JP2003238161A - 六フッ化タングステンの精製法 - Google Patents

六フッ化タングステンの精製法

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JP2003238161A JP2002040428A JP2002040428A JP2003238161A JP 2003238161 A JP2003238161 A JP 2003238161A JP 2002040428 A JP2002040428 A JP 2002040428A JP 2002040428 A JP2002040428 A JP 2002040428A JP 2003238161 A JP2003238161 A JP 2003238161A
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hexafluoride
tungsten hexafluoride
tangsten
tungsten
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Keiichi Kon
啓一 近
Ryuichi Nakamura
隆一 中村
Takanori Hamana
孝徳 濱名
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スパッタリングターゲットあるいは導電ペー
スト材料等に有用な高純度タングステン粉末を製造する
際のCVD原料ガスや半導体製造用のCVD原料ガスと
して使用されている六フッ化タングステンの精製法を提
供するものである。 【解決手段】 少なくとも砒素あるいは砒素含有化合物
を不純物として含む六フッ化タングステンを冷却脱気ま
たは蒸留で精製するに際し、該六フッ化タングステンと
フッ素ガスと接触させ、該不純物を五フッ化砒素とした
後、分離精製する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、スパッタリングタ
ーゲットあるいは導電ペースト材料等に有用な高純度タ
ングステン粉末を製造する際のCVD原料ガスや半導体
製造用のCVD原料ガスとして使用されている六フッ化
タングステンの精製方法に関し、詳しくは六フッ化タン
グステン中の砒素不純物の除去精製法に関するものであ
る。 【0002】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】タン
グステンは、高融点で電気抵抗の小さい金属であり、各
種電子材料用素材として金属単体あるいはそのシリサイ
ドの形で広く使用されている。電子材料分野、特に半導
体分野で使用されるタングステンは、高純度のものが必
要であり、この高純度のタングステンを得る方法とし
て、六フッ化タングステン(WF6)を原料ガスとする
CVD法が使用されている。 【0003】六フッ化タングステンは、通常、タングス
テン金属とフッ素ガスとの反応により製造されている
が、不純物として砒素を含むタングステン金属を用いた
場合、タングステンとともに砒素もフッ素化され揮発性
の五フッ化砒素(AsF5)、三フッ化砒素(AsF3
等となり、六フッ化タングステン中に混入してくる。こ
のような砒素のフッ化物を含有する六フッ化タングステ
ンを半導体製造用のCVD原料ガス等に使用すれば、タ
ングステン中に砒素が含まれることになる。砒素は半導
体のドーピング物質であり、タングステン中の砒素が拡
散等によってデバイスに悪影響を与えることとなる。 【0004】したがって、六フッ化タングステン中にお
けるフッ化砒素を主成分とする砒素含有化合物の含有量
を極力低下させる必要がある。五フッ化砒素は、その沸
点が−53℃であるため、六フッ化タングステン(沸点
17.5℃)の冷却脱気操作、あるいは初留分のカット
等の簡単な蒸留操作により比較的容易に分離可能であ
る。しかしながら、三フッ化砒素(沸点63℃)等のよ
うに六フッ化タングステンと沸点が比較的近接したよう
な不純物については、上述のような簡単な蒸留操作では
分離することができず、六フッ化タングステン中に砒素
成分が残留していた。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の問
題点に鑑み、鋭意検討の結果、不純物として砒素及び砒
素含有化合物等を含む六フッ化タングステンをフッ素ガ
スと接触反応させ、全ての砒素成分を五フッ化砒素とし
た後、該六フッ化タングステンの冷却脱気操作、あるい
は初留分のカット等の簡単な蒸留操作により六フッ化タ
ングステン中の砒素成分がほぼ完全に除去、精製できる
ことを見いだし本発明に到達したものである。 【0006】すなわち本発明は、少なくとも砒素あるい
は砒素含有化合物を不純物として含む六フッ化タングス
テンを冷却脱気または蒸留で精製するに際し、該六フッ
化タングステンとフッ素ガスと接触させ、該不純物を五
フッ化砒素とした後、分離精製することを特徴とする六
フッ化タングステンの精製法を提供するものである。 【0007】本発明において、不純物としての砒素ある
いは砒素含有化合物とは、六フッ化タングステンは、通
常、タングステン金属とフッ素ガスとの反応により製造
されているが、不純物として砒素を含むタングステン金
属を用いた場合、タングステンとともに砒素もフッ素化
され揮発性の五フッ化砒素(AsF5)、三フッ化砒素
(AsF3)等となり、六フッ化タングステン中に混入
してくるため、主に三フッ化砒素および五フッ化砒素で
ある。砒素あるいは砒素含有化合物を不純物として含む
六フッ化タングスンとフッ素ガスを接触反応させる方法
