JP2003283337A - D/a変換器及びデルタシグマ型d/a変換器 - Google Patents
D/a変換器及びデルタシグマ型d/a変換器Info
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Abstract
成分及びノイズ成分の少ないD/A変換器を得る。 【解決手段】 クロックφ1がハイレベルである期間
に、デジタル信号に基づいて、容量素子C11〜C1i
を基準電圧Vr+又はVr−とサンプリンググランドV
1との間に接続して基準電圧とサンプリンググランドV
1との差に応じた電荷を保持させ、且つ容量素子C21
〜C2iを基準電圧Vr+又はVr−とサンプリンググ
ランドV2との間に接続して基準電圧とサンプリンググ
ランドV2との差に応じた電荷を保持させ、クロックφ
2がハイレベルである期間に、容量素子C11〜C1
i、C21〜C2iを演算増幅器100の入力端子と出
力端子との間に帰還容量素子Cfbと並列に接続する。
Description
等の分野での信号処理に用いられる、デジタル信号をア
ナログ信号に変換するためのD/A変換器に関し、特
に、低い電源電圧で動作し且つ高調波成分及びノイズ成
分の少ないアナログ信号を出力することの可能なスイッ
チト・キャパシタ型のD/A変換器及びこれを用いたデ
ルタシグマ型D/A変換器に関する。
トディスク(CD)で用いられる16ビットデジタル信
号等の高ビットのデジタル入力信号を、アナログ出力信
号に変換するようにした信号変換装置として、例えば、
図6に示すような、いわゆるデルタシグマ型D/A変換
器が提案されている。この信号変換装置10において
は、16ビット等の高ビットデジタル入力信号を、デジ
タルフィルタ11で64倍から128倍程度に補間し、
さらに、補間処理されたデジタル信号をデジタルデルタ
シグマ変調器12でビット数の少ない(低分解能)デジ
タル信号に変換し、さらに、信号制御回路13で、次段
のスイッチト・キャパシタ型D/A変換器15を制御で
きる適切な形態のデジタルデータに変換し、スイッチト
・キャパシタ型D/A変換器15でアナログ出力信号を
得るようにしている。
器15としては、数々のものが提案されている。例え
ば、本出願人が先に出願した特開平11−055121
号公報に記載のスイッチト・キャパシタ型のD/A変換
器40においては、図7に示すように、出力端子と反転
入力端子とが容量素子Cfbで接続されると共に、非反転
入力端子がアナロググランドに接続されている演算増幅
器100と、容量素子C1〜Ciと、容量素子C1 〜C
i と演算増幅器100の反転入力端子との間に接続され
たスイッチSBと、各容量素子C1 〜Ci の右側の端
子、つまり、前記スイッチSBと接続される側の端子を
アナロググランドに接続するスイッチSU1〜SUi
と、容量素子C1 〜Ci の左側の端子を2種類の基準電
圧(Vr+、Vr−)の何れかに接続するスイッチSU
G1〜SUGiと、各容量素子C1〜Ciの左側の端子
と演算増幅器100の出力端子との間に接続されたスイ
ッチSY1〜SYiと、2種類のクロックφ1、φ2を
供給するためのクロック供給部200とを備えている。
たがって、所定の基準電圧に対応する電荷を容量素子C
1〜Ciに保持させ、第2の期間に容量素子C1〜Ci
を演算増幅器100の反転入力端子と出力端子との間に
接続している。つまり、クロックφ1がハイレベルのと
きデジタルデータSx(x=1〜i)の極性に応じて、
例えば、デジタルデータSxが“1”の場合には、容量
素子Cxを、基準電圧Vr+とアナロググランドとの間
に接続し、容量素子Cxに、プラス極性の電荷をサンプ
リングし、デジタルデータSxが“−1”の場合には、
基準電圧Vr−とアナロググランドとの間に接続してマ
イナス極性の電荷をサンプリングし、クロックφ2がハ
イレベルのときに容量素子Cxを演算増幅器100の出
力端子と反転入力端子との間に接続するようにしてい
る。
11−055121号公報に記載のスイッチト・キャパ
シタ型D/A変換器40を、例えば、MOS半導体集積
回路として実現し、正の電源電位VDDと負の電源電位
0〔V〕との元で動作させる場合、できるだけ高いSN
比を得るため、基準電圧を大きくし、容量素子のサンプ
リングに起因する、いわゆるkT/Cノイズを低減し、
且つ容易な構成とするために、基準電圧Vr+をVDD
とし、基準電圧Vr−を0〔V〕とし、アナロググラン
ドを電源電圧の中点電位(1/2)・VDDとしてい
る。
の様子を表したものであって、図8(a)は、基準電圧
としてVr+が選択された場合を表し、容量素子Ciを
2種類の基準電圧(Vr+、Vr−)の何れかに接続す
るスイッチSUGiがMOSトランジスタで構成される
MOSスイッチQ1に対応し、容量素子Ciをアナログ
グランドに接続するためのスイッチSUiがMOSスイ
ッチQ2に対応している。また、図8(b)は基準電圧
としてVr−が選択された場合を表し、スイッチSUi
がMOSスイッチQ3に対応し、スイッチSUGiがM
OSスイッチQ4に対応している。
MOSスイッチQ2及びQ3が、図8(a)及び(b)
に示すように、NチャネルMOSトランジスタで構成さ
れている場合には、ソース電位は(1/2)・VDDで
あり、このとき、ゲート電位をVDDとすると、MOS
スイッチQ2及びQ3のゲート・ソース間電圧VGS
は、(1/2)・VDDとなる。
OS半導体集積回路を動作させようとした場合、アナロ
ググランドに接続されるスイッチ(この場合Q2及びQ
3)は、MOSトランジスタで構成されているため、ゲ
ート・ソース間電圧VGSとMOSトランジスタの閾値
電圧VTとの相対関係によっては、MOSスイッチがオ
ン状態とならず、第1の期間に容量素子に電荷をサンプ
リングすることができない場合がある。
チャネルMOSトランジスタを導通させた場合の、ソー
ス電位と抵抗値(いわゆるON抵抗値)との対応を表し
