JP2003245053A - 醤油の醸造法 - Google Patents

醤油の醸造法

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JP2003245053A JP2002369399A JP2002369399A JP2003245053A JP 2003245053 A JP2003245053 A JP 2003245053A JP 2002369399 A JP2002369399 A JP 2002369399A JP 2002369399 A JP2002369399 A JP 2002369399A JP 2003245053 A JP2003245053 A JP 2003245053A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】確実に、所望のエタノールと乳酸濃度を有し、
芳醇な風味を有する醤油を得る。 【解決手段】醤油麹を食塩水に仕込んで醤油諸味を調製
し、これに予め培養した醤油乳酸菌および予め培養した
醤油酵母を添加し、以下常法により発酵、熟成を行う醤
油の醸造法において、該醤油諸味に対し、仕込み後10
日以内に、該醤油酵母を、予め諸味中に存在する野生醤
油酵母に対して10〜100倍で、しかも2×10
個以下/g諸味となるように添加し、所望する醤油を得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、醤油麹を食塩水に
仕込んで醤油諸味を調製し、これに予め培養した醤油乳
酸菌および予め培養した醤油酵母を添加し、以下常法に
より発酵、熟成を行う醤油の醸造法の改良に関し、確実
に、所望のエタノール濃度と乳酸濃度を有し、芳醇な風
味を有する醤油を得る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】伝統的な醤油の醸造法においては、蒸煮
大豆と炒熬割砕小麦を混和し、これに醤油用種麹菌を接
種培養して醤油麹を調製し、次いで、これを適当量の食
塩水に仕込んで醤油諸味を調製し、次いでこれを一定期
間発酵、熟成させて熟成諸味を調製し、最後に圧搾、濾
過して醸造される。しかし、この醤油諸味の発酵、熟成
は通常開放系で行われており、しかも醤油乳酸菌および
醤油酵母などの微生物の人為的添加は殆ど行われず、諸
味中で活動する微生物は総てその醸造場、施設、器具な
どに自然に住み着いている菌群(ナチュラル・フロー
ラ)の自然混入に委ねられていた。本発明では、上記醸
造場、施設、器具などに自然に住み着いて、醤油諸味中
に自然混入し、増殖している耐塩性の醤油酵母を野生醤
油酵母という。
【0003】このナチュラル・フローラは、非常に多種
多様であり、自然混入した耐塩性の野生醤油酵母の中に
は醤油の品質上、必ずしも好ましくない性質の菌が含ま
れることもある。また地域により、あるいは時と共にそ
のナチュラル・フローラの内容も変化するので、醸造場
所により製品品質に格差を生じたり、年間を通じて品質
の一定した醤油が得られないなどの大きな欠点を有して
いた。
【0004】このような見地から、地域的あるいは時間
的な制限にとらわれず常に品質の一定した醸造醤油を製
造することを目指して、醤油麹を食塩水に仕込んで醤油
諸味を調製し、これに予め培養した醤油乳酸菌および予
め培養した醤油酵母(以下、優良酵母ということがあ
る)を添加し、以下常法により発酵、熟成を行う醤油の
醸造法が開発された。
【0005】すなわち、醤油麹を食塩水に仕込んで醤油
諸味を調製し、これに予め培養した醤油乳酸菌を添加
し、培養して諸味中の乳酸菌数が107個/g諸味を越え、
乳酸発酵に伴い諸味のpHが5.1〜5.2に低下した
時期(通常は、仕込み後20〜40日目)に、予め培養
した醤油酵母(主に醤油主発酵酵母Zygosaccharomycesr
ouxii)を添加し、エタノール発酵を行い、風味の良好
