JP2004228031A - 温度ヒューズ用可溶性合金および温度ヒューズ用線材および温度ヒューズ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】温度ヒューズ用可溶性合金は、17質量%以上22質量%以下のインジウムと24質量%以上28質量%以下の鉛とを含み、残部がスズと不可避不純物とからなることを特徴とする。本発明の温度ヒューズ用可溶性合金はCdを含有しない。したがって、本発明の可溶性合金を用いた温度ヒューズが廃棄されても、自然環境に与える影響は極めて小さい。また、上記組成範囲を有する本発明の可溶性合金は、従来のCdを含有した可溶性合金と同様に、140℃〜150℃の溶融温度を有する。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は過度の温度上昇による電気機器の熱破損を防止する温度ヒューズ、およびこの温度ヒューズの温度ヒューズ素子を形成する温度ヒューズ用線材、およびこの温度ヒューズ用線材を形成する温度ヒューズ用可溶性合金に関する。
【0002】
【従来の技術】
温度ヒューズは、テレビやビデオあるいはトランスや二次電池といった電気機器の電気回路に組み込まれている。温度ヒューズ周囲の環境温度が温度ヒューズの動作温度を超えると、温度ヒューズに組み込まれた温度ヒューズ素子が溶断する。この温度ヒューズ素子の溶断により、温度ヒューズは電気機器の熱破損を防止している。
【0003】
温度ヒューズ素子は、温度ヒューズ用線材(以下、適宜「線材」と略称する。)から作製される。線材は、温度ヒューズ用可溶性合金(以下、適宜「可溶性合金」と略称する。)から形成されている。したがって、温度ヒューズの動作温度および温度ヒューズ素子の溶断温度は、主に可溶性合金の溶融温度により決定される。
【0004】
例えば、特許文献1には、溶融温度が140℃未満に調整された可溶性合金が紹介されている。同文献記載の可溶性合金は、鉛(Pb)とインジウム(In)とスズ(Sn)とからなる。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−73869号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
これに対し、溶融温度を140℃〜150℃に調整するためには、可溶性合金にカドミウム(Cd)を含有させる場合が多い。その理由は、Cd(融点約321℃)は、他の低融点金属であるIn(融点約156℃)やSn(融点約232℃)などと比較して、融点が高いからである。また、Cdを含有させることにより、後述する液相化温度と固相化温度との温度差が小さくなるからである。例えば、Snを51.2質量%、Pbを30.6質量%、Cdを18.2質量%含有する可溶性合金の共晶温度は145℃である。すなわち、この可溶性合金における液相化温度と固相化温度との温度差は0℃である。
【0007】
しかしながら、近年、廃棄された電気機器の温度ヒューズから自然環境中にCdが溶出することが問題となっている。このため、工業材料としてCdを使用しないことが世界的な趨勢となっている。
【0008】
そこで、Cdを含まない可溶性合金について鋭意研究を重ねた結果、本発明者はCdフリーでかつ140℃〜150℃の溶融温度を持つ可溶性合金を得ることができるとの知見を得た。
【0009】
本発明の可溶性合金および線材および温度ヒューズは、上記知見に基づいて完成されたものである。したがって、本発明は、溶融温度が140℃〜150℃でかつCdフリーの可溶性合金、およびこの可溶性合金からなり溶断温度が140℃〜150℃である線材、およびこの線材からなる温度ヒューズ素子を有し動作温度が140℃〜150℃である温度ヒューズを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の温度ヒューズ用可溶性合金は、17質量%以上22質量%以下のインジウムと24質量%以上28質量%以下の鉛とを含み、残部がスズと不可避不純物とからなることを特徴とする。
【0011】