たものである。なお、図9において、横軸はソース電位
を表し、縦軸はON抵抗値を表す。また、特性線L1の
電源電圧VDDが最も低く、右側の特性線ほど電源電圧
VDDが高い。なお、特性線L1〜L3において、ソー
ス電位が(1/2)・VDDであるときのON抵抗値を
○印で表している。
なると、ソース電位が(1/2)・VDDであるときの
ON抵抗値は急激に高くなる。したがって、所定の時間
内に電荷をサンプリングするためには、ON抵抗値が低
くなるようにMOSトランジスタのサイズを大きくしな
ければならない。しかしながら、スイッチを構成するM
OSトランジスタのサイズを大きくするということは、
電荷をサンプリングするためにゲート電圧が変化しスイ
ッチがOFFする時のフィードスルーノイズが大きくな
ることを意味し、各回のサンプリングにおける電荷量に
ばらつきが発生し、これが演算増幅器100の出力信号
に高調波を発生させたり、ノイズを発生させたりすると
いったことにつながる。
の変化を無視しても、ゲート・ソース間電圧、つまり
(1/2)・VDDが閾値電圧VT以下であると、MO
SスイッチはON状態とならないため、動作可能な最低
電源電圧VDDは、VDD=2・VTとなる。同様に、
アナロググランドに接続されるスイッチをPチャネルM
OSトランジスタで構成した場合、図8(a)のMOS
スイッチQ2及びQ3が、PチャネルMOSトランジス
タとなることから、この場合も上記と同様に、ゲート・
ソース間電圧VGSは(1/2)・VDDとなる。よっ
て、これが閾値電圧VT以下であった場合には、MOS
スイッチQ2及びQ3はON状態とならないから、動作
可能な最低電源電圧VDDは、VDD=2・VTとな
る。なお、PチャネルMOSトランジスタの場合、その
閾値電圧VTの符号はマイナスであるから、この場合に
は、閾値電圧VTはその絶対値と考える。
SスイッチQ2及びQ3が、NチャネルMOSトランジ
スタ及びPチャネルMOSトランジスタを並列に接続し
て構成される場合には、この場合もこれらMOSトラン
ジスタのゲート・ソース間電圧VGSは、(1/2)・
VDDとなる。したがって、このゲート・ソース間電圧
VGSが、MOSスイッチを構成する二つのMOSトラ
ンジスタのうち、より低い方の閾値電圧VTよりも低く
なると、MOSスイッチはON状態とならなくなるた
め、動作可能な最低電源電圧VDDは、閾値電圧VTの
何れか低い方に基づいて決定される。つまり、動作可能
な最低電源電圧VDDは、MOSスイッチの閾値電圧V
Tによって制約されてしまうことになる。
題に着目してなされたものであり、より低い電源電圧で
動作することができ、且つ良好な出力を得ることの可能
なD/A変換器を提供することを目的としている。
に、本発明の請求項1に係るD/A変換器は、与えられ
たデジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換器
であって、第1の期間に、前記デジタル信号に基づい
て、電荷保持用電源電圧と第1の基準電圧との差に応じ
た電荷を保持する第1の容量素子及び前記電荷保持用電
源電圧と第2の基準電圧との差に応じた電荷を保持する
第2の容量素子と、第2の期間に、前記第1及び第2の
容量素子を演算増幅器の入力端子と出力端子との間に接
続するスイッチ手段と、を備えることを特徴としてい
る。
えられたデジタル信号をアナログ信号に変換するD/A
変換器であって、第1の期間に、前記デジタル信号に基
づいて、電荷保持用電源電圧と第1の基準電圧との差に
応じた電荷を保持する第1の容量素子及び前記電荷保持
用電源電圧と第2の基準電圧との差に応じた電荷を保持
する第2の容量素子と、第2の期間に、前記第1及び第
2の容量素子を演算増幅器の反転入力端子と非反転出力
端子との間に接続する第1のスイッチ手段と、前記第1
の期間に、前記デジタル信号に基づいて、前記電荷保持
用電源電圧と前記第1の基準電圧との差に応じた電荷を
保持する第3の容量素子及び前記電荷保持用電源電圧と
前記第2の基準電圧との差に応じた電荷を保持する第4
の容量素子と、前記第2の期間に、前記第3及び第4の
容量素子を前記演算増幅器の非反転入力端子と反転出力
端子との間に接続する第2のスイッチ手段と、を備える
ことを特徴としている。
求項1又は2記載のD/A変換器において、前記スイッ
チ手段は、MOSトランジスタを含んで構成されること
を特徴としている。本発明の請求項4に係るデルタシグ
マ型D/A変換器は、所定のサンプリング周波数でサン
プリングされたデジタル信号をアナログ信号に変換する
デルタシグマ型D/A変換器であって、前記デジタル信
号を補間して、前記サンプリング周波数よりも周波数の
高い第2のデジタル信号に変換するデジタルフィルタ
と、前記第2のデジタル信号をノイズシェーピングして
より低ビット数の第3のデジタル信号に変換するデジタ
ルデルタシグマ変調器と、デジタル・アナログ変換を行
うD/A変換器と、を備え、当該D/A変換器は、第1
の期間に、前記第3のデジタル信号に基づいて、電荷保
持用電源電圧と第1の基準電圧との差に応じた電荷を保
持する第1の容量素子及び前記電荷保持用電源電圧と第
2の基準電圧との差に応じた電荷を保持する第2の容量
素子と、第2の期間に、前記第1及び第2の容量素子を
演算増幅器の入力端子と出力端子との間に接続するスイ
ッチ手段と、を備えることを特徴としている。
A変換器は、所定のサンプリング周波数でサンプリング
されたデジタル信号をアナログ信号に変換するデルタシ
グマ型D/A変換器であって、前記デジタル信号を補間
して、前記サンプリング周波数よりも周波数の高い第2
のデジタル信号に変換するデジタルフィルタと、前記第
2のデジタル信号をノイズシェーピングしてより低ビッ
ト数の第3のデジタル信号に変換するデジタルデルタシ
グマ変調器と、デジタル・アナログ変換を行うD/A変
換器と、を備え、当該D/A変換器は、第1の期間に、
前記第3のデジタル信号に基づいて、電荷保持用電源電
