JPH11331575A - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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JPH11331575A
JPH11331575A JP10139440A JP13944098A JPH11331575A JP H11331575 A JPH11331575 A JP H11331575A JP 10139440 A JP10139440 A JP 10139440A JP 13944098 A JP13944098 A JP 13944098A JP H11331575 A JPH11331575 A JP H11331575A
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  • Cameras Adapted For Combination With Other Photographic Or Optical Apparatuses (AREA)
  • Image Input (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カメラ等でストロボを使用して撮影した画像
を光電的に読み取る場合に、主被写体と背景との間の明
暗差を軽減する。 【解決手段】 光量が落ちる壁と、人物とを分離し、背
景である壁のみを抽出し、この壁までの撮影距離、スト
ロボの配光特性に基づいて、減光分を補正(加算)する
ことにより、主被写体と背景との光量差をなくすように
した。これにより、画像の品質が向上し、LFのような
安価で簡易なカメラであっても、適正な写真画像を得る
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルムに記録さ
れた画像を光電的に読み取ることにより得られた画像デ
ータに所定の画像処理を施し、出力用の画像データを得
る画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年では、写真フィルムに記録されたコ
マ画像をCCD等の読取センサによって光電的に読み取
り、該読み取りによって得られたデジタル画像データに
対し拡大縮小や各種補正等の画像処理を実行し、画像処
理済のデジタル画像データに基づき変調したレーザ光に
より記録材料へ画像を形成する技術が知られている。
【0003】このようにCCD等の読取センサによりコ
マ画像をデジタル的に読み取る技術では、精度の良い画
像読み取りを実現するために、コマ画像を予備的に読み
取り(いわゆるプレスキャン)、コマ画像の濃度等に応
じた読取条件(例えば、コマ画像に照射する光量やCC
Dの電荷蓄積時間等)を決定し、決定した読取条件でコ
マ画像を再度読み取っていた(いわゆるファインスキャ
ン)。
【0004】ここで、カメラでの撮影時にストロボを使
用することがある。ストロボを発光させて撮影した場
合、強制的に光量を増加させることができる反面、配光
特性(光量分布)があるため、例えば画像の中心と周辺
との明暗差が大きくなり、中心に位置する主被写体(人
物)が白っぽくなり、周辺の背景が暗くなる傾向があ
る。
【0005】この場合、高価なカメラに装填するストロ
ボであれば、光量を調整したり、光量分布がフラットに
なるように拡散板を介在させたり、間接照明にしたりす
ることも可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特に、
LF(レンズ付フィルム)においては、主被写体への光
量を多くする設計のため(主被写体が存在する確率の高
い画面中心部に光量を集中しているため、)、主被写体
までの撮影距離に応じた配光特性と背景までの撮影距離
に応じた配光特性との間に大きな差が生じる。
【0007】図6は、LF100を用いて撮影者102
が被写体(人物)104を中心として撮影する場面の側
面図であり、被写体104の後方には壁106が配設さ
れている。
【0008】この場合、撮影者102から被写体104
までの撮影距離dと、撮影者102から壁106までの
撮影距離d’との間には、d<d’の関係がある。
【0009】撮影者102が撮影するときのストロボ1
00Sの配光特性の中心は、被写体104の位置では、
図7(A)に示される如く、被写体104の肩口近傍で
あり(図7(A)の点dc参照)、壁106の位置では、
図7(B)に示される如く、被写体104の首の後方位
置となる(図7(B)点d'c 参照)。すなわち、撮影距
離が長くなる従い、配光特性の中心が撮影画角の中心へ