な醤油を醸造する方法が知られている(醤油の科学と技
術、栃倉辰六郎 編著、財団法人日本醸造協会、198
8)(食品微生物ハンドブック、好井久雄、金子安之、
山口和夫編著、技報堂出版、1995)。
【0006】しかし、この方法においては、無殺菌の麹
を使用し、微生物学的に開放の仕込みタンクで発酵、熟
成させるため、醤油諸味の乳酸発酵および酵母発酵には
特定不能で複雑なトラブル要因が入り込み易く、添加し
たそれらの微生物を長期にわたって、バランスよく安定
して生育させ、好ましい発酵を続けることは非常に困難
であった。また純粋培養条件下においては、エタノール
生産性が高かったり、あるいは優良な醤油の香気を形成
したりする醤油主醗酵酵母株を取得したにも関わらず、
これらの株を実際の醸造工程において積極的に利用した
場合には、純粋培養条件下で得られたような結果が得ら
れないケースが多い欠点を有していた。
【0007】このようなことから、近年では、最新式の
密閉式独立型の仕込みタンクにより諸味の発酵、熟成管
理を行ない、仕込みタンク内の諸味が、隣接する他の仕
込みタンクに飛散、混入することを防止し、さらに仕込
タンク、仕込み器具、機械およびパイプ(仕込み経路)
を使用の都度洗浄したりして、添加した醤油乳酸菌およ
び添加した醤油酵母を長期にわたって、バランスよく安
定して生育させ、好ましい乳酸発酵および酵母発酵(ア
ルコール発酵)を続ける努力をしている。
【0008】しかし、この方法においても、醤油麹や諸
味のロットによる違いなどによって、乳酸発酵に伴うp
Hの低下が一定でなく、酵母の添加時期を熟練者の経験
と感による判断を余儀なくされる欠点を有していた。ま
た、仕込タンクや仕込み経路の洗浄、完全除菌には限界
があり、除菌できずに僅かに残存する耐塩性の野生酵母
が、醤油諸味に混入し、これが優良酵母添加前に繁殖す
ると、乳酸発酵を抑制するのみならず、野生酵母によっ
て好ましくない香気を生成する場合がある欠点を有す
る。さらに、醤油諸味に添加される醤油酵母(優良酵
母)は、必要量を予め培養して保存しておくことが求め
られているが、予測した添加時期が前または後に大きく
ズレた場合、添加される醤油酵母が不足したり、また醤
油酵母の活性が低下したりして、諸味に添加された後、
速やかに酵母発酵が行なわれない欠点を有する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、醤油麹を食
塩水に仕込んで醤油諸味を調製し、これに予め培養した
醤油乳酸菌および予め培養した醤油酵母を添加し、以下
常法により発酵、熟成を行う醤油の醸造法において、上
記の欠点を解消し、確実に、所望のエタノール濃度(例
えば3(V/V)%以上)と所望の乳酸濃度(0.8〜
1.0(W/V)%)を有し、pH4.6〜4.9を有
する、芳醇な風味を有する醤油を得ることを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決するため、種々検討を重ねた結果、仕込み初
期の醤油諸味中の耐塩性の野生醤油酵母(以下、この酵
母を野生酵母ということがある)に着目し、その野生酵
母に対して生菌数の比で10倍から100倍となるよう
な量の、予め培養した醤油酵母を醤油諸味に添加すると
きは、乳酸発酵に影響を与えることなく、野生酵母の増
殖を抑制し、添加した優良酵母のみを旺盛に増殖させ、
エタノール発酵を順調に実施することができることを知
った。また、醤油諸味に対し、仕込み後10日以内に、
優良酵母を、予め諸味中に存在する野生酵母に対して1
0〜100倍となるように添加するときは、極めて少量
の優良酵母の添加にて、上記効果を奏することを知っ
た。またその際に優良酵母の添加量が2×10 個/
g諸味を越えると、醤油諸味に共存する乳酸菌の発酵に
影響をもたらし、乳酸が生成蓄積しなくなって風味の乏
しい醤油となることを知った。そしてまた、優良酵母
を、予め諸味中に存在する野生酵母に対して10〜10
