JP2006318799A - 加熱装置、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

加熱装置、定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】小型で低コストにでき、キャパシタの充放電制御を簡単にできる加熱装置、定着装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】商用電源38からの電力により充電回路で充電され発熱部材11bに電力を供給するキャパシタ25を有し、このキャパシタ25の充電エネルギーを放電時に放電回路により可変する加熱装置において、前記充電回路と前記放電回路を双方向型電源回路36で構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は加熱装置、定着装置、及び複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
補助電源としてキャパシタを用いた定着装置は、特許文献1に記載されているように、画像形成装置の定着装置として開発されたが、省エネルギーに大きな効果があるばかりでなく、画像形成装置の立ち上げ速度が速いために使い勝手が良く、連続通紙時の定着ローラ等の定着部材の温度低下を防止でき、画像品質も良好な優れた省エネルギー技術として開発され、実際に実用化されている。
このような定着装置においては、更に図7に示すようにキャパシタ15を複数個のキャパシタセル15a、15bにしたり、図8に示すように複数個のキャパシタセルを用いた補助電源25の放電電力を昇圧手段35で昇圧した後に補助発熱部材11bに加えたりする定着装置が特許文献2に記載されている。ここに、図7に示す回路構成の定着装置において、14は主電源、16は充電器、17は補助電源15の充放電を切替える充放電切替手段としてのスイッチ、18は定着ローラ11の温度(表面温度)を検知する温度検知手段としての温度センサ、19は構成切替手段、20は発熱部材11aの通電制御を行う通電制御用スイッチである。定着ローラ11は内部に発熱部材11a、11bを有しており、発熱部材11aは主電源14から通電制御用スイッチ20を介して供給される電力により発熱して定着ローラ11を加熱する。
主電源14は当該画像形成装置の設置場所に備えられているコンセントなどに接続されることで商用電源からの交流電力を出力するものであり、主電源14から通電制御用スイッチ20を介して発熱部材11aに電力が供給されるとともに、発熱部材11bにも補助電源15からスイッチ17を介して電力が供給される。補助電源15が十分に充電されていない場合には、比較的電力を消費しない待機時などに図示しない制御手段によりスイッチ17が充電器16側に切替えられ、充電器16が主電源14からの交流電力を直流電力に変換してスイッチ17を介して補助電源15に印加することにより、補助電源15が充電される。定着ローラ11の温度を室温から作動温度(定着可能な温度)まで急激に上昇させたい立ち上がり時など、定着ローラ11が多量の電力を必要とする時には、制御手段によりスイッチ17が発熱部材11b側に切替えられて補助電源15からスイッチ17を介して発熱部材11bへ電力が供給される。
図示しない制御手段は、温度センサ18からの検知信号に基づいて、定着ローラ11の表面温度が定着可能な設定温度以下の時には通電制御用スイッチ20をオンさせて主電源14から発熱部材11aへ電力を供給させるが、定着ローラ11の表面温度が定着可能な設定温度を超えた時には通電制御用スイッチ20をオフさせて主電源14から発熱部材11aへの電力供給をオフさせることで、定着ローラ11の表面温度を一定の温度に制御する。
補助電源15は少なくとも2つ以上のキャパシタセル15a、15bからなり、この複数のキャパシタセル15a、15bのつなぎ方を電力供給時に変えることが可能である。また、複数のキャパシタセル15a、15bからなる補助電源15の構成は少なくとも放電時に変更することが可能である。構成切替手段19は、温度センサ18からの検知信号に基づいて、定着ローラ11の温度が高くなるに従って発熱部材11bへの供給電力が低くなるようにキャパシタセル15a、15bの接続を切替える。
例えば、構成切替手段19は、定着ローラ11の温度が低くて所定の温度に達しない初期加熱時のような状態では、キャパシタセル15a、15bを直列につないで発熱部材11bへの印加電圧を高電圧とし、発熱部材11bに対して大電力を供給させる。その後、構成切替手段19は、定着ローラ11の温度が高くなって所定の温度以上になったときには、キャパシタセル15a、15bを並列につないで発熱部材11bへの印加電圧を下げ、発熱部材11bに対する電力供給を小さくする。これにより、主電源14及び補助電源15から発熱部材11a、11bへの電力供給のオン/オフ制御でも定着ローラ11の温度変化が緩やかになるため、定着ローラ11の時間的な温度変動が小さくなり、転写紙P上に形成した画像の加熱ムラが小さくなって高品質な画像形成が可能になる。
図8に示す回路構成の定着装置では、図7に示す回路構成の定着装置において、補助電源25の放電電力が昇圧手段35で昇圧された後に補助発熱部材11bに加えられる。図8において、24は本定着装置を有する画像形成装置の設置場所に備えられているコンセントなどに接続されることで商用電源からの交流電力を出力する主電源、25は補助電源、26は充電器、27は補助電源25の充放電を切替える充放電切替手段、28は主電源24から主発熱部材11aへの電力供給を制御する主電力制御手段である。