圧と第1の基準電圧との差に応じた電荷を保持する第1
の容量素子及び前記電荷保持用電源電圧と第2の基準電
圧との差に応じた電荷を保持する第2の容量素子と、第
2の期間に、前記第1及び第2の容量素子を演算増幅器
の反転入力端子と非反転出力端子との間に接続する第1
のスイッチ手段と、前記第1の期間に、前記第3のデジ
タル信号に基づいて、前記電荷保持用電源電圧と前記第
1の基準電圧との差に応じた電荷を保持する第3の容量
素子及び前記電荷保持用電源電圧と前記第2の基準電圧
との差に応じた電荷を保持する第4の容量素子と、前記
第2の期間に、前記第3及び第4の容量素子を前記演算
増幅器の非反転入力端子と反転出力端子との間に接続す
る第2のスイッチ手段と、を備えることを特徴としてい
る。
/A変換器は、請求項4又は5記載のデルタシグマ型D
/A変換器において、前記スイッチ手段は、MOSトラ
ンジスタを含んで構成されることを特徴としている。
に基づいて説明する。まず、第1の実施の形態を説明す
る。図1は、本発明の第1の実施の形態におけるスイッ
チト・キャパシタ型のD/A変換器50の回路構成図で
ある。なお、前記図7に示す従来のD/A変換器40と
同一部には同一符号を付与している。
入力端子とが容量素子Cfbで接続されると共に、非反転
入力端子がアナロググランドV3に接続される演算増幅
器100と、容量素子C11〜C1iと、これら容量素
子C11〜C1iと演算増幅器100の反転入力端子と
の間に接続されたスイッチSB1と、各容量素子C11
〜C1iの右側の端子、つまり、前記スイッチSB1と
接続される側の端子を第1のサンプリンググランドV1
にそれぞれ接続するスイッチSU11〜SU1iと、を
備えている。なお、以下、容量素子に電荷をサンプリン
グする動作の基準となる電位をサンプリンググランドと
呼ぶ。
れぞれと対応する容量素子C21〜C2iと、これら容
量素子C21〜C2iと演算増幅器100の反転入力端
子との間に接続されたスイッチSB2と、各容量素子C
21〜C2iの右側の端子、つまり、前記スイッチSB
2と接続される側の端子を第2のサンプリンググランド
V2に接続するスイッチSU21〜SU2iと、前記容
量素子C11〜C1i及びC21〜C2iのそれぞれ対
応する容量素子の左側の端子どうしを、2種類の基準電
圧(Vr+、Vr−)の何れかに接続するスイッチSU
G1〜SUGiと、各容量素子C11〜C1i及びC2
1〜C2iのそれぞれ対応する容量素子の左側の端子ど
うしと前記演算増幅器100の出力端子との間に接続さ
れたスイッチSY1〜SYiと、2種類のクロックφ1
及びφ2を供給するクロック供給部200とを備えてい
る。
2種類のクロックφ1及びφ2は、図2に示すように、
それぞれ、ローレベルとハイレベルとを所定間隔で繰り
返すようなクロックであって、一方がハイレベルのとき
他方はローレベルとなって、互いのクロックのハイレベ
ル部分は重複しないようになっている。前記スイッチS
U11〜SU1i、SU21〜SU2iはクロックφ1
がハイレベルであるとき導通状態(ON状態)となり、
これ以外のときには非導通状態(OFF状態)となる。
これを図1においては、“φ1”で表している。
A変換器50に入力される、1ビットのデータからなる
デジタルデータS1〜Siの極性(+1又は−1)に応
じて、前記容量素子C11〜C1i及びC21〜C2i
の左側の端子を基準電圧(Vr+、Vr−)の何れかに
接続する。具体的には、x番目のデジタルデータをSx
で表すものとすると、クロックφ1がハイレベルであり
且つデジタルデータSxの極性が“+1”であるときに
は、基準電圧Vr+に接続し、クロックφ1がハイレベ
ルであり且つデジタルデータSxの極性が“−1”であ
るときには、基準電圧Vr−に接続する。そして、これ
を、前記図1中では、“Sx・φ1”及び“Sxb・φ
1”で表している。なお、前記“b”は、論理反転を表
している。また、クロックφ1がローレベルであるとき
には非導通状態(OFF状態)となる。
は、そのデータ値が“1”であるとき“+1”、データ
値が“0”であるとき“−1”とする。前記スイッチS
B1、SB2及びスイッチSY1〜SYiは、クロック
φ2がハイレベルのとき導通状態(ON状態)となり、
これ以外のときには非導通状態(OFF状態)となるス
イッチである。なお、図1においてこれを“φ2”で表
している。
する。まず、クロックφ1がハイレベルの時には、スイ
ッチSU11〜SU1i及びSU21〜SU2iがON
状態となり、容量素子C11〜C1iの右側、つまり、
前記演算増幅器100の反転入力端子と接続される側の
端子は、サンプリンググランドV1に接続され、同様
に、容量素子C21〜C2iの右側は、サンプリンググ
ランドV2に接続される。さらに、スイッチSUG1〜
SUGiの動作によって、デジタルデータS1〜Siの
極性(+1又は−1)に応じて、容量素子C11〜C1
i及びC21〜C2iの対応する容量素子どうしの左側
の端子が基準電圧Vr+又はVr−に接続され、容量素
子C11〜C1i及びC21〜C2iはそれぞれ基準電
圧Vr+又はVr−とサンプリンググランドV1又はV
2との差に対応する電荷を保持する。つまり、〔Vr
+〕−V1、〔Vr+〕−V2、〔Vr−〕−V1、
〔Vr−〕−V2の何れかに対応する電荷を保持する。
なると、スイッチSY1〜SYiがON状態となって、
容量素子C11〜C1i及びC21〜C2iが演算増幅
器100の出力端子(出力電位OUT)と反転入力端子
との間に接続される。また、クロックφ2がハイレベル
になると、スイッチSB1及びSB2はON状態、スイ
ッチSUG1〜SUGi及びスイッチSU11〜SU1
i及びSU21〜SU2iはOFF状態となる。これに
よって、容量素子C11〜C1i及びC21〜C2i
に、クロックφ1がハイレベルである期間に保持された
電荷が、演算増幅器100の帰還容量素子Cfbに転送つ
まり、積分される。
