JP3365907B2 - フイルム貼着装置とその装置における缶体加熱方法 - Google Patents

フイルム貼着装置とその装置における缶体加熱方法

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JP3365907B2 JP17558496A JP17558496A JP3365907B2 JP 3365907 B2 JP3365907 B2 JP 3365907B2 JP 17558496 A JP17558496 A JP 17558496A JP 17558496 A JP17558496 A JP 17558496A JP 3365907 B2 JP3365907 B2 JP 3365907B2
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真弘 山口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、金属製缶体の外
面にフイルムを熱接着するための装置およびその装置に
おける缶体の加熱方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属板から絞りしごき加工や2回以上の
絞り加工により缶胴と缶底とが一体的に成形されるツー
ピース缶では、その缶胴に所望の模様や文字などを印刷
する場合、円筒状に成形された金属製の缶胴に対して印
刷を施すことになりグラビア印刷などを直接施すことが
困難であることから、通常、オフセット印刷により模様
や文字の印刷が行われており、さらに、そのような印刷
層を保護するために、その上にオーバーコート層が設け
られている。
【0003】ところが、オフセット印刷では、共通のブ
ランケットにより全ての色のインクを塗布し、また、各
色のインクが重ならないように塗布することから、その
色数や色調に限界があるため、消費動向やニーズの変化
による製品の多様化によって一層美麗な外観が要求され
た場合の対応が困難である。
【0004】そこで、このような要求に応えるべく、金
属缶胴に直接印刷して得られる缶体に替わるものとし
て、金属缶胴の外面に、予め模様や文字の印刷が行われ
たポリエステルなどの熱可塑性樹脂フイルム(加飾フイ
ルム)を貼着して作られる缶体が種々提案されている。
その加飾フイルムは、オフセット印刷に加えてグラビア
印刷、フレキソ印刷などの印刷法を選択することが可能
であり、装飾的効果が高く、印刷品質がかなり良く、ま
た連続した長尺状のフイルムに印刷が行われるので高速
印刷が期待できるなど、従来の金属缶胴に直接印刷する
ドライオフセット印刷にない有利な点を備えている。
【0005】そのように予め模様や文字が印刷された加
飾フイルムを金属缶胴面に熱接着したフイルム貼着缶体
は、一般的に、長尺状のフイルムから所定寸法に切断さ
れたフイルムを加熱された缶胴面に巻き付けて加熱圧着
されて製造される。
【0006】また、フイルム貼着装置としては、加飾フ
イルムを所定寸法に切断する切断手段と、缶体を保持す
るマンドレルと、加熱された金属缶体の缶胴面に加飾フ
イルムを巻き付ける貼着手段とを備え、そのマンドレル
の内部に缶体加熱手段が配置されているのが一般的であ
る。その一例が、特開平3−230940号公報や特開
平8−1778号公報に記載されている。
【0007】この特開平3−230940号公報に記載
された発明は、加熱手段として、金属缶が嵌着されるマ
ンドレル自身に、螺旋状の電磁誘導コイルを備えて、マ
ンドレルに嵌着される金属缶体の缶胴部を誘導加熱し、
所定温度に加熱された金属缶胴面にフイルムを押圧して
加熱接着するよう構成されている。
【0008】また、特開平8−1778号公報に記載さ
れた発明は、電熱ヒータをマンドレルに内蔵し、缶体を
マンドレルの壁部を介して加熱し、その後、缶体に加飾
フイルムを加熱圧着するように構成されている。
【0009】したがって、上記従来の発明によれば、マ
ンドレルに嵌着された金属缶体を、各マンドレルに備え
た電磁誘導加熱コイルや電熱ヒータなどの加熱手段によ
ってその内側から加熱されることになるので、その金属
缶体がマンドレルに嵌着されてからフイルム貼着位置に
搬送される間に缶胴の外面をフイルム接着可能な温度ま
で加熱昇温させることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
特開平3−230940号公報に記載された発明では、
マンドレルに金属缶体を嵌着させるのに邪魔にならない
ように、電磁誘導加熱コイルをマンドレルの内部に埋め
込んだ状態に設ける必要があり、また、マンドレルがタ
ーレットなどに取り付けられて旋回すると同時に、自転
させる必要があることから、固定側の電源からこのよう
な運動を行うマンドレル内部の電磁誘導加熱コイルに電
力を供給するため、複雑な給電機構が必要となり、マン
ドレルの構造が複雑になってしまう。さらに、移動する
電磁誘導加熱コイルに冷却水を通すことも難しく、電磁
誘導加熱コイルが過加熱状態となる高い電力を供給する
ことができず、高速生産が期待できない。
【0011】また、後者の特開平8−1778号公報に
記載された発明では、マンドレルの壁部を介した熱伝達
によって缶体を加熱する構成であるから、缶体の温度制
御の熱応答性に劣り、缶体の加熱およびそれに続くフイ
ルムの貼着工程を高速化しにくいなどの不都合がある。
また固定側の電源から移動側の電熱ヒータに電力を供給
する給電機構が必要となり、前者同様にマンドレルの構
造が複雑となる。さらに移動による振動などで断線した
り、電熱ヒータが損傷したりし易く信頼性の面で難点が
ある。
【0012】そして上記いずれの発明においても、マン
ドレルに嵌着した缶体の加熱昇温を行うことができると
しても、温度制御を積極的に行うように構成されておら
ず、また、フイルムの貼着強度にばらつきが生じ、ひい
てはフイルムの剥離が後工程で生じたり、あるいはネッ
クイン加工時にフイルムにシワが発生するなどのおそれ
が多分にあった。
【0013】この発明は、上記の事情を背景としてなさ
れたものであり、自転かつ公転するマンドレルに嵌着し
た缶体の加熱昇温を簡単な構造で正確かつ迅速に行うこ
とができ、高速生産に適したフイルム貼着装置およびそ
の装置での缶体加熱方法を提供することを目的とするも
のである。
【0014】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、請求項1に記載した発明は、自転
可能なマンドレルを互いに一定間隔を維持して周囲に多
数備え、マンドレルを巡回経路に沿って一方向に連続し
て移動させる搬送手段と、マンドレルの巡回経路の所定
位置から外周側へ延びて配置され、前記マンドレルの軸
線上に缶体を供給する供給手段と、前記マンドレルの軸
線延長上に供給された缶体を、マンドレルの所定の位置
に位置決めさせてマンドレル上に嵌着させる嵌着手段
と、前記マンドレルに嵌着された缶体をその外側から誘
導加熱する缶体加熱手段と、前記缶体加熱手段のマンド
レル巡回方向での下流側で、かつ巡回経路の半径方向の
外側に配置され、マンドレルの巡回と同期して自転する
貼着ロールに、予め所定長さに切断された加飾フイルム
を吸着保持し、巡回中の缶体の缶胴面に加飾フイルムを
貼着させる貼着手段とを備えたフイルム貼着装置であっ
て、前記マンドレルの外表面が導電性の外皮部材で構成
され、マンドレルの巡回経路に沿って、前記供給手段の
マンドレル巡回方向での上流側に、マンドレルの前記外
皮部材を誘導加熱するマンドレル加熱手段が配置されて
いることを特徴とするものである。
【0015】したがって請求項1に記載した発明によれ
ば、搬送手段によって所定の半径の円周上を巡回させら
れているマンドレルに対して供給手段によって缶体が供
給される。このマンドレルは、外表面が導電性の部材で
形成されており、前記供給手段の前段位置で、マンドレ
ル加熱手段で加熱昇温される。このようにして外表面が
昇温されたマンドレルに対して嵌着手段によって缶体が
嵌着させられる。その状態で缶体がマンドレルと共に自