本発明の温度ヒューズ用可溶性合金はCdを含有しない。したがって、本発明の可溶性合金を用いた温度ヒューズが廃棄されても、自然環境に与える影響は極めて小さい。また、後述する実験から明らかなように、上記組成範囲を有する本発明の可溶性合金は、従来のCdを含有した可溶性合金と同様に、140℃〜150℃の溶融温度を有する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の温度ヒューズ用可溶性合金および温度ヒューズ用線材および温度ヒューズの実施の形態について説明する。
【0013】
〈温度ヒューズ用可溶性合金〉
第一に、本発明の温度ヒューズ用可溶性合金について説明する。本発明の可溶性合金は、不可避不純物を除外すれば、InとPbとSnとから形成されている。
【0014】
(1)まず、可溶性合金に、これらInとPbとSnとを含有させた理由について説明する。これらの金属を含有させたのは、可溶性合金における硬度のバランスを採るためである。すなわち、In、Pbは比較的硬度が低い。In、Pbは、可溶性合金の硬度を下げる効果を有する。一方、Snは比較的硬度が高い。Snは、可溶性合金の硬度を上げる効果を有する。したがって、これらの金属を含有させることで、可溶性合金の硬度を調整することができる。すなわち、可溶性合金から線材を形成する際の加工性や、可溶性合金から形成された温度ヒューズ素子を電気機器に搭載する際の搭載性などを考慮して、可溶性合金の硬度バランスを採ることができる。
【0015】
並びに、可溶性合金にInとPbとSnとを含有させたのは、可溶性合金の溶融温度を140℃〜150℃に調整するためである。すなわち、Inの融点は約156℃であり比較的低い。Inは、可溶性合金の溶融温度を下げる効果を有する。一方、Pbの融点は約327℃であり比較的高い。Pbは、可溶性合金の溶融温度を上げる効果を有する。また、Snの融点は約232℃であり、Inの融点とPbの融点との中間にある。したがって、これらの金属を含有させることで、可溶性合金の溶融温度のバランスを採ることができる。
【0016】
また、可溶性合金にInとPbとSnとを含有させたのは、可溶性合金の濡れ性を調整するためである。すなわち、Sn、Inは、比較的濡れ性が高い。これに対し、Pbは、比較的濡れ性が低い。したがって、これらの金属を含有させると、SnおよびInにより、Pbによる濡れ性の低下を相殺することができる。
【0017】
(2)次に、可溶性合金の溶融温度と液相化温度および固相化温度との関係について説明する。温度ヒューズ素子が加熱され溶断する場合、つまり可溶性合金が加熱され溶融する場合、一般的には固相→固液共存相→液相の順に相状態が変化していく。ここで、固相と固液共存相との境界温度が固相化温度である。また、固液共存相と液相との境界温度が液相化温度である。可溶性合金の溶融温度は、これら固相化温度と液相化温度との間のいずれかに存在する。なお、固液共存相において、固相に対する液相の割合が大きい方が、より温度ヒューズ素子は溶断しやすい。このため、可溶性合金の溶融温度は、固相化温度と液相化温度との間であって、かつ液相化温度近傍に存在する場合が多い。例えば、可溶性合金の固相化温度が130℃、液相化温度が150℃の場合、溶融温度は130℃〜150℃の間であって、かつ150℃近傍に存在する場合が多い。
【0018】
(3)次に、本発明の可溶性合金の組成範囲を、Inが17質量%以上22質量%以下、Pbが24質量%以上28質量%以下、Snおよび不可避不純物が残部、とした理由について説明する。
【0019】
まず、Inの含有割合を17質量%以上に限定した理由について説明する。前述したように、Inは、可溶性合金の溶融温度を下げる効果を有する。In含有割合が17質量%未満だと、Inの有する溶融温度低下効果が可溶性合金に発現しにくい。このため、可溶性合金の溶融温度が、150℃を超えるおそれがある。また、前述したように、Inは、可溶性合金の硬度を下げる効果を有する。したがって、In含有割合が17質量%未満だと、Inの有する硬度低下効果が可溶性合金に充分発現しない。このような理由から、Inの含有割合を17質量%以上に限定した。
【0020】
