以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る定着装置を用いたカラー画像形成装置の全体構成を示す図である。なお、画像形成装置は複写機、ファクシミリ、プリンタ等の周知のものであり、本発明を適用した定着装置を用いることができるタイプの画像形成装置であればどのようなものでも良い。また、ここに示した画像形成装置は、色分解に対応した色の画像を形成可能な感光体を複数備え、各感光体上で形成されたトナー像を中間転写体に重畳転写した画像を記録用紙などのシートに対して一括転写することで多色画像を形成可能なカラー複写機を一例として載せたものである。本発明における画像形成装置としては、カラー複写機に限らず、カラープリンタ、ファクシミリ装置及び印刷機なども含まれることは勿論であり、白黒トナーを用いた複写機等にも同様に使える技術であることは言うまでもない。
カラー画像形成装置100は、画像形成部1Aが縦方向の中央部に位置し、その下方には給紙部1Bが、さらに画像形成部1Aの上方には原稿載置台1C1を備えた原稿走査部1Cがそれぞれ配置されている。画像形成部1Aには、水平方向に展張面を有する中間転写ベルト102が配置されており、中間転写ベルト102の上位には、色分解色と補色関係にある色の画像を形成するための構成が設けられている。
画像形成部1Aには、補色関係にある色であるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)のトナーによる画像を担持可能な感光体3Y、3M、3C、3B(ここで、参照番号の後のY、M、C、Bはそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックを表すものとする)が中間転写体2の展張面に沿って並置されている。各感光体3Y、3M、3C、3Bはそれぞれ同じ方向(図1では反時計方向)に回転可能なドラムで構成されており、例えば感光体3Yのその周辺には、図示するように、回転過程において画像形成処理を実行する帯電装置4Y、書き込み装置5Y、現像装置6Y、1次転写装置7Y、及びクリーニング装置8Yが配置されている。なお、参照番号は省略しているが、残りの感光体3Y、3M、3Cの周囲にも、同様に、帯電装置、書き込み装置、現像装置、1次転写装置、及びクリーニング装置が配置されている。
中間転写ベルト102は、複数のローラ2A〜2Cに掛け回されて各感光体3Y、3M、3C、3Bとの対峙位置において同方向に移動可能な構成を備え、展張面を構成するローラ2A、2Bとは別のローラ2Cは、中間転写ベルト102を挟んで2次転写装置109に対峙している。なお、図1中、符号110は、中間転写ベルト102を対象としたクリーニング装置を示している。
2次転写装置109は、帯電駆動ローラ9A及び従動ローラ9Bに掛け回されて2次転写装置109が位置する2次転写位置において中間転写ベルト102と同方向に移動可能な転写ベルト9Cを備えており、転写ベルト9Cを帯電駆動ローラ9Aにより帯電させることで中間転写ベルト102に重畳された多色画像あるいは担持されている単一色の画像をシートに転写することができる。
2次転写位置には給紙部1Bからシートが給送されるようになっている。給紙部1Bは、複数の給紙カセット1B1と、給紙カセット1B1から繰り出されるシートの搬送路に配置された複数の搬送ローラ1B2と、2次転写位置前方に位置するレジストローラ1B3とを備えている。
本実施形態では、給紙部1Bには、給紙トレイ1B1から繰り出されるシートの搬送路に加えて給紙カセット1B1内に収容されていない種類のシートを2次転写位置に向け給送できる構成が備えられており、この構成は、画像形成部1Aの壁面の一部を起倒可能に設けた手差しトレイ1A1と繰り出しコロ1A2とを備えている。給紙カセット1B1からレジストローラ1B3に向けたシートの搬送路途中には、手差しトレイ1A1から繰り出されたシートの搬送路が合流し、いずれの搬送路から給送されるシートもレジストローラ1B3によってレジストタイミングが設定されるようになっている。
