JP2003238075A - クレーン車のジブ格納装置 - Google Patents

クレーン車のジブ格納装置

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JP2003238075A
JP2003238075A JP2002032170A JP2002032170A JP2003238075A JP 2003238075 A JP2003238075 A JP 2003238075A JP 2002032170 A JP2002032170 A JP 2002032170A JP 2002032170 A JP2002032170 A JP 2002032170A JP 2003238075 A JP2003238075 A JP 2003238075A
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敏明 荒川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブーム全縮小状態のままでジブを横振出し、
ジブと基端ブームとの間に介装された第1ジブ格納手段
と第2ジブ格納手段によるジブ格納を行うことができる
ジブ格納装置において、ジブ張出格納補助手段の誤操作
によるジブ損傷等を防止する。 【解決手段】 伸縮ブーム全縮小状態検出手段161が
伸縮ブーム30の全縮小状態を検出し、前記支点ピン嵌
挿状態検出手段142が支点ピン46の嵌挿状態を検出
し、前記固定ピン嵌挿状態検出手段150が固定ピン7
1、72の非嵌挿状態を検出したときのみ前記張出格納
補助手段80のレバー駆動油圧シリンダ85を操作可能
となるよう構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クレーン車に用い
られるジブの格納装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりクレーン車のジブ格納装置とし
ては実公昭59−43358号公報に記載の技術が用い
られている。図14に示されるように、先端ブーム2の
先端一側部及び該先端ブーム2の先端部に着脱自在に装
着されるラチス構造のジブ3の基端一側部にはそれぞれ
ボス5、15が形成されている。そして、当該先端ブー
ム側ボス5とジブ基端側ボス15とが相互に同軸重合し
てそれらに共通の支点ピン7が嵌脱自在に嵌挿可能とさ
れている。さらに前記支点ピン7を支軸としてジブ3を
先端ブーム2の側方領域を回転移動することにより基端
ブーム1の側面に沿って格納自在となっている。このよ
うな張出格納方式のジブを横振出しジブを呼んでいる。
図15に示したA,Bは基端ブーム1側面と格納時のジ
ブ3との間に介装されるジブ支持装置であり、当該ジブ
支持装置A,Bによりジブ3の重量を基端ブーム1に担
持する。
【0003】一方、近年伸縮ブームを構成する各段ブー
ムの断面形状がブームの軽量化あるいは溶接箇所を減ら
すこと等を目的として、角部に大きな円弧による面取り
を施したり、あるいは折り曲げ箇所を増やして全体とし
て多角形状にするなどしたR型多角形断面になる傾向に
ある。当該R型多角形断面を有する伸縮ブームは、先端
ブームに伸縮ブーム中心軸回りのねじりトルクが作用す
ると、基端ブーム1に対する先端ブーム2のねじれによ
り、スライドプレート部分で回転方向のズレが発生しや
すい。したがって、R型多角形断面を有する伸縮ブーム
にはなるべく先端ブームに大きなねじりトルクが作用し
ないようにすることが望ましい。
【0004】ところが、上述した実公昭59−4335
8号公報に記載されたジブの格納装置は横振出しジブ方
式であるため、その張出格納準備時にジブ3が先端ブー
ム2に対して直角方向を向いた時には、先端ブーム2に
はジブ3の重量により大きなねじりトルクが作用するも
のであった。
【0005】一方、ブームが全縮小した状態で上記先端
ブーム2に作用するねじりトルクを基端ブーム1に伝達
するよう先端ブーム2と基端ブーム1の間に介装される
ブーム回転防止ストッパが開発されている。係るブーム
回転防止ストッパはブームが全縮小していることがその
機能を果たす条件である。上述した実公昭59−433
58号公報の技術では、前記ジブ支持装置A,Bの係合
離脱操作の際に先端ブーム2の伸縮動作が行われるた
め、前記支点ピン7を支軸として前記ジブ3を先端ブー
ム2の側方領域を回転移動する過程では伸縮ブームが僅
かながら必ず伸長しており、上記ブーム回転防止ストッ
パが役立たないものであった。
【0006】そこで本願出願人は、基端ブームと格納状
態のジブとの間に介装されるジブ支持装置を、伸縮ブー
ムの伸縮動作を用いず、先端ブーム2を全縮小状態とし
て前記支点ピン7を支軸として前記ジブ3を回転させそ
のまま係合離脱できるように構成することにより、伸縮
ブームを全縮小したままでジブを張出格納することがで
きるジブ格納装置を開発した。
【0007】すなわち、上述した実公昭59-4335
8号公報に記載されたジブ支持装置A、Bに該当するも
のとして 前記伸縮ブームの基端ブーム側面部に格納状
態のジブと基端ブームとの間には基端ブーム基端側に配
置された第1ジブ格納手段と、基端ブーム先端側に配置
された第2ジブ格納手段と、張出格納補助手段とを介装
するようにした。
【0008】具体的には、前記第1ジブ格納手段は、前
記基端ブーム側面に配置され基端ブーム側面から離間す
る方向へ下方に傾斜するサポートと、前記ジブに配置さ
れた転動可能なローラと、を備えており、前記ジブの係
合離脱の際には前記ローラが前記サポートの傾斜面上を
ジブの重量を支持しながら転動するよう構成したもので
ある。
【0009】また、前記第2ジブ格納手段は、前記基端
ブーム側面に配置された基端ブーム側固定ボスと、前記
ジブ側面に配置されたジブ側固定ボスと、基端ブーム側
面に沿って伸縮ブーム軸線に直交する方向に移動可能に
支持された固定ピンと、当該固定ピンを駆動する固定ピ
ン駆動油圧シリンダと、を備えており、前記基端ブーム
側固定ボスとジブ側固定ボスとが相互に同軸重合し、そ
れらに共通の前記固定ピンを嵌脱自在に嵌挿することに
より、前記基端ブームに対し前記ジブを係合するよう構
成したものである。
【0010】さらに、前記張出格納補助手段は、その先
端が基端ブーム側面に対し接近あるいは離間する方向に
揺動可能なレバーと、当該レバーを駆動するレバー駆動
油圧シリンダと、前記レバー先端に配置されレバー揺動
面に直交する方向にその先端部を突出するようバネ付勢
された自動ピンと、前記自動ピン先端部が係合可能な穴
