JP2003013166A - 温度ヒューズ用可溶性合金および温度ヒューズ用線材および温度ヒューズ - Google Patents

温度ヒューズ用可溶性合金および温度ヒューズ用線材および温度ヒューズ

Info

Publication number
JP2003013166A
JP2003013166A JP2001196818A JP2001196818A JP2003013166A JP 2003013166 A JP2003013166 A JP 2003013166A JP 2001196818 A JP2001196818 A JP 2001196818A JP 2001196818 A JP2001196818 A JP 2001196818A JP 2003013166 A JP2003013166 A JP 2003013166A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermal fuse
temperature
alloy
wire
wire rod
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001196818A
Other languages
English (en)
Inventor
Shiro Hara
四朗 原
Masahiro Sugiura
正洋 杉浦
Toshihiro Kubota
敏弘 久保田
Shinichi Kato
伸一 加藤
Noriyuki Katsumoto
憲幸 勝本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Solder Coat Co Ltd
Anzen Dengu KK
Original Assignee
Solder Coat Co Ltd
Anzen Dengu KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Solder Coat Co Ltd, Anzen Dengu KK filed Critical Solder Coat Co Ltd
Priority to JP2001196818A priority Critical patent/JP2003013166A/ja
Publication of JP2003013166A publication Critical patent/JP2003013166A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H37/00Thermally-actuated switches
    • H01H37/74Switches in which only the opening movement or only the closing movement of a contact is effected by heating or cooling
    • H01H37/76Contact member actuated by melting of fusible material, actuated due to burning of combustible material or due to explosion of explosive material
    • H01H2037/768Contact member actuated by melting of fusible material, actuated due to burning of combustible material or due to explosion of explosive material characterised by the composition of the fusible material
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H37/00Thermally-actuated switches
    • H01H37/74Switches in which only the opening movement or only the closing movement of a contact is effected by heating or cooling
    • H01H37/76Contact member actuated by melting of fusible material, actuated due to burning of combustible material or due to explosion of explosive material
    • H01H37/761Contact member actuated by melting of fusible material, actuated due to burning of combustible material or due to explosion of explosive material with a fusible element forming part of the switched circuit