書き込み装置105は、原稿走査部1Cに有する原稿載置台1C1上の原稿を走査することにより得られる画像情報あるいは図示しないコンピュータから出力される画像情報により書き込み光が制御されて感光体4Y、4M、4C、4Bに対して画像情報に応じた書き込み光を出射して静電潜像を形成するようになっている。
原稿走査部1Cには、原稿載置台1C1上の原稿を露光走査するスキャナ1C2が備えられており、さらに原稿載置台1C1の上面には、自動原稿給送装置1C3が配置されている。自動原稿給送装置1C3は、原稿載置台1C1上に繰り出される原稿を反転可能な構成を備え、原稿の表裏各面での走査が行えるようになっている。
書き込み装置105により形成された感光体3上の静電潜像は現像装置6Yのように各感光体3Y、3M、3C、3Bの現像装置によって可視像処理され、中間転写ベルト102に1次転写される。中間転写ベルト102に対して各色毎のトナー像が重畳転写されると、2次転写装置109によりシートに対して一括して2次転写される。2次転写されたシートは、表面に担持している未定着画像を定着装置111によって定着される。
定着装置111を通過したシートは、定着装置111の後方に配置されている搬送路切り換え爪12によって搬送方向が切り換えられるようになっており、排紙トレイ13に向けた搬送路と、反転搬送路RPとに搬送方向が選択される。なお、定着装置111に関しては図2で詳しく説明する。
以上のような構成を備えたカラー画像形成装置100では、原稿載置台1C1上に載置された原稿を露光走査することにより、あるいはコンピュータから転送されてくる画像情報に基づいて一様帯電された感光体3Y、3M、3C、3Bに対して静電潜像が形成され、静電潜像が現像装置6によって顕像化されれた後、トナー像が中間転写ベルト102に1次転写される。
中間転写ベルト102に転写されたトナー像は、単一色画像の場合にはそのまま給紙部1Bから繰り出されたシートに対して転写され、多色画像の場合には1次転写が繰り返されることにより重畳された後、シートに対して一括して2次転写される。2次転写後のシートは定着装置111により未定着画像を定着された後、排紙トレイ13あるいは、反転されて再度レジストローラ1B3に向けて給送される。
図2は、定着装置111の概略構成を示す縦断側面図である。図示するように、定着装置111は、定着部材である定着ローラ121、加圧部材である加圧ローラ122、及び加圧ローラ122を一定の加圧力で定着ローラ121に押し当てる加圧手段(図示せず)を備えている。定着ローラ121及び加圧ローラ122は、駆動機構(図示せず)により回転駆動される。
また、定着装置111には、2つのACヒータで構成された定着ヒータ29,30と、1つのDCヒータで構成された定着ヒータ32の3つのヒータと、2つの温度検出用サーミスタ37、38が設けられている。これらの定着ヒータ29,30,32は、定着ローラ121の内部に配置されており、その定着ローラ121を内部から加熱して定着ローラ121に熱を供給する加熱部を構成している。また、サーミスタ37,38は、定着ローラ121の表面に当接し、定着ローラ121の表面温度(定着温度)を検出する。なお、サーミスタ37は定着ヒータ及びヒータ30に対応する測定領域に配置され、サーミスタ38はヒータ32に対応する測定領域に配置されている。
定着ヒータ29,30は、定着ローラ121の温度が目標温度に達していないときにONされて定着ローラ121を加熱する主たるヒータである。また、定着ヒータ32は、カラー画像形成装置100の主電源投入の時や省エネのためのオフモード時からコピー可能となるまでの立ち上げ時等、すなわち、定着装置111のウォームアップ時にONされたり、又は、画像形成時に定着ローラ121の温度が目標温度に達してないときにONされたりして、定着ローラ121を加熱する補助的なヒータ(補助ヒータ)である。
このような定着装置111では、トナー画像200aを担持した記録媒体であるシート200が定着ローラ121と加圧ローラ122とのニップ部を通過する際に定着ローラ121及び加圧ローラ122によって加圧及び加圧される。これにより、シート200にはトナー画像が定着される。
図3はカラー画像形成装置における制御装置の電気的な概略構成を示す回路図である。制御装置は充電回路31、均等化回路群17、キャパシタバンク9、第1制御部10、第2制御部8、放電回路19、温度検出回路28と33、AC電力供給回路43、操作部制御回路47などから構成されている。