〜C2i及びCfbの間で、各容量素子で保持していた電
荷の電荷再分配を行うための電荷の移動が行われる。こ
こで、前記Cfb の値を零とし、また、容量素子の総数を
2・i個(C11〜C1i、C21〜C2i)とし、こ
れらは全て同一の容量値C0とする。また、対をなす基
準電圧Vr+及びVr−間の中点、サンプリンググラン
ドV1及びV2間の中点を電源電圧の1/2、つまり、
(1/2)・VDDとし、基準電圧Vr+を、(1/
2)・VDDよりもVr0だけ高い電圧(Vr+=
〔(1/2)・VDD〕+Vr0)、基準電圧Vr−を
(1/2)・VDDよりもVr0だけ低い電圧(Vr−
=〔(1/2)・VDD−Vr0〕)、サンプリンググ
ランドV1を(1/2)・VDDよりもVaだけ低い電
圧(V1=(1/2)・VDD−Va)、サンプリング
グランドV2を(1/2)・VDDよりもVaだけ高い
電圧(V2=(1/2)・VDD+Va)とする。
グランドV1との電位差及び基準電圧Vr+とサンプリ
ンググランドV2との電位差は次式(1)となり、ま
た、次式(2)が成り立つ。
期間に容量素子C11及びC21に保持される合計の電
荷は、デジタルデータS1が“1”のときも、S1が
“−1”のときも、同じ電荷量であって、C0・S1・
(Vr1+Vr2)である。同様に、C12及びC22
に保持される電荷量の合計は、C0・S2・(Vr1+
Vr2)、同様に、C1i及びC2iに保持される電荷
量の合計は、C0・Si・(Vr1+Vr2)となる。
間に各容量素子に保持される全電荷量と、クロックφ2
がハイレベルである期間に各容量素子に保持される全電
荷量との間には、差動増幅器100の出力電圧をOUT
としたとき、電荷の保存則にしたがって、次式(3)が
成り立つ。 C0・S1・(Vr1+Vr2)+C0・S2・(Vr1+Vr2)+…… C0・Si・(Vr1+Vr2) =OUT・(C11+C12+……+C1i+……+ C21+C22+……+C2i)……(3) 前記(3)式において、C11〜C1i及びC21〜2
iは同一の容量値C0であるから、前記(3)式は、次
式(4)で表すことができ、これから、(5)式が導か
れる。
ト・キャパシタ型D/A変換器50はiビットのリニア
レベル型のD/A変換器となる。
な効果を得ることができる。前記図7に示す、従来のi
ビットのリニアレベル型のD/A変換器40では、図8
(a)より、次式(6)が成り立つ。 〔Vr−(1/2)・VDD〕・Ci−(1/2)・VDD・Ci =Vr・Ci ……(6) 一方、前記図1に示す本願発明におけるD/A変換器5
0では、図3より、次式(7)及び(8)が成り立つ。
したがって、Ci′=C1i=C2iとすると、電荷の
合計は、(7)及び(8)式から次式(9)となる。
としてVr+が選択された場合、(b)は、基準電圧と
してVr−が選択された場合であって、容量素子C1i
及びC2iの周辺の電位の様子を表している。 (〔Vr+〕−V1)・C1i−(1/2)・VDD・C1i =(〔Vr+〕+Va)・C1i ……(7) (〔Vr+〕−V2)・C2i−(1/2)・VDD・C2i =(〔Vr+〕−Va)・C2i ……(8) 電荷の合計(7)+(8) =(〔Vr+〕+Va)・C1i+(〔Vr+〕−Va)・C2i =〔Vr+〕×2・Ci′ ……(9) したがって、従来のD/A変換器40においては、前記
(6)式に示すように、基準電圧Vr+、Vr−を容量
Ciでサンプリングし、電荷Vr・Ciを得るようにし
ているのに対し、上記第1の実施の形態においては、前
記(8)式に示すように、電圧(〔Vr+〕+Va)を
容量Ci′/2で、また、電圧(〔Vr+〕−Va)を
容量Ci′/2でサンプリングし、(〔Vr+〕+V
a)・Ci′/2+(〔Vr+〕−Va)・Ci′/2
=〔Vr+〕・Ci′なる電荷を得るようにしているこ
とと等しい。
来のD/A変換器40に比較してより低い電源電圧で動
作させることができる。また、上述のように、D/A変
換器50を、正の電源電位VDDと負の電源電位0
〔V〕の元で動作させ、基準電圧Vr+をVDD電位と
し、基準電圧Vr−を0〔V〕電位とし、サンプリング
グランドV1を電源電圧の中点(1/2)・VDDより
もVaだけ低い電位とし、サンプリンググランドV2を
電源電圧の中点電位(1/2)・VDDよりもVaだけ
高い電位とする。
UG1〜SUGiのうち、基準電圧Vr+に接続される
スイッチとしてPチャネルMOSトランジスタ、また、
基準電圧Vr−に接続されるスイッチとしてNチャネル
MOSトランジスタを用いることができ、また、サンプ
リンググランドV1に接続されるスイッチSU11〜S
U1iとしてNチャネルMOSトランジスタ、サンプリ
ンググランドV2に接続されるスイッチSU21〜SU
2iとしてPチャネルMOSトランジスタを用いること
ができる。
チャネルMOSトランジスタで構成したときの、容量素
子の周囲の各部位の電位の様子を示したものが図3であ
る。図3(a)は、デジタルデータSxが“1”である
場合のクロックφ1がハイレベルである期間の様子、図
3(b)はデジタルデータSxが“−1”である場合の
クロックφ1がハイレベルである期間の様子である。
は、図1におけるスイッチSU1iに対応し、MOSス
イッチQ6及びQ7はそれぞれスイッチSU2i、SU
Giに対応している。同様に図3(b)において、MO
SスイッチQ8及びQ9はそれぞれ図1におけるスイッ
チSUGi、SU1iに対応し、MOSスイッチQ10
はスイッチSU2iに対応している。
をサンプリンググランドV1に接続するMOSスイッチ
Q5は、ソース電位が(1/2)・VDD−Vaであ
り、ゲート電位がVDDであるから、MOSスイッチQ
5のゲート・ソース間電圧VGSは(1/2)・VDD
+Vaとなる。このゲート・ソース間電圧VGSが閾値
電圧VT以下であるとMOSスイッチはON動作しなく
なるので、MOSスイッチQ5が正常なサンプリング動