を有する前記ジブに配置された係合部材と、を備えてお
り、前記自動ピンが係合部材に係合した状態で前記レバ
ーが揺動すると、前記第1ジブ格納手段による前記ジブ
と基端ブームとの係合離脱が行われるよう構成したもの
である。
【0011】横振出しジブのジブ格納装置をかかる構成
とすることにより、ブーム回転防止ストッパが機能を発
揮するブーム全縮小状態のままで前記支点ピンを支軸と
して前記ジブを伸縮ブーム側方領域を回転移動させて
も、前記ジブと基端ブームとの間に介装された前記第1
ジブ格納手段と第2ジブ格納手段によるジブ格納を行う
ことができるのである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記張出格
納補助手段のレバー駆動油圧シリンダを操作するにあた
り、前記伸縮ブームが全縮小状態にあること、前記支点
ピンが嵌挿状態にあること、および前記固定ピンが非嵌
挿状態にあることが条件となる。すなわち、伸縮ブーム
が全縮小していないと前記基端ブームとジブとが所定の
位置関係にないため、前記第1ジブ格納手段、第2ジブ
格納手段およびジブ張出格納手段がその機能を発揮する
ことができない。また、前記支点ピンが嵌挿状態にない
と基端ブーム側面に格納されていたジブを落下させる恐
れがある。さらに、前記固定ピンが嵌挿状態にあるまま
で前記レバー駆動油圧シリンダを操作するとジブあるい
はジブ格納装置を損傷してしまうおそれがある。
【0013】そこで、係る不具合を防止することができ
るクレーン車のジブ格納装置を提供しようとするもので
ある。
【0014】また、上述したジブ格納装置でのジブ張出
格納準備中に誤って伸縮ブームを伸縮操作すると、やは
り、ジブあるいはジブ格納装置を損傷してしまう恐れが
ある。
【0015】そこで、ジブ張出格納準備中には伸縮ブー
ムを伸縮操作することができないジブ格納装置をも提供
しようとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に記載さ
れたクレーン車のジブ格納装置は、伸縮ブームの先端ブ
ーム一側部及び該先端ブームの先端に着脱自在に装着さ
れるジブの基端部一側部にそれぞれボスを形成し、且つ
該先端ブーム側ボスとジブ基端側ボスとが相互に同軸重
合してそれらに共通の支点ピンを嵌脱自在に嵌挿する一
方、前記伸縮ブームの全縮小状態のままで前記支点ピン
を支軸として前記ジブを伸縮ブーム側方領域を回転移動
することにより張出格納自在とするとともに、前記伸縮
ブームの基端ブーム側面部に格納状態の前記ジブと基端
ブームとの間には基端ブーム基端側に配置された第1ジ
ブ格納手段と、基端ブーム先端側に配置された第2ジブ
格納手段と、張出格納補助手段と、が介装されており、
前記第1ジブ格納手段は、前記基端ブーム側面に配置さ
れ基端ブーム側面から離間する方向へ下方に傾斜するサ
ポートと、前記ジブに配置された転動可能なローラと、
を備えており、前記ジブの係合離脱の際には前記ローラ
が前記サポートの傾斜面上をジブの重量を支持しながら
転動するよう構成され、前記第2ジブ格納手段は、前記
基端ブーム側面に配置された基端ブーム側固定ボスと、
前記ジブ側面に配置されたジブ側固定ボスと、基端ブー
ム側面に沿って伸縮ブーム軸線に直交する方向に移動可
能に支持された固定ピンと、当該固定ピンを駆動する固
定ピン駆動油圧シリンダと、を備えており、前記基端ブ
ーム側固定ボスとジブ側固定ボスとが相互に同軸重合
し、それらに共通の前記固定ピンを嵌脱自在に嵌挿する
ことにより、前記基端ブームに対し前記ジブを係合する
よう構成され、前記張出格納補助手段は、その先端が基
端ブーム側面に対し接近あるいは離間する方向に揺動可
能なレバーと、当該レバーを駆動するレバー駆動油圧シ
リンダと、前記レバー先端に配置されレバー揺動面に直
交する方向にその先端部を突出するようバネ付勢された
自動ピンと、前記自動ピン先端部が係合可能な穴を有す
る前記ジブに配置された係合部材と、を備えており、前
記自動ピンが係合部材に係合した状態で前記レバーが揺
動すると、前記第1ジブ格納手段による前記ジブと基端
ブームとの係合離脱が行われるよう構成されたクレーン
車のジブ格納装置であって、前記伸縮ブームの全縮小状
態を検出する伸縮ブーム全縮小状態検出手段と、前記支
点ピンの嵌挿状態を検出する支点ピン嵌挿状態検出手段
と、前記第2ジブ格納手段における前記固定ピンの嵌挿
状態を検出する固定ピン嵌挿状態検出手段と、を備え、
前記伸縮ブーム全縮小状態検出手段が伸縮ブームの全縮
小状態を検出し、前記支点ピン嵌挿状態検出手段が支点
ピンの嵌挿状態を検出し、前記固定ピン嵌挿状態検出手
段が固定ピンの非嵌挿状態を検出したときのみ前記張出
格納補助手段のレバー駆動油圧シリンダを操作可能とな
るよう構成したことを特徴としている。
【0017】以上のように、伸縮ブームが全縮小状態の
まま横振出しジブを張出格納できるよう基端ブームと格
納状態のジブとの間に第1ジブ格納手段と第2ジブ格納
手段およびジブ張出格納補助手段を介装したクレーン車
のジブ格納装置において、伸縮ブームが全縮小してお
り、支点ピンが嵌挿され、固定ピンが非嵌挿となってい
るときのみ前記張出格納補助手段のレバー駆動油圧シリ
ンダを操作できるようにしたので、上記ジブ格納装置の
所定の機能を発揮させるとともに、ジブの落下あるいは
ジブ等の損傷を防止することができるのである。
【0018】さらに、本願の請求項2に記載されたクレ
ーン車のジブ格納装置は、前記伸縮ブームに対して設け
られたブーム長さ検出器、ブーム角度検出器、ブーム負
荷検出器からの検出信号を受取り、当該検出信号とクレ
ーン作業状態に応じて伸縮ブームの動作を規制する過負
荷防止装置と、当該過負荷防止装置に対してクレーン作
業状態の設定を行うクレーン作業状態設定手段と、を備
え、当該クレーン作業状態設定手段が、ジブ張出格納準
備状態に設定されているときには、前記過負荷防止装置
は前記伸縮ブームの伸縮動作を規制することを特徴とし
ている。
【0019】以上のようにクレーン作業状態設定手段が
ジブ張出格納準備状態に設定されているときには、伸縮
ブームを伸縮操作しても伸縮ブームが伸縮動作しないの
で、上述したジブ格納装置でのジブ張出格納準備中に誤
って伸縮ブームを伸縮操作してもジブあるいはジブ格納
装置を損傷することを防止できるのである。
【0020】
【発明の実施の形態】図1に、本発明の実施の形態に係
るクレーン車のジブ格納装置を使用した伸縮ブーム30
とジブ40を示す。
【0021】R型多角形断面を有する伸縮ブーム30は
