JP2003252318A - 缶体へのフィルム貼着方法およびその装置 - Google Patents

缶体へのフィルム貼着方法およびその装置

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JP2003252318A JP2002053844A JP2002053844A JP2003252318A JP 2003252318 A JP2003252318 A JP 2003252318A JP 2002053844 A JP2002053844 A JP 2002053844A JP 2002053844 A JP2002053844 A JP 2002053844A JP 2003252318 A JP2003252318 A JP 2003252318A
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潔 廣辻
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俊夫 荒井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 缶胴の外周面における周方向の貼着位置の精
度を確保しながら、高速な貼着動作が可能な缶体へのフ
ィルム貼着方法およびその装置を提供する。 【解決手段】 缶体1を所定の軌跡G1に沿って移動さ
せるとともに、接着面を備えたフィルム4を缶体1の移
動に連係させて移動させ、フィルム4の端部4aを缶体
1の所定箇所に接触させて、缶体1の外周面の周方向に
おける所定の位置にフィルムを貼着させる缶体1のフィ
ルム貼着装置1において、缶体1における任意箇所2を
特徴箇所として検出して、この検出した位置と予め設定
された位置との角度差分だけ缶体1を回転させてフィル
ム4の端部が缶体1の所定箇所に接触するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、フィルムを接着
剤を介して缶体の外周面に貼着する方法及びその装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、絞りしごき缶のように、胴部と
底部とが一体に成形されてその側面に継目部が無い缶
(2ピース缶)の胴部の外面に、接着剤層を介して印刷
済みフィルムを貼着する技術は、既に多くの提案がなさ
れており(例えば、特開平3−230940号公報、特
開平4−57747号公報、特開平9−216281号
公報、特開平9−295639号公報、特開平10−6
83号公報など)、既に出願人によって実用化が図ら
れ、商業生産が実施されている。
【0003】また、半田付け缶や溶接缶や接着缶などの
ように、金属板を丸めてその周方向の両端部を接合して
形成され、その側面に継目部を有した缶(3ピース缶)
の缶胴に、接着剤層を備えた印刷済みフィルム(フィル
ムラベル)を貼着する技術思想自体は、特開昭52−2
4789号公報に開示されており、また、この公報に
は、缶胴の側面の継目部と、印刷済みフィルムの先端部
及び後端部の重ね合わせ部とを略一致させることも記載
されている。
【0004】他方、上記の2ピース缶のように胴部と底
部とが一体になった缶において、この缶の胴部に印刷済
みフィルムを貼着するために、缶胴を保持するマンドレ
ルなどの保持部材に缶胴をセットする工程及び保持部材
から缶胴を取り外す工程は、2ピース缶のドライオフセ
ット印刷装置の保持部材(マンドレル)及びその周囲に
装備されているバキューム機構と圧力空気噴出機構と同
様な機構を用いればよいので、比較的容易に構成するこ
とができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、半田付
け缶や溶接缶及び接着缶のように、その両端が開口され
た筒形状の側面に継目部を有する缶胴の場合には、これ
らの周知の装置をそのまま使用することができないの
で、その缶胴外面に印刷済みフィルムを貼着することは
不可能となっていた。
【0006】すなわち、胴部と底部とが一体に形成され
2ピース缶では、缶胴の缶底部を空気吸引によって吸着
することによって缶胴を保持したり、開口端側から、ま
たは缶胴内に直接的に圧力空気を吹き込むことよって、
空気圧を用いて缶胴を取り外したりすることができる。
しかし、3ピース缶はその両端が開口された筒形状であ
り、缶底部が存在しないので、上記の吸着による保持お
よび空気圧による取り外しが行なえない。
【0007】また、上記の特開昭52−24789号公
報には、印刷済みフィルムの先端部を、缶胴の側面継目
部に位置決めして貼着することは記載されているが、そ
の具体的方法及び装置については、ほとんど何も記載さ
れていない。
【0008】すなわち、このような缶胴は、一般に円筒
形状に形成されていることから、その外周面上の所定箇
所の向きを、外形状の向きによって判別できないととも
に、その一連の製造工程において、異なる移送手段や工
程の処理を実行する装置に受け渡されたりすると、この
向きが変化しやすいことにもなる。他方、印刷済みフィ
ルムの中央部には、通常、その缶に収容した中身の商品
を示す図柄の中央部分や商標などが配置されている。
【0009】これらのため、このフィルムによる装飾の
重要部分の下に缶胴の継目部が位置されると、この継目
部の段差部によってフィルムの一様性が乱され、フィル
ムの図柄の中央部分や商標の文字、マークなどが歪んで
見えることになる。
【0010】この結果、フィルムが貼着された缶胴の外
観性が低下するので、装飾デザイン上や商品として好ま
しくなく、缶胴の製品形態である缶詰を販売する業者な
どから改善を求められていた。特に、伸展性に乏しいフ
ィルムの略中央部が継目部の上に位置されると、このフ
ィルム部分にしわが寄ったりして、外観上で目立つの
で、商品性が著しく損なわれる不都合が生じた。
【0011】これに加えて、上記の公報には、毎分、数
百缶を処理する必要がある高速製缶工程において、缶胴
の側面に存在する継目部と印刷済みフィルム先端部とを
どのようにして相対的な位置合わせするのかという方法
及び装置については、全く具体的に記載されていない。
【0012】すなわち、例えば、現在の側面に継目部を
有する缶胴、溶接缶胴の生産速度は、190g入り飲料
缶換算で、約350〜700缶/分(缶胴の直径や長さ
が大きくなればこれよりも生産速度も低下する)であ
り、このような缶胴外面に印刷済みフイルムを貼着する
には、この生産速度に対応した印刷済みフィルムの貼着
速度を可能にする必要がある。
【0013】この発明は、上記の技術的課題に着目して
なされたものであり、缶体の外周面にフィルムを貼着す
る場合に、この外周面における周方向のフィルム貼着位
置の精度を確保しながら、高速なフィルム貼着が可能な
缶体へのフィルム貼着方法およびその装置を提供するこ
とを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、請求項1の発明は、缶体を所定の
軌跡に沿って移動させるとともに、接着面を備えたフィ
ルムを前記缶体の移動に連係させて移動させ、前記フィ
ルムの端部を缶体の所定箇所に接触させて、缶体の外周
面の周方向の所定の位置にフィルムを貼着させる缶体へ
のフィルム貼着方法において、前記缶体における任意箇
所を特徴箇所として検出し、この検出した位置と予め設
定された位置との角度差分だけ缶体を回転させて、前記
フィルムの端部が缶体の前記所定箇所に接触するように
したことを特徴とする方法である。
【0015】請求項1の発明によれば、供給された缶体
の外周面の所定箇所が、所定の方向に向いていなくと
も、缶体の特徴箇所を検出し、この検出した位置と予め
設定された位置との角度差分だけ缶体を回転させてフィ
ルムの端部が缶体の前記所定箇所に接触するようにして
いるので、缶体の外周面における周方向のフィルム貼着
位置を安定的に常に一定にすることができる。
【0016】請求項2の発明は、請求項1の構成に加え
て、前記缶体の特徴箇所の検出とその後の缶体の回転ま
での工程を、前記缶体を回転させながら前記特徴箇所の
検出を行い、かつ前記検出位置から前記角度差分回転さ
せた時点で前記缶体の回転を停止させることにより行う
ようにしたことを特徴とする方法である。
【0017】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
と同様の作用が生じる他に、缶体の特徴箇所の検出とそ
の後の缶体の回転までの工程を、前記缶体を回転させな
がら前記缶体の特徴箇所の検出を行い、かつ前記検出位
置から前記角度差分回転させた時点で前記缶体の回転を
停止させて行うようにしたことにより、缶体の外周面の
所定箇所を所定の向きにすることが容易に、しかも迅速
にできる。
【0018】請求項3の発明は、請求項1または2の構
成に加えて、前記フィルムの移動の途中の時点でのフィ
ルムの位置を検出し、検出した前記フィルムの位置と予
め設定したフィルムの位置との変位量を算出して、前記
変位量が存在した場合には、前記缶体の特徴箇所を検出
して検出した位置と予め設定された位置との角度差分だ
け缶体を回転させた後に、前記変位量分だけ更に缶体を
回転させることにより、前記缶体とフィルムとの位置合
わせを行うことを特徴とする方法である。
【0019】請求項3の発明によれば、請求項1または
2の発明と同様の作用が生じる他に、フィルムの移動の
途中の時点でのフィルムの位置を検出し、検出した前記
フィルムの位置と予め設定したフィルムの位置との変位
量を算出して、前記変位量が存在した場合には、前記変
位量分だけ更に缶体を回転させることにより、前記缶体
とフィルムとの位置合わせを行うので、フィルムが予め
設定された所定位置から少しズレが発生していたとして
も、フィルム貼着位置では、予め設定したように、前記
フィルムの端部と前記缶体の所定位置とが接触するよう
になる。
【0020】請求項4の発明は、回転体の回転軸と平行
な回転軸を有すると共に缶体を保持する缶体保持手段
が、前記回転体の外周に沿って所定間隔で複数個配置さ
れており、前記回転体の回転に伴って所定の軌跡に沿っ
て前記缶体を移送する缶体移送手段と、接着面を備えた
フィルムを前記缶体の移動に連係させて移動させるフィ
ルム移送手段とを備え、前記フィルムの端部を前記缶体
の所定箇所に接触させて、前記缶体を回転させながら、
前記缶体の外周面の周方向における所定の位置にフィル
ムを貼着する缶体へのフィルム貼着装置において、前記
缶体保持手段により保持されて移送される缶体を、その
周方向に回転させる回転駆動手段と、前記回転駆動手段
によって移動途中の前記缶体を回転させ、回転する缶体
の特徴箇所を検出し、検出信号を発信する検出手段と、
前記検出手段からの前記検出信号を受信して前記缶体の
回転を所定位置で停止させる制御手段とを備えているこ
とを特徴とする装置である。
【0021】請求項4の発明によれば、缶体保持手段に
供給される缶体が、前記缶体の外周面の所定箇所が常に
特定の方向に向いていなくとも、前記缶体を回転させな
がらその缶体の特徴箇所を検出し、特徴箇所から所定角
度となる位置でその缶体の回転を停止させるので、フィ
ルムの端部と缶体の所定箇所とが常に位置合わせされる
ことになり、前記フィルムの端部を缶体の所定箇所に必
ず接触するように貼着できる。
【0022】従って、例えば、缶体が溶接缶胴や接着缶
胴や半田付け缶胴のように側面に継目部を有する場合に
は、この継目部を特徴箇所として検出すると共にこの継
目部を缶体の所定箇所にすれば、缶胴を保持手段に保持
しながら回転させて、検出手段により継目部を検出した
ら所定位置で缶体を停止させることにより、継目部とフ
ィルムの端部とを略一致させるようにフィルムを貼着さ
せることが可能となる。
【0023】すなわち、缶胴の周長よりも長いフィルム
を貼着する場合には、この缶胴の継目部にフィルムの周
方向の先端部と後端部とを重ね合わせた重合部を略一致
させてフィルムを貼着させることができる。
【0024】この結果、溶接熱や半田の色等により変色
している継目部を完全に隠蔽して缶胴の外観性を向上さ
せることができる。
【0025】また、缶内容物を写実的に又はデフォルメ
して表示するデザインや商標等を印刷したフィルムを貼
着する場合には、缶詰販売業者が強くアピールしたい缶
内容物のデザインや商標は、フィルムの略中央部に印刷
されているので、段差部のある継目部の反対側に位置さ
れることになり、最終的な缶詰商品の商品価値を高める
ことになる。
【0026】請求項5の発明は、請求項4の構成に加え
て、フィルム移送手段が、フィルムを回転体の外周面に
吸着させながら移動させる移送手段であり、前記フィル
ム移送手段の前記回転体外周面上を移送されるフィルム
の位置を検出して、予め設定したフィルム位置との変位