Landscapes

  • Fuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融温度がほぼ100℃以下で、かつ鉛を含
有しない温度ヒューズ用可溶性合金、およびこの可溶性
合金からなる温度ヒューズ用線材、およびこの線材を用
いた温度ヒューズを提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明の温度ヒューズ用可溶性合金は、
34重量%以上52重量%以下のBiを含み、残部がI
nと不可避不純物とからなることを特徴とする。また、
本発明の温度ヒューズ用線材は、上記組成を有する可溶
性合金からなることを特徴とする。さらに、本発明の温
度ヒューズは、この温度ヒューズ用線材からなる温度ヒ
ューズ素子を持つことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は過度の温度上昇によ
る電気機器の熱破損を防止する温度ヒューズ、およびこ
の温度ヒューズの温度ヒューズ素子を形成する温度ヒュ
ーズ用線材、およびこの温度ヒューズ用線材を形成する
温度ヒューズ用可溶性合金に関する。
【0002】
【従来の技術】温度ヒューズは、テレビやビデオあるい
はトランスや二次電池といった電気機器の電気回路に組
み込まれている。そして、これらの電気機器が過度の温
度上昇により熱破損することを防止している。例えば、
二次電池において、何らかの事情により正極と負極とが
短絡すると、急激な放電が起こる。そしてこの放電によ
り電池は発熱する。発熱により電池が過度に昇温する
と、電池が熱破損するおそれがある。このとき、電池に
組み込まれている温度ヒューズは、周囲温度が作動温度
に到達したことを検知し、溶断する。そして、この溶断
により正極と負極との短絡を断ち、電池の温度を下降さ
せる。
【0003】ところで、温度ヒューズを構成する部材の
うち、実際に溶断するのは可溶性合金製の温度ヒューズ
素子である。したがって、温度ヒューズの作動温度と温
度ヒューズ素子を形成する可溶性合金の溶融温度とは、
ほぼ一致する。近年においては、特に作動温度が100
℃以下の温度ヒューズの需要が高まっている。従来か
ら、作動温度が100℃以下の温度ヒューズには、溶融
温度が100℃以下であるウッドメタル(Sn−Bi−
Pb−Cd)、セルロー(Sn−Bi−Pb−Cd−I
n)、ニュートン合金(Bi−Pb−Sn)などの可溶
性合金が使用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記列
挙した可溶性合金は、いずれも鉛を含有している。そし
て近年、廃棄された電気機器の温度ヒューズから自然環
境中に鉛が溶出することが問題となっている。このた
め、工業材料として可能な限り鉛を使用しないことが世
界的な趨勢となっている。また、鉛の代替材料の検討
が、業界において重要な課題の一つとなっている。
【0005】そこで、鉛を含まない温度ヒューズ用可溶
性合金について鋭意研究を重ねた結果、本発明者は、鉛
を含まなくても100℃以下の温度において溶融する可
溶性合金を得ることができるとの知見を得た。
【0006】本発明の温度ヒューズ用可溶性合金および
温度ヒューズ用線材および温度ヒューズは、上記知見に
基づいてなされたものである。したがって、本発明は、
溶融温度が100℃以下で、かつ鉛を含有しない温度ヒ
ューズ用可溶性合金、およびこの可溶性合金からなる温
度ヒューズ用線材(以下、適宜「線材」と称す。)、お
よびこの線材からなる温度ヒューズ素子を有する温度ヒ
ューズを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の温度ヒューズ用可溶性合金は、34重量%
以上52重量%以下のビスマスを含み、残部がインジウ
ムと不可避不純物とからなることを特徴とする。
【0008】本発明の温度ヒューズ用可溶性合金は鉛を
含有しない。このため、この可溶性合金を用いた温度ヒ
ューズが廃棄されても、自然環境に与える影響は極めて
小さい。また、上記組成範囲を有する本発明の温度ヒュ
ーズ用可溶性合金は、従来の鉛を含有した可溶性合金と
同様に、100℃以下の溶融温度を有する。さらに、従
来の可溶性合金は少なくとも3つ以上の成分金属から構
成されていたが、本発明の可溶性合金は2つの成分金属