次に、In含有割合を22質量%以下に限定した理由について説明する。In含有割合が22質量%を超えると、Inの有する溶融温度低下効果が可溶性合金に過度に発現し、溶融温度が140℃未満になるおそれがある。すなわち、所望の溶融温度を確保できないおそれがある。また、In含有割合が22質量%を超えると、Inの有する硬度低下効果が可溶性合金に過度に発現するおそれがある。また、Inは、Pb、Bi、Snと比較して高価である。このため、In含有割合が22質量%を超えると、可溶性合金ひいては線材、温度ヒューズの製造コストが高騰する。このような理由から、Inの含有割合を22質量%以下に限定した。In含有割合を、17質量%以上、かつ22質量%以下に限定すると、適度な硬度と適度な溶融温度とを併有し、また比較的安価な可溶性合金を得ることができる。
【0021】
次に、Pbの含有割合を24質量%以上に限定した理由について説明する。前述したように、Pbは、可溶性合金の溶融温度を上げる効果を有する。Pb含有割合が24質量%未満だと、Pbの有する溶融温度上昇効果が可溶性合金に発現しにくい。したがって、可溶性合金の溶融温度が、140℃未満になるおそれがある。また、前述したように、Pbは、可溶性合金の硬度を下げる効果を有する。Pb含有割合が24質量%未満だと、Pbの有する硬度低下効果が可溶性合金に充分発現しない。このような理由から、Pbの含有割合を24質量%以上に限定した。
【0022】
次に、Pb含有割合を28質量%以下に限定した理由について説明する。Pb含有割合が28質量%を超えると、Pbの有する溶融温度上昇効果が可溶性合金に過度に発現するおそれがある。このため、可溶性合金の溶融温度が、150℃を超えるおそれがある。また、Pb含有割合が28質量%を超えると、Pbの有する硬度低下効果が可溶性合金に過度に発現するおそれがある。また、Pb含有割合が28質量%を超えると、可溶性合金の濡れ性が低下するおそれがある。このような理由から、Pbの含有割合を28質量%以下に限定した。Pb含有割合を、24質量%以上、かつ28質量%以下に限定すると、適度な硬度と適度な溶融温度とを併有し、また比較的濡れ性の高い可溶性合金を得ることができる。
【0023】
(4)また、本発明の可溶性合金は、In、Pb、Snに、さらにビスマス(Bi)を含有させる構成としてもよい。そしてこの場合、組成範囲は、Inを17質量%以上22質量%以下、Pbを24質量%以上28質量%以下、Biを0.01質量%以上4質量%以下、Snおよび不可避不純物を残部、とするのが適当である。
【0024】
まず、可溶性合金にBiを含有させた理由について説明する。Biを含有させたのは、Biの融点は約271℃と比較的高いからである。すなわち、Biは可溶性合金の溶融温度を上昇させる効果を有するからである。また、Biを含有させたのは、Biは比較的硬度が高いからである。すなわち、Biは可溶性合金の硬度を上昇させる効果を有するからである。Biを含有させると、可溶性合金の溶融温度および硬度が、さらに調整しやすくなる。
【0025】
次に、Biの含有割合を0.01質量%以上に設定した理由について説明する。Bi含有割合が0.01質量%未満だと、Biの有する溶融温度上昇効果が可溶性合金に充分発現しないおそれがあるからである。また、Biの有する硬度上昇効果が可溶性合金に充分発現しないおそれがあるからである。
【0026】
次に、Bi含有割合を4質量%以下に限定した理由について説明する。Bi含有割合が4質量%を超えると、Biの有する溶融温度上昇効果が可溶性合金に過度に発現するおそれがあるからである。また、Bi含有割合が4質量%を超えると、Biの有する硬度上昇効果が可溶性合金に過度に発現するおそれがあるからである。そして、可溶性合金の脆性が高くなるおそれがあるからである。Biの含有割合を、0.01質量%以上、かつ4質量%以下に限定すると、適度な硬度と適度な溶融温度とを併有する可溶性合金を得ることができる。
【0027】
(5)好ましくは、上記組成範囲において、Biの含有割合を1.9質量%以上に設定する方がよい。Biの含有割合を1.9質量%以上に設定したのは、1.9質量%未満だと、可溶性合金として最適な硬度範囲と比較すると、硬度が低くなるおそれがあるからである。
【0028】
また、好ましくは、Biの含有割合を2.1質量%以下に設定する方がよい。Biの含有割合を2.1質量%以下に設定したのは、2.1質量%を超えると、可溶性合金として最適な硬度範囲と比較すると、硬度が高くなるおそれがあるからである。Bi含有割合を、1.9質量%以上、かつ2.1質量%以下に限定すると、最適な硬度範囲を持つ可溶性合金を得ることができる。
