JP2003013167A - 温度ヒューズ用可溶性合金および温度ヒューズ用線材および温度ヒューズ - Google Patents

温度ヒューズ用可溶性合金および温度ヒューズ用線材および温度ヒューズ

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JP2003013167A JP2001196835A JP2001196835A JP2003013167A JP 2003013167 A JP2003013167 A JP 2003013167A JP 2001196835 A JP2001196835 A JP 2001196835A JP 2001196835 A JP2001196835 A JP 2001196835A JP 2003013167 A JP2003013167 A JP 2003013167A
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temperature
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wire rod
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Shiro Hara
四朗 原
Masahiro Sugiura
正洋 杉浦
Toshihiro Kubota
敏弘 久保田
Shinichi Kato
伸一 加藤
Noriyuki Katsumoto
憲幸 勝本
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Anzen Dengu KK
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Solder Coat Co Ltd
Anzen Dengu KK
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融温度が120℃〜135℃で、かつ鉛を
含有しない温度ヒューズ用可溶性合金、およびこの可溶
性合金からなる温度ヒューズ用線材、およびこの線材を
用いた温度ヒューズを提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明の温度ヒューズ用可溶性合金は、
26重量%以上30重量%未満のSnを含み、残部がI
nと不可避不純物とからなることを特徴とする。並びに
本発明の温度ヒューズ用可溶性合金は、26重量%以上
30重量%未満のSnと0.1重量%以上2重量%以下
のAgとを含み、残部がInと不可避不純物とからなる
ことを特徴とする。また、本発明の温度ヒューズ用線材
は、上記組成を有する可溶性合金からなることを特徴と
する。さらに、本発明の温度ヒューズは、この温度ヒュ
ーズ用線材からなる温度ヒューズ素子を持つことを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は過度の温度上昇によ
る電気機器の熱破損を防止する温度ヒューズ、およびこ
の温度ヒューズの温度ヒューズ素子を形成する温度ヒュ
ーズ用線材、およびこの温度ヒューズ用線材を形成する
温度ヒューズ用可溶性合金に関する。
【0002】
【従来の技術】温度ヒューズは、テレビやビデオあるい
はトランスや二次電池といった電気機器の電気回路に組
み込まれている。そして、これらの電気機器が過度の温
度上昇により熱破損することを防止している。例えば、
二次電池において、何らかの事情により正極と負極とが
短絡すると、急激な放電が起こる。そしてこの放電によ
り電池は発熱する。発熱により電池が過度に昇温する
と、電池が熱破損するおそれがある。このとき、電池に
組み込まれている温度ヒューズは、周囲温度が動作温度
に到達したことを検知し、溶断する。そして、この溶断
により正極と負極との短絡を断ち、電池の温度を下降さ
せる。
【0003】ところで、温度ヒューズを構成する部材の
うち、実際に溶断するのは可溶性合金製の温度ヒューズ
素子である。したがって、温度ヒューズの動作温度と温
度ヒューズ素子を形成する可溶性合金の溶融温度とは、
ほぼ一致する。近年においては、特に動作温度が120
℃〜135℃の温度ヒューズの需要が高まっている。そ