移動する。
【0010】ここで、被写体104及び壁106のそれ
ぞれの配光特性(図8(A)が被写体104の位置、図
8(B)が壁106の位置)を比べると、明らかに壁1
06での配光特性の方が暗いことがわかる。
【0011】このように、主被写体と背景との間に明暗
差があると、画像としては好ましくない。
【0012】本発明は上記事実を考慮し、カメラ等でス
トロボを使用して撮影した画像を光電的に読み取る場合
に、主被写体と背景との間の明暗差を軽減することがで
きる画像処理装置を得ることが目的である。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、フィルムに記録された画像を光電的に読み取ること
により得られた画像データに所定の画像処理を施し、出
力用の画像データを得る画像処理装置であって、前記フ
ィルムを撮影距離に応じたストロボの配光特性を取得す
る撮影情報取得手段と、前記ストロボの配光特性を読出
し、読み出された配光特性に基づいて、前記画像の光量
調整量を演算する演算手段と、前記演算手段で演算され
た光量調整量により前記画像の補正を行う補正手段と、
を有している。
【0014】請求項1に記載の発明によれば、撮影情報
取得手段によって撮影距離に応じたストロボの配光特性
を取得する。演算手段では、前記取得したストロボの配
光特性に基づいて画像の光量の補正を行う。
【0015】すなわち、ストロボによって撮影された画
像は、撮影距離によりその配光特性が異なり、特に主被
写体を中心とする配光特性を持つストロボでは、背景の
光量が減少する傾向にある。そこで、上記演算によって
光量の減量分を補正してやることにより、主被写体と背
景との間の光量差による違和感を解消することができ
る。
【0016】請求項2に記載の発明は、フィルムに記録
された画像を光電的に読み取ることにより得られた画像
データに所定の画像処理を施し、出力用の画像データを
得る画像処理装置であって、前記フィルムを撮影したカ
メラのストロボの配光特性及び撮影距離を含む撮影情報
を取得する撮影情報取得手段と、前記画像を主被写体と
背景とに分離する画像分離手段と、前記画像分離手段で
分離された主被写体及び背景のそれぞれの撮影距離に応
じた前記ストロボの配光特性を読出し、それぞれの配光
特性に基づいて、前記主被写体及び背景の光量調整量を
演算する演算手段と、前記演算手段で演算された光量調
整量により前記主被写体及び背景の補正を行う補正手段
と、前記補正手段で補正された主被写体及び背景を結合
する結合手段と、を有している。
【0017】請求項2に記載の発明によれば、撮影した
画像を光電的に読み取った後、例えばデジタル画像に変
換することにより、主被写体と背景とを容易に分離する
ことができる。このため、主被写体と背景との補正をそ
れぞれ別個に行う(背景のみの補正も含む)ことがで
き、より最適な補正が可能となる。
【0018】請求項3に記載の発明は、前記請求項2に
記載の発明において、前記結合手段での主被写体と背景
との結合時にそれぞれの輪郭の濃度差を所定以下に抑制
する濃度差抑制手段をさらに有することを特徴としてい
る。
【0019】請求項3に記載の発明によれば、分離した
画像を結合する際に、輪郭の濃度差を所定以下に抑制す
る濃度差抑制手段をさらに設けることにより、結合後の
画像のつながりを滑らかにすることができる。この濃度
差抑制手段としては、例えば、輪郭近傍の画像の濃度に
重み付け処理を行い、急激な濃度の変化をなくせばよ
い。
【0020】請求項4に記載の発明は、前記請求項1乃
至請求項3の何れか1項記載の発明において、前記補正
手段による補正を、画像が複数の画素として表現されて
いる場合に、それぞれの画素毎の濃度に応じて、実質的
に補正を行う比率を設定する設定手段をさらに有するこ
とを特徴としている。
【0021】請求項5に記載の発明は、前記請求項4に
記載の発明において、前記画素の濃度がベース濃度に近
いほど前記比率を下げ、ベース濃度に遠いほど前記比率
を上げ、その中間的な濃度では連続的に変化する所定の
特性曲線に応じて前記比率を設定することを特徴として
いる。
【0022】請求項4及び請求項5に記載の発明によれ
ば、写真フィルムにおいてベース濃度に近い画素に対し
て補正を行うと、結果として不自然な絵柄となるため補
正を行わず、ベース濃度から離れた画素ほど補正を行う
ようにする。これにより、全体の画像の不自然さを起こ
さずに、主被写体と背景との濃度差を無くすことができ
る。
【0023】なお、上記補正は、フルカラー画像の場合
に、RGBの各色の分離して行っても良いし、例えば輝