量を算出し、その算出値に基づいて前記缶体の前記所定
箇所と前記フィルムの端部との位置を合わせるために必
要な缶体の回転角度を算出し、前記回転駆動手段に算出
値分だけ缶体を回転させる信号を発信するフィルム位置
検出手段とを備えていることを特徴とする装置である。
【0027】請求項5の発明によれば、請求項4の発明
と同様の作用が生じる他に、フィルム位置を検出して、
予め設定したフィルム位置との変位量を算出し、その算
出値に基づいて前記缶体の前記所定箇所と前記フィルム
の端部との位置を合わせるために必要な缶体の回転角度
を算出し、前記回転駆動手段に算出値分だけ缶体を回転
させる信号を発信するフィルム位置検出手段を備えてい
ることにより、フィルムがフィルム移送手段に供給され
る際に、フィルムの位置が回転体の外周方向で前後に少
しズレが発生したとしても、ズレを修正することができ
るので、缶体の所定箇所とフィルムの端部との位置合わ
せを確実に行うことができる。
【0028】請求項6の発明は、請求項4または5の構
成に加えて、缶体保持手段が、缶体内に挿入されるマン
ドレルと缶体を吸着して保持する吸着手段とから構成さ
れており、回転駆動手段が前記吸着手段にそれぞれ連結
されているサーボモーターであることを特徴とする装置
である。
【0029】請求項6の発明によれば、請求項4または
5の発明と同様の作用が生じる他に、缶体を吸着させて
保持しながら各缶体を個々に直接回転させることができ
るので、各缶体の回転開始と回転停止とが寸時に行え、
缶体へのフィルム貼着が高速で行なえる。
【0030】請求項7の発明は、請求項6の構成に加え
て、缶体の特徴箇所を検出する検出手段が、各缶体保持
手段の近傍位置にそれぞれ配置されていることを特徴と
する装置である。
【0031】請求項7の発明によれば、請求項6の発明
と同様の作用が生じる他に、各缶体の特徴箇所を検出す
る手段と缶体を回転駆動させる回転駆動手段とを、各缶
体保持手段に対して1つずつ配置してあるので、缶体を
高速移動させながら各缶体の特徴箇所を検出し、各缶体
の所定箇所とフィルムの端部との位置合わせを行うこと
ができる結果、缶体への高速なフィルム貼着が可能とな
る。
【0032】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施例を図面
に基づいて説明する。図1は、缶胴の外面に一缶分に裁
断された外面フィルムを貼着するフィルム貼着装置A1
の全体構成を示す正面図、図2は、フィルム貼着装置A
1を構成する缶胴移送装置の要部を示す部分的な断面図
である。また、缶胴1は、溶接缶、接着缶などの3ピー
ス缶、絞り缶、深絞り缶、絞りしごき缶、インパクト缶
などの2ピース缶、ネジキャップと螺合する口頸部を備
えたボトル型缶のいずれに用いられるものでもよいが、
この実施例では、主として、3ピース缶に用いられる缶
胴1について説明する。
【0033】すなわち、缶胴1は、図3に示すように、
一缶分に相当する所定寸法を有した矩形形状の金属板を
丸めて、その周方向に重ね合わせられた両端縁部分を溶
接や接着によって継ぎ合わせた円筒形状に形成されてい
る。したがって、缶胴1の外周面には、その周方向を横
切るように僅かに段差を備えた継目部2が生成されてい
る。また、缶胴1の軸方向の両端は、円形状の開口形状
とされた開口端3A,3Bが形成されている。
【0034】また、この缶胴1の素材となる金属板は、
磁性材料または非磁性材料のいずれであってもよく、非
磁性材料としては、アルミニウム板、アルミニウム合金
板を用いることができる。また、磁性材料としては、ブ
リキ、極薄錫メッキ鋼板、クロムメッキ鋼板、ニッケル
メッキ鋼板、亜鉛メッキ鋼板、アルミメッキ鋼板、その
他の各種合金を含む金属メッキ鋼板、リン酸処理鋼板、
電解クロム酸処理鋼板等の表面処理鋼板を用いることが
できる。この実施例では、上記の金属板のうち、主とし
て磁性材料を用いた場合について説明する。
【0035】さらに、この缶胴1の内面側には、内面被
覆層(図示せず)が形成されている。缶胴1の内面側に
内面被覆層を形成する方法としては、缶胴成形前の鋼板
であって、缶胴1の内面側となる面に塗料を塗布する方
法と、缶胴成形前の鋼板であって、缶胴1の内面側とな
る面に熱可塑性樹脂フィルムを貼り付ける方法とがあ
る。缶胴1の内面となる面に塗料を塗布する場合は、塗
料としてポリエステル系、エポキシーフェノール系、エ
ポキシーユリア系またはフェノール系などの硬化型合成
樹脂、特に熱硬化型合成樹脂を用いることが望ましい。
なお、2ピース缶の缶胴の場合には、缶胴の成形後に、
その内面に塗料を塗布する場合もある。
【0036】これに対して、缶胴1の内面となる面に熱
可塑性樹脂フィルムを貼り付ける場合は、熱可塑性樹脂
フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂などのホモの
ポリエステル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートとイ
ソフタレート酸との共重合などよりなる共重合ポリエス
テル系樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリスチレン樹脂、変性ポリオレフィン樹脂、塩化
ビニル樹脂などのうちから選ばれた透明な高分子樹脂単
体や2以上の樹脂の混合物、あるいは上記樹脂の複合体
からなる熱可塑性樹脂フィルムが用いられる。
【0037】なお、本実施例の場合は、缶胴1の内径
は、52.4ないし52.5mmの範囲内に設定されて
いる。また、缶胴1の開口端3Aの開口形状が、真円形
状ではなく、楕円形状になっている場合でも、この楕円
の短軸の長さが51.0mm以上であれば、本例のフィ
ルム貼着装置A1による外面フィルム4の貼着処理が可
能である。
【0038】すなわち、上記の缶胴1の外周面を覆うよ
うに外面フィルム4が貼着され、その重ね合わせられた
両端部4a,4bは、それぞれ缶胴1の継目部2の上を
通過した箇所に位置されている。したがって、外面フィ
ルム4による装飾デザインを継目部2によって歪ませず
に済むとともに、継目部2の上に、外面フィルム4の両
端部4a,4bが重ねられた箇所が位置していることに
よって、継目部2を目立たなくしている。
【0039】この缶胴1の外周面に貼着される外面フィ
ルム4としては、例えば熱可塑性樹脂フィルム、具体的
には、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレン
テレフタレート樹脂などのホモのポリエステル系樹脂、
ポリエチレンテレフタレートとイソフタレート酸との共
重合体などよりなる共重合ポリエステル系樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂、変性ポリプロピレン樹脂などのポリオレ
フィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹
脂、塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン共重合体など
のうちから、用途により選ばれた透明な高分子樹脂単
体、あるいは上記樹脂の複合体からなる熱可塑性樹脂フ
ィルムが用いられる。中でも、耐熱性があるポリエチレ
ンテレフタレート樹脂を用いることが好ましい。
【0040】また、この外面フィルム4に対する印刷方
法としては、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等を採用
することができるが、意匠性の点からみると画質が鮮明
でかつ高級感があるグラビア印刷法が好ましい。印刷に
使用するインキとしては、一般的に熱硬化性のポリウレ
タン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエステルーポリ
ウレタン系樹脂、エポキシーブチラール系樹脂、ポリイ
ソシアネート系樹脂の1種類または2種類以上の樹脂を
含むインキが用いられる。外面フィルム4における印刷
面の上には、熱硬化型又は電子硬化型の接着剤が塗布さ
れている。熱硬化型の接着剤としては、例えば、ポリエ
ステル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ポリオレフィ
ン系樹脂等の内、単独またはこれらの樹脂に1種類以上
の硬化剤を添加したものや2種類以上の組成物を混合し
たものが使用できる。例えば、多成分系のものとして
は、ポリエステルーイソシアネートーアミノ系、エポキ
シーフェノール系、エポキシーユリア系、エポキシーア
ミノ系、エポキシーアクリル系、エポキシーエステル
系、エポキシー酸無水物系、フェノキシー酸無水物系を
挙げることができる。また、電子硬化型の接着剤として
は、ポリエステル樹脂またはエポキシ樹脂若しくはウレ
タン樹脂を主剤とし、それに電子線感応樹脂として不飽
和二重結合を附加したエステルオリゴマーを配合した樹
脂組成物に必要に応じて応力緩和剤を添加した樹脂組成
物及びこれに熱硬化剤としてのメラミン樹脂やイソシア
ネート樹脂を添加した組成物が使用できる。
【0041】また、印刷面とは反対側の表面には、潤滑
剤含有の熱硬化型塗料を予めロール塗装しておくのが望
ましいが、フィルムを缶体外面に貼着した後にロール塗
装することも可能である。
【0042】尚、印刷面の上に、潤滑剤含有の熱硬化型
塗料を塗布し、印刷面とは反対側の表面に接着剤を塗布
してもよい。
【0043】本例のフィルム貼着装置A1は、図1およ
び図2に示すように、缶胴1を保持して所定の軌跡上を
移送する缶胴移送装置5と、この軌跡上に移送される缶
胴1に外面フィルム4を接触させて貼着する貼付ドラム
装置6とを主体に構成され、缶胴移送装置5には、前工
程からフィルム未貼着の缶胴1を所定間隔を設けて途切
れなく缶胴移送装置5に供給する缶胴供給装置7と、外
面フィルム4が貼着された缶胴1を受領して次工程へ送
るために缶胴移送装置5から排出する缶胴排出装置8と
が付属して設けられる一方、貼付ドラム装置6には、一
缶分の外面フィルム4を所定間隔を置いて貼付ドラム装
置6に次々と供給するフィルム供給装置9が付属して設
けられている。
【0044】すなわち、この缶胴移送装置5は、モータ
などの駆動力源(図示せず)によって回転駆動される回
転軸11を有している。この回転軸11は、フレーム1
2,13に固定された円筒部材12A,13Aに取り付
られた軸受12B,13Bによって軸支され、その軸心
を水平な状態にして回転自在に保持されている。また、
回転軸11には回転体14が取り付けられており、回転
軸11と回転体14とが一体的に、かつ、図1において
時計方向に回転されている。
【0045】この回転体14の外周側には、回転軸11
の中心線C1を中心とする円周上に、複数の軸孔14A
が所定間隔おきに形成されている。この各軸孔14Aの
中心線B2は、回転軸11の中心線に平行に設定されて
いる。各軸孔14Aには軸受14Bがそれぞれ取り付け
られており、各軸受14Bによって軸15がそれぞれ回
転自在に保持されている。すなわち、各軸15は、中心
線B2を中心として自転可能とされるとともに、回転体
14が回転すると、各軸15が中心線C1の周囲を公転
させられる。
【0046】各軸15におけるフレーム13とは反対側
の端部には、マンドレル16がそれぞれ連結部材18を
介して連結され、各マンドレル16は、後述するように
回転体14の回転に伴い移動される缶胴1に同行して移
動するとともに、この移動の所定範囲内では缶胴1内に
挿入されて、缶胴1内に非接触の状態に配置される。
【0047】すなわち、これらの各マンドレル16は、
軸状、言い換えれば円柱形状に形成され、各マンドレル
16の外径は、48.4ないし50.4mmの範囲内に
設定され、缶胴1の内径よりもマンドレル16の外径の
方が、2.0ないし4.0mm小さく設定されている。
【0048】したがって、缶胴1の中心F1がマンドレ
ル16と同心上にして、缶胴1が移動されて、缶胴1の
開口側から缶胴1の内部に、マンドレル16がその軸方
向に所定の長さ分だけ非接触の状態で挿入されて配置さ
れるとともに、後述するように、缶胴1の外周面に外面
フィルム4を貼着する際には、このマンドレル16によ
って缶胴1をその内周面側から保持できるようにしてい
る。
【0049】また、各マンドレル16は、連結部材18
に回転自在に連結されるとともに、その回転軸の回転中
心が連結部材18によって、回転軸11の回転中心に対
して偏心するようにされている。すなわち、各マンドレ
ル16の中心線B1は、回転軸11の中心線C1と平行
に設定されているとともに、マンドレル16の中心線B
1と、軸15の中心線B2とが偏心されている。このた
め、軸15が自転すると、マンドレル16は軸15の中
