JP2003257295A - 合金型温度ヒュ−ズ - Google Patents
合金型温度ヒュ−ズInfo
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Abstract
Bi系を用い、作動温度65℃〜75℃の範囲で、環境
保全の要請を充足し、ヒュ−ズエレメント径をほぼ30
0μmφ程度に極細化し得、自己発熱をよく抑え得、し
かも耐熱安定性を良好に保証できる合金型温度ヒュ−ズ
を提供する。 【解決手段】低融点可溶合金をヒュ−ズエレメント1と
する温度ヒュ−ズにおいて、低融点可溶合金の合金組成
が、In37〜43%、、Sn10〜18%、、残部B
iであり、この組成100重量部に対しAg、Cu、N
iから選ばれた少なくとも一種を0.01〜3.5重量
部添加することができる。
Description
金型温度ヒュ−ズに関するものである。
スを塗布した低融点可溶合金片をヒュ−ズエレメントと
しており、保護すべき電気機器に取り付けて使用され、
電気機器が異常時に発熱すると、その発生熱により低融
点可溶合金片が液相化され、その溶融金属が既溶融フラ
ックスとの共存のもとで表面張力により球状化され、球
状化の進行により分断されて機器への通電が遮断され
る。
つは、固相線と液相線との間の固液共存域が狭いことで
ある。すなわち、通常、合金においては、固相線と液相
線との間に固液共存域が存在し、この領域においては、
液相中に固相粒体が分散した状態にあり、液相様の性質
も備えているために、上記の球状化分断が発生する可能
性があり、従って、液相線温度(この温度をTとする)
以前に固液共存域に属する温度範囲(ΔTとする)で、
低融点可溶合金片が球状化分断される可能性がある。而
して、かかる低融点可溶合金片を用いた温度ヒュ−ズに
おいては、ヒュ−ズエレメント温度が(T−ΔT)〜T
となる温度範囲で動作するものとして取り扱わなければ
ならず、ΔTが小であるほど、すなわち、固液共存域が
狭いほど、温度ヒュ−ズの作動温度範囲のバラツキを小
として、温度ヒュ−ズをそれだけ厳格に所定の設定温度
で作動させることができる。従って、温度ヒュ−ズのヒ
ュ−ズエレメントとして使用される合金には、固液共存
域が狭いことが要求される。
件の一つは、電気抵抗が低いことである。すなわち、低
融点可溶合金片の抵抗に基づく平常時の発熱による温度
上昇をΔT'とすると、その温度上昇がないときに較
べ、実質上、作動温度がΔT'だけ低くなり、ΔT'が高
くなるほど、作動誤差が実質的に高くなる。従って、温
度ヒュ−ズのヒュ−ズエレメントとして使用される合金
には、比抵抗が低いことが要求される。
度ヒュ−ズのヒュ−ズエレメントとしては、70℃共晶
のBi−Pb−Sn−Cd合金(Bi50%、Pb2
6.7%、Sn13.3%、Cd10%。%は重量比率
である。以下、同じ)が知られているが、生体系に有害
な金属(Pb、Cd、Hg、Tl等)であるPbやCd
を含有しており、近来の地球規模での要請である環境保
全に適応しない。また、近来の電気・電子機器の小型化
に対応しての合金型温度ヒュ−ズの小型化に伴う、ヒュ
−ズエレメントの極細線化(300μm程度)には、B
iの含有量が多く脆弱であるために、かかる極細線の線
引き加工が困難であり、しかも、かかる極細線ヒュ−ズ
エレメントのもとでは、その合金組成の比較的高い比抵
抗と極細線化とが相俟って、抵抗値が著しく高くなる結
果、上記ヒュ−ズエレメントの自己発熱による作動不良
が避けられない。
66.3%、Bi33.7%)も知られているが、53
℃〜56℃の間で固相変態を生じ、この温度が作動温度
65℃〜75℃との相対関係から機器の平常時運転時に
ヒュ−ズエレメントが長期的に曝される温度であるた
