JP2003234898A - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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JP2003234898A
JP2003234898A JP2002033918A JP2002033918A JP2003234898A JP 2003234898 A JP2003234898 A JP 2003234898A JP 2002033918 A JP2002033918 A JP 2002033918A JP 2002033918 A JP2002033918 A JP 2002033918A JP 2003234898 A JP2003234898 A JP 2003234898A
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JP2002033918A
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English (en)
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Hiroshi Yamaguchi
博司 山口
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 欠陥部の検出・修正による画質向上の度合い
及び処理時間増加の度合いを自動的に最適化する。 【解決手段】 写真フィルムに記録された読取画像のサ
イズ、印画紙に記録する出力画像のサイズ、写真フィル
ムのフィルム種(ネガフィルム/リバーサルフィル
ム)、写真フィルムを保持しているフィルムキャリアの
種類(マニュアルキャリア/オートキャリア)、読取時
の読取モード(1齣読み取りモード/多数齣連続読み取
りモード)の各パラメータを認識し(100〜108)、認識し
た各パラメータに基づいて、処理対象の画像に対する欠
陥部の検出基準及び修正画素数の上限を設定し(110)、
設定した検出基準に従って欠陥部を検出し(112)、設定
した修正画素数の上限に基づいて修正対象の画素(欠陥
部)を選択し(114)、修正対象の欠陥部に対する修正値
を決定する(116)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像処理装置に係
り、特に、画像情報が表す画像の欠陥部を検出して欠陥
部を修正する画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】写真フィルムは、取扱い方によっては乳
剤面やバック面(乳剤面の裏面)に傷が付くことがあ
る。写真フィルムの画像記録領域内に相当する箇所に傷
が付いていた場合、該写真フィルムに記録されている画
像を出力(印画紙等の画像記録材料に記録、或いはディ
スプレイ等の表示手段に表示)したとすると、傷の程度
にもよるが、写真フィルムに付いた傷が、低濃度の筋や
白い筋等の欠陥部として出力画像上で明瞭に視認される
ことが多い。また、写真フィルムの表面に塵埃等の異物
が付着していた場合にも、該異物が欠陥部として明瞭に
視認される。
【0003】写真フィルムに光を照射し写真フィルムを
透過した光を印画紙に照射することで印画紙に画像を露
光記録する面露光タイプの写真焼付装置では、写真フィ
ルムの傷付き対策として、光源と写真フィルムとの間に
拡散板を配置し、拡散板によって散乱された光を写真フ
ィルムに照射している。しかし、上記技術では出力画像
(印画紙に露光記録した画像)中の欠陥部を消去するこ
とは困難であり、欠陥が若干軽減される(目立たなくな
る)に過ぎない。
【0004】また、写真フィルムに記録された画像をC
CD等の読取センサによって読み取る構成の画像読取装
置に適用可能な技術として、特開平11−75039号
公報には、可視域3波長と、非可視域(例えば赤外域や
紫外域)1波長を含む少なくとも4波長以上の波長域で
写真フィルムを各々読み取り、非可視域での読み取りに
よって得られた情報に基づいて、可視域での読み取りに
よって得られた画像情報を補正する技術が開示されてい
る。
【0005】可視域の光は、写真フィルムに記録されて
いる画像濃度に応じて透過光量が変化すると共に、写真
フィルムに傷や異物が付いている箇所でも傷や異物によ
って光が一部屈折されたり反射されることで透過光量が
変化する。一方、非可視域の光は、写真フィルムに傷や
異物が付いている箇所では透過光量が変化するものの、
写真フィルムに記録されている画像濃度の影響は受けな
い。
【0006】従って、前記公報に記載の技術によれば、
非可視域の光の透過光量の変化から写真フィルムに付い
ている傷や異物を検出し、写真フィルムに付いている傷
や異物に起因する可視域の光の透過光量の変動を補正す
ること、すなわち写真フィルムに付いている傷や異物に
起因する画像(可視域での読み取りによって得られた画
像情報が表す画像)の欠陥部を修正することが可能とな
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、欠陥部の検
出・修正は出力画像の画質向上に非常に有効であるもの
の、処理が複雑なため、特に微小な欠陥部まで検出・修
正しようとすると、処理時間の大幅な増大、処理能力
(単位時間当りに処理可能な画像数)の大幅な低下を引
き起こすという問題がある。このため、欠陥部の検出・
修正を無制限に行うことは現実的ではないが、欠陥部の
検出・修正による画質向上と処理時間の大幅な増大の抑
制をどのようにしてバランスさせるかについて、前記公
報では何ら考慮されていない。
【0008】本発明は上記事実を考慮して成されたもの
で、欠陥部の検出・修正による画質向上の度合い及び処
理時間増加の度合いを自動的に最適化することができる
画像処理装置を得ることが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の発明に係る画像処理装置は、原稿に記
録されている原画像を読み取ることで得られた画像情報
に対し、該画像情報が表す画像の欠陥部を検出する検出
手段と、前記画像情報に対し、前記検出手段によって検
出された欠陥部を修正する修正手段と、原稿上での原画
像のサイズ、前記修正手段による修正を経て出力される
出力画像のサイズ、原稿の種類、原画像読取時に原稿を
保持するキャリアの種類、及び原画像読取時の読取モー
ドの少なくとも1つに応じて、前記検出手段による欠陥
部の検出基準、及び前記修正手段による修正対象の数の
上限の少なくとも一方を変更する変更手段と、を含んで
構成されている。
【0010】本願発明者は、原稿に記録されている原画
像を読み取ることで得られた画像情報が表す画像の欠陥
部を検出し、検出した欠陥部の修正を画像情報に対して
行う場合、欠陥部の検出・修正による画質向上に対する
要求水準、及び、欠陥部の検出・修正による処理時間増
大に対する許容度は、原稿上での原画像のサイズ、修正
手段による修正を経て出力される出力画像のサイズ(詳
しくは、例えば画像記録材料に画像を記録して出力する
場合には画像記録材料上での画像のサイズ、画像情報そ
のものを出力する場合には画像情報の画素数等)、原稿
の種類、原画像読取時に原稿を保持するキャリアの種
類、及び原画像読取時の読取モードによって相違するこ
とに想到した。また、欠陥部の検出・修正による画質向
上の度合い及び処理時間増加の度合いは、欠陥部の検出
基準や修正対象の数(修正対象の欠陥部の数又は欠陥部
として修正される画素の数)の上限に左右されることに
想到した。
【0011】上記に基づき請求項1記載の発明では、原
稿上での原画像のサイズ、修正手段による修正を経て出
力される出力画像のサイズ、原稿の種類、原画像読取時
に原稿を保持するキャリアの種類、及び原画像読取時の
読取モードの少なくとも1つに応じて、検出手段による
欠陥部の検出基準、及び修正手段による修正対象の数の
