JP2008183738A - 離型フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】フレキシブルプリント基板とカバーレイフィルムとを熱プレス接着する際に好適に使用できる簡易な構成の離型フィルムを提供する。
【解決手段】最外層としてフッ素樹脂層、中間層として脂肪族ポリアミド樹脂層を備えて構成される積層フィルムであって、フレキシブルプリント基板とカバーレイフィルムとを熱プレス接着する際において、該カバーレイフィルム上に配置して使用される離型フィルム。
【選択図】図4

Description

本発明は、離型フィルムに関し、詳細には、フレキシブルプリント基板とカバーレイフィルムとを熱プレス接着する際に、カバーレイフィルム上に配置して使用される離型フィルムに関する。
一般的に、フレキシブルプリント基板は、表面の回路パターン上に、接着剤層を介してカバーレイフィルムが被覆され、これにより回路パターンが保護される。図1に概要を示すように、カバーレイフィルム20による被覆は、熱圧着プレス接着により行われており、その際にカバーレイフィルム20とプレス熱板60とが接着しないように離型フィルム30が使用されている。また、カバーレイフィルム20および回路パターンの凹凸を吸収するためのクッション材としてポリエチレン製の樹脂フィルム40が使用されていた(特許文献1)。
また、一般的な離型フィルムとしては、他に種々の構成のものが開示されている(特許文献2〜5)。
特開2003−327655号公報 特開平9−11348号公報 特開平2004−142305号公報 特開平2005−254810号公報 特開平2006−297843号公報
しかし、特許文献1の離型フィルムは、所定の弾性率を有する結晶性芳香族ポリエステルからなるシートであって、離型性が十分なものではなかった。また、厚い結晶性芳香族ポリエステルからなるシートを介して、樹脂フィルム40により回路パターンの凹凸を吸収する構成なので、クッションン性が不十分であった。
クッション性が不十分であると、離型フィルム30が回路パターン等の凹凸にそって変形しない。そのため、熱プレス接着時において、回路パターン表面が離型フィルム30によって十分に保護されずに、回路パターンの銅箔が酸化され、いわゆる赤やけが生じてしまうという問題があった。また、従来の方法では、離型フィルム30の上にさらにクッション性樹脂シート40を配置しなければならず、作業性の問題があった。
特許文献2〜5の離型フィルムは、広範な用途に使用するためのものであって、フレキシブルプリント基板とカバーレイフィルムとを熱プレス接着する際に使用する離型フィルムとして使用するのに適したものではなかった。
そこで、本発明は、フレキシブルプリント基板とカバーレイフィルムとを熱プレス接着する際に好適に使用できる簡易な構成の離型フィルムを提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、これにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
第1の本発明は、最外層としてフッ素樹脂層(32)、中間層として脂肪族ポリアミド樹脂層(34)を備えて構成される積層フィルムであって、フレキシブルプリント基板(10)とカバーレイフィルム(20)とを熱プレス接着する際において、該カバーレイフィルム(20)上に配置して使用される離型フィルム(100)である。なお、図番100は、離型フィルム(100A〜100C)を含む上位概念として用いている。
第1の本発明の離型フィルム(100)は、最外層としてフッ素樹脂層(32)を備え、離型フィルム(100)の離型性を良好にしている。また、中間層の脂肪族ポリアミド樹脂層(34)が基材層として離型フィルムに厚みを付与し、離型フィルム(100)を低コストなものとすると共に、離型フィルム(100)に良好なハンドリング性を付与している。
さらに、脂肪族ポリアミド樹脂層(34)は、フレキシブルプリント基板(10)とカバーレイフィルム(20)とを熱プレス接着する際において、クッション材として働く。そして、薄層のフッ素樹脂層(32)を介してカバーレイフィルム(20)および回路パターン(12)の凹凸を十分に吸収することができる。そのため、熱プレス接着時において回路パターン(12)を保護することができ、いわゆる赤やけを防止することができる。
また、本発明の離型フィルム(100)は、離型性およびクッション性を兼ね備えている。このため、フレキシブルプリント基板(10)とカバーレイフィルム(20)との熱プレス接着において、カバーレイフィルム(20)上に本発明の離型フィルム(100)のみを配置すればよく、作業性を良好にすることができる。
