電源24から充電器26、充放電切換手段27を
介して補助電源25へ電力を供給して充電をしておく。
【0173】そして、次に加熱ローラ11の温度を昇温
する時など、多量の電力を必要とするときには、主電源
24から主電力制御手段28を介して発熱部材11aへ
電力が供給されると同時に補助電源25から充放電切替
手段27及び昇圧手段35を介して発熱部材11bへ電
力が供給され、加熱部材に投入されるトータルの電力が
主電源24からの電力だけの時よりも多く供給されるこ
とにより、短時間で加熱ローラ11の温度が上昇する。
【0174】キャパシタを補助電源25として用いた際
には重要な特徴として補助電源25の所定の電力を使い
果たしてしまうという事が挙げられ、これにより安全に
加熱ローラ11の短時間昇温を実現する構成を提供する
ことができる。加熱ローラに供給する電力を単純に増や
す方法としては、電源を2系統にして電力を増やした
り、二次電池や燃料電池などを使うことも考えられる。
これらの方法では、システムが暴走した際には温度ヒュ
ーズやサーモスタットなどの安全回路で電源回路を直接
に遮断して電力供給を終了させる安全装置が欠かせない
が、加熱ローラの昇温時間が短くなるとこれら安全回路
の反応時間が遅くて加熱ローラの昇温速度に追いつかな
くなる。このため、安全回路が作動する頃には加熱ロー
ラの温度が高くなり過ぎ、最悪の場合には記録紙が発火
してしまうこともありうる。
【0175】しかし、補助電源としてキャパシタを用い
た構成では、システムが暴走して制御がきかなくなりキ
ャパシタから発熱部材への電力供給が続いても、キャパ
シタの所定の電力を使い果たしてしまうと発熱部材の発
熱が終了し、加熱ローラの温度上昇は自然にストップし
てくれる。このため、キャパシタを補助電源として用い
ることで、安全に加熱ローラの昇温時間の短縮を実現す
ることができる。
【0176】このように、定着装置の補助電源としてコ
ンデンサを用いることにより、二次電池では得られなか
った効果を得ることができる。例えば、従来10秒で所
定温度まで昇温可能であった加熱ローラの昇温について
説明すると、加熱ローラとして直径30mmで肉厚1m
mのアルミ製定着ローラを用いた場合、加熱ローラの温
度を約180℃まで上げるのに必要な熱量は約1200
0Jである。従来の定着装置で通常用いられるハロゲン
ヒータは、100Vの電圧で約1200Wの電力を供給
することが可能であるため、約10秒で上記加熱ローラ
を昇温させることができた。
【0177】1300F、2.5Vのキャパシタを複数
個直列に接続した電気二重層キャパシタを補助電源とし
て用いた場合における加熱ローラ11の昇温について説
明すると、本実施形態14において、図23に示すよう
に昇圧手段35を用いず、補助電源25の電気二重層キ
ャパシタを50Vの高電圧にして発熱部材11bとして
最大電流が12Aに制限されるハロゲンヒータを用いた
構成の定着装置では、電気二重層キャパシタから600
wの電力を取り出すことができ、この600wと商用電
源の1200wにより加熱ローラ11に対して1800
wの電力を供給することになり、従来10秒であった加
熱ローラ11の昇温時間を約6秒に短縮可能である。
【0178】しかし、この着定装置では、昇圧手段35
を用いないので、補助電源25において2.5Vのキャ
パシタセルを50Vにして使用するには、約20個のキ
ャパシタセルを直列に接続する必要がある。このとき、
補助電源25の保持するエネルギーは80000J程度
となる。しかし、加熱ローラ11の温度を上昇させるの
に必要な熱量は、その1/6にすぎず、キャパシタセル
3個を直列にするだけのエネルギーで十分である。さら
に、10秒間600Wの電力を加熱ローラ11に供給す
る場合には、補助電源25から6000J程度の電力し
か取り出していない。これは、補助電源25の保有する
エネルギー80000Jの約8%弱である。
【0179】このように、単純にキャパシタセルを複数
個直列に接続して電圧を高くしこれを補助電源として用
いる構成の定着装置では、単に補助電源の電圧を上げる
だけで余分なキャパシタセルが必要となるとともに、そ
の保有する電気エネルギーを加熱ローラ11の昇温時に
短時間に取り出すことが困難となり、補助電源のキャパ
シタセルが増えて体積が大きくなりコストも上昇する。
【0180】次に、補助電源の電気二重層キャパシタか
らの電力を昇圧手段を用いて昇圧した電力を発熱部材に
供給して使用する定着装置においては、昇圧手段ではI
GBT素子などを用いて低電圧・大電流の補助電源から
の電力を高電圧・低電流に昇圧する事が可能である。例
えば、本実施形態14のように2.5Vのキャパシタセ
ル8個を直列に接続して20Vの補助電源を構成し、こ
の補助電源の出力が20Vで60Aとすると1200W
の電力が補助電源から得られるが、これは昇圧手段35
を用いて100Vで12Aにする事ができる。補助電源
のキャパシタの保持する電力としては、8個のキャパシ
タセルで32500Jになるため、1200Wを10秒
使うと単純計算で12000J弱を使えることになる。
これは、補助電源のキャパシタの保持電力の36%であ
り、単純に20個のキャパシタセルを直列に接続した場
合の8%と比べると4.5倍の利用効率向上となる。
