JP2001325867A - 温度ヒューズおよび温度ヒューズ素子用線材 - Google Patents

温度ヒューズおよび温度ヒューズ素子用線材

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JP2001325867A
JP2001325867A JP2000146639A JP2000146639A JP2001325867A JP 2001325867 A JP2001325867 A JP 2001325867A JP 2000146639 A JP2000146639 A JP 2000146639A JP 2000146639 A JP2000146639 A JP 2000146639A JP 2001325867 A JP2001325867 A JP 2001325867A
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wire
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fuse
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Katsuhiko Narita
雄彦 成田
Shiro Hara
四郎 原
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Solder Coat Co Ltd
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    • H01H37/00Thermally-actuated switches
    • H01H37/74Switches in which only the opening movement or only the closing movement of a contact is effected by heating or cooling
    • H01H37/76Contact member actuated by melting of fusible material, actuated due to burning of combustible material or due to explosion of explosive material
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の温度ヒューズおよび温度ヒューズ素
子用線材は、鉛合金製ヒューズおよび線材と同等の溶断
温度、延性を有する温度ヒューズおよび線材を提供する
ことを課題とする。 【解決手段】 本発明の温度ヒューズは、所定の温度で
溶融するヒューズ素子を有する温度ヒューズであって、
前記ヒューズ素子は、20重量%以上33重量%以下の
ビスマスと、1重量%以上15重量%以下のスズと、残
部がインジウムとからなる可溶合金により形成されてい
ることを特徴とする。また、本発明の温度ヒューズ素子
用線材も同様の組成を有する可溶合金により形成されて
いることを特徴とする。つまり本発明は、可溶合金中に
鉛を含有させず、かつ合金組成を適正化することで、鉛
合金製ヒューズおよび線材と同等の溶断温度、延性を有
する温度ヒューズおよび線材を提供するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は温度ヒューズおよび
温度ヒューズ素子用線材、より詳しくは75℃以上10
0℃以下の低温において溶融する無鉛可溶合金により形
成した温度ヒューズ素子を有する温度ヒューズおよび温
度ヒューズ素子用線材に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒューズには、電気回路に過電流が流れ
ると溶断して回路を保護する電気ヒューズと、電気回路
周辺の温度が上昇すると溶断して回路を保護する温度ヒ
ューズとがある。電気ヒューズはテレビ、洗濯機等に、
また温度ヒューズは携帯電話、ノート型パソコン等に、
それぞれ組み込まれており、これらの電気製品を保護す
る役割を有している。なかでも温度ヒューズは、設定し
た溶断温度で、確実に、また迅速に溶断して電気回路を
守る必要がある。このため、温度ヒューズには様々な温
度条件に対し、精度よく溶断することが要求される。ヒ
