JP2003246035A - フッ素系積層フィルム - Google Patents
フッ素系積層フィルムInfo
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Abstract
用キャリアフィルムに適するフィルムを提供する。 【解決手段】延伸されたポリエステルフィルムの少なく
とも片面に、テトラフロロエチレン‐ヘキサフロロプロ
ピレン‐ビニリデンフロオライド3元共重合体樹脂フィ
ルムが積層されてなるフィルム。
Description
を積層してなる積層フィルムであって、特に塗膜キャリ
アフィルムとしての使用に適するフィルムに関する。
料などをその上に塗布して塗膜を形成し、該塗膜を使用
する際に該塗膜より剥離される。従来、塗膜キャリア用
フィルムとしては、フッ素系樹脂フィルム、または、二
軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上
にシリコーン化合物を塗布したフィルムが主として用い
られてきた。
ルムを薄くすることが経済上好ましいが、あまり薄くす
ると取り扱い性が悪い。ところが、取り扱い性に問題が
無い程度に厚いフッ素樹脂フィルムは、厚み精度が悪
い。このため、フィルム上に形成される塗膜の肉厚が一
定にならないという問題がある。さらに、フッ素系樹脂
は、引張り強度等の機械的強度が低く、塗工ラインで引
張られると破断してしまう場合がある。また、シリコー
ン化合物を塗布したPETキャリアフィルムは、その上に
形成される塗膜がシリコーン化合物により汚染されると
いう問題があった。
伸されたポリエステルフィルムの少なくとも片面に、フ
ッ素樹脂から成るフィルムを積層したキャリアフィルム
を発明した(特許願2000-260209)。
樹脂積層フィルムと同様に、主としてドライラミネート
により作られる。しかし、ドライラミネート法ではフィ
ルム層間に異物が混入し易く、該異物及びその周囲に生
じる空隙によりフィルムの外観を損なうという問題があ
った。さらに、ドライラミネートするフィルムの表面を
予めコロナ処理等により前処理する必要もあり、工程が
煩瑣である。
問題の無いフィルムを提供することを目的とする。
されたポリエステルフィルムの少なくとも片面に、テト
ラフロロエチレン‐ヘキサフロロプロピレン‐ビニリデ
ンフロオライド3元共重合体樹脂フィルムが積層されて
なるフィルムである。また、本発明は、前記3元共重合
体樹脂フィルムの上に、該3元共重合体樹脂とは異種の
フッ素樹脂(以下、「異種のフッ素樹脂」という場合が
ある)から成るフィルムがさらに積層されてなるフィル
ムである。上記のフィルムの好ましい態様は下記であ
る。前記異種のフッ素樹脂から成るフィルムが、テトラ
フロロエチレン‐エチレン共重合体樹脂フィルム又はテ
トラフロロエチレン‐ヘキサフロロプロピレン共重合体
樹脂フィルムである前記フィルム。フィルム表面上の任
意の位置から10cm長さに亘り、連続厚さ計にて、端子径
5mmで、測定された厚みの最大値と最小値との差(R)
が5μm 以下である前記フィルム。前記延伸されたポリ
エステルフィルムが、厚み5〜1000μmの延伸されたポ
リエチレンテレフタレートフィルムであり、前記3元共
重合体樹脂フィルムの厚みが2〜10μmである前記フィル
ム。前記異種のフッ素樹脂から成るフィルムが厚み2〜1
0μmのテトラフロロエチレン‐ヘキサフロロプロピレン
共重合体樹脂フィルムである前記フィルム。フィルム総
厚みが10〜300μmである前記フィルム。前記3元共重合
体樹脂フィルムの上、又は、異種のフッ素樹脂から成る
フィルム上に、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレン
フィルム、またはポリエステルフィルムがさらに積層さ
れてなる前記フィルム。さらに、本発明は、前記フィル
ムからなる塗膜キャリアフィルムである。加えて、本発
明はテトラフロロエチレン‐ヘキサフロロプロピレン‐
ビニリデンフロオライド3元共重合体樹脂を、押出しラ
ミネート法により、延伸されたポリエステルフィルム上
に積層することを特徴とする積層フィルムの製造方法で
ある。また、本発明は、前記3元共重合体樹脂とは異種
のフッ素樹脂を、前記3元共重合体樹脂と共押出ししな
がら押出しラミネート法により、延伸されたポリエステ
ルフィルム上に前記3元共重合体樹脂を介して積層する
ことを特徴とする積層フィルムの製造方法である。
ルムとしては、公知の各種延伸フィルムを用いることが
できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、お
よびポリブチレンテレフタレートが挙げられる。なかで
も、ポリエチレンテレフタレートが、厚み精度、熱的特
性、機械的特性、価格などの面から好ましい。
〜300μm、好ましくは25〜100μmである。前記下限値よ
り薄いと、キャリアフィルムの取り扱い性が悪い。一
方、前記上限値より厚いと、フィルムの厚み精度が悪く
なる結果、目的とする厚み精度が達成できない。また、
製造コストや廃棄物が多くなる等の問題がある。
チレン‐ヘキサフロロプロピレン‐ビニリデンフロオラ
イド3元共重合体樹脂(THV)は、好ましくはその組成
がテトラフロロエチレン30〜70重量%、ヘキサフロロプ
ロピレン1〜30重量%、ビニリデンフロオライド10〜50
重量%である。THV /PETの2層フィルムの場合には、T
HVの組成、特にフッ素含有量を変えることにより、該2
層フィルムを貼る対象の粘着性に応じた粘着性能及び剥
離性能を付与することも可能である。THVの上に異種の