主発熱部材11aは、主電源24から主電力制御手段28を介して電力が供給されて発熱する。主電力制御手段28は、定着ローラ11の表面温度を検知する温度検知手段の出力信号に基づいて定着ローラ11の表面温度が設定温度になるように主電源24から主発熱部材11aへの供給電力を制御する。補助発熱部材11bは補助電源25から充放電切替手段27及び昇圧手段35を介して電力が供給されることにより発熱する。充電器26が主電源24からの交流電力を直流電力に変換して充放電切替手段27を介して補助電源25に印加することにより、補助電源25が充電され、充放電切換手段27が充電器26側から補助発熱部材11b側に切り替えられることにより、補助電源25から充放電切替手段27及び昇圧手段35を介して補助発熱部材11bへ電力が供給される。
加熱部としての定着ローラ11は発熱部材11a、11bを有している。発熱部材11a、11bとしては、ハロゲンヒータや、セラミック基盤上に形成された発熱体が電力供給によって発熱するセラミックヒータ、金属抵抗薄膜などを基体状に形成した薄膜抵抗体などが用いられる。発熱部材11a、11bの発熱により温度が上がる加熱部としての定着ローラ11と、図8に示す回路は、被加熱体としての転写紙上のトナー像を加熱する加熱装置を構成している。
本定着装置は、主電源部24から主電力制御手段28を介して供給される電力により発熱する主発熱部材11a、及び補助電源25から充放電切替手段27及び昇圧手段35を介して供給される電力により発熱する補助発熱部材11bを有し、加熱ローラ1の表面温度を所定温度まで上昇させることができる。主電源24は、本定着装置を有する画像形成装置の設置場所付近に備えられているコンセントなどとつながれて商用電源からの交流電力を出力するものであり、日本では商用電源として100Vの電圧電源が通常多く用いられる。さらに、主電源24は、1回路が15A程度の電流容量でブレーカが落ちることが多く、最大で1500Wという電力の上限がある。主電源24は、単純に主電力制御手段28を介して発熱部材11aと接続するだけでなく、加熱部材11aに応じた電圧の調整及び交流と直流の整流や電圧の安定化などの機能を有していてもよい。
補助電源25は充放電可能な電源であり、本定着装置では補助電源25に大容量コンデンサである電気二重層キャパシタを用いている。大容量のコンデンサは、短時間で放電して電力を使い切ることができ、電圧も放電量に応じて徐々に低下していく。本定着装置では、500F、2.5Vのキャパシタセルを複数個直列につないで補助電源25として補助発熱部材11bへの電力供給に用いている。これにより、補助電源25は、補助発熱部材11bへ電力を数秒から数十秒供給するのに十分な容量を備えていることを確認している。また、補助電源25は、電気二重層キャパシタ以外にもレドックスキャパシタやシュードキャパシタなどの名称で呼ばれている大容量キャパシタを用いてもかまわない。
本定着装置では、主電源24から主電力制御手段28を介して発熱部材11aへ電力が供給されるとともに、発熱部材11bに対しても補助電源25から充放電切替手段27及び昇圧手段35を介して電力を供給することが可能である。主電源24及び補助電源25の両方から電力を同時に加熱ローラ11内の発熱部材11a、11bに供給することで、主電源24による供給電力を上回る大量の電力を加熱ローラ11内の発熱部材11a、11bに供給することができる。
補助電源25が十分に充電されていない時、例えば朝一番に本定着装置を有する画像形成装置の電源を投入するケースの昇温時には、主電源24からのみ加熱部材11aへ電力を供給する。そして、加熱部材11aの温度を高くする必要がない待機時は、充放電切替手段27が充電器26側に切換接続されて主電源24から充電器26及び充放電切替手段27を介して補助電源25へ電力を供給して補助電源25を充電しておく。
次に、加熱ローラ11の温度を昇温する時など、多量の電力を必要とするときには、充放電切替手段27が昇圧手段35側に切換接続されて主電源24及び補助電源25から主電力制御手段28及び充放電切替手段27を介して同時に発熱部材11a、11bへ電力が供給され、発熱部材11a、11bに投入されるトータルの電力が主電源24だけの電力供給時よりも多く供給されることで、短時間で加熱ローラ11の温度が上昇する。
図8に示す回路構成の定着装置では、図9に示すように、加熱ローラ11の温度を上昇させる際には、加熱ローラ11の温度が上がるにつれて補助電源25からの電力が消費されて発熱部材11bへの供給電圧が減るため、商用電源からの供給電力も含めた発熱部材11a、11b全体への供給電力を徐々に減らすことができる。これにより、発熱部材11a、11bへの電力給電開始直後で加熱ローラ11が低温である状態では、発熱部材11a、11bへフルに電力を供給できる一方、補助電源25の放電が進んで加熱ローラ11の温度が高くなってくると、補助電源25の電圧が低下して補助電源25の供給電力が自然に減ってくる。
図10は、昇圧手段35の入力電圧Vinが13Vまで低下するにつれて昇圧の倍率を上げていくような制御を行う制御手段を設けた場合における昇圧手段35へ入力される入力電圧Vinと、補助発熱部材11bに昇圧手段35から出力される出力電圧Voutの時間的な変化と、加熱ローラ11の温度の時間的な変化の例を示す。
特許文献3には、電源装置として燃料電池を用い、この燃料電池の電力だけで全ての動作を行えるようにした画像形成装置が記載されている。
特開2002−280146 特願2003−297526 特願2004−281332 特願2001−268900
上記特許文献2に記載されている定着装置では、図8に示すように複数個のキャパシタセルを用いた補助電源25の放電電力を昇圧手段35で昇圧した後に補助発熱部材11bに加えることにより、図9、図10に示すように定着ローラの温度のオーバーシュートを低減したり、定着ローラの加熱時間を短縮したりできるなどの効果が得られる。
しかし、図8に示す回路構成の定着装置では、キャパシタセル25を充電する充電回路(充電器26)の他、昇圧手段35が必要になり、これらの充電回路及び昇圧手段35のサイズが大きくなったり、損失が多く発生するようになるため、キャパシタセル数の低減効果が減少する恐れがある。また、キャパシタ25を充電するための充電用電源(充電器26)と、キャパシタ25から放電するエネルギーを可変する放電用電源(昇圧手段35)との2系統の電源が必要となるため、これらの制御が複雑になりコストも高くなるという問題があった。