図示しないクレーン車の走行可能な車輌部に旋回可能に
搭載された旋回台に対し起伏可能に枢着される。伸縮ブ
ーム30は基端ブーム31に伸縮可能に嵌挿された中間
ブームと中間ブームに伸縮可能に嵌挿された先端ブーム
32とから構成される。ジブ40は前記先端ブーム32
の先端部に着脱自在に装着されるジブサポート41と、
当該ジブサポート41にチルト自在に連結される基端ジ
ブ42と、当該基端ジブの先端部にさらに連結される先
端ジブ43とから構成される。実施の形態に係るジブ4
0は前記基端ジブ42先端部一側と先端ジブ基端部一側
がジブ支点ピン46により回転自在に連結されており、
図示するように基端ジブ42に対し先端ジブ43を内側
に折畳んだ姿勢で前記基端ブーム31の側面に格納する
点に特徴を有するもので、バイホールドジブと呼ばれる
ものである。49は基端ジブ42の先端部に設けられた
吊荷用シーブであり、50は先端ジブ43の先端部に設
けられた吊荷用シーブである。ジブ40による吊荷作業
の際には、先端ジブ43を基端ブーム31に残し、基端
ジブ42とジブサポート41のみを先端ブーム32の先
端部に張出し、基端ジブ42先端から吊荷用ワイヤを吊
下してジブ作業を行うことが可能である。また、基端ジ
ブ42に先端ジブ43を折畳んだ姿勢のままでジブ40
を先端ブーム32の先端部に張出し、さらに基端ジブ4
2の先端部に先端ジブ43を前記ジブ支点ピン48を中
心に回転して張出し、先端ジブ43の先端から吊荷用ワ
イヤを吊下してジブ作業を行うことも可能である。51
は先端ジブ43を基端ジブ42の先端に張出した際に基
端ジブ先端部他端と先端ジブ基端部他端を連結するジブ
連結ピンである。
【0022】33は先端ブーム32の一側部に形成され
た先端ブーム側ボスであり、44はジブサポート41の
基端部一側部に形成されたジブ基端側ボスである。図1
には当該先端ブーム側ボス33とジブ基端側ボス44が
同軸重合した状態が示されている。46は同軸重合した
前記先端ブーム側ボス33とジブ基端側ボス44に共通
に嵌脱自在に嵌挿する支点ピンである。当該支点ピン4
6を支軸としてジブ40を伸縮ブーム30の側方領域を
回転移動することにより(いわゆる横振出しにより)基
端ブーム側面の格納位置と先端ブーム32の先端部の張
出位置とに張出格納自在となっている。34は前記先端
ブーム32の他側部に形成された先端ブーム側ボスであ
り、45はジブサポート41の基端部他側部に形成され
たジブ基端側ボスである。ジブ40が先端ブーム32先
端部の張出位置に張出された際には、前記先端ブーム側
ボス34とジブ基端側ボス45が同軸重合し、これらに
共通の連結ピン47を嵌挿することにより両者が連結さ
れるようになっている。
【0023】なお、本願発明のジブ格納装置は上述した
バイホールドジブ40のみならず、横振出し式の他の形
式のジブにも適用できることは勿論である。
【0024】60は前記伸縮ブーム30の基端ブーム側
面部に格納状態の前記ジブ40と基端ブーム31との間
に介装されるジブ格納手段のうち、基端ブーム基端側に
配置された第1ジブ格納手段であり、70は基端ブーム
先端側に配置された第2ジブ格納手段である。80は前
記ジブ40と基端ブーム31との間に介装される張出格
納補助手段である。
【0025】52は前記ジブ支点ピン48を支軸として
折畳んだ先端ジブ43を基端ジブ42に固定するジブ間
固定手段であり、53は折畳んだ状態のジブ40を基端
ブーム31の側面に固定するジブブーム間固定手段であ
る。
【0026】図2は図1のA矢視詳細図であって、図3
は図2のD矢視図であり、共に前記第1ジブ格納手段6
0と張出格納補助手段80の詳細を図示するものであ
る。なお、図3においては見やすくするため、前記第1
ジブ格納手段60と張出格納補助手段80の上方に位置
する前記基端ジブ42と先端ジブ43を二点鎖線で示し
ている。
【0027】61は基端ブーム側面35に設置された前
記第1ジブ格納手段60を構成するサポートであって、
基端ブーム上面36に平行な面62と当該面62の基端
ブーム側面35とは離間する側の辺63で連続し前記基
端ブーム側面35に離間する方向へ下方に傾斜する面6
4を有している。65と66は基端ジブ42に固着され
た部材67に配置された転動可能なローラである。図3
に示されるようにローラ65はローラ66に対して基端
ジブ42の軸方向にややずらして取り付けられており、
ローラ65は前記基端ブーム上面36に平行な面62と
傾斜面64とを転動し、ローラ66は平行な面62のみ
を転動するようになっている。
【0028】81は前記サポート61に一体的に構成さ
れたブラケット82の支軸83を中心としてその先端8
4が基端ブーム側面35に対して接近あるいは離間する
方向に揺動可能なレバーである。85はそのロッド側端
部86を前記レバー81に枢着し、シリンダ側端部87
を前記ブラケット82に枢着した油圧シリンダである。
当該油圧シリンダ85を伸縮させることにより、前記レ
バー81を前記支軸83を中心として揺動駆動すること
ができるようになっている。88は前記レバー81の先
端84に配置されレバー揺動面に直交する方向にその先
端部89を突出するよう内臓するバネによりバネ付勢さ
れた自動ピンである。自動ピン88には操作環90が取
付けられており、バネ付勢に逆らって先端部を引込める
ようになっている。
【0029】91は前記基端ジブ42に固着された部材
67に配置された係合部材であって、前記レバー81の
揺動面に平行な面92を有しており、当該面上には前記
自動ピン88の先端部89が係合可能な長穴93が上下
方向に明けられている。図3に示されるように係合部材
91の面92はその両端に基端ブーム側面35に向かう
方向及びその反対方向に傾斜面を有しており、前記ジブ
40を支点ピン46回りに回転させた際には、前記自動
ピン88の先端部89が前記傾斜する面に沿ってバネ付
勢に逆らって押し込められた後、先端部89が前記長穴
93に突出し、前記レバー81と係合部材91が自動的
に係合するようになっている。
【0030】図4は図1のB矢視詳細図であって、第2
ジブ格納手段70における格納前の状態を示すものであ
る。
【0031】79は調整部材であって、基端ブーム31
の側面下方に設けられた上下調整部材122に枢着さ
れ、側面上方に設けられた左右調整部材123によって
左右方向を支持されており、全体として基端ブーム側面
35とほぼ平行に配置されている。上下調整部材122
のナットを回転させることにより、前記調整部材79を
上下に調整できるようになっている。また、左右調整部