め、ヒュ−ズエレメントに固相変態に起因して歪が発生
し、その結果、ヒュ−ズエレメントの抵抗値が増大し、
ヒュ−ズエレメントの自己発熱による作動不良が懸念さ
れる。
75℃の範囲で、有害金属を含有せず、ヒュ−ズエレメ
ント径をほぼ300μmφ程度に極細化し得、自己発熱
をよく抑えて正確に作動させ得る合金型温度ヒュ−ズと
して、Bi25〜35%、Sn2.5〜10%、残部I
nの合金組成をヒューズエレメントとすることを提案し
た(特開2001−291459号公報)。この合金型
温度ヒュ−ズにおいては、前記配合量のIn及びBiに
より融点が70℃付近に仮設定されると共に細線の線引
きに必要な適度の延性が与えられ、Snの配合により固
相線温度と液相線温度の範囲が65℃〜75℃に最終的
に設定されると共に比抵抗が低く設定される。Sn配合
量の下限が2.5%、未満では、Sn量が不足して前記
した固相変態を有効に防止し得ず、またSn配合量の上
限が10%、を越えると、融点62℃のIn−Bi−S
n共晶組織(In58%、Bi29%、Sn13%)が
出現し、固相線温度と液相線温度の範囲を65℃〜75
℃におさめ得ない。この組成では、比抵抗の高いBiに
対し、比抵抗の低いIn、Snの総量が多いために全体
の比抵抗を充分に低くでき、300μmφという極細線
のもとでも、ヒュ−ズエレメントの低抵抗を容易に達成
でき(25〜35μΩ・cm)、作動温度65℃〜75
℃の低温側に固相変態が発生することがなくて作動温度
65℃〜75℃に対する機器の平常運転時の温度でのヒ
ュ−ズエレメントの固相変態に起因しての抵抗値変化も
排除できるから、温度ヒュ−ズの作動温度を70℃を基
準として±5℃以内の範囲に設定できる。
ューズエレメントの合金組成では、Inが72.5%、
〜55%、というように組成の大半を占め、Inが高価
であるために、コストアップが避けられない。
トサイクルにより繰返し加熱・冷却される。そのヒート
サイクル時、ヒューズエレメントの熱膨張係数をα、温
度上昇をΔt、ヤング率をEとすると、弾性範囲内であ
れば、α・Δt・Eの熱応力を発生し、α・Δtの圧縮
歪を受けるが、上記合金組成(Bi25〜35%、Sn
2.5〜10%、残部In)では、Inの多量含有(5
5%〜72.5%)のために、弾性限界が小さく、圧縮
歪α・Δtよりも小さい歪で合金組織内の異相界面で大
きなすべりが発生する。このすべりの繰返しにより断面
積及びエレメント線長が変化し、ヒューズエレメント自
体の抵抗値が不安定になる。すなわち、耐熱安定性を保
証し難い。
金組成にIn−Sn−Bi系を用い、作動温度65℃〜
75℃の範囲で、環境保全の要請を充足し、ヒュ−ズエ
レメント径をほぼ300μmφ程度に極細化し得、自己
発熱をよく抑え得、しかも耐熱安定性を良好に保証でき
る合金型温度ヒュ−ズを提供することにある。
合金型温度ヒュ−ズは、低融点可溶合金をヒュ−ズエレ
メントとする温度ヒュ−ズにおいて、低融点可溶合金の
合金組成が、In37〜43%、Sn10〜18%、残
部Biであることを特徴とする。
ズは、低融点可溶合金をヒュ−ズエレメントとする温度
ヒュ−ズにおいて、低融点可溶合金の合金組成が、In
37〜43%、Sn10〜18%、残部Biの100重
量部に、Ag、Cu、Niから選ばれた少なくとも一種
が合計0.01〜3.5重量部添加された組成であるこ
とを特徴とする。
れら原料の溶融撹拌上生じる不可避的不純物を含有する
ことが許容される。
において、ヒュ−ズエレメントには、外径200μmφ
〜600μmφ、好ましくは250μmφ〜350μm
φの円形線、または当該円形線と同一断面積の扁平線を
使用できる。
7〜43%、Sn10〜18%、残部Bi、好ましく
は、In39〜42%、Sn11〜16%、残部Biで