また、上記定着装置を有する画像形成装置では、頻繁に使用される場合にはキャパシタの充電電力が不足し、キャパシタを用いた定着装置(以下キャパシタ定着装置という)としての優れた効果がなくなる場合もあった。
図12は、キャパシタ定着装置を採用した画像形成装置と、キャパシタ定着装置を採用していない画像形成装置との使用電力の差を表すものである。キャパシタ定着装置を採用していない画像形成装置にあっては、暫く使用していなかった場合の再立ち上げに数分以上の時間がかかる。この時間を短縮するには、定着ローラをすぐに立ち上げることができるように加熱する必要があり、図12に示すように画像形成装置を画像形成可能な状態で使用せずに待機している待機時であっても若干の電力(図12中の低電力モードの電力)を発熱部材に与えておく必要がある。このため、発熱部材に与える電力は、その低電力モードの電力以下にすることはできない。
このことから、キャパシタ定着装置を採用していない画像形成装置にあっては、待機時間にも無駄な電力を消費していた。
キャパシタ定着装置を採用した画像形成装置では、キャパシタ定着装置の採用により画像形成装置の立ち上げ速度を10秒以下にできるため、使用していない時に電力を殆ど消費しない図12に示すようなオフモードとすることができるので、従来のキャパシタ定着装置を採用していない画像形成装置よりも省エネルギーの装置にできる。しかし、オフモードは、使用していない時に電力を非常に少なくするモードであるため、使用していない時にキャパシタの充電は行えない。このため、キャパシタの充電は、画像形成装置の復帰時や画像形成時などの短い時間に合わせて行う必要があるので、制御が非常に難しいものとなる。
また、このような制御の場合、商用電源は1500W以下の制限があるので、キャパシタの充電電力も1500W以上の電力でキャパシタを充電することはできなかった。また、画像形成装置の使用状態によっては、殆どキャパシタの充電が行われなくなることもあり、この場合はキャパシタ定着装置の効果が得られなくなり問題であった。
本発明の目的は、小型で低コストにできる加熱装置、定着装置及び画像形成装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、キャパシタのエネルギーが不足するような場合でも安定なエネルギーを発熱部材に供給でき、キャパシタの充放電制御を簡単にできる加熱装置、定着装置及び画像形成装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、キャパシタのエネルギーが不足するような場合でも安定なエネルギーを発熱部材に供給でき、キャパシタの充放電制御を簡単にでき、更に簡単に構成できる加熱装置、定着装置及び画像形成装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、省エネルギーにでき、高速の立ち上げと微妙なキャパシタの充放電制御ができる加熱装置、定着装置及び画像形成装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、一層の小型化と低コスト化を図ることができる加熱装置、定着装置及び画像形成装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、装置全体の小型化、低コスト化を図ることができる加熱装置、定着装置及び画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、発熱部材の発熱により温度が上がる加熱部と、商用電源が用いられて前記発熱部材に電力を供給する主電源と、商用電源からの電力により充電回路で充電され前記発熱部材に電力を供給する補助電源としてのキャパシタとを有し、このキャパシタの充電エネルギーを放電時に放電回路により可変する加熱装置において、前記充電回路と前記放電回路を双方向型電源回路で構成したものである。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の加熱装置において、前記キャパシタを前記双方向型電源回路を介して燃料電池により充電させるか、前記発熱部材へ前記燃料電池より電力を供給するかを選択する選択手段を備えたものである。
請求項3に係る発明は、請求項1記載の加熱装置において、前記キャパシタの放電エネルギーと燃料電池の出力エネルギーとを選択する選択手段を有し、この選択手段により選択されたエネルギーを前記双方向型電源回路を介して前記発熱部材へ与えるものである。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の加熱装置において、前記双方向型電源回路から電力が供給される誘導加熱装置を有し、前記発熱部材は前記誘導加熱装置により昇温させるものである。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか1つに記載の加熱装置において、前記双方向型電源回路は、それぞれ2つの双方向性スイッチ素子が縦続接続された2つのカスケード回路と、この2つのカスケード回路の間に設けられたインダクタンス素子とを有し、前記2つのカスケード回路のうちの一方の入力側を前記双方向型電源回路の入力側とし、前記2つのカスケード回路のうちの他方の出力側を前記双方向型電源回路の出力側としたものである。
請求項6に係る発明は、請求項1〜4のいずれか1つに記載の加熱装置において、前記双方向型電源回路は、2つの双方向性スイッチ素子が縦続接続されたカスケード回路と、このカスケード回路の入力側に設けられたインダクタンス素子とを有し、前記カスケード回路の出力側を前記双方向型電源回路の入力側とし、前記インダクタンス素子の入力側を前記双方向型電源回路の入力側としたものである。