【0029】
また、好ましくは、Pbの含有割合を26.9質量%以上に設定する方がよい。Pbの含有割合を26.9質量%以上に設定したのは、26.9質量%未満だと、可溶性合金として最適な硬度範囲と比較すると、硬度が高くなるおそれがあるからである
また、好ましくは、Pbの含有割合を27.1質量%以下に設定する方がよい。Pbの含有割合を27.1質量%以下に設定したのは、27.1質量%を超えると、可溶性合金として最適な硬度範囲と比較すると、硬度が低くなるおそれがあるからである。Pb含有割合を、26.9質量%以上、かつ27.1質量%以下に限定すると、最適な硬度範囲を持つ可溶性合金を得ることができる。
【0030】
さらに、好ましくは、Biの含有割合を1.9質量%以上2.1質量%以下に、かつPbの含有割合を26.9質量%以上27.1質量%以下に限定する方がよい。つまり、可溶性合金の組成範囲を、Inが17質量%以上22質量%以下、Pbが26.9質量%以上27.1質量%以下、Biが1.9質量%以上2.1質量%以下、Snおよび不可避不純物が残部とする方がよい。
【0031】
ここで、BiおよびPbのみの含有割合を限定したのは、Biの有する硬度上昇効果とPbの有する硬度低下効果とを相殺させるためである。そして、可溶性合金として最適な硬度範囲を確保するためである。こうすると、Bi、Pbの含有割合は比較的狭い範囲に固定される。このため、Bi、Pb以外の他の成分金属の含有割合だけを調整することにより、可溶性合金の溶融温度、硬度を自在に設定することができる。
【0032】
〈温度ヒューズ用線材〉
第二に、本発明の線材について説明する。本発明の線材は、上記組成範囲を有する温度ヒューズ用可溶性合金により形成されている。本発明の線材は、従来から線材の製造に用いられてきた種々の方法により製造することができる。その一例として、引抜き法によりIn−Pb−Bi−Sn合金からなる線材を作製する場合について説明する。
【0033】
(1)引抜き法は、線材を形成する可溶性合金の原料を溶融炉に配合する原料配合工程と、配合した原料を溶融させ合金を調製し型に流し込みビレットを作るビレット作製工程と、ビレットから粗線材を作製する粗線材作製工程と、粗線材を細線化し線材を作製する細線化工程と、からなる。
【0034】
まず、原料配合工程では、線材の原料であるIn、Pb、Bi、Snの地金を所望の組成となるように秤量、配合し溶融炉に投入する。次に、ビレット作製工程では、配合原料を350〜450℃の温度下で溶融させIn−Pb−Bi−Sn合金を調製する。そして、この溶融状態の調製合金を型に流し込み、柱状のビレットを作製する。続いて、粗線材作製工程では、型からビレットを取り出し、押出し成形機により押し出し成形することで線径の大きい粗線材を作製する。最後に、細線化工程では、この粗線材を引抜き成形機にかけ、成形機の型に設けられたダイス隙間から引き抜くことにより粗線材の線径の小径化、つまり細線化を行う。この細線化は、具体的には粗線材を直列に並んだ複数のダイス隙間に通すことにより行う。ダイス隙間は下流側ほど小径に設定されている。このため、粗線材は複数のダイス隙間を通る間に徐々に細線化される。したがって、粗線材を通過させるダイス隙間の数を増減することで、線材の線径を調整することができる。
【0035】
(2)引抜き法では、押し出し成形工程の後に、引抜き成形を行う細線化工程が設定されている。この引き抜き法のように、引抜き成形を行う工程を持つ製造方法の利点は、他の製造方法、例えば押し出し成形工程のみを有する製造方法と比較して、より線径の細い線材を作製できる点である。
【0036】
ここで、可溶性合金、すなわち粗線材の硬度が過度に高いと、引抜き成形を行う工程において、脆性により粗線材が切れるおそれがある。この点、本発明の線材は、硬度が適切なため適度の延性を有する。したがって、引抜き成形を行う工程を有する製造方法により作製することができる。このため、本発明の線材は、線径の細線化が容易である。
【0037】