転し、かつ巡回する間に缶体加熱手段によって缶体がそ
の外側から誘導加熱される。したがって缶体はマンドレ
ルから熱伝達によって加熱され、かつ外側から誘導加熱
されることになる。所定温度まで昇温された缶体に対し
て、貼着ロールによって保持された加飾フイルムが押し
付けられ、缶体の外面に熱接着される。
【0016】また請求項2に記載された発明は、請求項
1に記載した構成に加えて、前記マンドレルが、中心に
空気孔を有する軸の回りに回転可能に軸支された非導電
性のマンドレル本体と、マンドレル本体の外周面に一体
に設けられた導電性の前記外皮部材とによって構成され
ていることを特徴とするものである。
【0017】したがって請求項2の発明では、マンドレ
ルに形成された空気孔を介して缶体の内部に空気を供給
し、また缶体の内部から空気を排出できるので、マンド
レルに対する缶体の嵌着および取り外しが容易になる。
またマンドレルは、外周側のいわゆる外皮部分のみが誘
導加熱される構成であり、しかもその部分の熱容量が金
属無垢のマンドレルよりも小さいから、マンドレルの熱
応答性が良好になり、その温度制御が容易かつ正確にな
る。
【0018】さらに請求項3に記載された発明は、請求
項1もしくは請求項2に記載した構成に加え、前記缶体
加熱手段が、缶体の周速を貼着ロールの周速とほぼ同一
にするようマンドレルを回転させるマンドレル回転機構
を備えていることを特徴とするものである。
【0019】したがって請求項3の発明によれば、マン
ドレルに嵌着された缶体と加飾フイルムを保持している
貼着ロールとの間で積極的なトルクの伝達が生じないの
で、加飾フイルムにシワが生じるなどの不都合を未然に
防止することができる。また缶体を誘導加熱するときの
回転機構を利用して貼着ロールの周速とほぼ同一に缶体
を回転させるため、加飾フイルムを貼着するに先立って
缶体を回転させるいわゆる特別なプレスピンを行う必要
がないので、全体としての機構が簡素化される。
【0020】請求項4に記載された発明は、請求項1な
いし請求項3のいずれかに記載した構成に加えて、前記
貼着手段が、貼着ロール外面に間隔をあけて吸着保持さ
れた加飾フイルム同士の間の貼着ロール外面をマンドレ
ルとの接触開始点として前記貼着ロールに対してマンド
レルの周速を同期回転させるように構成されていること
を特徴とするものである。
【0021】したがって請求項4に記載した発明によれ
ば、貼着ロールがその外面に保持している加飾フイルム
を缶体との間に挟み込むに先立って、貼着ロールの外表
面に缶体の一部が接触する。その結果、缶体が貼着ロー
ルから直接トルクを受けて回転し、両者が同期した回転
数となる。そのため、缶体と貼着ロールとの周速に僅か
な差が生じていた場合でも加飾フイルムが缶体に接触し
始めるまでには貼着ロールと缶体とが同調するので、フ
イルムのずれやシワなどを未然に防止することができ
る。
【0022】請求項5に記載された発明は、請求項1な
いし請求項4に記載された構成に加えて、マンドレルも
しくは缶体の表面温度を検出する温度センサが、前記マ
ンドレル加熱手段もしくは缶体加熱手段に対してマンド
レルの巡回方向での手前側に設けられるとともに、マン
ドレルの巡回速度を検出する速度センサが設けられ、そ
れらのセンサで検出されたデータに基づいて加熱手段の
発熱量を、マンドレルもしくは缶体の温度が予め定めた
温度となるよう制御する制御手段が設けられていること
を特徴とするものである。
【0023】したがって請求項5の発明では、マンドレ
ルもしくは缶体を加熱するにあたり、それらの加熱直前
の表面温度および加熱手段を通過する時間に基づいて加
熱手段の発熱量を制御するために、マンドレルや缶体を
目標とする温度に正確に加熱することができる。
【0024】また請求項6に記載された発明は、自転可
能な複数のマンドレルに金属製の缶体を順次嵌着し、マ
ンドレルと共に所定の巡回経路に沿って移動させつつ前
記缶体を高周波誘導加熱し、加熱された缶体の缶胴面
に、予め所定長さに切断された加飾フイルムを、接着層
を介して圧接し、缶体の熱で接着層を溶融させて加飾フ
イルムを缶胴面に熱接着させるフイルム貼着装置におけ
る缶体加熱方法であって、缶体をマンドレルに嵌着させ
る前段で、予めマンドレルの外側表面を誘導加熱して昇
温させておき、次いで、マンドレルに缶体を嵌着させ
て、マンドレルから缶体にその内側から熱伝達させると
ともに、マンドレルと共に缶体を自転させつつその外側
から誘導加熱して、缶体温度を加飾フイルムの接着剤の
溶融開始温度とほぼ同じ温度に昇温させることを特徴と
する方法である。
【0025】したがって請求項6の方法では、缶体をマ
ンドレルからの熱伝達で内側から加熱すると同時に外側
から誘導加熱によって缶体を加熱するから、缶体の熱が
マンドレルに奪われることなく、缶体温度を所定の温度
に迅速かつ均一に加熱維持でき、その結果、缶体の加熱
を含むフイルムの貼着工程を高速化することができる。
また缶体の外側からの加熱に要する熱量が少なくてよい
ために、マンドレルを狭い間隔で配列し、かつそのいず
れかに缶体が嵌着されていない場合であっても、そのい
わゆる歯抜け状態のマンドレルに隣接する他のマンドレ
ルにおける缶体を過剰に加熱する不都合を未然に防止す
ることができる。
【0026】さらに請求項7に記載された発明は、請求
項6に記載された構成に加えて、缶体がマンドレルに嵌
着される前段で、各マンドレルを高周波誘導加熱するに
際し、加熱される直前の各マンドレルの表面温度を順次
検出するとともに検出された温度データを数値処理し、
その数値処理で得られた値と予め設定した目標値とマン
ドレルの巡回速度とに基づいて前記高周波誘導加熱に要
する供給電力を制御することを特徴とする方法である。
【0027】そして請求項8に記載された発明は、請求
項6もしくは請求項7に記載した構成に加えて、各マン
ドレルに順次嵌着された缶体の表面温度を、高周波誘導
加熱によって昇温するに際し、加熱される直前の缶体表
面温度を順次検出するとともに検出された温度データを
数値処理し、その数値処理によって得られた値と予め設
定した目標値とマンドレルの巡回速度とに基づいて前記
缶体の高周波誘導加熱に要する供給電力を制御すること
を特徴とする方法である。
【0028】したがって請求項7あるいは請求項8の発
明によれば、加熱対象物であるマンドレルあるいは缶体
の加熱される直前の温度に基づいて加熱に要する供給電
力を制御することになるので、時間的な遅れを生じるこ
となく、また精度よく目標温度に加熱昇温でき、フイル
ム貼着工程での生産性を向上させることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図1ないし図8
を参照して具体的に説明する。まず、この発明で対象と
する缶体1は、金属製であり、その素材としての金属板
には、アルミニウム板、テインフリースチールなどの表
面処理鋼板、ブリキ、クロムメッキ鋼板、アルミメッキ
鋼板、ニッケルメッキ鋼板、その他の各種合金メッキ鋼
板を用いることができる。またこの缶体1は、絞り缶
(絞り加工とストレッチ加工とを施した缶を含む)、絞
りしごき缶、インパクト缶などの缶底と缶胴とが一体に
成形された底付き缶体、すなわちツーピース缶とするこ
とができる。
【0030】また、この缶体1に貼着される加飾フイル
ム2としては、熱可塑性樹脂フイルムが用いられ、具体
的には、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレ
ンテレフタレート樹脂などのポリエステル系樹脂、ポリ
エチレンテレフタレートとイソフタル酸との共重合体な
どよりなる共重合ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン
樹脂、変性ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン系
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化
ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン共重合体などのうちか