第1の本発明において、フッ素樹脂層(32)の層厚は、1μm以上10μm以下であることが好ましい。フッ素樹脂層(32)の厚さが薄すぎると、離型フィルム(100)として用いる際の強度が劣ってしまう。また、厚すぎると、カバーレイフィルム(20)および回路パターン(12)の凹凸を十分に吸収できない。
第1の本発明の離型フィルム(100)は、フッ素樹脂層(32)のさらに外側に保護用のポリオレフィン樹脂層(36)を備えている構成(100B)とすることができる。このポリオレフィン樹脂層(36)は保護フィルムとして働き、フッ素樹脂層(32)に汚れや傷が付くのを防止する。なお、離型フィルム(100)として実際に使用する際には、ポリオレフィン樹脂層(36)は剥離される。ポリオレフィン樹脂層(36)とフッ素樹脂層(32)とは仮密着状態となっており、容易に剥離することができる。ポリオレフィン樹脂層(36)を形成するためには、離型フィルム(100)の表面に対しポリオレフィン樹脂層(36)を圧着したり、押出しラミネートしたり、あるいは離型フィルム(100)の製造時にフッ素樹脂層(32)のさらに外側にポリオレフィン樹脂層(36)を備えた形態で共押出積層することができる。
第1の本発明の離型フィルム(100)の各層は共押出により積層することができる。この場合、フッ素樹脂層(32)は接着性フッ素樹脂からなる層(以下、接着性フッ素樹脂層(32)という場合がある。)とする必要がある。接着性フッ素樹脂を用いることにより、共押出により脂肪族ポリアミド層(34)と接着性フッ素樹脂層(32)とを良好に接着させることができる。また、共押出を採用することにより、表裏層のフッ素樹脂層(32)を薄層フィルムとすることができ、効率的かつ低コストで、離型フィルム(100)を作製することができる。
第1の本発明の離型フィルム(100)は、フッ素樹脂層(32)と脂肪族ポリアミド樹脂層(34)との間に接着剤層(38)を備えた構成(100C)であってもよく、この場合離型フィルム(100C)は、ドライラミネートにより製造される。この場合のフッ素樹脂層(32)を形成するフッ素樹脂は特に限定されず、接着性フッ素樹脂であっても、他の一般的なフッ素樹脂であってもよい。薄層のフッ素樹脂層(32)のラミネートは、他の基材にフッ素樹脂層(32)を一旦形成し、これを脂肪族ポリアミド樹脂層(34)に転写させることにより好適に行うことができる。
第2の本発明は、熱プレス機の熱プレス板60、60の間に、フレキシブルプリント基板(10)を配置し、その上にカバーレイフィルム(20)を配置する工程、カバーレイフィルム(20)上に第1の本発明の離型フィルム(100)を配置する工程、離型フィルム(100)を介して、フレキシブルプリント基板(10)とカバーレイフィルム(20)とを熱プレス接着する工程、を備えたカバーレイフィルム(20)により被覆されたフレキシブルプリント基板(10)の製造方法である。なお、離型フィルム(100)が保護フィルムであるポリオレフィン樹脂層(36)を備えている場合は、これを剥がしてから使用される。
従来、カバーレイフィルム(20)上に離型フィルム(30)、クッション性樹脂フィルム(40)等の複数のフィルムを配置する必要があったが、本発明においては、第1の本発明の離型フィルム(100)のみを配置するだけでよい。そして、熱プレス接着の際には、カバーレイフィルム(20)および回路パターン(14)の凹凸を十分に吸収して変形し、回路パターン(14)を保護し、回路パターン(14)のいわゆる赤やけを防止することができる。
以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。
<離型フィルム100の用途>
まず、本発明の離型フィルム100がどのように使用されるかについて説明する。図1に、従来における、フレキシブルプリント基板10とカバーレイフィルム20とを熱プレス接着する際において、離型フィルム30およびクッション性樹脂シート40が使用される形態を示した。
この形態を改良したものとして、図3に示すような形態も従来行われていた。図3の形態では、離型フィルム30として、フッ素樹脂からなる単層フィルムが使用され、離型性が向上されている。また、クッション性樹脂シート40として、複数枚(図示の形態では2枚)のポリエチレンシート42を離型フィルム44で挟んで配置したものが使用されている。複数枚のポリエチレンシート42がクッション性を向上させることを目的として使用されており、熱プレス接着時の高温条件下でポリエチレンシート42が溶融し、他の部材に付着してしまうのを防止するため、離型フィルム44が使用されている。なお、図示の形態においては、プレス熱板60の表面にクッション性を付与するためのシリコーンゴムシートあるいはクラフト紙50が配置されている。このシリコーンゴムシート等50の配置は任意である。