材123の左右のボルトを回転することにより前記調整
部材79の枢着軸124回りの角度調整ができるように
なっている。これにより、調整部材79は基端ブーム側
面35に対して上下位置と平行度を調整することができ
るようになっている。
【0032】71は上側固定ピン、72は下側固定ピ
ン、73は当該上側固定ピン71と下側固定ピン72の
間に配置された固定ピン駆動油圧シリンダである。74
は上側基端ブーム側固定ボス、75は下側基端ブーム側
固定ボスであって、前記調整部材79に固着されてい
る。そして、上側基端ブーム側固定ボス74に上側固定
ピン71が嵌挿されて配置されており、下側基端ブーム
側固定ボス75には下側固定ピン72が嵌挿されて配置
されている。このように、固定ピン71、72および固
定ピン駆動シリンダ73は基端ブーム31側に配置され
ている。
【0033】76は基端ジブ42に固着された部材であ
って、当該部材76から基端ブーム側面35に向けて上
側ジブ側固定ボス77と下側ジブ側固定ボス78が配置
されている。当該上側ジブ側固定ボス77は前記上側基
端ブーム側固定ボス74と相互に同軸重合可能な位置に
配置され、かつ当該下側ジブ側固定ボス78は下側基端
ブーム側固定ボス75と相互に同軸重合可能な位置に配
置されている。125は固定ピン抜き規制手段であっ
て、前記基端ジブ42に固着された部材76に取付られ
ている。
【0034】150は前記固定ピン駆動油圧シリンダ7
3のロッドカバー130にプレート151を介して取付
られたリミットスイッチである。前記固定ピン駆動油圧
シリンダ73が全縮小すると、リミットスイッチ150
の検出部が前記下側固定ピン72に取付けられた検出プ
レート152により押されることによりリミットスイッ
チ150が検出操作されるようになっている。このよう
に、リミットスイッチ150が検出操作されることによ
って、固定ピン71、72の非嵌挿状態が検出されるの
である。なお、リミットスイッチ150は請求項に記載
された固定ピン嵌挿状態検出手段に該当するものであ
る。
【0035】図5は図4の状態から基端ジブ42を基端
ブーム側面35側に接近させることにより、前記上側ジ
ブ側固定ボス77と上側基端ブーム側固定ボス74と
を、および前記下側ジブ側固定ボス78と下側基端ブー
ム側固定ボス75とを相互に同軸重合させ、さらに前記
固定ピン駆動油圧シリンダ73を伸長し、上側固定ボス
74と77及び下側固定ボス75と78に対し前記固定
ピン71、72を嵌挿した状態を示している。この状態
にあっては、前記リミットスイッチ150の検出部と下
側固定ピン72に取付られた検出プレート152は離れ
ており、固定ピンの嵌挿状態を検出可能となっている。
【0036】図6は図5のF矢視詳細図であって、前記
固定ピン抜き規制手段125の詳細を示すものである。
127は基端ジブ42側の部材76に固着された部材1
26に対し、支軸128により軸支された規制部材であ
る。規制部材127は厚板で構成されており、前記固定
ピン駆動油圧シリンダ73のロッド129に近接して位
置することが可能になっている。図5に示されるよう
に、ロッド129に沿って前記規制部材127は伸長時
の前記固定ピン駆動油圧シリンダ73のロッドカバー1
30と下側固定ピン72間に入り込むことができるよう
になっている。したがって、伸長状態のロッド129近
傍に前記規制部材127が位置することにより、固定ピ
ン駆動油圧シリンダ73の縮小動作(固定ピンの抜き側
への移動)が規制されることになる。
【0037】132は前記基端ジブ42側の部材76に
固着された部材131と前記規制部材127との間に介
装されたバネである。このバネ132により、前記規制
部材127は固定ピン駆動油圧シリンダ73のロッド1
29に近接して位置するように付勢されている。133
はそのアウターケーシングを前記部材131に取付け、
そのインナーケーブル134を前記規制部材127に接
続したコントロールケーブルである。コントロールケー
ブル133内部のインナーケーブル134を引張ると前
記バネ132の付勢力に逆らって、前記規制部材127
を前記固定ピン駆動油圧シリンダ73のロッド129か
ら遠ざかる方向へ移動させることができるようになって
いる。これにより、規制部材129による伸長状態の固
定ピン駆動油圧シリンダ73の縮小動作の規制を解除す
ることができる。言い換えると、固定ピン71、72の
抜き側への移動規制が解除されるのである。
【0038】上記コントロールケーブル133は、請求
項2に記載された関連手段に該当するものである。な
お、関連手段はコントロールケーブルに限られず、リン
ク機構、油圧機構その他の機構が使用可能であることは
勿論である。
【0039】図7は図1のE矢視詳細図であって、基端
ジブ42の基端部分とジブサポート41を支点ピン46
側から見た図である。図8は図7のG矢視断面図であっ
て、前記支点ピン46の内部構造を説明するものであ
る。支点ピンは上側支点ピン46aと下側支点ピン46
bとがネジ棒135により連結されて構成されている。
ネジ棒135の上端部136には左ネジが切られてお
り、当該上端部136にはその内側の穴に左ネジが切ら
れた上側支点ピン46aがネジ込まれている。また、ネ
ジ棒135の下端部137には右ネジが切られており、
当該下端部137にはその内側の穴に右ネジが切られた
下側支点ピン46bがネジ込まれている。138はその
断面が正方形とされ、前記ネジ棒下端部137からさら
に下方に突出した回転具連結部である。回転具連結部1
38に組み合せ可能な連結部を有する図示しない回転具
によりネジ棒135全体を回転操作することが可能であ
る。
【0040】上側支点ピン46aにはその軸方向に溝1
43が切られており、上側ジブ基端側ボス44aにねじ
こまれたボルト139の先端が当該溝143にはまり込
んでいる。これにより、上側支点ピン46aは回転が規
制されながらも、溝143に沿っての軸方向の移動が許
容されるようになっている。下側支点ピン46bも同様
の構造となっている。ネジ棒135を回転させると、ネ
ジ棒135に対して上側支点ピン46aと下側支点ピン
46bは反対方向にネジ送りされることになり、この動
作により上側支点ピン46aと下側支点ピン46bを上
下に同時に突出させたり、引き込んだりすることができ
る。この支点ピンの機構は昇降ピンと呼ばれている。な
お、連結ピン47も同じ構造である。
【0041】前記コントロールケーブル133は、その
アウターケーシングがジブサポート41に固着された部
材140に取付けられ、インナーケーブル134が前記