ら選ばれた透明な高分子樹脂単体、あるいは上記樹脂の
複合体からなる熱可塑性樹脂フイルムが用いられる。中
でも貼着工程で60kgf /cmの線圧力で缶体1の円周方
向にフイルムがある程度展延し、耐熱性があるポリエチ
レンテレフタレート樹脂を用いることが好ましい。その
樹脂フイルムの厚さは適宜決定することができ、一例と
して10〜30μm程度の厚さの樹脂フイルムを使用す
ることができる。またこの樹脂フイルムの一方の面に
は、印刷層と接着層とが順に形成されている。すなわち
樹脂フイルムの一方の面に装飾用の印刷が施され、その
印刷層の表面に接着層が設けられている。そしてその印
刷には熱硬化性のウレタン系樹脂からなるインキが使用
され、グラビア印刷、フレキソ印刷などによる印刷が実
施されている。なお、樹脂フイルムの他方の面に潤滑剤
含有の保護塗膜層を設けても良い。また、樹脂フイルム
の一方の面に接着層、他方の面に印刷層と保護塗膜層と
を設けたフイルムでも良い。
【0031】図1および図2を用いてこの実施例におけ
るフイルム貼着装置の全体構成を説明する。ここに示す
装置は、水平に配置した回動軸3に軸着されて回転駆動
される回転体4を備えている。その回転体4の外周部に
は、缶体1が嵌着されるマンドレル5が、その中心軸線
を回動軸3と平行になるように向けて、かつ周方向に等
間隔で複数設けられている。すなわちその回転体4が回
転駆動されることにより、マンドレル5に嵌着された缶
体1が、マンドレル5と共に回転体4の周方向(図1に
おいて反時計回り)に連続的に搬送されるようになって
いる。
【0032】そしてマンドレル5の巡回経路の外側すな
わち前記回転体4の外周側には、缶体1を嵌着する直前
のマンドレル5を予備加熱するマンドレル加熱ステーシ
ョン6が設けられている。また、このマンドレル加熱ス
テーション6よりもマンドレル巡回方向での下流側に
は、マンドレル5の巡回経路上に缶体1を供給する缶体
供給ステーション7と、マンドレル5に嵌着された缶体
1をその外周部から加熱する缶体加熱ステーション8
と、マンドレル5に嵌着された缶体1に加飾フイルム2
を貼着させるフイルム貼着ステーション9と、加飾フイ
ルム2が貼着された缶体1を次工程へ移送する缶体排出
ステーション10とが、順に、配置されている。
【0033】すなわち、このフイルム貼着装置によれ
ば、まず、マンドレル加熱ステーション6において、マ
ンドレル5自身が加熱され、その後、缶体供給ステーシ
ョン7においてマンドレル5に缶体1が供給されるよう
になっている。そしてマンドレル5の熱により、缶体1
が内面側から加熱昇温されながら、缶体加熱ステーショ
ン8に搬送され、缶体1がその外面側から誘導加熱され
て所定の温度に昇温されるようになっている。続いて所
定温度に加熱された缶体1に、フイルム貼着ステーショ
ン9において加飾フイルム2が貼着されるようになって
いる。そして加飾フイルム2が貼着された缶体1が缶体
排出ステーション10に移送されて次工程へ搬送される
ようになっている。
【0034】また一方、缶体1を排出後、缶体1が取り
外されたマンドレル5を、マンドレル加熱ステーション
6に巡回移動させ、これを回転しつつ誘導加熱し、再
び、巡回経路中の缶体供給ステーション7へ所定の昇温
状態で戻る構成となっている。
【0035】さらに詳細に説明すると、前記回転体4
は、回動軸3に連結された図示しない駆動モータによっ
て回転されるようになっており、図2および図3に示す
ように、その周辺部分にはマンドレル軸11を先端側に
連結してある軸12が、中心軸線と平行に回転自在に取
り付けられている。この軸12は、回転体4の周辺部分
に一定の間隔をおいて所定の回転半径上に形成された軸
孔13にベアリング14を介して回転可能に軸支されて
いる。
【0036】また回動軸3の先端側には、図2に示すよ
うに回転ターレット15が取り付けられている。この回
転ターレット15は、缶体供給ステーション7から供給
される缶体1を一時的に保持するためのものであり、そ
の外周部分には、缶体1を保持するための複数のポケッ
ト部16が、回転体4のマンドレル5に対応して形成さ
れている。
【0037】図2および図3に示すように、マンドレル
5を支持している前記マンドレル軸11は、前記軸12
の先端側に偏心して設けられている。そして、軸12の
マンドレル軸11と反対側の他端に、半径方向に突出し
たアーム状の連結部材17が取り付けられ、この連結部
材17によって、固定部材18へ延びるカムフォロア軸
19が前記軸12と平行に保持されている(図2参
照)。なお、軸12と連結部材17とカムフォロア軸1
9との三者は、互いに一体となって回転するよう相互に
固定されている。また固定部材18は、前記回動軸3を
回転自在に支持している部材であって、ベース上に立設
されている部材である。
【0038】そして前記カムフォロア軸19の前記固定
部材18側の端部には、カムフォロア21が回転可能に
取り付けられており、このカムフォロア21が固定部材
18に形成されたカム溝22に挿入されて、カム溝22
の案内形状に沿って追従移動可能に支持されている。
【0039】前記カム溝22は、前記回動軸3の中心軸
線すなわち回転体4の中心軸線を中心とした円周上を半
径方向に向けて蛇行するとともに全体として環状をなす
溝であり、前記回転体4が固定部材18に対して相対回
転することにより、カムフォロア軸19が軸12を中心
に回動し、それに伴う軸12の回転によってその先端側
のマンドレル軸11が回転体4の半径方向に往復移動す
るようになっている。これは、マンドレル5の移動軌跡
を完全に円環状とせずに一部で蛇行させることにより、
その外周に嵌着した缶体5の缶胴部23を後述するフイ
ルム貼着ロール24の外周面に沿って可及的に長い距離
移動させるためである。詳細は後述する。
【0040】前記マンドレル5は、缶体1の内径より若
干小径の非導電性(樹脂やセラミック、本例ではベーク
ライト)の筒状部材であるマンドレル本体25と、マン
ドレル本体25の外周面に一体に設けられた導電性(ア
ルミニウムや鉄、本例では鉄系)の薄肉外皮部材26と
で構成され、前記マンドレル軸11を中心に空隙27が
生じるようベアリング28,29で回転自在に支持され
ている。またマンドレル軸11には空気孔30が設けら
れている。この空気孔30は、マンドレル5からの缶体
1を排出する際に空気を送出させ、またマンドレル5へ
缶体1を嵌着する際に空気を吸引する通路となってい
る。
【0041】なお、薄肉外皮部材26は熱応答性を考慮
すると小さな熱容量のものが良く、しかも外表面温度が
缶体嵌着時でも均一な温度分布となるように、缶体の熱
容量の十数倍程度にとるのが好ましい。
【0042】また、マンドレル5の缶体1が嵌着されな
い基端部(以下、仮に回転付与部と記す)31は、缶体
1が嵌着される部分に比べてやや大径に形成されてお
り、その外周部から摩擦力によってトルクが付与される
ようになっている。
【0043】つぎに、ネックイン加工やフランジ加工が
施されていない缶体1を、マンドレル5に供給する缶体
供給ステーション7について説明する。缶体供給ステー
ション7は、図1および図2に示すように、マンドレル
5が巡回する前記回転体4の半径方向での外側に配置さ
れている。この缶体供給ステーション7は、水平に配置
した回動軸32に軸着されたインフィードターレット3
3を備えている。このインフィードターレット33に対
して缶体1を供給するシュータ34が上下方向に向けて
配置されている。このシュータ34は、缶体1の底部を
図1の紙面に対して手前側にした状態で缶体1を収容
し、かつ自重で順に落下させるよう構成されている。
【0044】前記インフィードターレット33は、前記
回転体4と同期して回転駆動されるもので、前記回動軸
3と同じ駆動モータにより回転させられている。またこ
のインフィードターレット33の外周部には、缶体1を
マンドレル5の軸線と一致させて保持する凹部(ポケッ
ト)35が形成されている。この凹部35はマンドレル
5に対応して周方向に等間隔で形成されている。
【0045】したがって、シュータ34によって供給さ