この改良した形態においても、単層のフッ素樹脂を離型フィルム30として使用しており、フィルムの取扱性の点から、離型フィルムは少なくとも25μm程度の厚みを有している必要がある。このような層厚の離型フィルムでは、クッション性樹脂シート40がカバーレイフィルム20および回路パターン12の凹凸を十分に吸収できず、やはり、クッション性が不十分なものとなっていた。そのため、熱プレス接着した際に、回路パターン12の銅箔に赤やけが生じるという問題が生じていた。
また、カバーレイフィルム20の上に、まず離型フィルム30を配置し、その上に離型フィルム44、ポリエチレンフィルム42を二枚、さらに、離型フィルム44を配置する必要があり、作業性が悪いという問題があった。
図4に本発明の離型フィルム100の使用形態を示した。本発明の使用形態では、フレキシブルプリント基板10の上に、カバーレイフィルム20を重ね、その上に離型フィルム100を配置するだけでよい。従来に比べ作業性が大幅に向上している。
また、離型フィルム100のコシを、中間層である脂肪族ポリアミド樹脂層34が担っているので、離型フィルム100に良好なハンドリング性を付与しつつフッ素樹脂層32を薄くすることができる。このため、本発明の離型フィルム100においては、薄いフッ素樹脂層32を介して脂肪族ポリアミド樹脂層34がカバーレイフィルム20および回路パターン12の凹凸を十分に吸収することができ、熱プレス接着時において、回路パターン12表面を十分に保護し、銅箔の赤やけを防止することができる。
<離型フィルム100>
本発明の離型フィルム100は、最外層としてフッ素樹脂層32を備え、中間層として脂肪族ポリアミド樹脂層34を備えている。フッ素樹脂層32と脂肪族ポリアミド樹脂層34との間に接着層38を備えていてもよく、また、フッ素樹脂層32の表面に保護用のポリオレフィン樹脂層36を備えていてもよい。なお、保護用のポリオレフィン樹脂層36は、実際に離型フィルム100を使用する際には剥離される。
(フッ素樹脂層32)
フッ素樹脂層32を構成するフッ素樹脂としては、炭化水素骨格の少なくとも一部の水素をフッ素に置き換えた高分子であれば特に限定されず、例えば、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン−ポリビニリデンフルオロエチレン(PVdF)、フッ化エチレンプロピレン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフロライド共重合体(THV)等が挙げられる。中でも、ETFEが、離型性、加工性等の点から好ましい。ETFEは、市販品として容易に入手でき、例えば、アフロンCOP(旭硝子社製)、Tefzel(デュポン社製)、ネオフロンETFE(ダイキン工業社製)等が挙げられる。
上記の一般的なフッ素樹脂は、中間層を形成する脂肪族ポリアミド樹脂との接着性が悪い。よって、上記の一般的なフッ素樹脂を使用する場合は、フッ素樹脂層32と脂肪族ポリアミド樹脂層34とをドライラミネートにより接着層38を介して積層する必要がある。接着層38を形成する接着剤としては、樹脂材料のドライラミネートに使用する一般的な接着剤を用いることができる。例えば、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系等の接着剤を挙げることができる。上記ドライラミネートの方法については、後述する。
接着剤を介さずに、フッ素樹脂層32および脂肪族ポリアミド樹脂層34とを共押出積層により直接接着するには、フッ素樹脂層32を構成するフッ素樹脂として、接着性フッ素樹脂を使用する必要がある。
「接着性フッ素樹脂」とは、融点が150℃〜250℃であって、変性ポリオレフィン樹脂の一種であるレクスパール RA3150(日本ポリエチレン社製)とフッ素樹脂とを、4×10〜5×10Paの試料圧で、240℃で、10分間プレスして、積層シートを作製し、幅2.5cm、長さ25cmに切断して採取したサンプルを、JIS Z0237に準じた方法にて、剥離速度5mm/分、温度23℃で、180度剥離強度の測定を行った時の180度剥離強度が4N/cm以上であるフッ素樹脂のことをいう。