作をすることが可能な最低の電源電圧VDDは、VDD
=2・(VT−Va)である。
ンドV2に接続するMOSスイッチQ6は、ソース電位
が(1/2)・VDD+Va、ゲート電位が0〔V〕で
あるので、MOSスイッチQ6のゲート・ソース間電圧
VGSは|(1/2)・VDD+Va|となる。これが
閾値電圧の絶対値|VT|以下であるとMOSスイッチ
Q6はON動作しなくなるので、MOSスイッチQ6が
正常なサンプリング動作可能な最低の電源電圧VDD
は、VDD=2・(VT−Va)となる。
2iをサンプリンググランドV2に接続するMOSスイ
ッチQ10は、ソース電位が(1/2)・VDD+Va
であり、ゲート電位が0〔V〕であるため、MOSスイ
ッチQ10のゲート・ソース間電圧VGSの絶対値は、
(1/2)・VDD+Vaとなる。これが閾値電圧VT
以下であるとMOSスイッチQ10はON動作しなくな
るから、MOSスイッチQ10が正常なサンプリング動
作可能な最低の電源電圧VDDは、VDD=2・(VT
−Va)となる。
ンドV1に接続するMOSスイッチQ9は、ソース電位
が(1/2)・VDD−Vaであり、ゲート電位がVD
Dであるから、MOSスイッチQ9のゲート・ソース間
電圧VGSは、(1/2)・VDD+Vaとなる。これ
が閾値電圧の絶対値|VT|以下であるとMOSスイッ
チQ9はON動作しないから、MOSスイッチQ9が正
常なサンプリング動作可能な最低の電源電圧VDDは、
VDD=2・(VT−Va)となる。
における動作可能な最低電源電圧が2・VTであるのに
対し、図1に示すD/A変換器50の最低電源電圧は2
・(VT−Va)であるから、最低電源電圧をより低く
設定することができる。なお、PチャネルMOSトラン
ジスタとNチャネルMOSトランジスタとでは、閾値電
圧VTが違う場合があるが、この場合には、閾値電圧V
Tのより大きい方が、支配的となって最低電源電圧が決
定されることになる。このように閾値電圧VTのより大
きい方に基づき最低電源電圧を決定したとしても、従来
のD/A変換器40における最低電源電圧2・VTより
も低く設定することができる。
して、V1を0〔V〕、V2をVDD電位とすることに
よって、動作可能な最低電源電圧を、より低く設定する
ことができる。図4は、ソース電位の変化に対するNチ
ャネルMOSトランジスタのON抵抗値(L11)と、
PチャネルMOSトランジスタのON抵抗値(L12)
とを表したものであって、横軸はソース電位、縦軸はO
N抵抗値を表す。各特性線L11及びL12上の○印
は、ソース電圧が電源電圧の(1/2)・VDDとなる
ときのON抵抗値を表し、また、各特性線L11及びL
12上の×印は、NチャネルMOSトランジスタ(Q
5、Q9)の動作点となる電位V1つまり(1/2)・
VDD−Vaと、PチャネルMOSトランジスタ(Q
6、Q10)の動作点となる電位V2つまり、(1/
2)・VDD+Vaとを表す。なお、特性線L11及び
L12はそれぞれ異なる電源電圧VDDにおける、ON
抵抗値を表している。
において○印位置と、×印位置におけるON抵抗値を比
較すると、×印位置におけるON抵抗値の方が低い。し
たがって、所定の時間内に正しい電荷をサンプリングす
るためのMOSトランジスタのサイズを小さくすること
ができる。したがって、MOSトランジスタのサイズが
小さいということは、電荷をサンプリングするためにゲ
ート電圧が変化し、スイッチがOFFするときのフィー
ドスルーノイズが小さくなり、サンプリング毎の電荷量
のばらつきが少なく、これにより出力信号の高調波成分
やノイズを小さくすることができる。
B2も、このD/A変換器50が動作するために確実に
ON、OFF動作させる必要があるが、これらのソース
電位はアナロググランドV3であるから、スイッチSB
1、SB2をNチャネルMOSトランジスタで構成し、
アナロググランドV3を、(1/2)・VDDよりも充
分低くすること、或いは、スイッチSB1、SB2をP
チャネルMOSトランジスタで構成し、アナロググラン
ドV3を(1/2)・VDDよりも充分高くすることに
よって、確実に動作させることができる。
ググランドV3が(1/2)・VDDよりも低く設定さ
れている場合には、例えば前記図6に示すように、D/
A変換器15よりも前段に配置されているデルタシグマ
変調器12でのフィードバックゲインを“1”よりも充
分大きく設定してアナログ出力信号の振幅を適度に小さ
くし、ソース電位となるアナログ出力信号電位の範囲を
(1/2)・VDDよりも充分低くすることによって、
NチャネMOSトランジスタ、或いはNチャネルMOS
トランジスタとPチャネルMOSトランジスタとを並列
に用いて構成することができる。
2)・VDDよりも高く設定されている場合には、例え
ば図6のデルタシグマ変調器12でのフィードバックゲ
インを“1”よりも充分大きく設定して、アナログ出力
信号の振幅を適度に小さくし、ソース電位となるアナロ
グ出力信号電位の範囲を(1/2)・VDDよりも充分
高くすることによって、PチャネルMOSトランジス
タ、或いはNチャネルMOSトランジスタとPチャネル
MOSトランジスタとを並列に用いて構成することがで
きる。
る。この第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態で
は、演算増幅器100をシングルエンド型の回路構成に
したのに対し、全差動型の回路構成にしたものである。
この第2の実施の形態におけるD/A変換器55は、図
5に示すように、非反転出力端子(OUT+)と反転入
力端子とが容量素子Cfb1で接続されると共に、反転出
力端子(OUT−)と非反転入力端子とが容量素子Cfb
2で接続されている演算増幅器100と、非反転出力側
の容量素子C11〜C1i及び各容量素子C11〜C1
iのそれぞれに対応する容量素子C21〜C2iと、前
記各容量素子C11〜C1iと演算増幅器100の反転
入力端子との間に接続されたスイッチSB1と、各容量