フッ素樹脂フィルムを積層する場合には、テトラフロロ
エチレン40〜60重量%、ヘキサフロロプロピレン10〜25
重量%、ビニリデンフロオライド20〜45重量%であるこ
とがより好ましい。
〜10μm、より好ましくは2〜5μmである。前記下限値よ
り薄いと、フィルム厚みのばらつきのために、THV層が
欠けた部分が生じて剥離性能が劣る可能性があり、又、
3層構造にする場合には、ポリエステルフィルムと、異
種のフッ素樹脂フィルムとを十分に接着できない場合が
ある。一方、前記上限値より厚いと、製造コストが上が
る割には諸性能の向上がもたらされない。
としては、例えばポリテトラフロロエチレン(PTFE)、
テトラフロロエチレン−パーフロロアルキルビニルエー
テル共重合体(PFA)、テトラフロロエチレン−エチレ
ン共重合体(ETFE)、テトラフロロエチレン−ヘキサフ
ロロプロピレン共重合体(FEP)、ポリクロロトリフル
オロエチレン(CTFE)、ポリフッ化ビニリデン(VdF)
等が挙げられる。好ましくは、ETFEが使用される。該異
種のフッ素樹脂フィルムの厚さは、好ましくは2〜10μ
m、より好ましくは3〜5μmである。前記下限値より薄い
と、フィルム厚みのばらつきのために、該異種のフッ素
樹脂フィルム層が欠けた部分が生じて剥離性能が劣る可
能性がある。一方、前記上限値より厚いと、製造コスト
が上がる。
して使用される場合には、その総厚みが10〜300μmであ
ることが好ましく、特に60〜300μmの厚みであること
が、厚み精度の点から好ましい。
よって作ることができる。図1を参照して3層フィルム
を作る場合について説明すると、THV フィルム1及び異
種のフッ素樹脂フィルム2とを、例えば315℃の温度で、
Tダイより共押出して、ニップロール5と冷却ロール6の
間でTHV フィルム1側を延伸ポリエステルフィルム3上に
圧着して、本発明の積層フィルム4を巻き取る。ポリエ
ステルフィルム表面には、予め接着剤、例えばアクリル
変性系、イソシアネート系、ポリエチレンイミン系、ポ
リウレタン系、シランカップリング剤を塗工しておく。
この押出しラミネート法は、コロナ処理等の前処理が不
要である点でドライラミネートより優れる。さらに、薄
肉のフッ素樹脂をドライラミネートする場合には、取り
扱い性を確保するために、該薄肉フィルムをポリオレフ
ィン樹脂などと共押出して、または、転写用フィルムに
貼り合せて採取し、該薄肉のフッ素樹脂フィルムをポリ
エステルフィルムにドライラミネートした後に、共押出
しされたポリオレフィン樹脂や、転写用フィルムを剥離
することが行われているが、このような工程が不要であ
る点でもドライラミネート法より優れる。
フッ素樹脂フィルムの上に、すなわちポリエステルフィ
ルムとは反対側の表面に、ポリエチレン等からなる保護
フィルム層をさらに設ける。キャリアフィルムを金属板
上に置く直前に、該保護フィルムを剥離して使用に供す
るようにすれば、ゴミの付着を防止でき、キャストフィ
ルムをより厚み精度良く形成することができる。該保護
フィルムとしては、フッ素樹脂層と粘着するものであれ
ば、任意のフィルムであってよい。例えば、各種ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニ
ル、トリアセチルセルロース、セロハン、ポリアミド、
ポリカーボネート、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポ
リエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリス
ルホン、ポリエーテルスルホン等のフィルムを挙げるこ
とができる。なかでも、低価格であることから、高密度
ポリエチレンフィルムが好ましい。該保護フィルムの厚
みは、10〜50μmが好ましい。保護フィルムは、加熱圧
着によってフッ素樹脂層の上に積層することができる。
に説明する。
学製、厚み 50μm、および厚み100μm横方向引張り弾性
率5000N/mm2。 テトラフロロエチレン‐ヘキサフロロプロピレン‐ビニ
リデンフロオライド3元共重合体樹脂(THV):テトラ
フロロエチレン50重量%、ヘキサフロロプロピレン20重
量%、ビニリデンフロオライド30重量%、ダイニオン
(Dyneon)社製。 テトラフロロエチレン−エチレン共重合体(ETFE):旭
硝子(株)製。 シリコーン塗布PET: 三菱化学ポリエステルフィルム
製、MRE(商品名)、 50μm (シリコーン塗布タイ
プ)。
先端の端子径5mmで、フィルムの機械方向に長さ10 cm
に亘って連続的厚みを測定し、その最大値と最小値との
差を、フィルムの機械方向とは直角に1cm おきに10箇
所について測定し、さらに、フィルムの機械方向とは直
角方向に長さ10cmに亘って、フィルムの機械方向に1
cm おきに10箇所について同様に厚みを測定し、平均値
を算出して求めた。
共押出しながら、予め接着剤が塗布してあるPETフィル
ム上に積層し、表1に示すフィルムを調製した。なお、
参考例1及び2のフィルムはドライラミネート法により
調製した。
μm以上の気泡又は異物が認められたものを×、何ら認
められなかったものを○とした。 (2)各フィルム上に、30 μm厚みのポリイミド樹脂の
塗膜を形成し、塗布時の取り扱い性、フィルムの塗膜か
らの離型性、及び、塗膜表面の汚染の有無を下記基準に
より評価した。結果を表1にまとめた。 a.取り扱い性 皺ができることなく、取り扱い容易であったものを○、
若干皺などができたものを△、皺ができて取り扱い困難
であったものを×とした。 b.離型性 キャリアフィルムを手で容易に剥がせるものを○、剥が