また本発明の線材は収納性にも優れている。線材の収納方法の一つに、線材をボビンに巻回して収納する方法がある。図1に、本発明の線材が巻回されたボビンの部分断面図を示す。図に示すように、ボビン2は、第一円板22と第二円板23とからなる。第一円板22は、樹脂製であって中央部に小径ボス220を持つ鍋蓋状を呈している。第二円板23は、樹脂製であって中央部に大径ボス230を持つ鍋蓋状を呈している。大径ボス230の外周面には、周方向に120゜ずつ離間して、ねじ231が合計三本配置されている。ねじ231は、大径ボス230を径方向に貫通している。第一円板22の小径ボス220は、第二円板23の大径ボス230の内周側に挿入されている。そして、小径ボス220は、ねじ231により大径ボス230に固定されている。線材20は、小径ボス220の外周面に巻回され収納されている。ここで、上述したように、本発明の線材20は適度の延性を有している。このため、ある程度張力をかけながら線材20を小径ボス220に巻回しても、線材20が断線するおそれが小さい。したがって、本発明の線材20によるとボビン2に対する巻回数を多くすることができる。このように本発明の線材は収納性に優れている。
【0038】
また、本発明の線材の溶断温度は、140℃〜150℃に調整されている。この温度域で溶断する線材を用いた温度ヒューズは、モータ、音響用トランスなどの電気機器用として需要が高い。これらの機器は利用の便から小型化の一途を辿っている。したがって、これらの機器の部品である温度ヒューズの小型化も急務となっている。このため、温度ヒューズに用いる線材もより細い方が好ましい。具体的には、線材の断面積は、0.3mm2以下である方が好ましい。この点、本発明の線材は細線化が容易である。このため、特別な成形装置などを用いることなく、線材の断面積を0.3mm2以下にすることができる。
【0039】
なお、本発明の線材の断面形状は特に限定するものではない。すなわち断面が真円状のものは勿論、楕円状あるいは多角形状など従来から用いられている様々の形状とすることができる。ここで、例えば平らな四角形状、つまりテープ状の線材を作製する場合は、上記細線化工程の後に線材を径方向に圧縮し変形させる圧縮成形工程を追加すればよい。
【0040】
〈温度ヒューズ〉
第三に、本発明の温度ヒューズについて説明する。図2に、本発明の温度ヒューズの一例として筒型温度ヒューズの断面図を示す。
【0041】
(1)まず、温度ヒューズ1の構成について説明する。温度ヒューズ1は、温度ヒューズ素子10とリード線13とフラックス11とセラミックケース12とからなる。温度ヒューズ素子10は、長手方向両端にこぶのある棒状、すなわちダンベル状を呈している。この温度ヒューズ素子10は、本発明の可溶性合金からなる線材により形成されている。リード線13は、温度ヒューズ素子10の長手方向両端に接合されている。リード線13は銅製である。フラックス11は、ヒューズ素子10を封止している。フラックス11は、松脂を主成分とし、これに活性剤やチキソ剤などを添加したものである。このフラックス11は、活性の高い温度ヒューズ素子10の表面に酸化膜が形成されるのを抑制する役割を有する。またフラックス11は、温度ヒューズ素子10が溶断したとき溶断面を包み込み、溶断面同士が再結合するのを防止する役割を有する。セラミックケース12は円筒状を呈しており、上記温度ヒューズ素子10、リード線13の端部、フラックス11を密封している。セラミックケース12は、これらの部材を保護する役割を有する。またセラミックケース12は、温度ヒューズ素子10が溶断し、可溶性合金が液化した際、この液状の可溶性合金が電気回路に漏出するのを防止する役割を有する。
【0042】
次に、温度ヒューズ1の動作について説明する。温度ヒューズ1周囲の環境温度が上昇し、温度ヒューズ1の動作温度に達すると、まず、表面張力の作用により温度ヒューズ素子10は、長手方向両端に向かって分裂するように変形する。次に、この変形により、温度ヒューズ素子10中間部の線径は徐々に細くなり、温度ヒューズ素子10が溶断する。それから、溶断した温度ヒューズ素子10の溶断面をフラックス11が覆う。このようにして、温度ヒューズ1は温度ヒューズ素子10を挟むリード線13間の電気的導通を遮断する。
【0043】