あり、基準組成は、In40%、Sn14%、Bi46
%であり,その液相線温度は72℃、固液共存域巾は3
℃である。
ューズエレメントに、(1)環境保全上有害金属を含ま
ないIn−Sn−Bi系を使用し、(2)前記したヒー
トサイクルに対する熱的安定性を保証するためにInの
配合重量を50%、より少なくし、(3)作動温度を6
5℃〜75℃とする融点を有し、かつ前記した作動温度
範囲のバラツキを充分に小さくするために、固液共存巾
ΔTをたかだか4℃程度に抑え、(4)300μmφ程
度の細線線引きを可能とし、(5)抵抗値を充分に低く
してジュール発熱による作動誤差を抑えるために、ヒュ
ーズエレメントの合金組成をIn37〜43%、Sn1
0〜18%、残部Biとしている。
の範囲内の重量比率で制御し、SnとBiとを前記範囲
内の重量比率で混在させることにより、低温固相変態点
の発生無く、65℃〜75℃の作動温度を満たす融点に
設定でき、かつ固液共存巾を4℃以内に抑えることがで
きる。In量が37%、未満では、融点81℃のBi−
In−Sn共晶組織(Bi57.5%、In25.2
%、Sn17.3%)が出現し、また、In量が43%
を越えると、融点62℃のBi−In−Sn共晶組織
(In51%、Bi32.5%、Sn16.5%、)が
出現して所望の動作温度を得ることができず、かつ固液
共存巾を4℃以内に納めることができない。本発明にお
いて、Sn量を10%〜18%とする理由は、Bi量を
制御して融点を約70℃付近に設定すること、及び強度
が低く延性が非常に大きいInと、強度が大きく脆性が
非常に大きいBiが形成する合金について、約300μ
mφという細線線引き加工を可能とするように延性を補
完することにある。Sn量が10%未満であれば、作動
温度を65℃〜75℃に設定できないばかりか、前記延
性補完を満足に達成し得ず前記細線加工が困難になり、
Sn量が18%を越えれば、Bi量の減少によって強度
が低下すると共に延性が過多となり、加工歪に対する抵
抗力が極端に小さくなって前記細線加工が困難になる。
iの少なくとも一種を0.01〜3.5重量部添加する
理由は、合金の比抵抗をより一層に低くしてジュール発
熱による作動誤差をより厳格に抑えること、作動温度6
5℃〜75℃を実質的に変えることなく、固液共存巾Δ
Tを一層に狭くして作動温度のバラツキをより厳格に抑
えること、細線加工に必要な強度と延性を更に付与して
加工性をより一層に高めること等にある。添加量を0.
01〜3.5重量部とする理由は、0.01重量部未満
では前記効果を満足に達成できず、3.5重量部を越え
ると融点が変動して作動温度を65℃〜75℃に設定し
得ないことにある。
メントは、合金母材の線引きにより製造され、断面丸形
のまま、または、さらに扁平に圧縮加工して使用でき
る。
型温度ヒュ−ズを示し、厚み100〜300μmのプラ
スチックベ−スフィルム41に厚み100〜200μm
の帯状リ−ド導体1,1を接着剤または融着により固着
し、帯状リ−ド導体間に線径250μmφ〜500μm
φのヒュ−ズエレメント2を接続し、このヒュ−ズエレ
メント2にフラックス3を塗布し、このフラックス塗布
ヒュ−ズエレメントを厚み100〜300μmのプラス
チックカバ−フィルム41の接着剤または融着による固
着で封止してある。
スタイプ、基板タイプ、樹脂ディツピングタイプの形式
で実施することもできる。図2は筒型ケ−スタイプを示
し、一対のリ−ド線1,1間にヒューズエレメント2を
接続し、該ヒューズエレメント2上にフラックス3を塗
布し、このフラックス塗布ヒューズエレメント上に耐熱
性・良熱伝導性の絶縁筒4、例えば、セラミックス筒を
挿通し、該絶縁筒4の各端と各リ−ド線1との間を常温
硬化の封止剤5、例えば、エポキシ樹脂で封止してあ
る。