して、従来から動作温度が120℃〜135℃の温度ヒ
ューズには、溶融温度が120℃〜135℃であるPb
−Sn系合金にビスマスやカドミウムやインジウムなど
を添加させた可溶性合金が使用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
可溶性合金は鉛を含有している。そして近年、廃棄され
た電気機器の温度ヒューズから自然環境中に鉛が溶出す
ることが問題となっている。このため、工業材料として
可能な限り鉛を使用しないことが世界的な趨勢となって
いる。また、鉛の代替材料の検討が、業界において重要
な課題の一つとなっている。
【0005】そこで、鉛を含まない温度ヒューズ用可溶
性合金について鋭意研究を重ねた結果、本発明者は、鉛
を含まなくても120℃〜135℃の温度において溶融
する可溶性合金を得ることができるとの知見を得た。
【0006】本発明の温度ヒューズ用可溶性合金および
温度ヒューズ用線材および温度ヒューズは、上記知見に
基づいてなされたものである。したがって、本発明は、
溶融温度が120℃〜135℃で、かつ鉛を含有しない
温度ヒューズ用可溶性合金、およびこの可溶性合金から
なる温度ヒューズ用線材(以下、適宜「線材」と称
す。)、およびこの線材からなる温度ヒューズ素子を有
する温度ヒューズを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の温度ヒューズ用可溶性合金は、26重量%
以上30重量%未満のスズを含み、残部がインジウムと
不可避不純物とからなることを特徴とする。
【0008】本発明の温度ヒューズ用可溶性合金は鉛を
含有しない。このため、この可溶性合金を用いた温度ヒ
ューズが廃棄されても、自然環境に与える影響は極めて
小さい。また、上記組成範囲を有する本発明の温度ヒュ
ーズ用可溶性合金は、従来の鉛を含有した可溶性合金と
同様に、120℃〜135℃の溶融温度を有する。な
お、本明細書および図面中において、重量%およびwt
%とは質量(mass)%を意味する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の温度ヒューズ用可
溶性合金および温度ヒューズ用線材および温度ヒューズ
の実施の形態について説明する。
【0010】〈温度ヒューズ用可溶性合金〉第一に、本
発明の温度ヒューズ用可溶性合金について説明する。本
発明の可溶性合金は、不可避不純物を除外すれば、スズ
(Sn)とインジウム(In)とから形成されている。
【0011】まず、可溶性合金にSnとInとを含有さ
せた理由について説明する。Snを可溶性合金に含有さ
せた理由は、Snを含有させると可溶性合金の濡れ性が
向上するからである。また、Inを可溶性合金に含有さ
せた理由は、Inは可溶性合金の溶融温度を低下させる
効果が大きいからである。
【0012】次に、可溶性合金の溶融温度と液相化温度
および固相化温度との関係について説明する。温度ヒュ
ーズ素子が加熱され溶断する場合、つまり可溶性合金が
加熱され溶融する場合、一般的には固相→固液共存相→
液相の順に相状態が変化していく。ここで、固相と固液
共存相との境界温度が固相化温度である。また、固液共
存相と液相との境界温度が液相化温度である。可溶性合
金の溶融温度は、これら固相化温度と液相化温度との間
のいずれかに存在する。なお、固液共存相において、固
相に対する液相の割合が大きい方が、より温度ヒューズ
素子は溶断しやすい。このため、可溶性合金の溶融温度
は、固相化温度と液相化温度との間であって、かつ液相
化温度近傍に存在する場合が多い。例えば、可溶性合金
の固相化温度が100℃、液相化温度が130℃の場
合、溶融温度は100℃〜130℃の間であって、かつ
130℃近傍に存在する場合が多い。
【0013】次に、本発明の可溶性合金の組成範囲を、
Snが26重量%以上30重量%未満、残部がInと不
可避不純物とした理由について説明する。
【0014】まず、Snの含有割合を26重量%以上と
した理由について説明する。図1にIn−Sn合金の状
態図を示す。Snの含有割合が26重量%未満だと、図
に示すように、液相化温度、つまり溶融温度が135℃
を超えるおそれがある。また、Sn含有割合が26重量
%未満だと、Snの有する濡れ性改善効果が可溶性合金