(2)次に、温度ヒューズ1の製造方法について説明する。温度ヒューズ1は、従来から温度ヒューズの製造に用いられている種々の方法により製造することができる。例えば、まず線材を切断し温度ヒューズ素子10を作製する。次に、作製した温度ヒューズ素子10の長手方向両端をレーザにより半溶融状態とし、この長手方向両端にリード線13を接合する。それから、温度ヒューズ素子10の表面にフラックス11を塗布する。そして最後に、この温度ヒューズ素子10とリード線13端部とフラックス11との接合体を、セラミックケース12内に封入する。このような方法により、温度ヒューズ1を製造することができる。
【0044】
本発明の温度ヒューズに組み込まれる温度ヒューズ素子は、適度な硬度を持っている。このため、電気機器搭載時における機械的衝撃などにより、温度ヒューズ素子が断線するおそれが小さい。また、温度ヒューズ素子は濡れ性が高い。したがってリード線との接合性が良好で、電気機器搭載時における機械的衝撃などにより温度ヒューズ素子がリード線から分離するおそれが小さい。このように、本発明の温度ヒューズは、機械的衝撃に対する信頼性が高い。
【0045】
(3)なお、本発明の温度ヒューズの形状は、図2に示す筒型ヒューズの他、従来から用いられている様々の形状として具現化することができる。例えば温度ヒューズ素子とリード線とフラックスとの接合体を、二枚の絶縁板で挟持したカード型温度ヒューズとして具現化してもよい。また、ケース型温度ヒューズ、基板型温度ヒューズなどとして具現化してもよい。
【0046】
〈その他〉
以上、本発明の温度ヒューズ用可溶性合金、温度ヒューズ用線材、温度ヒューズの実施形態について説明した。しかしながら、実施形態は上記形態に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態あるいは改良的形態で実施することができる。
【0047】
例えば、本発明の線材を巻回収納するボビンは、図3に示すように、軸長が長いものであってもよい。なお、図3において、図1と対応する部位については同じ符号で示す。この場合、第一円板22および第二円板23の直径Aを65mm〜130mmに、軸部の直径Bを23mm〜80mmに、第一円板22内面と第二円板23内面との間隔Cを55mm〜90mmに、第一円板22外面と第二円板23外面との間隔Dを60mm〜110mmに、それぞれ設定してもよい。
【0048】
【実施例】
上記実施形態に基づいて、所定の組成を有する可溶性合金からなるインゴットを作製した。そしてこのインゴットから粉末サンプルと線材サンプルを採取した。これら二つのサンプルのうち、粉末サンプルにより可溶性合金の溶融温度特性を測定した。また、線材サンプルにより、可溶性合金からなる線材の溶断温度特性を測定した。
【0049】
〈サンプルの作製方法〉
(1)実施例1−1、実施例1−2
実施例1−1および実施例1−2のサンプルは、21質量%のIn、25質量%のPb、54質量%のSnという組成を有する可溶性合金からなる。これらのサンプルは以下の方法により作製した。まず、純度99.99%のIn、純度99.99%のPb、純度99.99%のSnを所定量秤量し、溶融炉に投入した。次に、投入したIn、Pb、Snを溶融攪拌し合金の調製を行った。そして、調製後の合金を型に流し込み放冷および脱型することでインゴットを作製した。
【0050】
このようにして作製したインゴットから、質量1gの粉末サンプルを採取した。そして、このサンプルを実施例1−1とした。また同様に、インゴットから断面積0.12mm2の線材サンプルを作製した。なお線材サンプルの作製方法は、前述した引抜き法により行った。そして、このサンプルを実施例1−2とした。なお、調整後の合金を型に流し込む際、化学分析にて合金組成の確認を行った。
【0051】
(2)実施例2−1、実施例2−2
実施例2−1および実施例2−2のサンプルは、18質量%のIn、27質量%のPb、2質量%のBi、53質量%のSnという組成を有する可溶性合金からなる。実施例2−1および実施例2−2のサンプルも、実施例1−1および実施例1−2のサンプルと同様の方法により作製した。
【0052】
実施例2−1のサンプルの質量は、実施例1−1のサンプルの質量と同量とした。また、実施例2−2のサンプルの断面積は、実施例1−2のサンプルの断面積と同面積とした。なお、実施例2−1および実施例2−2のサンプルも、実施例1−1および実施例1−2のサンプルと同様に化学分析にて合金組成の確認を行った。
【0053】