上限の少なくとも一方を変更する変更手段が設けられて
いる。これにより、欠陥部の検出・修正による画質向上
に対する要求水準や、欠陥部の検出・修正による処理時
間増大に対する許容度が変化すると、この変化に伴って
欠陥部の検出基準や修正対象の数の上限が自動的に変更
されることで、欠陥部の検出・修正による画質向上の度
合い及び処理時間増加の度合いを自動的に最適化するこ
とができる。
【0012】なお、請求項1記載の発明において、検出
手段による欠陥部の検出基準、及び修正手段による修正
対象の数の上限の少なくとも一方を変更することは、具
体的には以下のようにして行うことができる。すなわ
ち、原稿上での原画像のサイズが大きくなるに従って欠
陥部の検出・修正による画質向上に対する要求水準が高
くなる可能性が高い。このため、変更手段は、請求項2
に記載したように、原稿上での原画像のサイズが大きく
なるに従って、より多くの欠陥部が検出されるように前
記検出基準を変更すること、及び、前記修正対象の数の
上限を増加させること、の少なくとも一方を行うことが
望ましい。これにより、原稿上での原画像のサイズに応
じて、欠陥部の検出・修正による画質向上の度合い及び
処理時間増加の度合いを自動的に最適化することができ
る。
【0013】また、修正手段による修正を経て出力され
る出力画像のサイズについても、出力画像のサイズが大
きくなるに従って画像中の欠陥部が目立ち易くなり、欠
陥部の検出・修正による画質向上に対する要求水準が高
くなる。一方、出力画像のサイズが、例えば写真プリン
トにおけるサービスサイズ等のように比較的小さくかつ
大量に処理すべきサイズである場合には、画質向上より
も処理時間の増加を抑制することが要求される。このた
め、変更手段は、請求項3に記載したように、出力画像
のサイズが大きくなるに従って、より多くの欠陥部が検
出されるように前記検出基準を変更すること、及び、前
記修正対象の数の上限を増加させること、の少なくとも
一方を行うことが望ましい。これにより、出力画像のサ
イズに応じて、欠陥部の検出・修正による画質向上の度
合い及び処理時間増加の度合いを自動的に最適化するこ
とができる。
【0014】また、原稿の種類については、原稿がリバ
ーサルフィルム又は反射原稿の場合には、原画像上の欠
陥部が出力画像上で高濃度の欠陥部として現れるので、
原稿がネガフィルムの場合と比較して画像中の欠陥部が
目立ち易くなり、欠陥部の検出・修正による画質向上に
対する要求水準が高くなる。このため、変更手段は、請
求項4に記載したように、原稿がリバーサルフィルム又
は反射原稿の場合に、原稿がネガフィルムの場合よりも
多くの欠陥部が検出されるように前記検出基準を変更す
ること、及び、原稿がネガフィルムの場合よりも修正対
象の数の上限を増加させること、の少なくとも一方を行
うことが好ましい。これにより、原稿の種類に応じて、
欠陥部の検出・修正による画質向上の度合い及び処理時
間増加の度合いを自動的に最適化することができる。
【0015】更に、原画像読取時に原稿を保持するキャ
リアの種類に関しては、原画像読取時に原稿をマニュア
ルキャリアによって保持すべき原画像の方が、オートキ
ャリアによって原稿を保持した状態で読み取りが可能な
原画像よりも、欠陥部の検出・修正による画質向上に対
する要求水準が高いことが多い。このため、変更手段
は、請求項5に記載したように、原画像読取時に原稿を
保持するキャリアがマニュアルキャリアの場合に、前記
キャリアがオートキャリアの場合よりも多くの欠陥部が
検出されるように前記検出基準を変更すること、及び、
前記キャリアがオートキャリアの場合よりも修正対象の
数の上限を増加させること、の少なくとも一方を行うこ
とが好ましい。これにより、キャリアの種類に応じて、
欠陥部の検出・修正による画質向上の度合い及び処理時
間増加の度合いを自動的に最適化することができる。
【0016】また、原画像読取時の読取モードについて
は、読取モードとして1齣読み取りモードが選択される
原画像の方が、読取モードとして多数齣連続読み取りモ
ードが選択される原画像よりも、欠陥部の検出・修正に
よる画質向上に対する要求水準が高いことが多い。この
ため、変更手段は、請求項6に記載したように、前記読
取モードが1齣読み取りモードの場合に、前記読取モー
ドが多数齣連続読み取りモードの場合よりも多くの欠陥
部が検出されるように前記検出基準を変更すること、及
び、前記読取モードが多数齣連続読み取りモードの場合
よりも修正対象の数の上限を増加させること、の少なく
とも一方を行うことが好ましい。これにより、原画像読
取時の読取モードに応じて、欠陥部の検出・修正による
画質向上の度合い及び処理時間増加の度合いを自動的に
最適化することができる。
【0017】また、請求項1記載の発明において、請求
項7に記載したように、欠陥部の修正に関する情報を出
力画像に付加する付加手段を設けることが好ましい。欠
陥部の修正に関する情報としては、例えば欠陥部修正の
実行の有無を表す情報、欠陥部の検出基準を表す情報、
修正した欠陥部の位置を表す情報等が挙げられる。ま
た、欠陥部の修正に関する情報を付加することは、例え
ば画像記録材料に画像を記録して出力する態様において
は、画像を記録した画像記録材料の裏面に印字、磁気記
録、バーコード等の形態で記録することによって実現で
き、画像情報そのものを出力する態様においては、欠陥
部の修正に関する情報を出力する画像情報に付加するこ
とで実現できる。欠陥部の修正に関する情報を出力画像
に付加することで、出力画像を参照したユーザに対し、
欠陥部修正の実行の有無やどのような欠陥部修正が行わ
れたのかを認識させることが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態の一例を詳細に説明する。図1には、本実施形態
に係る画像処理システム10が示されている。画像処理
システム10は、フィルムスキャナ12、画像処理装置
14及びプリンタ16が直列に接続されて構成されてい
る。なお、画像処理装置14は本発明に係る画像処理装
置に対応している。
【0019】フィルムスキャナ12は、写真フィルム
(例えばネガフィルムやリバーサルフィルム)等の写真
感光材料(以下単に写真フィルムと称する)に記録され
ている画像(被写体を撮影後、現像処理されることで可
視化されたネガ画像又はポジ画像)を読み取り、該読み
取りによって得られた画像データを出力するものであ
り、図2にも示すように、ハロゲンランプ等から成り写
真フィルム26に光を照射する光源20を備えている。
なお、光源から射出される光は可視光域の波長の光及び
赤外域の波長の光を各々含んでいる。
【0020】光源20の光射出側には、写真フィルム2
6に照射する光の光量を調節するための絞り21、フィ
ルタユニット23、写真フィルム26に照射する光を拡
散光とする光拡散ボックス22が順に配置されている。
フィルタユニット23は、入射光のうちRに相当する波
長域の光(R光)のみ透過させるフィルタ23Cと、入
射光のうちGに相当する波長域の光(G光)のみ透過さ
せるフィルタ23Mと、入射光のうちBに相当する波長
域の光(B光)のみ透過させるフィルタ23Yと、入射
光のうち赤外域の光(IR光)のみ透過させるフィルタ
23IRの4個のフィルタが、図2矢印A方向に沿って
回転可能とされたターレット23Aに嵌め込まれて構成
されている。
【0021】写真フィルム26を挟んで光源20と反対
側には、光軸Lに沿って、写真フィルム26を透過した
光を結像させる結像レンズ(ズームレンズ)28、エリ
アCCD30が順に配置されている。エリアCCD30
は、各々可視光域及び赤外域に感度を有する多数のCC
Dセルがマトリクス状に配列されたモノクロのCCDで
あり、受光面が結像レンズ28の結像点位置に略一致す
るように配置されている。また、エリアCCD30と結
像レンズ28との間にはシャッタ(図示省略)が設けら
れている。
【0022】エリアCCD30はCCDドライバ31を