【0181】このように、昇圧手段35を用いること
で、より大きな電力を少ないキャパシタセルで実現する
ことができる。8個のキャパシタセルを用いる上記定着
装置の例では、従来20個のキャパシタセルを用いて6
00Wしか得られなかったものが、8個のキャパシタセ
ルで1200Wが得られる様になった。これにより大き
な利点が2つある。その1つは、大電力を得られること
であり、より加熱ローラの昇温時間の短縮をすることが
できる。2つは、キャパシタセルの数が減ることであ
り、キャパシタセルの体積を減らせるとともに重さも低
減でき、キャパシタセルのコストを大幅に減らすことが
できる。この8個のキャパシタセルを用いる定着装置で
は、上記20個のキャパシタセルを用いる定着装置に比
べてキャパシタセルの数が半分以下に減る。
【0182】このように、加熱ローラへ供給する電力は
従来の商用電源からの電力供給の上限であった1200
wに制限されていたが、加熱ローラへ供給する電力が1
800w〜2000wになることで加熱ローラの昇温時
間を短縮させることが可能である構成の定着装置におい
て、本実施形態14のように補助電源25から発熱部材
11bへの供給電圧を昇圧手段35により高くする構成
にすることで、補助電源25のキャパシタの保有するエ
ネルギーを無駄なく使って必要なキャパシタセルの個数
を減らすことができるため、補助電源の体積を減らし、
さらに設置スペースを小さくし補助電源コストを低減す
ることが可能である。
【0183】このように本実施形態14によれば、発熱
部材11bへ供給する高い電圧を確保するために補助電
源25の直列に接続するキャパシタセルの数を減らすこ
とができてキャパシタの体積を低減できるため、加熱ロ
ーラ11の昇温時間を短くするための補助電源25を小
型化することができる。また、システムが暴走しても一
定時間後には補助電源25から発熱部材11bへの電力
供給が自然に低下し、加熱ローラ11が高温になりすぎ
る危険がないため、システム暴走時の安全性が高くて短
時間昇温可能な加熱装置を実現できる。
【0184】また、発熱部材11bへの電圧が高いの
で、発熱部材11bに流れる最大電流が小さくても大電
力を発熱部材11bに供給することが可能であるため、
短時間で加熱ローラ11を昇温させることが可能であ
る。また、商用電源の供給電力の制限を越える最大供給
電力を加熱装置に投入できるため、立ち上がり時間が短
い装置を提供できる。
【0185】図24は本発明の実施形態15における定
着装置の回路構成の一部を示し、図25は該実施形態1
5において昇圧手段35へ入力される入力電圧Vinと、
補助発熱部材11bに昇圧手段35から出力される出力
電圧Voutの時間的な変化、及び加熱ローラ11の表面
温度の時間的な変化を示す。この実施形態15では、上
記実施形態14とは以下に述べるように異なり、その他
は同じである。
【0186】加熱ローラ11の昇温時間を短くするため
には、発熱部材11bへの供給電力を大きくすればよ
い。例えば、発熱部材11bへ電力を供給する電源装置
は、200Vの商用電源を用いたり、2次電池等の定電
圧電源を用いたりすることもある。しかし、発熱部材1
1bへの供給電力をあまり大きくしすぎると、加熱ロー
ラ11の温度がオーバーシュートしてしまうという問題
がある。
【0187】本実施形態15では、昇圧手段35の入力
電圧Vinは、補助電源25のキャパシタの特性上、時間
が経つに従って低下していく。この昇圧手段35の入力
電圧Vinに対して昇圧手段35の出力電圧Voutは特に
制御をしておらず、出力電圧Voutを入力電圧Vinで割
った昇圧の倍率は常に一定である。このため、回路が簡
素化されると共に、昇温時の加熱ローラ11の温度のオ
ーバーシュートを防止することができる。
【0188】これは、補助電源25の電圧が低下する際
に、制御用の検知手段を特に用意する必要がないほか、
入力電圧Vinの低下を補って昇圧の倍率を上げる制御を
しなくて済むためである。また、加熱ローラ11の低温
状態では発熱部材11bへフルに電力を供給し、加熱ロ
ーラ11の温度が高くなってくると発熱部材11bへの
電力を減らす動作を自然に行うことができるため、加熱
ローラ11の温度のオーバーシュートを低減することが
できる。
【0189】これは、図25に示すように、加熱ローラ
11の温度を上昇させる際には、加熱ローラ11の温度
が上がるにつれて補助電源25からの電力が消費されて
発熱部材11bへの供給電圧が減るため、商用電源から
の供給電力も含めた発熱部材11a、11b全体への供
給電力を徐々に減らすことができるためである。これに
より、発熱部材11a、11bへの給電開始直後で加熱
ローラ11が低温である状態では、発熱部材11a、1
1bへフルに電力を供給できる一方、補助電源25の放
電が進んで加熱ローラ11の温度が高くなってくると、
補助電源25の電圧が低下して補助電源25の供給電力
が自然に減ってくる。
【0190】以下、本実施形態15を具体的に説明す
る。補助電源25は1300Fのキャパシタセルを8個
直列に接続し、昇圧手段35は初期の20Vの入力電圧
Vinを100Vまで昇圧して1200Wを補助発熱部材
11bに供給していたとする。昇圧手段35のロスがな