請求項7に係る発明は、請求項1〜6のいずれか1つに記載の加熱装置を備えたものである。
請求項8に係る発明は、請求項7記載の定着装置を備えたものである。
本発明によれば、小型で低コストにできる。
本発明によれば、キャパシタのエネルギーが不足するような場合でも安定なエネルギーを発熱部材に供給でき、キャパシタの充放電制御を簡単にできる。
本発明によれば、キャパシタのエネルギーが不足するような場合でも安定なエネルギーを発熱部材に供給でき、キャパシタの充放電制御を簡単にでき、更に簡単に構成できる。
本発明によれば、省エネルギーにでき、高速の立ち上げと微妙なキャパシタの充放電制御ができる。
本発明によれば、一層の小型化と低コスト化を図ることができる。
本発明によれば、装置全体の小型化、低コスト化を図ることができる。
図13は本発明の実施形態1の概略を示す。この実施形態1は、定着装置を有する電子写真方式の画像形成装置の一実施形態である。回転体からなる像担持体は、例えばドラム形状の感光体1が用いられ、図示しない駆動部により回転駆動される。この感光体1の周りには、矢印で示す回転方向へ順次に、帯電手段としての帯電装置2、露光手段の一部を構成するミラー3、現像手段として現像装置4、シート状被加熱体である記録媒体としての転写紙P(OHP紙などでもよい)に感光体1上の未定着トナー像を転写する転写手段としての転写装置5、クリーニング手段としてのクリーニング装置6などが配置されている。
ここに、帯電装置2は高圧電源から帯電バイアスが印加される帯電ローラからなり、現像装置4は高圧電源から現像バイアスが印加される現像ローラ4aを有する現像装置からなる。クリーニング装置6は感光体1の外周面に摺接するブレード6aを有する。
感光体1は帯電装置2と現像ローラ4aとの間で露光手段によりミラー3を介して露光光Lbで走査されるようになっており、感光体1上の露光光Lbが照射される位置を露光部7と呼ぶ。転写装置5は感光体1の下面と対向しており、感光体1上の転写装置5と対向する位置を転写部8と呼ぶ。
転写部8より転写紙搬送方向上流側の位置には一対のレジストローラ9が設けられ、このレジストローラ9に向けて図示しない給紙トレイから転写紙Pが給紙コロ10により送り出される。この転写紙Pは図示しない搬送ガイドにより案内されてレジストローラ9で一旦停止する。転写部8より転写紙搬送方向下流側の位置には加熱部を構成する加熱ローラ11を有する定着装置12が配置されている。
この画像形成装置においては、次のように画像形成が行われる。使用時には感光体1が回転を始め、この感光体1の回転中に感光体1が暗中において帯電装置2により均一に帯電され、露光手段によりミラー3を介して露光光Lbが感光体1の露光部7に照射されて感光体1が走査されることにより、形成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。この感光体1上の静電潜像は、感光体1の回転により現像装置4のところに移動してきて、ここで現像装置4によりトナーで可視像化されてトナー像が形成される。
一方、給紙コロ10により給紙トレイから転写紙Pの給送が開始され、この転写紙Pは破線で示す搬送経路を経て一対のレジストローラ9の位置で一旦停止して感光体1上のトナー像と転写部8で合致するような送り出しのタイミングを待つ。この送り出しのタイミングが到来すると、レジストローラ9の位置で停止していた転写紙Pはレジストローラ9により送り出されて転写部8に向けて搬送される。
感光体1上のトナー像と転写紙Pとは転写部8で合致し、転写装置5による電界により感光体1上のトナー像が転写紙Pに転写される。従って、感光体1、帯電装置2、露光手段、現像手段4、転写装置5は、転写紙P上に未定着のトナー像からなる未定着画像を形成する像形成手段を構成する。転写紙Pは、転写されたトナー像を担持し、定着装置12に向けて搬送される。この転写紙Pは、定着装置12を通過する間にトナー像が定着され、図示しない排紙部に排紙される。
また、転写部8で転写されずに感光体1上に残った残留トナーは、感光体1の回転と共にクリーニング装置6に至り、このクリーニング装置6を通過する間にブレード6aで清掃されて次の画像形成に備える。
図14は上記定着装置12を示す。定着装置12は、加熱部としての定着ローラ11と、この定着ローラ11に圧接される加圧部材としての加圧ローラ13とを有する。定着ローラ11及び加圧ローラ13は図示しない駆動部により回転駆動され、定着ローラ11は主発熱部材11a、補助発熱部材11bの発熱により加熱されて温度が上がる。この発熱部材11a、11bは、ハロゲンヒータが用いられているが、特にハロゲンヒータに限られず、その他抵抗発熱体などの発熱部材を用いてもかまわない。
未定着のトナー像tを担持する転写紙Pは、定着ローラ11及び加圧ローラ13のニップ部を通過する間に定着ローラ11及び加圧ローラ13による加熱及び加圧によりトナー像tが定着される。
図1は上記定着装置12の回路構成の一部(補助発熱部材11bに電力を供給する部分)を示す。本実施形態1では、発熱部材11a、11bに電力を供給する回路は、上記図8に示す回路において、キャパシタ25を充電する充電器26と、昇圧手段35である電源回路の代りに、充電回路と放電回路の機能を併せ持つ双方向型電源回路36を用いてキャパシタ25の充電及び放電の制御を行うように構成している。
双方向型電源回路36としては、例えば特許文献4に記載されている図11に示す回路構成で実現できるが、これ以外でも双方向型の電源回路であればどのようなものであってもよい。例えば、図11に示す双方向型電源回路以外で特許文献4に記載されている双方向型電源回路であればどの双方向型電源回路であってもよい。
図11に示す双方向型電源回路36では、第1のスイッチング回路S1と第2のスイッチング回路S2とを縦続接続して第1のカスコード回路K1とし、第3のスイッチング回路S3と第4のスイッチング回路S4とを縦続接続して第2のカスコード回路K2とする。各スイッチング回路S1〜S4は、それぞれ、スイッチング素子である絶縁形バイポーラトランジスタとフライホイールダイオードを並列に接続したもので、バイポーラトランジスタのエミッタとフライホイールダイオードのアノードが接続されてバイポーラトランジスタのコレクタとフライホイールダイオードのカソードが接続される。