0倍で、しかも2×10 個以下/g諸味となるよう
に添加するときは、乳酸発酵を抑制することなく優良酵
母によるエタノール発酵が十分に行われ、確実に、所望
のエタノール濃度(例えば3(V/V)%以上)と所望
の乳酸濃度(例えば0.8〜1.0%)を有し、pH
4.6〜4.9の芳醇な風味を有する醤油が得られるこ
とを知った。
【0011】本発明は、これらの知見に基づいて完成し
たものである。すなわち(1)醤油麹を食塩水に仕込ん
で醤油諸味を調製し、これに予め培養した醤油乳酸菌お
よび予め培養した醤油酵母を添加し、以下常法により発
酵、熟成を行う醤油の醸造法において、醤油諸味に対
し、醤油酵母を、予め諸味中に存在する野生醤油酵母に
対して10〜100倍となるように添加することを特徴
とする醤油の醸造法である。また本発明は(2)醤油麹
を食塩水に仕込んで醤油諸味を調製し、これに予め培養
した醤油乳酸菌および予め培養した醤油酵母を添加し、
以下常法により発酵、熟成を行う醤油の醸造法におい
て、醤油諸味に対し、仕込み後10日以内に、醤油酵母
を、予め諸味中に存在する野生醤油酵母に対して10〜
100倍となるように添加することを特徴とする醤油の
醸造法である。また本発明は(3)醤油麹を食塩水に仕
込んで醤油諸味を調製し、これに予め培養した醤油乳酸
菌および予め培養した醤油酵母を添加し、以下常法によ
り発酵、熟成を行う醤油の醸造法において、醤油諸味に
対し、仕込み後10日以内に、醤油酵母を、予め諸味中
に存在する野生醤油酵母に対して10〜100倍で、し
かも2×10 個以下/g諸味となるように添加する
ことを特徴とする醤油の醸造法である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0013】まず、本発明を実施するには、通常の醤油
麹の製造法に従って調製し得られた醤油麹を通常の醤油
醸造法に従って食塩水に仕込む。ここに用いる食塩水
は、醤油麹に対して1〜3重量倍が好ましく、また、用
いる食塩濃度は醸造した醤油の食塩濃度が15〜20
(W/V)%、好ましくは16〜18%となるように適
宜調整する。仕込み時の食塩濃度を上記した範囲とする
ことは重要であって、15%未満であるときは、夏季の
気温たる25〜35℃においては醤油諸味が腐造する危
険性が非常に高いので好ましくない。醤油諸味の食塩濃
度は、低いほど酵素作用が順調に行われ、また醤油乳酸
菌や醤油酵母の繁殖発酵もよく行われて、諸味が早く分
解熟成することは事実であるが、その場合、15%未満
となると、いわゆる腐敗性の細菌類も旺盛に繁殖するこ
ととなり、酸臭や酸味が著しく出、ついには醤油として
の価値を全く喪失する結果となる。諸味の腐敗する食塩
濃度は、他の条件、例えば諸味の温度を40℃以上に保
持するか、或いは諸味に塩酸や乳酸のような酸を添加し
てpHを3.0以下にするなどをすることにより腐敗を
防止することが可能となる。しかし、これもまた、醤油
本来の風味が損なわれ、醤油としての価値を喪失する。
このように、腐敗菌の繁殖や生存に不適当な諸味の温度
やpHや諸味液汁窒素濃度であれば食塩濃度が低くても
腐敗は起こらないが、これはあくまで特殊な場合であっ
て、一般の醤油の醸造法とは言えない。夏季は17%以
上、春秋は15%以上の食塩濃度がなければ、順調に発
酵熟成してゆくことはできないのである。なお、醤油諸
味を40℃以上で加水分解する方法は、いわゆる温醸臭
といわれる異臭が醤油に付着する欠点を有する。
【0014】次いで、このようにして調製された醤油諸
味に対して、予め選択された、または特に育種した、性
質の優秀な醤油酵母(優良酵母)および性質の優秀な醤
油乳酸菌を添加する。なお、該醤油乳酸菌は、通常の醤
油の醸造法に従って添加すればよく、添加は1×10
個/g諸味〜1×10 個/g諸味となるように添
加する。
【0015】本発明において優良酵母の添加は、予め諸
味中に存在する野生酵母に対して、10〜100倍とす