から構成されている。すなわち成分金属数が少ない。こ
のため可溶性合金作製時における原料の配合が容易であ
る。なお、本明細書および図面中において、重量%およ
びwt%とは質量(mass)%を意味する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の温度ヒューズ用可
溶性合金および温度ヒューズ用線材および温度ヒューズ
の実施の形態について説明する。
【0010】〈温度ヒューズ用可溶性合金〉第一に、本
発明の温度ヒューズ用可溶性合金について説明する。本
発明の可溶性合金は、不可避不純物を除外すれば、ビス
マス(Bi)とインジウム(In)とから形成されてい
る。
【0011】まず、可溶性合金にBiとInとを含有さ
せた理由について説明する。Biを可溶性合金に含有さ
せた理由は、Biは、他の金属と比較して、合金の溶融
温度を低下させる効果が著しく大きいからである。また
Inを可溶性合金に含有させた理由は、InもBi同様
に、合金の溶融温度を低下させる効果が大きいからであ
る。なおBiは、硬度は高いが、延性に乏しく脆い性質
を有する。またBiとは対称的にInは、延性に富む
が、柔らかい性質を有する。したがって、この相反する
性質を有するBiとInとを組み合わせると、可溶性合
金の機械的特性を自在に操作することができる。
【0012】次に、可溶性合金の固相化温度および液相
化温度と、可溶性合金の溶融温度との関係について説明
する。温度ヒューズが昇温され溶断する過程において、
温度ヒューズ素子を形成する可溶性合金は、一般的に
は、固相→固液共存相→液相と相変化する。ここで固相
と固液共存相との境界温度が、可溶性合金の固相化温度
である。また固液共存相と液相との境界温度が、可溶性
合金の液相化温度である。
【0013】温度ヒューズ素子の溶断温度、つまり可溶
性合金の溶融温度は、固相化温度と液相化温度との間に
ある。ただし、これらの温度間の相状態である固液共存
相において、固相に対する液相の割合がより高い方が、
温度ヒューズ素子は溶断しやすい。このため、溶融温度
は、固相化温度と液相化温度との間において、液相化温
度寄りに存在する傾向が高い。したがって、例えば可溶
性合金の固相化温度が70℃であり液相化温度が100
℃であれば、この可溶性合金の溶融温度は70℃から1
00℃の間において100℃近傍にある場合が多い。
【0014】図1にBi−In合金の状態図を示す。図
中、矢印を引いた範囲が、本発明の可溶性合金の組成範
囲である。図に示すように、この組成範囲を有する可溶
性合金の液相化温度は、いずれも100℃以下である。
したがって本発明の可溶性合金の溶融温度も100℃以
下である。
【0015】次に、本発明の可溶性合金の組成範囲を、
上記範囲に決定した理由について説明する。
【0016】はじめに、Biの含有割合を34重量%以
上、すなわちBi−In合金共晶組成以上とした理由に
ついて説明する。
【0017】図に示すように、Bi含有割合が34重量
%未満の領域は、液相線の傾斜がきつい。液相線は組成
の変化に対する液相化温度の変化を示している。また、
上述したように、液相化温度の変化は溶融温度の変化と
対応している。したがって、液相線の傾斜がきついとい
うことは、組成の変化に対する溶融温度の変化が大きい
ことを意味する。このため、Bi含有割合が34重量%
未満の領域では、Bi含有割合が微小量変化しただけ
で、溶融温度が大きく変動してしまう。故に、Biおよ
びIn原料配合時における配合量の誤差によっては、所
望の溶融温度を有する可溶性合金が得られないおそれが
ある。すなわち、Bi含有割合が34重量%未満の場
合、原料配合時の配合量管理を厳重化する必要が生じ
る。
【0018】また、上述したように、可溶性合金の溶融
温度は固相化温度と液相化温度との間のいずれかに存在
する。言い換えると、溶融温度は、固相化温度と液相化
温度との間に、一定のばらつきを持って存在する。した
がって、例えば、同じ組成の可溶性合金を用いて複数の
温度ヒューズを作製しても、これらの温度ヒューズの作
動温度はばらつくことになる。温度ヒューズの作動温
度、つまり可溶性合金の溶融温度のばらつきは、固相化
温度と液相化温度との間隔(以下、「△T」と称す。)
が小さい程、より小さくなる。
【0019】図に示すように、Bi含有割合が34重量