心線B2を中心として公転させられる。
【0050】一方、各軸15におけるフレーム13側の
端部には、アーム状の連結部材19の基端がそれぞれ取
り付けられている。また、各連結部材19の先端には、
カムフォロワ軸20がそれぞれ連結されている。各カム
フォロワ軸20の中心線B3と、回転軸11の中心線C
1とが平行に設定されている。したがって、これらのの
軸15及び連結部材18ならびにカムフォロワ軸20
が、互いに一体となって回転するように連結されている
ので、カムフォロワ軸20が変位されると、軸15を自
転させるようにしている。
【0051】すなわち、各カムフォロワ軸20における
フレーム13側の端部には、カムフォロワ21が回転可
能に取り付けられている。フレーム13には、回転軸1
1の周囲に環状の固定部材22が取り付けられており、
固定部材22には環状のカム溝23が形成されている。
各カムフォロワ21は、カム溝23の案内形状に沿って
追従移動可能に支持されている。
【0052】前記カム溝23は、前記回転軸11の中心
線C1の外側に形成された環状溝であり、カム溝23の
半径方向の中心線(図示せず)は、半径方向に変位して
いる。つまり、回転体14と固定部材22とが相対回転
すると、カムフォロワ21がカム溝23に沿って半径方
向に変位して、連結部材18が軸15を中心として揺動
すると同時に、連結部材18の揺動に伴う軸15の回転
によって、マンドレル16が軸15を中心として公転す
る。すなわち、マンドレル16が回転体14の半径方向
に変位する。
【0053】上記の構成は、図2に示す中心線C1の周
囲におけるマンドレル16の環状の移動軌跡(言い換え
れば、巡回軌跡もしくは公転軌跡)G1を、中心線C1
を中心とする真円とせずに、移動軌跡G1を円周方向の
一部で半径方向に変位させる(蛇行させる)ための構成
である。
【0054】さらに、回転軸11における回転体14と
フレーム12との間には、回転ターレット25が取り付
けられている。この回転ターレット25は、缶胴供給装
置7から供給される缶胴1を、一時的に保持するための
ものである。この回転ターレット25の外周側には、缶
胴1を、その開口端3Aをマンドレル16側に向けた状
態で保持するためのポケット部26が、各マンドレル1
6の数に対応して複数形成されている。複数のポケット
部26の移動軌跡(図示せず)は、中心線C1を中心と
する真円に設定されている。したがって、缶胴供給装置
7から供給された缶胴1は、一旦、一時的に回転ターレ
ット25に引き渡されて、そのポケット部26によって
保持され、次に、保持手段28によって保持される。
【0055】この保持手段28は、缶胴1の一端側を吸
着保持して、対応したマンドレル16の移動軌跡G1に
同行して移動するとともに、この移動の所定範囲で缶胴
1を軸方向に対面されたマンドレル16側に移動させ
て、缶胴1内にマンドレル16を配置し、次にマンドレ
ル16側から退避させる構成とされている。
【0056】すなわち、回転軸11の軸長手方向におけ
るフレーム12と回転ターレット25との間のフレーム
12側の近傍箇所に、回転体29が取り付けられてい
る。したがって、この回転体29は、回転軸11と一体
回転されるように構成されている。また、回転体29の
外周側には、中心線C1を中心とする同一円周上に、複
数の軸孔30が形成されている。これらの各軸孔30の
数は、マンドレル16の数と同数とされ、各軸孔30の
中心線D1は、中心線C1と平行に設定され、かつ中心
線D1と中心線B2とが一直線上に揃うように配置され
ている。各軸孔30には、滑り軸受31がそれぞれ固定
されている。各滑り軸受31により各軸32がそれぞれ
保持されている。したがって、この滑り軸受31に対し
て軸32が、相対回転自在で、かつ、中心線方向にスラ
イド移動自在に構成されている。
【0057】そして、各軸32を、回転体29の回転に
伴い、所定に自転させるカム機構が設けられている。す
なわち、各軸32におけるフレーム12側の端部は、ア
ーム状の連結部材33の基端に接続され、この連結部材
33の先端は、カムフォロワ軸34に連結されている。
カムフォロワ軸34の中心線D2は、中心線C1と平行
に設定され、中心線D2と中心線B3とが一直線上に揃
うように配置されている。したがって、カムフォロワ軸
34が軸32を中心として揺動するようしている。ま
た、カムフォロワ軸34における連結部材33とは反対
側の端部には、カムフォロワ35が取り付けられてい
る。
【0058】前記フレーム12には、回転軸11を取り
囲む環状の固定部材36が固定されており、固定部材3
6における回転体29側の側面には、環状のカム溝37
が形成されている。そして、回転軸11の中心線方向に
おける投影面において、カム溝37の幅方向の中心線
(図示せず)と、カム溝23の幅方向の中心線(図示せ
ず)とが一致するように、カム溝37およびカム溝23
の形状が設定されている。このカム溝37内に前記カム
フォロワ35が配置されている。カムフォロワ35は、
カム溝37内で、円周方向およびカム溝37の深さ方向
(中心線C1と平行な方向)に移動自在とされている。
【0059】他方、前記各軸32におけるフレーム12
側と反対側の端部には、アーム形状の連結部材39を介
して軸40がそれぞれ連結されている。各軸40の中心
線D3と中心線C1とが平行に設定され、中心線D3と
中心線B1とが一直線上に配置されている。つまり、各
軸40は各軸32を中心として揺動自在とされている。
【0060】したがって、回転体29がフレーム12に
対して相対回転されると、カムフォロワ35がカム溝3
7に沿って半径方向に変位され、連結部材33が軸32
を揺動駆動すると同時に、連結部材33による揺動に伴
った軸32の回転によって、上記のマンドレル16に同
期されて、軸40が軸32を中心として公転させられ
る。
【0061】さらに、上記の各軸40を、回転軸11に
よる回転体29の回転に伴い、所定距離だけ軸長手方向
(軸と平行な方向)にスライド移動させるカム機構が設
けられている。すなわち、回転軸11の軸長手方向にお
ける回転ターレット25と回転体29との間には、回転
軸11を取り囲んで固定枠42が配置され、この固定枠
42は、回転軸11の回転に拘わり無く固定された状態
を維持するようにしている。すなわち、固定枠42の軸
孔43内には、軸受43Aを介して回転軸11が回転自
在に挿入されている。また、固定枠42の外周には環状
の固定部材44が取り付けられており、固定部材44の
外周面の全周に亘ってカム溝45が形成されている。こ
のカム溝45は、中心線C1を中心として環状に形成さ
れているとともに、円周方向の所定領域において、軸長
手方向沿って変位された構成とされている。
【0062】より具体的には、マンドレル16の移動軌
跡G1に対応して、カム溝45が軸長手方向に変位して
いる。すなわち、マンドレル16の移動軌跡G1におけ
る領域G2及び上流側の領域G7,G8に対応する範囲
において、カム溝45は、図2において最も左側、すな
わち、回転体14から離れた位置に配置されている。領
域G3の上流端に対応する範囲では、カム溝45は図2
において右側、すなわち回転体14に近づく方向に変位
され始め、領域G3にて缶胴1が加熱されるところから
領域G4から領域G5を経由して領域G6に亘る範囲で
は、カム溝45は図2において右側、すなわち回転体1
4に最も近づいた位置に配置されている。領域G6の下
流端に対応する範囲では、再びカム溝45が回転体14
から離れる方向に変位し、領域G6と領域G2との間に
設定されている領域G7,G8に対応する範囲では、カ
ム溝45が回転体14から最も離れた位置に配置されて
いる。
【0063】そして、このカム溝45には、カムフォロ
ワ46が配置され、カムフォロワ46は、カム溝45内
において、円周方向およびカム溝45の深さ方向(中心
線C1と直交する方向)に移動自在とされている。ま
た、各軸40には、その長手方向の中途部位に腕部41
の基端がそれぞれ連結され、各腕部41の先端には、上
記のカムフォロワ46がそれぞれ取り付けられている。
【0064】したがって、回転体29が固定枠42に対
して相対回転されると、カムフォロワ46がカム溝45
に沿って軸長手方向に移動させられ、各カムフォロワ4
6と一体的に軸40,32およびカムフォロワ軸34が
軸長手方向に移動させられる。
【0065】なお、上記構成において、各軸40が各軸
32を中心として揺動させられると、各カムフォロワ4
6が中心線C1に直交して固定枠42の半径方向、つま
り、各カム溝45の深さ方向に変位するが、各カムフォ
ロワ46がカム溝45の深さ方向に変位した場合でも、
各カムフォロワ46がカム溝45から抜け出さないよう
に、カム溝45の深さ(中心線C1に直交する方向の深
さ)が設定されている。
【0066】また、軸長手方向におけるカム溝45の位
置に基づいて、軸32が軸長手方向に往復移動した場合
でも、連結部材33,39と回転体29とが接触しない
ように、軸32の長さが設定されている。また、軸32
とカムフォロワ軸34とが一体的に軸長手方向に往復移
動した場合でも、カムフォロワ35がカム溝37から抜
け出さないように、カム溝37の深さ(中心線方向の深
さ)が設定されている。
【0067】そして、各軸40における回転体14側の
端部には、マグネットテーブル47がそれぞれ回転駆動
手段(図示せず)を介して設けられ、このマグネットテ
ーブル47によって、缶胴1の開口端3Bを磁力によっ
て吸着保持するとともに、このマグネットテーブル47
を回転駆動手段によって回転駆動することにより、この
マグネットテーブル47に吸着保持された缶胴1を、任
意のタイミングで回転駆動を開始して、任意の回転速度
で回転駆動し、任意の回転角度に停止できるようにして
いる。
【0068】すなわち、この回転駆動手段としては、サ
ーボモータなどのように、外部からの指令信号に基づい
て、その回転速度を任意に設定でき、任意の角度位置で
高精度に停止できるアクチュエータが用いられている。
したがって、この回転駆動手段は、例えば、シーケンサ
ーやコンピュータ等から構成される制御装置からの指令
信号に基づき、缶胴1を保持したマグネットテーブル4
7を所定のタイミングで所定の回転速度に回転させると
ともに、マグネットテーブル47つまりマグネットテー
ブル47に保持された缶胴1を所定の回転位置に停止さ
せるようにしている。
【0069】また、各マグネットテーブル47は、円盤
形状のホルダー48と、ホルダー48における回転体1
4側の面に臨んで配置された複数の磁石49と、各磁石
49における回転体14側の表面を覆うプレート50と
から構成されている。
【0070】すなわち、本例では、ホルダー48におけ
る回転体14側の面に、円柱状に形成され磁石49の一
方の端面のみが露出するように、その磁石49を埋め込
んで配置し、この磁石49の露出した面をプレート50
で覆っている。各プレート50は、ポケット部26に保
持された場合にマンドレル16に対面する缶胴1の開口
端3Aとは、反対側の開口端3Bと対向するように配置
されている。
【0071】また、これらの複数の磁石49は、図4に
示すように、中心線D3,B1を中心とする同一の円周
上に沿って互いに同一の間隔を設けて偶数個設置されて
おり、N極とS極とが円周方向に交互に交代するよう
に、各磁石49の軸方向が反転されて配置されている。
すなわち、各磁石49は円柱形状に構成され、その軸方
向の両端部がN・S極に着磁され、各磁石49の中心軸
が缶胴1の外径に対応する円周上に配置されている。
【0072】プレート50における回転体14側の端面
50Aは、中心線D3と直交する平坦状に成形され、プ
レート50の端面50Aに沿って、缶胴1がプレート5
0の半径方向に滑動できるように、その端面50Aの平
坦度、およびプレート50の材質が選択されている。こ
のプレート50の材質としては、各磁石49の磁束を通
過させながら、自らが磁石49によって磁化されること
がない透磁性を備えた非磁性材料、例えば、SUS、超
硬合金などの金属材料、あるいはガラス、セラミック
ス、プラスチックなどを用いることができる。
【0073】したがって、永久磁石49による磁力を用
いて缶胴1をマグネットテーブル47に保持した構成と
したことにより、缶胴1を吸着保持させる動力源が不要
とされ無動力で済むので、運用コストの低減化を図るこ
とがでる。また、構成が簡素化されるので、このように
複数の保持手段28を設けた場合にも、低コスト化を図
れるとともに、可動部が無いので、缶胴1を吸着して保
持する動作の信頼性を向上させることができる。
【0074】そして、上記の構成によれば、缶胴1は、
常に、その外周面が回転体14の周縁から外方に向けら
れ外部に露出されてマグネットテーブル47に保持さ