に充分発現しない。さらに、Snの含有割合が26重量
%未満になると、すなわちInの含有割合が74重量%
を超えると、Inの有する延性が高く柔らかいという性
質が可溶性合金に過度に発現し、合金の加工性が低下す
る。加えてInはSnと比較して非常に高価である。以
上の理由により、Snの含有割合を1重量%以上とし
た。
【0015】次に、Snの含有割合を30重量%未満に
限定した理由について説明する。Sn含有割合が30重
量%以上となると、図に示すように、液相化温度が12
0℃未満となるおそれがある。また、Snの含有割合が
30重量%を超えると、すなわちInの含有割合が70
重量%未満となると、可溶性合金が硬く脆くなり加工性
が低下するおそれがある。以上の理由により、Snの含
有割合を30重量%未満とした。
【0016】また、本発明の可溶性合金は、上記Sn、
Inに、さらに銀(Ag)を含有させる構成としてもよ
い。そしてこの場合、組成範囲は、Snを26重量%以
上30重量%未満、Agを0.1重量%以上2重量%以
下、残部をInと不可避不純物とするのが適当である。
【0017】Agを含有させる理由は、Agを含有させ
ると可溶性合金の濡れ性がさらに向上するからである。
また例えばAg3Snのような金属間化合物が合金組織
中に緻密に分散するため、可溶性合金の機械的強度が向
上するからである。ここで、Ag含有割合を0.1重量
%以上としたのは、0.1重量%未満だとAgの濡れ性
向上効果、および機械的強度向上効果が充分に得られな
いからである。また、Ag含有割合を2重量%以下とし
たのは、2重量%を超えると金属間化合物が増えすぎて
却って可溶性合金の機械的強度が低下し脆化するおそれ
があるからである。さらにAgはSnと比較して高価だ
からである。
【0018】以上、本発明の温度ヒューズ用可溶性合金
の組成について説明した。本発明の温度ヒューズ用可溶
性合金によると、上記いずれかの組成範囲内において、
Sn、In、またはAgの含有割合を調整することによ
り、合金の溶融温度を自在にコントロールすることがで
きる。そして120℃〜135℃の任意の動作温度に対
応する温度ヒューズ用線材および温度ヒューズを提供す
ることができる。
【0019】〈温度ヒューズ用線材〉第二に、本発明の
温度ヒューズ用線材について説明する。本発明の温度ヒ
ューズ用線材は、上記組成範囲を有する温度ヒューズ用
可溶性合金により形成されている。本発明の線材は、従
来から線材の製造に用いられてきた種々の方法により製
造することができる。その一例として、引抜き法により
Sn−Ag−In合金からなる線材を作製する場合につ
いて説明する。
【0020】引抜き法は、線材を形成する可溶性合金の
原料を溶融炉に配合する原料配合工程、配合した原料を
溶融させ合金を調製し型に流し込みビレットを作るビレ
ット作製工程、ビレットから粗線材を作製する粗線材作
製工程、粗線材を細線化し線材を作製する細線化工程か
らなる。
【0021】まず、原料配合工程では、線材の原料であ
るSn、Ag、Inの地金を所望の組成となるように秤
量、配合し溶融炉に投入する。次に、ビレット作製工程
では、配合原料を400〜450℃の温度下で溶融させ
Sn−Ag−In合金を調製する。そしてこの溶融状態
の調製合金を型に流し込み、柱状のビレットを作製す
る。次に、粗線材作製工程では、型からビレットを取り
出し、押出し成形機により押し出し成形することで線径
の大きい粗線材を作製する。最後に、細線化工程では、
この粗線材を引抜き成形機にかけ、成形機の型に設けら
れたダイス隙間から引き抜くことにより粗線材の線径の
小径化、つまり細線化を行う。この細線化は、具体的に
は粗線材を直列に並んだ複数のダイス隙間に通すことに
より行う。ダイス隙間は下流側ほど小径に設定されてい
る。このため、粗線材は複数のダイス隙間を通る間に徐
々に細線化される。したがって、粗線材を通過させるダ
イス隙間の数を増減することで、線材の線径を調整する
ことができる。
【0022】引抜き法では、押し出し成形工程の後に、
引抜き成形を行う細線化工程が設定されている。この引
き抜き法のように、引抜き成形を行う工程を持つ製造方
法の利点は、他の製造方法、例えば押し出し成形工程の
みを有する製造方法と比較して、より線径の細い線材を
作製できる点である。ここで、可溶性合金、すなわち粗
