JP2003241326A - 画像読取装置 - Google Patents

画像読取装置

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JP2003241326A
JP2003241326A JP2002037851A JP2002037851A JP2003241326A JP 2003241326 A JP2003241326 A JP 2003241326A JP 2002037851 A JP2002037851 A JP 2002037851A JP 2002037851 A JP2002037851 A JP 2002037851A JP 2003241326 A JP2003241326 A JP 2003241326A
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image
photographic film
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infrared
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JP2002037851A
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English (en)
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Hiroshi Yamaguchi
博司 山口
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 欠陥部を精度良く検出可能な赤外画像信号を
取得する。 【解決手段】 R,G,B,IRの何れかの波長域の光を射出す
るLED72R,72G,72B,72IRが基板74上にマトリクス状
かつ高密度に配列されて成るLEDアレイ70から、R,
G,B,IRの各波長域の光を順次射出させ、写真フィルム26
を透過してレンズ28により結像された光をエリアCCD
30によって光電変換し、IR光によって得られたIRデータ
に基づいて、写真フィルム26に付いた傷や異物に起因す
る欠陥部を検出し、R,G,B光によって得られた画像デー
タに対して欠陥部を修正するにあたり、IR光を射出する
LED72IRとして、中心波長が約950nmで、半値幅が比
較的狭く、全発光光量に占める900nm未満の波長域
の成分の発光光量が10%以下(数%程度)となる発光ス
ペクトルの光を射出するLEDを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像読取装置に係
り、特に、写真フィルムに赤外光を照射し、写真フィル
ムを透過した赤外光をレンズによって結像させて読取セ
ンサにより光電変換を行うことで赤外画像信号を取得す
る画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】写真フィルムは、取扱い方によっては乳
剤面やバック面(乳剤面の裏面)に傷が付くことがあ
る。写真フィルムの画像記録領域内に相当する箇所に傷
が付いていた場合、該写真フィルムに記録されている画
像を出力(印画紙等の画像記録材料に記録、或いはディ
スプレイ等の表示手段に表示)したとすると、傷の程度
にもよるが、写真フィルムに付いた傷が、低濃度の筋や
白い筋等の欠陥部として出力画像上で明瞭に視認される
ことが多い。また、写真フィルムの表面に塵埃等の異物
が付着していた場合にも、該異物が欠陥部として明瞭に
視認される。
【0003】写真フィルムに光を照射し写真フィルムを
透過した光を印画紙に照射することで印画紙に画像を露
光記録する面露光タイプの写真焼付装置では、写真フィ
ルムの傷付き対策として、光源と写真フィルムとの間に
拡散板を配置し、拡散板によって散乱された光を写真フ
ィルムに照射している。しかし、上記技術では出力画像
(印画紙に露光記録した画像)中の欠陥部を消去するこ
とは困難であり、欠陥が若干軽減される(目立たなくな
る)に過ぎない。
【0004】また、写真フィルムに記録された画像をC
CD等の読取センサによって読み取る構成の画像読取装
置に適用可能な技術として、特開平11−75039号
公報には、可視域3波長と、例えば赤外域等の非可視域
1波長を含む少なくとも4波長以上の波長域で写真フィ
ルムを各々読み取り、赤外域での読み取りによって得ら
れた情報に基づいて、可視域での読み取りによって得ら
れた画像情報を補正する技術が開示されている。
【0005】可視域の光は、写真フィルムに記録されて