としては、液体の六フッ化タングステンにフッ素ガスを
吹き込む方法、気体の六フッ化タングステンとフッ素ガ
スとを混合する方法がある。 【0008】前者の方法によれば、六フッ化タングステ
ンが液体で操作しやすい温度が室温付近であり、フッ素
ガスと砒素含有化合物との反応が室温付近では活性が低
く効率的ではない。一方、後者の方法によれば、反応温
度を高温にできるため少量のフッ素で短時間に効率的に
フッ素ガスと砒素含有化合物との反応が起こるため好ま
しい。 【0009】フッ素ガスとの反応温度としては、25℃
以上500℃未満の温度範囲で、接触させるフッ素ガス
との混合比に応じて適宜選択すればよい。25℃未満で
はフッ素ガスと砒素含有化合物との反応速度が極端に遅
くなり実用的ではない。500℃以上の温度では、フッ
素ガスおよび六フッ化タングステンによる装置腐食が起
こり好ましくない。効率的にかつ完全に反応させるため
には、200℃以上500℃未満の反応温度が好まし
い。 【0010】砒素あるいは砒素含有化合物を不純物とし
て含む六フッ化タングスンとフッ素ガスとを接触反応さ
せるときの混合比としては、フッ素ガスの濃度が、0.
01%以上99%未満の濃度範囲で、反応温度に応じて
適宜選択すればよい。しかし、六フッ化タングステン中
の砒素の濃度より高い濃度である必要がある。フッ素ガ
スは、100%のものを用いても良いが、ヘリウム、窒
素、アルゴン、ネオン等の不活性ガスにより希釈したも
のも使用できる。フッ素ガスは、高温では極めて活性な
ガスであるため、低濃度においても三フッ化砒素等を五
フッ化砒素に酸化することができる。したがって、装置
腐食がほとんど起こらない300℃以上400℃未満の
温度範囲で、0.1%以上2%未満のフッ素ガス濃度の
下、接触、反応させることが生産性も良く最も好まし
い。 【0011】本発明において、砒素あるいは砒素含有化
合物を不純物として含む六フッ化タングスンとフッ素ガ
スを接触反応させた後、生成した五フッ化砒素を六フッ
化タングステンから除去する方法には、蒸留を用いる。
五フッ化砒素は、前述したように沸点が六フッ化タング
ステンと大きく離れているため、冷却脱気で容易に分離
される。六フッ化タングステンから五フッ化砒素を除去
する具体的な方法としては、フッ素ガスと接触、反応さ
せた六フッ化タングステンを−50℃程度に冷却した捕
集容器内に捕集、固化させ、捕集容器上部の気体層を真
空ポンプにより除去するという方法がある。この場合、
ヘリウム等の不活性ガスで捕集容器内を置換、脱気する
ことで完全に六フッ化タングステンから五フッ化砒素を
除去することが可能である。また、六フッ化タングステ
ンが室温、液体の状態で気体の部分を10〜30%程
度、初留カットすることによっても、ほぼ完全に六フッ
化タングステンから五フッ化砒素を除去することが可能
である。 【0012】フッ素ガスとの接触、反応に使用する反応
器材質としては、ニッケル、モネル、アルミニウム合
金、ステンレス鋼、銅等の耐蝕性のある金属が使用され
る。その他にアルミナ、石英、窒化アルミニウム等のセ
ラミックスも使用できる。 【0013】 【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、かかる実施例に限定されるものではない。 【0014】実施例1〜7、比較例1 φ80mm×700mmのニッケル製反応器を外熱式ヒ
ータにより加熱後、砒素を含む六フッ化タングステンと
フッ素ガスとをマスフローコントローラーで所定の混合
比となるよう混合し、反応器に流通させた。流通させた
ガスは、−50℃に冷却したステンレス鋼製トラップへ
捕集した。約1.3kgの六フッ化タングステンを流通
処理した後、トラップ内のガスを−50℃の温度で真空
脱気処理した。その後、トラップに大気圧までヘリウム
を封入し真空脱気を10分間行うという操作を5回繰り
返し、30℃まで昇温、気化させて砒素濃度分析を行っ
た。砒素濃度は、ガスを純水に吸収し、ICP−MSに
て分析した。また、六フッ化タングステン中の砒素成分
の総濃度を示すものである。結果を表1にまとめて示し
た。なお、実施例6、7については、フッ素ガスとして
ヘリウムバランスの10%−F2を用いた結果である。 【0015】 【表1】 【0016】 【発明の効果】本発明によれば、高純度に精製された六
フッ化タングステンを容易に得ることができ、かかる六
フッ化タングステンは、半導体製造用のCVD原料ガス
やスパッタリングターゲットあるいは導電ペースト材料
等として有用な高純度タングステン粉末を製造する際の
CVD原料ガスとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濱名 孝徳 山口県宇部市大字沖宇部5253番地 セント ラル硝子株式会社化学研究所内 Fターム(参考) 4G048 AA06 AB08

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 少なくとも砒素あるいは砒素含有化合物
    を不純物として含む六フッ化タングステンを冷却脱気ま
    たは蒸留で精製するに際し、該六フッ化タングステンと
    フッ素ガスと接触させ、該不純物を五フッ化砒素とした
    後、分離精製することを特徴とする六フッ化タングステ
    ンの精製法。
JP2002040428A 2002-02-18 2002-02-18 六フッ化タングステンの精製法 Pending JP2003238161A (ja)

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