行リ−ド導体1,1の先端部間にヒュ−ズエレメント2
を溶接により接合し、ヒュ−ズエレメント2にフラック
ス3を塗布し、このフラックス塗布ヒュ−ズエレメント
を一端開口の絶縁ケ−ス4、例えばセラミックスケ−ス
で包囲し、この絶縁ケ−ス4の開口をエポキシ樹脂等の
封止剤5で封止してある。
えばセラミックス基板上に一対の膜電極1,1を導電ペ
−スト(例えば銀ペ−スト)の印刷焼付けにより形成
し、各電極1にリ−ド導体11を溶接等により接続し、
電極1,1間にヒュ−ズエレメント2を溶接により接合
し、ヒュ−ズエレメント2にフラックス3を塗布し、こ
のフラックス塗布ヒュ−ズエレメントを封止剤5例えば
エポキシ樹脂で被覆してある。
示し、並行リ−ド導体1,1の先端部間にヒュ−ズエレ
メント2を溶接により接合し、ヒュ−ズエレメント2に
フラックス3を塗布し、このフラックス塗布ヒュ−ズエ
レメントを樹脂液ディッピングにより絶縁封止剤例えば
エポキシ樹脂5で封止してある。
ば、基板タイプの合金型温度ヒュ−ズの絶縁基板に抵抗
体(膜抵抗)を付設し、機器の異常時、抵抗体を通電発
熱させ、その発生熱で低融点可溶合金片を溶断させる抵
抗付きの基板型ヒュ−ズの形式で実施することもでき
る。
−ズエレメントの融点よりも低いものが使用され、例え
ば、ロジン90〜60重量部、ステアリン酸10〜40
重量部、活性剤0〜3重量部を使用できる。この場合、
ロジンには、天然ロジン、変性ロジン(例えば、水添ロ
ジン、不均化ロジン、重合ロジン)またはこれらの精製
ロジンを使用でき、活性剤には、ジエチルアミンの塩酸
塩や臭化水素酸塩等を使用できる。
おいては、試料形状を基板型、試料数を50箇とし、
0.1アンペアの電流を通電しつつ、昇温速度1℃/分
のオイルバスに浸漬し、溶断による通電遮断時のオイル
温度を測定した。また、自己発熱の影響の有無について
は、試料数を50箇とし、通常の定格電流(1〜2A)
のもとで判断した。更に、ヒートサイクルに対するヒュ
ーズエレメントの抵抗値変化の有無ついては、試料数を
50箇とし、30分間50℃加熱、30分間−40℃冷
却を1サイクルとするヒートサイクル試験を500サイ
クル行なったのちの抵抗値変化を測定して判断した。
i46%、の合金組成の母材を線引きして直径300μ
mφの線に加工した。1ダイスについての引落率を6.
5%とし、線引き速度を45m/minとしたが、断線
は皆無であった。この線の比抵抗を測定したところ、4
8μΩ・cmであった。この線を長さ4mmに切断して
ヒュ−ズエレメントとし、小型の基板型温度ヒュ−ズを
作製した。フラックスには、ロジン80重量部,ステア
リン酸20重量部,ジエチルアミン臭化水素酸塩1重量
部の組成物を使用し、被覆材には、常温硬化型のエポキ
シ樹脂を使用した。この実施例品について、作動温度を
測定したところ、72℃±2℃の範囲内であった。ま
た、通常の定格電流のもとで、自己発熱の影響の無いこ
とを確認した。更に、ヒートサイクルによるヒューズエ
レメントの問題となるような抵抗値変化は認められなか
った。なお、In37〜43%、Sn10〜18%、残
部Biの範囲内であれば、前記の細線線引き性、低比抵
抗性、耐熱安定性を充分に保証でき、作動温度を70℃
±5℃の範囲内におさめ得ることを確認した。
5%、Bi44.5%、Ag3.4%、の合金組成の母
材を線引きして直径300μmφの線に加工した。1ダ
イスについての引落率を6.5%とし、線引き速度を4
5m/minとしたが、断線は皆無であった。この線の
比抵抗を測定したところ、41μΩ・cmであった。こ
の線を長さ4mmに切断してヒュ−ズエレメントとし、
実施例1と同様に基板型温度ヒュ−ズを作製した。この
実施例品について、作動温度を測定したところ、71℃