いる画像濃度に応じて透過光量が変化すると共に、写真
フィルムに傷や異物が付いている箇所でも傷や異物によ
って光が一部屈折されたり反射されることで透過光量が
変化する。一方、赤外光は、写真フィルムに傷や異物が
付いている箇所では透過光量が変化するものの、写真フ
ィルムに記録されている画像濃度の影響は受けない。
【0006】従って、前記公報に記載の技術によれば、
赤外光の透過光量の変化に基づいて写真フィルムに付い
ている傷や異物を検出し、写真フィルムに付いている傷
や異物に起因する可視域の光の透過光量の変動を補正す
ること、すなわち写真フィルムに付いている傷や異物に
起因する画像(可視域での読み取りによって得られた画
像情報が表す画像)の欠陥部を修正することが可能とな
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、赤外光
の透過光量の変化に基づいて写真フィルムに付いている
傷や異物を検出する場合、赤外域の長波長側では、撮像
レンズの結像性能が低下する(主にレンズの軸上収差が
顕著となる)と共に読取センサの感度も低下すること
で、欠陥部の検出精度が低下する。一方、赤外域の短波
長側では、赤外光の透過光量が色素像(可視画像)の濃
度に応じて変動するため、可視画像に起因する透過光量
の変化と傷や異物に起因する透過光量の変化を分離する
ことが困難となり、可視画像を欠陥部と誤検出する可能
性がある。そして、上記のような欠陥部の検出精度の低
下や欠陥部の誤検出は、欠陥部の修正に伴って、例えば
画像中のエッジ部分が鈍る等の画質低下を引き起こす、
という問題があった。
【0008】本発明は上記事実を考慮して成されたもの
で、欠陥部を精度良く検出可能な赤外画像信号を取得で
きる画像読取装置を得ることが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の発明に係る画像読取装置は、光源から
射出された赤外光を写真フィルムに照射し、写真フィル
ムを透過した赤外光をレンズによって結像させて読取セ
ンサにより光電変換を行うことで、写真フィルムに記録
された画像上の欠陥部を検出し画像処理により欠陥部の
修正を行うための赤外画像信号を取得する画像読取装置
であって、前記欠陥部が存在しない場合に前記読取セン
サによって受光される赤外光の分光分布の中心波長が1
000nm以下で、かつ前記読取センサによって受光さ
れる赤外光の全受光量に占める900nm未満の波長域
の成分の受光量が所定値以下となるように、赤外光を射
出する光源の発光スペクトルの調整、及び、光源から読
取センサに至る光路上の任意の位置に配置されるフィル
タの分光吸収特性の調整の少なくとも一方が行われてい
ることを特徴としている。
【0010】画像が露光記録された写真フィルムが現像
等の工程を経ることで発色する色素は可視域の光を吸収
する特性を示し、この可視域の光の吸収は、詳しくは照
射された光によってエネルギー準位が或るレベルに一旦
上がり、その後にエネルギーが熱として逃げることでエ
ネルギー準位が元に戻る、という状態遷移が生ずること
によって成されるが、可視域よりも長波長側に存在する
赤外域の光は可視域の光よりも低エネルギーであるの
で、写真フィルムの色素に赤外域の光が照射されたとし
ても、上記の状態遷移は全く生じないか、或いは上記の
状態遷移が生ずる確率は低く、赤外域の光は吸収しない
か、又は赤外域の光の吸収率が極めて低い特性となって
いる。
【0011】また、写真フィルムの色素が赤外域の光を
吸収する特性を有していると熱的に不安定になり、耐褪
色性を確保する上でも不利になるため、写真フィルムの
設計においては、色素が赤外域の光を吸収しない特性と
なるように乳剤層が設計される。そして写真フィルム等
の感光材料の設計においては、可視域と赤外域の境界を
900nmとすることが一般的である。
【0012】これは、例として図1に示すように、ネガ
フィルムA,B及びリバーサルフィルムA,Bの何れの
写真フィルムについても、最大濃度Dmaxに相当する透
過率と最小濃度Dminに相当する透過率の差が800n
mより長波長になるに従って漸次小さくなり、900n
mにおいて殆ど差が無くなっている(900nmよりも
長波長側では前記差に殆ど変化がない)特性を示してい
ることからも明らかである。また図2には、図1に特性
を示した4種類の写真フィルムにおける読取濃度の差Δ
D(Dmax−Dmin)の波長依存特性を示すが、統計的に
求まる視認限界が読取濃度の差ΔD=0.001程度で
あることを考慮すると、900nm以上の波長域におい
ては写真フィルムの色素による光の吸収は無視できるレ