ューズの溶断温度は、温度ヒューズ中のヒューズ素子を
構成する可溶合金の融点(液相面温度)に左右され、融
点は合金の成分金属およびその配合比、つまり組成によ
り決まる。従って、組成を選択するのは極めて重要であ
る。
【0003】従来、融点が75℃以上100℃以下であ
る温度ヒューズ用可溶合金としてはもっぱら成分金属に
鉛を含むもの(以下鉛合金と称す)が使用されていた。
すなわち、ウッドメタル(Sn−Bi−Pb−Cd)、
セルロー(Sn−Bi−Pb−Cd−In)、ニュート
ン合金(Bi−Pb−Sn)等が温度ヒューズ用可溶合
金として使用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年電気製品
が廃棄されるとその中に組み込まれている温度ヒューズ
から鉛が自然環境中に溶出することが問題となってい
る。環境中に溶出した鉛を人間が摂取すると鉛中毒にな
り、摂取量により、疲労感、睡眠不足、便秘、震え、腹
痛、貧血、神経炎、脳変質症等の中毒症状が現れる。し
たがって、鉛による環境汚染を防止するため、可能な限
り工業材料として鉛を使用しないことが世界的に要求さ
れており、鉛に代わる工業材料の検討が、業界において
重要な課題の一つとなっている。
【0005】そこで、鉛を含まない温度ヒューズのヒュ
ーズ素子およびヒューズ素子用線材を構成する可溶合金
に関し鋭意研究を重ねた結果、本発明の発明者は、鉛を
含有させなくても75℃以上100℃以下の温度におい
て溶融する可溶合金を得ることができるとの知見を得
た。
【0006】本発明の温度ヒューズおよび温度ヒューズ
素子用線材は、上記知見に基づいてなされたものであ
り、可溶合金中に鉛を含有させずに、75℃以上100
℃以下の溶断温度を確保しうる温度ヒューズを提供する
ことを課題とする。また、この温度ヒューズの製造に好
適な温度ヒューズ素子用線材を提供することを課題とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の温度ヒューズ
は、所定の温度で溶断するヒューズ素子を有する温度ヒ
ューズであって、ヒューズ素子は、20重量%以上33
重量%以下のビスマスと、1重量%以上15重量%以下
のスズと、残部のインジウムとからなる可溶合金により
形成されていることを特徴とする。
【0008】また、本発明の温度ヒューズ素子用線材
は、20重量%以上33重量%以下のビスマスと、1重
量%以上15重量%以下のスズと、残部のインジウムと
からなる可溶合金により形成されていることを特徴とす
る。
【0009】本発明の発明者は、鉛を含まず、かつ75
℃以上100℃以下の温度で溶融するようなヒューズ用
可溶合金について検討し、比較的低融点であるビスマ
ス、スズ、インジウムに着目し、この三種類の金属から
なる合金(Bi−Sn−In合金)について研究した。
【0010】このなかでもビスマスは、融点が271.
3℃と低いため、従来使用されていた鉛合金においても
その融点を下げるため、合金中に40重量%〜60重量
%程度含まれていた。したがって、溶断温度が75℃以
上100℃以下であるような無鉛可溶合金としてこのB
i−Sn−In合金を用いる場合、ビスマスの含有率を
高くする必要がある。
【0011】しかし、ビスマスは硬度は高いが延性に乏
しく、また脆いという性質を有するため、ビスマス含有
率の高い無鉛可溶合金にもこの性質が現れてしまう。そ
こで、本発明の発明者は合金中のインジウムに着目し
た。インジウムは、ビスマスと同様に合金の融点を下げ
る役割を有する反面、ビスマスとは対称的に延性に富
み、硬度が低いという性質を有する。したがって、ビス
マスおよびインジウムの含有率を調整することにより、
言い換えるとビスマス含有率を下げ、代わりにインジウ
ム含有率を上げることにより、鉛合金と同等の溶融温
度、延性を有する無鉛可溶合金を得ることができる。
【0012】ただし、このような無鉛可溶合金を得るた
めには、新たに生ずる以下の派生的問題点を克服する必
要がある。まず、ビスマス含有率に対しインジウム含有
率を上げすぎると合金が柔らかくなりすぎる。また、イ
ンジウムはビスマス、スズと比較して高価なため、本発
明の目的を達成できる範囲内でインジウム含有率は低く
設定する必要がある。さらに、上述したようにヒューズ
の溶断温度は、可溶合金の融点により決まる。しかし、
電気回路周辺の温度が、可溶合金の固相面温度に達する