れた缶体1は、インフィードターレット33の凹部35
に1缶づつ供給され、さらにインフィードターレット3
3から、連続的に前記回転体4と一体に回転する回転タ
ーレット15のポケット部16に受け渡されて、該ポケ
ット部16に、底部を図1での手前にした状態で缶体1
が保持されるようになっている。
【0046】回転ターレット15のポケット部16から
マンドレル5に対して缶体を嵌着させるエアーノズル3
6が設けられている。このエアーノズル36は、図2お
よび図3に示すように、供給ステーション7に対して回
転体4の回転方向での下流側に、マンドレル5に対して
ポケット部16を挟んで対向して数箇所固定配置され、
マンドレル5側にエアーブローして缶体1をマンドレル
5に向けて移動させ、マンドレル5に缶体1を嵌着させ
るようになっている。なお、マンドレル5に形成された
前記空気孔30は、缶体1のマンドレル5に対する嵌着
を円滑化するために適宜の吸引手段(図示せず)に選択
的に連結されるようになっている。
【0047】さらにマンドレル加熱ステーション6につ
いて説明すると、このマンドレル加熱ステーション6
は、缶体供給ステーション7に対してマンドレル5の巡
回方向での上流側に形成されており、このマンドレル加
熱ステーション6は、一例として図5に示すような高周
波誘導加熱コイル37を主体に構成されている。すなわ
ち、マンドレル5の薄肉外皮部材26に対向して、高周
波誘導加熱コイル37がマンドレル5の巡回経路に沿っ
てトンネル状に配置されている。
【0048】この高周波誘導加熱コイル37は、図5に
示すように渦巻状に巻かれ断面コの字状に形成されてお
り、コイルには過加熱防止用の冷却水が通水されてい
る。また、その形状およびコイル間のピッチは、マンド
レル5に嵌着される缶体1の軸線方向での外表面温度が
均一な温度分布になるように適宜に設定されている。具
体的には、絞りしごき成形した缶体1の場合には、缶胴
部23の中心部分で薄肉になっているので、缶胴部23
の軸線方向での中央部分に対応する位置で粗に、また缶
胴部23の端部に付近に対応する位置で密になるように
コイルのピッチが調整されている。
【0049】また、このマンドレル加熱ステーション6
が配置されている範囲には、図2に示すように、マンド
レル5の前記回転付与部31に接触して、マンドレル5
に回転力を付与するマンドレル回転機構38が配置され
ている。このマンドレル回転機構38は、回転駆動軸3
9と二本の回転軸40とにベルト41が巻き掛けられて
構成されており、回転駆動軸39を回動させることによ
って走行しているベルト41に前記回転付与部31が接
触することにより、マンドレル5が所定速度で回転する
ようになっている。
【0050】さらに、マンドレル5の予熱用の高周波誘
導加熱コイル37のマンドレル5の巡回方向での両端部
すなわち入口部分および出口部分には、図6に示すよう
に、マンドレル5の温度を検出する赤外温度センサ42
が設けられている。また、マンドレル5の巡回経路上で
マンドレル加熱ステーション6と缶体加熱ステーション
8との間には、マンドレル5の巡回速度を検出する近接
速度センサ43が設けられている。
【0051】したがって、この赤外温度センサ42およ
び近接速度センサ43によって、マンドレル5が前記高
周波誘導加熱コイル37内に入る直前および出た直後の
マンドレル5の温度が検出されるとともに、マンドレル
の巡回速度が検出され、マイクロコンピュータを主体と
する制御装置44に各信号が出力されるようになってい
る。
【0052】そしてマンドレル5が前記高周波誘導加熱
コイル37内に入る直前に出力された温度信号と、マン
ドレル5の巡回速度信号とに基づいて、高周波誘導加熱
コイル37の誘導加熱時の電力量の制御が行われるよう
になっている。
【0053】具体的には制御装置44に各信号が入力さ
れると、数値処理として、まず、検出した温度データか
ら新しい順に所定数の温度データが加算され、その平均
温度値が演算される。そして、予め実験的に求めた関係
式(マンドレル5が高周波誘導加熱コイル37内を通過
する時間t毎に求めた温度差△Tに対する必要電力量W
の関係)から目標温度と平均温度との温度差に対応した
必要電力量が演算され、その電力量が図示しない高周波
発振器へ出力され、高周波誘導加熱コイル37に、その
電力が供給されるようになっている。そして高周波誘導
加熱コイル37内を通過したマンドレル5の外表面が目
標温度すなわち設定温度(約150〜160℃)まで加
熱昇温されるようになっている。
【0054】また、マンドレル5が前記高周波誘導加熱
コイル37内から出た直後にマンドレル5の温度を検出
することによって、マンドレル5が設定温度まで加熱さ
れたか否かが確認されるようになっている。
【0055】したがって、このマンドレル加熱ステーシ
ョン6によって、予備加熱されたマンドレル5に、前述
した缶体供給ステーション7およびエアーノズル36に
よって、缶体1が供給されるとともにマンドレル5に嵌
着されるようになっている。
【0056】さらに、缶体加熱ステーション8について
説明すると、図1に示すように、前記回転体4の外周側
で、かつ缶体供給ステーション7からマンドレル5の巡
回方向での下流側に、マンドレル5に嵌着された缶体1
の外面側表面を加熱する缶体加熱ステーション8が設け
られている。この缶体加熱ステーション8は、一例とし
て前記マンドレル加熱ステーション6と同様な高周波誘
導加熱コイル45を巡回経路に沿ってトンネル状に配置
することによって構成されている。この高周波誘導加熱
コイル45の形状およびコイル間のピッチは、缶体1の
全周に亘り均一な温度分布になるように適宜設定されて
いる。
【0057】缶体1を加熱する高周波誘導加熱コイル4
5のマンドレル5の巡回方向での両端側すなわち入口部
分および出口部分には、缶体1の温度を検出する赤外温
度センサ46が設けられている。そしてこの赤外温度セ
ンサ46と前記近接速度センサ43とによって、缶体1
が高周波誘導加熱コイル45内に入る直前および出た直
後の缶温と、マンドレル5の巡回速度が検出されるよう
になっている。
【0058】そして高周波誘導加熱コイル45内に入る
直前に検出した缶体1の温度と目標温度とに基づく温度
信号と巡回速度信号とに基づいて、高周波誘導加熱コイ
ル45の電力量の制御が行われるようになっている。
【0059】具体的には、制御装置44に各センサから
の信号が入力されると、その制御装置44によって、数
値処理として、まず、検出した温度データから新しい順
に所定数の温度データが加算され、その平均温度値が演
算される。そして、予め実験的に求めた関係式(缶体1
が高周波誘導加熱コイル45内を通過する時間t毎に求
めた温度差△Tに対する必要電力量Wの関係)から、目
標温度すなわち設定温度と平均温度との温度差に対応し
た必要電力量が演算され、その電力が前記高周波発振器
へ出力されて、高周波誘導加熱コイル45に、その電力
が供給される。これにより、高周波誘導加熱コイル45
内を通過した缶体1が設定温度、すなわち加飾フイルム
2に積層された接着剤の溶融開始温度にほぼ近い温度ま
で加熱昇温されるようになっている。
【0060】また、缶体1が前記高周波誘導加熱コイル
45内から出た直後に缶体1の温度を検出することによ
って、缶体1が所定温度まで到達しているか否かが確認
されるようになっている。
【0061】なお、缶体1は、高周波誘導加熱されるば
かりでなく、予め加熱されたマンドレル5の薄肉外皮部
材26から熱が伝達されて加熱されるために、高周波誘
導加熱による熱量は僅かなものとなる。そのため、何等
かの原因で缶体1が嵌着されていないマンドレル5が移
動してきた場合にでも、前記缶体加熱ステーション8で
は、僅かな電力しか高周波誘導加熱コイル45に供給し
ていないので、そのマンドレル5の両側のマンドレル5
に嵌着された缶体1が過加熱されることはない。
【0062】また、缶体加熱ステーション8には、前記
マンドレル加熱ステーション6と同様に、前記マンドレ
ル5の回転付与部31と接触してマンドレル5に回転力
を付与するマンドレル回転機構47が備えられている。