ベルにあり、色素像(可視画像)に起因する透過光量の
変動は殆ど生じないとみなすことができる。
【0013】請求項1記載の発明では、欠陥部が存在し
ない場合に読取センサによって受光される赤外光の全受
光量に占める900nm未満の波長域の成分の受光量が
所定値以下(例えば10%以下)となるように、赤外光
を射出する光源の発光スペクトルの調整、及び、光源か
ら読取センサに至る光路上に配置されるフィルタの分光
吸収特性の調整の少なくとも一方が行われているので、
赤外光の透過光量が色素像(可視画像)の濃度に応じて
変動することを回避することができ、可視画像が欠陥部
と誤検出されることを防止できる読取結果(赤外画像信
号)を得ることができる。
【0014】一方、図3には読取センサとして広く用い
られているCCDセンサの分光感度特性を示す。図3か
らも明らかなように、900nm以上の波長域において
は、900nmより長波長になるに従ってCCDセンサ
の感度が漸次0に近づいており、読取センサによって受
光される赤外光の分光分布の中心波長が極端に長波長側
へ偏倚していると、読取センサによる赤外光の光電変換
が困難になることが理解できる。
【0015】また、写真フィルムを透過した光を結像さ
せるレンズは可視域の光に対する性能を重視して設計さ
れているので、通常、1000nmを越える波長域の光
に対してはMTFの減衰が顕著となり、像がぼけるとい
う問題がある。
【0016】これに対して請求項1記載の発明では、欠
陥部が存在しない場合に読取センサによって受光される
赤外光の分光分布の中心波長が1000nm以下となる
ように、赤外光を射出する光源の発光スペクトルの調
整、及び、光源から読取センサに至る光路上の任意の位
置に配置されるフィルタの分光吸収特性の調整の少なく
とも一方が行われているので、1000nmを越える長
波長域におけるレンズの結像性能の低下や読取センサの
感度の低下が、赤外画像信号に多大な影響を及ぼすこと
を回避することができ、欠陥部を精度良く検出可能な赤
外画像信号を得ることができる。
【0017】なお、請求項1記載の発明において、赤外
光を射出する光源としては、例えば請求項2に記載した
ようにLEDを用いることが好ましい。LEDは、他の
光源と比較して発光スペクトルの半値幅が比較的狭く、
望ましい波長域以外の波長域の成分を含まないか、望ま
しい波長域以外の波長域の成分の射出光量が非常に小さ
い、望ましい発光スぺクトルの光を射出するように構成
することを、比較的容易に実現できる。また、欠陥部が
存在しない場合に読取センサによって受光される赤外光
の分光分布の中心波長が1000nm以下で、かつ読取
センサによって受光される赤外光の全受光量に占める9
00nm未満の波長域の成分の受光量が所定値以下とな
るようにすることを目的としたフィルタを、光源から読
取センサに至る光路上に配置する必要もなくなる。
【0018】また、請求項1記載の発明に係る画像読取
装置は、例えば請求項3に記載したように、可視光及び
赤外光を写真フィルムに順次照射すると共に、写真フィ
ルムを透過した可視光又は赤外光を同一のレンズによっ
て結像させて同一の読取センサにより光電変換を行うこ
とで、可視画像信号及び赤外画像信号を取得するように
構成することができる。これにより、可視光用及び赤外
光用にレンズ及び読取センサを別々に設ける必要がなく
なり、画像読取装置の構成を簡単にすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態の一例を詳細に説明する。図4には、本実施形態
に係る画像処理システム10が示されている。画像処理
システム10は、フィルムスキャナ12、画像処理装置
14及びプリンタ16が直列に接続されて構成されてい
る。
【0020】フィルムスキャナ12は、写真フィルム
(例えばネガフィルムやリバーサルフィルム)等の写真
感光材料(以下単に写真フィルムと称する)に記録され
ている画像(被写体を撮影後、現像処理されることで可
視化されたネガ画像又はポジ画像)を読み取り、該読み
取りによって得られた画像データを出力するものであ
り、本発明に係る画像読取装置に対応している。
【0021】フィルムスキャナ12の光源部22は、光
源として、図5に示すLEDアレイ70を備えている。
LEDアレイ70は、赤(R)の波長域の光を射出するL
ED72R、緑(G)の波長域の光を射出するLED72
G、青(B)の波長域の光を射出するLED72B、及
び、赤外(IR)の波長域の光を射出するLED72IR
を各々多数個備え、個々のLED72R、72G、72
B、72IRがアルミ基板74上にマトリクス状(LE
D単位でR、G、B、IRの順)かつ高密度に配列され