線材中のIn含有割合が低いと、あるいはAg含有割合
が高いと、引抜き成形を行う工程において、脆性により
粗線材が切れるおそれがある。この点、本発明の温度ヒ
ューズ用線材は、InおよびAgの含有割合が適切なた
め、適度の延性を有する。したがって、引抜き成形を行
う工程を有する製造方法により作製することができる。
このため、本発明の温度ヒューズ用線材は、線径の細線
化が容易である。本発明の線材は、例えばボビンなどに
巻回して収納する場合でも巻回数を多くすることがで
き、収納性に優れている。
【0023】また近年においては、電気機器の小型化の
要請から、温度ヒューズの小型化が急務となっている。
そして温度ヒューズの小型化のため、温度ヒューズに用
いられる線材も細線化されている。特に断面積が0.3
mm2以下の線材は需要が高い。この点、本発明の温度
ヒューズ用線材は細線化が容易である。このため、特別
な成形装置などを用いることなく、断面積が0.3mm
2以下の線材を得ることができる。
【0024】なお、本発明の線材の断面形状は特に限定
するものではない。すなわち断面が真円状のものは勿
論、楕円状あるいは多角形状など従来から用いられてい
る様々の形状とすることができる。
【0025】〈温度ヒューズ〉第三に、本発明の温度ヒ
ューズについて説明する。図2に本発明の温度ヒューズ
の一例として筒型温度ヒューズの断面図を示す。
【0026】まず、温度ヒューズ1の構成について説明
する。温度ヒューズ1は、温度ヒューズ素子10とリー
ド線13とフラックス11とセラミックケース12とか
らなる。温度ヒューズ素子10は、長手方向両端にこぶ
のある棒状、すなわちダンベル状を呈している。この温
度ヒューズ素子10は本発明の線材からなる。リード線
13は、温度ヒューズ素子10の長手方向両端に接合さ
れている。リード線13は銅製である。フラックス11
は、ヒューズ素子10の表面を覆って配置されている。
フラックス11は、松脂を主成分とし、これに活性剤や
チキソ剤などを添加したものである。このフラックス1
1は、活性の高い温度ヒューズ素子10の表面に酸化膜
が形成されるのを抑制する役割を有する。またフラック
ス11は、温度ヒューズ素子10が溶断したとき溶断面
を包み込み、再び溶断面同士がつながるのを防止する役
割を有する。セラミックケース12は円筒状を呈してお
り、上記温度ヒューズ素子10、リード線13、フラッ
クス11を密閉収納して設置されている。セラミックケ
ース12は、これらの部材を保護する役割を有する。ま
たセラミックケース12は、温度ヒューズ素子10が溶
断し、可溶性合金が液化した際、この液状の可溶性合金
が電気回路に漏出するのを防止する役割を有する。
【0027】次に、温度ヒューズ1の動作について説明
する。何らかの事情により、温度ヒューズ1の周辺温度
が上昇し温度ヒューズ1の動作温度に達すると、温度ヒ
ューズ素子10は溶断する。そして溶断した温度ヒュー
ズ素子10の溶断面をフラックス11が覆う。これによ
り温度ヒューズ10両端に接合されたリード線13間の
電気的導通を遮断する。
【0028】次に、温度ヒューズ1の製造方法について
説明する。温度ヒューズ1は、従来から温度ヒューズの
製造に用いられている種々の方法により製造することが
できる。例えば、まず上記温度ヒューズ用線材を切断し
温度ヒューズ素子10を作製する。次に、作製した温度
ヒューズ素子10の両端をレーザにより半溶融状態と
し、この両端にリード線13を接合する。それから、温
度ヒューズ素子10の表面にフラックス11を塗布す
る。そして最後に、この温度ヒューズ素子10とリード
線13とフラックス11との接合体を、セラミックケー
ス12内に封入、収納する。以上のような方法により製
造することができる。
【0029】本発明の温度ヒューズに組み込まれる温度
ヒューズ素子は、適度な延性および硬度を持っている。
このため機械的な衝撃などにより断線するおそれが小さ
い。また、この温度ヒューズ素子は濡れ性が高い。した
がってリード線との接合性が良好で、機械的な衝撃など
により温度ヒューズ素子がリード線から分離するおそれ
が小さい。このため本発明の温度ヒューズは機械的衝撃
に対する信頼性が高い。
【0030】なお、本発明の温度ヒューズの形状は、図
に示す筒型ヒューズの他、従来から用いられている様々