(3)実施例3−1、実施例3−2
実施例3−1および実施例3−2のサンプルは、20質量%のIn、27質量%のPb、2質量%のBi、51質量%のSnという組成を有する可溶性合金からなる。実施例3−1および実施例3−2のサンプルも、実施例1−1および実施例1−2のサンプルと同様の方法により作製した。
【0054】
実施例3−1のサンプルの質量は、実施例1−1のサンプルの質量と同量とした。また、実施例3−2のサンプルの断面積は、実施例1−2のサンプルの断面積と同面積とした。なお、実施例3−1および実施例3−2のサンプルも、実施例1−1および実施例1−2のサンプルと同様に化学分析にて合金組成の確認を行った。
【0055】
〈測定方法〉
(1)可溶性合金の溶融温度特性の測定
測定に用いたサンプルは、実施例1−1、2−1、3−1の粉末サンプルである。測定は、これらのサンプルを、加熱炉にて徐々に加熱し、熱分析計(以下、「TA」と称す。)、示差走査熱量計(以下、「DSC」と称す。)を用いて溶融温度特性を調べることにより行った。また加熱炉の昇温パターンは、測定前の温度を50℃、昇温速度を毎分10℃とした。
【0056】
(2)線材の溶断温度特性の測定
測定に用いたサンプルは、実施例1−2、2−2、3−2の線材サンプルである。測定は、電流を流すことによりこれらのサンプルを加熱し、サンプルが完全に溶断したときの温度を調べることにより行った。なお溶断温度のばらつきを調べるため、各サンプルは複数本作製した。そして、測定も複数回繰り返し行った。
【0057】
〈測定結果〉
(1)可溶性合金の溶融温度特性の測定結果
図4に、実施例1−1のサンプルを昇温したときのTAによる測定結果を示す。図中、測定曲線において昇温してもサンプルの温度が上昇しない部分、すなわち測定曲線の傾きが平らになっている部分は、サンプルを形成する可溶性合金が、固相から固液共存相に、または固液共存相から液相に相変化している部分である。したがって、このときの温度が固相化温度または液相化温度に相当する。図から、温度が約147℃のとき測定曲線の傾きが平らになっているのが判る。
【0058】
図5に、DSCによる測定結果を示す。図中、測定曲線は下方に突出するピークを示している。このピーク開始点は、サンプルを形成する可溶性合金が、固相から固液共存相に相変化する点に相当する。したがって、このときの温度が固相化温度である。図から、温度が約133℃のときに測定曲線にピーク開始点があることが判る。
【0059】
これらのことから、実施例1−1のサンプルを形成する可溶性合金は、約133℃で、固相から固液共存相に、約147℃で固液共存相から液相に相変化することが判る。すなわち、実施例1−1においては約133℃が固相化温度、約147℃が液相化温度であることが判る。また、△T(液相化温度と固相化温度との差)は約14℃であることが判る。
【0060】
同様に、実施例2−1のサンプルを昇温したときの、TAによる測定結果を図6に示す。図から、温度が約150℃のとき測定曲線の傾きが平らになっているのが判る。また、DSCによる測定結果を図7に示す。図から、温度が約132℃のときに測定曲線にピーク開始点があることが判る。すなわち、実施例2−1においては約132℃が固相化温度、約150℃が液相化温度であり、△Tは約18℃であることが判る。
【0061】
同様に実施例3−1のサンプルを昇温したときの、TAによる測定結果を図8に示す。図から、温度が約129℃および約146℃のとき、測定曲線の傾きが平らになっているのが判る。また、DSCによる測定結果を図9に示す。図から、温度が約129℃のときに測定曲線にピーク開始点があることが判る。すなわち、実施例3−1においては約129℃が固相化温度、約146℃が液相化温度であり、△Tは約17℃であることが判る。
【0062】
以上の測定結果から各サンプルの組成、固相化温度、液相化温度、△Tをまとめて表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
表1から、これらのサンプルの液相化温度は、いずれも140℃〜150℃の温度域内にあることが判る。すなわち、これらのサンプルの溶融温度は、いずれも140℃〜150℃の温度域内にあることが判る。また、これらのサンプルの△Tは、いずれも18℃以内であり、比較的小さいことが判る。このため、これらのサンプルから作製した温度ヒューズは、速断性に優れている。