度信号を抽出して、RGBを一度に補正するようにして
もよい。
【0024】
【発明の実施の形態】図1及び図2には、本実施形態に
係るディジタルラボシステム10の概略構成が示されて
いる。
【0025】図1に示すように、このディジタルラボシ
ステム10は、ラインCCDスキャナ14、画像処理部
16、レーザプリンタ部18、及びプロセッサ部20を
含んで構成されており、ラインCCDスキャナ14と画
像処理部16は、図2に示す入力部26として一体化さ
れており、レーザプリンタ部18及びプロセッサ部20
は、図2に示す出力部28として一体化されている。
【0026】ラインCCDスキャナ14は、ネガフィル
ムやリバーサルフィルム等の写真フィルムに記録されて
いるコマ画像を読み取るためのものであり、例えば13
5サイズの写真フィルム、110サイズの写真フィル
ム、及び透明な磁気層が形成された写真フィルム(24
0サイズの写真フィルム:所謂APSフィルム)、12
0サイズ及び220サイズ(ブローニサイズ)の写真フ
ィルムのコマ画像を読取対象とすることができる。ライ
ンCCDスキャナ14は、上記の読取対象のコマ画像を
ラインCCD30で読み取り、A/D変換部32におい
てA/D変換した後、画像データを画像処理部16へ出
力する。
【0027】なお、本実施の形態では、240サイズの
写真フィルム(APSフィルム)68を適用した場合の
ディジタルラボシステム10として説明する。
【0028】画像処理部16は、ラインCCDスキャナ
14から出力された画像データ(スキャン画像データ)
が入力されると共に、デジタルカメラ34等での撮影に
よって得られた画像データ、原稿(例えば反射原稿等)
をスキャナ36(フラットベット型)で読み取ることで
得られた画像データ、他のコンピュータで生成され、フ
ロッピディスクドライブ38、MOドライブ又はCDド
ライブ40に記録された画像データ、及びモデム42を
介して受信する通信画像データ等(以下、これらをファ
イル画像データと総称する)を外部から入力することも
可能なように構成されている。
【0029】画像処理部16は、入力された画像データ
を画像メモリ44に記憶し、色階調処理部46、ハイパ
ートーン処理部48、ハイパーシャープネス処理部50
等の各種の補正等の画像処理を行って、記録用画像デー
タとしてレーザプリンタ部18へ出力する。また、画像
処理部16は、画像処理を行った画像データを画像ファ
イルとして外部へ出力する(例えばFD、MO、CD等
の記憶媒体に出力したり、通信回線を介して他の情報処
理機器へ送信する等)ことも可能とされている。
【0030】レーザプリンタ部18はR、G、Bのレー
ザ光源52を備えており、レーザドライバ54を制御し
て、画像処理部16から入力された記録用画像データ
(一旦、画像メモリ56に記憶される)に応じて変調し
たレーザ光を印画紙に照射して、走査露光(本実施の形
態では、主としてポリゴンミラー58、fθレンズ60
を用いた光学系)によって印画紙62に画像を記録す
る。また、プロセッサ部20は、レーザプリンタ部18
で走査露光によって画像が記録された印画紙62に対
し、発色現像、漂白定着、水洗、乾燥の各処理を施す。
これにより、印画紙上に画像が形成される。
【0031】(ラインCCDスキャナの構成)次にライ
ンCCDスキャナ14の構成について説明する。図1に
はラインCCDスキャナ14の光学系の概略構成が示さ
れている。この光学系は、写真フィルム68に光を照射
する光源66を備えており、光源66の光射出側には、
写真フィルム68に照射する光を拡散光とする光拡散板
72が配置されている。
【0032】写真フィルム68は、光拡散板72が配設
された側に配置されたフィルムキャリア74によって、
コマ画像の画面が光軸と垂直になるように搬送される。
【0033】写真フィルム68を挟んで光源66と反対
側には、光軸に沿って、コマ画像を透過した光を結像さ
せるレンズユニット76、ラインCCD30が順に配置
されている。なお、レンズユニット76として単一のレ
ンズのみを示しているが、レンズユニット76は、実際
には複数枚のレンズから構成されたズームレンズであ
る。なお、レンズユニット76として、セルフォックレ
ンズを用いてもよい。この場合、セルフォックレンズの
両端面をそれぞれ、可能な限り写真フィルム68及びラ
インCCD30に接近させることが好ましい。
【0034】ラインCCD30は、複数のCCDセル搬
送される写真フィルム68の幅方向に沿って一列に配置
され、かつ電子シャッタ機構が設けられたセンシング部
が、間隔を空けて互いに平行に3ライン設けられてお