上側固定ピン46aと一体の上側パイプ材139aに固
着された部材141に取り付けられている。図8に示し
た状態から前記ネジ棒135の回転具連結部138が図
示しない回転具により回転させられ、上側固定ピン46
aが上方に突出し、先端ブーム側ボス33に対し嵌挿位
置となるとコントロールケーブル133のインナーケー
ブル134が所定量だけ引張られることになる。係る部
分により請求項2に記載された支点ピン嵌挿検出手段1
42が構成されている。
【0042】図7に示したように、上述した支点ピン嵌
挿状態検出手段142は前記固定ピン抜き規制手段12
5と連動手段(コントロールケーブル133)を介して
関連付けられている。すなわち、前記支点ピン46a、
46bがジブ基端部ボス44a、44b内部に位置して
いるときには、前記固定ピン抜き規制手段125は固定
ピン71、72の抜き側への移動を規制し、支点ピン支
点ピン46a、46bが基端ブーム側ボス33に嵌挿状
態にあると、前記固定ピン71、72の抜き側への移動
規制が解除されるようになっている。
【0043】図13はジブ格納装置に関する部分の油圧
回路と電気回路である。実際の油圧回路には、油圧シリ
ンダを保持するパイロットチェック弁、負荷に関わらず
操作量に応じた流量を補償する圧力補償弁等が使用され
るが、実施の形態に直接関係ないため記載を省略してい
る。
【0044】153は過負荷防止装置であって、ブーム
長さ検出器154、ブーム角度検出器155、ブーム負
荷検出器156の各検出信号を受取るようになってい
る。157はクレーン作業状態設定手段であって、ブー
ム作業状態、ジブ作業状態あるいはジブ張出格納準備状
態を選択してその信号を前記過負荷防止装置153に入
力できるようになっている。159はジブセットリレー
であって、前記クレーン作業状態設定手段157がジブ
張出格納準備状態を選択すると電源ライン158から過
負荷防止装置153に向かって電気が流され、そのリレ
ー作動するものである。ジブセットリレー159に電気
が流れると、常時開のジブセット接点160が閉じるよ
うになる。161はブーム全縮小状態検出スイッチであ
って、伸縮ブームに取付けられ伸縮ブームが全縮小する
と常時開の接点が閉じるようになっている。なお、ブー
ム全縮小検出スイッチ161は請求項に記載された伸縮
ブーム全縮小検出手段に該当するものである。162は
固定ピン駆動油圧シリンダ73を操作するための固定ピ
ン操作スイッチである。163は固定ピン駆動油圧シリ
ンダ73への作動油を切換操作するソレノイド式切換弁
である。前記クレーン作業状態切換手段157でジブ張
出格納準備状態が選択されることにより前記ジブセット
接点160が閉となり、伸縮ブーム30が全縮小し前記
ブーム全縮小検出スイッチ161が閉となると、前記固
定ピン操作スイッチ162によりソレノイド式切換弁1
63を操作し、油圧ポンプ164からの作動油を固定ピ
ン駆動油圧シリンダ73に送ることが可能となるのであ
る。
【0045】150は図4と図5に図示し説明した固定
ピン嵌挿状態検出手段としての役割を持つリミットスイ
ッチであって、前記固定ピン71、72が非嵌挿状態に
なるとその接点が閉となるものである。165はレバー
駆動油圧シリンダ85を操作するためのレバー操作スイ
ッチである。166はレバー駆動油圧シリンダ85への
作動油を切換操作するソレノイド式切換弁である。前記
クレーン作業状態切換手段157でジブ張出格納準備状
態が選択されることにより前記ジブセット接点160が
閉となり、伸縮ブーム30が全縮小し前記ブーム全縮小
検出スイッチ161が閉となり、さらに前記第2ジブ固
定手段70の固定ピン71、72が非嵌挿状態にあって
リミットスイッチ150が閉となると、前記レバー操作
スイッチ165によりソレノイド式切換弁166を操作
し、油圧ポンプ164からの作動油をレバー駆動油圧シ
リンダ85に送ることが可能となるのである。
【0046】なお、固定ピン駆動油圧シリンダ73が縮
小動作し、上述したリミットスイッチ150が閉となる
ためには、既に説明したように支点ピン46が嵌挿され
支点ピン嵌挿検出手段142、関連手段133を介して
固定ピン抜き規制手段125による固定ピンの抜き規制
が解除されていることが要件とされるものである。した
がって、レバー操作スイッチ165によりレバー駆動油
圧シリンダ85が操作可能となるためには、伸縮ブーム
30が全縮小状態にあり、支点ピン46が嵌挿状態にあ
り、固定ピン71、72が非嵌挿状態にあることが要件
とされるのである。
【0047】167は前記伸縮ブーム30に内挿される
伸縮シリンダであり、168は当該伸縮シリンダ167
と油圧ポンプ170の間の油路に介装され、パイロット
操作弁169により切換操作されるパイロット式切換弁
である。171は前記油圧ポンプ170の吐出油路に接
続され、タンク173との間に介装されたリリーフ弁で
あって、油圧ポンプ170の最高油圧を決定するもので
ある。当該リリーフ弁171のベント油路はベントソレ
ノイド弁172を介してタンクに接続されている。ベン
ト油路がタンクに接続されると、前記リリーフ弁171
は油圧ポンプ170の吐出した作動油を全量タンク17
3に戻すアンロード状態になるようになっている。ベン
トソレノイド弁172は前記過負荷防止装置153から
の操作信号により切換操作されるようになっている。前
記クレーン作業状態設定手段157がジブ作業状態、ブ
ーム作業状態に選択されているときには、過負荷防止装
置153からベントソレノイド弁172には切換信号が
出力され、前記リリーフ弁171のベント油路はタンク
と遮断される。したがって、前記油圧ポンプ170のか
ら吐出される作動油は所定の最高圧力まで昇圧可能であ
り、前記伸縮シリンダ167はパイロット操作弁169
の操作により伸縮操作可能である。一方、クレーン作業
状態設定手段157がジブ張出格納準備状態に設定され
ると、前記ベントソレノイド弁172への切換信号が送
られなくなる。すると、前記リリーフ弁171のベント
油路はタンクに接続され、油圧ポンプ170はアンロー
ド運転状態となる。したがって、この場合は、パイロッ
ト操作弁169による伸縮シリンダ167の伸縮操作が
規制されることとなる。
【0048】以上、その構成を説明したジブ格納装置に
よるジブ40の格納と張出は以下の通りである。 (ジブ格納)ジブ40格納にあたり、図13に示した前
記作業状態設定手段157がジブ張出格納準備状態に選
択される。すると、上述したように油圧ポンプ170は
アンロード状態となり伸縮シリンダ167の操作は規制
されるので、誤ってジブ格納中に伸縮ブーム30を伸縮