て構成されている。
【0022】なお、本実施形態では、IRの波長域の光
を射出するLED72IRとして、例として図1に「出
力IR−TypeA」として示すように、発光スペクトルの
中心波長が約950nmで、半値幅が比較的狭く、全発
光光量に占める900nm未満の波長域の成分の発光光
量が10%以下(数%程度)となる発光スペクトルの光
を射出するLEDを用いている。
【0023】LEDアレイ70は写真フィルム26搬送
路の下方に配置されており、個々のLED72から写真
フィルム26へ向けて光が射出され、かつLED72の
配列方向が写真フィルム26の長手方向(後述するフィ
ルムキャリア24による搬送方向)及び幅方向に沿うよ
うに配置されている。LEDアレイ70はスキャナ制御
部33(図4参照)に接続されており、スキャナ制御部
33によって駆動が制御される。
【0024】LEDアレイ70の光射出側には、LED
アレイ70からの射出光の光軸Lに沿って、LEDアレ
イ70からの射出光を拡散させるための拡散板76及び
光拡散ボックス78が順に配置されており、LEDアレ
イ70から射出された光は拡散板76及び光拡散ボック
ス78を介して写真フィルム26へ照射される。
【0025】写真フィルム26を挟んで光源部22と反
対側には、光軸Lに沿って、写真フィルム26を透過し
た光を結像させる結像レンズ(ズームレンズ)28、エ
リアCCD30が順に配置されている。エリアCCD3
0は、各々可視域及び赤外域に感度を有する多数のCC
Dセルがマトリクス状に配列されたモノクロのCCDで
あり、受光面が結像レンズ28の結像点位置に略一致す
るように配置されている。また、エリアCCD30と結
像レンズ28との間にはシャッタ(図示省略)が設けら
れている。
【0026】図4に示すように、エリアCCD30はC
CDドライバ31を介してスキャナ制御部33に接続さ
れている。スキャナ制御部33はCPU、ROM(例え
ば記憶内容を書換え可能なROM)、RAM及び入出力
ポートを備え、これらがバス等を介して互いに接続され
て構成されている。スキャナ制御部33はフィルムスキ
ャナ12の各部の動作を制御する。また、CCDドライ
バ31はエリアCCD30を駆動するための駆動信号を
生成し、エリアCCD30の駆動を制御する。
【0027】写真フィルム26はフィルムキャリア24
によって搬送され、画像の画面中心が光軸Lに一致する
位置(読取位置)に位置決めされる。また、スキャナ制
御部33は画像が読取位置に位置決めされている状態
で、所定の読取条件に対応するエリアCCD30の電荷
蓄積時間をCCDドライバ31へ設定し、絞り21を前
記所定の読取条件に対応する位置へ移動させると共に、
結像レンズ28による光学倍率(ズーム倍率)を前記所
定の読取条件に対応する所定の倍率に調整し、LEDア
レイ70の個々のLEDを、射出光の波長域が同一のL
EDを単位として順に発光させる。
【0028】これにより、写真フィルム26上の画像記
録領域にR,G,B,IRの各波長域の光が順に照射さ
れ、写真フィルム26上の画像記録領域を透過した光
は、結像レンズ28によってエリアCCD30の受光面
上に結像され、エリアCCD30によって光電変換さ
れ、透過光量を表す信号としてエリアCCD30から出
力される。エリアCCD30から出力された信号は、A
/D変換器32によって透過光量を表すデジタルデータ
に変換されて画像処理装置14に入力される。
【0029】なお、R,G,Bの各波長域の光の透過光
量は、画像記録領域に記録されている画像のR,G,B
濃度に応じて変化する(写真フィルム26に傷や異物が
付いていた場合にはこれらによっても変化するが、IR
光の透過光量は画像濃度の影響を受けず、傷や異物等の
みによって変化する)。従って、R,G,Bの各波長域
の透過光を光電変換することは画像を読み取ることに相
当し、以下では、画像処理装置14に入力されるR,
G,B,IRの各波長域のデータのうちIRを除くR,
G,Bの各データを画像データと称する。なお、R,
G,Bの画像データは請求項3に記載の可視画像信号に
対応しており、IRデータは請求項1に記載の赤外画像
信号に対応している。
【0030】一方、画像処理装置14のスキャナ補正部
36は、入力された画像データ(及びIRデータ)に対
し、暗補正、濃度変換、シェーディング補正等の各種の
補正処理を順に行う。スキャナ補正部36の出力端はI
/Oコントローラ38の入力端に接続されており、スキ
ャナ補正部36で前記各処理が施された画像データはI
/Oコントローラ38に入力される。I/Oコントロー
ラ38の入力端は、イメージプロセッサ40のデータ出