り、各センシング部の光入射側にR、G、Bの色分解フ
ィルタの何れかが各々取付けられて構成されている(所
謂3ラインカラーCCD)。ラインCCD30は、各セ
ンシング部の受光面がレンズユニット76の結像点位置
に一致するように配置されている。
【0035】また、図示は省略するが、ラインCCD3
0とレンズユニット76との間にはシャッタが設けられ
ている。 (画像処理部16の制御系の構成)図3には、図1に示
す画像処理部16の主要構成である画像メモリ44、色
階調処理46、ハイパートーン処理48、ハイパーシャ
ープネス処理50の各処理を実行するための詳細な制御
ブロック図が示されている。
【0036】ラインCCDスキャナ14から出力された
RGBの各デジタル信号は、データ処理部200におい
て、暗時補正、欠陥画素補正、シェーディング補正等の
所定のデータ処理が施された後、Log 変換器202によ
ってデジタル画像データ(濃度データ)に変換され、プ
レスキャンデータはプレスキャンメモリ204に記憶さ
れ、メインスキャンデータはメインスキャンメモリ20
6に記憶される。
【0037】プレスキャンメモリ204に記憶されたプ
レスキャンデータは、画像データ処理部208と画像デ
ータ変換部210とで構成されたプレスキャン処理部2
12に送出される。一方、メインスキャンメモリ206
に記憶されたメインスキャンデータは、画像データ処理
部214と画像データ変換部216とで構成されたメイ
ンスキャン処理部218へ送出される。
【0038】これらのプレスキャン処理部212及びメ
インスキャン処理部218では、画像をストロボを使用
した撮影したときのストロボ配光特性に基づく補正等を
実行する。
【0039】画像データ処理部208、216では、カ
ラーバランス調整、コントラスト調整(色階調処理)、
明るさ補正、彩度補正(ハイパートーン処理)、ハイパ
ーシャープネス処理等が、LUTやマトリクス(MT
X)演算等の周知の方法で実行されるようになってい
る。
【0040】また、画像データ処理部208、216に
は、前記各調整、補正等の前に、画像の周辺(背景)の
光量を補正する周辺光量補正部220、222が設けら
れている。
【0041】すなわち、この周辺光量補正部220、2
22では、カメラでの撮影時にストロボが使用されてい
る場合に、このストロボの配光特性及び撮影距離に基づ
いて、主被写体(人物等)に対する、周辺(背景)の光
量落ちを補正するようになっている。なお、この周辺光
量補正部220、222における光量補正については、
後述する。
【0042】プレスキャン側の画像データ変換部210
では、画像データ処理部208によって処理された画像
データを3D−LUTに基づいてモニタ16Mへ表示す
るためのディスプレイ用画像データに変換している。一
方、メインスキャン側の画像データ変換部216では、
画像データ処理部214によって処理された画像データ
を、3D−LUTに基づいてレーザプリンタ部18での
プリント用画像データに変換している。なお、上記ディ
スプレイ用の画像データと、プリント用画像データと
は、表色系が異なるが、以下のような様々な補正によっ
て一致を図っている。
【0043】すなわち、プレスキャン処理部212及び
メインスキャン処理部218には、条件設定部224が
接続されている。
【0044】条件設定部224は、セットアップ部22
6、キー補正部228、パラメータ統合部230とで構
成されている。
【0045】セットアップ部226は、プレスキャンデ
ータを用いて、メインスキャンの読取条件を設定し、ラ
インCCDスキャナ14に供給し、また、プレイスキャ
ン処理部212及びメイスキャン処理部218の画像処
理条件を演算し、パラメータ統合部230に供給してい
る。
【0046】キー補正部228は、キーボード16Kに
設定された濃度、色、コントラスト、シャープネス、彩
度等を調整するキーやマウスで入力された各種の指示等
に応じて、画像処理条件の調整量を演算し、パラメータ
統合部230へ供給している。
【0047】パラメータ統合部230では、上記セット
アップ部226及びキー補正部228から受け取った画
像処理条件をプレスキャン側及びメインスキャン側の画
像データ処理部208,214へ送り、画像処理条件を
補正あるいは再設定する。
【0048】また、条件設定部224には、フィルム特
性記憶部232が接続されており、各種のフィルムの特
性が記憶されている。
【0049】フィルムの特性とは、階調特性(γ特性)
であり、一般には、露光量に応じて濃度が三次元的に変
化する曲線で表される。なお、この点は周知の技術であ
るため、詳細な説明は省略する。