操作することによるジブ40あるいはジブ格納手段6
0、70等を損傷することが防止される。
【0049】伸縮ブーム30の先端ブーム32の先端に
張出されたジブ40は、まずその先端ジブ43が基端ジ
ブ42に対して折畳まれるようにして格納される。具体
的には、前記先端ジブ43と基端ジブ42間の他側を連
結していたジブ連結ピン51が抜かれる。そして、先端
ジブ43と基端ジブ42間の一側を連結しているジブ支
点ピン48を支軸として、先端ジブ43が前記基端ジブ
42の側方領域を回転移動することにより基端ジブ42
の側方位置に格納される。先端ジブ43を回転移動する
には先端ジブを人力で引張ることにより行われる。この
時、前記ジブ間固定手段52によって先端ジブ43と基
端ジブ42が固定される。
【0050】次に、折畳まれたジブ40はさらにそのジ
ブ全体が伸縮ブーム30に対して折畳まれるようにして
格納される。具体的には、前記ジブサポート41と先端
ブーム32間の他側を連結していた連結ピン47が抜か
れる。そして、前記ジブサポート41と先端ブーム32
の一側を連結している支点ピン46を支軸として、ジブ
40全体が前記伸縮ブーム30の側方領域を回転移動す
ることにより基端ブーム31の側方位置に格納される。
なお、ジブ40全体の回転移動もジブ40を人力で引張
ることにより行われる。
【0051】ジブ40全体を伸縮ブーム30の側方領域
を回転移動する際には伸縮ブーム30は全縮小されてい
る。従来技術で説明したように基端ブーム31と先端ブ
ーム32間にはブーム回転防止ストッパが介装されてお
り、伸縮ブーム30が全縮小した状態では当該ブーム回
転防止ストッパを介して先端ブーム32に作用するねじ
りトルクが直接基端ブーム31に伝達されるので、ジブ
40全体を伸縮ブーム30の側方領域を回転移動させる
ことにより先端ブーム32に大きなねじりトルクを加え
ても何ら問題が起きない。
【0052】図9はジブ40全体を支点ピン46を支軸
として回転移動することにより、前記張出格納補助手段
80のレバー81先端の自動ピン88の先端部89がジ
ブ側の係合部材91の長穴93に係合した状態を示す図
である。この時、図13に示したブーム全縮小検出スイ
ッチ161は閉となっており、ジブセット接点160は
閉となっており、固定ピン嵌挿検出のリミットスイッチ
150も閉となっているため、前記レバー駆動油圧シリ
ンダ85はレバー操作スイッチ165によって伸縮操作
可能となっている。図9の状態からレバー駆動油圧シリ
ンダ85を縮小操作するとレバー81はその先端部の自
動ピン88が基端ブーム側面35に対して接近する方向
に揺動駆動される。レバー81の揺動に伴ない、ジブ4
0も基端ブーム側面35に対し接近駆動される。その
時、前記ローラ65が前記サポート61の傾斜した面6
4上をジブ40の重量を支持しながら転動する。したが
って、ジブ40は前記斜面64に沿って引上げられるこ
とになる。
【0053】図2と図2のD矢視図である図3は、ジブ
格納補助手段のレバー81がその揺動ストローク一杯に
基端ブーム側面35側に移動したときの状態である。こ
の時、前記基端ジブ42に固着された部材67に取付ら
れたローラ65は完全に前記サポート61の斜面64を
登り切り、基端ブーム上面36に平行な面62上に位置
している。なお、ジブ側のもう1つのローラ66もサポ
ート61の基端ブーム上面36に平行な面62上に位置
している。したがって、図2と図3の状態にあってはジ
ブ40の重量は、ローラ65、66を介してサポート6
1により支持されるようになっている。
【0054】図1は、第1ジブ格納手段60とジブ40
が図2と図3に示した状態にある時の、伸縮ブーム30
とジブ40の全体を上方から見た図である。この時は、
前記ジブサポート41の一側部のジブ基端側ボス44と
先端ブーム32の一側部の先端ブーム側ボス33は相互
に同軸重合して、それらに共通の支点ピン44を嵌挿し
た状態のままである。この状態は、ジブ40を先端ブー
ム32にセットした状態という意味からジブセット状態
と呼ばれる。
【0055】上記ジブセット状態にあるときは、第2ジ
ブ格納手段70では、ジブ側固定ボス77、78が基端
ブーム側固定ボス74、75と同軸重合するようになっ
ている。この時、図13に示したブーム全縮小検出スイ
ッチ161は閉となっており、ジブセット接点160も
閉となっているので、固定ピン操作スイッチ162によ
って前記固定ピン駆動シリンダ73を伸長させ、固定ピ
ン71、72をジブ側固定ボス77、78に嵌挿するこ
とができる。これにより、第2ジブ格納手段70での基
端ジブ42と基端ブーム31との係合が行われる。第2
ジブ格納手段70により前記ジブ40が前記基端ブーム
31に対し係合された状態を図5に示す。
【0056】次に、図1に示した前記ジブサポート41
の一側部のジブ基端側ボス44と先端ブーム32の一側
部の先端ブーム側ボス33との支点ピン46による連結
を解除する。具体的には図7と図8に示した支点ピン4
6の回転具連結部138を回転具を使って地上から人力
で回転操作することにより、前記上側支点ピン46a、
下側支点ピン46bがそれぞれ上側ジブ基端側ボス44
a、下側ジブ基端側ボス44bに格納されるように操作
する。これにより、支点ピン46によるジブ基端側ボス
44と先端ブーム側ボス33との連結が解除される。
【0057】次に、図2と図3に示したレバー81先端
の自動ピン88の操作環90を引くことにより、自動ピ
ン先端部89とジブ側の係合部材91との係合を解除す
る。これにより、人力によりジブ40全体を前記第2ジ
ブ格納手段70の固定ピン71、72を支軸として揺動
することが可能となる。この場合の揺動は、図1に示し
たジブサポート41の一側部のジブ基端側ボス44と先
端ブーム32の一側部の先端ブーム側ボス33との同軸
重合状態を解除することが目的であるため、揺動による
移動量はわずかなものである。図10は図1に示したジ
ブセット状態からさらにジブ40を基端ブーム側面35
側に移動(揺動)した時の状態を示したものである。図
10に示されたジブ40の状態は、ジブ40が基端ブー
ム側面35の格納位置に置かれた状態であるので、ジブ
格納状態と呼ばれる。ジブセット状態からジブ格納状態
へは、図2に示すようにジブ40全体の重量はローラ6
5、66によりサポート61の基端ブーム上面に平行な
面62で支持されながらジブ40全体が基端ブーム側面
35側へ移動するので、小さな力で動かすことが可能で
ある。
【0058】図11は図10のH矢視図であって、ジブ
格納状態を示すものである。101は第1ジブ格納手段