第1のカスコード回路K1の入力端子(第1のスイッチング回路S1のバイポーラトランジスタのコレクタとフライホイールダイオードのカソードが接続された点)は双方向型電源回路36の入力端子P1に接続され、第1のカスコード回路K1の出力端子(第1のスイッチング回路S1のバイポーラトランジスタのエミッタとフライホイールダイオードのアノードが接続された点と、第2のスイッチング回路S2のバイポーラトランジスタのコレクタとフライホイールダイオードのカソードが接続された点との接続点)はインダクタンス素子Lの一端に接続され、第2のスイッチング回路S2におけるバイポーラトランジスタのエミッタとフライホイールダイオードのアノードが接続された点が共通端子GNDに接続される。
第2のカスコード回路K2の入力端子(第3のスイッチング回路S3のバイポーラトランジスタのコレクタとフライホイールダイオードのカソードが接続された点と、第4のスイッチング回路S4のバイポーラトランジスタのエミッタとフライホイールダイオードのアノードが接続された点との接続点)はインダクタンス素子Lの他の一端に接続され、第3のスイッチング回路S3におけるバイポーラトランジスタのエミッタとフライホイールダイオードのアノードが接続された点が共通端子GNDに接続される。第4のスイッチング回路S4の出力側(バイポーラトランジスタのコレクタとフライホイールダイオードのカソードが接続された点)は双方向型電源回路36の出力端子P2に接続され、入力端子P1と共通端子GNDとの間にコンデンサC1が接続されて出力端子P2と共通端子GNDとの間にコンデンサC2が接続される。
各スイッチング回路S1〜S4は、それぞれ双方向性スイッチ素子を構成し、バイポーラトランジスタの制御端子(又はゲート)に制御手段としての制御回路37(図1参照)からの制御信号が入力されることによりバイポーラトランジスタがオン/オフ制御(PWM(パルス幅変調))されてデューティ比率α、(1―α)、β、(1―β)でスイッチングを行う。入力端子P1に入力された入力電圧は、スイッチング回路S1、S2を通してインダクタンス素子Lがスイッチングされ、スイッチング回路S3、S4を通して出力端子P2から変換された電圧が出力される。また、出力端子P2から入力された入力電圧は、スイッチング回路S4、S3を通してインダクタンス素子Lで平滑され、スイッチング回路S2、S1を通して入力端子P1から出力される。各スイッチング回路S1〜S4は、バイポーラトランジスタの制御端子(又はゲート)に制御回路37から制御信号が入力されることにより入力電圧をPWMして出力する。
本実施形態1では、図1に示すように、制御回路37は、切換手段としてのスイッチSW1を制御し、キャパシタ25を充電する時、例えば加熱部材11aの温度を高くする必要がない時には、スイッチSW1を商用電源側aに切換える。このため、商用電源38から供給される交流電力は、交流直流変換手段としての整流回路39で整流されて直流電力(電圧約120〜140V)に変換され、図示しない平滑手段により平滑され、スイッチSW1を経由して双方向型電源回路36に入力され、制御回路37による双方向型電源回路36のPWM制御でキャパシタ25の充電に最適となるような電圧(約40〜45V程度、但しキャパシタ25のキャパシタセルにより異なる)に調整されてキャパシタ25に印加され、キャパシタ25が充電される。
制御回路37は、キャパシタ25を放電する時、例えば加熱ローラ11の温度を昇温する時など多量の電力を必要とする時には、スイッチSW1を補助発熱部材(ヒータ)11b側bに切換える。このため、キャパシタ25に充電されたエネルギーは、双方向型電源回路36に入力され、制御回路37による双方向型電源回路36のPWM制御で補助発熱部材11bの駆動に最適となる電圧に調整(昇圧)されて補助発熱部材11bに印加される。
この実施形態1によれば、商用電源38からの電力によりキャパシタ25を充電する充電回路としての充電器26と、キャパシタ25の充電エネルギーを放電時に可変する放電回路としての昇圧手段35とを双方向型電源回路36で構成したので、キャパシタ25を充電するための充電用電源(充電器26)と、キャパシタ25から放電するエネルギーを可変する放電用電源(昇圧手段35)との2系統の電源の代りに、充電回路と放電回路の機能を併せ持つ双方向型電源回路1個を用いることができ、特許文献2記載のものの特徴を活かしながら、小型で低コストの装置を実現できる。
図2は本発明の実施形態2における定着装置の回路構成の一部(補助発熱部材11bに電力を供給する部分)を示す。本実施形態2は、上記実施形態1とは以下の点が異なり、その他の点が上記実施形態1と同様である。制御回路37は、切換手段としてのスイッチSW1、SW2、SW3を制御することで、キャパシタ25の充放電を基本的に上記実施形態1と同様に制御するが、キャパシタ25の充電を行う時に商用電源38から整流回路39、スイッチSW2、SW1、SW3を介して双方向型電源回路36に加えられる電力が不足する際には、スイッチSW2を燃料電池40側に切り換えることにより、燃料電池40からの電力をスイッチSW2、SW1、SW3及び双方向型電源回路36を介してキャパシタ25に加えてキャパシタ25を充電させる。
すなわち、制御回路37は、商用電源38から整流回路39を介して入力される電力が停電やその他の理由で商用電源38から電力が供給されない時には、商用電源38から電力が供給されないことを検知する電力検知手段からの検知信号に基づいてスイッチSW2を燃料電池40側bに切り換えることにより、燃料電池40からの電力をスイッチSW2、SW1、SW3及び双方向型電源回路36を介してキャパシタ25に加えてキャパシタ25を充電させる。