介してスキャナ制御部33に接続されている。スキャナ
制御部33はCPU、ROM(例えば記憶内容を書換え
可能なROM)、RAM及び入出力ポートを備え、これ
らがバス等を介して互いに接続されて構成されている。
スキャナ制御部33はフィルムスキャナ12の各部の動
作を制御する。また、CCDドライバ31はエリアCC
D30を駆動するための駆動信号を生成し、エリアCC
D30の駆動を制御する。
【0023】写真フィルム26はフィルムキャリア24
(図1参照、図2では図示省略)によって搬送され、画
像の画面中心が光軸Lに一致する位置(読取位置)に位
置決めされる。なお、フィルムキャリア24は図示しな
いDXコードセンサを内蔵しており、写真フィルム26
の搬送時に写真フィルム26に記録されているDXコー
ドを読み取る。また本実施形態において、フィルムキャ
リア24としては、画像の位置決めをオペレータが手動
で行うことを前提として構成されたマニュアルキャリア
と、長尺の写真フィルム26を間欠搬送しながら写真フ
ィルム26に記録されている画像を位置決めするオート
キャリアが存在している。フィルムキャリア24をセッ
トする箇所には、フィルムキャリア24としてマニュア
ルキャリアとオートキャリアの何れがセットされている
かを検出する図示しないキャリアセンサが取り付けられ
ている。
【0024】また、スキャナ制御部33は画像が読取位
置に位置決めされている状態で、フィルタ23IRを含
む全てのフィルタが順に光軸L上に位置するようにフィ
ルタユニット23のターレット23Aを回転駆動させる
と共に、所定の読取条件に対応するエリアCCD30の
電荷蓄積時間をCCDドライバ31へ設定し、絞り21
を前記所定の読取条件に対応する位置へ移動させると共
に、結像レンズ28による光学倍率(ズーム倍率)を前
記所定の読取条件に対応する所定の倍率に調整する。
【0025】これにより、写真フィルム26上の画像記
録領域に各フィルタに対応する波長域(R又はG又はB
又はIR)の光が順に照射され、写真フィルム26上の
画像記録領域を透過した光は、結像レンズ28を介しエ
リアCCD30に入射されてエリアCCD30によって
光電変換され、透過光量を表す信号としてエリアCCD
30から出力される。エリアCCD30から出力された
信号は、A/D変換器32によって透過光量を表すデジ
タルデータに変換されて画像処理装置14に入力され
る。
【0026】なお、R,G,B,の各波長域の光の透過
光量は、画像記録領域に記録されている画像のR,G,
B濃度に応じて変化する(写真フィルム26に傷や異物
が付いていた場合にはこれらによっても変化するが、I
R光の透過光量は画像濃度の影響を受けず、傷や異物等
のみによって変化する)。従って、R,G,B,の各波
長域の透過光を光電変換することは画像を読み取ること
に相当し、以下では、画像処理装置14に入力される
R,G,B,IRの各波長域のデータのうちIRを除く
R,G,B,の各データを画像データと称する。
【0027】また、本実施形態では写真フィルム26に
記録されている画像をフィルムスキャナ12によって読
み取る際の読取モードとして、読み取りが指示されると
画像を1齣のみ読み取る1齣読み取りモードと、読み取
りが指示されると多数コマを連続的に読み取る多数齣連
続読み取りモードが用意されており、読取モードは後述
するキーボード44を介してオペレータにより設定され
る。スキャナ制御部33は、画像の読み取りが指示され
ると読取モードをチェックし、読取モードに応じて読取
動作を切替える。
【0028】一方、画像処理装置14のスキャナ補正部
36は、入力された画像データ(及びIRデータ)に対
し、暗補正、濃度変換、シェーディング補正等の各種の
補正処理を順に行う。スキャナ補正部36の出力端はI
/Oコントローラ38の入力端に接続されており、スキ
ャナ補正部36で前記各処理が施された画像データはI
/Oコントローラ38に入力される。I/Oコントロー
ラ38の入力端は、イメージプロセッサ40のデータ出
力端にも接続されており、イメージプロセッサ40から
画像処理(詳細は後述)が行われた画像データが入力さ
れる。
【0029】また、I/Oコントローラ38の入力端は
制御部42にも接続されている。制御部42は拡張スロ
ット(図示省略)を備えており、この拡張スロットに
は、デジタルスチルカメラに装填可能なスマートメディ
アやコンパクトフラッシュ(R)等のカード状の記憶媒
体(以下、これらをデジタルカメラカードと総称す
る)、CD−ROMやMO、CD−R等の情報記憶媒体
に対してデータ(或いはプログラム)の読出し/書込み
を行うドライバ(図示省略)や、他の情報処理機器と通
信を行うための通信制御装置が接続される。拡張スロッ
トを介して外部から入力された画像データはI/Oコン
トローラ38へ入力される。
【0030】I/Oコントローラ38の出力端は、イメ
ージプロセッサ40のデータ入力端及び制御部42に各
々接続されており、更にI/F回路54を介してプリン
タ16に接続されている。I/Oコントローラ38は、
入力された画像データを、出力端に接続された前記各機
器に選択的に出力する。
【0031】本実施形態では、写真フィルム26に記録
されている個々の画像に対し、フィルムスキャナ12に
おいて異なる解像度で2回の読み取りを行う。1回目の
読み取り(プレスキャン)では、画像の濃度が非常に低
い場合にも、エリアCCD30で蓄積電荷の飽和が生じ
ないように決定した読取条件で各画像の読み取りが行わ
れる。なお、本実施形態ではプレスキャン時にはIR読
み取りは行なわない。このプレスキャンによって得られ
たデータ(プレスキャン画像データ)は、I/Oコント
ローラ38から制御部42へ入力される。
【0032】制御部42は、CPU46、RAM48、
ROM50(例えば記憶内容を書換え可能なROM)、
入出力ポート52を備え、これらがバスを介して互いに
接続されて構成されている。制御部42は、I/Oコン
トローラ38から入力されたプレスキャン画像データに
基づいて画像のサイズ(アスペクト比)を判断すると共
に、画像の濃度等の画像特徴量を演算し、各画像に対
し、フィルムスキャナ12が再度読み取り(ファインス
キャン)を行う際の読取条件を決定し、決定した読取条
件をフィルムスキャナ12に出力する。
【0033】また制御部42は、プレスキャン画像デー
タに基づいて、画像中の主要画像領域(例えば人物の顔
に相当する領域(顔領域))の抽出を含む画像特徴量の演
算を行い、フィルムスキャナ12がファインスキャンを
行うことによって得られる画像データ(ファインスキャ
ン画像データ)に対する各種の画像処理の処理条件を演
算により自動的に決定し(セットアップ演算)、決定し
た処理条件をイメージプロセッサ40へ出力する。
【0034】例えば各種の画像処理の1つである画素密
度変換処理(所謂電子変倍処理)については、制御部4
2は、画像読み取りにおける読取解像度(画像読み取り
時の光学倍率及びエリアCCD30のセル数から求ま
る)及び出力用画像データの画素数(出力画像のサイズ
は出力用画像データの画素数に応じて定まる)に基づい
て、画素密度変換処理の処理条件である電子変倍率(:
画素密度変換率=変換後の画素密度/変換前の画素密
度)を演算によって決定している。
【0035】なお、制御部42は、フィルムスキャナ1
2から入力されたIRデータに基づいて、画像データが
表す画像中に、写真フィルム26に付いている傷や塵埃
等の異物に起因する欠陥部が生じているか否かを探索す
る機能、イメージプロセッサ40が欠陥部修正処理を行
うためのパラメータを設定する機能を有している。ま
た、制御部42のバスにはディスプレイ43、キーボー
ド44及びマウス(図示省略)が接続されている。
【0036】制御部42は、演算した画像処理の処理条
件に基づき、ファインスキャン画像データを対象として
イメージプロセッサ40で行われる画像処理と等価な画
像処理をプレスキャン画像データに対して行ってシミュ