このマンドレル回転機構47は前記マンドレル加熱ステ
ーション6のものと同様な構成とされており、図2に示
すように、固定部材に片持ち状に取り付けられた軸の自
由端側に回転自在に取り付けた回転ロール48と、駆動
プーリ49とにベルト50が巻き掛けられ、駆動プーリ
49を回転駆動することに伴ってベルト50を走行させ
ることにより、マンドレルの回転付与部31にトルクを
伝達するようになっている。さらにこの缶体加熱ステー
ション8には、前記マンドレル回転機構47と隣接し
て、同様なマンドレル回転機構51が更に一組配置され
ている。
【0063】したがって、既に加熱昇温された缶体1が
マンドレル5と共に、これらマンドレル回転機構47,
51によって、前記フイルム貼着ステーション9のフイ
ルム貼着ロール24の周速とほぼ同じ周速にまで強制回
転されるようになっている。なお、マンドレル回転機構
51は、マンドレル5がフイルム貼着ロール24に至る
直前でマンドレル5から離隔するよう構成されている。
【0064】なお、缶体1およびマンドレル5の加熱手
段として、高周波誘導加熱を採用してあるのは、発生す
る渦電流によって被加熱体である缶体1を加熱するにあ
たり、極短時間でその発生熱量の調整が可能であるとと
もに、DI缶(絞りしごき缶)のように、缶体1の部分
により肉厚が異なる缶体1を均一に加熱できるように加
熱コイルの形状の調整が容易に行えるからである。
【0065】つぎにフイルム貼着ステーション9につい
て説明すると、フイルム貼着ステーション9は、缶体加
熱ステーション8よりもマンドレル5の巡回方向での下
流側に設けられている。フイルム貼着ステーション9に
は、缶体1に対して加飾フイルム2を貼着する同一構成
の2つのユニットが、マンドレル5の巡回方向に沿って
配列されている。これは、加飾フイルム2が巻回された
フイルムロール52の交換の際にも貼着作業を中断しな
いようにするためであり、一方のユニットが動作してい
る間は他方のユニットが後退して待機するように構成さ
れている。
【0066】なお、各ユニットの前記缶体加熱ステーシ
ョン8からの距離が異なっているので、使用するユニッ
トに応じて缶体加熱ステーション8で加熱温度の調整が
行われ、搬送途中での缶体1の温度低下が生じても加飾
フイルム2の貼着時の温度が目的温度範囲となるように
構成されている。
【0067】フイルム貼着ステーション9の各ユニット
は、加飾フイルム2を缶胴部23に圧着させるフイルム
貼着ロール24と、一方の面に印刷層および熱硬化性接
着剤層が順次積層された加飾フイルム2を缶胴部23の
周方向の長さに対応して切断する切断手段53と、所定
の張力が付与された加飾フイルム2を切断手段53に供
給するドライブロール54と、フイルム貼着ロール24
上に加飾フイルム2が残っている場合に、加飾フイルム
2をフイルム貼着ロール24上から取り除いて廃棄する
フイルム廃棄手段55とを、水平方向に前後動する可動
台に取り付けて構成されている。またこれらの各ユニッ
トに対応して加飾フイルム2が巻回されたフイルムロー
ル52とこのフイルムロール52から繰り出された加飾
フイルム2に所定の張力を付与するテンションロール群
56とが設けられている。
【0068】そして、フイルムロール52から繰り出さ
れた加飾フイルム2が、図1に示すように、テンション
ロール群56およびドライブロール54等のロールに順
に掛け回された後、フイルム切断手段53を経て、フイ
ルム貼着ロール24に至っている。
【0069】各ユニットのフイルム貼着ロール24は、
通気可能な素材によって外表面が形成され、中心側に吸
引することによって加飾フイルム2を外表面に吸着保持
するように構成されている。また各フイルム貼着ロール
24は、それぞれのユニットが回転体4側に前進した際
に、図1に示すように、その外周面の一部が、回転体4
の回転に伴うマンドレル5の巡回半径の円周に交わるよ
う配置されており、このフイルム貼着ロール24は前記
缶体1と同一の周速度で回転駆動されるようになってい
る。したがって各マンドレル5の巡回軌跡は、このフイ
ルム貼着ロール24に対応する箇所で回転体4の半径方
向で内側に窪んでおり、このような巡回軌跡は、前述し
たカム溝22の形状を適宜に設定することにより得られ
る。したがってマンドレル5に嵌着された缶体1が、そ
の巡回途中で、フイルム貼着ロール24の外周面に沿っ
て移動し、フイルム貼着ロール24との接触長さが延長
されている。
【0070】前記フイルム切断手段53は、外周面に切
断刃を突出させたカッターロール57と、そのカッター
ロール57の切断刃と歯合することによって加飾フイル
ム2を切断する固定の切断刃58とによって構成されて
いる。なお、その切断長さは、加飾フイルム2を缶胴部
23に巻き付けて貼着した際に、加飾フイルム2の端部
同士がわずかに重なり合い、もしくはほぼ突き合わされ
る長さに設定されている。
【0071】また前記ドライブロール54は、大小二つ
の送りロールから構成されており、これらのロールに加
飾フイルム2を挟み込むようにして、回動することによ
って、加飾フイルム2が、切断手段53に供給されるよ
うになっている。
【0072】すなわち、このフイルム貼着ステーション
9では、フイルムロール52に巻回された加飾フイルム
2が、ドライブロール54によって繰り出され、テンシ
ョンロール群56で緩みのない状態に張力が付与され
る。そして、加飾フイルム2は、ドライブロール54を
経由して、切断手段53に供給され、缶胴部23の周長
に対応した所定長さに切断される。そして切断された加
飾フイルム2は、接着層を外面側にしてドライブロール
54より若干速い周速で回転させられているフイルム貼
着ロール24の外周面に一定間隔をあけて吸着保持され
る。その後、缶胴部23の圧接位置に導かれて、マンド
レル5に嵌着された缶体1の外面に沿って押圧されなが
ら、貼着されるようになっている。
【0073】なお、その場合の接着圧力は、フイルム貼
着ロール24とマンドレル5との間隔を調整して適宜の
圧力に設定することができ、その一例として40kgf /
cm〜60kgf /cm程度の線圧力に設定している。なお、
フイルム貼着ロール24上に加飾フイルム2を保持する
ための手段としては、他に従来知られている種々のもの
を採用でき、例えば加飾フイルム2を正もしくは負に帯
電させて静電気力によって吸着させるように構成しても
よい。
【0074】また、缶体1とフイルム貼着ロール24と
が接触を開始する位置(以下、接触開始点)59は、図
7に示すように、フイルム貼着ロール24の外面に間隔
を開けて保持された加飾フイルム2同士の間のフイルム
貼着ロール24の外面、すなわちフイルム貼着ロール2
4上の加飾フイルム2と加飾フイルム2との間に設定さ
れている。すなわち、前述したように缶体加熱ステーシ
ョン8から無拘束で回転されてくる缶体1が、前記接触
開始点59で接触し、そこで缶体1を一旦接触させてフ
イルム貼着ロール24と完全同調させた後、加飾フイル
ム2の一端部と缶胴部23の外面とが接触するように設
定されている。
【0075】さらにこの実施例においては、加飾フイル
ム2を貼着する速度が、一例として1000缶/分に設
定されるとともに、フイルム貼着ロール24の周速が、
一例として200〜250m/分程度に設定されてい
る。
【0076】フイルム貼着ステーション9のマンドレル
5の巡回方向での入口側(上流側)には、マンドレル5
に缶体1が嵌着されているか否かを検知する缶体検知セ
ンサ60が設けられている。そしてこの缶体検知センサ
60が缶体1を検知しない場合には、フイルム貼着ステ
ーション9のユニットが、缶体1が嵌着されていないマ
ンドレル5と接触しないように、マンドレル5に対して
後退するようになっている。すなわちフイルム貼着ステ
ーション9は缶体1の有無によっても、マンドレル5に
対して前進後退するように構成されている。
【0077】さらにその場合、加飾フイルム2がフイル
ム貼着ロール24上に残ってしまうので、その加飾フイ
ルム2を取り除く手段として、フイルム廃棄手段55が
フイルム貼着ロール24の傍に備えられている。このフ