ることが重要であって、倍率が10倍より少な過ぎる
と、醤油諸味中に共存する野生酵母が相対的に多くなっ
て、醤油主発酵を担う優良酵母が、醤油諸味中に共存す
る野生酵母群との生存競争に敗れ、生存競争的排除が起
こり、駆逐されてしまう危険性を有する。また反対に1
00倍より多すぎると共存する乳酸菌が旺盛に繁殖でき
なくなり、醸造醤油として所望の乳酸濃度と適当なpH
(例えばpH4.6〜4.9)を有し、芳醇な風味を有
する醤油醤油を得ることができない。
【0016】また予め培養した醤油酵母および予め培養
した醤油乳酸菌の添加時期は、仕込み後10日以内とす
ることが好ましく、仕込み後7日以内とすることがより
好ましい。そして、仕込み時(仕込み直後)から仕込み
翌日までの間が最も好ましい。この範囲とするときに
は、優良酵母の添加量を大幅に節約することが可能とな
るので好ましい。反対に、予め培養した醤油酵母を仕込
み後11日以降に添加するときは、11日以降の時点に
おいて醤油諸味中に共存する野生酵母が非常に多くなっ
て、優良酵母の多量添加を余儀なくされる。その結果、
これらの酵母濃度が多くなって乳酸菌の生育が阻害され
その結果、乳酸含量が少ない、風味の乏しい醤油となる
危険性を有する。また醤油諸味に添加した優良酵母(性
質の優秀な醤油主発酵酵母)が、これらの諸味中に共存
する野生酵母との生存競争に敗れ、生存競争的排除が起
こり、駆逐されてしまう危険性を有する。すなわち優良
酵母が旺盛に繁殖できなくなって、本発明の課題を解決
することができない危険性を有する。
【0017】また優良酵母の添加量は、2×10
以下/g諸味とすることが重要であって、2×10
個/g諸味を越えると、乳酸発酵が旺盛に繁殖できなく
なり、所望の乳酸濃度と適当なpH(例えばpH4.6
〜4.9)を有し、芳醇な風味を有する醤油醤油を得る
ことができない恐れがある。
【0018】本発明において用いられる優良酵母として
は、(1)醤油の醸造に関わる耐塩性の醤油酵母、例え
ば、分類学的にはチゴサッカロマイセス ルーキシー
(Zygosaccharomyces rouxi
i)の一属一種に属し、6〜28(W/V)%の塩化ナ
トリウムの存在下でもグルコースの存在下で旺盛なエタ
ノール醗酵能を有し、主に醤油諸味のエタノール醗酵に
寄与する醤油主醗酵酵母と、(2)この醤油主醗酵酵母
によるエタノール醗酵が終了した頃から活躍し始めて、
主として醤油特有の香気の生成に関与する、かつては後
熟酵母群とも呼ばれていた、Candida vers
atilisやCandida etchellsii
などの耐塩性キャンディダ(Candida)属酵母群
ないしは耐塩性トルロープシス(Torulopsi
s)属酵母群とが挙げられる。このうち、前者の旺盛な
エタノール発酵能を有する醤油主発酵酵母は、特にエタ
ノール濃度が3%(V/V)以上を有する、芳醇な風味
を有する醤油を得ることができるので好ましい。
【0019】本発明者らの検討によれば、一概に醤油主
醗酵酵母とひとまとめに言っても、株によってその性質
は大きく異なっており、醤油諸味中での増殖能やエタノ
ール発酵能には大きな違いがある。
【0020】また、発酵、熟成工程を開放下で行い得ら
れる、通常の諸味中には、多数の野生酵母株が混在し
て、醤油主醗酵酵母叢を形成している。しかし、これら
の醤油主醗酵酵母株のすべてが醤油諸味のエタノール醗
酵に同等に関与しているわけではなく、主にエタノール
醗酵を担っている株はそのうちのほんのごく少数に過ぎ
ない。
【0021】この野生醤油酵母の中には醤油の品質上、
必ずしも好ましくない性質の株が含まれることもある。
また地域により、あるいは時と共にその内容も変化する
ので、醸造場所により製品品質に差がついたり、年間を
通じて品質の一定した醤油が得られないなどの欠点を有
する。
【0022】従って、野生醤油酵母の増殖を抑制し、添
加した優良酵母の増殖を旺盛に維持することは、極めて