れ、軌跡上を移送される。このため、このように移送さ
れる缶胴1に、貼付ドラム装置6によって保持された外
面フィルム4を接触させて貼着するようにしている。
【0075】上記の貼付ドラム装置6は、回転駆動され
る貼付ドラム52を主体として構成され、この貼付ドラ
ム52に、各缶胴1毎の略一缶分の外周長さ(周長)に
裁断された外面フィルム4(図示せず)を所定間隔を置
いて次々と供給するフィルム供給装置9が付属して設け
られている。したがって、この貼付ドラム装置6は、フ
ィルム供給装置9によって供給された外面フィルム4
を、貼付ドラム52の外周面に吸着保持し、貼付ドラム
52の回転に伴い缶胴移送装置5によって移送される缶
胴1に貼着するようにしている。
【0076】この貼付ドラム52は、円盤形状に形成さ
れ、その外周面は、軸方向に平行ななめらかな湾曲面に
形成されるとともに、その外周面の幅寸法は、缶胴1の
高さ寸法よりも大きな寸法に設定されている。また、こ
の貼付ドラム52は、その中心が、缶胴移送装置5の回
転軸11と平行かつ同一の高さ位置で、水平に回転自在
に軸支された回転軸52Aに取り付けられている。
【0077】そして、この回転軸52Aを中心として反
時計方向に、上記の回転軸11に取り付けられた回転体
14の回転数が変化しても常に回転体14と一定の比率
の回転速度で、モータなどの駆動源(図示せず)によっ
て、貼付ドラム52が回転駆動されている。
【0078】すなわち、この貼付ドラム52の外周面の
移動軌跡に、回転軸11の回転に伴うマンドレル16の
移動軌跡G1が、領域G6で一致するように、移動軌跡
G1の外側(右側)に回転軸52Aが配置されている。
つまり、外面フィルム4の貼着が充分に行なえる程度
に、貼付ドラム52の外周面が缶胴1を介してマンドレ
ル16に接触できるように、領域G6が設定されてい
る。そして、領域G6における移動軌跡G1の変位は、
回転体14の半径方向におけるカム溝23の形状に基づ
いて設定されている。
【0079】したがって、缶胴1に外面フィルム4が貼
着される領域G6では、貼付ドラム装置6に備えられた
貼付ドラム52の外周に沿うように、缶胴1を保持した
保持手段28およびマンドレル16の移動軌跡が半径方
向の回転体14の回転軸11側に湾曲され、缶胴1に外
面フィルム4を介して貼付ドラム52が接触されるフィ
ルム貼着区間が長くなるようにしている。このため、上
記の回転軸11および回転軸52Aが高速回転され、フ
ィルム貼着装置A1のフィルム貼着処理が高速化されて
も、確実なフィルム貼着を可能としている。
【0080】さらに、この貼付ドラム装置6は基台上に
設置され、この基台は、缶胴移送装置5に接近・離れる
方向にスライド移動可能に構成されている。したがっ
て、缶胴移送装置5と貼付ドラム装置6との距離を加減
することにより、貼付ドラム52の外周面が外面フィル
ム4を介して缶胴1に接触された際の貼付ドラム52に
よる押圧力を調整できるようにしている。
【0081】また、この貼付ドラム52の近傍箇所に
は、ロールから巻き戻され外面フィルム4を所定の送給
速度で供給するフィルム供給装置9が配置され、この供
給された外面フィルム4を缶胴1の周長に対応した所定
長さに切断する裁断装置(図示せず)が設けられてい
る。この外面フィルム4は、その接着剤が塗布された面
が外側となる状態で、貼付ドラム52に保持されるよう
にしている。
【0082】すなわち、このフィルム供給装置9は、外
面フィルム4が巻き取られたフィルムローラ(図示せ
ず)と、このフィルムローラから繰り出された帯状フィ
ルムに張力を付与するテンションローラ群(図示せず)
と、張力の付与された帯状フィルムを所定のタイミング
で送り方向に走行させるフィードローラ(図示せず)な
どを主体に構成され、さらに、帯状フィルムを所定長さ
で切断して一缶分の外面フィルムを得るためのカッター
ローラと切断刃とから構成された裁断装置(図示せず)
が、フィードローラに隣接して設けられている。なお、
上記の帯状フィルムが搬送される経路途中の近傍箇所に
は、非接触式の静電気除去装置(図示せず)が設けら
れ、この静電気除去装置によって、外面フィルム4の除
電を行なうようにしている。
【0083】そして、後述するように貼付ドラム52の
外周面上に予め定められた基準位置H1に、一缶分の長
さに裁断された外面フィルム4の送り方向の先端を一致
させるタイミングで、フィルム供給装置9から貼付ドラ
ム52に外面フィルム4が供給されている。
【0084】さらに、貼付ドラム52の回転方向におけ
る上記の外面フィルム4が供給される箇所よりも前の箇
所には、貼付ドラム52の外周面の静電気を除去する非
接触式の除電装置54が設置されている。なお、除電装
置54による静電気の除去手法は、例えば、コロナ放電
を利用した静電除去方式が用いられ、このコロナ放電方
式は、コロナ放電装置によって正負のイオンを発生さ
せ、気流で貼付ドラム52の外周面にイオン風として接
触させることにより除電している。また、この方式によ
れば、イオン風によって外周面の除電と同時に除塵も行
なえる利点もある。したがって、この除電装置によっ
て、外面フィルム4を缶胴1に貼着して空になった貼付
ドラム52の外周面の部分に残留した静電気を除去する
ようにしている。
【0085】また、外面フィルム4が供給される箇所か
ら外面フィルム4の進行方向前方の箇所には、外面フィ
ルム4をコロナ放電などによって所定のマイナスまたは
プラスの電位に帯電させる非接触式の帯電装置55が設
置されている。
【0086】したがって、上記の除電装置54によって
除電された外周面に、新たな外面フィルム4を帯電装置
55によって帯電させた構成としているので、外周面と
外面フィルム4との電位差が充分に確保され、静電気力
によって外面フィルム4が貼付ドラム52の外周面に安
定して吸着されて外周面に保持される。
【0087】さらに、貼付ドラム52に外面フィルム4
が供給される箇所が、貼付ドラム52の回転に伴いその
外周面が上方向に向けられる箇所となっているととも
に、吸着保持されて移動される範囲の大部分の外周面が
上方向に向けられているので、これによっても、安定し
て外面フィルム4が貼付ドラム52の外周に保持できる
ことになる。
【0088】また、外面フィルム4が貼着された後の空
となった貼付ドラム52の外周面の表面温度を計測する
非接触式の温度センサ(例えば、赤外線温度センサ)5
6が設置され、この計測結果に基づき、例えば、近赤外
線や遠赤外線のヒーター等の適宜の加温手段(図示せ
ず)を用いた温度管理を行なうことによって、貼付ドラ
ム52の外周面の表面温度を50度から80度の範囲内
に維持するようにしている。したがって、外面フィルム
4が貼着される際に、缶胴移送装置5側のマンドレル1
6や缶胴1に対して貼付ドラム52の温度差が極度に大
きくならないようにしているので、大きな温度差による
外面フィルム4の貼着品質の低下を防止することができ
る。
【0089】さらに、貼付ドラム52の外方の所定箇所
には、フィルム位置検出手段の一部を構成するフィルム
位置検出カメラ57が設置され、貼付ドラム52の外周
面上における外面フィルム4の位置状態を撮影するよう
にしている。
【0090】すなわち、このフィルム位置検出カメラ5
7によって、貼付ドラム52が所定の回転角度位置に到
達した時点で撮影を行い、撮影によって得られた画像を
処理して、貼付ドラム52に保持されている外面フィル
ム4の位置が、予め定められた基準位置H1から、フィ
ルム送り方向に対してどの方向にどの程度ズレているか
をフィルム位置検出手段の一部を構成する画像処理装
置、シーケンサー、コンピュータ等から成る制御装置
(図示せず)により計測するようにしている。
【0091】この基準位置H1は、缶胴移送装置5によ
って移送される缶胴1同士の間隔距離や移送速度などに
基づいて、各缶胴1に対応してそれぞれ設けられ、貼付
ドラム52の回転に伴って、各基準位置H1が対応した
缶胴1の外周面における常に一定した箇所に接触するよ
うになっている。
【0092】したがって、この基準位置H1に外面フィ
ルム4の先端部4aが一致した状態で、貼付ドラム52
に保持された場合には、缶胴1の外周面における周方向
の所定箇所に、常に外面フィルム4の先端部4aが接触
させられて、外面フィルム4の貼着が開始されるので、
外面フィルム4が常に一定した缶胴1の外周面における
周方向の所定位置に貼着されることになる。
【0093】また、フィルム位置検出カメラ57は、基
準位置H1から貼付ドラム52の回転方向に沿った順方
向と逆方向とのそれぞれ、少なくとも5mm以上の範囲
をその視野範囲に収められるように、貼付ドラム52の
外周から所定の距離だけ離れた位置で、貼付ドラム52
の外周面に向けて設置されている。
【0094】さらに、貼付ドラム52の回転軸52Aに
は、ロータリー・エンコーダー(図示せず)が設けら
れ、このロータリー・エンコーダーによって、貼付ドラ
ム52が所定の回転角度に到達したことを検出し、フィ
ルム位置検出カメラ57が検出動作を行なうタイミング
信号を出力するようにしている。
【0095】すなわち、このフィルム位置検出を行なう
貼付ドラム52の回転角度は、貼付ドラム52の回転中
心と、上記の貼付ドラム52上に設定された各基準位置
H1と、フィルム位置検出カメラ57とが、一直線上に
揃った角度とされている。
【0096】また、フィルム位置検出カメラ57の出力
信号端子は、前記した制御装置に電気的に接続され、こ
の制御装置によって、貼付ドラム52上の外面フィルム
4の位置ズレ状態と位置ズレ量が判別される。
【0097】したがって、上記のタイミング信号に基づ
いた時点で、外面フィルム4の先端部4aをフィルム位
置検出カメラ57によって撮影し、得られた画像を処理
してこの先端部4aがカメラの視野範囲内のどの位置に
あるかを画像処理装置、シーケンサー、コンピュータ等
から成る制御装置により測定し、この測定結果に基づ
き、貼付ドラム52の外周面に保持された外面フィルム
4が基準位置H1から、貼付ドラム52の回転方向であ
るフィルム送り方向に対して前進する方向または後退す
る方向にどの程度の距離だけズレているかを上記制御装
置によって判別する(算出する)ことができる。すなわ
ち、外面フィルム4の先端部4aの実際の位置と基準位
置との関係、つまり、外面フィルム4が基準位置に一致
した状態と、基準位置を外面フィルム4がその送り方向
に通過した状態と、基準位置の手前にある状態との3種
類の判別結果を得ることができる。
【0098】なお、外面フィルム4自体には、外面フィ
ルム4に印刷などによって施された装飾の下地色となる
ように、白色などの着色顔料が添加された接着剤層が設
けられているとともに、この外面フィルム4の背景とな
る貼付ドラム52の外周面が暗色とされている。
【0099】したがって、このように両者間に充分な明
暗差が確保されているので、上記のフィルム位置検出カ
メラ57による撮影が行なわれる際には、制御装置によ
って、外面フィルム4の外形状を明確かつ容易に判別す
ることができ、外面フィルム4位置の測定の高精度化や
確実化を図ることができるようにしている。
【0100】また、フィルム位置検出カメラ57とし
て、モノクロ・タイプのカメラを用いても充分な計測性
能を確保することが可能となり、この場合には、カラー
・カメラと比較して機器としてのコストダウンが図れ、
モノクロ・データを画像処理装置で処理すればよいの
で、データの処理量が削減されて高速な処理動作が可能
となり、このデータ処理を行なうプログラム構成が簡素
化され、動作の信頼性の向上やプログラム製作コストの
低廉化を図ることができる。なお、カメラに代えてカラ
ーマークセンサを使用することも可能である。
【0101】さらに、外面フィルム4が保持される貼付
ドラム52の外周面に、予め基準位置H1に関連付けら
れたマークを設けることによって、よりフィルムの位置
測定の精度や確実性を向上させるようにしてもよい。
【0102】すなわち、例えば、図5(a)〜(c)に
示すように、このマークの位置H10を、上記のフィル
ム位置検出カメラ57の視野範囲内で、基準位置H1か
ら回転方向に5mmだけ進んだ位置に設置した構成とす
ることができる。そして、図5(a)に示すように、こ
のマークの位置H10から外面フィルム4の先端が、図
中にHaとして示される周方向に5mm離れていると判
別できた場合には、貼付ドラム52に対して外面フィル
ム4が正規の位置にセットされている状態であると判断
できる。また、図5(b)に示すように、このマークの
位置H10に外面フィルム4の先端が一致したと判別で
きた場合には、外面フィルム4が正規の位置から5mm
だけ先行した状態であると判断できる。さらに、図5
(c)に示すように、このマークの位置H10から外面
フィルム4が、図中にHcとして示される周方向に10