イルム廃棄手段55は、フイルム貼着ロール24上から
加飾フイルム2を吸引することにより、加飾フイルム2
を剥がし廃棄するように構成されている。したがってフ
イルム貼着ロール24が加飾フイルム2を真空吸着する
構成の場合には、このフイルム廃棄手段55に対応する
箇所では、真空吸引を解除するよう構成することが好ま
しい。
【0078】つぎに缶体排出ステーション10について
説明すると、図1および図2に示すように、前記フイル
ム貼着ステーション9に対して、マンドレル5の巡回方
向での下流側に、加飾フイルム2が貼着された缶体1を
次工程へ送り出す缶体排出ステーション10が設けられ
ている。この缶体排出ステーション10は、マンドレル
5から排出コンベヤ61に対して缶体1を移載するステ
ーションであって、その排出コンベヤ61は、前記回転
体4の下端部に対向する位置に水平に配置されている。
また排出コンベヤ61が直線状のものであるから、これ
に対応してマンドレル5の移動軌跡が所定の区間で排出
コンベヤ61と一致するよう前記カム溝22によって直
線状に設定されている。さらにマンドレル軸11に形成
した空気孔30が、この排出ステーション10において
図示しない適宜に圧縮空気源に接続され、空気孔30か
らエアーブローして缶体1を排出コンベヤ61側に飛翔
させてマンドレル5から離脱させるように構成されてい
る。また排出コンベヤ61は、缶体1を確実に保持する
ために、缶体1の底部を吸着して保持するように構成さ
れている。
【0079】つぎに上記のように構成されたフイルム貼
着装置の作用およびこの発明の加熱方法を説明する。ま
ず、マンドレル5は、回転体4が回転することに伴いそ
の周辺部分をカム溝22によって規定される巡回経路に
沿って巡回しており、その途中のマンドレル加熱ステー
ション6においてマンドレル5の外面の薄肉外皮部材2
6が加熱昇温される。具体的には、マンドレル加熱ステ
ーション6の高周波誘導加熱コイル37の入口部分にお
いて赤外温度センサ42によってマンドレル5の温度が
検出される。また近接速度センサ43でマンドレル5の
巡回速度が検出される。これらの検出データが制御装置
44に入力され、各センサからの出力された温度信号お
よび巡回速度信号に基づいて必要電力量が演算され、そ
の演算結果に基づいて高周波誘導加熱コイル37に通電
される。したがってマンドレル5は、高周波誘導加熱コ
イル37の内部を通過する間に設定温度(例えば150
〜160℃)に加熱昇温される。その場合、マンドレル
5の外周部分のみが導電性の外皮部材26によって形成
され、この部分のみに誘導電流が生じて発熱するので、
熱応答性がよいうえに、低出力の高周波誘導加熱コイル
37によって目的温度まで迅速に昇温することができ
る。またマンドレル5は、マンドレル回転機構38のベ
ルト41によって回転させられるので、その外周部の全
体が均一に加熱昇温される。
【0080】前記高周波誘導加熱コイル37を通過した
マンドレル5は、その出口部分に設けてある赤外温度セ
ンサ42によって温度が検出され、その検出信号によっ
て高周波誘導加熱コイル37による加熱でマンドレル5
が目標温度に達しているか確認される。
【0081】一方、絞りしごき加工された缶体1が、洗
浄および乾燥処理された後、シュータ34によって、缶
体供給ステーション7に供給されている。缶体供給ステ
ーション7では、シュータ34によって向きを揃えて供
給された缶体1がインフィードターレット33の凹部3
5に入り込む。インフィードターレット33は、回転タ
ーレット15とほぼ同一の周速で回転させられているの
で、その凹部35に収容された缶体1は、回転ターレッ
ト15に向けて搬送されるとともに、各ターレット3
3,15の交差箇所で回転ターレット15のポケット部
16に缶体1が受け渡される。
【0082】回転ターレット15と回転体4とは同期し
て回転しているので、ポケット部16に保持された缶体
1は、マンドレル5に対向しており、その状態で回転し
ている間にエアーノズル36からポケット部16の缶体
1の底部をエアーブローして缶体1をマンドレル5側に
移動させ、マンドレル5に嵌着させる。その場合、マン
ドレル軸11に形成してある空気孔30が所定の吸引源
に連通され、缶体1の内部が吸引されるためにマンドレ
ル5に対する缶体1の嵌着がスムースに行われる。この
ようにしてマンドレル5に嵌着させられた缶体1は、マ
ンドレル5にほぼ密着するために、予め所定温度に加熱
されているマンドレル5から熱を受けて内側から加熱昇
温される。
【0083】その状態で缶体加熱ステーション8に向け
て巡回させられる缶体1は、高周波誘導加熱コイル45
の入り口部分に設けてある赤外温度センサ46によって
その温度が検出され、その検出信号および前記近接速度
センサ43による速度信号に基づいて制御装置44によ
って必要電力量が演算され、高周波誘導加熱コイル45
に給電される。マンドレル5に嵌着された缶体1は、こ
の高周波誘導加熱コイル45の内部を通過する間に誘導
加熱され、加飾フイルム2に設けた接着剤の溶融開始温
度とほぼ等しい温度まで昇温される。その場合、マンド
レル5の基端部に形成してある回転付与部31にマンド
レル回転機構47のベルト50が接触することによって
マンドレル5およびこれに嵌着された缶体1が強制的に
回転させられ、その結果、缶体1の全体が均一に加熱昇
温される。なお、高周波誘導加熱コイル45を通過した
缶体1の温度が、その出口側に配置してある赤外温度セ
ンサ46によって検出され、高周波誘導加熱コイル45
の加熱で目標温度に達しているか確認される。
【0084】マンドレル5は、缶体加熱ステーション8
の出口側のマンドレル回転機構51によっても回転駆動
され、その外周に嵌着した缶体1の周速が、後段側のフ
イルム貼着ロール24の周速とほぼ一致するように回転
させられる。そして缶体1は、マンドレル回転機構51
から離隔した直後にフイルム貼着ステーション9に至
る。したがって缶体1は、フイルム貼着ステーション9
に至る直前でプレスピンを掛けた状態で回転させられる
ことになる。
【0085】一方、フイルム貼着ステーション9では、
一対のユニットのうちのいずれかが回転体4側に前進し
ていて動作状態となっている。すなわちそのユニットに
対応するフイルムロール52に巻かれた加飾フイルム2
が、テンションロール群56によって所定の張力が付与
されつつフィードロール54によって繰り出されるとと
もに、連続回転するカッターロール57の切断刃と固定
側の切断刃58によって一定ピッチすなわち缶体1ごと
の長さに切断される。そして切断された加飾フイルム2
は、フイルム貼着ロール24の外周面に、一定間隔をあ
けて吸着保持される。その加飾フイルム2をフイルム貼
着ロール24に吸着保持した状態を図8に模式的に示し
てある。
【0086】このフイルム貼着ステーション9に到達し
たマンドレル5および缶体1は、回転体4の回転に伴っ
て旋回移動するが、その際にカム溝22の形状に従って
カムフォロア21が移動してカムフォロア軸19が回動
することにより、軸12が回転し、この軸12に偏心し
て一体化してあるマンドレル5が回転体4の半径方向に
移動する。その間に缶体1の外面の一部が、フイルム貼
着ロール24の外面における加飾フイルム2同士の間の
部分に接触し、ここを接触開始点59として缶体1がフ
イルム貼着ロール24に押し付けられる。その状態を図
7に模式的に示してある。したがって缶体1の自転によ
る周速とフイルム貼着ロール24の周速とが相違してい
ても、両者がこのように接触することにより同期した回
転数になり、またその場合、缶体1に対してトルクが作
用するが、両者の間に加飾フイルム2が介在されていな
いので、加飾フイルム2のシワの発生などの不都合は生
じない。
【0087】前述したようにマンドレル5を軸12に対
して偏心した状態に一体化し、かつその軸12をカム溝
22の形状に従って回転させ、それに伴ってマンドレル
5の巡回軌跡をフイルム貼着ロール24の外周面に沿う
形状としたので、フイルム貼着ロール24の外面に接触
した缶体1は、その接触状態を維持してフイルム貼着ロ