充電回路31は、フィルタ1、全波整流回路2、高周波トランス3、整流回路4、チョークコイル5、FET6、定電流及び定電力充電電圧発生回路7、スイッチング・レギュレータIC13、充電電圧検出回路16、コンデンサC1、抵抗R1、ダイオードD3などから構成されている。交流電源からの交流入力は、フィルタ1を介して、全波整流回路2に印加されて全波整流される。この全波整流された出力は、平滑コンデンサC1に印加され、この平滑コンデンサC1によりリップル成分等は除去される。平滑コンデンサC1によりリップル成分等が除去された全波整流回路2の直流出力は、高周波トランス3の1次コイルに印加され、この1次コイルにはスイッチング手段としてのFET6が直列に接続されている。FET6で構成されるスイッチング回路は、後述するスイッチング・レギュレータIC13から出力されるPWM信号により、オン、オフのスイッチング動作をする。これにより、高周波トランス3の1次コイルにはスイッチング電流が流れる。この1次側のスイッチ電流により、高周波トランス3の2次コイルにスイッチ電圧が誘起する。このスイッチング周波数の導通期間を変えれば、2次側の出力電圧の制御を行うことができる。トランス3の2次コイルには整流回路4として、ダイオードが接続され、スイッチング電圧はこの整流回路4で整流され、チョークコイル5及びコンデンサC2により平滑され、直流出力に変換される。
この直流出力はダイオードD3を介して複数のキャパシタセルを有するキャパシタバンク9に供給され、キャパシタバンク9の個々のキャパシタセルは充電される。この実施形態におけるキャパシタバンク9には、満杯充電時に2.5Vになるキャパシタセル(電気二重層コンデンサセル)が18個、直列に接続されている。従って、18個のキャパシタセルが満充電になると、45Vの電圧が蓄電される。
充電回路31中のPWM信号を発生させるスイッチング・レギュレータIC13のPWM信号となる周波数は、スイッチング・レギュレータIC13の外に組み付けられる抵抗とコンデンサとの容量(抵抗とコンデンサは図示しない)で決定される。スイッチング・レギュレータIC13には、定電流及び定電力充電電圧発生回路7からの出力電圧に応じ、パルス幅を変調させるための電圧―パルス幅変換回路を備えている。定電流及び定電力充電電圧発生回路7の出力電圧に応じ、スイッチング・レギュレータIC13はパルス幅が変化したPWM信号をFET6のゲートに入力する。このパルス幅が変化したPWM信号がトランス3の1次コイルをスイッチングすることにより、トランス3の2次コイルに出力電圧の異なる電圧を発生させることができる。
キャパシタバンク9の端子間電圧は、抵抗R2と抵抗R3により分圧回路構成した充電電圧検出回路16により検出され、その出力は、定電流及び定電力充電電圧発生回路7及び第1制御部10のA/Dポート11に入力される。なお、定電流及び定電力充電電圧発生回路7及び第1制御部10の動作説明は後で行う。キャパシタバンク9中のキャパシタセルの充電電流の検出は、キャパシタバンク9と直列に接続された抵抗R1を流れる電流を端子間電圧として検出し、定電流及び定電力充電電圧発生回路7に入力される。
均等化回路群17は、キャパシタセル9a個々の満充電を検出し、バイパス回路(図示せず)を動作させ、各キャパシタセルの充電電圧を均等化するもので、充電回路31によりキャパシタセル9aは充電され、満充電の2.5Vに充電されると、均等化回路17aは充電電流をバイパスする。他のキャパシタセルに並列に接続されたバイパス回路も同様な動作を行い、各キャパシタセルの充電電圧は均等化される。均等化回路群17は、いずれかのキャパシタセルの満充電を検知し、バイパス回路を動作させると、導線44により定電流及び定電力充電電圧発生回路7に単セルバイパス回路動作信号を出力する。また、均等化回路群17は、全てのキャパシタセルの満充電を検知し、全てのバイパス回路を動作させると、導線45から定電流及び定電力充電電圧発生回路7に全セルのバイパス回路動作信号を出力する。