素子C11〜C1iの右側の端子を第1のサンプリング
グランドV1に接続するスイッチSU11〜SU1i
と、前記各容量素子C21〜C2iと演算増幅器100
の反転入力端子との間に接続されたスイッチSB2と、
各容量素子C21〜C2iの右側の端子を第2のサンプ
リンググランドV2に接続するスイッチSU21〜SU
2iと、前記容量素子C11〜C1i及びC21〜C2
iの対応する左側の端子どうしを、2種類の基準電位
(Vr+、Vr−)の何れかに接続するスイッチSUG
11〜SUG1iと、各容量素子C11〜C1i及びC
21〜C2iの対応する左側の端子どうしと前記演算増
幅器100の非反転出力端子との間に接続されたスイッ
チSY11〜SY1iとを備えている。
3i及びこれら容量素子C31〜C3iのそれぞれに対
応するC41〜C4iと、前記各容量素子C31〜C3
iと演算増幅器100の非反転入力端子との間に接続さ
れたスイッチSB3と、各容量素子C31〜C3iの右
側の端子を第1のサンプリンググランドV1に接続する
スイッチSU31〜SU3iと、前記各容量素子C41
〜C4iと演算増幅器100の非反転入力端子との間に
接続されたスイッチSB4と、各容量素子C41〜C4
iの右側の端子を第2のサンプリンググランドV2に接
続するスイッチSU41〜SU4iと、前記容量素子C
31〜C3i及びC41〜C4iの対応する左側の端子
どうしを、2種類の基準電圧(Vr+、Vr−)の何れ
かに接続するスイッチSUG21〜SUG2iと、各容
量素子C31〜C3i及びC41〜C4iの対応する左
側の端子どうしと前記演算増幅器100の反転出力端子
との間に接続されたスイッチSY21〜SY2iとを備
え、さらに、上記第1の実施の形態と同様の2種類のク
ロックφ1及びφ2を供給するクロック供給部200を
備えている。
前記スイッチSUG11〜SUG1iは、入力される、
1ビットのデータからなるデジタルデータS1〜Siの
極性(+1又は−1)に応じて、前記容量素子C11〜
C1i及びC21〜C2iの左側の端子を基準電圧(V
r+、Vr−)の何れかに接続し、クロックφ1がハイ
レベルであり且つデジタルデータSxの極性が“+1”
であるときには、基準電圧Vr+に接続し、クロックφ
1がハイレベルであり且つデジタルデータSxの極性が
“−1”であるときには、基準電圧Vr−に接続する。
また、クロックφ1がローレベルであるときには非導通
状態(OFF状態)となる。
iは、デジタルデータS1〜Siの極性(+1又は−
1)に応じて、前記容量素子C31〜C3i及びC41
〜C4iの左側の端子を基準電圧(Vr+、Vr−)の
何れかに接続し、クロックφ1がハイレベルであり且つ
デジタルデータSxの極性が“+1”であるときには、
基準電圧Vr−に接続し、クロックφ1がハイレベルで
あり且つデジタルデータSxの極性が“−1”であると
きには、基準電圧Vr+に接続する。また、クロックφ
1がローレベルであるときには非導通状態(OFF状
態)となる。
は、そのデータ値が“1”であるとき“+1”、データ
値が“0”であるとき“−1”とする。前記スイッチS
B1〜SB4及びスイッチSY11〜SY1i、SY2
1〜SY2iは、クロックφ2がハイレベルのとき導通
状態(ON状態)となり、これ以外のときには非導通状
態(OFF状態)となるスイッチである。
る。このD/A変換器55は、上記第1の実施の形態に
おけるD/A変換器50と同様に動作するが、この第2
の実施の形態におけるD/A変換器55では、前記演算
増幅器100の非反転出力側に接続される容量素子群C
11〜C1i及びC21〜C2iからなる非反転出力側
容量素子群Gr1と、演算増幅器100の反転出力側に
接続される容量素子群C31〜C3i及びC41〜C4
iからなる反転出力側容量素子群Gr2とでは、クロッ
クφ1がハイレベルである期間に、極性的に反転する電
荷を保持する。そして、クロックφ2がハイレベルであ
る期間に、これら非反転出力側容量素子群Gr1を演算
増幅器100の非反転出力端子と反転入力端子との間に
接続し、反転出力泡容量素子群Gr2を演算増幅器10
0の反転出力端子と非反転入力端子との間に接続する。
r1及び反転出力側容量素子群Gr2の各容量素子に、
クロックφ1がハイレベルである期間に保持された電荷
が、演算増幅器100の帰還容量素子Cfb1及びCfb2
に転送されて積分され、上記第1の実施の形態と同様
に、非反転出力側容量素子群Gr1の各容量素子とCfb
1との間、及び反転出力側容量素子群Gr2の各容量素
子とCfb2の間で、各容量素子で保持していた電荷の電
荷再分配を行うための電荷の移動が行われる。
と反転出力端子群Gr2とでは、逆極性の電荷を保持す
るから、非反転出力側の出力端子からの出力電圧と反転
出力側の出力端子からの出力電圧との差が実際の出力信
号となり、全差動のアナログ信号出力を得ることができ
る。この第2の実施の形態においても、正の電源電位V
DDと負の電源電位0〔V〕の元で動作させ、基準電圧
Vr+をVDD電位とし、基準電圧Vr−を0〔V〕電
位とする。また、サンプリンググランドV1を電源電圧
VDDの中点電位(1/2)・VDDよりもVaだけ低
い電位とし、サンプリンググランドV2を電源電圧VD
Dの中点電位(1/2)・VDDよりもVaだけ高い電
位とする。
上記第1の実施の形態と同様に、スイッチSUG11〜
SU1i、SUG21〜SUG2iのうち、基準電圧V
r+に接続されるスイッチをPチャネルMOSトランジ
スタ、基準電位Vr−に接続されるスイッチをNチャネ
ルMOSトランジスタで構成し、また、サンプリンググ
ランドV1に接続されるスイッチSU11〜SU1i、
SU31〜SU3iをNチャネルMOSトランジスタ、
サンプリンググランドV2に接続されるスイッチSU2
1〜SU2i、SU41〜SU4iをPチャネルMOS
トランジスタで構成することができる。
形態と同様に、MOSスイッチとなるMOSトランジス