60のサポート61に取付られた自動ピンであって、既
述したレバー81先端の自動ピン88と同じ構造のもの
である。102は先端ジブ43に取付られた係合部材で
あって、前記サポート61側の自動ピン101と自動的
に係合するようになっている。105はサポート側ボス
103と先端ジブ43側ボス104が同軸重合したとき
に嵌挿される格納ピンであり、108はサポート側ボス
106と基端ジブ側ボス107が同軸重合したときに嵌
挿される格納ピンである。上記格納ピン105、108
の嵌挿により、ジブ40は第1ジブ格納手段60のサポ
ート61にしっかりと固定されるのである。
【0059】図12は図10のC矢視詳細図であって、
ジブ格納状態におけるジブブーム間固定手段53を示す
ものである。111は基端ブーム側面35から先端ジブ
43側に張出されたサポート110に取付けられた基端
ブーム側ボスであり、112は先端ジブ43に取付けら
れた先端ジブ側ボスである。上記基端ブーム側ボス11
1と先端ジブ側ボス112が同軸重合した状態で、格納
ピン113が嵌挿される。上記格納ピン113の嵌挿に
より、先端ジブ43の先端部が基端ブーム側面のサポー
ト110にしっかりと固定されるのである。以上が、本
発明の実施の形態に係るクレーン車のジブ格納装置によ
るジブ40の格納手順である。 (ジブ張出)ジブ40の張出手順は基本的には上述した
ジブ格納手順を逆に行えばよいのである。そこで、以下
にジブ張出における特徴点である、前記伸縮ブーム全縮
小検出手段(ブーム全縮小検出スイッチ161)、支点
ピン嵌挿状態検出手段142(固定ピン抜き規制手段1
25を含む)および固定ピン嵌挿状態検出手段(リミッ
トスイッチ150)の検出結果に基く張出格納補助手段
80のレバー駆動油圧シリンダ85の規制作用を中心に
説明する。なお、ジブ張出にあたっても、図13に示し
た前記作業状態設定手段157がジブ張出格納準備状態
に選択される。すると、上述したように油圧ポンプ17
0はアンロード状態となり伸縮シリンダ167の操作は
規制されるので、誤ってジブ張出中に伸縮ブーム30を
伸縮操作することによるジブ40あるいはジブ格納手段
60、70等を損傷することが防止される。
【0060】ジブ40張出に当たっては、図10に示し
たジブ格納状態から第2ジブ格納手段70の固定ピン7
1、72を支軸として、ジブ40全体を揺動させ前記先
端ブーム側ボス33と基端ジブ側ボス44が同軸重合す
る図1に示すジブセット状態にする。このとき、まだ支
点ピン46は前記先端ブーム側ボス33に嵌挿されてい
ない。この状態で図5に示す前記第2ジブ格納手段70
の固定ピン71、72を固定ピン駆動油圧シリンダ73
により強制的に基端ジブ側ボス77、78から抜こうと
しても、前記固定ピン抜き規制手段125の規制部材1
27が固定ピン駆動油圧シリンダ73のロッドカバー1
30と下側固定ピン72の間にはまり込んでいるので、
固定ピン駆動油圧シリンダ73は縮小することができな
い。すなわち、張出手順を誤り、支点ピンよって先端ブ
ーム32とジブサポート41とを連結する前に第2ジブ
格納手段70の固定ピン71、72を抜こうとしても、
固定ピン抜き規制手段125によって誤操作が防止され
る。
【0061】次に、図7と図8に示した支点ピン46を
図示しない回転具によって回転させ、支点ピン46をジ
ブ基端側ボス44に対して同軸重合している先端ブーム
側ボス33に嵌挿する。すると、上側支点ピン46aの
嵌挿位置への移動が前記コントロールケーブル133に
よって固定ピン抜き規制125に伝えられる。図6に示
した固定ピン抜き規制手段125では、コントロールケ
ーブル133に引張られることにより、前記規制部材1
27の先端が固定ピン駆動油圧シリンダ73のロッド1
29から離れた位置に動かされる。(この時の規制部材
127を二点鎖線で示している。)これにより、固定ピ
ン71、72の抜き側への移動規制が解除されるのであ
る。
【0062】この時、図13の示したブーム全縮小検出
スイッチ161は閉となっており、ジブセット接点16
0も閉となっているので、前記固定ピン操作スイッチ1
62によりソレノイド切換弁163を切換え、固定ピン
駆動油圧シリンダ73を縮小させることが可能である。
固定ピン71、72がジブ側固定ボス77、78から抜
かれ非嵌挿状態となると、前記リミットスイッチ150
が検出操作され接点が閉となる。
【0063】この状態では図13に示したブーム全縮小
検出スイッチ161は閉となっており、ジブセット接点
160は閉となっており、固定ピン嵌挿検出のリミット
スイッチ150も閉となっているため、前記レバー駆動
油圧シリンダ85はレバー操作スイッチ165によって
伸縮操作可能となっている。図2の状態からレバー駆動
油圧シリンダ85を伸長操作するとレバー81はその先
端部の自動ピン88が基端ブーム側面35に対して離間
する方向に揺動駆動される。これにより、レバー81の
揺動に伴ない、ジブ40も基端ブーム側面35に対し離
間駆動されるのである。
【0064】
【発明の効果】本願の請求項1に記載されたクレーン車
のジブ格納装置では、伸縮ブームを全縮小状態のまま横
振出しジブを張出格納できるよう伸縮ブームの基端ブー
ムの側面部に格納状態のジブと基端ブームとの間に第1
ジブ格納手段と第2ジブ格納手段およびジブ張出格納補
助手段を介装したクレーン車のジブ格納装置において、
伸縮ブームが全縮小しており、支点ピンが嵌挿され、固
定ピンが非嵌挿となっているときのみ前記張出格納補助
手段のレバー駆動油圧シリンダを操作できるようにした
ので、上記ジブ格納装置の所定の機能を発揮させるとと
もに、ジブの落下あるいはジブ等の損傷を防止すること
ができるのである。
【0065】また、本願の請求項2に記載されたクレー
ン車のジブ格納装置では、クレーン作業状態設定手段が
ジブ張出格納準備状態に設定されているときには、伸縮
ブームを伸縮操作しても伸縮ブームが伸縮動作しないの
で、上述したジブ格納装置でのジブ張出格納準備中に誤
って伸縮ブームを伸縮操作してもジブあるいはジブ格納
装置を損傷することを防止できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の発明の実施の形態に係るジブ格納装置を
使用した伸縮ブームとジブである。
【図2】図1のA矢視詳細図である。
【図3】図2のD矢視図である。
【図4】図1のB矢視詳細図である。
【図5】ジブを基端ブームに固定したときの状態を図示
するものである。
【図6】図5のF矢視詳細図である。
【図7】図1のE矢視詳細図である。