く、昇圧手段35の昇圧の倍率が一定とすると、30秒
後には昇圧手段35の入力電圧Vinが13Vに低下し、
補助発熱部材11bへ供給される電力は400w程度に
なる。よって、主発熱部材11aへの電力を1200w
とすると、発熱部材11a、11b全体に供給される電
力は、加熱ローラ11の温度が低いときには2400w
であったものが、加熱ローラ11の温度が上昇するにつ
れて1600w程度に低減する。
【0191】従って、本実施形態15では、補助電源と
しての定電圧電源で電力を増やす様な構成の場合に問題
となる、加熱ローラの温度がその上昇速度が速くて高温
に上昇しすぎる温度のオーバーシュートを低減すること
が可能となるとともに、加熱ローラ11の温度が低いと
きには補助発熱部材11bへの電力が大きいため、加熱
ローラ11の昇温時間短縮にも効果が十分にある。この
ように本実施形態15によれば、複雑な制御をしなくて
済むため、回路の簡素化、加熱ローラ11の温度のオー
バーシュートの低減を図ることができる。
【0192】図26は本発明の実施形態16において昇
圧手段35へ入力される入力電圧Vinと、補助発熱部材
11bに昇圧手段35から出力される出力電圧Voutの
時間的な変化と、加熱ローラ11の温度の時間的な変化
の例を示す。この実施形態16では、上記実施形態14
とは以下に述べるように異なり、その他は同じである。
【0193】まず、昇圧手段35の出力電圧Voutを制
御していない場合を考える。補助電源25は1300F
のキャパシタセルを8個直列に接続し、昇圧手段35は
初期の20Vの入力電圧Vinを100Vまで昇圧して1
200Wを補助発熱部材11bに供給していたとする。
昇圧手段35のロスがなく、昇圧手段35の昇圧の倍率
が一定とすると、30秒後には昇圧手段35の入力電圧
Vinが13Vに低下し、補助発熱部材11bへ供給され
る電力は400w程度まで低下する。
【0194】よって、主発熱部材11aへの電力を12
00wとすると、発熱部材11a、11b全体に供給さ
れる電力は、加熱ローラ11の温度が低いときには24
00wであったものが、加熱ローラ11の温度が上昇す
るにつれて1600w程度に低減する。このため、加熱
ローラ11の昇温時間をより短縮したい場合には、昇圧
手段35の出力電圧Voutが一定になるようにして、補
助発熱部材11bへの供給電力を補助発熱部材11bへ
の給電時間中にほぼ一定にすると良い。
【0195】そこで、本実施形態16では、昇圧手段3
5は、入力電圧Vinが13Vまで低下するにつれて、昇
圧の倍率を上げていくような制御を行う制御手段を有す
る。これにより、加熱ローラ11への供給電力が増え、
加熱ローラ11の昇温時間の短縮が可能となる。なお、
上記制御手段は、昇圧手段35の外部に設けてもよい。
このように本実施形態16によれば、発熱部材11bへ
大きな電力を供給することができるため、加熱ローラ1
1の昇温時間の短縮が可能となる。図27は本発明の実
施形態17における定着装置の回路構成を示し、図28
は該定着装置の概略を示す。この実施形態17では、上
記実施形態14とは以下に述べるように異なり、その他
は同じである。主発熱部材11aと補助発熱部材11b
は、ハロゲンヒータからなり、輻射熱で金属ローラから
なる加熱ローラ11を加熱する。補助発熱部材11a
は、主発熱部材11aよりも抵抗値が小さく、大電流を
流すことが可能である。
【0196】加熱ローラ11の基体は、アルミや鉄など
の金属製であることが耐久性や加圧による変形などの点
から望ましい。加熱ローラ11の表面にはトナーとの固
着を防ぐための離型層を形成していることが望ましい。
加熱ローラ11の内面には、ハロゲンヒータ11a、1
1bの熱を効率よく吸収するための黒化処理をしている
ことが望ましい。
【0197】主発熱部材11aは100Vで10Aを流
すことで1200Wを得ることが可能である一方、補助
発熱部材11bは120Vで12Aを流すことで144
0Wを得ることが可能である。主発熱部材11aへの電
圧は商用電源の100Vで決まってしまうが、補助発熱
部材11bへの電圧は昇圧手段35の設定倍率を大きく
することで高くすることが可能であるため、補助発熱部
材11bへの電力を大きくすることが可能である。主発
熱11aへの供給電力を越える大電力で補助発熱部材1
1bのハロゲンヒータを使用することで、加熱ローラ1
1の昇温時間を短縮することができる。また、補助電源
25の有するエネルギーを短時間で無駄なく取り出すこ
とが可能である。
【0198】このように本実施形態17によれば、補助
発熱部材11bへ大電力を供給することができるので、
短時間で補助電源25の蓄電電力を使い切ることが可能
であり、加熱ローラ11の昇温時間の短縮が可能であ
る。また、ハロゲンヒータ11bへの電圧が高いため、
ハロゲンヒータ11bに流れる最大電流が小さくても大
電力をハロゲンヒータ11bへ供給することが可能であ
り、短時間で加熱ローラ11を昇温することが可能であ
る。
【0199】図29は本発明の実施形態18における定
着装置の回路構成を示す。この実施形態18では、上記
実施形態14において、昇圧手段35の代りに昇圧手段
35aが設けられる。この昇圧手段35aの入力側は充
放電切替手段27を介して補助電源25に接続され、昇