また、本発明における「接着性フッ素樹脂」のIRスペクトルは、1780cm−1〜1880cm−1の間に吸収ピークを有している。好ましくは、「接着性フッ素樹脂」のIRスペクトルは、1790cm−1〜1800cm−1の間および1845cm−1〜1855cm−1の間に、無水マレイン酸基等の無水物に起因する吸収ピークを有し、あるいは、1800cm−1〜1815cm−1の間に末端カーボネート基に起因する吸収ピークを有し、あるいは、1790cm−1〜1800cm−1の間、1845cm−1〜1855cm−1の間および1800cm−1〜1815cm−1の間に、無水マレイン酸基等の無水物および末端カーボネート基の混合物に起因する吸収ピークを有している。
さらに好ましくは、「接着性フッ素樹脂」のIRスペクトルは、1790cm−1〜1800cm−1の間および1845cm−1〜1855cm−1の間に、無水マレイン酸基等の無水物に起因する吸収ピークを有し、あるいは、1800cm−1〜1815cm−1の間に末端カーボネート基に起因する吸収ピークを有している。
また、主鎖のCH基に起因する2881cm−1付近における吸収ピークの高さに対する、無水マレイン酸基等の無水物に起因する1790cm−1〜1800cm−1の間の吸収ピークの高さの比は、0.5〜1.5、好ましくは0.7〜1.2、さらに好ましくは0.8〜1.0である。
また、主鎖のCH基に起因する2881cm−1付近における吸収ピークの高さに対する、末端カーボネート基に起因する1800cm−1〜1815cm−1の間の吸収ピークの高さの比は、1.0〜2.0、好ましくは1.2〜1.8、さらに好ましくは1.5〜1.7である。
このような接着強度を有するフッ素樹脂として、例えば、テトラフルオロエチレン単位を有するホモポリマーやコポリマーであって、末端あるいは側鎖に、カーボネート基、カルボン酸ハライド基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基等の官能基を有する樹脂が挙げられる。上記融点と接着強度を発現するのであれば、複数の樹脂を混合してもよい。市販品で上記のような接着強度を有するフッ素樹脂としては、例えば、ネオフロンEFEP(ダイキン工業社製)、フルオンLM−ETFE AH2000(旭硝子社製)が挙げられる。
フッ素樹脂層32の層厚は、下限が好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上であって、上限が好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下である。フッ素樹脂層32の厚みが薄すぎると、離型フィルム100の強度が劣るおそれがある。また、フッ素樹脂層32の厚みが厚すぎると、カバーレイフィルム20および回路パターン12の凹凸を吸収できなくなるおそれがある。
(脂肪族ポリアミド樹脂層34)
脂肪族ポリアミド樹脂層を形成する脂肪族ポリアミド樹脂は、特に限定されず、ジアミンとジカルボ酸の重縮合で得られる(−CORCONHR´NH−)形、ラクタムの開環重合またはアミノカルボン酸の重縮合などで得られる(−CORNH−)形のいずれであってもよい。例えば、6ナイロン、66ナイロン、69ナイロン、6−66ナイロン、12ナイロン、11ナイロン、610ナイロン、612ナイロン、6I−6Tナイロン、MXD6ナイロン等の縮合単位の重合体又はこれら2種以上との共重合体、さらにはこれらの混合物を挙げることができる。中でも6ナイロンや6−66ナイロンを用いることが好ましい。
脂肪族ポリアミド樹脂層34の層厚は、下限が好ましくは10μm以上であり、より好ましくは40μm以上である。また、上限は好ましくは200μm以下であり、より好ましくは100μm以下である。脂肪族ポリアミド樹脂層34の層厚が薄すぎると、離型フィルム100のクッション性が不十分となるおそれがある。また、脂肪族ポリアミド樹脂層34の層厚が厚すぎると、クッション性の効果が飽和し、使用樹脂量が増えるので、コスト面で不利となる。
(クッション性について)
以下、脂肪族ポリアミド樹脂層34がクッション性を発揮する理由について、本発明者が想定している事項を説明する。図5に6ナイロンおよびエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)の弾性率を示した。一般的に、常温からプレス温度(160℃付近)において、絶乾状態の脂肪族ポリアミド樹脂の弾性率は、フッ素樹脂の弾性率よりも高い。このため、これまでの技術常識からすると、ポリアミド樹脂により離型フィルムにクッション性を付与することは考えられなかった。