とヒューズは溶け始めるため、合金の液相面温度と固相
面温度との差(以下△Tと称す)が大きいと、固相面温
度に達してから液相面温度に達するまで時間がかかるこ
とになる。△Tが大きいということは、ヒューズの溶断
に時間がかかることを意味しており、溶断に時間がかか
ると半導体等の電子部品が破損するおそれがある。この
ため、ヒューズには所望の温度で迅速に溶断する速断性
が要求され、可溶合金の△Tは30℃以内であることが
要求される。
【0013】上述した可溶合金からなる本発明の温度ヒ
ューズは、従来の鉛合金製温度ヒューズと同様に75℃
以上100℃以下の溶断温度を確保し、また上記派生的
問題点をも克服することができる実用的な温度ヒューズ
となる。また、通常のビスマス含有率の高い合金からな
る温度ヒューズ素子用線材と比較して、上記可溶合金か
らなる本発明の温度ヒューズ素子用線材は、適度な延性
を有し、細線化することができるため、耐熱性の低い電
子部品や小型電子機器等に使用することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の温度ヒューズおよ
び温度ヒューズ素子用線材の実施の形態について、可溶
合金、温度ヒューズ、温度ヒューズ素子用線材の項目ご
とにそれぞれ説明する。
【0015】〈可溶合金〉まず、本発明の温度ヒューズ
および温度ヒューズ素子用線材の形成材料である可溶合
金の態様について説明する。本発明の温度ヒューズおよ
び線材に使用される可溶合金は、20重量%以上33重
量%以下のビスマスと、1重量%以上15重量%以下の
スズと、残部のインジウムとからなる。可溶合金をこの
様な組成とした理由を、図を参照しながら説明する。
【0016】図1にBi−Sn−In合金の液相面図を
示す。図中、点Aはビスマス含有率100重量%の点
を、点Bはスズ含有率100重量%の点を、点Cはイン
ジウム含有率100重量%の点をそれぞれ示す。また、
点aはBi−Sn二元系合金の共融点を、点bはSn−
In二元系合金の共融点を、点cはIn−Bi二元系合
金の共融点を、点dはBi−Sn−In合金の共融点を
それぞれ示す。また、図中の太線は内側が75℃、外側
が100℃の等温線をそれぞれ示す。
【0017】まず、合金中のビスマス含有率について説
明する。上述したように、ビスマスは、硬度は高いが延
性に乏しく脆いという性質を有する。合金中のビスマス
含有率が高いと、このビスマスの性質が合金にも現れる
様になる。これは、合金製造工程においてビスマス、ス
ズ、インジウムを溶融混合した合金融液を冷却する際
に、ビスマス含有率が高いと、融液からビスマスが初晶
として晶出するためである。したがって、初晶としてビ
スマスを晶出させないために、合金組成は図中BCcd
aで囲まれる範囲内のどこかに設定すればよい。
【0018】次に、スズ含有率について説明する。図2
にSn−In合金の状態図を示す。図から分かるように
共融点の組成よりもスズ含有率が高い領域では、スズ含
有率が低い領域と比較して、液相線と固相線の間隔すな
わち△Tが大きい。△Tが大きいと温度ヒューズおよび
ヒューズ用線材の速断性が悪くなり電子部品を破損させ
るおそれがある。したがって、△Tを小さくするために
合金組成は図1のbCcdで囲まれる範囲内のどこかに
設定すればよい。
【0019】さらにまた、図2から分かるように、共融
点組成よりもスズ含有率が低い領域の中でも、よりスズ
含有率が低い方が△Tは小さくなるため、合金中のスズ
含有率は1重量%以上15重量%以下であることが望ま
しい。合金中のスズ含有率を1重量%以上15重量%以
下にするため、合金組成は図1のeCcfで囲まれる範
囲内に設定すればよい。
【0020】一方、本発明の温度ヒューズおよび線材の
目標とする溶断温度、すなわち目標温度は75℃以上1
00℃以下である。したがって、合金組成は図1の75
℃と100℃の二本の等温線に挟まれる範囲内のどこか
に設定すればよい。
【0021】図1のeCcfで囲まれる範囲内で、かつ
75℃と100℃の二本の等温線に挟まれる範囲内のど
こかに合金組成を設定するためには、図中に斜線で示す
ようにビスマス含有率を20重量%以上33重量%以
下、スズ含有率を1重量%以上15重量%以下、残部を
インジウムとすればよい。
【0022】上記の理由から、本発明の温度ヒューズお
よびヒューズ素子用線材を形成する可溶合金は、ビスマ