%未満の領域は、34重量%以上の領域と比較して△T
が大きい。このためBi含有割合を34重量%未満とす
ると、可溶性合金の溶融温度、つまり温度ヒューズの溶
断温度のばらつきが大きくなるおそれがある。
【0020】このような理由により、本発明の温度ヒュ
ーズ用可溶性合金のBi含有割合は34重量%以上とし
た。
【0021】次に、Biの含有割合を52重量%以下と
した理由について説明する。
【0022】図に示すように、Bi含有割合が52重量
%を超えると液相化温度が100℃を超えてしまう。ま
た、上述したように、Biは硬度が高いものの、延性に
乏しい性質を有する。このため、Bi含有割合が52重
量%を超えると、Biの脆いという性質が可溶性合金に
発現し、可溶性合金まで脆くなるおそれがある。可溶性
合金が脆いと、可溶性合金から温度ヒューズ用線材を作
製するのが困難となる。また作製した線材も脆いため、
この線材を用いた温度ヒューズ素子も僅かな機械的衝撃
により断線してしまうおそれがある。
【0023】このような理由により、本発明の温度ヒュ
ーズ用可溶性合金のBi含有割合は52重量%以下とし
た。
【0024】〈温度ヒューズ用線材〉第二に、本発明の
温度ヒューズ用線材について説明する。本発明の温度ヒ
ューズ用線材は、上記組成範囲を有する温度ヒューズ用
可溶性合金により形成されている。本発明の線材は、従
来から線材の製造に用いられてきた種々の方法により製
造することができる。その一例として引抜き法について
説明する。
【0025】引抜き法は、線材を形成する可溶性合金の
原料を溶融炉に配合する原料配合工程、配合した原料を
溶融させ合金を調製し型に流し込みビレットを作るビレ
ット作製工程、ビレットから粗線材を作製する粗線材作
製工程、粗線材を細線化し線材を作製する細線化工程か
らなる。
【0026】まず、原料配合工程では、線材の原料であ
るBi、Inの地金を所望の組成となるように秤量、配
合し溶融炉に投入する。次に、ビレット作製工程では、
配合原料を270〜320℃の温度下で溶融させBi−
In合金を調製する。そしてこの溶融状態の調製合金を
型に流し込み、柱状のビレットを作製する。次に、粗線
材作製工程では、型からビレットを取り出し、押出し成
形機により押し出し成形することで線径の大きい粗線材
を作製する。最後に、細線化工程では、この粗線材を引
抜き成形機にかけ、成形機の型に設けられたダイス隙間
から引き抜くことにより粗線材の線径の小径化、つまり
細線化を行う。この細線化は、具体的には粗線材を直列
に並んだ複数のダイス隙間に通すことにより行う。ダイ
ス隙間は下流側ほど小径に設定されている。このため、
粗線材は複数のダイス隙間を通る間に徐々に細線化され
る。したがって、粗線材を通過させるダイス隙間の数を
増減することで、線材の線径を調整することができる。
【0027】上記引抜き法では、押し出し成形工程の後
に、引抜き成形を行う細線化工程が設定されている。こ
の引き抜き法のように、引抜き成形を行う工程を持つ製
造方法の利点は、他の製造方法、例えば押し出し成形工
程のみを有する製造方法と比較して、より線径の細い線
材を作製できる点である。ここで、可溶性合金、すなわ
ち粗線材中のBi含有割合が高いと、引抜き成形を行う
工程において、脆性により粗線材が切れるおそれがあ
る。この点、本発明の温度ヒューズ用線材は、Bi含有
割合が適切で適度の延性を有する。したがって、引抜き
成形を行う工程を有する製造方法により作製することが
できる。このため、本発明の温度ヒューズ用線材は、線
径の細線化が容易である。したがって、本発明の線材
は、例えばボビンなどに巻回して収納する場合でも巻回
数を多くすることができ、収納性に優れている。
【0028】また、本発明の温度ヒューズ用線材の溶断
温度は100℃以下である。近年、この温度域で溶断す
る線材を用いた温度ヒューズは、携帯電話、ビデオカメ
ラ、ノート型パソコンなどの機器の二次電池用として需
要が高まっている。これらの機器は利用の便から小型化
の一途をたどっている。そして機器の小型化のため、二
次電池の小型化が急務となっている。ここで二次電池を
小型化するためには、その部品である温度ヒューズを小
型化すればよい。このため温度ヒューズに用いる線材も
より細い方が好ましく、具体的には断面積が0.3mm
2以下である方が好ましい。この点、本発明の温度ヒュ