また、制御回路37は、キャパシタ25の電力が所定の要求放電電力量より少なかったりキャパシタ25の充電量が不足したりすることを検知する手段からの検知信号により、キャパシタ25の電力が所定の要求放電電力量より少なかったりキャパシタ25の充電量が不足したりする時にスイッチSW1、SW2を発熱部材11b側bに切り換え、燃料電池40からの電力をスイッチSW1、SW2を介して発熱部材11bに加える。
なお、制御回路37は、発熱部材11bの温度を随時検知する温度検知手段からの温度検知信号、本実施形態2の使用電力を随時検知する使用電力検知手段からの使用電力検知信号、キャパシタ25の残量電力(キャパシタ25を現在の電圧から最適電圧まで充電するのに必要な電力)を随時検知する残量電力検知手段からの残量電力検知信号などを取り込み、これらの温度検知信号、使用電力検知信号、残量電力検知信号などに基づいてキャパシタ25を最適な電圧に充電するのに必要な電力を演算し、その演算結果によりキャパシタ25の充電不足時にスイッチSW1を燃料電池40側bに切り換えて燃料電池40からの電力をスイッチSW2、SW1、SW3及び双方向型電源回路36を介してキャパシタ25に加えてキャパシタ25にその充電不足分を充電させるようにしてもよい。
この実施形態2によれば、キャパシタ25を双方向型電源回路36を介して燃料電池40により充電させるか、発熱部材11bへ燃料電池40より電力を供給するかを選択する選択手段としてのスイッチSW2を備えたので、本実施形態2の使用状態にかかわらず、キャパシタ25のエネルギーが不足するような場合でも、安定なエネルギーを発熱部材11bに供給することができる。
図12は、キャパシタ定着装置を採用した画像形成装置と、キャパシタ定着装置を採用していない画像形成装置との使用電力の差を表すものである。前述したように、キャパシタ定着装置を採用していない画像形成装置にあっては、暫く使用していなかった場合の再立ち上げに数分以上の時間がかかる。この時間を短縮するには、定着ローラをすぐに立ち上げることができるように加熱する必要があり、図12に示すように画像形成装置の待機時であっても若干の電力(図12中の低電力モードの電力)を発熱部材に与えておく必要がある。このため、発熱部材に与える電力は、その低電力モードの電力以下にすることはできない。
このことから、キャパシタ定着装置を採用していない画像形成装置にあっては、待機時間にも無駄な電力を消費していた。
キャパシタ定着装置を採用した画像形成装置では、キャパシタ定着装置の採用により画像形成装置の立ち上げ速度を10秒以下にできるため、使用していない時の電力を殆ど消費しない図12に示すようなオフモードとすることができるので、従来のキャパシタ定着装置を採用していない画像形成装置よりも省エネルギーの装置にできる。しかし、オフモードは、使用していない時の電力を非常に少なくするモードであるため、使用していない時にキャパシタの充電は行えない。このため、キャパシタの充電は、画像形成装置の復帰時や画像形成時などの短い時間に合わせて行う必要があるので、制御が非常に難しいものとなる。
また、このような制御の場合、商用電源は1500W以下の制限があるので、キャパシタの充電電力も1500W以上の電力でキャパシタを充電することはできなかった。また、画像形成装置の使用状態によっては、殆どキャパシタの充電が行われなくなることもあり、この場合はキャパシタ定着装置の効果が得られなくなり問題であった。
本実施形態2では、そのような場合でも、燃料電池40からの電力によりキャパシタ25のエネルギーが不足することがないようにでき、キャパシタ25の充放電制御も非常に簡単なものにできる。
図3は本発明の実施形態3における定着装置の回路構成の一部(補助発熱部材11bに電力を供給する部分)を示す。本実施形態3は、上記実施形態1に加えて、燃料電池41と、この燃料電池41とキャパシタ25とを双方向型電源回路36の入力側に切換接続する切換手段としてのスイッチ42とが設けられ、スイッチ42が制御回路37により制御されてキャパシタ25の充電不足分を補うように燃料電池41を双方向型電源回路36の入力側に切換接続することにより燃料電池41の電力が双方向型電源回路36、スイッチSW1を介して発熱部材11bに加えられる。
即ち、制御回路37は、スイッチ42を制御して通常はキャパシタ25側bに接続しておき、上記実施形態2と同様にキャパシタ25の電力が不足する場合にスイッチ42を燃料電池41側aに切換接続することで燃料電池41からの電力を双方向型電源回路36で調整(昇圧)してスイッチSW1を介して発熱部材11bに加える。つまり、制御回路37は、商用電源38から整流回路39を介して入力される電力が停電やその他の理由で商用電源38から電力が供給されない時には、商用電源38から電力が供給されないことを検知する電力検知手段からの検知信号に基づいてスイッチ42を燃料電池41側に切り換えることにより、燃料電池41からの電力を双方向型電源回路36で調整(昇圧)してスイッチSW1を介して発熱部材11bに加える。
また、制御回路37は、キャパシタ25の電力が所定の要求放電電力量より少なかったりキャパシタ25の充電量が不足したりすることを検知する手段からの検知信号により、キャパシタ25の電力が所定の要求放電電力量より少なかったりキャパシタ25の充電量が不足したりする時にスイッチ42を燃料電池41側に切り換えることにより、燃料電池41からの電力を双方向型電源回路36で調整(昇圧)してスイッチSW1を介して発熱部材11bに加える。
なお、制御回路37は、発熱部材11bの温度を随時検知する温度検知手段からの温度検知信号、本実施形態3の使用電力を随時検知する使用電力検知手段からの使用電力検知信号、キャパシタ25の残量電力(キャパシタ25を現在の電圧から最適電圧まで充電するのに必要な電力)を随時検知する残量電力検知手段からの残量電力検知信号などを取り込み、これらの温度検知信号、使用電力検知信号、残量電力検知信号などに基づいてキャパシタ25を最適な電圧に充電するのに必要な電力を演算し、その演算結果によりキャパシタ25の充電不足時にスイッチ42を燃料電池41側に切り換えて燃料電池41からの電力を双方向型電源回路36で調整(昇圧)してスイッチSW1を介して発熱部材11bに加えるようにしてもよい。