レーション画像データを生成する。そして、生成したシ
ミュレーション画像データを、ディスプレイ43に画像
を表示するための信号に変換し、該信号に基づいてディ
スプレイ43にシミュレーション画像を表示する。ま
た、表示されたシミュレーション画像に対しオペレータ
によって画質等の検定が行われ、検定結果として処理条
件の修正を指示する情報がキーボード44やマウスを介
して入力されると、入力された情報に基づいて画像処理
の処理条件の再演算等を行う。
【0037】一方、フィルムスキャナ12で画像に対し
てファインスキャンが行われることによってI/Oコン
トローラ38に入力された画像データ(ファインスキャ
ン画像データ)は、I/Oコントローラ38からイメー
ジプロセッサ40へ入力される。なお、このファインス
キャンは、先に制御部42によって演算された読取条件
に従い、エリアCCD30の電荷蓄積時間、絞り21の
位置、及び結像レンズ28による光学倍率を調整しなが
ら行われる。
【0038】イメージプロセッサ40は、階調変換や色
変換を含む色・濃度補正処理、画素密度変換処理(所謂
電子変倍処理)、画像の超低周波輝度成分の階調を圧縮
するハイパートーン処理、粒状を抑制しながらシャープ
ネスを強調するハイパーシャープネス処理等の各種の画
像処理を行う画像処理回路を各々備えており、入力され
た画像データに対し、制御部42によって各画像毎に決
定されて通知された処理条件に従って種々の画像処理を
行う。また、イメージプロセッサ40は制御部42によ
って設定されたパラメータに従って欠陥部修正処理を行
う機能を有している。
【0039】イメージプロセッサ40で画像処理が行わ
れた画像データを印画紙への画像の記録に用いる場合に
は、イメージプロセッサ40で画像処理が行われた画像
データは、I/Oコントローラ38からI/F回路54
を介し記録用画像データとしてプリンタ16へ出力され
る。また、画像処理後の画像データを画像ファイルとし
て外部へ出力する場合は、I/Oコントローラ38から
制御部42へ画像データが出力される。これにより、制
御部42では、外部への出力用としてI/Oコントロー
ラ38から入力された画像データを、拡張スロットを介
して画像ファイルとして外部(前記ドライバや通信制御
装置等)に出力する。
【0040】プリンタ16は、画像メモリ58、R,
G,Bのレーザ光源60、該レーザ光源60の作動を制
御するレーザドライバ62を備えている。画像処理装置
14から入力された記録用画像データは画像メモリ58
に一旦記憶された後に読み出され、レーザ光源60から
射出されるR,G,Bのレーザ光の変調に用いられる。
レーザ光源60から射出されたレーザ光は、ポリゴンミ
ラー64、fθレンズ66を介して印画紙68上を走査
され、印画紙68に画像が露光記録される。また、プリ
ンタ16には、画像が露光記録された印画紙68の裏面
に任意の文字を印字可能なバックプリント部70が設け
られている。
【0041】プリンタ16によって画像が露光記録され
ると共に裏面に所定の文字が印字された印画紙68は、
プロセッサ部18へ送られて発色現像、漂白定着、水
洗、乾燥の各処理が施される。これにより、印画紙68
に露光記録された画像が可視化される。
【0042】次に本実施形態の作用として、スキャナ1
2から画像処理装置14にファインスキャン画像データ
が入力され、該画像データに対しイメージプロセッサ4
0において画素密度変換等の処理が行われた後に、制御
部42のCPU46によって実行される欠陥部修正条件
決定処理について、図3のフローチャートを参照して説
明する。なお、この欠陥部修正条件決定処理は、イメー
ジプロセッサ40で欠陥部修正処理の実行を予定してい
る各画像に対し、個々の画像を処理対象として各々実行
される。
【0043】ステップ100では、プレスキャン画像デ
ータに基づいて先に判断した処理対象の読取画像(写真
フィルム26に記録された画像)のサイズを取り込むこ
とで読取画像のサイズを認識する。次のステップ102
では、画素密度変換処理の処理条件を決定する際に検知
した出力用画像データの画素数を取り込むことで出力画
像のサイズを認識する。またステップ104では、処理
対象の読取画像が記録されている処理対象の写真フィル
ム26をフィルムキャリア24が搬送した際に、フィル
ムキャリア24に内蔵されたDXコードセンサが処理対
象の写真フィルム26の両側部に記録されているDXコ
ードの読み取りを行った結果を取り込むことで、処理対
象の写真フィルム26のフィルム種(ネガフィルムかリ
バーサルフィルムか)を認識する。なお、DXコード検
出不能の(DXが付加されていない)写真フィルム26
については、リバーサルフィルムであると認識する。
【0044】続いてステップ106では、キャリアセン
サによるフィルムキャリア24の検出結果を取り込むこ
とで、処理対象の写真フィルム26を保持しているフィ
ルムキャリア24のキャリア種(マニュアルキャリアか
オートキャリアか)を認識する。またステップ108で
は、読取モードとして1齣読み取りモードと多数齣連続
読み取りモードの何れが設定されているかを判断するこ
とで、処理対象の読取画像に対するファインスキャンに
おける読取モードを認識する。
【0045】そして次のステップ110では、上述した
ステップ100〜ステップ108で認識した読取画像の
サイズ、出力画像のサイズ、フィルム種、キャリア種及
び読取時の読取モードの各パラメータに基づいて、処理
対象の画像に対する欠陥部の検出基準及び修正画素数の
上限(本発明に係る「修正対象の数の上限」に相当)を
設定する。本実施形態では、各パラメータと欠陥部検出
基準及び修正画素数の上限との関係が、次の表1に示す
ように定められている。なお、表1において「検出数減
少」は、後述する欠陥部検出処理で検出される欠陥部の
数が減少するように検出基準を変更することを意味し、
「検出数増加」は検出される欠陥部の数が増加するよう
に検出基準を変更することを意味している。また、表1
において「修正画素数の上限」の「減少」「増加」は、
後述する欠陥部修正処理において欠陥部として修正され
る画素の数を増減させることを意味している。
【0046】
【表1】
【0047】一般に、画質に対する要求水準が高いユー
ザは写真フィルム26に記録する画像のサイズとして大
サイズ(例えばブローニ等)を選択することが多いた
め、欠陥部の検出・修正による画質向上についても、読
取画像のサイズが大きくなるに従ってユーザの要求水準
が高くなる可能性が高い。一方、写真フィルム26に記
録する画像のサイズとして多数のユーザが選択するサイ
ズは比較的小サイズ(例えば135サイズ等)であり、
この種のユーザは画質よりも短時間で仕上がることを重
視する傾向にある。
【0048】このため本実施形態では、表1からも明ら
かなように「読取画像のサイズ」が小さくなるに従っ
て、欠陥部検出処理で検出される欠陥部の数が減少する
ように検出基準を変更し、かつ修正画素数の上限を減少
させるので、「読取画像のサイズ」が比較的小さい場合
に、欠陥部の検出・修正による画質向上の度合いは低下
するものの処理時間の増大を抑制できる。また「読取画
像のサイズ」が大きくなるに従って、欠陥部検出処理で
検出される欠陥部の数が増加するように検出基準を変更
し、かつ修正画素数の上限を増加させるので、「読取画
像のサイズ」が比較的大きい場合に、欠陥部の検出・修
正により処理時間は或る程度増大するものの画質を大幅
に向上させることができる。
【0049】また、出力画像のサイズが大きくなるに従
って出力画像中の欠陥部が目立ち易くなるので、欠陥部
の検出・修正による画質向上に対する要求水準は高い。
一方、出力画像のサイズが、サービスサイズ等のように
比較的小さくかつ大量に注文を受けるサイズである場合
には、ユーザが画質よりも短時間で仕上がることを重視
していることが多い。
【0050】このため本実施形態では、表1からも明ら
かなように「出力画像のサイズ」が小さくなるに従っ