ール24の外周面に沿って移動する。すなわち相対的に
は、缶体1がフイルム貼着ロール24の外周面を転動す
ることになるので、フイルム貼着ロール24の外面に吸
着保持してある加飾フイルム2が缶体1の外周面に巻き
付く。そして缶体1が接着剤の溶融開始温度程度に事前
に加熱昇温されており、またフイルム貼着ロール24に
対して押し付けられているから、加飾フイルム2が缶体
1の外周面に熱接着される。その場合、マンドレル5の
巡回軌跡の設定の仕方に応じて缶体1が一回転以上する
間、缶体1がフイルム貼着ロール24に接触し続けるの
で、加飾フイルム2は、缶体1の外周面に確実に貼着さ
れる。
【0088】なお、このフイルム貼着ステーション9の
入口側では、缶体検知センサ60がマンドレル5上の缶
体1の有無を検出しており、缶体1のないことが検出さ
れた場合には、その出力信号に基づいて制御装置44が
待避信号を出力し、動作中のユニットを一時的に後退移
動させる。したがってフイルム貼着ロール24が缶体1
の巡回経路から離れるので、缶体1の嵌着されていない
マンドレル5に加飾フイルム2を貼着することが防止さ
れる。
【0089】またフイルム貼着ロール24には缶体1に
貼着されなかった加飾フイルム2が残存することになる
が、その加飾フイルム2がフイルム廃棄手段55の箇所
に至ると、フイルム貼着ロール24による加飾フイルム
2の真空吸着が解除されるとともに、フイルム廃棄手段
55による真空吸引が行われ、フイルム貼着ロール24
上に残存している加飾フイルム2がフイルム廃棄手段5
5に吸引され、フイルム貼着ロール24から取り除かれ
る。
【0090】またこのようにして連続的に加飾フイルム
2を繰り出しかつ切断して缶体1に貼着することによ
り、フイルムロール52に巻いてある加飾フイルム2が
なくなると、そのユニットが後退するとともに、他方の
ユニットが前進し、従前と同様にして加飾フイルム2の
繰り出し、切断、貼着を行う。その場合、缶体加熱ステ
ーション8との距離が変化するので、その間の缶体1の
温度の低下の程度が従前とは異なる。そのため、動作す
るユニットの交換と併せて缶体加熱ステーション8での
缶体1の加熱昇温の程度が制御装置44によって変更さ
れる。
【0091】そして加飾フイルム2が貼着された缶体1
は、マンドレル5に嵌着された状態で自転しながら、缶
体排出ステーション10まで搬送される。この缶体排出
ステーション10では、マンドレル軸11に形成してあ
る空気孔30からエアーブローされて缶体1が排出コン
ベヤ61に向けてマンドレル5から抜き取られる。同時
に排出コンベヤ61では缶体1の底部をマグネットまた
はバキュームで吸着し、缶体1を確実に保持して次工程
に搬送する。その場合、缶体排出ステーション10にお
けるマンドレル5の巡回経路が、排出コンベヤ61に合
わせて直線状になっているので、マンドレル5からの排
出コンベヤ61に対する缶体1の受け渡しが確実に行わ
れる。そして、缶体1は、接着剤の硬化工程へ移送さ
れ、さらに後工程に搬送されて、缶体1の内面に塗装が
施され、開口端部にはネックイン加工やフランジ加工が
施され缶体1が製造される。
【0092】一方、缶体1を排出後、缶体1が離脱され
たマンドレル5は、マンドレル加熱ステーション6に巡
回移動し、回転されながら設定温度まで誘導加熱され、
再び、巡回経路の最初の缶体供給ステーション7へ所定
の温度状態で戻ることが繰り返され、フイルムが貼着さ
れた缶体1が連続して形成される。
【0093】したがって、この実施例のフイルム貼着装
置によれば、缶体1が嵌着される前にマンドレル5が予
めマンドレル加熱ステーション6により加熱され、缶体
1の嵌着後、その熱によって缶体1が加熱されるから、
缶体加熱ステーション8で、缶胴部23の外面を加熱す
る際に、外面温度が熱硬化性接着剤の熱硬化温度までに
達する時間が短縮される。このためマンドレル5に缶体
1が嵌着されてからフイルム貼着ロール24まで達する
時間を短くすることができ、回転体4による缶体1の搬
送速度の高速化を図ることができる。
【0094】なお、この実施例において、上記加飾フイ
ルム2の接着層を構成する樹脂の溶融・接着可能温度
は、もちろん、使用される樹脂によって異なるが、一般
的には、100〜150℃の範囲にあると考えられるの
で、缶体1の温度が、フイルム貼着前に、その範囲に収
まるよう特にその中間帯(中間値)として±5℃になる
よう、予めマンドレル加熱ステーション6および缶体加
熱ステーション8での加熱量を調整しておくと良い。
【0095】また、この発明は、ツーピース缶以外の金
属缶体を対象として実施することができ、さらに、この
発明は上記実施例に限定されるものではないから、この
発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能で
ある。
【0096】すなわち、上記実施例の缶体加熱ステーシ
ョン8において、缶体を自転させるマンドレル回転機構
が二箇所に設けられているが、加熱された缶体1が、フ
イルム貼着ステーション9のフイルム貼着ロールと同期
回転できればよいから、単一のマンドレル回転機構で、
その回転力を補えば、複数設けなくともよい。
【0097】また、上記実施例において、フイルム貼着
ステーション9を2ユニット設けているが、これに限定
されず、図9に示すように、単一のフイルム貼着ロール
24に対して、二系統から、加飾フイルム2を供給する
ように構成してもよい。すなわち図9に示すように、複
数の切断手段53と単一のフイルム貼着ロール24との
間に、加飾フイルム2の受け渡しを行うフイルム供給ロ
ール63を介在させて、そのフイルム供給ロール63の
外周に各切断手段53が配置されるように構成してもよ
い。したがって、この場合には、フイルム供給ロール6
3の外周面に、フイルム交換に対応して各系統から交互
に加飾フイルム2が供給されて、フイルム供給ロール6
3からフイルム貼着ロール24に加飾フイルム2が受け
渡されることになる。
【0098】さらにこの発明では、誘導加熱電力量の算
定のために行う検出データの数値処理は、上記の例で示
した平均値を求めるものに限定されないのであり、標準
偏差などの他の数値処理を行って誘導加熱の電力量を求
めることとしてもよい。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、缶体を嵌着するマンドレルをその外周側から加
熱する加熱手段を設けてあるから、マンドレルの内部構
造を簡素化することができ、したがってマンドレルを貫
通した空気孔を形成することにより、マンドレルに対す
る缶体の嵌着・排出を高速化できる。またマンドレルあ
るいは缶体を加熱する手段を、マンドレルの巡回経路の
外側に配置してあるので、その加熱手段に対する給電あ
るいは冷却が容易になり、またその信頼性や耐久性もし
くはメンテナンス性が良好になる。
【0100】また請求項2の発明によれば、マンドレル
の外表面側のみが導電性部材で形成されているので、加
熱昇温の熱応答性が良好になり、その温度制御が容易か
つ正確になる。また非導電性のマンドレル本体の断熱効
果により、外皮部材の熱がひいては缶体の熱が機械本体
側へ熱伝達して逃げるのを防ぐことができる。
【0101】さらに請求項3の発明によれば、缶体を加
熱すると同時にその周速を貼着ロールの周速とほぼ一致
させる回転機構を備えているので、フイルムの貼着の際
にフイルムに摩擦力が作用することが防止され、フイル
ムのずれなどの貼着不良を未然に防止できるうえに、缶
体のプレスピンのための特別な手段が不要になるので、
装置の小型化を図ることができる。
【0102】そして請求項4の発明では、マンドレルに
嵌着した缶体と貼着ロールとの接触開始点が、貼着ロー
ルの外面のうちフイルム同士の間の部分になるので、缶
体と貼着ロールとの周速に差がある場合には、フイルム
が缶体に押し付けられる以前に缶体の周速と貼着ロール
の周速とが一致し、したがってフイルムに摩擦力が作用
してシワやズレが生じるなどの不都合を未然に防止する
ことができる。
【0103】またさらに請求項5の発明では、マンドレ
ルあるいは缶体を加熱する場合に、その直前の温度を検