定電流及び定電力充電電圧発生回路7は、キャパシタセル全体であるキャパシタバンク9の充電電圧検出、充電電流の検出、バイパス回路の動作を検出し、キャパシタバンク9に定電流充電及び定電力充電を行うための電圧を発生させ、その電圧をスイッチング・レギュレータIC13に出力する回路である。この定電流及び定電力充電電圧発生回路7は、キャパシタバンク9の端子間電圧を充電電圧検出回路16の出力により検出し、キャパシタバンク9の端子間電圧が、予め設定された値より低い場合には、予め設定された定電流充電にする電圧をスイッチング・レギュレータIC13に出力する。スイッチング・レギュレータIC13は、入力された電圧に応じたPWM信号をFET6のゲートに出力する。定電流充電するための電流検出は、キャパシタバンク9と直列に接続された抵抗R1の端子間電圧として検出され、定電流及び定電力充電電圧発生回路7は、この端子間電圧を逐次検出し、予め設定された定電流充電にするための電圧を、スイッチング・レギュレータIC13に出力する。
キャパシタバンク9の端子間電圧が、予め設定された値以上になると、定電流及び定電力充電電圧発生回路7は、定電力充電を行うために、上述したようにキャパシタバンク9の充電電流と、キャパシタバンク9の端子間電圧の検出を行い、検出した充電電流と充電電圧から、予め設定された定電力充電を行うための電圧をスイッチング・レギュレータIC13に出力する。スイッチング・レギュレータIC13は、この電圧に対応したPWM信号をFET6のゲートに出力する。
定電流及び定電力充電電圧発生回路7は、キャパシタバンク9の端子間電圧と、キャパシタバンク9の充電電流の検出を逐次行い、予め設定された定電力充電を行うための電圧を、スイッチング・レギュレータIC13に出力する。次に、定電流及び定電力充電電圧発生回路7は、導線44に単セルバイパス回路動作信号を検出すると、予め設定された定電流充電にする電圧を、スイッチング・レギュレータIC13に出力する。次に、定電流及び定電力充電電圧発生回路7は、全てのバイパス回路が動作した信号を導線45から検出すると、電圧の出力を停止し、充電動作を停止する。
第1制御部10は、ROM51、RAM52、タイマ53、CPU54、割り込み制御回路(INT)42、A/Dポート11、シリアルコントローラ(以下、SCIと称する)27、及び入出力ポート14を備えている。第1制御部10のA/Dポート11には、サーミスタ38とそのサーミスタ38に直列に接続された抵抗R10とで構成される、定着装置の加熱部の温度を検出する第1温度検出回路28が接続されている。また、入出力ポート14には第1温度検出回路28の温度検出結果により、キャパシタバンク9に蓄電された電力を定着ローラ121の内部に備えられた定着ヒータ32に供給する放電回路19が接続されている。第1制御部10は、画像形成装置を制御する第2制御部8とSCI27を介して通信の送受信を行い、充電回路31の制御及び定着装置の加熱部の温度検出を行いキャパシタバンク9の電力放電等の制御を行う。
第1制御部10は、キャパシタバンク9の端子間電圧を充電電圧検出回路16により検出し、キャパシタバンク9の電力放電が可能か判断する。また、第1制御部10は放電中ではないとき、又は待機中等に、ポート5より充電ON信号(“Low)をOR回路46を介して定電流及び定電力充電電圧発生回路7に出力する。放電異常、充電回路異常等の場合には充電オフ信号(“H)をOR回路46を介して定電流及び定電力充電電圧発生回路7に出力する。
第1制御部10は、画像形成装置を制御する第2制御部8からの指示又は定着装置の加熱部の温度検出を行い予め設定された温度以下の温度検出を行うと、キャパシタバンク9の電力放電を行うために信号(“Low)を入出力ポート14のポート1及びポート2よりOR回路21及び22に出力する。OR回路21は(“Low)信号が入力されると、(“Low)信号をリレー駆動回路20に出力する。リレー駆動回路20はONし、リレーは閉じられる。OR回路22は、(“Low)信号が入力されると、バッファ回路25に(“Low)信号を出力する。バッファ回路25は(“H)信号をFET19bのゲートに出力する。FET19bはONし定着ヒータ32へ電力が供給される。