【0065】
(2)線材の溶断温度特性の測定結果
実施例1−2、2−2、3−2の各サンプルをオイルバスに浸漬し、オイルバスの温度を0.5℃/min.の速度で上昇させ、各サンプルが溶断したときの温度を溶断温度とした。実施例1−2のサンプルの溶断温度測定結果を、図10にグラフで示す。測定回数nは50回とした。実施例2−2のサンプルの溶断温度測定結果を、図11にグラフで示す。測定回数nは50回とした。実施例3−2のサンプルの溶断温度測定結果を、図12にグラフで示す。測定回数nは49回とした。また、各サンプルごとに溶断温度の平均値、最大値、最小値を算出した。各サンプルの組成、溶断温度をまとめて表2に示す。
【0066】
【表2】
【0067】
表2から、これらのサンプルの溶断温度の平均値は、いずれも140℃〜150℃の温度域内にあることが判る。また、溶断温度の最大値も、いずれも140℃〜150℃の温度域内にあることが判る。また、溶断温度の最小値も、いずれも140℃〜150℃の温度域内にあることが判る。また、図10、図11、図12から、各サンプルの溶断温度のばらつきは、比較的小さいことが判る。したがって、これらのサンプルから作製した温度ヒューズは、大量生産時における動作温度信頼性が高い。
【0068】
【発明の効果】
本発明によると、溶融温度が140℃〜150℃でかつCdフリーの温度ヒューズ用可溶性合金、およびこの温度ヒューズ用可溶性合金からなり溶断温度が140℃〜150℃である温度ヒューズ用線材、およびこの温度ヒューズ用線材からなる温度ヒューズ素子を有し動作温度が140℃〜150℃である温度ヒューズを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の線材が巻回されたボビンの斜視図である。
【図2】温度ヒューズの断面図である。
【図3】本発明の線材が巻回されたボビンの斜視図である。
【図4】実施例1−1のTAによる測定結果を示すグラフである。
【図5】実施例1−1のDSCによる測定結果を示すグラフである。
【図6】実施例2−1のTAによる測定結果を示すグラフである。
【図7】実施例2−1のDSCによる測定結果を示すグラフである。
【図8】実施例3−1のTAによる測定結果を示すグラフである。
【図9】実施例3−1のDSCによる測定結果を示すグラフである。
【図10】実施例1−2の溶断温度測定結果を示すグラフである。
【図11】実施例2−2の溶断温度測定結果を示すグラフである。
【図12】実施例3−2の溶断温度測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1:温度ヒューズ、10:ヒューズ素子、11:フラックス、12:セラミックケース、13:リード線、2:ボビン、20:線材、22:第一円板、220:小径ボス、23:第二円板、230:大径ボス、231:ねじ。
Claims (5)
- 17質量%以上22質量%以下のインジウムと24質量%以上28質量%以下の鉛とを含み、残部がスズと不可避不純物とからなる温度ヒューズ用可溶性合金。
- 17質量%以上22質量%以下のインジウムと24質量%以上28質量%以下の鉛と0.01質量%以上4質量%以下のビスマスとを含み、残部がスズと不可避不純物とからなる温度ヒューズ用可溶性合金。
- 前記ビスマスは、1.9質量%以上2.1質量%以下含まれており、前記鉛は、26.9質量%以上27.1質量%以下含まれている請求項2に記載の温度ヒューズ用可溶性合金。
- 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の温度ヒューズ用可溶性合金により形成された温度ヒューズ用線材。
- 請求項4に記載の温度ヒューズ用線材により形成された温度ヒューズ素子を有する温度ヒューズ。
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- 2003-01-27 JP JP2003017398A patent/JP2004228031A/ja active Pending
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