スが20重量%以上33重量%以下、スズが1重量%以
上15重量%以下、残部がインジウムという組成を有す
るものとした。
【0023】この組成範囲内において、ビスマス、ス
ズ、インジウムの配合比を変えることにより、合金の融
点を自在にコントロールすることができ、75℃から1
00℃の間の任意の目標温度に対応する低温用温度ヒュ
ーズおよび線材を提供することができる。例えば、目標
温度を100℃とする場合は、可溶合金の組成を100
℃の等温線上に設定すればよく、具体的には、ビスマス
22重量%、スズ6重量%、インジウム72重量%の点
等に合金組成を設定すればよい。また、目標温度を75
℃とする場合は、合金の組成を75℃の等温線上に設定
すればよく、具体的には、ビスマス32重量%、スズ1
重量%、インジウム67重量%の点等に合金組成を設定
すればよい。
【0024】なお、可溶合金中には、原料金属等から不
可避の不純物が混入することも考えられる。本発明のヒ
ューズおよび線材を構成する可溶合金は不純物の混入を
特に除外するものではなく、上記組成を有する合金に
は、合金中に不可避の不純物が混入している場合も該当
する。
【0025】〈温度ヒューズ〉本発明の温度ヒューズの
実施の形態について、図を参照しながら説明する。図3
に本発明の温度ヒューズの一例として筒型温度ヒューズ
の断面図を示す。図3に示す温度ヒューズ1は、一定の
温度で溶断するヒューズ素子10と、ヒューズ素子10
の両端に接合され電流を通すリード線2と、ヒューズ素
子10の周囲に円柱状に充てんされヒューズ素子溶断後
に溶断面を被い再度導通が生じるのを防ぐフラックス1
1と、ヒューズ素子10、フラックス11およびリード
線2の一部を収納する円筒状のセラミックケース12と
からなる。
【0026】電子機器においては、温度ヒューズ1は例
えば電池等の電源と電気回路等との間に設置される。何
らかの原因で、温度ヒューズ1の周辺温度が上昇し、温
度ヒューズ1の設定温度に達すると、ヒューズ素子10
は溶断し、その溶断面をフラックス11が覆い、電源と
回路等との導通を遮断する。このようにして温度ヒュー
ズ1は電源、電気回路等を保護することができる。
【0027】本実施形態の温度ヒューズ1の製造方法に
ついては、従来からヒューズの製造に用いられている種
々の方法により製造することができる。例えば、後述す
る線材を切断しヒューズ素子10を形成し、このヒュー
ズ素子10とリード線2とを接合し、ヒューズ素子10
の周囲にフラックス11を充てんし、さらにその外側
に、ヒューズ素子10等を外部から保護するためセラミ
ックケース12を設置する方法により製造することがで
きる。
【0028】なお、本発明の温度ヒューズは、図3に示
す筒型ヒューズの他、つめ付きヒューズ、管型ヒュー
ズ、栓型ヒューズ等従来用いられている様々な形状の温
度ヒューズとすることができる。
【0029】また、本発明の温度ヒューズは、75℃か
ら100℃という低温領域の任意の温度に対し、迅速に
溶断させることができる。このため、耐熱性の低い半導
体や携帯電話用リチウムイオン二次電池の保護用等、多
岐にわたる用途に使用することができる。
【0030】〈温度ヒューズ素子用線材〉次に、上述し
た温度ヒューズに用いられる本発明の温度ヒューズ素子
用線材の実施の形態について説明する。本発明の線材
は、従来線材の製造に用いられてきた種々の方法により
製造することができる。その一例として引抜き法につい
て説明する。
【0031】引抜き法は、線材を構成する可溶合金の原
料を溶融炉に配合する原料配合工程、配合した原料を溶
融させ合金を調製し型に流し込みビレットを作るビレッ
ト作製工程、ビレットから粗線を作製する押し出し工
程、粗線から細線を成形する伸線工程からなる。
【0032】まず、原料配合工程では、線材の原料であ
るビスマス、スズ、インジウムの地金を所望の組成とな
るように秤量、配合し溶融炉に投入する。次に、ビレッ
ト作製工程では、配合原料を300〜350℃の温度下
で溶融させBi−Sn−In合金を調製し、溶融状態の
調製合金を型に流し込み、柱状のビレットを作製する。
次に、押し出し工程では、型からビレットを取り出し、
押出し成形機にかけ、押し出し成形することで粗線を作
製する。最後に、伸線工程では、粗線を引抜き成形機に
かけ、成形機に設けられた孔から線状の合金を引き抜く
ことにより細線を成形する。引抜きは、線状の合金を多