圧手段35aの出力側は発熱部材11bに接続される。
【0200】補助電源25は例えば1300F、2.5
Vのキャパシタセルを複数個直列に接続して構成され
る。補助電源25からの電力は、充放電切替手段27を
介して昇圧手段35aにより昇圧され、発熱部材11b
に供給される。温度検知手段36は加熱ローラ11の表
面温度を検知する。昇圧手段35aは、温度検知手段3
6からの検知信号に基づいて、補助電源25からの入力
電圧を所定のタイミングで所定の電圧に昇圧し、つま
り、補助電源25からの入力電圧をどのタイミングでど
れだけ上げるかを制御する制御手段を有する。この制御
手段は、昇圧手段35aの外部に設けてもよい。
【0201】図30に示すように、昇圧手段35aは、
上記制御手段にて補助発熱部材11bによって加熱され
て温度が上昇する加熱ローラ11の温度を検知する温度
検知手段36からの情報を基に昇圧設定を変える。図3
1は、補助電源25から昇圧手段35aへ入力される入
力電圧Vinと、補助発熱部材11bに昇圧手段35aか
ら出力される出力電圧Voutの時間的な変化、及び加熱
ローラ11の温度の時間的な変化を示す。
【0202】加熱ローラ11の昇温時間を短くするため
には、補助発熱部材11bへの供給電力を大きくすれば
よい。例えば、補助発熱部材11bへ電力を供給する電
源装置は、200Vの商用電源を用いたり、2次電池を
用いる等の定電圧電源を用いたりすることもできる。し
かし、補助発熱部材11bへの供給電力をあまり大きく
しすぎると、温度検知手段36の検知時間遅れが問題と
なり、加熱ローラ11の温度がオーバーシュートしてし
まうという問題がある。本実施形態18では、補助発熱
部材11bへの供給電力を大きくする手段として補助電
源25のキャパシタを用いているが、加熱ローラ11の
温度オーバーシュートを防ぐために、昇圧手段35a
は、上記制御手段にて、加熱ローラ11の温度が所定の
設定温度T1になった時点で、出力電圧Voutを一定の電
圧から低減させていく。
【0203】このため、昇温時に加熱ローラ11の温度
のオーバーシュートを確実に低減することができるとと
もに、電力供給前の加熱ローラ11の温度が何度であっ
ても加熱ローラ11の温度のオーバーシュートを低減す
ることができる。これは、本実施形態18の画像形成装
置をある人が稼働させた直後に次の人が稼働させる場合
など、加熱ローラ11の温度が通常よりも高くなってい
る場合に特に有効に機能する。
【0204】このように本実施形態18によれば、加熱
ローラ11の温度が高い際には、加熱ローラ11への供
給電圧を下げて加熱ローラ11への電力供給量を少なく
するので、加熱ローラ11の急激な温度上昇が緩和され
て温度検知手段36の温度検知の時間遅れがあっても正
確な加熱ローラ11の温度検知ができてフィードバック
の精度が上がるため、安全に加熱ローラ11の温度のオ
ーバーシュートが少ない短時間昇温構成を実現できる。
【0205】また、システムが暴走して加熱ローラ11
への電力供給のオン/オフ制御が不能になっても、一定
時間後には補助電源25から発熱部材11bへの電力供
給量が自然に低下するので、加熱ローラ11が高温にな
り記録紙が発火する危険を減らすことができるため、シ
ステム暴走時の安全性が高い短時間昇温可能な加熱装置
を実現できる。
【0206】また、加熱ローラ11の温度が高い際に
は、加熱ローラ11への供給電圧を下げて発熱部材11
bへの電力供給量を少なくする。これにより、温度検知
手段36の温度検知の時間遅れがなく正確なフィードバ
ックが可能になるため、安全に加熱ローラ11の温度の
オーバーシュートが少ない短時間昇温構成を実現でき
る。
【0207】また、加熱ローラ11の温度が上昇して高
い温度に到達する際には、加熱ローラ11への供給電圧
を下げて発熱部材11bへの電力供給量を少なくするこ
とで、温度検知手段36の温度検知の時間遅れがあって
も正確なフィードバックが可能になるため、加熱ローラ
11の温度のオーバーシュートが少ない短時間昇温構成
を安全に実現する。また、商用電源の制限を越える最大
供給電力を加熱装置に投入できるため、立ち上がり時間
が短い装置を提供できる。また、商用電源の制限を越え
る最大供給電力を加熱装置に投入できるため、加熱装置
の立ち上がり時間が短い画像形成装置を提供できる。
【0208】次に、本発明の実施形態19について説明
する。この実施形態19では、上記実施形態18におい
て、昇圧手段35aの代りに、補助発熱部材11bによ
って加熱されて温度が上昇する加熱ローラ11の温度を
検知する温度検知手段36の情報を基に昇圧設定を変え
て徐々に出力電圧Voutを変化させる制御手段を有する
昇圧手段が用いられる。図32は、本実施形態19にお
いて補助電源25から昇圧手段へ入力される入力電圧V
inと、補助発熱部材11bへ昇圧手段から出力される出
力電圧Voutの時間的な変化、及び加熱ローラ11の温
度の時間的な変化を示す。
【0209】加熱ローラ11の昇温時間を短くするため
には、発熱部材11bへの供給電力を大きくすればよ
い。例えば、発熱部材11bへ電力を供給する電源装置
は、200Vの商用電源を用いたり、2次電池等の定電
圧電源を用いたりすることもある。しかし、発熱部材1