て、欠陥部検出処理で検出される欠陥部の数が減少する
ように検出基準を変更し、かつ修正画素数の上限を減少
させるので、「出力画像のサイズ」が比較的小さい場合
に、欠陥部の検出・修正による画質向上の度合いは低下
するものの処理時間の増大を抑制できる。また「出力画
像のサイズ」が大きくなるに従って、欠陥部検出処理で
検出される欠陥部の数が増加するように検出基準を変更
し、かつ修正画素数の上限を増加させるので、「出力画
像のサイズ」が比較的大きい場合に、欠陥部の検出・修
正により処理時間は或る程度増大するものの画質を大幅
に向上させることができる。
【0051】なお、読取画像のサイズ及び出力画像のサ
イズとしては、予め定められた多数種のサイズのうちの
何れかが選択的に使用されることが殆どであるので、多
数種のサイズの各々について欠陥部の検出基準及び修正
画素数の上限を定めておくようにしてもよいし、多数種
のサイズを例えば大サイズ/中サイズ/小サイズ等の複
数のグループに分類し、個々のグループ毎に欠陥部の検
出基準及び修正画素数の上限を定めておくようにしても
よい。
【0052】また、写真フィルム26のフィルム種がリ
バーサルフィルムの場合、読取画像上の欠陥部が出力画
像上で高濃度の欠陥部として現れるので、フィルム種が
ネガフィルムの場合と比較して画像中の欠陥部が目立ち
易くなり、欠陥部の検出・修正による画質向上に対する
要求水準が高くなる。一方、ネガフィルムは注文量が多
く、リバーサルフィルムと比較して処理速度に対する要
求水準が高い。
【0053】このため本実施形態では、表1からも明ら
かなように、「フィルム種」がネガフィルムの場合に
は、欠陥部検出処理で検出される欠陥部の数が減少する
ように検出基準を変更し、かつ修正画素数の上限を減少
させるので、欠陥部の検出・修正による画質向上の度合
いは低下するものの処理時間の増大を抑制できる。また
「フィルム種」がリバーサルフィルムの場合には、欠陥
部検出処理で検出される欠陥部の数が増加するように検
出基準を変更し、かつ修正画素数の上限を増加させるの
で、欠陥部の検出・修正により処理時間は或る程度増大
するものの画質を大幅に向上させることができる。
【0054】また、読取時の写真フィルム26の保持に
マニュアルキャリアが使用される読取画像は、画像のサ
イズが大サイズである等のようにユーザの画質に対する
要求水準が高いことが多く、欠陥部の検出・修正による
画質向上についてもユーザの要求水準が高いと推定され
る。一方、オートキャリアによって原稿を保持した状態
で読み取りが行われた読取画像は、画質よりも短時間で
仕上がることが重視されている可能性が高い。
【0055】このため本実施形態では、表1からも明ら
かなように、「キャリア種」がオートキャリアの場合に
は、欠陥部検出処理で検出される欠陥部の数が減少する
ように検出基準を変更し、かつ修正画素数の上限を減少
させるので、欠陥部の検出・修正による画質向上の度合
いは低下するものの処理時間の増大を抑制できる。また
「キャリア種」がマニュアルキャリアの場合には、欠陥
部検出処理で検出される欠陥部の数が増加するように検
出基準を変更し、かつ修正画素数の上限を増加させるの
で、欠陥部の検出・修正により処理時間は或る程度増大
するものの画質を大幅に向上させることができる。
【0056】また、読取時の読取モードとして1齣読み
取りモードが選択される読取画像は、例えば読取時の写
真フィルム26の保持にマニュアルキャリアが使用され
たり、画像のサイズが大サイズである等のようにユーザ
の画質に対する要求水準が高いことが多く、欠陥部の検
出・修正による画質向上についてもユーザの要求水準が
高いと推定される。一方、読取時の読取モードとして多
数齣連続読み取りモードが選択される読取画像は、例え
ば読取時の写真フィルム26の保持にオートキャリアが
使用されたり、画像のサイズが小サイズである等のよう
に、画質よりも短時間で仕上がることが重視されている
ことが多い。
【0057】このため本実施形態では、表1からも明ら
かなように、「読取モード」が多数齣連続読み取りモー
ドの場合には、欠陥部検出処理で検出される欠陥部の数
が減少するように検出基準を変更し、かつ修正画素数の
上限を減少させるので、欠陥部の検出・修正による画質
向上の度合いは低下するものの処理時間の増大を抑制で
きる。また「読取モード」が1齣読み取りモードの場合
には、欠陥部検出処理で検出される欠陥部の数が増加す
るように検出基準を変更し、かつ修正画素数の上限を増
加させるので、欠陥部の検出・修正により処理時間は或
る程度増大するものの画質を大幅に向上させることがで
きる。
【0058】上述したように、ステップ110で読取画
像のサイズ、出力画像のサイズ、フィルム種、キャリア
種及び読取時の読取モードの各パラメータに応じて、欠
陥部の検出基準及び修正画素数の上限を上記のように変
更することで、欠陥部の検出・修正による画質向上の度
合い及び処理時間増加の度合いを、読取画像のサイズ、
出力画像のサイズ、フィルム種、キャリア種及び読取時
の読取モードの各パラメータに応じて自動的に最適化す
ることができる。
【0059】次のステップ112では、ステップ110
で設定した検出基準に従って欠陥部を検出する欠陥部検
出処理を行う。まず欠陥部検出処理の説明に先立ち、写
真フィルム26に傷や異物の付いている箇所のIR光に
よる検出の原理について説明する。
【0060】図4(A)に示すように、写真フィルム上
の表面に傷や異物が付いていない箇所に光を照射したと
きの透過光量は、写真フィルムへの入射光量に対し、写
真フィルムによる光の吸収に応じた減衰量だけ減衰す
る。なお、写真フィルムで光の吸収が生ずる波長域はお
およそ可視光域であり、赤外域のIR光については殆ど
吸収されないので、前記傷や異物が付いていない箇所に
IR光を照射した場合の透過光量は入射光量から僅かに
変化するのみである。
【0061】一方、写真フィルム上の傷が付いている箇
所に光を照射した場合、照射された光の一部は傷によっ
て屈折するので、前記傷が付いている箇所に光を照射し
たときの透過光量(前記箇所を直線的に透過する光の光
量)は、写真フィルムへの入射光量に対し、前述した写
真フィルムによる光の吸収に起因する減衰に、傷による
光の屈折に起因する減衰を加えた減衰量だけ減衰する。
なお、図4(A)では光の入射側に傷が付いている場合
を示しているが、光の射出側に傷が付いている場合も同
様である。
【0062】傷による光の屈折はIR光でも生ずるの
で、前記傷が付いている箇所にIR光を照射した場合の
IR光の透過光量は、傷による光の屈折に起因する減衰
に応じた減衰量だけ減衰する。なお傷による光の屈折
は、傷の規模(深さ等)が大きくなるに伴って顕著とな
る(可視光もIR光も同様)ので、前記傷が付いている
箇所にIR光を照射した場合の透過光量は傷の規模が大
きくなるに従って小さくなる。従って、IR光の透過光
量の減衰量に基づいて、写真フィルムに付いている傷の
規模も検知することができる。
【0063】また、写真フィルム上の塵埃等の異物がつ
いている箇所に光を照射した場合、照射した光は異物に
よって反射されるので、異物の大きさや種類(光透過
率)にも依存するが、前記異物が付いている箇所に光を
照射した場合の光の透過光量は前記異物によって大きく
減衰する。異物が付いている箇所に光を照射した場合の
透過光量の減衰は、前記箇所にIR光を照射した場合も
同様である。
【0064】上記のように、写真フィルムにIR光を透
過した場合の透過光量は、写真フィルム上の傷又は異物
が付いている箇所でのみ変化し、写真フィルムに画像が
記録されていたとしても、該画像の透過濃度の変化の影
響を受けないので、写真フィルムにIR光を照射して透
過光量を検出することで、写真フィルムに付いている傷
や異物を検出できる。
【0065】上記に基づき、ステップ112では以下の
ようにして欠陥部検出処理を行う。写真フィルムにIR
光を照射したときの透過光量は、前述のように通常は画