重要である。本発明の上記醤油酵母の添加条件によれ
ば、優良酵母を醤油諸味中に添加した際に、その株が、
野生の醤油主醗酵酵母株も含めた、多くの野生酵母株と
の混合培養条件下において、他の株からの生存競争的排
除に打ち勝って、旺盛に増殖することが可能となる。
【0023】次に、予め培養した醤油酵母および予め培
養した醤油乳酸菌を添加した諸味は、以下通常の醤油の
醸造法に従って適宜攪拌し、諸味管理を行う。そして室
温15〜35℃で、好ましくは20〜30℃に保持し、
3〜8カ月間、好ましくは4〜6カ月間、常法により発
酵、熟成させる。
【0024】このようにして得られた熟成諸味は、圧
搾、濾過、製成することにより、確実に、所望のエタノ
ール濃度(例えば3(V/V)%以上)と、乳酸濃度
(例えば0.8〜1.0(W/V)%)を有し、適度な
pH(pH4.6〜4.9)を有する、芳醇な風味を有
する醤油を得ることができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例を示して本発明をより具体的に
説明する。
【0026】実施例1 通常の醤油麹の製造法に従って調製した醤油麹(20k
g)を、仕込み容器内で25(W/V)%の食塩水(3
0リットル)に仕込み醤油諸味を調製した。製麹装置や
仕込容器は、蒸気にて殺菌し野生微生物(野生醤油酵母
および野生乳酸菌など)が極力混入しないように実施し
た。一方、予め上記で得た醤油諸味における野生酵母の
経日的な消長を調査しておき、仕込み翌日の醤油諸味中
の野生酵母数を把握した。醤油諸味としてからは、通常
の醤油醸造法に従って、諸味の品温を20〜25℃で5
カ月、時々攪拌しながら保持し、発酵、熟成を行った。
仕込み翌日に、諸味を攪拌するとともに、表1の条件と
なるように予め培養した醤油酵母(純粋培養酵母)およ
び醤油乳酸菌(純粋培養乳酸菌)を添加した。なお、乳
酸菌は全ての試験とも同量とし、諸味g当たり1×10
になるように添加した。こうして得られた熟成諸味の
液汁を採取し、成分分析を行った。また官能検査を実施
した。結果を表1に示す。なお、本実施例、実施例2お
よび実施例3において用いる培養酵母は、通常の醤油諸
味から公知の慣用手段により採取、分離された酵母で、
食塩濃度16.5(W/V)%の醤油諸味中で旺盛にア
ルコール発酵を行い、アルコールを3.0(V/V)%
以上、生成蓄積する能力を有する。
【0027】表1の「生菌数の測定」:食品微生物ハンド
ブック(好井久雄・金子安之・山口和夫編著、技報堂出
版、第603頁)に記載の方法による。 表1の「醤油の成分分析」:財団法人日本醤油研究所編集
「しょうゆ試験法」(昭和60年3月1日発行)に記載の
方法による。
【0028】
【表1】
【0029】表1の結果から、以下のことが判る。 (1)優良酵母の添加倍率が5倍である比較例1の区分
は、酸臭を有し、芳醇な風味の醤油を得ることができな
いことが判る。即ち、添加倍率が10倍より低いと、醤
油諸味中に共存する野生酵母が相対的に多くなって、醤
油諸味に添加した性質の優秀な醤油主発酵酵母株(優良
酵母)が、これらの諸味中に共存する野生の醤油主醗酵
酵母群(野生酵母)との生存競争に敗れ、生存競争的排
除が起こり、エタノール発酵が旺盛に持続できないこと
が推定される。 (2)優良酵母の添加倍率が200倍、400倍である比
較例2および比較例3の区分は、乳酸濃度が極端に低
く、醤油特有の優れた風味を有する醤油を得ることがで
きないことが判る。 (3)また優良酵母の添加倍率が100倍であっても、優
良酵母が2×10個/g諸味を越えた、比較例4の区
分は、乳酸濃度が極端に低くなり、所望の乳酸濃度と適
度なpH(例えばpH4.6〜4.9)を有し、芳醇な
風味を有する醤油醤油を得ることができないことが判
る。 (4)これに対し、優良酵母を、10〜100倍であっ
て、しかも2×10個以下/g諸味となるように添加