1bへの供給電力をあまり大きくしすぎると、温度検知
手段36の検知時間遅れが問題となり、加熱ローラ11
の温度がオーバーシュートしてしまうという問題があ
る。本実施形態19では、発熱部材11bへの供給電力
を大きくする手段として補助電源25のキャパシタを用
いているが、加熱ローラ11の温度オーバーシュートを
防ぐために、昇圧手段は、上記制御手段にて、温度検知
手段36からの検知信号に基づき、加熱ローラ11が所
定の設定温度T1になった時点で、出力電圧Voutを低く
切り替える。
【0210】このため、昇温時に加熱ローラ11の温度
のオーバーシュートを確実に低減することができるとと
もに、電力供給前の加熱ローラ11の温度が何度であっ
ても加熱ローラ11の温度のオーバーシュートを低減す
ることができる。これは、本実施形態19の画像形成装
置をある人が稼働させた直後に次の人が稼働させる場合
など、加熱ローラ11の温度が高くなっている場合に特
に有効に機能する。本実施形態19は、昇圧手段の出力
電圧Voutを徐々に低減するのではなく、低く切り替え
るので、回路が簡素化されると共に、確実に加熱ローラ
11の温度のオーバーシュートを低減することが可能と
なる。
【0211】このように本実施形態19によれば、加熱
ローラ11の温度が上昇して高い温度になった際には、
昇圧手段の出力電圧Voutを下げて発熱部材11bへの
電力供給量を少なくするので、温度検知手段36の温度
検知の時間遅れがなく正確なフィードバックが可能にな
るため、安全に加熱ローラ11の温度のオーバーシュー
トが少ない短時間昇温構成を実現できる。
【0212】次に、本発明の実施形態20について説明
する。この実施形態20では、上記実施形態19におい
て、図34に示すように、上記昇圧手段の代りに昇圧手
段35bが用いられる。昇圧手段35bは、入力電圧Vi
nと出力電圧Voutが図32とほぼ同等である。本実施形
態20では、図33に示すように昇圧手段35bは、補
助発熱部材11bによって加熱されて温度が上昇する加
熱ローラ11の温度を検知する温度検知手段36からの
情報を基にして昇圧設定を変えることで加熱ローラ11
の温度が所定の設定温度T1になった時点で出力電圧Vo
utを低く切り替えるとともに、補助電源25の残電力を
検知する残電力検知手段37からの情報を基にして昇圧
設定を変え、補助電源25の残電力が所定の残電力より
高かった場合に出力電圧Voutを低くする制御手段を有
する。
【0213】補助電源25から昇圧手段35bへ入力さ
れる入力電圧Vinと、補助発熱部材11bに昇圧手段3
5bから出力される出力電圧Vout及び加熱ローラ11
の温度の時間的な変化は図33で示される。補助電源2
5の残電力が多いと、加熱ローラ11の温度が高くなっ
ている際に補助発熱部材11bへの大きな電力の供給が
続くと、加熱ローラ11の温度が所定の温度をオーバー
シュートしてしまう。そこで、昇圧手段35bは、上記
制御手段にて、加熱ローラ11の温度が設定変更温度Y
1になる時点で残電力検知手段37からの情報により補
助電源25の残電力量を検知し、補助電源25の電力量
が所定の値よりも大きかった場合に、出力電圧Voutを低
く切り替える。
【0214】このため、昇温時に加熱ローラ11の温度
のオーバーシュートを確実に低減することができるとと
もに、電力供給前の加熱ローラ11の温度が何度であっ
ても、補助電源25の残電力が大きかった場合には加熱
ローラ11の温度のオーバーシュートを低減することが
できる。これは、本実施形態20の画像形成装置をある
人が稼働させた直後に次の人が稼働させる場合など、加
熱ローラ11の温度が通常より高くなっている場合に特
に有効に機能する。また、昇圧手段35bが出力電圧V
outを徐々に低減するのではなく、低く切り替えるの
で、回路が簡素化されると共に、確実に加熱ローラ11
の温度のオーバーシュートを低減することが可能とな
る。
【0215】このように本実施形態20によれば、補助
電源25の電圧が高電圧であればその電圧を下げて補助
発熱部材11bへの電力供給量を少なくするので、温度
検知手段36の温度検知の時間遅れがなく正確なフィー
ドバックが可能になるため、安全に加熱ローラ11の温
度のオーバーシュートが少ない短時間昇温構成を実現で
きる。
【0216】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではなく、加熱部が定着ベルトなどであってもよ
い。また、本発明は、定着装置以外でも、電気を主エネ
ルギー源とする加熱装置に適用することが可能であり、
例えば画像を担持した転写紙等のシート状被加熱体を加
熱してその表面性(つや等)を改質する装置、シート状
被加熱体上のトナーを仮定着する装置、シート状物を給
紙して乾燥処理・ラミネート処理する装置等の加熱装置
に適用することができる。
【0217】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、加熱部の
温度変動を小さくすることができ、、キャパシタの保持
エネルギーをできるだけ多く利用することができる。ま
た、温度変動を小さくでき、立ち上がり時間を短くする
ことができる。また、温度上昇を速くでき、かつ、温度