タのサイズを小さくすることができる。また、電荷をサ
ンプリングするためにゲート電圧が変化しMOSスイッ
チがOFFする時のフィードスルーノイズを小さくする
ことができ、サンプリング毎の電荷量のばらつきを小さ
くすることができる。
転出力側の系と反転出力側の系とでは、サンプリング時
のフィードスルーノイズは同極性であり且つ等価である
ため、演算増幅器100の差動出力信号に現れるフィー
ドスルーノイズは相殺されることになる。したがって、
フィードスルーノイズは、相殺しきれなかったわずかな
誤差成分のみとなり、この誤差成分は、MOSスイッチ
のサイズが大きい場合に比較して小さい。したがって、
出力信号の高調波成分やノイズを低減することができ
る。
いて、例えば、実際に大規模集積回路として実現する際
に、サンプリンググランドV1又はV2に接続されるス
イッチSU11〜SU4i、SB1〜SB4を、クロッ
クφ1又はクロックφ2と同期して動作させる際に、こ
れらスイッチをOFF動作させるときには、他のスイッ
チよりもわずかに早くOFF動作するようにタイミング
調整を行い、デジタルデータSxが“1”の場合と、
“−1”の場合とで、混入するフィードスルーノイズが
等価となるように調整する方法がある。しかしながら、
上記第1及び第2の実施の形態においては、スイッチを
構成するMOSスイッチのサイズを小さくすることでフ
ィードスルーノイズの発生量を低減することができる。
したがって、前記スイッチを駆動するための処理装置に
おいてタイミング調整を行うために処理負荷が増加する
といったようなことを伴うことはなく、容易に実現する
ことができる。
いては、スイッチト・キャパシタ型D/A変換器単体と
した場合について説明したが、上記第1及び第2の実施
の形態におけるスイッチト・キャパシタ型D/A変換器
50或いは55を、前記図6に示すスイッチト・キャパ
シタ型D/A変換器15として適用し、いわゆるデルタ
シグマ型D/A変換器として用いることも可能である。
このようにすることによって、より低い電源電圧で動作
するD/A変換器を含んでなる、デルタシグマ型D/A
変換器を容易に得ることができる。
プリンググランドとして、V1=(1/2)・VDD−
Va、V2=(1/2)・VDD+Vaとした場合につ
いて説明したが、これに限るものではなく、V1=
(〔Vr+〕+〔Vr−〕)/2−Va、V2=(〔V
r+〕+〔Vr−〕)/2+Va(ただし、Vaは任意
の値)を満足するように設定すればよい。
第1の期間がクロックφ1がハイレベルである期間に対
応し、第2の期間がクロックφ2がハイレベルである期
間に対応し、基準電圧Vr+、Vr−が電荷保持用電源
電圧に対応し、サンプリンググランドV1が第1の基準
電圧に対応し、容量素子C11〜C1iが第1の容量素
子に対応し、サンプリンググランドV2が第2の基準電
圧に対応し、容量素子C21〜C2iが第2の容量素子
に対応し、スイッチSY1〜SYi及びSB1、SB2
がスイッチ手段に対応している。
1の期間がクロックφ1がハイレベルである期間に対応
し、第2の期間がクロックφ2がハイレベルである期間
に対応し、基準電圧Vr+、Vr−が電荷保持用電源電
圧に対応し、サンプリンググランドV1が第1の基準電
圧に対応し、容量素子C11〜C1iが第1の容量素子
に対応し、容量素子C31〜C3iが第3の容量素子に
対応し、サンプリンググランドV2が第2の基準電圧に
対応し、容量素子C21〜C2iが第2の容量素子に対
応し、容量素子C41〜C4iが第4の容量素子に対応
し、スイッチSY11〜SY1i及びSB1、SB2が
第1のスイッチ手段に対応し、スイッチSY21〜SY
2i及びSB3、SB4が第2のスイッチ手段に対応し
ている。
/A変換器によれば、第1の期間に、与えられたデジタ
ル信号に基づいて、電荷保持用電源電圧と第1の基準電
圧との差に応じた電荷を第1の容量素子で保持すると共
に、電荷保持用電源電圧と第2の基準電圧との差に応じ
た電荷を第2の容量素子で保持し、第2の期間に第1及
び第2の容量素子を、演算増幅器の入力端子と出力端子
との間に接続するようにしたので、より低い電源電圧で
動作させることができ、且つ、出力信号に高調波成分や
ノイズ成分の少ないD/A変換器を実現することができ
る。
タル信号に基づいて、電荷保持用電源電圧と第1の基準
電圧との差に応じた電荷を第1及び第3の容量素子で保
持する共に、電荷保持用電源電圧と第2の基準電圧との
差に応じた電荷を第2及び第4の容量素子で保持し、第
2の期間に、第1及び第2の容量素子を演算増幅器の反
転入力端子と非反転出力端子との間に接続し、且つ第3
及び第4の容量素子を演算増幅器の非反転入力端子と反
転出力端子との間に接続することによって、より低い電
源電圧で動作させることができ、且つ、出力信号に高調
波成分やノイズ成分の少ない全差動型のD/A変換器を
実現することができる。
るデルタシグマ型D/A変換器によれば、デジタルフィ
ルタがデジタル信号を補間して、サンプリング周波数よ
りも周波数の高い第2のデジタル信号に変換し、デジタ
ルデルタシグマ変調器が第2のデジタル信号をノイズシ
ェーピングしてより低ビット数の第3のデジタル信号に
変換し、さらに、D/A変換器がD/A変換する際に、
第1の期間に、第3のデジタル信号に基づいて、電荷保
持用電源電圧と第1の基準電圧との差に応じた電荷を第
1の容量素子で保持し、電荷保持用電源電圧と第2の基
準電圧との差に応じた電荷を第2の容量素子で保持し、
第2の期間に、第1及び第2の容量素子を演算増幅器の
入力端子と出力端子との間に接続するようにしたので、
より低い電源電圧で動作させることができ、且つ、出力
信号に高調波成分やノイズ成分の少ないD/A変換器を
含んで構成されるデルタシグマ型D/A変換器を実現す
ることができる。
1の期間に、第3のデジタル信号に基づいて、電荷保持
用電源電圧と第1の基準電圧との差に応じた電荷を第1