の形状に具現化することができる。例えば温度ヒューズ
素子とリード線とフラックスとの接合体を、二枚の絶縁
板で挟持したカード型温度ヒューズとして具現化しても
よい。
【0031】〈その他〉以上、本発明の温度ヒューズ用
可溶性合金、温度ヒューズ用線材、温度ヒューズの実施
形態について説明した。しかしながら、実施形態は上記
形態に限定されるものではない。当業者が行いうる種々
の変形的形態あるいは改良的形態で実施してもよい。
【0032】
【実施例】上記実施形態に基づいて、所定の組成を有す
る可溶性合金からなるインゴットを作製した。そしてこ
のインゴットから粉末サンプルと線材サンプルとを採取
した。これら二つのサンプルのうち、粉末サンプルによ
り可溶性合金の溶融温度特性を測定した。また線材サン
プルにより、可溶性合金からなる線材の溶断温度特性を
測定した。
【0033】〈サンプルの作製方法〉 (1)実施例1−1、実施例1−2 実施例1−1および実施例1−2のサンプルは、28重
量%のSn、72重量%のInという組成を有する可溶
性合金からなる。これらのサンプルは以下の方法により
作製した。まず、純度99.99%のSn、純度99.
99%のInを所定量秤量し、溶融炉に投入した。次
に、投入したSn、Inを300℃の温度下で溶融攪拌
し合金の調製を行った。そして調製後の合金を型に流し
込み放冷および脱型することでインゴットを作製した。
【0034】このようにして作製したインゴットから質
量1gの粉末サンプルを採取した。そして、このサンプ
ルを実施例1−1とした。また同様に、インゴットから
断面積0.12mm2の線材サンプルを作製した。なお
線材サンプルの作製は、前述した引抜き法により行っ
た。そして、このサンプルを実施例1−2とした。な
お、調整後の合金を型に流し込む際、化学分析にて合金
組成の確認を行った。
【0035】(2)実施例2−1 実施例2−1のサンプルは、28重量%のSn、71重
量%のIn、1重量%のAgという組成を有する可溶性
合金からなる。実施例2−1のサンプルは、実施例1−
1のサンプルと同様の方法により作製した。
【0036】実施例2−1のサンプルの質量は、実施例
1−1のサンプルの質量と同量とした。なお、実施例2
−1のサンプルも、実施例1−1のサンプルと同様に、
化学分析にて合金組成の確認を行った。
【0037】〈測定方法〉 (1)可溶性合金の溶融温度特性の測定 測定に用いたサンプルは、実施例1−1、2−1の粉末
サンプルである。測定は、これらのサンプルを、加熱炉
にて徐々に加熱し、熱分析計(以下、「TA」と称
す。)、示差走査熱量計(以下、「DSC」と称す。)
を用いて溶融温度特性を調べることにより行った。また
加熱炉の昇温パターンは、測定前の温度を40℃、昇温
速度を毎分10℃とした。
【0038】(2)線材の溶断温度特性の測定 測定に用いたサンプルは、実施例1−2の線材サンプル
である。測定は、電流を流すことによりサンプルを加熱
し、サンプルが完全に溶断したときの温度を調べること
により行った。なお溶断温度のばらつきを調べるため、
サンプルを複数本作製した。そして測定も複数回繰り返
し行った。
【0039】〈測定結果〉 (1)可溶性合金の溶融温度特性の測定結果 実施例1−1のサンプルを昇温したときの、TAによる
測定結果を図3に示す。図中、測定曲線において昇温し
てもサンプルの温度が上昇しない部分、すなわち測定曲
線の傾きが平らになっている部分は、サンプルを形成す
る可溶性合金が、固相から固液共存相に、または固液共
存相から液相に相変化している部分である。したがっ
て、このときの温度が固相化温度または液相化温度に相
当する。図から、温度が約130℃のとき測定曲線の傾
きが平らになっているのが判る。
【0040】また、DSCによる測定結果を図4に示
す。図中、測定曲線は下方に突出するピークを示してい
る。このピーク開始点は、サンプルを形成する可溶性合
金が、固相から固液共存相に相変化する点に相当する。
したがって、このときの温度が固相化温度である。図か
ら、温度が約129℃のときに測定曲線にピーク開始点
があることが判る。
【0041】これらのことから、実施例1−1のサンプ
ルを形成する可溶性合金は、約129℃で固相から固液
共存相に、約130℃で固液共存相から液相に相変化す