ーズ用線材は細線化が容易である。このため、特別な成
形装置などを用いることなく、線材の断面積を0.3m
2以下にすることができる。
【0029】なお、本発明の線材の断面形状は特に限定
するものではない。すなわち断面が真円状のものは勿
論、楕円状あるいは多角形状など従来から用いられてい
る様々の形状とすることができる。
【0030】〈温度ヒューズ〉第三に、本発明の温度ヒ
ューズについて説明する。図2に本発明の温度ヒューズ
の一例として筒型温度ヒューズの断面図を示す。
【0031】まず、温度ヒューズ1の構成について説明
する。温度ヒューズ1は、温度ヒューズ素子10とリー
ド線13とフラックス11とセラミックケース12とか
らなる。温度ヒューズ素子10は、長手方向両端にこぶ
のある棒状、すなわちダンベル状を呈している。この温
度ヒューズ素子10は本発明の可溶性合金からなる。リ
ード線13は、温度ヒューズ素子10の長手方向両端に
接合されている。リード線13は銅製である。フラック
ス11は、ヒューズ素子10の表面を覆って配置されて
いる。フラックス11は、松脂を主成分とし、これに活
性剤やチキソ剤などを添加したものである。このフラッ
クス11は、活性の高い温度ヒューズ素子10の表面に
酸化膜が形成されるのを抑制する役割を有する。またフ
ラックス11は、温度ヒューズ素子10が溶断したとき
溶断面を包み込み、再び溶断面同士がつながるのを防止
する役割を有する。セラミックケース12は円筒状を呈
しており、上記温度ヒューズ素子10、リード線13、
フラックス11を密閉収納して設置されている。セラミ
ックケース12は、これらの部材を保護する役割を有す
る。またセラミックケース12は、温度ヒューズ素子1
0が溶断し、可溶性合金が液化した際、この液状の可溶
性合金が電気回路に漏出するのを防止する役割を有す
る。
【0032】次に、温度ヒューズ1の動作について説明
する。何らかの事情により、温度ヒューズ1の周辺温度
が上昇し温度ヒューズ1の作動温度に達すると、温度ヒ
ューズ素子10は溶断する。そして溶断した温度ヒュー
ズ素子10の溶断面をフラックス11が覆う。これによ
り温度ヒューズ10両端に接合されたリード線13間の
電気的導通を遮断する。
【0033】次に、温度ヒューズ1の製造方法について
説明する。温度ヒューズ1は、従来からヒューズの製造
に用いられている種々の方法により製造することができ
る。例えば、まず上記温度ヒューズ用線材を切断し温度
ヒューズ素子10を作製する。次に、作製した温度ヒュ
ーズ素子10の両端をレーザにより半溶融状態とし、こ
の両端にリード線13を接合する。それから、温度ヒュ
ーズ素子10の表面にフラックス11を塗布する。そし
て最後に、この温度ヒューズ素子10とリード線13と
フラックス11との接合体を、セラミックケース12内
に封入、収納する。以上のような方法により製造するこ
とができる。
【0034】本発明の温度ヒューズに組み込まれる温度
ヒューズ素子は、適度な延性および硬度を持っている。
このため機械的な衝撃などにより断線するおそれが小さ
い。また、この温度ヒューズ素子は濡れ性が高い。した
がってリード線との接合性が良好で、機械的な衝撃など
によりリード線から分離するおそれが小さい。このため
本発明の温度ヒューズは機械的衝撃に対する信頼性が高
い。
【0035】なお、本発明の温度ヒューズの形状は、図
に示す筒型ヒューズの他、従来から用いられている様々
の形状に具現化することができる。例えば温度ヒューズ
素子とリード線とフラックスとの接合体を、二枚の絶縁
板で挟持したカード型温度ヒューズとして具現化しても
よい。
【0036】〈その他〉以上、本発明の温度ヒューズ用
可溶性合金、温度ヒューズ用線材、温度ヒューズの実施
形態について説明した。しかしながら、実施形態は上記
形態に限定されるものではない。当業者が行いうる種々
の変形的形態あるいは改良的形態で実施してもよい。
【0037】
【実施例】上記実施形態に基づいて、所定の組成を有す
る可溶性合金からなるインゴットを作製した。そしてこ
のインゴットから粉末サンプルと線材サンプルを採取し
た。これら二つのサンプルのうち、粉末サンプルにより
可溶性合金の溶融温度特性を測定した。また線材サンプ
ルにより、可溶性合金からなる線材の溶断温度特性を測
定した。