像上の位置に拘わらず略一定となり、写真フィルムに傷
又は異物が付いている箇所でのみ低下する(図5参
照)。このため、本実施形態では欠陥部検出処理に要す
る時間を短縮するために、IRデータに対して所定のフ
ィルタリング処理(例えばハイパスフィルタに相当する
処理やバンドパスフィルタに相当する処理)を行うこと
により、IR光の透過光量の変化が生じているエッジ部
分を抽出する。
【0066】但し、欠陥部は写真フィルム26に付いた
傷や異物によって生ずるが、写真フィルム等の画像記録
媒体に付く傷や異物は、大きさは不定ではあるものの極
端に大きいことは少なく、或る範囲内に収まっているこ
とが殆どである。従って、画像データ上での欠陥部のお
およその規模は画像記録媒体上での画像データの画素密
度に応じて変化し、この画像データの画素密度の変化に
伴って、欠陥部におけるIR光の透過光量の変化の傾き
が画像データ上で変化することから、欠陥部に対応する
エッジの周波数帯域も変化する。
【0067】このため、IRデータに対するエッジ抽出
処理に先立ち、処理対象の画像に対する読取解像度及び
電子変倍率に基づいて、画像データが表す画像の写真フ
ィルム26上での画素密度(画像データの画素密度)を
演算し、演算した画素密度に基づきエッジ抽出処理で抽
出すべき周波数帯域を決定した後に、IRデータに対し
てエッジ抽出処理を行う。これにより、画像データの画
素密度に応じて変化する画像データ上での欠陥部の規模
に拘わらず、処理対象の画像中に存在する欠陥部に相当
するエッジを適正に抽出することができる。そして、エ
ッジとして抽出された各画素のうち、透過光量の変化量
が閾値以上の画素を、修正対象の欠陥部に属する欠陥画
素として全て検出する。
【0068】ここで、本実施形態では欠陥部検出処理に
おける欠陥部の検出基準として、上述した透過光量の変
化量の閾値を用いており、検出される欠陥部の数が減少
するように検出基準を変更することを、前記閾値を高く
することにより行っている。この場合、修正対象の欠陥
部に属する欠陥画素として検出される画素の数が減少す
るので、以降の処理に要する処理時間が短縮される。ま
た、検出される欠陥部の数が増加するように検出基準を
変更することは、前記閾値を低くすることにより行って
おり、この場合、より微小な透過光量変化に対応する画
素も修正対象の欠陥部に属する欠陥画素として検出され
ることになるので、欠陥部を修正することによる画質向
上の度合いがより高くなることになる。
【0069】上記のようにして欠陥画素を検出すると、
続いて、検出した欠陥画素によって全周が囲まれた領域
内の各画素も欠陥画素に含め、欠陥画素を、欠陥画素相
互の位置関係(例えば隣接しているか否か)等に基づい
て、同一の欠陥部に属する欠陥画素毎に分類し、各欠陥
部に関する情報(例えば各欠陥部に属する欠陥画素を表
す情報や、処理対象の画像上の傷や異物が付いていない
箇所におけるIR光の透過光量を基準としたときの各欠
陥画素におけるIR光の透過光量の低下量を表す情報
等)をRAM48等に記憶する。
【0070】なお、欠陥部の検出基準として、上記のよ
うに、エッジとして抽出した画素から欠陥画素を検出す
る際の透過光量の変化量の閾値を用いることに代えて、
処理対象の画像上の傷や異物が付いていない箇所におけ
るIR光の透過光量を基準としたときのIR光の透過光
量の低下量の閾値を用いることも可能である。
【0071】次のステップ114では、ステップ112
で検出された欠陥部に対応する欠陥画素の数が、ステッ
プ110で設定した修正画素数の上限を越えているか否
か判定し、欠陥画素の数が修正画素数の上限を越えてい
た場合には、修正対象の欠陥画素の数が修正画素数の上
限以下となるように、修正対象の欠陥部を選択する。修
正対象の欠陥部の選択は、例えば個々の欠陥部の規模
(個々の欠陥部を構成する欠陥画素の数)やIR光の透
過光量の低下量(欠陥部を構成する欠陥画素毎のIR光
の透過光量の低下量を個々の欠陥部を単位として積算し
た値であってもよいし、個々の欠陥部内におけるIR光
の透過光量の低下量の最大値でもよい)に基づき、個々
の欠陥部を単位として修正対象の欠陥部を選択すること
を、修正対象の画素の数(修正対象として選択した欠陥
部を構成する全欠陥画素の数)が上限値に達する迄繰り
返すことで行うことができる。
【0072】また、上記のように個々の欠陥部を単位と
して修正対象を選択することに代えて、例えば個々の欠
陥画素におけるIR光の透過光量の低下量等に基づき、
修正対象の画素の数が修正画素数の上限以下となるよう
に、個々の欠陥画素を単位として修正対象を選択するよ
うにしてもよい。
【0073】次のステップ116では、ステップ114
で選択された修正対象の欠陥部に対し、各欠陥部を修正
するための修正値を各々演算する。まず、欠陥部修正の
原理について説明する。
【0074】図4(B)に示すように、写真フィルムの
乳剤層はR,G,Bの各感光層を含んで構成されてお
り、画像が露光記録され現像等の処理が行われた写真フ
ィルム(ネガフィルム)は、R感光層にCのネガ像が形
成され、Gの感光層にMのネガ像が形成され、Bの感光
層にYのネガ像が形成される。そして写真フィルムを透
過した可視光のうち、R光についてはR感光層において
Cのネガ像の透過濃度に応じた減衰量だけ減衰(吸収)
され、G光についてはG感光層においてMのネガ像の透
過濃度に応じた減衰量だけ減衰(吸収)され、B光につ
いてはB感光層においてYのネガ像の透過濃度に応じた
減衰量だけ減衰(吸収)される。
【0075】ここで、例として図4(B)に示すよう
に、乳剤面と反対側のバック面に傷が付いている場合、
透過光に対するR,G,Bの各感光層における光の吸収
の比率は傷が付いていない場合と同じである。すなわ
ち、図4(B)において、写真フィルムへの入射光量を
0、傷が付いていないときのR光、G光、B光の透過
光量を各々I0R,I0G,I0Bとし、傷が付いたときに傷
が付いている箇所を直線的に透過して乳剤層に入射する
光量をI1(I1<I0:I0−I1が傷による光の減衰
分)、傷が付いているときのR光、G光、B光の透過光
量を各々I1R,I1G,I 1B とすると、以下の(1)式の
関係が成り立つ I0R/I0≒I1R/I10G/I0≒I1G/I10B/I0≒I1B/I1 …(1)
【0076】従って、バック面に傷が付いている箇所に
対応する欠陥部は、傷が付いていない場合と比較して輝
度のみが変化し、写真フィルムに記録されている画像の
色情報は保存されているので、輝度調整方法を適用し欠
陥部領域の輝度を調整することで、画像データが表す画
像の欠陥部を修正することができる。
【0077】一方、例として図4(C)に示すように乳
剤面に傷が付いている場合、浅い傷であれば各感光層の
うちの一部の感光層が削られることで、透過光に対する
R,G,Bの各感光層における光の吸収の比率は傷が付
いていない場合と変化する。また、各感光層が全て剥ぎ
取られているような非常に深い傷であれば、透過光に対
する各感光層における光の吸収は生じない。従って、何
れの場合も(1)式の関係は成立しない。
【0078】このように、乳剤面に傷が付いている箇所
に対応する欠陥部は、傷の深さに拘わらず、傷が付いて
いない場合と比較して輝度及び色が各々変化しており、
写真フィルムに記録されている画像の色情報も失われて
いるので、輝度を調整しても欠陥部を精度良く修正する
ことは困難である。このため、乳剤面に傷が付いている
箇所に対応する欠陥部の修正には、欠陥部の周囲の領域
の情報から補間によって欠陥部の輝度及び濃度を決定す
る修正方法(補間方法)が適している。なお、写真フィ
ルムに異物が付いていることに起因して生じた欠陥部に
ついても、異物が付いていない場合と比較して輝度及び
色が各々変化するので、上記の欠陥部を修正する場合に
も補間方法が適している。
【0079】ステップ116では、まず修正対象として
選択された各欠陥部に対し、補間方法を適用して修正す