さらに、第1制御部10は定着装置111の加熱部の温度検出をサーミスタ38によって行い、予め設定された温度以上の温度検出を行うと、キャパシタバンク9の電力放電の停止を行うため信号(“H)を入出力ポート14のポート1及びポート2よりOR回路21及び22に出力する。OR回路21は(“H)信号が入力されると、(“H)信号をリレー駆動回路20に出力する。リレー駆動回路20はリレーをOFF(開放)される。OR回路22は、(“H)信号が入力されると、バッファ回路25に(“H)信号を出力する。バッファ回路25は(“Low)信号をFET19bのゲートに出力する。FET19bはOFFされて、定着ヒータ32への電力供給は停止される。
また、第1制御部10は定着装置111の加熱部の温度検出をサーミスタ38によって行い、予め設定された温度以上の異常温度検出を行うと、上述したようにキャパシタバンク9の電力放電の停止を行うため信号(“H)を入出力ポート14のポート1及びポート2よりOR回路21及び22に出力すると共に、ポート5より充電停止信号(”H)をOR回路46を介して定電流及び定電力充電電圧発生回路7に出力する。また、第2制御部8が制御する定着ヒータへの電力供給を禁止する信号(H“)をポート3より、OR回路23、24に出力する。OR回路23は(“H)信号が入力されると、(“H)信号をフォトトライアックドライブ回路39に出力する。これにより、フォトトライアック34はオフされ、定着ヒータ29への電力供給は停止される。同じように、OR回路24は(“H)信号が入力されると、(“H)信号をフォトトライアックドライブ回路40に出力し、フォトトライアック35はオフされ、定着ヒータ30への電力供給は停止される。
また、第1制御部10は入出力ポート14のポート4より、定着装置の加熱部の温度異常信号を第2制御部8の割り込み制御回路41に出力する。第2制御部8は割り込み制御回路41の信号により、定着ヒータへの電力供給を停止する信号(“H)を入出力ポート15のポート2及びポート3よりOR回路23及び24に出力する。OR回路23及び24に(“H)信号が入力されると、前記したように、定着ヒータ29及び定着ヒータ30への電力供給は停止される。
第1制御部10がOR回路23、24に電力供給を禁止する信号(H“)を出力するのは、第1制御部10が異常動作を行い、暴走又は、動作不能になった場合に有効である。第1制御部10が入出力ポート14のポート4より、定着装置111の加熱部の温度異常信号をCP8の割り込み制御回路41に出力するのは、第1制御部10が一部の長い制御プログラムを実行中、又はCPU54が暴走して、閉ループを実行中に有効である。第1制御部10は、優先度の高い割り込み処理として実行すると共に、操作部(図示しない)に異常表示等を行う。
第1制御部10は、第1制御部10と同様にROM61、RAM62、タイマ63、CPU64、割り込み制御回路(INT)41、A/Dポート18、SCI26、及び入出力ポート15を備えている。第1制御部10はSCI26を介して操作部制御回路47と通信の送受信を行い、操作部への表示又は、キー入力の信号を入力する。第1制御部10は画像形成装置の画像形成動作の制御も行うが、説明は省略する。
第2制御部8のA/Dポート18には、サーミスタ37とそのサーミスタ37に直列に接続された抵抗R11とで構成される定着装置の加熱部の温度を検出する第2温度検出回路が接続されている。また、第2温度検出回路の温度検出結果により、定着ヒータ29及び30にAC電力を供給するAC電力供給回路43も接続されている。第2制御部8は、キャパシタバンクの充放電を制御する第1制御部10とSCI26を介して通信の送受信を行い、キャパシタバンク9の充放電制御を行う。第1制御部10は、主電源投入又は、省エネモード解除時に、予め設定された温度以下の温度検出を行うと、第1制御部10にキャパシタバンク9の蓄電を放電する指示をSCI26を介して出力する。また、コピー動作時に定着装置111の加熱部の温度検出を行い、予め設定された温度以下の温度検出を行うと、第1制御部10にキャパシタバンクの蓄電を放電する指示をSCI26を介して出力する。