する本発明の5つの区分は、添加した優良酵母のエタノ
ール発酵が旺盛に行われ、目的とするエタノール濃度が
3.0(V/V)%以上、特に3.5%以上の高い醤油
を得ることができる。しかも、醤油乳酸菌の乳酸発酵が
好適に営まれ、適度な、乳酸含量(0.8〜1.0(W
/V)%)を有し、4.8〜4.9のpHを示す醤油が
得られることが判る。そして、風味良好な醤油が得られ
ることが判る。
【0030】実施例2 通常の醤油麹の製造法に従って調製した醤油麹を20k
gづつ8区分用意し、それぞれ8つの仕込み容器内で、
該醤油麹を25(W/V)%の食塩水(30リットル)
に仕込み、混和して醤油諸味を調製した。仕込み直後
に、醤油諸味から分離、培養した醤油乳酸菌を1×10
個/g諸味となるように添加し、通常の醤油醸造法に
従って諸味管理を行い発酵、熟成させた。一方、予め上
記で得た醤油諸味における野生酵母の経日的な消長を調
査しておき、仕込み時および仕込み後1、3、5、7、
10、12、20日後の野生酵母数を把握した。次い
で、第1区分はそのままで、第2区分は仕込み1日後
に、第3区分は仕込み3日後に、第4区分は仕込み5日
後に、第5区分は仕込み7日後に、第6区分は仕込み1
0日後に、第7区分は仕込み12日後に、第8区分は仕
込み20日後に、それぞれ表2に記載の培養酵母(予め
培養した醤油酵母)を添加し、仕込み容器を23℃の恒
温室にて、5カ月間、通常の醤油醸造法に従って諸味管
理を行い発酵、熟成させた。得られた熟成諸味の液汁を
採取して実施例1と同様に分析、官能評価を実施した。
その結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】表2の結果から、培養酵母の添加時期は、
仕込み後10日以内とすることが好ましい。そして、特
に仕込み時または仕込み後7日以内とするときは、所望
のエタノールと乳酸濃度を有し、芳醇な風味を有する醤
油を得ることが判る。また、仕込み後10日より後に添
加するときは醤油諸味中に共存する野生酵母が非常に多
くなって、優良酵母の多量添加を余儀なくされる。その
結果、これらの酵母濃度が多くなって乳酸菌の生育が阻
害されその結果、乳酸含量が少ない、風味の乏しい醤油
となる欠点を有することが判る。
【0033】実施例3 実施例1と同様の方法で諸味を調製し、仕込み翌日に、
諸味を攪拌するとともに、乳酸菌を諸味g当たり1×10
6になるように添加した。本発明による方法では、優良
酵母を野生酵母に対し10倍となる諸味g当たり1×104
添加した。対照の方法では、仕込み20日後諸味pHが
5.2となった時点で、優良酵母を諸味g当たり2×105
なるように添加した。それぞれ5連で行い、仕込み13
5日後の諸味液汁の乳酸量を表3に示す。なお、諸味の
品温は、実施例1と同様とした。
【0034】
【表3】
【0035】このように、対照区においては、乳酸含量
にバラツキが多く、乳酸含量の一定した醤油を得ること
が難しいことが判る。これに対し、本発明区において
は、確実に、乳酸含量にバラツキが少なく、乳酸含量の
一定な醤油を得ることができることが判る。
【0036】
【発明の効果】本発明は、予め醤油諸味中に存在する野
生酵母に対して生菌数の比で10倍から100倍となる
ような量の優良酵母を醤油諸味に添加するものであるか
ら、乳酸発酵に影響を与えることなく、野生酵母の増殖
を抑制し、添加した優良酵母のみを旺盛に増殖させ、酵
母発酵を順調に実施することができる。また、醤油諸味
に対し、仕込み後10日以内に、該醤油酵母を、予め諸
味中に存在する野生酵母に対して10〜100倍となる
ように添加するものであるから、極めて少量の優良酵母
の添加にて、上記効果を奏することができる。またその
際に該醤油酵母を、予め諸味中に存在する野生酵母に対
して10〜100倍で、しかも2×10 個以下/g
諸味となるように添加するものであるから、乳酸発酵を
抑制することなく優良酵母によるエタノール発酵が十分