るか輝度調整方法を適用して修正するかを判定するため
の所定の特徴量を各々演算する。本実施形態では所定の
特徴量の一例として、欠陥部におけるR光、G光、B光
の透過光量の変化の相関を表す特徴量を用いている。
【0080】例えば写真フィルムのバック面に傷が付い
ている場合、例として図5(A)に示すように、傷が付
いている箇所においてR光、G光、B光の透過光量は略
同様の変化を示すので、R光、G光、B光の透過光量の
変化の相関は高い。一方、写真フィルムの乳剤面に傷が
ついている場合、例として図5(B)に示すように、傷
が付いている箇所におけるR光、G光、B光の透過光量
の変化は一定せず、R光、G光、B光の透過光量の変化
の相関は低い(写真フィルムに異物が付いている場合も
同様)。
【0081】図5は典型的なケースを示したものであ
り、実際には写真フィルムの両面に傷が付いている等の
ように、何れの修正方法を適用すべきかが明確でないケ
ースも多々存在しているが、R,G,Bの画像データに
被写体の色に関する情報が残っていれば輝度調整方法を
適用することが好ましく、前記情報が残っていない場合
には補間方法を適用することが望ましいので、欠陥部に
おけるR光、G光、B光の透過光量の変化の相関を表す
所定の特徴量(例えばR光、G光、B光の透過光量の変
化の微分値の差を積算した値)に基づいて、適用すべき
修正方法を個々の欠陥部毎に適正に判定することができ
る。
【0082】修正対象の個々の欠陥部について、上述し
た所定の特徴量を各々演算すると、双方の修正方法の適
用範囲の設定値(双方の修正方法の適用範囲の境界を表
す閾値)を取り込み、各欠陥部の所定の特徴量を前記設
定値と各々比較することにより、個々の欠陥部を単位と
して、補間方法を適用して修正を行うか輝度調整方法を
適用して修正を行うかを各々判定する。
【0083】そして、補間方法を適用して修正を行うと
判定した欠陥部に対しては、補間方法を適用して修正値
を演算する。すなわち、修正対象の欠陥部の輝度及び色
を該欠陥部の周囲の領域の輝度及び色から補間によって
新たに演算し、補間演算によって求まる欠陥部内の各画
素の値(R,G,B毎の濃度値でもよいし、色相・明度
・彩度を表す値でもよい)をD1、各画素の元の値をD
2、修正度合いをαとし、欠陥部内の各画素の修正値D
3を(2)式に従って求める。 D3=α・D1+(1−α)D2 …(2) 上記処理を、補間方法を適用して修正を行うと判定した
欠陥部に対して各々行って、前記欠陥部に対する修正値
を各々求める。
【0084】また、輝度調整方法を適用して修正を行う
と判定した欠陥部に対しては、輝度調整方法を適用して
修正値を演算する。すなわち、修正対象の欠陥部におけ
るIR光の透過光量の変化量に基づいて欠陥部の輝度修
正量を演算し、輝度修正量に応じて修正した欠陥部内の
各画素の輝度値をL1、各画素の元の輝度値をL2、
「欠陥部修正度合い」の現在の設定値をαとし、欠陥部
内の各画素の修正値(輝度値)L3を(3)式に従って
求める。 L3=α・L1+(1−α)L2 …(3) 上記処理を輝度調整方法を適用して修正を行うと判定し
た欠陥部に対して各々行って、前記欠陥部に対する修正
値を各々求める。なお、双方の修正方法を適用して欠陥
部に対する修正値を各々求め、各修正値の加重平均値を
最終的な修正値としてもよい。
【0085】修正対象の全ての欠陥部に対して修正値が
各々演算されるとステップ118へ移行し、各欠陥部に
対する修正値を、欠陥部の位置を表す情報(例えば各欠
陥部を構成する欠陥画素のアドレス)及び処理対象の画
像を特定するための情報(例えばコマ番号)と共にイメ
ージプロセッサ40に通知する。
【0086】イメージプロセッサ40では、処理対象の
画像のファインスキャン画像データに対し、制御部42
におけるセットアップ演算によって決定された処理条件
で各種の画像処理を行う。そして、制御部42から通知
された修正値に従って欠陥部を修正する(詳しくは欠陥
部に属する各欠陥画素の値を、通知された修正画素値に
置き換える)欠陥部修正処理を行う。これにより、処理
対象の画像のファインスキャン画像データ上に存在する
修正対象の欠陥部が自動的に修正され、このファインス
キャン画像データを用いて出力画像の露光記録が行われ
ることで、修正対象の欠陥部が修正された出力画像(写
真プリント)が得られることになる。
【0087】次のステップ120では、処理対象の画像
の写真プリントの裏面に印字するための文字データとし
て、欠陥部の検出・修正条件(例えば欠陥部の検出基準
や修正画素数の上限、修正対象の欠陥部の数、位置)を
表す文字データを生成する。そしてステップ122で
は、生成した文字データをコマ番号と対応付けてバック
プリント部70へ送信し、欠陥部修正条件決定処理を終
了する。
【0088】バックプリント部70では制御部42から
文字データ及びコマ番号を受信する毎に、受信した文字
データ及びコマ番号を内蔵メモリ等に一旦記憶する。そ
して、画像が露光記録された写真プリントが搬送されて
バックプリント部70の配設位置に到来する毎に、到来
した写真プリントに対応する文字データをコマ番号に基
づいて内蔵メモリ等から読み出し、読み出した文字デー
タに基づいて裏面への印字を行う。これにより、欠陥部
の検出・修正条件を表す文字が個々の写真プリントの裏
面に印字されるので、欠陥部の検出・修正がどのような
条件で行われたのかをユーザに認識させる可能となる。
【0089】なお、上記では写真フィルム26に記録さ
れた全ての画像に対して欠陥部の検出・修正を行う場合
を説明したが、これに限定されるものではない。写真フ
ィルムの中には、画像の露光記録時に可視画像に加えて
非可視像(IR像)も同時に形成される(IR像の像写
り)写真フィルムがあり、写真フィルム26がIR像の
像写りが生ずる写真フィルムであった場合には、欠陥部
の検出・修正を行うことで画質が低下したり、処理時間
が大幅に増加することを回避するために、欠陥部の検出
・修正を中止すると共に、欠陥部の検出・修正を行わな
かったことを表す情報を付加するようにしてもよい。
【0090】また、欠陥部の検出・修正は、画像の全面
に対して行うことに限られるものでもない。例えば写真
フィルム26がスライドマウントにセットされたリバー
サルフィルムであり、スライドマウントを一部含んだ範
囲がフィルムスキャナ12によって読み取られた場合、
スライドマウントに対応する非画像領域が画像中に存在
することになり、このような非画像領域を含む画像に対
して欠陥部の検出・修正を行うと、処理に不必要に長い
時間がかかるという不都合が生ずる。このため、処理対
象の画像中に非画像領域が存在しているか否かを判断
し、非画像領域が存在していた場合には、この非画像領
域を除外した領域についてのみ欠陥部の検出・修正を行
うようにしてもよい。
【0091】本願出願人は、読取範囲内のうちスライド
マウントに対応する部分ではIR光(及び可視光)の透
過光量が極端に低くなることを利用し、特願2001−
79238号(未公開)において、IRデータが表すI
R画像上に、IR光の透過光量が所定値以下の部分が所
定面積以上連続している領域が存在しているか否かを探
索することで、非画像領域の有無・位置・大きさを判断
する技術を既に提案しており、非画像領域の判断には上
記技術を利用することができる。
【0092】また、非画像領域の有無・位置・大きさ
は、写真フィルム26の画像を読み取る際に、写真フィ
ルム26を保持するフィルムキャリアの種類やマスクの
種類から判断することも可能であり、フィルムキャリア
の種類やマスクの種類を検出することで非画像領域を判
断するようにしてもよい。更に、トリミング範囲が指定
されてトリミングの実行が指示された場合、トリミング
範囲外は出力対象から除外されるので、欠陥部の検出・
修正は不要である。このため、トリミングの実行が指示
されたか否かを判断し、トリミングの実行が指示された
場合には、指定されたトリミング範囲の外に相当する領