第1制御部10は、定着装置の加熱部の温度検出を行い、予め設定された温度以下の温度検出を行うと、定着ヒータ29及び定着ヒータ30へ電力供給を行うために信号(“Low)を入出力ポート15のポート2及びポート3よりOR回路23及び24に出力する。OR回路23は(“Low)信号が入力されると、(“Low)信号をフォトトライアックドライブ回路39に出力する。フォトトライアック34はONし、定着ヒータ29にはAC電力が供給される。OR回路24は(“Low)信号が入力されると、(“Low)信号をフォトトライアックドライブ回路40に出力する。フォトトライアック35はONし、定着ヒータ30にはAC電力が供給される。また、第1制御部10は定着装置の加熱部の温度検出を行い、予め設定された温度以上の温度検出を行うと、電力供給の停止を行うため信号(“H)を入出力ポート15のポート2及びポート3よりOR回路23及び24に出力する。
OR回路23は(“H)信号が入力されると、(“H)信号をフォトトライアックドライブ回路39に出力する。フォトトライアック34はOFFし、定着ヒータ29への電力は停止される。OR回路24は(“H)信号が入力されると、(“H)信号をフォトトライアックドライブ回路40に出力する。フォトトライアック35はOFFして定着ヒータ30への電力は停止される。
また、第1制御部10は定着装置111の加熱部の温度検出をサーミスタ38によって行い、予め設定された温度以上の異常温度検出を行うと、前記したように電力供給の停止を行うため信号(“H)を入出力ポート15のポート2及びポート3よりOR回路23及び24に出力すると共に、SCI26を介して第1制御部10に定着装置の加熱部の温度異常信号を出力する。また、第1制御部10は入出力ポート15のポート4より、定着装置の加熱部の温度異常信号を第1制御部10の割り込み制御回路42に出力する。第1制御部10は割り込み制御回路42の信号により、定着ヒータへの電力供給を停止する信号(“H)を入出力ポート14のポート1及びポート2よりOR回路21及び22に出力する。OR回路21及び22に(“H)信号が入力されると、前記したように、定着ヒータ32への電力供給は停止される。
また、第1制御部10は入出力ポート15のポート5より、充電動作禁止信号(“H)をOR回路46に出力する。第1制御部10がOR回路21、22に電力供給を禁止する信号(H“)出力するのは、第1制御部10が異常動作を行い、暴走又は、動作不能になった場合に有効である。第1制御部10は入出力ポート15のポート4より、定着装置の加熱部の温度異常信号を第1制御部10の割り込み制御回路42に出力するのは、第1制御部10が一部の長い制御プログラムを実行中、又はCPUが暴走して、閉ループを実行中に有効である。
上述した実施形態では、第1温度検出回路28は第1制御部10で、第2温度検出回路は第1制御部10でそれぞれ制御しているが、温度検出回路は第1制御部10と第1制御部10で共通使用することもできる。その例が図4に示されている。図4は他の実施形態における制御装置の電気的な概略構成を示す回路図である。以下、図3と異なる部分のみ説明する。
第1制御部10のA/Dポート11には、第2制御部8のA/Dポート18にも接続される、サーミスタ37とそのサーミスタ37に直列に接続された抵抗R11とで構成される定着装置111の加熱部の温度を検出する第2温度検出回路33が接続されている。
第1制御部10は第2温度検出回路33の温度検出結果により、キャパシタバンク9に蓄電された電力の放電制御を行う。第1制御部10も第2温度検出回路33の温度検出結果により、定着ヒータ29及び30にAC電力供給を行う。図3の制御回路構成の場合には、温度検出回路を別々に備えているので、どちらの第2温度検出回路33又は28、及びサーミスタ37又は38の浮き等が発生した場合でも、定着装置111及びその制御回路の異常は検出できるが、図4の場合には、第2温度検出回路33を共通に使用しているので、温度検出路が異常の場合には、定着装置111及びその制御回路の異常は検出できない。定着ヒータを複数備える場合には、異なる加熱位置に備え、その異なる位置に温度検出手段を設けるのが、一般的である。この場合は、温度検出手段の温度差でも定着装置、制御回路の異常を検出することもできる。