mm離れていると判別できた場合には、外面フィルム4
が正規の位置から5mmだけ遅れた状態であると判断で
きる。
【0103】したがって、この構成によれば、上記の外
面フィルム4の先行・適正位置へのセット・遅れ状態を
判別するために、外面フィルム4の先端位置と比較する
対象として貼付ドラム52上の基準位置H1に関連付け
られたマークを貼付ドラム52に設けた構成としている
ことにより、このマークと外面フィルム4の先端位置と
の距離を測定することによって、上記のフィルムの位置
ズレ状態を明確に判別できることに加えて、外面フィル
ム4の位置ズレ量を容易に計測できることになるので、
貼付ドラム52上の外面フィルム4の位置を測定する精
度や確実度の向上が可能となる。
【0104】また、フィルム位置検出カメラ57の視野
範囲内に、貼付ドラム52上のマークと外面フィルム4
の先端とが同時に納めることができれば、上記の外面フ
ィルム4の位置ズレ量を測定できることから、フィルム
位置検出カメラ57の設置場所の制約が緩和されたり、
カメラの調整作業が簡素化されたりするので、フィルム
位置検出カメラ57の取扱い性を向上させることができ
る。
【0105】そして、上記の構成によって貼付ドラム5
2上の外面フィルム4の位置ズレ量を把握し、シーケン
サーやコンピュータ等の制御装置からの指示により、こ
の外面フィルム4の位置ズレ量に対応した角度だけ缶胴
1を回転させることにより、缶胴1の回転角度位置を修
正して、外面フィルム4を缶胴1の外周面に高精度に位
置させて貼着できるようにしている。
【0106】すなわち、上記缶胴移送装置5によって缶
胴1が移動される移動軌跡G1に臨み、マンドレル加熱
ステーションJ1、缶胴供給ステーションK1、缶胴加
熱ステーションL1、缶胴1の一時位置決めステーショ
ンM1、缶胴1の一時位置決め確認ステーションN1、
マンドレル回転ステーションP1、缶胴1の補正位置決
めステーションQ1、フィルム貼付ステーションR1、
缶胴排出ステーションS1が、円周方向に沿って上記の
順序で配置されている。ここで、上記の移動軌跡G1の
うちで、マンドレル加熱ステーションJ1を起点とする
と、缶胴排出ステーションS1が最も下流側に配置され
ていることになる。そして、マンドレル加熱ステーショ
ンJ1に対応する領域G8と、缶胴供給ステーションK
1に対応する領域G2と、缶胴加熱ステーションL1に
対応する領域G3と、一時位置決めステーションM1に
対応する領域G4と、補正位置決めステーションQ1お
よびマンドレル回転ステーションP1に対応する領域G
5と、フィルム貼付ステーションR1に対応する領域G
6と、缶胴排出ステーションS1に対応する領域G7と
に亘り、前記移動軌跡G1が形成されている。
【0107】まず、マンドレル加熱ステーションJ1に
は、加熱装置59が設置され、この加熱装置59は、電
熱ヒーター、近赤外線、遠赤外線などの加熱手段を主体
として構成されている。すなわち、この加熱装置59
は、マンドレル16が移動する経路に沿って、その経路
の外周側に所定の間隙距離を設けて設置され、少なくと
も、マンドレル16の全周長さよりも長い範囲に渡って
設けられている。したがって、この加熱装置59によっ
て、マンドレル16の外周面の温度を、外面フィルム4
を接着させるために必要な缶胴1の温度に悪影響を及ぼ
さない程度の高さの温度に保持するようにしている。
【0108】また、上記の経路の内周側には、この経路
に所定の間隙距離を設けて、経路に沿って所定の長さに
設けられた周面を備えたマンドレル自転部材60が設置
され、マンドレル16が公転経路を移動すると、この移
動に伴い、マンドレル自転部材60の周面がマンドレル
16の外周面に接触されるによって、マンドレル16自
体が一回転以上に回転されるようにしている。したがっ
て、マンドレル16が移動されて加熱ステーションJ1
の範囲を通過する際には、マンドレル16自体が少なく
とも一回転するので、その外周面が均一に加熱される。
【0109】さらに、加熱装置59の経路方向の前後に
は、加熱装置59による加熱処理の直前および直後のマ
ンドレル16の外周面の表面温度を計測する非接触式の
温度センサ62,63がそれぞれ設置されている。ま
た、これらの温度センサ62,63が検出した各温度
は、マンドレル加熱ステーションJ1に備えられた温度
管理手段(図示せず)に入力されるとともに、温度管理
手段から加熱装置59による加熱温度を加減する指令信
号が出力されている。
【0110】したがって、外部の温度や、本例のフィル
ム貼着装置A1によってフィルム貼着処理する缶胴1の
数の変動に拘わらず、マンドレル16の外周面の温度を
常に一定の温度範囲に制御することができるので、マン
ドレル16の温度が缶胴1の温度に影響を与えることが
低減され、つまりフィルムの接着に必要な温度よりも低
いことによる接着不良が未然に回避され、缶胴1に対す
る外面フィルム4の接着品質を向上させることができ
る。
【0111】また、缶胴供給ステーションK1には、缶
胴供給装置7が設置され、この缶胴供給装置7によっ
て、外面フィルム4が貼り付けられる前の缶胴1を、移
動軌跡G1側に向けて供給している。
【0112】すなわち、この缶胴供給装置7は、缶胴1
を1個ずつ半径方向に移送する螺旋溝を備えたインフィ
ードスクリュー65と、インフィードスクリュー65に
より移送される缶胴1を1個ずつ保持する保持溝66を
複数備えたインフィードターレット67とを備えてい
る。
【0113】インフィードターレット67の回転軸67
Aは水平に配置され、この回転軸67Aと回転軸11と
が平行に配置されている。このインフィードターレット
67は、モータなどの駆動源(図示せず)により、図2
において反時計方向に回転される。なお、インフィード
ターレット67の外周側には、缶胴1が保持溝66から
脱落することを防止する案内部材(図示せず)が設けら
れている。インフィードターレット67の回転に伴う保
持溝66の移動軌跡(この移動軌跡は、回転軸67Aを
中心とする移動軌跡である)と、マンドレル16の移動
軌跡G1の一部の領域G2とが一致しており、この領域
G2は前記領域G3よりも上流側に配置されている。
【0114】缶胴加熱ステーションL1には、近赤外線
や遠赤外線のヒーター、熱風、電熱ヒーター、高周波誘
導加熱等を用いた加熱手段を備えた加熱装置69が設置
され、この加熱装置69によって、非接触に缶胴1の外
周面の温度を外面フィルム4を接着させるために必要な
温度に加熱できるようにしている。
【0115】この加熱装置69は、缶胴1が移送される
経路に沿って、その経路の外周側に所定の間隙距離を設
けて、遠赤外線ヒーター(図示せず)を設置した構成と
され、少なくとも、缶胴1の全周長さよりも長い範囲に
渡って設けられている。
【0116】なお、この高周波誘導加熱コイルを使用す
ることも可能であり、その場合には、高周波の交流を通
電することによって上記の缶胴1の移動経路に沿って交
流電界が生成され、この交流電界中を缶胴1が通過する
ことにより、缶胴1に誘導電流が生起され、この電流に
よって缶胴1が直接的に抵抗加熱(ジュール熱による加
熱)されることになる。
【0117】本例では、缶胴加熱ステーションL1の範
囲を缶胴1が通過する際には、上記の保持手段28に備
えられた回転駆動手段によって、缶胴1自体が所定の回
転速度で回転駆動され、加熱装置69に缶胴1の外周面
を全て対面させることにより、缶胴1の外周面を均一に
加熱できるようにしている。すなわち、本例において
は、缶胴1が缶胴加熱ステーションL1の範囲を通過す
るまでに、例えば、缶胴1が少なくとも5回転以上に自
転する高速の回転速度が設定されている。
【0118】なお、本例の加熱装置69には、遠赤外線
ヒーターが用いられているが、これに限られることな
く、例えば、電熱ヒーター、近赤外線ヒーター、高周波
誘導加熱などによる加熱方式を用いてもよい。
【0119】また、缶胴1を、本例のフィルム貼着装置
A1に搬送する途中で、誘導加熱したり、熱風加熱した
り、赤外線または遠赤外線加熱したりすることにより、
予め180度から200度に加熱して、缶胴1が予備加
熱された場合には、缶胴加熱ステーションL1、つまり
加熱装置69自体を不要とした構成とすることができ
る。したがって、この場合には、缶胴加熱ステーション
L1を設置していたスペースが開放されるので、フィル
ム貼着装置A1の装置やセンサなどを配置する自由度を
得ることができる。
【0120】さらに、このようなフィルム貼着装置A1
に搬送するまでに缶胴1を加熱しておく予備加熱と、上
記の缶胴加熱ステーションL1の加熱装置69による加
熱の両方を併用することも可能であり、この場合には、
缶胴1が徐々に段階的に昇温されることにより、缶胴1
に対する熱的な負荷が軽減されるので、より高速化に対
応することができる。すなわち、フィルム貼着装置A1
の処理速度が高速化されても、缶胴1が急激に温度上昇
されることを回避することができる。
【0121】缶胴1の一時位置決めステーションM1で
は、各缶胴1毎に予め設けられている継目センサ71に
より、回転駆動されている缶胴1の継目部2を検出し
て、缶胴1を一時位置決めされた所定回転角度で停止さ
せるようにしている。
【0122】すなわち、これらの継目センサ71は、各
缶胴1毎の専用センサとして設けられ、回転体14に固
定して配置されている。また、これらの継目センサ71
のセンサ方向は、缶胴1がマグネットテーブル47に保
持されると、その缶胴1の中心と回転体14の回転中心
とを結んだ線と、缶胴1の外周面とが交差する箇所に向
けて設けられている。さらに、継目センサ71は、レー
ザー光などを用いた非接触式で、対象物の表面形状の変
位状態を検出できるセンサ方式が用いられている。した
がって、円筒形状に形成された缶胴1が回転駆動される
と、この回転に伴い缶胴1の継目部2が有した段差が回
転体14の回転中心方向に向けられた際に、この段差を
変位として検出するようにしている。
【0123】このため、継目センサ71による缶胴1の
継目部2が検出された場合には、その時点で、缶胴1が
その継目部2を回転体14の回転中心方向に向けた回転
角度であると判別できるので、この検出した缶胴1の角
度位置に基づいて、缶胴1を任意の角度位置(検出した
継目部2から所定角度缶胴1を回転させた位置)に停止
することができる。すなわち、制御装置に予め設定して
おくことによりこの缶胴1の角度位置が検出された時点
から、所定の時間が経過した時点で、マグネットテーブ
ル47による缶胴1の回転駆動を停止させることができ
るので、缶胴1を任意の角度位置(フィルム貼付ステー
ションR1において、外面フィルム4の先端部が缶胴1
の継目部2に接触することになる缶胴1の角度位置)に
停止させることができる。また、缶胴1を回転駆動させ
る駆動手段自体に、回転角度を制御する機能を有してい
る場合には、上記の検出した回転角度から直接的かつ自
動的に缶胴1を停止させる角度を指定する構成とするこ
とができる。
【0124】なお、この一時位置決めステーションM1
においては、直前の缶胴加熱ステーションL1と同一の
回転方向に缶胴1が回転駆動されているが、その缶胴1
の回転速度は、所定に減速されている。すなわち、この
缶胴1の回転速度は、上記の継目センサ71による缶胴
1の継目部2の検出が確実に行なえるとともに、マグネ
ットテーブル47の回転駆動の停止による缶胴1の任意
の回転角度への停止が良好に行なえる程度の回転速度に
設定され、缶胴1の回転角度の一時位置決め精度を充分
に確保できるようにしている。
【0125】また、マンドレル回転ステーションP1の
直前には、缶胴1の回転角度を確認する確認ステーショ
ンが設けられている。
【0126】すなわち、缶胴1が移送される軌跡G1の
外周側の所定位置には、この軌跡G1に向けて一時位置
決め確認センサ72が設置され、この確認センサ72に
よって、缶胴1が回転位置補正ステーションに進入する
直前の状態で、缶胴1が一時位置決めされた回転角度に
停止されたかを確認するようにしている。すなわち、こ
の一時位置決め確認センサ72は、継目センサ71と同
様に、缶胴1の外周面の継目部2を非接触式に検出でき
る構成とされている。したがって、缶胴1が適正に一時
位置決めされた回転位置に停止され、継目部2が所定の
向きに向けられた場合には、この状態のまま缶胴1が一
時位置決め確認センサ72の検出位置に移送され、この
継目部2を一時位置決め確認センサ72によって検出す
ることにより、缶胴1が適正に一時位置決めされた回転
角度になっていることを確認することができる。
【0127】次に、缶胴1の回転位置補正ステーション
では、一時位置決めの回転角度に停止された缶胴1を、
貼付ドラム52上の外面フィルム4の位置ズレ量に基づ
いて、缶胴1の回転角度を補正するようにしている。