ることが判る。すなわち、実施例1−1においては約1
29℃が固相化温度、約130℃が液相化温度であるこ
とが判る。また、△Tは約1℃であることが判る。
【0042】同様に実施例2−1のサンプルを昇温した
ときの、TAによる測定結果を図5に示す。図から、温
度が約120℃のとき、および124℃のとき測定曲線
の傾きが平らになっているのが判る。また、DSCによ
る測定結果を図6に示す。図から、温度が約120℃の
ときに測定曲線にピーク開始点があることが判る。すな
わち、実施例2−1においては約120℃が固相化温
度、約124℃が液相化温度であり、△Tは約4℃であ
ることが判る。
【0043】以上の測定結果から各サンプルの組成、固
相化温度、液相化温度、△Tをまとめて表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】表1から、これらのサンプルの液相化温度
は、いずれも120℃以上135℃以下であることが判
る。またこれらのサンプルの△Tは、いずれも4℃以内
と小さいことが判る。
【0046】(2)線材の溶断温度特性の測定結果 実施例1−2のサンプルに電流を流し、サンプルが完全
に溶断したときの温度を溶断温度とした。溶断温度の測
定は、上述したように複数回行った。そして、サンプル
の溶断温度の平均値を算出した。サンプルの組成、溶断
温度をまとめて表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】表2から、実施例1−2のサンプルの溶断
温度は129℃であり、すなわち120℃から135℃
の間にあることが判る。またサンプルの溶断温度のばら
つきは±2℃以下と極めて小さいことが判る。
【0049】
【発明の効果】本発明によると、鉛を含有せずかつ12
0℃以上135℃以下の溶融温度を有する温度ヒューズ
用可溶性合金、およびこの可溶性合金から形成された温
度ヒューズ用線材、およびこの線材から形成された温度
ヒューズ素子を有する温度ヒューズを提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 In−Sn合金の液相面図である。
【図2】 温度ヒューズの断面図である。
【図3】 実施例1−1のTAによる測定結果を示すグ
ラフである。
【図4】 実施例1−1のDSCによる測定結果を示す
グラフである。
【図5】 実施例2−1のTAによる測定結果を示すグ
ラフである。
【図6】 実施例2−1のDSCによる測定結果を示す
グラフである。
【符号の説明】
1:温度ヒューズ、10:ヒューズ素子、11:フラッ
クス、12:セラミックケース、13:リード線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉浦 正洋 愛知県名古屋市緑区鳴海町字長田75番地の 1 ソルダーコート株式会社内 (72)発明者 久保田 敏弘 愛知県名古屋市緑区鳴海町字長田75番地の 1 ソルダーコート株式会社内 (72)発明者 加藤 伸一 東京都武蔵村山市伊奈平2丁目34番地の1 安全電具株式会社内 (72)発明者 勝本 憲幸 東京都武蔵村山市伊奈平2丁目34番地の1 安全電具株式会社内 Fターム(参考) 5G502 AA02 AA20 BB01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 26重量%以上30重量%未満のスズを
    含み、残部がインジウムと不可避不純物とからなる温度
    ヒューズ用可溶性合金。
  2. 【請求項2】 26重量%以上30重量%未満のスズと
    0.1重量%以上2重量%以下の銀とを含み、残部がイ
    ンジウムと不可避不純物とからなる温度ヒューズ用可溶
    性合金。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の温度ヒ
    ューズ用可溶性合金により形成された温度ヒューズ用線
    材。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の温度ヒューズ用線材に
    より形成された温度ヒューズ素子を有する温度ヒュー
    ズ。
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