域を、非画像領域として欠陥部の検出・修正から除外す
るようにしてもよい。
【0093】また、上記では原稿が写真フィルム26で
あり、フィルム種(原稿種)がネガフィルムかリバーサ
ルフィルムかに応じて欠陥部の検出基準及び修正画素数
の上限を変更するようにしていたが、これに限定される
ものではない。例えばフィルムスキャナ12以外に、反
射原稿の読み取りを行うイメージスキャナを接続可能に
画像処理装置14を構成し、原稿種がネガフィルムかリ
バーサルフィルムか反射原稿かに応じて欠陥部の検出基
準及び修正画素数の上限を変更するようにしてもよい。
原稿種が反射原稿であった場合の欠陥部の検出基準及び
修正画素数の上限は、例えばリバーサルフィルムと同様
に、ネガフィルムの場合よりも多数の欠陥部が検出さ
れ、ネガフィルムの場合よりも多数の画素が欠陥部とし
て修正されるように定めることができる。
【0094】更に、上記では印画紙68に画像を記録し
て出力する場合を説明したが、これに限定されるもので
はなく、例えば画像データを送信、或いはCD−R等の
記録メディアに記録することで出力するようにしてもよ
い。この場合、「出力画像のサイズ」としては、出力す
る画像データの画素数等を用いればよい。また、欠陥部
の検出・修正条件の付加については、写真プリントの裏
面に印字することに代えて、例えば出力する画像データ
のヘッダ部等に、欠陥部の検出・修正条件を表す情報を
付加するようにすればよい。
【0095】また、上記では「修正手段による修正対象
の数の上限」として修正画素数の上限を用いていたが、
これに代えて修正対象の欠陥部の数の上限を用いるよう
にしてもよい。
【0096】また、上記では原画像にIR光を照射する
ことで得られたIRデータに基づいて欠陥部を検出する
場合を説明したが、本発明は上記に限定されるものでは
なく、原画像の可視画像データ(例えばR,G,Bのデ
ータ)に基づき公知の画像処理を行うことで欠陥部を検
出するようにしてもよい。
【0097】更に、上記では変更手段による変更の判断
基準として、原稿上での原画像のサイズ、出力画像のサ
イズ、原稿の種類、キャリアの種類及び読取モードの各
パラメータを全て用いた例を説明したが、これに限定さ
れるものではなく、上記各パラメータのうちの任意の1
個、又は上記各パラメータの中から選択した任意の複数
個のパラメータを用いるようにしてもよい。また上記で
は、欠陥部の検出基準及び修正対象の数の上限を各々変
更する場合を説明したが、これに限定されるものでもな
く、欠陥部の検出基準及び修正対象の数の上限の何れか
一方のみを変更するようにしてもよい。
【0098】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、原稿上で
の原画像のサイズ、欠陥部の修正を経て出力される出力
画像のサイズ、原稿の種類、原画像読取時に原稿を保持
するキャリアの種類、及び原画像読取時の読取モードの
少なくとも1つに応じて、欠陥部の検出基準、及び修正
対象の数の上限の少なくとも一方を変更するようにした
ので、欠陥部の検出・修正による画質向上の度合い及び
処理時間増加の度合いを自動的に最適化することができ
る、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係る画像処理システムの概略構
成図である。
【図2】 フィルムスキャナの概略構成を示す斜視図で
ある。
【図3】 本実施形態に係る欠陥部修正条件決定処理の
内容を示すフローチャートである。
【図4】 (A)は写真フィルムの傷及び異物が付いて
いない箇所、傷が付いている箇所、異物が付いている箇
所における光の透過を各々示す概念図、(B)は写真フ
ィルムのバック面に傷が付いている場合、(C)は写真
フィルムの乳剤面に傷が付いている場合の光の透過を各
々示す概念図である。
【図5】 (A)はバック面に傷が付いている場合、
(B)は乳剤面に傷が付いている場合のR光、G光、B
光、IR光の透過光量の変化の一例を示す線図である。
【符号の説明】
10 画像処理システム 14 画像処理装置 26 写真フィルム 40 イメージプロセッサ 42 制御部 68 印画紙 70 バックプリント部
フロントページの続き Fターム(参考) 5B047 AA05 AB04 BB04 BC05 BC06 BC07 BC11 BC14 BC23 DA06 DC09 5C024 CX21 CX26 GY01 HX14 HX58 5C077 LL02 MM03 MM20 MP08 PP32 SS01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原稿に記録されている原画像を読み取る
    ことで得られた画像情報に対し、該画像情報が表す画像
    の欠陥部を検出する検出手段と、 前記画像情報に対し、前記検出手段によって検出された
    欠陥部を修正する修正手段と、 原稿上での原画像のサイズ、前記修正手段による修正を
    経て出力される出力画像のサイズ、原稿の種類、原画像
    読取時に原稿を保持するキャリアの種類、及び原画像読
    取時の読取モードの少なくとも1つに応じて、前記検出
    手段による欠陥部の検出基準、及び前記修正手段による
    修正対象の数の上限の少なくとも一方を変更する変更手
    段と、 を含む画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記変更手段は、前記原画像のサイズが
    大きくなるに従って、より多くの欠陥部が検出されるよ
    うに前記検出基準を変更すること、及び、前記修正対象
    の数の上限を増加させること、の少なくとも一方を行う
    ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記変更手段は、前記出力画像のサイズ
    が大きくなるに従って、より多くの欠陥部が検出される
    ように前記検出基準を変更すること、及び、前記修正対
    象の数の上限を増加させること、の少なくとも一方を行
    うことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記変更手段は、前記原稿がリバーサル
    フィルム又は反射原稿の場合に、前記原稿がネガフィル
    ムの場合よりも多くの欠陥部が検出されるように前記検
    出基準を変更すること、及び、前記原稿がネガフィルム
    の場合よりも前記修正対象の数の上限を増加させるこ
    と、の少なくとも一方を行うことを特徴とする請求項1
    記載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】 前記変更手段は、前記キャリアがマニュ
    アルキャリアの場合に、前記キャリアがオートキャリア
    の場合よりも多くの欠陥部が検出されるように前記検出
    基準を変更すること、及び、前記キャリアがオートキャ
    リアの場合よりも前記修正対象の数の上限を増加させる
    こと、の少なくとも一方を行うことを特徴とする請求項
    1記載の画像処理装置。
  6. 【請求項6】 前記変更手段は、前記読取モードが1齣
    読み取りモードの場合に、前記読取モードが多数齣連続
    読み取りモードの場合よりも多くの欠陥部が検出される
    ように前記検出基準を変更すること、及び、前記読取モ
    ードが多数齣連続読み取りモードの場合よりも前記修正
    対象の数の上限を増加させること、の少なくとも一方を
    行うことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  7. 【請求項7】 欠陥部の修正に関する情報を前記出力画
    像に付加する付加手段を更に備えたことを特徴とする請
    求項1記載の画像処理装置。
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