【0128】すなわち、缶胴1の外径に基づいて、上記
の外面フィルム4の位置ズレ量を、缶胴1の外周面にお
ける周方向の長さに換算し、この換算した周方向の長さ
と、缶胴1の全周の長さとの比率から、補正する角度を
算定している。つまり、この場合には、缶胴1の全周の
長さが360度に相当するので、この360度にフィル
ム位置ズレ量から算定した比率を乗算すれば、補正角度
を得ることができる。
【0129】したがって、後述するように、フィルム貼
付ステーションR1では、貼付ドラム52上で位置ズレ
した外面フィルム4が、位置ズレ量に応じて回転角度が
補正された缶胴1の修正された貼着位置に貼着される。
すなわち、フィルム位置ズレ量に応じて、缶胴1の外周
面の周方向における予め定められたフィルム貼着の開始
箇所を、外面フィルム4に対して相対的に移動させてい
ることにより、外面フィルム4の先端部を相対的に移動
された開始箇所に一致させることができる。
【0130】例えば、外面フィルム4が基準位置H1か
ら、貼付ドラム52の回転方向に5mm前進した位置に
ズレたと測定された場合には、制御装置からの指示信号
によりマグネットテーブル47の回転駆動によって、缶
胴1(外径約53mm)が一時位置決めされた回転角度
から、時計方向に約11度程度、回転させられて位置決
めされる。また、貼付ドラム52の回転方向から逆方向
に5mm後退した位置にズレたと測定された場合には、
やはり制御装置からの指示信号により缶胴1が一時位置
決めさせられた回転角度から、反時計方向に約11度程
度、回転させられて最終的に位置決めされる。
【0131】マンドレル回転ステーションP1は、マン
ドレル16の公転方向において、領域G4よりも下流側
に配置されている。このマンドレル回転ステーションP
1には、マンドレル回転駆動装置73が設置され、マン
ドレル16が所定速度に加速されて回転駆動される。
【0132】すなわち、このマンドレル回転駆動装置7
3は、マンドレル16の缶胴1への挿入方向に対して基
端側となる外周面に接触されるベルト部材74を有し、
そのベルト部材74が張り渡された駆動プーリ75およ
び回転プーリ76とから構成され、この駆動プーリ75
はモータなどによって所定速度に回転駆動されている。
【0133】したがって、後述するように、マグネット
テーブル47に保持された缶胴1がマンドレル回転ステ
ーションP1の範囲内を通過する時には、ベルト部材7
4が缶胴1に接触されることなくマンドレル16の基端
側に接触され、マンドレル16のみが加速されて所定速
度に回転駆動される。また、マンドレル回転ステーショ
ンP1において、フィルムのズレ量を補正するために、
缶胴1の回転角度位置の修正が行なわれる。
【0134】なお、ベルト部材74は、厚さ1.3mm
で、缶胴1内に挿入されたマンドレル16の缶胴1外に
露出された部分に充分に接触できる幅を有しており、か
つその素材としては、シリコン系ゴム、フッ素系ゴム、
またはニトリル系ゴムなどの耐熱ゴムが用いられてい
る。
【0135】次に、フィルム貼付ステーションR1につ
いて説明すると、フィルム貼付ステーションR1は、マ
ンドレル16の公転方向において、マンドレル回転ステ
ーションP1よりも下流側に配置されており、このフィ
ルム貼付ステーションR1に、缶胴1が到達すると、後
述するように、この缶胴1の回転角度位置の修正による
フィルム貼着位置が補正されている缶胴1に対する外面
フィルム4の貼着が行なわれる。
【0136】最後に、缶胴排出ステーションS1には、
缶胴排出装置8が設置され、この缶胴排出装置8によっ
て、外面フィルム4が貼着された缶胴1が、缶胴移送装
置5から取り外されて、フィルム貼着装置A1から次工
程に送るために排出される。
【0137】すなわち、この缶胴排出装置8は、缶胴移
送装置5の回転と同期して回転駆動され、側面に設けら
れたポケットに缶胴1を収納するとともに、缶胴1の側
面を真空吸着することにより、マグネットテーブル47
の磁気的な吸引力に抗して缶胴移送装置5から引き取る
取り外しターレット78と、取り外しターレット78か
ら缶胴1を受け取って排出シュート79に投入する排出
ターレット80とから構成されている。
【0138】次に、上述した図1および図2に示すフィ
ルム貼着装置A1の動作、すなわち、フィルム貼着方法
を説明する。まず、缶胴供給ステーションK1において
は、インフィードスクリュー65によって缶胴1が1本
ずつ搬送されて、各缶胴1がインフィードターレット6
7の保持溝66により保持される。そして、インフィー
ドターレット67の反時計方向への回転に伴って、保持
溝66が回転軸67Aを中心とする円弧形状の軌跡で移
動し、各缶胴1が領域G2に向けて移送される。
【0139】一方、回転軸11と回転ターレット25と
が一体回転しており、ポケット部26が回転軸11を中
心とする真円形状の軌跡で移動している。したがって、
保持溝66により保持されている缶胴1が領域G2に進
入すると、缶胴1が保持溝16からポケット部26に受
け渡される。
【0140】また、回転軸11が時計方向に回転する
と、回転体14に取り付けられている各軸15も、回転
軸11を中心として時計方向に公転する。また、回転軸
11の回転に伴い、カムフォロワ21がカム溝23に沿
って転動するため、マンドレル16が軸15を中心とし
て揺動する。したがって、各マンドレル16は、時計方
向に公転し、かつ、回転体14の半径方向に変位し、結
果的に、図1に一点鎖線で示す環状の移動軌跡G1に沿
って各マンドレル16が公転する。
【0141】さらに、回転軸11と回転体29とが一体
回転しており、各軸32が中心線C1を中心として公転
している。また、回転軸11の回転にともない、カムフ
ォロワ35がカム溝37に沿って転動するため、カムフ
ォロワ軸34の揺動により軸32が回転し、その軸32
の回転により軸40が揺動し、マグネットテーブル47
が円周方向に移動し、かつ、回転軸11の半径方向に変
位する。ここで、各マンドレル16の中心線B1と各軸
40の中心線D3とが一直線上に配置され、各軸15の
中心線B2と各軸32の中心線D1とが一直線上に配置
され、各カムフォロワ軸20の中心線B3と各カムフォ
ロワ軸34の中心線D2とが一直線上に配置されてい
る。このため、回転軸11の回転に伴い、各マンドレル
16と各マグネットテーブル47とが、円周方向の位相
および半径方向の位置が一致した状態で同期して移動す
る。
【0142】そして、回転軸11の回転に伴い、マンド
レル16がマンドレル加熱ステーションJ1を通過する
際に、マンドレル16が加熱装置59により130度な
いし220度の範囲内で加熱された後、回転体14の回
転に伴って、マンドレル16およびマグネットテーブル
47が領域G2に進入する。すると、カム溝23,37
の形状に基づいて、マンドレル16およびマグネットテ
ーブル47が回転軸67Aを中心とする円弧状の軌跡で
公転する。すなわち、マンドレル16およびマグネット
テーブル47が回転軸11の半径方向の内側に移動す
る。さらに回転軸11の回転にともない、マンドレル1
6およびマグネットテーブル47が領域G2に進入する
と、マンドレル16およびマグネットテーブル47は、
回転軸11を中心とする円弧形状の軌跡で移動する。
【0143】マグネットテーブル47が領域G2に進入
した時点では、カム溝45の形状に基づいて、軸40お
よびマグネットテーブル47は、マンドレル16から最
も離れた位置(つまり待機位置)にあり、保持溝66に
保持されている缶胴1と、マグネットテーブル47のプ
レート50とが非接触の状態にあるが、マグネットテー
ブル47が領域G2に進入した後は、回転軸11の回転
にともない、カム溝45の軸線方向における形状に基づ
いて、軸40およびマグネットテーブル47が、マンド
レル16に近づく方向に移動する。すると、プレート5
0の端面50Aと、缶胴1の開口端3Bとが接触すると
ともに、各磁石49の磁気吸引力により缶胴1の開口端
3Bが吸着される。
【0144】ここで、各磁石49は、中心線D3,B1
を中心とする同一円周上に、円周方向に交互に、かつ、
偶数個配置されている。この場合、各磁石49の磁気力
により缶胴1は各磁石49の中心に引き寄せられるとと
もに、各磁石49は、N極とS極とが交互に並ぶように
配置されているため、N極から出た磁束がプレート50
を透過し、プレート50の上方を跨いでS極に入り、こ
の磁束と缶胴1に誘起される電流との相互作用である磁
力作用が生じ、缶胴1が各磁石49の中心に引き寄せら
れる。このように、磁気力と磁力作用が複合的に作用す
ることにより、缶胴1がプレート50の端面50Aに沿
って滑動し、缶胴1がその半径方向に位置決めされる。
このようにして、缶胴1の中心線F1とマンドレル16
の中心線B1とが一直線上に保持させられる。
【0145】ついで、カム溝45の形状に基づいて、マ
グネットテーブル47がマンドレル16に近づく方向に
さらに移動して、缶胴1の内部にマンドレル16が挿入
される。なお、缶胴1の内部にマンドレル16が挿入さ
れても、マンドレル16の先端16aと、プレート50
の端面50Aとが接触することはない。その後、マンド
レル16およびマグネットテーブル47が、マンドレル
回転ステーションP1に対応する領域G3に進入する。
すると、カム溝23,37の形状に基づいて、マンドレ
ル16およびマグネットテーブル47が回転軸11を中
心として公転する。つまり、マンドレル16およびマグ
ネットテーブル47が、回転軸11の半径方向の外側に
変位する。
【0146】前記のように、缶胴1の内部にマンドレル
16が挿入されると、マンドレル16の熱が缶胴1に伝
達されるが、マンドレル16の外径が缶胴1の内径より
若干小さく設定されているので、マンドレル16の熱を
維持することができる。すなわち、マンドレル16の外
径の方が缶胴1の内径よりも2.0ないし4.0mm小
さく設定されているので、マンドレル16の外周面と缶
胴1の内周面との隙間が確保され、マンドレル16から
缶胴1への熱伝達量が低減されている。また、後述する
ようにマンドレル回転ステーションP1では、缶胴1を
マグネットテーブル47によって保持しながら、マンド
レル16のみを所定速度に回転できるようにしている。
【0147】そして、缶胴1が領域G3に進入すると、
マグネットテーブル47の時計方向への回転が開始さ
れ、マグネットテーブル47に吸着保持された缶胴1が
同様に回転される。この際には、缶胴1が領域G3の範
囲を通過するまでに、本例では例えば、毎分430回転
するように高速に回転駆動される。このため、缶胴加熱
ステーションL1に設けられた加熱装置69よって、缶
胴1の外周面が均一に、例えば、120度から160度
の範囲内の温度となるように加熱される。
【0148】次に、缶胴1が領域G4に進むと、まず缶
胴1は領域G5に到達するまでの時間内に充分に位置決
め精度が確保できる程度の回転速度に減速されて回転駆
動され、継目センサ71によって回転されている缶胴1
の継目部2の検出が開始される。
【0149】そして、この検出結果を用いて、缶胴1の
回転角度が、一時位置決めの角度位置に停止される。す
なわち、一時位置決め位置からフィルム貼付ステーショ
ンR1において外面フィルム4の先端部が缶胴1に接触
するまでの間の移動中に、缶胴1が公転によって回転さ
せられる角度を勘案して、フィルム貼付ステーションR
1において継目部2に外面フィルム4の先端部が丁度接
触するようになる缶胴1の回転角度を予め計算して制御
装置に入力しておき、継目センサ71によって缶胴1の
継目部2が検出された時点から、例えば、0.1秒後の
ように、缶胴1の回転速度に応じた所定の時間が経過し
た時点で、マグネットテーブル47による缶胴1の回転
駆動が停止させられる。
【0150】そして、一時位置決め確認センサ72によ
って、缶胴1が一時位置決め角度位置に停止されている
ことが確認されると、上記の貼付ドラム52側の外面フ
ィルム4の位置ズレ量に基づいた缶胴1の角度位置の修
正(補正)処理が行なわれる。
【0151】すなわち、缶胴1が領域G5に進むと、貼
付ドラム52上の外面フィルム4の計測された位置が基
準位置H1よりも回転方向に前進している場合には、そ
の前進量に応じた角度だけ、缶胴1が時計方向に回転駆
動される一方、回転方向と逆方向に後退している場合に
は、その後退量に応じた角度だけ、缶胴1が反時計方向
に回転駆動される。例えば、本例のように外径が約53
mmの缶胴1を用いて、外面フィルム4が基準位置H1
から5mm程度離れた場合には、これに応じた約11度
程度の角度補正が行なわれる。
【0152】これと同時に、マンドレル回転ステーショ
ンP1では、マンドレル16の移動軌跡G1の外側から
ベルト74がマンドレル16に押し付けられており、マ