せなかったものを×とした。 c.塗膜のRを測定し、Rが5μm以下のものを○、5μmを
超えたものを×とした。 d.塗膜表面の汚染 塗膜表面を目視により観察し、汚れが確認されたものを
×、そうでないものを○にした。
出しラミネートにより製造することができ、取り扱い性
及び離型性に優れる。塗膜キャリアフィルムとして用い
た場合には、厚み精度が良く、汚染の無い塗膜を形成す
ることができる。
る。
Claims (12)
- 【請求項1】延伸されたポリエステルフィルムの少なく
とも片面に、テトラフロロエチレン‐ヘキサフロロプロ
ピレン‐ビニリデンフロオライド3元共重合体樹脂フィ
ルムが積層されてなるフィルム。 - 【請求項2】前記3元共重合体樹脂フィルムの上に、該
3元共重合体樹脂とは異種のフッ素樹脂から成るフィル
ムがさらに積層されてなる請求項1記載のフィルム。 - 【請求項3】 前記異種のフッ素樹脂から成るフィルム
が、テトラフロロエチレン‐エチレン共重合体樹脂フィ
ルム又はテトラフロロエチレン‐ヘキサフロロプロピレ
ン共重合体樹脂フィルムであることを特徴とする請求項
2記載のフィルム。 - 【請求項4】フィルム表面上の任意の位置から10cm長さ
に亘り、連続厚さ計にて、端子径5mmで、測定された厚
みの最大値と最小値との差(R)が5μm 以下であるこ
とを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のフィ
ルム。。 - 【請求項5】前記延伸されたポリエステルフィルムが、
厚み5〜1000μmの延伸されたポリエチレンテレフタレ
ートフィルムであり、前記3元共重合体樹脂フィルムの
厚みが2〜10μmであることを特徴とする請求項1〜4の
いずれか1項記載のフィルム。 - 【請求項6】前記異種のフッ素樹脂から成るフィルムが
厚み2〜10μmのテトラフロロエチレン‐ヘキサフロロプ
ロピレン共重合体樹脂フィルムであることを特徴とする
請求項2〜5のいずれか1項記載のフィルム。 - 【請求項7】 フィルム総厚みが10〜300μmであること
を特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のフィ
ルム。 - 【請求項8】 前記3元共重合体樹脂フィルムの上に、
ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、また
はポリエステルフィルムがさらに積層されてなることを
特徴とする請求項1、4、5及び7のいずれか1項に記
載のフィルム。 - 【請求項9】前記異種のフッ素樹脂から成るフィルム上
に、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、
またはポリエステルフィルムがさらに積層されてなるこ
とを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載のフ
ィルム。 - 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項記載のフ
ィルムからなる塗膜キャリアフィルム。 - 【請求項11】テトラフロロエチレン‐ヘキサフロロプ
ロピレン‐ビニリデンフロオライド3元共重合体樹脂
を、押出しラミネート法により、延伸されたポリエステ
ルフィルム上に積層することを特徴とする積層フィルム
の製造方法。 - 【請求項12】前記3元共重合体樹脂とは異種のフッ素
樹脂を、前記3元共重合体樹脂と共押出ししながら押出
しラミネート法により、延伸されたポリエステルフィル
ム上に前記3元共重合体樹脂を介して積層することを特
徴とする請求項11記載の積層フィルムの製造方法。
Priority Applications (2)
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JP2002051910A JP4138334B2 (ja) | 2002-02-27 | 2002-02-27 | フッ素系積層フィルム |
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Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
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Country Status (1)
Country | Link |
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Cited By (5)
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JP2005254810A (ja) * | 2004-02-10 | 2005-09-22 | Daikin Ind Ltd | フッ素樹脂層積層体製造方法及びフッ素樹脂層積層体 |
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JP2008103427A (ja) * | 2006-10-17 | 2008-05-01 | Mitsubishi Plastics Ind Ltd | 離型フィルム |
-
2002
- 2002-02-27 JP JP2002051910A patent/JP4138334B2/ja not_active Expired - Lifetime
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