クッション性材料について鋭意検討している中、本発明者は、ポリアミド樹脂の弾性率が、含水条件下において低下することを見出した。表1に室温(20℃)における層厚3μmのフッ素樹脂(ETFE)および実施例2で製造した離型フィルムの弾性率を示す。実施例2で製造した離型フィルムは、真空乾燥によりナイロンの含水分を0.4%としたもの(サンプル1)、室温保管によりナイロンの含水分を2.5%としたもの(サンプル2)、40℃湿度90%条件下で保管してナイロンの含水分を4.8%としたもの(サンプル3)の三種類について20℃における弾性率を測定した。
Figure 2008183738
表1に示したように、絶乾状態(含水分0.4%)のサンプル1では、ETFEよりも弾性率が高かったが、それ以外は、ETFEよりも弾性率が低くなっていた。この結果より、含水条件下ではポリアミド樹脂をクッション材として使用できる可能性があることが示唆された。本発明者は、さらに、以下の熱プレス試験を試みた。
(試験例1)
熱プレス試験の概要を図6に示す。熱プレス板60、60の間に、厚さ100μmの260℃以上の結晶融解ピーク温度(Tm)を有するポリアリールケトン樹脂および非晶性ポリエーテルイミド樹脂の混合組成物からなる樹脂フィルム(IBUKI、三菱樹脂社製)16、および、厚さ50μmの同様の樹脂フィルム18に厚さ12μmの銅箔の回路パターン12を形成したフレキシブルプリント基板10を配置し、これらとプレス熱板60、60との間に実施例1で製造した離型フィルム100(保護フィルムを剥離した状態で使用)を配置して、160℃、5MPa、30分間、熱プレスした。なお、試験例1では、離型フィルムとして、ナイロンの含水分が0.4%の絶乾品を用いた。
熱プレス後、離型フィルム100を剥がして、回路パターン12側の表面状態を観察し、離型フィルム100表面に転写された凹凸の高さを電子線三次元粗さ解析装置ERA‐4000エリオニクス社製により測定した。
(試験例2)
離型フィルム100として、ナイロンの含水分が2.5%の室温保管品を用いた以外は試験例1と同様にして熱プレス試験を行い、離型フィルム100に転写された凹凸の高さを測定した。
(試験例3)
離型フィルムとして、ナイロンの含水分が4.8%の40℃、湿度90%保管品を用いた以外は試験例1と同様にして熱プレス試験を行い、離型フィルム100に転写された凹凸の高さを測定した。
試験例1〜試験例3の結果を表2に示す。
Figure 2008183738
表2より、ナイロンの含水分が2.5%以上で、離型フィルム100に転写された凹凸が高くなっていることが分かる。これより、本発明者は、脂肪族ポリアミド樹脂は含水状態において弾性率を低下させるため、カバーレイフィルムとフレキシブルプリント基板との熱プレス接着におけるクッション材として好ましいことを見出し、本発明を完成させた。
(ポリオレフィン樹脂層36)
保護用のポリオレフィン樹脂層36を構成するポリオレフィン樹脂としては特に限定されず、ポリエチレン、ポリプロピレン等を用いることができる。ポリエチレンとしては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチレンアクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチル−メチルアクリレート共重合体、エチレンーメチルメタクリレート共重合体、エチレン系アイオノマー樹脂、またはこれらの混合物を挙げることができる。また、ポリプロピレンとしては、ポリプロピレンのホモポリマーやエチレン等とのランダムコポリマーなどを挙げることができる。
保護用のポリオレフィン樹脂層36の層厚は、下限が好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上であり、上限が好ましくは50μm以下、より好ましくは20μm以下である。ポリオレフィン樹脂層36の層厚が薄すぎると、フッ素樹脂層32の保護が不十分となる場合がある。また、ポリオレフィン樹脂層36の層厚が厚すぎると、保護効果が飽和し廃棄物が増加するという問題がある。
ポリオレフィン樹脂層36は、シリカ、タルク等の粒径5μm〜15μmの微粒子を含有させて構成することができる。これによりポリオレフィン樹脂層36の表面に凹凸を付与し、この凹凸をフッ素樹脂層32に転写させることができる。この場合、保護フィルムであるポリオレフィン樹脂層36を取り去った後、離型シート100のすべりが良く、取扱易くなるという効果がある。
(添加剤等)
上記したフッ素樹脂層32、脂肪族ポリアミド樹脂層34、ポリオレフィン樹脂層36には、本発明の効果を損なわない範囲で、各種添加剤が添加されていてもよい。添加剤としては、例えば、燐系、フェノール系等の各種酸化防止剤、ラクトン系、フェノールアクリレート系等のプロセス安定剤、熱安定剤、等の樹脂材料に一般的に添加される添加剤を挙げることができる。