【0050】なお、フィルム種の特定は、本実施の形態
であれば、APSフィルムの磁気記録層にフィルム種を
示す情報を記録しており、ラインCCDスキャナ14の
キャリア74での搬送時に、磁気ヘッドによって読み取
ることが可能である。また、135サイズフィルムの場
合には、その形状(幅方向両端に比較的短いピッチでパ
ーフォレーションが設けられている)等で判断してもよ
いし、オペレータがキー入力するようにしてもよい。
【0051】また、条件設定部224は、ストロボ配光
特性データ供給部234が接続されている。このストロ
ボ配光特性データ供給部234は、カメラによって撮影
するときに使用されるストロボを判別する情報を取得
し、この取得したストロボ種情報に対応する配光特性を
周辺光量補正部220、222へ供給するようになって
いる。
【0052】すなわち、ストロボ配光特性データ供給部
234は、メモリ(テーブル)を有し、このメモリに
は、各種のカメラ種に応じたストロボ(例えば、LFに
適用されるストロボや、一般のカメラに内蔵されたスト
ロボ、後付けタイプのストロボの全てを含むが、本実施
の形態では主としてLF用ストロボを補正のターゲット
としている。)の配光特性が記憶されている。この配光
特性は、撮影距離によって異なるものであり、各ストロ
ボ毎に撮影距離に応じた複数の配光特性が記憶されてい
る。
【0053】図8(A)及び図8(B)は、図6に示す
ような状況で、LF100を用いて撮影したときの配光
特性である。すなわち、図YYYでは、主被写(人物)
104が、壁106の若干手前に立っている状態を示し
ており、撮影距離が、それぞれ被写体104までがd、
壁106までがd’となっており、これらには、d<
d’の関係がある(従来技術の項参照)。この撮影距離
の違いにより、配光特性が異なるため(図8(A)及び
(B)参照)、それぞれの撮影距離に応じた配光特性を
記憶しておく必要がある。
【0054】ストロボ配光特性データ供給部234で
は、取得したストロボ判別情報及び撮影距離に応じて、
配光特性を読出し、これを周辺光量補正部220、22
2へ供給するようになっている。なお、撮影距離は、A
PSフィルムであれば、磁気記録層に記録しておけばよ
い。また、135サイズフィルム等であれば、光学的に
記録したり、別体の記録媒体を用いてもよい。
【0055】周辺光量補正部220、222では、周知
の画像抽出機能を有しており、主被写体と周辺(背景)
とを分離し、一般に光量が落ちる背景のみに注目し、分
離した背景画像に補正を加え、その後、主被写体と結合
するようになっている。なお、結合時には、主被写体の
輪郭をぼかし背景とのつながりを滑らか(極端な濃度差
の軽減)にしている。具体的には、境界近傍に対応する
画素を所定のテーブルに基づいて処理の重み付けを行う
ようにしている。
【0056】以下に、本実施の形態の作用を説明する。
【0057】オペレータがフィルムキャリア74に写真
フィルム68を挿入し、画像処理部16のキーボード1
6Kによりコマ画像読取開始を指示すると、フィルムキ
ャリア74では、写真フィルム22を搬送開始する。こ
の搬送により、プレスキャンが実行される。すなわち、
写真フィルム68を比較的高速で搬送しながら、ライン
CCDスキャナ14によって、画像コマのみならず、写
真フィルムの68の画像記録領域外の各種データを含め
て、読み取っていく。なお、読み取った画像は、モニタ
16Mに表示される。
【0058】このとき、コマ画像のサイズを認識し、例
えば、パノラマサイズのコマ画像である場合には、パノ
ラマサイズの画像特有の素抜け部分(写真フィルムの幅
方向両端側)を遮光する。
【0059】次に、各コマ画像のプレスキャンの結果に
基づいてファインスキャン時の読取条件を各コマ画像毎
に設定し、該プレスキャンの結果に基づいてファインス
キャン時の読取条件が各コマ画像毎に設定されていく。
【0060】そして、全コマ画像に対するファインスキ
ャン時の読取条件設定が終了すると、写真フィルム68
をプレスキャンとは逆方向に搬送し、各コマ画像のファ
インスキャンを実行する。
【0061】このとき、写真フィルム68は、プレスキ
ャン時とは逆方向に搬送されているため、最終コマから
1コマ目まで順にファインスキャンが実行されていく。
ファインスキャンは、前記プレスキャンに比べて搬送速
度が遅く設定されており、その分、読取解像度が高くな
る。また、プレスキャン時に、画像の状態(例えば、撮
影画像アスペクト比、アンダー、ノーマル、オーバー、
スーパーオーバー等の撮影状態やストロボ撮影の有無
等)を認識しているため、適正な読取条件で読み取るこ