変動を小さくできる。また、高画質を確保することがで
き、高画質化と高速化を両立させることができる。ま
た、加熱部とトナー像との分離性を向上させることがで
きる。また、画像のムラをなくすことができ、出力品質
を高くできる。
【0218】また、補助電力源の出力電圧を下げること
で感電を防止でき、安全性が高い。また、補助電源の放
電時間を短くすることができ、安全な定着装置を提供す
ることができる。また、補助電源の無駄な放電動作がな
く、エネルギー消費が少なく、使用者の使い勝手の良い
装置を提供できる。また、装置の部材温度を上げずに補
助電源から放電させることが可能である。また、加熱部
材の昇温時間を短くするための補助電源を小型化するこ
とができる。
【0219】また、システム暴走時の安全性が高くて短
時間昇温可能な加熱装置を実現できる。また、短時間で
加熱部材を昇温させることが可能であり、立ち上がり時
間が短い装置を提供できる。また、回路の簡素化、加熱
部材の温度のオーバーシュートの低減を図ることができ
る。また、安全に加熱部材の温度のオーバーシュートが
少ない短時間昇温構成を実現できる。また、感電のおそ
れがない安全に作業ができる装置を実現可能である。ま
た、システム暴走時の安全性が高い短時間昇温可能な加
熱装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1における定着装置の回路構
成をキャパシタセル直列接続状態について示すブロック
図である。
【図2】同実施形態1における定着装置の回路構成をキ
ャパシタセル並列接続状態について示すブロック図であ
る。
【図3】同実施形態1を説明するための図である。
【図4】同実施形態1及び従来のコンデンサを補助電源
として用いた定着装置における定着ローラの温度変化を
示す図である。
【図5】本発明の実施形態2におけるキャパシタセルの
各接続状態を示す結線図である。
【図6】本発明の実施形態3における定着装置の回路構
成を示すブロック図である。
【図7】上記実施形態1を示す概略図である。
【図8】上記実施形態1における定着装置の詳細な構成
を示す断面図である。
【図9】本発明の実施形態4における加熱装置を示す断
面図である。
【図10】同実施形態4における定着装置の回路構成を
示すブロック図である。
【図11】本発明の実施形態9における定着装置の回路
構成を示すブロック図である。
【図12】同実施形態9の加熱ローラ温度立ち上がり特
性を示す特性図である。
【図13】定着装置の回路構成例を示すブロック図であ
る。
【図14】上記実施形態9の動作例を示す図である。
【図15】本発明の実施形態10における定着装置の回
路構成を示すブロック図である。
【図16】定着装置の比較例3を示すブロック図であ
る。
【図17】本発明の実施形態11における定着装置の回
路構成を示すブロック図である。
【図18】本発明の実施形態12における定着装置の回
路構成を示すブロック図である。
【図19】本発明の実施形態13の補助電源を示すブロ
ック図である。
【図20】(社)日本電気協会の発行している「電気工
事士教科書」による人体に対する電流の作用の実験値を
示す図である。
【図21】本発明の実施形態14における定着装置の回
路構成を示すブロック図である。
【図22】同実施形態14の動作例を示す図である。
【図23】定着装置の回路構成例を示すブロック図であ
る。
【図24】本発明の実施形態15における定着装置の回
路構成の一部を示すブロック図である。
【図25】同実施形態15における昇圧手段の入力電圧
Vinと出力電圧Voutの時間的な変化及び加熱ローラ温
度の時間的な変化を示す図である。
【図26】本発明の実施形態16における昇圧手段の入
力電圧Vinと出力電圧Voutの時間的な変化及び加熱ロ
ーラ温度の時間的な変化を示す図である。
【図27】本発明の実施形態17における定着装置の回
路構成を示すブロック図である。
【図28】同定着装置の概略を示す断面図である。
【図29】本発明の実施形態18における定着装置の回
路構成を示すブロック図である。
【図30】同定着装置の回路構成の一部を示すブロック
図である。
【図31】上記実施形態18の動作例を示す図である。
【図32】本発明の実施形態19における昇圧手段の入
力電圧Vinと出力電圧Voutの時間的な変化及び加熱ロ
ーラ温度の時間的な変化を示す図である。
【図33】本発明の実施形態20における定着装置の回
路構成を示すブロック図である。
【図34】同実施形態20における昇圧手段の入力電圧
Vinと出力電圧Voutの時間的な変化及び加熱ローラ温
度の時間的な変化を示す図である。
【符号の説明】