±1℃の範囲内であった。また、通常の定格電流のもと
で、自己発熱の影響の無いことを確認した。更に、ヒー
トサイクルによるヒューズエレメントの問題となるよう
な抵抗値変化は認められなかった。なお、In37〜4
3%、Sn10〜18%、残部Biの100重量部、A
g0.01〜3.5重量部の範囲内であれば、前記の細
線線引き性、低比抵抗性、耐熱安定性を充分に保証で
き、作動温度を70℃±4℃の範囲内におさめ得ること
を確認した。
9%、Bi45.7%、Cu0.7%、の合金組成の母
材を線引きして直径300μmφの線に加工した。1ダ
イスについての引落率を6.5%とし、線引き速度を4
5m/minとしたが、断線は皆無であった。この線の
比抵抗を測定したところ、42μΩ・cmであった。こ
の線を長さ4mmに切断してヒュ−ズエレメントとし、
実施例1と同様に基板型温度ヒュ−ズを作製した。この
実施例品について、作動温度を測定したところ、71℃
±1℃の範囲内であった。また、通常の定格電流のもと
で、自己発熱の影響の無いことを確認した。更に、ヒー
トサイクルによるヒューズエレメントの問題となるよう
な抵抗値変化は認められなかった。なお、In37〜4
3%、Sn10〜18%、残部Biの100重量部、C
u0.01〜3.5重量部の範囲内であれば、前記の細
線線引き性、低比抵抗性、耐熱安定性を充分に保証で
き、作動温度を70℃±4℃の範囲内におさめ得ること
を確認した。
9%、Bi45.7%、Ni0.7%、の合金組成の母
材を線引きして直径300μmφの線に加工した。1ダ
イスについての引落率を6.5%とし、線引き速度を4
5m/minとしたが、断線は皆無であった。この線の
比抵抗を測定したところ、47μΩ・cmであった。こ
の線を長さ4mmに切断してヒュ−ズエレメントとし、
実施例1と同様に基板型温度ヒュ−ズを作製した。この
実施例品について、作動温度を測定したところ、71℃
±1℃の範囲内であった。また、通常の定格電流のもと
で、自己発熱の影響の無いことを確認した。更に、ヒー
トサイクルによるヒューズエレメントの問題となるよう
な抵抗値変化は認められなかった。なお、In37〜4
3%、Sn10〜18%、残部Biの100重量部、N
i0.01〜3.5重量部の範囲内であれば、前記の細
線線引き性、低比抵抗性、耐熱安定性を充分に保証で
き、作動温度を71℃±4℃の範囲内におさめ得ること
を確認した。
5%、Bi44.5%、,Ag2.7%、Cu0.7
%、の合金組成の母材を線引きして直径300μmφの
線に加工した。1ダイスについての引落率を6.5%と
し、線引き速度を45m/minとしたが、断線は皆無
であった。この線の比抵抗を測定したところ、38μΩ
・cmであった。この線を長さ4mmに切断してヒュ−
ズエレメントとし、実施例1と同様に基板型温度ヒュ−
ズを作製した。この実施例品について、作動温度を測定
したところ、70℃±1℃の範囲内であった。また、通
常の定格電流のもとで、自己発熱の影響の無いことを確
認した。更に、ヒートサイクルによるヒューズエレメン
トの問題となるような抵抗値変化は認められなかった。
なお、In37〜43%、Sn10〜18%、残部Bi
の100重量部、AgとCuとの合計0.01〜3.5
重量部の範囲内であれば、前記の細線線引き性、低比抵
抗性、耐熱安定性を充分に保証でき、作動温度を71℃
±4℃の範囲内におさめ得ることを確認した。
%、Sn13.3%、Cd10%の合金組成の母材を使
用し、実施例と同様にして直径300μmφへの線引き
を試みたが、断線が多発した。そこで、1ダイスについ
ての引落率を5.0%として線引き率を下げ、線引き速
度を20m/minにして線引き速度を低速にすること
により加工歪軽減のもとで線引きを試みたが、多数断線