とができる。
【0062】上記において、プレスキャンメモリ204
にプレスキャンデータが記憶されると、プレスキャンデ
ータ処理部212の周辺光量補正部220がこれを読出
し、周辺光量補正を行う。以下、図4のフローチャート
に従い、周辺光量補正手順について説明する。
【0063】ステップ150では、周辺光量補正部22
0において、プレスキャンメモリ204からプレスキャ
ンデータを読出し、次いでステップ152でRGB毎に
テーブル1を参照して、濃度D1を演算する。
【0064】次に、ステップ154において、テーブル
2を参照して、フィルム特性記憶部232から読み出さ
れたフィルム特性を用いて、撮影光量logE1 をを演算す
る。
【0065】一方、ステップ156では、処理すべき画
像位置(x,y)を取得する。すなわち、画像の内、周
辺画像である背景を抽出すべく、主被写体と分離した領
域を取得する。次いでステップ158では、テーブル3
を参照して、ストロボ配光特性データ供給部234から
与えられた配光特性を用いてその画素における光量落ち
を示す減光量ΔlogEを演算する。
【0066】次に、ステップ160において、テーブル
4を参照して、その画素に対してどの程度補正するかを
示す重み計数kを求める。
【0067】周辺光量補正は、図5に示すように、未露
光部分であるネガで最も明るいベース濃度付近は補正を
行わず(図5の補正の程度low)、ベース濃度から離れた
部分に対してフルに補正を行い(図5の補正の程度hig
h) 、その中間領域に対して中間の補正を行う。これに
より、ベース濃度付近で補正を行った結果、その周辺の
濃度が上がることにより不自然な絵の発生を防止するこ
とができる。
【0068】ステップ162では、重み計数kと減光量
ΔlogEとを乗算し、補正すべき光量である補正光量ΔV
を演算する。次いで、ステップ164において、これを
撮影光量logE1 に加算して、補正撮影光量logE2 を求め
る。
【0069】次に、ステップ166において、補正光量
logE2 を再度、ネガ濃度D2に変換し、ステップ168
で画像信号として出力する。
【0070】以上が、周辺光量補正部220におけるス
トロボを使用した撮影画像の濃度補正手順であり、条件
設定部224のセットアップ部226では、前記周辺光
量補正部220からの補正後のデータを受け取り、濃度
ヒストグラムの作成、ハイライトやシャドー等の画像特
徴量の演算等を行い、メインスキャンの読取条件を設定
してラインCCDスキャナ14へ供給する。
【0071】なお、周辺光量補正が行われた画像は、そ
の後LUT、MTXで処理された後、シャープネス処理
や覆い焼き処理等の必要な画像処理が施され、画像デー
タ変換部210で変換されて、モニタ16Mに表示され
る。
【0072】また、セットアップ部226では、階調調
整やグレイバランス調整等の各種の画像処理条件を設定
し、パラメータ統合部230へ供給する。
【0073】画像処理条件を受け取ったパラメータ統合
部230では、これらをプレスキャン処理部212及び
メインスキャン処理部218へ供給する。
【0074】メインスキャンは、ほぼプレスキャンと同
様に行われ、ラインCCD30からの出力信号は、A/
D変換器32でデジタル信号とされ、画像処理部16の
データ処理部200で処理され、Log 変換器202でメ
インスキャンデータとされてメインスキャンメモリ20
6に送られる。
【0075】メインスキャンデータがメイスキャンメモ
リ206に送られると、メインスキャン処理部218に
よって読み出され、メインスキャン処理部218におい
て、前記プレスキャン処理部212における処理と同様
の画像処理が行われ、画像データ変換部216でレーザ
プリンタ部18に適した表色系の画像データに変換さ
れ、出力される。
【0076】このように、従来では、特に、ストロボ1
00Sが内蔵されたLF100(共に図6参照)を用い
て被写体(人物)104を壁106の若干前方に立たせ
た状態で撮影した場合、人物104と壁106とにおけ
るストロボ100Sの配光特性の違いにより光量差が生
じていた。
【0077】そこで、本実施の形態では、光量が落ちる
壁106と、人物104とを分離し、背景である壁10
6のみを抽出し、この壁106までの撮影距離、ストロ
ボ100Sの配光特性に基づいて、減光分を補正(加
算)することにより、主被写体と背景との光量差をなく
すようにした。これにより、画像の品質が向上し、LF
100のような安価で簡易なカメラであっても、適正な
写真画像を得ることができる。
【0078】なお、本発明はLF100に限らず、全て