1 感光体 2 帯電装置 4 現像装置 5 転写装置 11a、11b 発熱部材 11、21 定着ローラ 14、24 主電源 15、25 補助電源 15a〜15f キャパシタセル 18 温度センサ 19 構成切替手段 31 抵抗体 32 切替手段 33 DC/ACコンバータ 34 モータ 251,252、253,254 キャパシタセル 25、25b 補助電源モジュール 35、35a、35b 昇圧手段 36 温度検知手段 37 残電力検知手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 21/00 398 G03G 21/00 398 Fターム(参考) 2H027 DA03 DA12 DA46 DE04 DE07 EA12 EA15 EC06 ED25 EE07 EF04 EF09 JA18 JC08 JC16 ZA01 ZA07 2H033 AA03 AA21 AA30 AA32 AA42 BA30 BA39 BB05 BB06 BB15 CA03 CA04 CA07 CA27 CA44 3K058 AA02 AA04 AA12 AA22 AA72 AA81 AA91 BA18 CA23 CB25 CD04 CE17 DA02 DA14 DA22

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発熱部材の発熱により温度が上がる加熱部
    と、商用電源が用いられて前記発熱部材に電力を供給す
    る主電源と、商用電源より充電され前記発熱部材に電力
    を供給する補助電源として用いられる複数のセルから構
    成される大容量キャパシタとを有する加熱装置におい
    て、前記複数のセルの接続を少なくとも放電時に可変す
    る構成としたことを特徴とする加熱装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の加熱装置において、前記複
    数のセルを並列と直列に切り替える構成としたことを特
    徴とする加熱装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の加熱装置におい
    て、該装置の状況を検知する検知手段を有し、この検知
    手段の検知情報により前記複数のセルの接続を切り替え
    ることを特徴とする加熱装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の加熱装置において、前記検
    知手段として前記加熱部の温度を検知する温度検知手段
    を用いたことを特徴とする加熱装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の加熱装置において、前記加
    熱部が所定の温度以上の時に前記複数のセルを並列に接
    続して該複数のセルから前記加熱部に電力を供給するこ
    とを特徴とする加熱装置。
  6. 【請求項6】請求項4記載の加熱装置において、前記加
    熱部が所定の温度に達しない時に前記複数のセルを直列
    に接続して該セルから前記加熱部に電力を供給すること
    を特徴とする加熱装置。
  7. 【請求項7】請求項3記載の加熱装置において、前記検
    知手段の検知情報の代りに被加熱体の連続加熱枚数情報
    を用いることを特徴とする加熱装置。
  8. 【請求項8】請求項7記載の加熱装置において、前記複
    数のセルの並列接続の列数を可変にして前記複数のセル
    の接続を可変する構成としたことを特徴とする加熱装
    置。
  9. 【請求項9】大容量キャパシタの複数のセルの接続を可
    変する構成とした請求項7記載の加熱装置において、前
    記加熱部が弾性層を有することを特徴とする加熱装置。
  10. 【請求項10】請求項9記載の加熱装置において、前記
    弾性層の厚さが0.1mm以上であることを特徴とする
    加熱装置。
  11. 【請求項11】請求項9または10記載の加熱装置にお
    いて、前記弾性層の最外層に離型層を設けたことを特徴
    とする加熱装置。
  12. 【請求項12】定常的な電力供給可能な主電源から電力
    が供給されることによって発熱する主発熱部材と、充電
    可能な補助電源と、この補助電源から電力が供給される
    ことにより発熱する補助発熱部材と、前記主発熱部材及
    び前記補助発熱部材により加熱される加熱部材とを有す
    る加熱装置において、前記補助電源の出力電圧を所定の
    指示に応じて降下させることを特徴とする加熱装置。
  13. 【請求項13】請求項12記載の加熱装置において、前
    記補助電源に対して接続可能な電気的負荷と、この電気
    的負荷を前記補助電源に選択的に接続する選択的接続手
    段とを備え、この選択的接続手段が前記指示に応じて前
    記電気的負荷を前記補助電源に接続することを特徴とす
    る加熱装置。
  14. 【請求項14】請求項13記載の加熱装置において、前
    記電気的負荷が抵抗発熱体であることを特徴とする加熱
    装置。
  15. 【請求項15】請求項13記載の加熱装置において、前
    記電気的負荷がモータであることを特徴とする加熱装
    置。
  16. 【請求項16】請求項12記載の加熱装置において、前
    記補助電源は直列に接続された複数の電源からなり、こ
    の複数の電源の一部を前記指示に応じて切り離して前記
    補助電源の出力電圧を降下させることを特徴とする加熱
    装置。
  17. 【請求項17】請求項12〜16のいずれか1項に記載
    の加熱装置において、当該装置内部への作業者のアクセ
    スを検知するアクセス検知手段を有し、このアクセス検