及び第3の容量素子で保持する共に、電荷保持用電源電
圧と第2の基準電圧との差に応じた電荷を第2及び第4
の容量素子で保持し、第2の期間に、第1及び第2の容
量素子を演算増幅器の反転入力端子と非反転出力端子と
の間に接続し、且つ第3及び第4の容量素子を演算増幅
器の非反転入力端子と反転出力端子との間に接続するこ
とによって、より低い電源電圧で動作させることがで
き、且つ、出力信号に高調波成分やノイズ成分の少ない
全差動型のD/A変換器を含んで構成されるデルタシグ
マ型D/A変換器を実現することができる。
器の一例を示す回路図である。
クのタイミングチャートである。
ある。
との対応を表す特性図である。
を示す回路図である。
すブロック図である。
る。
異なる場合の、ソース電位とON抵抗値との対応を表す
特性図である。
スイッチ SUG31〜SUG3i、SUG41〜SUG4i
スイッチ SY11〜SY1i、SY21〜SY2i スイッチ SY31〜SY3i、SY41〜SY4i スイッチ
Claims (6)
- 【請求項1】 与えられたデジタル信号をアナログ信号
に変換するD/A変換器であって、 第1の期間に、前記デジタル信号に基づいて、電荷保持
用電源電圧と第1の基準電圧との差に応じた電荷を保持
する第1の容量素子及び前記電荷保持用電源電圧と第2
の基準電圧との差に応じた電荷を保持する第2の容量素
子と、 第2の期間に、前記第1及び第2の容量素子を演算増幅
器の入力端子と出力端子との間に接続するスイッチ手段
と、を備えることを特徴とするD/A変換器。 - 【請求項2】 与えられたデジタル信号をアナログ信号
に変換するD/A変換器であって、 第1の期間に、前記デジタル信号に基づいて、電荷保持
用電源電圧と第1の基準電圧との差に応じた電荷を保持
する第1の容量素子及び前記電荷保持用電源電圧と第2
の基準電圧との差に応じた電荷を保持する第2の容量素
子と、 第2の期間に、前記第1及び第2の容量素子を演算増幅
器の反転入力端子と非反転出力端子との間に接続する第
1のスイッチ手段と、 前記第1の期間に、前記デジタル信号に基づいて、前記
電荷保持用電源電圧と前記第1の基準電圧との差に応じ
た電荷を保持する第3の容量素子及び前記電荷保持用電
源電圧と前記第2の基準電圧との差に応じた電荷を保持
する第4の容量素子と、 前記第2の期間に、前記第3及び第4の容量素子を前記
演算増幅器の非反転入力端子と反転出力端子との間に接
続する第2のスイッチ手段と、を備えることを特徴とす
るD/A変換器。 - 【請求項3】 前記スイッチ手段は、MOSトランジス
タを含んで構成されることを特徴とする請求項1又は2
記載のD/A変換器。 - 【請求項4】 所定のサンプリング周波数でサンプリン
グされたデジタル信号をアナログ信号に変換するデルタ
シグマ型D/A変換器であって、 前記デジタル信号を補間して、前記サンプリング周波数
よりも周波数の高い第2のデジタル信号に変換するデジ
タルフィルタと、 前記第2のデジタル信号をノイズシェーピングしてより
低ビット数の第3のデジタル信号に変換するデジタルデ
ルタシグマ変調器と、 デジタル・アナログ変換を行うD/A変換器と、を備
え、 当該D/A変換器は、第1の期間に、前記第3のデジタ
ル信号に基づいて、電荷保持用電源電圧と第1の基準電
圧との差に応じた電荷を保持する第1の容量素子及び前
記電荷保持用電源電圧と第2の基準電圧との差に応じた
電荷を保持する第2の容量素子と、 第2の期間に、前記第1及び第2の容量素子を演算増幅
器の入力端子と出力端子との間に接続するスイッチ手段
と、を備えることを特徴とするデルタシグマ型D/A変
換器。 - 【請求項5】 所定のサンプリング周波数でサンプリン
グされたデジタル信号をアナログ信号に変換するデルタ
シグマ型D/A変換器であって、 前記デジタル信号を補間して、前記サンプリング周波数
よりも周波数の高い第2のデジタル信号に変換するデジ
タルフィルタと、 前記第2のデジタル信号をノイズシェーピングしてより
低ビット数の第3のデジタル信号に変換するデジタルデ
ルタシグマ変調器と、 デジタル・アナログ変換を行うD/A変換器と、を備
え、 当該D/A変換器は、第1の期間に、前記第3のデジタ
ル信号に基づいて、電荷保持用電源電圧と第1の基準電
圧との差に応じた電荷を保持する第1の容量素子及び前
記電荷保持用電源電圧と第2の基準電圧との差に応じた
電荷を保持する第2の容量素子と、 第2の期間に、前記第1及び第2の容量素子を演算増幅
器の反転入力端子と非反転出力端子との間に接続する第
1のスイッチ手段と、 前記第1の期間に、前記第3のデジタル信号に基づい
て、前記電荷保持用電源電圧と前記第1の基準電圧との
差に応じた電荷を保持する第3の容量素子及び前記電荷
保持用電源電圧と前記第2の基準電圧との差に応じた電
荷を保持する第4の容量素子と、 前記第2の期間に、前記第3及び第4の容量素子を前記
演算増幅器の非反転入力端子と反転出力端子との間に接
続する第2のスイッチ手段と、を備えることを特徴とす
るデルタシグマ型D/A変換器。 - 【請求項6】 前記スイッチ手段は、MOSトランジス
タを含んで構成されることを特徴とする請求項4又は5
記載のデルタシグマ型D/A変換器。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002083775A JP3920123B2 (ja) | 2002-03-25 | 2002-03-25 | D/a変換器及びデルタシグマ型d/a変換器 |
US10/394,155 US6693574B2 (en) | 2002-03-25 | 2003-03-24 | D/A converter and delta-sigma D/A converter |
Applications Claiming Priority (1)
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