出し、また加熱手段を通過する時間を検出し、その検出
結果に基づいて加熱量を制御するから、マンドレルある
いは缶体を精度よく目標温度に加熱昇温することができ
る。
【0104】また請求項6に記載した発明の方法によれ
ば、缶体嵌着前にマンドレルを加熱し、そのマンドレル
に缶体を嵌着した状態で缶体を外側から誘導加熱するか
ら、実質的に、缶体をその内外両側から加熱することに
なり、マンドレルの構造を複雑化することなく、缶体を
迅速に接着剤の溶融開始温度まで昇温でき、フイルム貼
着工程の高速化を図ることができる。
【0105】これに加えて、請求項7あるいは請求項8
の発明の方法では、加熱前のマンドレルあるいは加熱前
の缶体の温度と、これらの巡回速度とを検出し、その検
出データに基づいて高周波加熱に要する電力量を算定す
るから、マンドレルあるいは缶体を時間的なズレや温度
のばらつきを生じることなく所定の温度に加熱でき、高
速生産に適した精度のよい加熱制御を行うことが可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例におけるフイルム貼着装置の
全体概略正面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う概略的な断面図である。
【図3】マンドレルの構造を説明するための部分断面図
である。
【図4】そのマンドレルの断面図である。
【図5】この発明の実施例における高周波誘導加熱コイ
ルの形状を概略的に示す斜視図である。
【図6】この発明の実施例における各センサの配置位置
を示す配置図である。
【図7】この発明の実施例におけるフイルム貼着ロール
と缶体との接触開始からフイルム貼着終了までを段階的
に示す図である。
【図8】この発明の実施例におけるフイルム貼着ステー
ションの部分斜視図である。
【図9】この発明の実施例におけるフイルム貼着ステー
ション部の構成を変えた例を示す全体的な概略正面図で
ある。
【符号の説明】
1…缶体、 2…加飾フイルム、 5…マンドレル、
6…マンドレル加熱ステーション、 7…缶体供給ステ
ーション、 8…缶体加熱ステーション、 9…フイル
ム貼着ステーション、 10…缶体排出ステーション、
24…フイルム貼着ロール、 25…マンドレル本
体、 26…薄肉外皮部材、 30…空気孔、 36…
エアーノズル、 38,47,51…マンドレル回転機
構、 59…接触開始点。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−209823(JP,A) 特開 昭59−148628(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 63/02 - 63/16 B65D 25/36

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自転可能なマンドレルを互いに一定間隔
    を維持して周囲に多数備え、マンドレルを巡回経路に沿
    って一方向に連続して移動させる搬送手段と、マンドレ
    ルの巡回経路の所定位置から外周側へ延びて配置され、
    前記マンドレルの軸線上に缶体を供給する供給手段と、
    前記マンドレルの軸線延長上に供給された缶体を、マン
    ドレルの所定の位置に位置決めさせてマンドレル上に嵌
    着させる嵌着手段と、前記マンドレルに嵌着された缶体
    をその外側から誘導加熱する缶体加熱手段と、前記缶体
    加熱手段のマンドレル巡回方向での下流側で、かつ巡回
    経路の半径方向の外側に配置され、マンドレルの巡回と
    同期して自転する貼着ロールに、予め所定長さに切断さ
    れた加飾フイルムを吸着保持し、巡回中の缶体の缶胴面
    に加飾フイルムを貼着させる貼着手段とを備えたフイル
    ム貼着装置において、 前記マンドレルの外表面が導電性の外皮部材で構成さ
    れ、マンドレルの巡回経路に沿って、前記供給手段のマ
    ンドレル巡回方向での上流側に、マンドレルの前記外皮
    部材を誘導加熱するマンドレル加熱手段が配置されてい
    ることを特徴とするフイルム貼着装置。
  2. 【請求項2】 前記マンドレルが、中心に空気孔を有す
    る軸の回りに回転可能に軸支された非導電性のマンドレ
    ル本体と、マンドレル本体の外周面に一体に設けられた
    導電性の前記外皮部材とによって構成されていることを
    特徴とする請求項1に記載のフイルム貼着装置。
  3. 【請求項3】 前記缶体加熱手段が、缶体の周速を貼着
    ロールの周速とほぼ同一にするようマンドレルを回転さ
    せるマンドレル回転機構を備えていることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載のフイルム貼着装置。
  4. 【請求項4】 前記貼着手段が、貼着ロール外面に間隔
    をあけて吸着保持された加飾フイルム同士の間の貼着ロ
    ール外面をマンドレルとの接触開始点として前記貼着ロ
    ールに対してマンドレルの周速を同期回転させるように
    構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項
    3のいずれかに記載のフイルム貼着装置。
  5. 【請求項5】 マンドレルもしくは缶体の表面温度を検
    出する温度センサが、前記マンドレル加熱手段もしくは
    缶体加熱手段に対してマンドレルの巡回方向での手前側
    に設けられるとともに、マンドレルの巡回速度を検出す
    る速度センサが設けられ、それらのセンサで検出された
    データに基づいて加熱手段の発熱量を、マンドレルもし
    くは缶体の温度が予め定めた温度となるよう制御する制
    御手段が設けられていることを特徴とする請求項1ない
    し請求項4のいずれかに記載のフイルム貼着装置。
  6. 【請求項6】 自転可能な複数のマンドレルに金属製の
    缶体を順次嵌着し、マンドレルと共に所定の巡回経路に
    沿って移動させつつ前記缶体を高周波誘導加熱し、加熱
    された缶体の缶胴面に、予め所定長さに切断された加飾
    フイルムを、接着層を介して圧接し、缶体の熱で接着層
    を溶融させて加飾フイルムを缶胴面に熱接着させるフイ
    ルム貼着装置における缶体加熱方法において、 缶体をマンドレルに嵌着させる前段で、予めマンドレル
    の外側表面を誘導加熱して昇温させておき、次いで、マ
    ンドレルに缶体を嵌着させて、マンドレルから缶体にそ
    の内側から熱伝達させるとともに、マンドレルと共に缶
    体を自転させつつその外側から誘導加熱して、缶体温度
    を加飾フイルムの接着剤の溶融開始温度とほぼ同じ温度
    に昇温させることを特徴とするフイルム貼着装置におけ
    る缶体加熱方法。
  7. 【請求項7】 缶体がマンドレルに嵌着される前段で、
    各マンドレルを高周波誘導加熱するに際し、加熱される
    直前の各マンドレルの表面温度を順次検出するとともに
    検出された温度データを数値処理し、その数値処理で得
    られた値と予め設定した目標値とマンドレルの巡回速度
    とに基づいて前記高周波誘導加熱に要する供給電力を制
    御することを特徴とする請求項6に記載のフイルム貼着
    装置における缶体加熱方法。
  8. 【請求項8】 各マンドレルに順次嵌着された缶体の表
    面温度を、高周波誘導加熱によって昇温するに際し、加
    熱される直前の缶体表面温度を順次検出するとともに検
    出された温度データを数値処理し、その数値処理によっ
    て得られた値と予め設定した目標値とマンドレルの巡回
    速度とに基づいて前記缶体の高周波誘導加熱に要する供
    給電力を制御することを特徴とする請求項6または請求
    項7に記載のフイルム貼着装置における缶体加熱方法。
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