    知手段の検知結果を前記指示とすることを特徴とする加
    熱装置。
  18. 【請求項18】請求項17記載の加熱装置において、前
    記アクセス検知手段は保守作業員の能動的な前記補助電
    源に対する放電指示を検知することを特徴とする加熱装
    置。
  19. 【請求項19】請求項12〜18のいずれか1項に記載
    の加熱装置において、前記補助電源の高い出力電圧が直
    流電圧であることを特徴とする加熱装置。
  20. 【請求項20】電力の供給によって発熱する発熱部材を
    有し、この発熱部材に対して電力を供給する電力供給手
    段として充電可能な補助電源を少なくとも有する加熱装
    置において、前記補助電源の出力電圧を昇圧する昇圧手
    段を有することを特徴とする加熱装置。
  21. 【請求項21】請求項20記載の加熱装置において、前
    記補助電源が電気二重層キャパシタであることを特徴と
    する加熱装置。
  22. 【請求項22】請求項20または21記載の加熱装置に
    おいて、前記昇圧手段の入力電圧が低下するにつれて前
    記昇圧手段の出力電圧が低下することを特徴とする加熱
    装置。
  23. 【請求項23】請求項20〜22のいずれか1項に記載
    の加熱装置において、前記昇圧手段の出力電圧を制御す
    る制御手段を有することを特徴とする加熱装置。
  24. 【請求項24】請求項23記載の加熱装置において、前
    記制御手段が前記昇圧手段の出力電圧を時間的に一定に
    なるように制御することを特徴とする加熱装置。
  25. 【請求項25】請求項20記載の加熱装置において、前
    記発熱部材は、定常的な電力供給可能な主電源から電力
    が供給されることによって発熱する主発熱部材と、前記
    補助電源から前記昇圧手段を介して電力が供給されるこ
    とにより発熱する補助発熱部材とを有し、前記補助電源
    から前記昇圧手段を介して前記補助発熱部材へ供給する
    電力が、前記主電源から前記主発熱部材へ供給する電力
    よりも大きいことを特徴とする加熱装置。
  26. 【請求項26】定常的な電力供給可能な主電源から電力
    が供給されることによって発熱する主発熱部材と、充電
    可能な補助電源と、この補助電源の出力電圧を昇圧する
    昇圧手段と、この昇圧手段から電力が供給されることに
    より発熱する補助発熱部材と、前記主発熱部材及び前記
    補助発熱部材により加熱される加熱部材とを有する加熱
    装置において、前記補助電源に関する情報を検知する検
    知手段を有し、この検知手段からの検知情報に応じて前
    記昇圧手段の出力電圧を制御することを特徴とする加熱
    装置。
  27. 【請求項27】請求項26記載の加熱装置において、前
    記補助電源が電気二重層キャパシタであることを特徴と
    する加熱装置。
  28. 【請求項28】請求項26または27記載の加熱装置に
    おいて、前記検知手段は前記加熱部材の温度を検知する
    温度検知手段であることを特徴とする加熱装置。
  29. 【請求項29】請求項28記載の加熱装置において、前
    記温度検知手段の検知温度が所定の温度よりも高い場合
    に前記出力電圧を第1の電圧よりも低減することを特徴
    とする加熱装置。
  30. 【請求項30】請求項28記載の加熱装置において、前
    記温度検知手段の検知温度が所定の温度よりも高い場合
    に前記出力電圧を第1の電圧より低く切り替えることを
    特徴とする加熱装置。
  31. 【請求項31】請求項28記載の加熱装置において、前
    記補助電源の残電力量を検知する残電力量検知手段を有
    し、この残電力量検知手段の検知結果に応じて前記出力
    電圧を変化させることを特徴とする加熱装置。
  32. 【請求項32】請求項31記載の加熱装置において、前
    記残電力量検知手段で検知した前記補助電源の残電力量
    が所定の値よりも高い場合に前記出力電圧を第2の電圧
    より低くすることを特徴とする加熱装置。
  33. 【請求項33】被加熱体上の未定着物を定着させる定着
    手段を有する定着装置において、前記定着手段として請
    求項1〜32のいずれか1項に記載の加熱装置を備えた
    ことを特徴とする定着装置。
  34. 【請求項34】記録媒体上に画像を形成する像形成手段
    と、前記記録媒体上の画像を加熱する像加熱手段とを有
    する画像形成装置において、前記像加熱手段として請求
    項1〜32のいずれか1項に記載の加熱装置を備えたこ
    とを特徴とする画像形成装置。
  35. 【請求項35】記録媒体上に未定着画像を形成する像形
    成手段と、前記記録媒体上の未定着画像を加熱して前記
    記録媒体に定着させる定着手段とを有する画像形成装置
    において、前記定着手段として請求項1〜32のいずれ
    か1項に記載の加熱装置を備えたことを特徴とする画像
    形成装置。
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