燃料電池41は、出力インピーダンスが高くて急激な電力の供給が苦手であるため、上記のように双方向型電源回路36を介して電力を供給することで、より効果的な発熱部材11bの加熱が行える。
図4は本発明の実施形態4における定着装置の回路構成の一部(補助発熱部材11bに電力を供給する部分)を示す。本実施形態4は、上記実施形態3に加えて、スイッチ42の代りにダイオード43を設けたものであり、燃料電池41はダイオード43を介してキャパシタ25と並列に接続される。キャパシタ25は、充電不足時に燃料電池41からの電力で充電される。
上記実施形態3及び実施形態4によれば、キャパシタ25の放電エネルギーと燃料電池41の出力エネルギーとを選択する選択手段としてスイッチ42またはダイオード43を有し、この選択手段により選択されたエネルギーを双方向型電源回路36を介して発熱部材11bへ与えるので、キャパシタ25の放電エネルギーまたは燃料電池41の出力エネルギーを双方向型電源回路36で昇圧させた後に発熱部材11bへ与えることになり、上記実施形態2の効果を奏する他、燃料電池41の電圧が低い場合でも安定した電力を発熱部材11bに供給できる。また、実施形態4では、切換手段42がなく、簡単な回路でも構成できる。
図5は本発明の実施形態5における定着装置の回路構成の一部(補助発熱部材11bに電力を供給する部分)を示す。本実施形態5は、上記実施形態3に加えて、双方向型電源回路36で昇圧し安定化した電圧でスイッチSW1を介して誘導加加熱装置としての誘導加熱回路44を駆動し、この誘導加熱回路44により発熱部材11bを昇温させる。誘導加熱回路44の電源は、安定な電源である必要があるが、キャパシタ25の電圧を双方向型電源回路36で安定化させるため、本実施形態5の構成が実現可能である。この場合、発熱部材11bは、誘導加熱のための電磁コイルが用いられ、定着ローラ11を加熱する。このような誘導加熱方式により、発熱部材11bへ電力供給を定着装置12の定着状況に応じてきめ細かく制御することができる。
なお、制御回路37は、上記実施形態3と同様に、発熱部材11bの温度を随時検知する温度検知手段からの温度検知信号、本実施形態5の使用電力を随時検知する使用電力検知手段からの使用電力検知信号、キャパシタ25の残量電力(キャパシタ25を現在の電圧から最適電圧まで充電するのに必要な電力)を随時検知する残量電力検知手段からの残量電力検知信号などを取り込み、これらの温度検知信号、使用電力検知信号、残量電力検知信号などに基づいてキャパシタ25を最適な電圧に充電するのに必要な電力を演算し、その演算結果によりキャパシタ25の充電不足時にスイッチ42を燃料電池41側に切り換えて燃料電池41からの電力を双方向型電源回路36で調整(昇圧)してスイッチSW1を介して発熱部材11bに加えるようにしてもよい。
この実施形態5では、キャパシタ25の電圧を双方向型電源回路36で安定化させた後に誘導加熱装置としての誘導加熱回路44により発熱部材11bに供給している。誘導加熱方式は、調理器や炊飯器などに採用されている加熱方式であるが、最近になり、高速の加熱が行えて省エネルギーになることから、画像形成装置の定着装置にも採用されるようになってきている。本実施形態5では、誘導加熱回路44を双方向型電源回路36の後に配置している。このため、更に省エネルギーとなり、高速の立ち上げと微妙な制御が制御回路37による双方向型電源回路36の制御により行える。
図11に示す双方向型電源回路36は入出力の電圧関係が上下いずれの状態にあっても双方向型の動作ができるものであるが、上記実施形態1では、入出力の電圧関係は、キャパシタ25の充電時、放電時の電圧の高低が決まっており、このような場合には、双方向型電源回路36は図11に示す双方向型電源回路でなくてもよく、図6に示す回路構成でも実現できる。
なお、上記実施形態1、2において、上記実施形態5と同様にキャパシタ25の電圧を双方向型電源回路36で安定化させた後に誘導加熱装置としての誘導加熱回路44により発熱部材11bに供給し、発熱部材11bとして誘導加熱のための電磁コイルを用いるようにしてもよい。
本発明の実施形態6では、上記実施形態1において、双方向型電源回路36の代りに図6に示す双方向型電源回路を用いている。この双方向型電源回路では、双方向性スイッチ素子としてのスイッチング回路S1、S2からなるカスコード回路K1とインダクタンス素子Lとからなる最小の素子で構成され、スイッチング回路S1、S2はそれぞれバイポーラトランジスタとダイオードとを並列に接続したものである。すなわち、この双方向型電源回路は、図11に示す双方向型電源回路においてカスコード回路K2が省略されている。
上記実施形態1乃至実施形態5における双 方向型電源回路36では、キャパシタ25の充電時はキャパシタ25の電圧の方がキャパシタ25を充電する電圧よりも低く、その逆になるケースは少ない。又、キャパシタ25の放電時は双方向型で昇圧するケースの場合の方が多い。
図6に示す双方向型電源回路では、制御回路37は、キャパシタ25の放電時には、スイッチング回路S1、S2のバイポーラトランジスタを制御してスイッチング回路S1をヒータ側に電流が流れる方向のダイオード素子として動作させるとともにスイッチング回路S2を昇圧用のスイッチング素子として動作させることにより、昇圧用コンバータとして動作させ、ヒータへの充電を行わせる。また、制御回路37は、キャパシタ25の充電時には、スイッチング回路S1、S2のバイポーラトランジスタを制御してスイッチング回路S1をスイッチング素子として動作させるとともにスイッチング回路S2をインダクタンス素子L側に電流が流れるダイオード素子として動作させることにより降圧コンバータとして動作させる。但し、この場合、スイッチング回路S1、S2は、特許文献4にも記載されているように、ダイオード素子ではなくスイッチング素子として動作させることも可能であり、必要に応じてスイッチング素子の動作をさせてもよい。
