JP2860819B2 - ヒューズエレメント - Google Patents

ヒューズエレメント

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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H85/00Protective devices in which the current flows through a part of fusible material and this current is interrupted by displacement of the fusible material when this current becomes excessive
    • H01H85/02Details
    • H01H85/04Fuses, i.e. expendable parts of the protective device, e.g. cartridges
    • H01H85/05Component parts thereof
    • H01H85/055Fusible members
    • H01H85/06Fusible members characterised by the fusible material

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は電流ヒューズに使用するヒューズエレメント
に関するものである。
(従来の技術) 電流ヒューズにおいては、過電流が流れると、ヒュー
ズエレメント自体のジュール熱によって、ヒューズエレ
メントが溶断し、通電を遮断する。
ところで、電子部品を搭載した回路基板を、当該基板
に装着した電流ヒューズによって保護する場合、電流ヒ
ューズエレメントの溶融温度が余り高いと、ヒューズエ
レメントの溶断時に、回路基板が熱的に損傷しやすく、
回路基板の継続使用が不可能となる。
従って、電流ヒューズエレメントには、比較的融点の
低い低融点可溶合金を使用することが望ましく、その融
点は回路基板のはんだ付け温度を勘案して250℃〜300℃
にすることが妥当である。
しかしながら、回路基板を保護対象とする電流ヒュー
ズにおいては、電子部品のコンパクト性との均衡上、ヒ
ューズエレメントを微細化する必要があり、かかる微細
の低融点可溶合金線では、引っ張り強度が弱く、ヒュー
ズの製作中、運搬中等でのヒューズエレメントの断線が
懸念される。
本発明の目的は、低融点可溶合金線を電流ヒューズエ
レメントとして使用可能ならしめることにある。
(課題を解決するための手段) 本発明に係わるヒューズエレメントは、PbとSn、In、
Sb、Bi、Cd、Zn、Pd、Pt、Ag、AuまたはCuとの二元また
は二元以上の融点が230〜330℃の合金製で、線径が0.05
〜0.3mmφのワイヤー状または厚さが0.03〜0.2mm、巾が
0.5〜3.0mmのリボン状であり、表面に酸化膜を設け、酸
素量を表面積1cm2当たり3.0ppm以下で且つ1g当たり50pp
m以下としたことを特徴とする構成である。
(作用) PbとSn、In、Sb、Bi、Cd、Zn、Pd、Pt、Ag、Auまたは
Cuとの二元または二元以上の系で、固相線温度と液相線
温度との差を充分に低くして融点230〜330℃の合金を得
ることができるが機械的強度が貧弱であり、特に線径が
0.05〜0.3mmφのワイヤー状または厚さが0.03〜0.2mm、
巾が0.5〜3.0mmのリボン状の細線では取扱中での断線が
避けられない。しかし、本発明においては、低融点可溶
合金体の表面に硬い高ヤング率の保護鞘とての酸化皮膜
を設けてあるから、低融点可溶合金体を機械的によく保
護できる。従って、ヒューズエレメントの断線が生じに
くくなる。また、1g当たりの酸素量を50ppm以下として
いるので、低融点可溶合金体の脆弱化を防止できる。更
に、表面1cm2当たりの酸素量を3.0ppm以下としているの
で、ヒューズエレメントの溶断迅速性を充分保持でき、
電流ヒューズの作動性を良く確保できる。
(実施例の説明) 図面は本発明の一実施例を用いた電流ヒューズの一例
を示している。
図において、Aは本発明に係わるヒューズエレメント
を示し、融点が230℃〜330℃の低融点可溶合金体の表面
に酸化被膜を設け、表面積1cm2当たりの酸素量を3.0ppm
以下で且つ1g当たりの酸素量を50ppm以下としてある。
低融点可溶金属にはPbとSn、In、Sb、Bi、Cd、Zn、Pd、
Pt、Ag、Au、Cuとの二元または二元以上の合金を用いる
ことができる。合金組成には、ヒューズエレメントの即
断性、組織の安定性などの面から、液相線と固相線との
温度差の小さいものを使用することが好ましく、例え
ば、Pb95重量%−Sn5重量%(Pb−5Snと略称し、以下こ
の表現法で全ての合金組成を表す。)、Pb−5Sn−1.5A
g、Pb−2.5Ag、Pb−5In、Pb−5In−2.5Ag等を使用でき
る。ヒューズエレメントの形状は、ワイヤー状、リボン
状等になし得、ワイヤー状の場合、線径は通常0.05〜0.
3mmφ、リボン状の場合厚は通常0.03〜0.2mm、巾は通常