数のダイス隙間を通すことにより行う。このダイスは順
次径が小さくなっており、多数のダイスを通る間に所定
の径が得られるようになっている。ダイスにより合金は
張力をかけられ細線、すなわち本実施形態の線材とな
る。
【0033】上記引抜き法の様に、張力により線材を成
形する方法においては、線材中のビスマス含有率が高い
と、引抜き成形時に線材が切れてしまう。一方、本実施
形態の温度ヒューズ素子用線材は、ビスマス含有率が低
く適度な延性を有するため、上述した引抜き法の様に、
張力により線材を成形することが可能である。張力によ
り成形した線材は、押出し成形等他の成形法により製造
した線材と比較して、より細くすることが可能である。
このような細い線材は、例えばボビン等に巻き付けコン
パクトに収納することができるため保管性に優れてい
る。なお、線材は、軸方向に対する垂直方向の断面が真
円状のものの他、楕円状、多角形状等従来用いられてい
る様々な断面形状の線材とすることができる。
【0034】また、低温用温度ヒューズにおいては、耐
熱性の低い半導体等の電子部品を保護するため設定温度
に対する速断性が要求される。速断性を確保するため、
線材からなるヒューズ素子はヒューズ内において一定の
張力がかけられた状態で設置される場合が多い。この状
態で設置されたヒューズ素子は、断面積が小さいほどよ
り迅速に溶断するので、低温用温度ヒューズに用いる線
材は断面積が小さいことが要求される。
【0035】さらにまた、本発明の線材は溶断温度が7
5℃以上100℃以下だが、この温度域で溶断する線材
を有するヒューズは、携帯電話、ビデオカメラ、ノート
型パソコン等の電子機器の二次電池用として需要が高ま
っている。近年これらの電子機器は、利用の便から小型
化の一途をたどっており、機器の小型化のために、電池
の小型化が急務となっている。電池を小型化するために
は、その部品である温度ヒューズも小型であることが要
求され、温度ヒューズ素子用線材の断面積も小さいこと
が要求される。上記ニーズより、線材の断面積は0.3
mm2以下であることが要求される。従来の無鉛合金製
線材で上記要求に応えることができるものは存在しなか
ったが、本発明の線材は、この要求に充分応えることが
できる。
【0036】
【実施例】上記実施形態に基づいて、所定の組成を有す
るインゴットを作製し、このインゴットから試料を採取
して実験を行った。これを実施例として説明する。
【0037】〈実施例1〉実施例1の試料は、25重量
%のビスマス、8重量%のスズ、67重量%のインジウ
ムという組成を有する可溶合金により構成されている。
この試料は以下の方法により製造した。まず、純度9
9.99%のビスマス、純度99.99%のスズ、純度
99.99%のインジウムを秤量し、溶融炉に投入し
た。次に、原料を溶融炉にて300℃の温度下で溶融攪
拌して合金の調製を行い、調製合金を型に流し込み放冷
し、脱型した。このようにして作製したインゴットから
試料を採取し、これを実施例1とした。また、調製合金
を型に流し込む際、化学分析にて合金組成の確認を行っ
た。
【0038】〈実施例2〉実施例2の試料は、25重量
%のビスマス、3重量%のスズ、72重量%のインジウ
ムという組成を有する可溶合金により構成されている。
この試料を採取したインゴットは上記実施例1のインゴ
ットと同様の方法により製造した。
【0039】〈実施例3〉実施例3の試料は、22重量
%のビスマス、8重量%のスズ、70重量%のインジウ
ムという組成を有する可溶合金により構成されている。
この試料を採取したインゴットも上記実施例1のインゴ
ットと同様の方法により製造した。
【0040】〈実験方法〉実験は、実施例1〜3の試料
を加熱炉にて徐々に加熱し、熱分析計(以下TAと称
す)、示差走査熱量計(以下DSCと称す)を用いて各
試料についての溶融温度特性を調べることにより行っ
た。加熱炉の昇温パターンは、実験前の温度を50℃、
昇温速度を毎分10℃、最終保持温度を150℃とし
た。
【0041】〈実験結果〉この昇温パターンにて実施例
1の試料を昇温したときの、TAによる測定結果を図4
に示す。図4より、温度が約68℃と約88℃のとき温
度曲線の傾きが平らになっているのが分かる。また、D
SCによる測定結果を図5に示す。図5より、温度が約
68℃のときに示差熱曲線にピーク開始点があることが
分かる。これらのことから、実施例1の試料を構成する