この実施形態6によれば、双方向型電源回路36には、双方向性スイッチ素子としてのスイッチング回路S1、S2とインダクタンス素子Lとからなる最小の素子で構成された双方向型電源回路を用いたので、図11に示す双方向型電源回路36を用いた場合よりも一層の小型化を図ることができ、低コストにすることができる。
本発明の他の各実施形態では、上記実施形態1乃至実施形態5において、それぞれ双方向型電源回路36の代りに上記図6に示す双方向型電源回路を用いたものである。これらの実施形態では、キャパシタ25の充電時は、キャパシタ25の電圧の方がキャパシタ25を充電する電圧よりも低く、その逆になるケースは少なく、キャパシタ25の放電時は、電源回路で昇圧するケースが多いので、上記図6に示すような簡素な双方向型電源回路でも十分に機能を果たすことができる。
又、特許文献1における図7に示すようなキャパシタセルユニットを2個設け、構成切替手段でキャパシタセルの直並列回路の切り替えも不要となるため、信頼性が高く、低コストの装置が実現できる。例えば図7の昇圧手段を昇降圧手段としてもよい。
これらの実施形態では、双方向性スイッチ素子としてのスイッチング回路S1、S2とインダクタンス素子Lとからなる最小の素子で構成された双方向型電源回路を用いたので、装置全体の小型化、低コスト化を図ることができる。
本発明の実施形態1における定着装置の回路構成の一部を示すブロック図である。 本発明の実施形態2における定着装置の回路構成の一部を示すブロック図である。 本発明の実施形態3における定着装置の回路構成の一部を示すブロック図である。 本発明の実施形態4における定着装置の回路構成の一部を示すブロック図である。 本発明の実施形態5における定着装置の回路構成の一部を示すブロック図である。 本発明の実施形態6における双方向型電源回路を示すブロック図である。 従来の定着装置の回路構成の一部を示すブロック図である。 従来の他の定着装置の回路構成の一部を示すブロック図である。 図8に示す回路構成の定着装置における昇圧手段の入力電圧Vinと、昇圧手段の出力電圧Voutの時間的な変化と、加熱ローラの温度の時間的な変化の例を示す図である。 図8に示す回路構成の定着装置において昇圧手段の入力電圧Vinが13Vまで低下するにつれて昇圧の倍率を上げていくような制御を行う制御手段を設けた場合における昇圧手段の入力電圧Vinと、昇圧手段の出力電圧Voutの時間的な変化と、加熱ローラの温度の時間的な変化の例を示す図である。 特許文献4記載の双方向型電源回路を示す回路図である。 キャパシタ定着装置を採用した画像形成装置と、キャパシタ定着装置を採用していない画像形成装置との使用電力の差を表す図である。 上記実施形態1を示す概略図である。 上記実施形態1の定着装置を示す断面図である。
符号の説明
11b 発熱部材
25 キャパシタ
38 商用電源
39 整流回路
SW1、SW2、SW3、42 スイッチ
40、41 燃料電池
43 ダイオード
44 誘導加熱回路

Claims (8)

  1. 発熱部材の発熱により温度が上がる加熱部と、商用電源が用いられて前記発熱部材に電力を供給する主電源と、商用電源からの電力により充電回路で充電され前記発熱部材に電力を供給する補助電源としてのキャパシタとを有し、このキャパシタの充電エネルギーを放電時に放電回路により可変する加熱装置において、前記充電回路と前記放電回路を双方向型電源回路で構成したことを特徴とする加熱装置。
  2. 請求項1記載の加熱装置において、前記キャパシタを前記双方向型電源回路を介して燃料電池により充電させるか、前記発熱部材へ前記燃料電池より電力を供給するかを選択する選択手段を備えたことを特徴とする加熱装置。
  3. 請求項1記載の加熱装置において、前記キャパシタの放電エネルギーと燃料電池の出力エネルギーとを選択する選択手段を有し、この選択手段により選択されたエネルギーを前記双方向型電源回路を介して前記発熱部材へ与えることを特徴とする加熱装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の加熱装置において、前記双方向型電源回路から電力が供給される誘導加熱装置を有し、前記発熱部材は前記誘導加熱装置により昇温させることを特徴とする加熱装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の加熱装置において、前記双方向型電源回路は、それぞれ2つの双方向性スイッチ素子が縦続接続された2つのカスケード回路と、この2つのカスケード回路の間に設けられたインダクタンス素子とを有し、前記2つのカスケード回路のうちの一方の入力側を前記双方向型電源回路の入力側とし、前記2つのカスケード回路のうちの他方の出力側を前記双方向型電源回路の出力側としたことを特徴とする加熱装置。
  6. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の加熱装置において、前記双方向型電源回路は、2つの双方向性スイッチ素子が縦続接続されたカスケード回路と、このカスケード回路の入力側に設けられたインダクタンス素子とを有し、前記カスケード回路の出力側を前記双方向型電源回路の入力側とし、前記インダクタンス素子の入力側を前記双方向型電源回路の入力側としたことを特徴とする加熱装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の加熱装置を備えたことを特徴とする定着装置。
  8. 請求項7記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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