【図8】図7のG矢視断面図である。
【図9】張出格納補助手段のレバー先端の自動ピンとジ
ブ側係合部材が係合した状態を示す図である。
【図10】ジブ格納状態の伸縮ブームとジブを示す図で
ある。
【図11】図10のH矢視詳細図である。
【図12】図10のC矢視詳細図である。
【図13】ジブ格納装置に関する油圧回路と電気回路で
ある。
【図14】実公昭59−43358公報記載のジブ格納
装置である。
【図15】実公昭59−43358公報記載のジブ格納
装置である。
【符号の説明】
Aはジブ支持装置、Bはジブ支持装置、1は基端ブー
ム、2は先端ブーム、3はジブ、5は先端ブーム側ボ
ス、7は支点ピン、15はジブ基端側ボス、30は伸縮
ブーム、31は基端ブーム、32は先端ブーム、33は
先端ブーム一側部の先端ブーム側ボス、34は先端ブー
ム他側部の先端ブーム側ボス、40はジブ、41はジブ
サポート、42は基端ジブ、43は先端ジブ、44はジ
ブサポート基端部一側部のジブ基端側ボス、45はジブ
サポート基端部他側部のジブ基端側ボス、46は支点ピ
ン、47は連結ピン、48はジブ支点ピン、49は吊荷
用シーブ、50は吊荷用シーブ、51はジブ連結ピン、
52はジブ間固定手段、53はジブブーム間固定手段、
60は第1ジブ格納手段、61はサポート、62は基端
ブーム上面に平行な面、63は辺、64は下方に傾斜す
る面、65と66はローラ、70は第2ジブ格納手段、
71と72は固定ピン、73は固定ピン駆動油圧シリン
ダ、74と75は基端ブーム側固定ボス、77と78は
ジブ側固定ボス、79は調整部材、80は張出格納補助
手段、81はレバー、85はレバー駆動油圧シリンダ、
88は自動ピン、89はピン先端部、91は係合部材、
92はレバー揺動面に平行な面、93は長穴、125は
固定ピン抜き規制手段、127は規制部材、133はコ
ントロールケーブル(間連手段)、134はインナーケ
ーブル、142は支点ピン嵌挿状態検出手段、150は
リミットスイッチ(固定ピン嵌挿状態検出手段)、15
2は検出プレート、153は過負荷防止装置、154は
ブーム長さ検出器、155はブーム角度検出器、156
はブーム負荷検出器、157は作業状態設定手段、15
9はジブセットリレー、160はジブセット接点、16
1はブーム全縮小検出スイッチ(伸縮ブーム全縮小検出
手段)、162は固定ピン操作スイッチ、165はレバ
ー操作スイッチ、167は伸縮シリンダ、169はパイ
ロット操作弁、171はリリーフ弁、172はベントソ
レノイド弁

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伸縮ブームの先端ブーム一側部及び該先
    端ブームの先端に着脱自在に装着されるジブの基端部一
    側部にそれぞれボスを形成し、且つ該先端ブーム側ボス
    とジブ基端側ボスとが相互に同軸重合してそれらに共通
    の支点ピンを嵌脱自在に嵌挿する一方、前記伸縮ブーム
    の全縮小状態のままで前記支点ピンを支軸として前記ジ
    ブを伸縮ブーム側方領域を回転移動することにより張出
    格納自在とするとともに、 前記伸縮ブームの基端ブーム側面部に格納状態の前記ジ
    ブと基端ブームとの間には、基端ブーム基端側に配置さ
    れた第1ジブ格納手段と、基端ブーム先端側に配置され
    た第2ジブ格納手段と、張出格納補助手段と、が介装さ
    れており、 前記第1ジブ格納手段は、前記基端ブーム側面に配置さ
    れ基端ブーム側面から離間する方向へ下方に傾斜するサ
    ポートと、前記ジブに配置された転動可能なローラと、
    を備えており、前記ジブの係合離脱の際には前記ローラ
    が前記サポートの傾斜面上をジブの重量を支持しながら
    転動するよう構成され、 前記第2ジブ格納手段は、前記基端ブーム側面に配置さ
    れた基端ブーム側固定ボスと、前記ジブ側面に配置され
    たジブ側固定ボスと、基端ブーム側面に沿って伸縮ブー
    ム軸線に直交する方向に移動可能に支持された固定ピン
    と、当該固定ピンを駆動する固定ピン駆動油圧シリンダ
    と、を備えており、前記基端ブーム側固定ボスとジブ側
    固定ボスとが相互に同軸重合し、それらに共通の前記固
    定ピンを嵌脱自在に嵌挿することにより、前記基端ブー
    ムに対し前記ジブを係合するよう構成され、 前記張出格納補助手段は、その先端が基端ブーム側面に
    対し接近あるいは離間する方向に揺動可能なレバーと、
    当該レバーを駆動するレバー駆動油圧シリンダと、前記
    レバー先端に配置されレバー揺動面に直交する方向にそ
    の先端部を突出するようバネ付勢された自動ピンと、前
    記自動ピン先端部が係合可能な穴を有する前記ジブに配
    置された係合部材と、を備えており、前記自動ピンが係
    合部材に係合した状態で前記レバーが揺動すると、前記
    第1ジブ格納手段による前記ジブと基端ブームとの係合
    離脱が行われるよう構成されたクレーン車のジブ格納装
    置であって、 前記伸縮ブームの全縮小状態を検出する伸縮ブーム全縮
    小状態検出手段と、 前記支点ピンの嵌挿状態を検出する支点ピン嵌挿状態検
    出手段と、 前記第2ジブ格納手段における前記固定ピンの嵌挿状態
    を検出する固定ピン嵌挿状態検出手段と、を備え、 前記伸縮ブーム全縮小状態検出手段が伸縮ブームの全縮
    小状態を検出し、 前記支点ピン嵌挿状態検出手段が支点ピンの嵌挿状態を
    検出し、 前記固定ピン嵌挿状態検出手段が固定ピンの非嵌挿状態
    を検出したときのみ前記張出格納補助手段のレバー駆動
    油圧シリンダを操作可能となるよう構成したことを特徴
    とするクレーン車のジブ格納装置。
  2. 【請求項2】 前記伸縮ブームに対して設けられたブー
    ム長さ検出器、ブーム角度検出器、ブーム負荷検出器か
    らの検出信号を受取り、当該検出信号とクレーン作業状
    態に応じて伸縮ブームの動作を規制する過負荷防止装置
    と、当該過負荷防止装置に対してクレーン作業状態の設
    定を行うクレーン作業状態設定手段と、を備え、 当該クレーン作業状態設定手段が、ジブ張出格納準備状
    態に設定されているときには、前記過負荷防止装置は前
    記伸縮ブームの伸縮動作を規制することを特徴とする請
    求項1に記載されたクレーン車のジブ格納装置。
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