ンドレル16の外面に密着させられる。そして、このベ
ルト74の走行によって、マンドレル16が、その外周
面の周速度を貼付ドラム52の外周面の周速度に一致す
る回転速度となるように加速され回転駆動される。
【0153】このようにして、缶胴1がマンドレル回転
ステーションP1を通過した後、マンドレル16および
マグネットテーブル47が、フィルム貼着ステーション
J1に対応する領域G6に進入すると、カム溝23,3
7の形状に基づいて、マンドレル16およびマグネット
テーブル47が、回転軸52Aを中心とする移動軌跡で
移動する。
【0154】そして、フィルム貼着ステーションJ1で
は、貼付ドラム52の外周面が缶胴1の外面に押し付け
られ、磁石49の磁気吸着力に抗して、貼付ドラム52
が缶胴1をその半径方向にマンドレル16に接触するま
で平行移動させる。このため、補正された角度位置に停
止されていた缶胴1が、缶胴1の外周の周速度が貼付ド
ラム52の外周の周速度となるように回転される。すな
わち、缶胴1の内周がマンドレル16の外周に接触さ
れ、マンドレル16の回転速度で缶胴1が回転駆動され
る。これと同時に、貼付ドラム52の外周に静電吸着さ
れている外面フィルム4が缶胴1の外周面に巻き付けら
れて、缶胴1の熱により缶胴1に外面フィルム4が接着
される。
【0155】なお、この際に、回転駆動手段としてのサ
ーボモータがマグネットテーブル47に接続されている
場合には、このサーボモータが少なくともマグネットテ
ーブル47に回転駆動力を付与させないとともに、マグ
ネットテーブル47の回転負荷とならないフリーラン状
態に制御され、マンドレル16による缶胴1の加速およ
び回転駆動に影響を与えないようにしている。
【0156】そして、上述したように、外面フィルム4
の位置ズレ量に応じた缶胴1の角度位置の補正が行なわ
れているので、外面フィルム4の送り方向の先端部4a
と終端部4bとを、缶胴1の外周面の継目部2を基準と
して高精度に位置させることができる。
【0157】また、この際には、マンドレル16が缶胴
1の内周面に接触させられ、マンドレル16の回転によ
って缶胴1を所定の回転速度に加速していることによ
り、缶胴1の外周面と貼付ドラム52の外周面との周速
度差が減少され、両者1,52間に滑りが生じることが
抑制される。
【0158】したがって、このような速度差によって、
外面フィルム4が周方向に部分的に伸展されて缶胴1に
貼着され、外面フィルム4の図案や装飾デザインが歪ん
でしまうことが防止されるとともに、缶胴1の外周に貼
付ドラム52による押圧力が常にその中心方向に加わる
ことになり、外面フィルム4にしわが生じたり、外面フ
ィルム4が中途半端に貼着されたりすることが回避され
る。また、同時に、マンドレル16自体も、外面フィル
ム4の接着にマイナスの影響を与えない温度に加温され
ているので、外面フィルム4の接着品質の向上を図るこ
とができる。これらの結果、缶胴1に貼着された外面フ
ィルム4として高い品質を確保することが可能となる。
【0159】そして、外面フィルム4を缶胴1の外面に
貼り付ける工程が完了し、貼付ドラム52からの押圧が
解除された後には、缶胴1が再び各磁石49の磁気力と
磁力作用によって、缶胴1の半径方向に自動的に位置決
めされ、マンドレル16に非接触な状態でマグネットテ
ーブル47に保持される。
【0160】したがって、缶胴1に外面フィルム4を貼
着する期間にのみ、マンドレル16が缶胴1の内周面と
接触し、しかも、フィルム貼着する期間の前後に、予め
缶胴1内に配置されているマンドレル16が缶胴1に対
してその径方向に相対移動させられる構成とされている
ので、マンドレル16によって缶胴1の内周面が傷付け
られることを防止することができる。
【0161】特に、フィルム貼着時には、缶胴1自体が
フィルムを熱接着するために高温に保たれていることか
ら、この缶胴1の内周面が熱可塑性樹脂被膜によって被
覆されている場合には、この被膜は損傷を受けやすい状
態となるが、本例によれば、上記のようにマンドレル1
6を缶胴1に接触することを、フィルム貼着するための
必要最小限の期間に限定した構成としているので、内面
被膜の損傷を回避することができる。
【0162】また、フィルム貼着の実行時以外は、マン
ドレル16が缶胴1と非接触の状態になるようにした構
成により、缶胴1に影響を与えることなく、缶胴1内に
マンドレル16を挿入および退避させる動作の迅速化を
図ることができるとともに、マンドレル16自体の損耗
を抑制することができる。
【0163】以上の結果、缶胴1の内面品質を維持した
まま、フィルム貼着装置としての高速動作化を図ること
ができ、高速な製缶工程に対応することが可能となる。
【0164】さらに、フィルム貼着時以外には、常に、
缶胴1の一方の開口端部のみが保持され、缶胴1の内外
周面が外部に開放された状態とされているので、良好に
缶胴1を加熱したり、自然冷却したりすることができ
る。すなわち、例えば、フィルム貼着後には、缶胴1に
マンドレル16を接触させない状態となるので、特に冷
却手段を設けることなく、缶胴1が移動させられたり、
マンドレル6が退出されたりすることに伴う空気流など
による自然冷却のみでも、缶胴1を充分に冷却させるこ
とが可能となる。このため、缶胴1の温度制御を確実か
つ容易に行なえるので、この缶胴1に対する外面フィル
ム4の熱接着性を向上させすることができる。
【0165】そして、マンドレル16およびマグネット
テーブル47が領域G6を通過して領域G7に進入する
と、マンドレル16およびマグネットテーブル47は、
カム溝23,37の形状に基づいて、回転軸11を中心
とする円弧状の軌跡で移動する。また、マンドレル16
およびマグネットテーブル47は、缶胴排出ステーショ
ンS1に到達する以前に、カム溝45の形状に基づいて
軸40およびマグネットテーブル47が、中心線方向
に、かつ、マンドレル16から離れる方向に移動させら
れ、缶胴1の内部から非接触状態を維持したままマンド
レル16が抜き出される。
【0166】そして、缶胴排出装置8によって、マグネ
ットテーブル47から缶胴1が取り外され、その缶胴1
は次工程に搬送するために、排出シュート79に投入さ
れる。なお、缶胴1が取り外されたマグネットテーブル
47は、加熱ステーションJ1に進む前に、前記待機位
置に復帰する。
【0167】以上のように、この実施例によれば、缶胴
の外周面の所定箇所が所定の方向に向いていない場合で
も、缶胴の特徴箇所を検出することによって、その缶胴
の回転角度を缶胴の所定箇所が貼着されるフィルムの端
部に接触する回転角度に設定しているので、缶胴の外周
面における周方向のフィルム貼着位置が安定して常に一
定の位置に確保され、本フィルム貼着装置に缶胴を高速
で次々と供給してフィルム貼着処理を行なうことができ
る。
【0168】すなわち、このフィルム貼着装置に、その
周方向の向きがランダムな缶胴が供給されても、その缶
胴の向きを所定位置に揃えて、フィルム貼着処理を行な
うことができ、その缶胴の向きに拘わらず、フィルムの
貼着位置を一定に確保することができることになる。
【0169】また、缶胴の外周面の周長さよりも長いフ
ィルムを貼着する場合には、この缶胴の継目部にフィル
ムの周方向の先端部と後端部とを重ね合わせた重合部を
略一致させて貼着することができるので、この重合部に
よって継目部を覆うことによって継目部を外部から目立
たなくさせることができる。また、缶胴に対して、フィ
ルムの周方向の略中央部が継目部の反対側に位置され、
継目部がフィルムによって隠されることにより、このフ
ィルムの略中央部に装飾デザインの重要部が位置してい
る場合には、この重要部による装飾性を充分に発揮させ
て見栄えを向上できるので、フィルムが貼着された最終
的な製品形態としての商品価値を高めることができる。
【0170】さらに、外周に缶胴の保持手段が多数個設
置されている回転体を所定速度で回転駆動させ、これに
対応して外周面に貼着されるフィルムを周方向に所定間
隔で配列して保持した貼付けドラムを連係させて回転駆
動させて、缶胴を移動させながらフィルムを貼着してい
ることにより、移動される缶胴間の間隔が短縮化される
とともに、缶胴の移動速度を高めることができるので、
これらの缶胴へのフィルムの貼着処理を短時間に多数行
なえることになり、高速かつ連続的に多数の缶胴の外面
にフィルムを貼着することができる。
【0171】また、これに加えて、貼付けドラムが高速
度に回転駆動され、そのために、貼付けドラム上で外面
フィルムの位置ズレが発生しても、適正にフィルム貼着
を行なうことができるので、高速製缶に対応することが
可能になる。すなわち、予め定められた範囲内の貼付け
ドラム上の外面フィルムの位置ズレを許容しながら、フ
ィルム貼着処理が可能となる。この結果、フィルムの送
り速度を高めても、つまりフィルム貼着装置としての処
理速度を高めても、缶胴に対するフィルム貼着位置を十
分な精度で確保することができるので、毎分、数百缶を
処理する高速製缶工程に対応することが可能となる。
【0172】また、缶胴の外周にフィルム貼着する際に
は、予め所定の回転速度に回転されたマンドレルによっ
て、缶胴の外周の周速度を貼付けドラムの外周の周速度
に一致させるように缶胴を自転させて、両者間の相対速
度差を減殺していることにより、両者を接触させた場合
には、静止した対象面にフィルムを貼着していくのと同
様に安定した接着条件が確保されるので、高品位なフィ
ルムの接着品質を得ることができる。
【0173】さらにまた、この実施例によれば、マンド
レルの外周半径が缶胴の内周半径よりも2.0mm以下
に小さく設定されていることにより、缶胴とマンドレル
とが接触する際には、缶胴とマンドレルとの半径方向の
相対移動量が2.0mm以下と少なくなるので、缶胴の
内面とマンドレルとが接触する際の衝撃が緩和され、缶
胴自体やその内面の損傷を防止することができるととも
に、高速動作に対応することができる。
【0174】なお、上記実施例においては、缶胴として
3ピース缶用のもの、すなわち、両端が開口された円筒
形状の缶胴を例として説明したが、2ピース缶用の缶
胴、すなわち、一端が開口され、他端には円筒部に連続
する底部を有する有底円筒形状の缶胴を用いることもで
きる。この2ピース用の缶胴を用いる場合、その缶胴の
底部をマグネットテーブル側に向けた状態で、缶胴供給
ステーションG1に缶胴が供給されることになる。
【0175】また、上記実施例においては、マグネット
テーブルの磁気的な吸着力を用いて缶胴の開口端部を保
持した構成としたが、これに限らず、真空吸着装置(図
示せず)により、缶胴を保持し、かつ、缶胴の中心線と
マンドレルの中心線とを一致させるように構成すること
もできる。したがって、この真空吸着装置を採用した場
合には、缶胴の材料が、磁性材料または非磁性材料のい
ずれであっても、缶胴1の保持および半径方向の位置決
めをおこなうことができ、適用範囲を広げることができ
る。また、磁石による定常的に働く磁気的な吸着力を用
いた構成に比べて、真空吸着装置の動作を停止すれば、
缶胴の吸着を任意に解除することができるので、解除動
作の迅速化を図ることができる。
【0176】なお、上記実施例では、缶胴を回転駆動さ
せる手段としてサーボモータを使用したが、インバータ
ーモータ等のブレーキ付きモータでも使用可能である。
【0177】また、上記実施例においては、マンドレル
が中心線方向に固定される一方、マグネットテーブルが
中心線方向に往復動して、マンドレルを缶胴内にセット
される構成としたが、これに加えて、マンドレルを中心
線方向に移動する構成を採用することもできる。したが
って、この構成によれば、各部材が分担する移動距離が
減少されるので、両部材が同時に移動するようにすれ
ば、マンドレルを缶胴内にセットさせる動作時間が短縮
化され、フィルム貼着装置として処理速度の高速化を促
進することができる。
【0178】さらに、缶胴の外周面に現れた継目部を検
出して、缶胴の回転角度を検出し缶胴を所定の回転角度
に向けるように構成したが、これに限られることなく、
予め缶胴に付けられたマークや、缶胴の外形状に基づ
き、缶胴の回転角度を設定するようにしてよい。すなわ
ち、缶胴の軸方向に直交した横断面形状が、円形状では
なく、異形状とされた場合には、缶胴の回転に伴う検出
結果が周期的に変化することから、缶胴の回転角度位置
を判別して、所定の回転角度位置に缶胴を停止させるこ
とができる。
【0179】また、継目センサが用いる検出方式とし
て、変位を検出する方式を用いたが、磁気的な検出方式
を用いてもよい。
【0180】例えば、缶胴の外周面における周方向の一
部分に厚さが異なる偏肉部分を形成して、この厚さの変
化によって磁束の通過状態が変動することにより、この
偏肉部分の箇所を磁気的に検出するようにしてもよい。