【0038】〈サンプルの作製方法〉 (1)実施例1−1、実施例1−2 実施例1−1および実施例1−2のサンプルは、50重
量%のBi、50重量%のInという組成を有する可溶
性合金からなる。これらのサンプルは以下の方法により
作製した。まず、純度99.99%のBi、純度99.
99%のInを所定量秤量し、溶融炉に投入した。次
に、投入したBi、Inを300℃の温度下で溶融攪拌
し合金の調製を行った。そして調製後の合金を型に流し
込み放冷および脱型することでインゴットを作製した。
【0039】このようにして作製したインゴットから質
量1gの粉末サンプルを採取した。そして、このサンプ
ルを実施例1−1とした。また同様に、インゴットから
断面積0.12mm2の線材サンプルを作製した。なお
線材サンプルの作製方法は、前述した引抜き法により行
った。そして、このサンプルを実施例1−2とした。な
お、調整後の合金を型に流し込む際、化学分析にて合金
組成の確認を行った。
【0040】(2)実施例2−1、実施例2−2 実施例2−1および実施例2−2のサンプルは、46.
5重量%のBi、53.5重量%のInという組成を有
する可溶性合金からなる。実施例2−1および実施例2
−2のサンプルも、実施例1−1および実施例1−2の
サンプルと同様の方法により作製した。
【0041】実施例2−1のサンプルの質量は、実施例
1−1のサンプルの質量と同量とした。また、実施例2
−2のサンプルの断面積は、実施例1−2のサンプルの
断面積と同面積とした。なお、実施例2−1および実施
例2−2のサンプルも、実施例1−1および実施例1−
2のサンプルと同様に化学分析にて合金組成の確認を行
った。
【0042】〈測定方法〉 (1)可溶性合金の溶融温度特性の測定 測定に用いたサンプルは、実施例1−1、2−1の粉末
サンプルである。測定は、これらのサンプルを、加熱炉
にて徐々に加熱し、熱分析計(以下、「TA」と称
す。)、示差走査熱量計(以下、「DSC」と称す。)
を用いて溶融温度特性を調べることにより行った。また
加熱炉の昇温パターンは、測定前の温度を40℃、昇温
速度を毎分10℃、最終保持温度を150℃とした。
【0043】(2)線材の溶断温度特性の測定 測定に用いたサンプルは、実施例1−2、2−2の線材
サンプルである。測定は、電流を流すことによりこれら
のサンプルを加熱し、サンプルが完全に溶断したときの
温度を測定することにより行った。なお溶断温度のばら
つきを調べるため、各サンプルは複数本作製した。そし
て測定も複数回、繰り返して行った。
【0044】〈測定結果〉 (1)可溶性合金の溶融温度特性の測定結果 実施例1−1のサンプルを昇温したときの、TAによる
測定結果を図3に示す。図中、測定曲線において昇温し
てもサンプルの温度が上昇しない部分、すなわち測定曲
線の傾きが平らになっている部分は、サンプルを形成す
る可溶性合金が、固相から固液共存相に、または固液共
存相から液相に相変化している部分である。したがっ
て、このときの温度が固相化温度または液相化温度に相
当する。図から、温度が約89℃のとき測定曲線の傾き
が平らになっているのが判る。
【0045】また、DSCによる測定結果を図4に示
す。図中、測定曲線は下方に突出するピークを示してい
る。このピーク開始点は、サンプルを形成する可溶性合
金が、固相から固液共存相に相変化する点に相当する。
したがって、このときの温度が固相化温度に相当する。
図から、温度が約88℃のときに測定曲線にピーク開始
点があることが判る。
【0046】これらのことから、実施例1−1のサンプ
ルを形成する可溶性合金は、約88℃で、固相から固液
共存相へ相変化することが判る。また約89℃で固液共
存相から液相へ相変化することが判る。すなわち、実施
例1−1においては約88℃が固相化温度、約89℃が
液相化温度であり、△Tは約1℃であることが判る。
【0047】同様に実施例2−1のサンプルを昇温した
ときの、TAによる測定結果を図5に示す。図から、温
度が約89℃のとき測定曲線の傾きが平らになっている
のが判る。また、DSCによる測定結果を図6に示す。
図から、温度が約89℃のときに測定曲線にピーク開始
点があることが判る。すなわち、実施例2−1において
は約89℃が固相化温度とともに液相化温度であり、し
たがって△Tは約0℃であることが判る。