に行われ、確実に、所望のエタノール濃度(例えば3
(V/V)%以上)と所望の乳酸濃度(例えば0.8〜
1.0(W/V)%)を有し、pH4.6〜4.9の芳
醇な風味を有する醤油が得られる。また、醤油麹や諸味
のロットによる違いがあっても、確実に所望する醤油を
得ることが可能となる。優良酵母の添加時期は仕込み初
期、特に仕込み後10日以内で、しかも野生の醤油酵母
数を把握するだけで、優良酵母の添加量が決定でき、エ
タノール発酵能の最も活性の良い状態の酵母添加が可能
となる。さらに、優良酵母の添加時期が延びたりする心
配はなく、計画的にしかも過不足のない優良酵母の純粋
培養物を調製できる。また、熟練者による経験と感に基
づく判断は不要となる。また、清浄化した仕込タンクや
仕込経路の完全除菌には限界があり、除菌できずに僅か
に残存する耐塩性の野生酵母が、醤油諸味に混入してい
ても、これに一定倍率の優良酵母を添加することによ
り、野生酵母の繁殖を効果的に抑制し、優良酵母のみ旺
盛に繁殖させることができる。また、優良酵母の添加量
は常に乳酸発酵を抑制することのない範囲での添加であ
るので、乳酸発酵も順調に推移し、適度な乳酸含量を有
する醤油を得ることができる。本発明は、従来公知の醤
油醸造法、例えば、濃口醤油、淡口醤油、白醤油、溜醤
油、再仕込醤油、濃厚醤油などに適用して、確実に所望
のエタノールと乳酸濃度を有し、芳醇な風味を有する醤
油を得ることができる特徴を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 布村 伸武 千葉県野田市野田250番地 キッコーマン 株式会社内 (72)発明者 木村 功 千葉県野田市野田250番地 キッコーマン 株式会社内 (72)発明者 渡辺 真知子 千葉県野田市野田250番地 キッコーマン 株式会社内 Fターム(参考) 4B039 LB01 LC06 LG20 LQ11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】醤油麹を食塩水に仕込んで醤油諸味を調製
    し、これに予め培養した醤油乳酸菌および予め培養した
    醤油酵母を添加し、以下常法により発酵、熟成を行う醤
    油の醸造法において、醤油諸味に対し、醤油酵母を、予
    め諸味中に存在する野生醤油酵母に対して10〜100
    倍となるように添加することを特徴とする醤油の醸造
    法。
  2. 【請求項2】醤油麹を食塩水に仕込んで醤油諸味を調製
    し、これに予め培養した醤油乳酸菌および予め培養した
    醤油酵母を添加し、以下常法により発酵、熟成を行う醤
    油の醸造法において、醤油諸味に対し、仕込み後10日
    以内に、醤油酵母を、予め諸味中に存在する野生醤油酵
    母に対して10〜100倍となるように添加することを
    特徴とする醤油の醸造法。
  3. 【請求項3】醤油麹を食塩水に仕込んで醤油諸味を調製
    し、これに予め培養した醤油乳酸菌および予め培養した
    醤油酵母を添加し、以下常法により発酵、熟成を行う醤
    油の醸造法において、醤油諸味に対し、仕込み後10日
    以内に、醤油酵母を、予め諸味中に存在する野生醤油酵
    母に対して10〜100倍で、しかも2×10 個以
    下/g諸味となるように添加することを特徴とする醤油
    の醸造法。
  4. 【請求項4】醤油諸味に対し、仕込み後10日以内に、
    予め培養した醤油酵母および予め培養した醤油乳酸菌を
    添加する請求項2または請求項3に記載の醤油の醸造
    法。
  5. 【請求項5】醤油諸味に対し、仕込み時から仕込み翌日
    までの間に、予め培養した醤油酵母および予め培養した
    醤油乳酸菌を添加する請求項4に記載の醤油の醸造法。
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