(離型フィルム100の製造方法)
離型フィルム100は、共押出、ドライラミネートにより製造することができる。具体的には、図2に示した実施形態100Aおよび実施形態100Bは共押出により製造することができる。実施形態100Cはドライラミネートにより製造することができる。
実施形態100Cのドライラミネートは、薄層のフッ素樹脂層32を単層で取り扱うのが難しいため転写によりドライラミネートされる。例えば、二軸延伸したPETフィルムに低融点EVA接着剤をコートした支持基材に、フッ素樹脂層32およびポリエチレン樹脂層を共押出ラミネートしておいて、その後、ポリエチレン樹脂層を剥離し、フッ素樹脂層32側をアクリル系等の接着剤を介して脂肪族ポリアミド層34にドライラミネートし、最後に支持基材を剥離することで製造される。
<カバーレイフィルムによる被覆されたフレキシブルプリント基板の製造方法>
本発明のカバーレイフィルムによる被覆されたフレキシブルプリント基板の製造方法は、以下の三つの工程を備えて構成される。第1工程は、熱プレス板60、60の間に、フレキシブルプリント基板10を配置し、その上にカバーレイフィルム20を配置する工程である。カバーレイフィルムは、基材樹脂層22および接着層24により構成されており、接着層24側をフレキシブルプリント基板10側にして配置される。熱プレス板60、60の表面には、クッション性を付与するために、シリコーンゴム製のシートあるいはクラフト紙50、50を配置してもよい。
第2工程は、カバーレイフィルム20上に本発明の離型フィルム100を配置する工程である。従来は離型フィルムおよびクッション性樹脂シート等の複数のシートを配置する必要があったが、本発明では、離型フィルム100のみを配置すればよく、作業工程を大幅に簡略化できる。
第3工程は、離型フィルム100を介してフレキシブルプリント基板10およびカバーレイフィルム20を熱プレス接着する工程である。熱プレスの温度は140℃〜180℃とすることが好ましく、プレス圧力は3MPa〜7MPaとすることが好ましい。また、熱プレスの時間は特に限定されないが10分以上とするのが好ましく1時間程度プレスすれば十分である。
(実施例1)
下記の構成となるように、280℃マルチマニホールドダイより共押出し、5層積層フィルムを得た。
第1層 高密度ポリエチレン樹脂(HDPE、日本ポリエチレン社製) 15μm
第2層 接着性ETFE(フルオンLM−ETFE AH2000、旭硝子社製) 3μm
第3層 6ナイロン(1030、三菱エンジニグアリンプラスチックス社製) 44μm
第4層 接着性ETFE(フルオンLM−ETFE AH2000、旭硝子社製) 3μm
第5層 高密度ポリエチレン樹脂(HDPE、日本ポリエチレン社製) 15μm
(実施例2)
下記の構成となるように、280℃マルチマニホールドダイより共押出し、3層積層フィルムを得た。
第1層 接着性ETFE(フルオンLM−ETFE AH2000、旭硝子社製) 5μm
第2層 6ナイロン(1030、三菱エンジニグアリンプラスチックス社製) 90μm
第3層 接着性ETFE(フルオンLM−ETFE AH2000、旭硝子社製) 5μm
(実施例3)
下記の構成となるように、280℃マルチマニホールドダイより共押出し、2層積層フィルムを得た。
第1層 ETFE(ネオフロンETFE、ダイキン工業社製) 3μm
第2層 ポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン社製) 15μm
この2層積層フィルムを押出直後にあらかじめ用意した厚さ25μmの2軸延伸したPETフィルムに低融点EVA系接着剤を厚さ約1μmにコートした支持基材フィルムに75℃に加熱したニップロールを用いて熱圧着によって貼り合わせを行い、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムからポリエチレン樹脂層を剥離し、ETFE側にアミノアクリル系接着剤を1μmコートした。
上記の積層フィルムとは別に、押出機より6ナイロン(1030、三菱エンジニグアリンプラスチックス社製)を厚さ44μmのフィルムに押出成形した。この6ナイロンのフィルムの両側に、上記の積層フィルムの接着剤をコートした面を貼り合わせて、以下の層構成を有する積層フィルムを得た。
第1層 ETFE(ネオフロンETFE、ダイキン工業社製) 3μm
第2層 接着層(アミノアクリル系接着剤) 1μm
第3層 6ナイロン(1030、三菱エンジニグアリンプラスチックス社製) 44μm
第4層 接着層(アミノアクリル系接着剤) 1μm