【0048】以上の測定結果から各サンプルの組成、固
相化温度、液相化温度、△Tをまとめて表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】表1から、実施例1−1、2−1の液相化
温度は、いずれも100℃以下であることが判る。また
これらのサンプルの△Tは、いずれも1℃以内と極めて
小さいことが判る。
【0051】(2)線材の溶断温度特性の測定結果 実施例1−2、2−2の各サンプルに電流を流し、各サ
ンプルが完全に溶断したときの温度を溶断温度とした。
溶断温度の測定は、上述したように各サンプルにつき複
数回行った。そして、各サンプルごとに溶断温度の平均
値を算出した。各サンプルの組成、溶断温度をまとめて
表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】表2から、実施例1−2、2−2の溶断温
度は、いずれも100℃以下であることが判る。また、
溶断温度のばらつきは、いずれも±3℃以下と極めて小
さいことが判る。
【0054】
【発明の効果】本発明によると、鉛を含有せずかつ10
0℃以下の溶融温度を有する温度ヒューズ用可溶性合
金、およびこの可溶性合金から形成された温度ヒューズ
用線材、およびこの線材から形成された温度ヒューズ素
子を有する温度ヒューズを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 Bi−In合金の状態図である。
【図2】 温度ヒューズの断面図である。
【図3】 実施例1−1のTAによる測定結果を示すグ
ラフである。
【図4】 実施例1−1のDSCによる測定結果を示す
グラフである。
【図5】 実施例2−1のTAによる測定結果を示すグ
ラフである。
【図6】 実施例2−1のDSCによる測定結果を示す
グラフである。
【符号の説明】
1:温度ヒューズ、10:ヒューズ素子、11:フラッ
クス、12:セラミックケース、13:リード線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉浦 正洋 愛知県名古屋市緑区鳴海町字長田75番地の 1 ソルダーコート株式会社内 (72)発明者 久保田 敏弘 愛知県名古屋市緑区鳴海町字長田75番地の 1 ソルダーコート株式会社内 (72)発明者 加藤 伸一 東京都武蔵村山市伊奈平2丁目34番地の1 安全電具株式会社内 (72)発明者 勝本 憲幸 東京都武蔵村山市伊奈平2丁目34番地の1 安全電具株式会社内 Fターム(参考) 5G502 AA02 BA03 BB01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 34重量%以上52重量%以下のビスマ
    スを含み、残部がインジウムと不可避不純物とからなる
    温度ヒューズ用可溶性合金。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の温度ヒューズ用可溶性
    合金により形成された温度ヒューズ用線材。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の温度ヒューズ用線材に
    より形成された温度ヒューズ素子を有する温度ヒュー
    ズ。
JP2001196818A 2001-06-28 2001-06-28 温度ヒューズ用可溶性合金および温度ヒューズ用線材および温度ヒューズ Pending JP2003013166A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001196818A JP2003013166A (ja) 2001-06-28 2001-06-28 温度ヒューズ用可溶性合金および温度ヒューズ用線材および温度ヒューズ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001196818A JP2003013166A (ja) 2001-06-28 2001-06-28 温度ヒューズ用可溶性合金および温度ヒューズ用線材および温度ヒューズ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003013166A true JP2003013166A (ja) 2003-01-15