可溶合金は、約68℃で固相単独の一相状態から固相と
液相との二相共存状態となり、約88℃で二相共存状態
から液相単独の一相状態に相変化することが分かる。す
なわち、実施例1においては約68℃が固相面温度、約
88℃が液相面温度であり、△Tは約20℃であること
が分かる。
【0042】同様に実施例2の試料を昇温したときの、
TAによる測定結果を図6に示す。図6より、温度が約
71℃と約92℃のとき温度曲線の傾きが平らになって
いるのが分かる。また、DSCによる測定結果を図7に
示す。図7より、温度が約71℃のときに示差熱曲線に
ピーク開始点があることが分かる。すなわち、実施例2
においては約71℃が固相面温度、約92℃が液相面温
度であり、△Tは約21℃であることが分かる。
【0043】同様に実施例3の試料を昇温したときの、
TAによる測定結果を図8に示す。図8より、温度が約
69℃と約95℃のとき温度曲線の傾きが平らになって
いるのが分かる。また、DSCによる測定結果を図9に
示す。図9より、温度が約69℃のときに示差熱曲線に
ピーク開始点があることが分かる。すなわち、実施例3
においては約69℃が固相面温度、約95℃が液相面温
度であり、△Tは約26℃であることが分かる。
【0044】以上の実験から実施例1〜3の試料の組
成、融点、△Tをまとめて表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】表1より、実施例1〜3は75℃以上10
0℃以内という温度範囲内に液相面温度があることが分
かった。また、実施例1〜3の△Tはいずれも30℃以
内であった。
【0047】
【発明の効果】本発明の温度ヒューズは、所定の温度で
溶断するヒューズ素子を有する温度ヒューズであって、
前記ヒューズ素子は、20重量%以上33重量%以下の
ビスマスと、1重量%以上15重量%以下のスズと、残
部のインジウムとからなる可溶合金により形成されてい
ることを特徴とする。
【0048】また本発明の温度ヒューズ素子用線材は、
20重量%以上33重量%以下のビスマスと、1重量%
以上15重量%以下のスズと、残部のインジウムとから
なる可溶合金により形成されていることを特徴とする。
【0049】このように、可溶合金としてBi−Sn−
In合金を選択し、また合金中のビスマス含有率を低く
し、かつインジウム含有率を高くすることで、鉛合金か
らなる温度ヒューズと同等の溶断温度特性、延性を有す
る温度ヒューズとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Bi−Sn−In合金の液相面図である。
【図2】Sn−In合金の状態図である。
【図3】温度ヒューズの断面図である。
【図4】実施例1のTAによる測定結果を示すグラフで
ある。
【図5】実施例1のDSCによる測定結果を示すグラフ
である。
【図6】実施例2のTAによる測定結果を示すグラフで
ある。
【図7】実施例2のDSCによる測定結果を示すグラフ
である。
【図8】実施例3のTAによる測定結果を示すグラフで
ある。
【図9】実施例3のDSCによる測定結果を示すグラフ
である。
【符号の説明】
A:Bi100重量%の点 B:Sn100重量%の点 C:In100重量%の点 a:Bi−Sn二元系の共融点 b:Sn−In二元系の共融点 c:In−Bi二元系の共融点 d:Bi−Sn−In三元系の共融点 e:Sn15重量%In85重量%の点 f:Sn15重量%組成線とBi−Sn共融線の投影線
との交点 1:温度ヒューズ 10:ヒューズ素子 11:フラックス 12:セラミックケース 2:リード線

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の温度で溶断するヒューズ素子を有
    する温度ヒューズであって、前記ヒューズ素子は、20
    重量%以上33重量%以下のビスマスと、1重量%以上
    15重量%以下のスズと、残部のインジウムとからなる
    可溶合金により形成されていることを特徴とする温度ヒ
    ューズ。
  2. 【請求項2】 20重量%以上33重量%以下のビスマ
    スと、1重量%以上15重量%以下のスズと、残部のイ
    ンジウムとからなる可溶合金により形成されている温度
    ヒューズ素子用線材。
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