図5は、第1制御部10が定着装置の温度制御及び異常温度を検知する制御フローチャートである。第1制御部10は、A/Dポート11より定着装置の加熱部温度を読み込み(ステップS101)、第2制御部8に読み込んだ温度を出力し(ステップS102)、A/Dポート11より読み込んだ温度が、予め設定された異常温度を超えているか確認する(ステップS103)。予め設定された異常温度を超えている場合は、第2制御部8に定置装置111が異常温度である信号を出力し(ステップS104)、次に、ポート4より、第2制御部8の割り込み回路41に定置装置111が異常温度である信号(“H)を出力する(ステップS105)。次にポート1及びポート2より、放電停止信号(“H)を出力する(ステップS106)。前述したようにポート1及びポート2より、放電停止信号(“H)が出力されると、リレー19a及びFET19bは開放され放電は停止される。
次にAC電力供給停止信号(“H)をポート3より出力し(ステップS107)、充電動作停止信号(“H)をポート5より出力(ステップS108)し、本制御フローは終了する。
ステップS103において、定着装置111の加熱部温度が異常温度を超えていない場合は、第2制御部8より、定置装置111が異常温度である信号が出力されているか確認する(ステップS109)。定置装置111が異常温度である信号が出力されて無い場合は、定着装置の加熱部温度が、予め設定された温度以下か確認する(ステップS110)。設定温度以下の場合には、ポート1及びポート2より放電信号(“Low)を出力する(ステップS111)。これにより、リレー19a及びFET19bがONされ、定着ヒータ32には電力が供給され、本制御フローは終了する。
ステップS109において、第2制御部8より定置装置111が異常温度である信号が出力されている場合は、ステップS106に進み、上述したと同様に、ポート1及びポート2より、放電停止信号(“H)を出力し(ステップS106)、信号(“H)をポート3より出力し(ステップS107)、充電動作停止信号(“H)をポート5より出力し(ステップS108)、本制御フローは終了する。また、ステップS110において、予め設定された温度以下でない場合は、ポート1及びポート2より、放電停止信号(“H)を出力し(ステップS112)、本制御フローは終了する。
図6は、第1制御部10が第2制御部8から送信される定着装置111の温度に関連する信号を処理する制御フローチャートである。ここでは最初に、第1制御部10は第2制御部8から定置装置が異常温度である信号が出力されているか確認し(ステップS201)、異常温度である信号が出力されている場合は、ポート1及びポート2より、放電停止信号(“H)を出力し(ステップS202)、充電動作停止信号(“H)をポート5より出力し(ステップS203)、本制御フローは終了する。ステップS201において第2制御部8から定置装置111が異常温度である信号が出力されていない場合は、第2制御部8から定置装置111の温度信号が出力されているか確認する(ステップS204)。
定置装置111の温度信号が出力されている場合は、A/Dポート11より定着加熱部の温度を読み込み(ステップS205)、第2制御部8から定置装置111の温度と、A/Dポート11より読み込んだ温度と比較を行い(ステップS206)、比較した結果、予め設定された温度差異常の差があるか否かを確認し(ステップS207)、ある場合には、第2制御部8に定置装置111が異常温度である信号を出力する(ステップS208)。次に、第2制御部8の割り込み回路41に定置装置111が異常温度である信号(“H)をポート4より出力し(ステップS209)、ポート1及びポート2より放電停止信号(“H)を出力し(ステップS210)、強制的にAC電力供給停止する信号(“H)をポート3より出力し(ステップS211)、最後に充電動作停止信号(“H)をポート5より出力し(ステップS212)、本制御フローは終了する。また、ステップS204において、第2制御部8から定置装置111の温度信号が出力されて無い場合は、本制御フローは終了する。さらにステップS207において、予め設定された温度差異常の差がない場合も、本制御フローは終了する。なお、定着異常信号の割り込みはステップS202に進む。