0.5〜3.0mmである。
図において、2はセラミック又板等の絶縁基板、3、
3は、導体であり、銅箔と絶縁基板との積層板の銅箔の
エッチングによって形成できる。4、4は導体3、3に
はんだ又は導電性接着剤5によって固着した電極であ
り、これらの電極4、4間に上記ヒューズエレメントA
を溶接(電気溶接、超音波溶接、レーザー溶接、冷間溶
接)によって橋設してある。上記はんだ付けに用いるは
んだ等の融点はヒューズエレメントの融点よりも低くし
てある。6は絶縁層、例えばエポキシ樹脂のモールド層
である。
上記ヒューズエレメントAには、表面に酸化被膜を設
けてあり、この酸化被膜が低融点可溶合金体自体よりも
硬く、ヤング率が高いから、ヒューズエレメントに作用
する力の相当部分を酸化被膜に負荷でき、それだけ低融
点可溶合金体に作用する力従って、応力を良く減じう
る。また1g当たりの酸化量を50ppm以下に抑えてあるか
ら、ヒューズエレメントの脆弱化を良く防止できる。従
って、ヒューズエレメントを極細化しても、ヒューズエ
レメントの断線を防止できる。
上記ヒューズエレメントに過電流が流れると、ヒュー
ズエレメントはその過電流によるジュール熱によって溶
断する。この溶断温度を230℃〜330℃としてあるから、
回路基板の熱的損傷を防止できる。この場合、表面積1c
m2当たりの酸素量を3.0ppm以下に抑えてあるから、溶断
をスムーズに行わせえ、電流を迅速に遮断でき、ヒュー
ズエレメントの表面に酸化被膜を設けたにもかかわら
ず、電流ヒューズの迅速作動性を良く保証できる。
このことは次ぎの試験結果からも明らかである。
(試験結果) 低融点可溶合金体として、Pb−5Sn−1.5Ag、Pb−2.5A
g、Pb−5In、Pb−5In−2.5Agを用い、酸素量を表面積1c
m2当たり2.8ppm〜3.0ppm、1g当たり45ppm〜50ppmとし、
線径を0.1mmφとしたヒューズエレメントを製作した。
これらのヒューズエレメントを用い、図において、セラ
ミックス基板の厚みを約0.6mm、エポキシ樹脂の厚みを
約2.0mmにして電流ヒューズを製作した。これらの各電
流ヒューズについて、ヒートサイクル試験(100℃×30
分加熱、−25℃×30分冷却を1サイクルとして100サイ
クル)を行ったところ(試料数は各電流ヒューズについ
て10個)、何れの電流ヒューズにおいても断線等の異常
は全く観られなかった。また溶断特性も試験したが良好
であったった。
これに対し、ヒューズエレメントの酸素量を表面積1c
m2当たり3.4ppm〜3.6ppm、1g当たり55ppm〜60ppmとした
以外上記と同様にして電流ヒューズを製作し、これらの
各電流ヒューズについて上記と同様なヒートサイクル試
験を行ったところ(試料数は各電流ヒューズについて10
個)、各電流ヒューズにおいて4割〜6割に断線等の異
常が観られた。これは1g当たりの酸素量が多過ぎ脆弱化
が大であることによると推定される。また、溶断特性も
上記酸素量を表面積1cm2当たり2.8ppm〜3.0ppm、1g当た
り45ppm〜50ppmとしたものに較べ劣っていた。これは表
面積1cm2当たりの酸素量が多いことによると推定され
る。
本発明に係わるヒューズエレメントにおいて、溶接性
の向上、酸化進行の抑制のために、酸化被膜上にAg又は
Auを蒸着、メッキ等により被覆しても良い。
また、ヒューズエレメントを回路基板の導体間に直
接、溶接、はんだ付けなどにより橋設することもでき
る。
(発明の効果) 本発明に係わるヒューズエレメントは、上述したとお
りの構成であり、低融点可溶合金体の表面に酸化被膜
を、ヒューズエレメントの即断性を充分に保持させうる
範囲内の厚みで形成してあるから、ヒューズの作動性を
良く保証して低融点可溶合金体(ヒューズエレメント)
の強度を増強でき、極細の低融点可溶合金線を電流ヒュ
ーズエレメントとして使用できる。従って、回路基板の
コンパクト化を損なうことなく、ヒューズ溶断時発生熱
による回路基板の熱的損傷を防止しうる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明に係わるヒューズエレメントを使用した電
流ヒューズを示す説明図である。 A……ヒューズエレメント

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】PbとSn、In、Sb、Bi、Cd、Zn、Pd、Pt、A
    g、AuまたはCuとの二元または二元以上の融点が230〜33
    0℃の合金製で、線径が0.05〜0.3mmφのワイヤー状また
    は厚さが0.03〜0.2mm、巾が0.5〜3.0mmのリボン状であ
    り、表面に酸化膜を設け、酸素量を表面積1cm2当たり3.
    0ppm以下で且つ1g当たり50ppm以下としたことを特徴と
    するヒューズエレメント。
  2. 【請求項2】酸素量を表面積1cm2当たり3.0ppm〜2.8ppm
    で且つ1g当たり45ppm〜50ppmとした請求項1記載のヒュ
    ーズエレメント。
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