Family

ID=19034549

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001196818A Pending JP2003013166A (ja) 2001-06-28 2001-06-28 温度ヒューズ用可溶性合金および温度ヒューズ用線材および温度ヒューズ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003013166A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1465224A1 (en) * 2003-04-03 2004-10-06 Uchihashi Estec Co., Ltd. Thermal fuse having a function of a current fuse
WO2007021006A1 (ja) * 2005-08-18 2007-02-22 Senju Metal Industry Co., Ltd. 鉛フリー低温はんだ

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4927802A (ja) * 1972-07-12 1974-03-12
JP2001043781A (ja) * 1999-07-29 2001-02-16 Nec Kansai Ltd 保護素子およびその製造方法
JP2002150906A (ja) * 2000-11-08 2002-05-24 Uchihashi Estec Co Ltd 合金型温度ヒューズ

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4927802A (ja) * 1972-07-12 1974-03-12
JP2001043781A (ja) * 1999-07-29 2001-02-16 Nec Kansai Ltd 保護素子およびその製造方法
JP2002150906A (ja) * 2000-11-08 2002-05-24 Uchihashi Estec Co Ltd 合金型温度ヒューズ

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1465224A1 (en) * 2003-04-03 2004-10-06 Uchihashi Estec Co., Ltd. Thermal fuse having a function of a current fuse
CN100367433C (zh) * 2003-04-03 2008-02-06 内桥艾斯泰克股份有限公司 具有电流熔断功能的温度熔断器
WO2007021006A1 (ja) * 2005-08-18 2007-02-22 Senju Metal Industry Co., Ltd. 鉛フリー低温はんだ
JP4831069B2 (ja) * 2005-08-18 2011-12-07 千住金属工業株式会社 鉛フリー低温はんだ
US8303735B2 (en) 2005-08-18 2012-11-06 Senju Metal Industry Co., Ltd. Lead-free low-temperature solder

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4230194B2 (ja) 合金型温度ヒューズ及び温度ヒューズエレメント用線材
JP4911836B2 (ja) 温度ヒューズ用可溶性合金および温度ヒューズ用線材および温度ヒューズ
JP4223316B2 (ja) 二次電池用ヒューズ
JP2003257295A (ja) 合金型温度ヒュ−ズ
JP2001325867A (ja) 温度ヒューズおよび温度ヒューズ素子用線材
JP2819408B2 (ja) 合金型温度ヒユーズ
JP2003328066A (ja) 合金型温度ヒュ−ズ
JP2003082430A (ja) 温度ヒューズ用可溶性合金および温度ヒューズ用線材および温度ヒューズ
EP1383149A2 (en) Alloy type thermal fuse and wire member for a thermal fuse element
JP2003013166A (ja) 温度ヒューズ用可溶性合金および温度ヒューズ用線材および温度ヒューズ
JP3761846B2 (ja) 合金型温度ヒューズ及び温度ヒューズエレメント用線材
JP3771512B2 (ja) 温度ヒューズ用可溶性合金および温度ヒューズ用線材および温度ヒューズ
JP4212400B2 (ja) 温度ヒューズ
JP2003013167A (ja) 温度ヒューズ用可溶性合金および温度ヒューズ用線材および温度ヒューズ
JP3483030B2 (ja) 温度ヒューズおよび温度ヒューズ素子用線材
US20050220661A1 (en) Method of using an alloy type thermal fuse, and alloy type thermal fuse
JP2002025402A (ja) 温度ヒューズおよび温度ヒューズ素子用線材
JP2004228031A (ja) 温度ヒューズ用可溶性合金および温度ヒューズ用線材および温度ヒューズ
JP2004263259A (ja) 温度ヒューズ用可溶性合金および温度ヒューズ用線材および温度ヒューズ
US20070188292A1 (en) Alloy type thermal fuse and wire member for a thermal fuse element
JP2002025406A (ja) 温度ヒューズおよび温度ヒューズ素子用線材
JP2002025405A (ja) 温度ヒューズおよび温度ヒューズ素子用線材
JP2002025403A (ja) 温度ヒューズおよび温度ヒューズ素子用線材
JP2516469B2 (ja) 合金型温度ヒュ―ズ
JP2001325876A (ja) ヒュ−ズ素子

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080416

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20080416

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080417

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101019

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110405