図7は第2制御部8が定着装置111の温度制御及び異常温度を検知する制御フローチャートである。第2制御部8は、A/Dポート18より定着装置111の加熱部温度を読み込み(ステップS301)、第1制御部10に読み込んだ温度を出力し(ステップS302)、A/Dポート18より読み込んだ温度が、予め設定された異常温度を超えているか確認する(ステップS303)。予め設定された異常温度を超えている場合は、第1制御部10に定置装置111が異常温度である信号を出力し(ステップS304)、ポート4より第1制御部10の割り込み回路42に定置装置が異常温度である信号(“H)を出力し(ステップS305)、ポート2及びポート3よりAC電力供給停止信号(“H)を出力する(ステップS306)。ポート2及びポート3よりAC電力供給停止信号(“H)が出力されると、フォトトライアック34、及び35はOFFし電力供給は停止される。次に、DC電力供給を強制的に停止する信号(“H)をポート1より出力し(ステップS307)、充電動作を強制的に停止する信号(“H)をポート5より出力し(ステップS308)、操作部47に定着装置111が異常温度である信号を出力し(ステップS309)、本制御フローは終了する。
ステップS303において、定着装置111の加熱部温度が異常温度を超えていない場合は、第1制御部10より定置装置111が異常温度である信号が出力されているか確認し(ステップS310)、定置装置111が異常温度である信号が出力されていない場合は、定着装置111の加熱部温度が、予め設定された温度以下か否かを確認する。温度以下の場合には、ポート2及びポート3より電力供給信号(“Low)を出力し(ステップS312)、本制御フローは終了する。また、第1制御部10より、定置装置が異常温度である信号が出力されている場合は、ステップS306に進み、ステップS307、S308、S309と進む。ステップS311で、予め設定された温度以下でない場合は、ポート2及びポート3より電力供給停止信号(“H)を出力し(ステップS313)、本制御フローは終了する。
図8は、第2制御部8が第1制御部10から送信される定着装置111の温度に関連する信号を処理する制御フローチャートである。第2制御部8は第1制御部10から定置装置111が異常温度である信号が出力されているか確認する(ステップS401)。異常温度である信号が出力されている場合は、ポート2及びポート3より放電停止信号(“H)を出力し(ステップS402)、充電動作を強制的に停止する信号(“H)をポート5より出力し(ステップS403)、操作部に定着装置が異常温度である信号を出力し(ステップS404)、本制御フローは終了する。
ステップS401において、第1制御部10から定置装置111が異常温度である信号が出力されていない場合は、第1制御部10から定置装置111の温度信号が出力されているか確認する(ステップS405)。定置装置111の温度信号が出力されている場合は、A/Dポート18より定着加熱部の温度を読み込み(ステップS406)、第1制御部10から定置装置の温度とA/Dポート18より読み込んだ温度と比較し(ステップS407)、比較した結果、予め設定された温度差以上の差があるかを確認する(ステップS408)。設定された温度差以上の場合には、第1制御部10に定置装置111が異常温度である信号を出力し(ステップS409)、ポート4より第1制御部10の割り込み回路42に定置装置111が異常温度である信号(“H)を出力し(ステップS410)、ポート2及びポート3よりAC電力供給停止信号(“H)を出力する(ステップS411)。ポート2及びポート3より、AC電力供給停止信号(“H)が出力されると、フォトトライアック34及び35はオフし電力供給は停止される。次に、DC電力供給を強制的に停止する信号(“H)をポート1より出力し(ステップS412)、充電動作を強制的に停止する信号(“H)をポート5より出力し(ステップS413)、操作部47に定着装置111が異常温度である出力し(ステップS414)し、本制御フローは終了する。
ステップS405において、第1制御部10から定置装置111の温度信号が出力されていない場合は、本制御フローは終了する。また、ステップS408において、予め設定された温度差異常の差がない場合にも、本制御フローは終了する。
以上説明したように本実施形態によれば、2つの制御部により1つの定着装置の温度を検出し、異常温度の検出を行うので、安全性の信頼性が高い画像形成装置が提供できる。