のストロボ撮影時に適用可能であるが、LF100のよ
うに撮影距離に拘らず光量が常に一定の発光量のストロ
ボが搭載されたカメラにおいて、特に顕著な効果を得る
ことができる。
【0079】
【発明の効果】以上説明した如く本発明に係る画像処理
装置は、カメラ等でストロボを使用して撮影した画像を
光電的に読み取る場合に、主被写体と背景との間の明暗
差を軽減することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るディジタルラボシス
テムの概略構成図である。
【図2】ディジタルラボシステムの外観図である。
【図3】画像処理部の制御ブロック図である。
【図4】ストロボ配光特性に基づく周辺光量補正手順を
示すフローチャートである。
【図5】画像濃度に応じた周辺光量補正の程度を示す特
性図である。
【図6】LFを用い、ストロボを使用して撮影している
状況を示す側面図である。
【図7】図6の状態で撮影した画像のストロボの発光中
心位置を示す正面図であり、(A)は人物付近、(B)
は壁付近の発光中心位置を示す正面図である。
【図8】(A)は図7(A)の配光特性図、(B)は図
7(B)の配光特性図である。
【符号の説明】
10 ディジタルラボシステム 14 ラインCCDスキャナ 16 画像処理部 66 光源部 68 写真フィルム 200 データ処理部 202 log 変換器 204 プレスキャンメモリ 206 メインスキャンメモリ 208 画像データ処理部 212 プレスキャン処理部 214 画像データ処理部 218 メインスキャン処理部 220、222 周辺光量補正部 224 条件設定部 234 ストロボ配光特性データ供給部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G06F 15/64 400A

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルムに記録された画像を光電的に読
    み取ることにより得られた画像データに所定の画像処理
    を施し、出力用の画像データを得る画像処理装置であっ
    て、 前記フィルムを撮影距離に応じたストロボの配光特性を
    取得する撮影情報取得手段と、 前記ストロボの配光特性を読出し、読み出された配光特
    性に基づいて、前記画像の光量調整量を演算する演算手
    段と、 前記演算手段で演算された光量調整量により前記画像の
    補正を行う補正手段と、を有する画像処理装置。
  2. 【請求項2】 フィルムに記録された画像を光電的に読
    み取ることにより得られた画像データに所定の画像処理
    を施し、出力用の画像データを得る画像処理装置であっ
    て、 前記フィルムを撮影したカメラのストロボの配光特性及
    び撮影距離を含む撮影情報を取得する撮影情報取得手段
    と、 前記画像を主被写体と背景とに分離する画像分離手段
    と、 前記画像分離手段で分離された主被写体及び背景のそれ
    ぞれの撮影距離に応じた前記ストロボの配光特性を読出
    し、それぞれの配光特性に基づいて、前記主被写体及び
    背景の光量調整量を演算する演算手段と、 前記演算手段で演算された光量調整量により前記主被写
    体及び背景の補正を行う補正手段と、 前記補正手段で補正された主被写体及び背景を結合する
    結合手段と、を有する画像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記結合手段での主被写体と背景との結
    合時にそれぞれの輪郭の濃度差を所定以下に抑制する濃
    度差抑制手段をさらに有する請求項2記載の画像処理装
    置。
  4. 【請求項4】 前記補正手段による補正を、画像が複数
    の画素として表現されている場合に、それぞれの画素毎
    の濃度に応じて、実質的に補正を行う比率を設定する設
    定手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至請
    求項3の何れか1項記載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】 前記画素の濃度がベース濃度に近いほど
    前記比率を下げ、ベース濃度に遠いほど前記比率を上
    げ、その中間的な濃度では連続的に変化する所定の特性
    曲線に応じて前記比率を設定することを特徴とする請求
    項4記載の画像処理装置。
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