が発生し、加工できなかった。このように、線引きによ
る細線加工が実質上不可であるために、回転ドラム式紡
糸法により直径300μmφの細線を得た。この細線の
比抵抗を測定したところ、61μΩ・cmであった。こ
の細線を長さ4mmに切断してヒュ−ズエレメントと
し、実施例1と同様にして基板型温度ヒュ−ズを作製
し、作動温度を測定したところ、融点(70℃)を大き
く越えても作動しないものが多数認められた。この理由
は、回転ドラム式紡糸法のために、ヒュ−ズエレメント
の表面に厚い酸化皮膜の鞘が形成され、鞘内部の合金が
溶融されても鞘が溶融されずに分断に至らないためと推
定される。
7%の合金組成の母材を線引きして直径300μmφの
線に加工した。1ダイスについての引落率を6.5%と
し、線引き速度を45m/minとしたが、断線は皆無
であった。この線の比抵抗を測定したところ、37μΩ
・cmであった。この線を長さ4mmに切断してヒュ−
ズエレメントとし、実施例1と同様に基板型温度ヒュ−
ズを作製し、実施例と同様にして、作動温度を測定した
ところ、60℃付近で作動するものから74℃付近で作
動するものが存在し、作動温度の顕著なバラツキが認め
られた。74℃付近での作動は本来の溶断に基づく作動
であるが、60℃付近で作動は固相変態に起因するもの
と推定される。
%、Bi32.7%の合金組成の母材を線引きして直径
300μmφの線に加工した。1ダイスについての引落
率を6.5%、とし、線引き速度を45m/minとし
たが、断線は皆無であった。この線の比抵抗を測定した
ところ、32μΩ・cmであった。この線を長さ4mm
に切断してヒュ−ズエレメントとし、実施例1と同様に
基板型温度ヒュ−ズを作製し、作動温度を測定したとこ
ろ、71℃±1℃の範囲内であった。また、通常の定格
電流のもとで、自己発熱の影響の無いことを確認した。
しかし、500回ヒートサイクルによる耐熱試験では、
大きな抵抗値変化の発生したものがあり、分解してヒュ
−ズエレメントを観察したところ、ヒュ−ズエレメント
の部分的な断面積減少及びエレメント線長増大が認めら
れた。この理由は、Inの多量含有のために、弾性限界
が小さく、ヒュ−ズエレメントが熱応力で降伏されて合
金組織内にすべりが生じ、このすべりの繰返しにより断
面積及びエレメント線長が変化して、ヒュ−ズエレメン
ト自体の抵抗値が変動したと推定される。
In−Sn系の低融点可溶合金母材の容易な線引き加工
で得た300μmφクラスの極細線ヒュ−ズエレメント
を用い、動作温度が65℃〜75℃で、かつ自己発熱に
よる作動誤差を充分に防止でき、しかも、Inの充分に
抑えられた添加量のために優れた耐熱安定性を保証でき
る合金型温度ヒュ−ズを提供できる。
図面である。
の例を示す図面である。
の例を示す図面である。
の例を示す図面である。
の例を示す図面である。
Claims (4)
- 【請求項1】低融点可溶合金をヒュ−ズエレメントとす
る温度ヒュ−ズにおいて、低融点可溶合金の合金組成
が、In37〜43%、Sn10〜18%、残部Biで
あることを特徴とする合金型温度ヒュ−ズ。 - 【請求項2】低融点可溶合金をヒュ−ズエレメントとす
る温度ヒュ−ズにおいて、低融点可溶合金の合金組成
が、In37〜43%、Sn10〜18%、残部Biの
100重量部に、Ag、Cu、Niから選ばれた少なく
とも一種が合計0.01〜3.5重量部添加された組成
であることを特徴とする合金型温度ヒュ−ズ。 - 【請求項3】不可避的不純物を含有する請求項1または
2記載の合金型温度ヒューズ。 - 【請求項4】作動温度が65℃〜75℃である請求項1
乃至3何れか記載の合金型温度ヒューズ。
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