すなわち、この場合には、偏肉部分以外の外周部分は、
常に同様な一定の磁気的な検出結果が得られる一方、偏
肉部では、これと異なる磁気的な検出結果が得られるの
で、偏肉部分があることと検出することができる。した
がって、缶胴の外表面に変位された部分が現われなくて
も、缶胴の回転角度位置を検出することができるので、
本例のフィルム貼着装置が処理できる缶胴の種類を広げ
ることができる。
【0181】また、上記実施例では、1つの缶体保持手
段に対して1つの継目センサを配置したが、継目センサ
を一時位置決めステーションM1に沿って多数配置し
(缶胴1の搬送軌跡の片側または両側)、缶胴1を僅か
ずつ回転させながら移動させて缶胴1の継目部を検出す
るようにしてもよい。この場合、継目部を検出された缶
胴1がどの継目センサによって検出されたかによって、
検出後に缶胴1を回転させる回転角度が異なってくる。
各継目センサが缶胴1の継目部を検出した場合、缶胴1
をその位置から何度回転させれば、フィルム貼付ステー
ションR1において、フィルム先端が缶胴1の継目部と
接触するようになるかを予め計算して、必要な回転角度
を設定しておけばよい。
【0182】またさらに、フィルム位置検出手段が用い
る検出方式として、カメラによる光学的な検出方式を用
いて、フィルムの端部を検出するように構成したが、フ
ィルムに施された装飾デザインなどのその他のフィルム
の特徴箇所を検出するように構成してもよい。
【0183】ここで、実施形態の構成とこの発明の構成
との対応関係を説明すれば、缶胴1がこの発明の缶体に
相当し、継目部2がこの発明の缶体の特徴箇所に相当
し、外面フィルム4がこの発明のフィルムに相当し、先
端部4aがこの発明のフィルムの端部に相当し、缶胴移
送装置5がこの発明の缶体移送手段に相当し、貼付ドラ
ム装置6がこの発明のフィルム移送手段に相当し、マン
ドレル16がこの発明のマンドレルに相当し、保持手段
28がこの発明の缶体保持手段に相当し、マグネットテ
ーブル47がこの発明の吸着手段に相当し、フィルム位
置検出カメラ57及び図示されていない制御装置がこの
発明のフィルム位置検出手段に相当し、継目センサ71
がこの発明の検出手段に相当し、フィルム貼着装置A1
がこの発明のフィルム貼着装置に相当し、基準位置H1
がこの発明の予め設定したフィルムの位置に相当し、軌
跡G1がこの発明の所定の軌跡に相当する。
【0184】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、缶体の外周面の所定箇所が所定の方向に向いて
いない回転角度の場合でも、缶体の特徴箇所を検出する
ことによって、その缶体の回転角度を缶体の所定箇所が
フィルムの端部に接触する回転角度に設定するようにし
ているので、缶体の外周面における周方向のフィルム貼
着位置を安定して常に一定に確保することができ、高速
で次々と供給された缶体に対しても安定したフィルム貼
着処理を行なうことができる。
【0185】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
と同様の効果を得られる他に、缶体を回転させながら缶
体の特徴箇所を検出し、かつこの検出位置から所定回転
角度回転させた時点で缶体の回転を停止させるようにし
たので、缶体の外周面の所定箇所を所定の向きにするこ
とが容易に、しかも迅速にできる結果、高速でフィルム
を缶体に貼着させることが可能となる。
【0186】請求項3の発明によれば、請求項1または
2の発明と同様の効果を得られる他に、フィルムの移動
の途中の時点でフィルムの位置を検出し、検出したフィ
ルムの位置と予め設定したフィルムの位置との変位量
(ズレ量)を算出して、変位量が存在した場合には、前
記変位量分だけ更に缶体を回転させることにより前記缶
体とフィルムとの位置合わせを行なうので、フィルムの
送り速度を速くしてより高速でフィルム貼着を行なうこ
とが可能になると共にフィルムの貼着位置を常に一定範
囲内に納めたフィルム貼着作業を行なうことができる。
【0187】請求項4の発明によれば、缶体保持手段に
供給される缶体の外周面の所定箇所が常に一定の方向に
向いていなくとも、缶体を回転させながらその缶体の特
徴箇所を検出し、特徴箇所から所定角度となる位置でそ
の缶体の回転を停止させているので、フィルムの端部と
缶体の所定箇所とが常に位置合わせされることになり、
フィルムの端部が缶体の所定箇所に必ず接触するように
貼着できると共に高速でのフィルム貼着作業が可能とな
る。
【0188】請求項5の発明によれば、請求項4の発明
と同様の効果を得られる他に、フィルム位置を検出し
て、予め設定したフィルム位置との変位量(ズレ量)を
算出し、その算出値に基づいて缶体の所定箇所とフィル
ムの端部との位置を合わせるために必要な缶体の回転角
度を算出し、回転駆動手段に算出値分だけ缶体を回転さ
せる信号を発信するフィルム位置検出手段を備えている
ので、フィルムがフィルム移送手段に供給される際に、
フィルムの位置が回転体の外周方向で前後に少しズレが
発生したとしても、このズレを修正することができ、缶
体の所定箇所とフィルムの端部との位置合わせが確実に
実施できると共に、フィルムをフィルム移送手段に供給
する速度を速くできるので、より高速でのフィルム貼着
作業が可能となる。
【0189】請求項6の発明によれば、請求項4または
5の発明と同様の効果を得られる他に、缶体を吸着保持
しながら各缶体を個々に直接回転させることができるの
で、各缶体の回転開始と回転停止とが寸時に行える結
果、缶体とフィルムとの位置合わせがより正確であり、
しかもより高速でのフィルム貼着作業が実施できる。
【0190】請求項7の発明によれば、請求項6の発明
と同様の効果を得られる他に、各缶体の特徴箇所を検出
する手段と缶体を回転駆動させる回転駆動手段とを、各
缶体保持手段に対して1つずつ配置してあるので、缶体
を高速移動させながら各缶体の特徴箇所を検出し、各缶
体の所定箇所とフィルムの端部との位置合わせを行なう
ことができる結果、缶体への高速なフィルム貼着が可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例におけるフィルム貼着装置
の全体構成を示す正面図である。
【図2】 この実施例における缶胴移送装置の要部を示
す断面図である。
【図3】 本実施例のフィルムが貼着された状態の缶胴
を示す斜視図である。
【図4】 本例のマグネットテーブルの磁石の配置を説
明する図2中のIV−IV方向矢視の断面図である。
【図5】 本例の貼付けドラムの外周面に保持されたフ
ィルムの位置ズレ状態を説明し、(a)は、フィルムが
適正位置にある状態を示す説明図であり、(b)は、フ
ィルムが適正位置から先行した位置にある状態を示す説
明図であり、(c)は、フィルムが適正位置から遅れた
位置にある状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1…缶胴、 2…継目部、 3A…マンドレル側の開口
端、 3B…被保持される開口端、 4…外面フィル
ム、 5…缶胴移送装置、 6…貼付ドラム装置、 7
…缶胴供給装置、 8…缶胴排出装置、 9…フィルム
供給装置、 14…マンドレル用の回転体、 16…マ
ンドレル、 28…缶胴の保持手段、 29…保持手段
用の回転体、 47…マグネットテーブル、 49…磁
石、 52…貼付ドラム、 57…フィルム位置検出カ
メラ、 69…缶胴の加熱装置、71…継目センサ、
A1…フィルム貼着装置、 F1,B1…中心線、 G
1…移動軌跡。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65D 25/34 B65D 25/34 B // B29K 105:22 B29K 105:22 B29L 22:00 B29L 22:00 (72)発明者 荒井 俊夫 神奈川県相模原市西橋本5丁目5番1号 大和製罐株式会社技術開発センター内 (72)発明者 松本 武浩 大阪府堺市高尾2丁500番地の1 新日本 工機株式会社信太山工場内 Fターム(参考) 3E062 AA04 AC03 BB06 BB10 JA04 JA08 JB04 JC02 3E095 AA08 BA02 CA01 DA03 DA33 DA42 DA55 DA83 EA02 EA03 EA22 EA23 EA26 EA33 FA02 FA12 FA30 4F211 AC03 AD03 AD12 AG03 AG07 AH55 AP06 SA04 SC01 SD01 SJ06 SJ11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 缶体を所定の軌跡に沿って移動させると
    ともに、接着面を備えたフィルムを前記缶体の移動に連
    係させて移動させ、前記フィルムの端部を缶体の所定箇
    所に接触させて、缶体の外周面の周方向の所定の位置に
    フィルムを貼着させる缶体へのフィルム貼着方法におい
    て、 前記缶体における任意箇所を特徴箇所として検出し、こ
    の検出した位置と予め設定された位置との角度差分だけ
    缶体を回転させて、 前記フィルムの端部が缶体の前記所定箇所に接触するよ
    うにしたことを特徴とする缶体へのフィルム貼着方法。
  2. 【請求項2】 前記缶体の特徴箇所の検出とその後の缶
    体の回転までの工程を、前記缶体を回転させながら前記
    特徴箇所の検出を行い、かつ前記検出位置から前記角度
    差分回転させた時点で前記缶体の回転を停止させること
    により行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載
    の缶体へのフィルム貼着方法。
  3. 【請求項3】 前記フィルムの移動の途中の時点でのフ
    ィルムの位置を検出し、検出した前記フィルムの位置と
    予め設定したフィルムの位置との変位量を算出して、 前記変位量が存在した場合には、前記缶体の特徴箇所を
    検出して検出した位置と予め設定された位置との角度差
    分だけ缶体を回転させた後に、前記変位量分だけ更に缶
    体を回転させることにより、前記缶体とフィルムとの位
    置合わせを行うことを特徴とする請求項1または2記載
    の缶体へのフィルム貼着方法。
  4. 【請求項4】 回転体の回転軸と平行な回転軸を有する
    と共に缶体を保持する缶体保持手段が、前記回転体の外
    周に沿って所定間隔で複数個配置されており、前記回転
    体の回転に伴って所定の軌跡に沿って前記缶体を移送す
    る缶体移送手段と、 接着面を備えたフィルムを前記缶体の移動に連係させて
    移動させるフィルム移送手段とを備え、前記フィルムの
    端部を前記缶体の所定箇所に接触させて、前記缶体を回
    転させながら、前記缶体の外周面の周方向における所定
    の位置にフィルムを貼着する缶体へのフィルム貼着装置
    において、 前記缶体保持手段により保持されて移送される缶体を、
    その周方向に回転させる回転駆動手段と、 前記回転駆動手段によって移動途中の前記缶体を回転さ
    せ、回転する缶体の特徴箇所を検出し、検出信号を発信
    する検出手段と、 前記検出手段からの前記検出信号を受信して前記缶体の
    回転を所定位置で停止させる制御手段とを備えているこ
    とを特徴とする缶体へのフィルム貼着装置。
  5. 【請求項5】 フィルム移送手段が、フィルムを回転体
    の外周面に吸着させながら移動させる移送手段であり、 前記フィルム移送手段の前記回転体外周面上を移送され
    るフィルムの位置を検出して、予め設定したフィルム位
    置との変位量を算出し、その算出値に基づいて前記缶体
    の前記所定箇所と前記フィルムの端部との位置を合わせ
    るために必要な缶体の回転角度を算出し、前記回転駆動
    手段に算出値分だけ缶体を回転させる信号を発信するフ
    ィルム位置検出手段とを備えていることを特徴とする請
    求項4に記載の缶体へのフィルム貼着装置。
  6. 【請求項6】 缶体保持手段が、缶体内に挿入されるマ
    ンドレルと缶体を吸着して保持する吸着手段とから構成
    されており、 回転駆動手段が前記吸着手段にそれぞれ連結されている
    サーボモーターであることを特徴とする請求項4または
    5に記載の缶体へのフィルム貼着装置。
  7. 【請求項7】 缶体の特徴箇所を検出する検出手段が、
    各缶体保持手段の近傍位置にそれぞれ配置されているこ
    とを特徴とする請求項6に記載の缶体へのフィルム貼着
    装置。
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