第5層 ETFE(ネオフロンETFE、ダイキン工業社製) 3μm
(比較例1)
ETFE(ネオフロンETFE、ダイキン工業社製)を押出機により厚さ50μmのフィルムに押出成形して単層フィルムを作製した。
(評価方法)
実施例1〜3および比較例1で得られた離型フィルムを用いて、必要に応じて保護フィルムを剥離してから、上記した試験例1と同様にして熱プレス試験を行った。
(剥離した離型フィルムの表面凹凸の高さ)
上記した試験例1と同様にして、熱プレス後、離型フィルムを剥離し、離型フィルムの表面の凹凸の高さを測定した。結果を表3に示す。
(回路パターンの状態)
熱プレス試験後、離型フィルムを剥がして、回路パターンの表面の状態を目視により以下の基準で評価した。
○:銅箔に酸化が全くみられなかった。
△:銅箔の一部に酸化(赤やけ)がみられた。
×:銅箔の大部分が酸化(赤やけ)していた。
(評価結果)
Figure 2008183738
表3より、本発明の離型フィルム(実施例1〜3)は表面の凹凸の高さが高く、回路パターンの凹凸にそって変形していることが分かった。また、本発明の離型フィルム(実施例1〜3)を用いた場合は、回路パターンの状態が良好であり、離型フィルムが回路パターンを十分に保護できていることが示された。
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う離型フィルム、カバーレイフィルムによる被覆されたフレキシブルプリント基板の製造方法もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
従来のカバーレイフィルムとフレキシブルプリント基板との熱プレス接着の概要を示す説明図である。 本発明の離型フィルムの層構成を示す概念図である。 従来のカバーレイフィルムとフレキシブルプリント基板との熱プレス接着の概要を示す説明図である。 本発明の離型フィルムを用いた場合における、カバーレイフィルムとフレキシブルプリント基板との熱プレス接着の概要を示す説明図である。 6ナイロンおよびETFEの弾性率を示す説明図である。 熱プレス試験の概要を示す説明図である。
符号の説明
10 フレキシブルプリント基板
20 カバーレイフィルム
30 離型フィルム
32 フッ素樹脂層
34 脂肪族ポリアミド樹脂層
36 ポリオレフィン樹脂層
38 接着層
100A〜100C 離型フィルム
40 クッション性樹脂シート
50 シリコーンゴムシート、クラフト紙
60 プレス熱板

Claims (6)

  1. 最外層としてフッ素樹脂層、中間層として脂肪族ポリアミド樹脂層を備えて構成される積層フィルムであって、
    フレキシブルプリント基板とカバーレイフィルムとを熱プレス接着する際において、該カバーレイフィルム上に配置して使用される離型フィルム。
  2. 前記フッ素樹脂層の層厚が、1μm以上10μm以下である、請求項1に記載の離型フィルム。
  3. 前記フッ素樹脂層のさらに外側に保護用のポリオレフィン樹脂層を備えている、請求項1または請求項2に記載の離型フィルム。
  4. 各層が共押出積層され、前記フッ素樹脂層が接着性フッ素樹脂からなる層である、請求項1から請求項3のいずれかに記載の離型フィルム。
  5. 前記フッ素樹脂層と前記脂肪族ポリアミド樹脂層との間に接着剤層を備え、ドライラミネートにより積層されている、請求項1または請求項2に記載の離型フィルム。
  6. 熱プレス機の熱プレス板の間に、フレキシブルプリント基板を配置し、その上にカバーレイフィルムを配置する工程、
    前記カバーレイフィルム上に請求項1または請求項2に記載の離型フィルムを配置する工程、
    前記離型フィルムを介して、前記フレキシブルプリント基板と前記カバーレイフィルムとを熱プレス接着する工程、
    を備えたカバーレイフィルムによる被覆されたフレキシブルプリント基板の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107650474A (zh) * 2017-10-10 2018-02-02 厦门新旺新材料科技有限公司 一种真空袋压成型膜
CN112874097A (zh) * 2021-02-07 2021-06-01 刘烈新 一种高温高效离型特氟龙与尼龙多层复合材料
EP3553144B1 (de) * 2018-04-11 2023-11-08 A + Composites GmbH Faser-matrix-klebeband

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