力端にも接続されており、イメージプロセッサ40から
画像処理(詳細は後述)が行われた画像データが入力さ
れる。
【0031】また、I/Oコントローラ38の入力端は
制御部42にも接続されている。制御部42は拡張スロ
ット(図示省略)を備えており、この拡張スロットに
は、デジタルスチルカメラに装填可能なスマートメディ
アやコンパクトフラッシュ(R)等のカード状の記憶媒
体(以下、これらをデジタルカメラカードと総称す
る)、CD−ROMやMO、CD−R等の情報記憶媒体
に対してデータ(或いはプログラム)の読出し/書込み
を行うドライバ(図示省略)や、他の情報処理機器と通
信を行うための通信制御装置が接続される。拡張スロッ
トを介して外部から入力された画像データはI/Oコン
トローラ38へ入力される。
【0032】I/Oコントローラ38の出力端は、イメ
ージプロセッサ40のデータ入力端及び制御部42に各
々接続されており、更にI/F回路54を介してプリン
タ16に接続されている。I/Oコントローラ38は、
入力された画像データを、出力端に接続された前記各機
器に選択的に出力する。
【0033】本実施形態では、写真フィルム26に記録
されている個々の画像に対し、フィルムスキャナ12に
おいて異なる解像度で2回の読み取りを行う。1回目の
読み取り(プレスキャン)では、画像の濃度が非常に低
い場合にも、エリアCCD30で蓄積電荷の飽和が生じ
ないように決定した読取条件で各画像の読み取りが行わ
れる。なお、本実施形態ではプレスキャン時にはIR読
み取りは行なわない。このプレスキャンによって得られ
たデータ(プレスキャン画像データ)は、I/Oコント
ローラ38から制御部42へ入力される。
【0034】制御部42は、CPU46、RAM48、
ROM50(例えば記憶内容を書換え可能なROM)、
入出力ポート52を備え、これらがバスを介して互いに
接続されて構成されている。制御部42は、I/Oコン
トローラ38から入力されたプレスキャン画像データに
基づいて画像のサイズ(アスペクト比)を判断すると共
に、画像の濃度等の画像特徴量を演算し、各画像に対
し、フィルムスキャナ12が再度読み取り(ファインス
キャン)を行う際の読取条件を決定し、決定した読取条
件をフィルムスキャナ12に出力する。
【0035】また制御部42は、プレスキャン画像デー
タに基づいて、画像中の主要画像領域(例えば人物の顔
に相当する領域(顔領域))の抽出を含む画像特徴量の演
算を行い、フィルムスキャナ12がファインスキャンを
行うことによって得られる画像データ(ファインスキャ
ン画像データ)に対する各種の画像処理の処理条件を演
算により自動的に決定し(セットアップ演算)、決定し
た処理条件をイメージプロセッサ40へ出力する。
【0036】なお、制御部42は、フィルムスキャナ1
2から入力されたIRデータに基づいて、画像データが
表す画像中に、写真フィルム26に付いている傷や塵埃
等の異物に起因する欠陥部が生じているか否かを探索す
る機能、イメージプロセッサ40が欠陥部修正処理を行
うためのパラメータを設定する機能を有している。ま
た、制御部42のバスにはディスプレイ43、キーボー
ド44及びマウス(図示省略)が接続されている。
【0037】制御部42は、演算した画像処理の処理条
件に基づき、ファインスキャン画像データを対象として
イメージプロセッサ40で行われる画像処理と等価な画
像処理をプレスキャン画像データに対して行ってシミュ
レーション画像データを生成する。そして、生成したシ
ミュレーション画像データを、ディスプレイ43に画像
を表示するための信号に変換し、該信号に基づいてディ
スプレイ43にシミュレーション画像を表示する。ま
た、表示されたシミュレーション画像に対しオペレータ
によって画質等の検定が行われ、検定結果として処理条
件の修正を指示する情報がキーボード44やマウスを介
して入力されると、入力された情報に基づいて画像処理
の処理条件の再演算等を行う。
【0038】一方、フィルムスキャナ12で画像に対し
てファインスキャンが行われることによってI/Oコン
トローラ38に入力された画像データ(ファインスキャ
ン画像データ)は、I/Oコントローラ38からイメー
ジプロセッサ40へ入力される。なお、このファインス
キャンは、先に制御部42によって演算された読取条件
に従い、エリアCCD30の電荷蓄積時間、絞り21の
位置、及び結像レンズ28による光学倍率を調整しなが
ら行われる。
【0039】イメージプロセッサ40は、階調変換や色
変換を含む色・濃度補正処理、画素密度変換処理(所謂
電子変倍処理)、画像の超低周波輝度成分の階調を圧縮
するハイパートーン処理、粒状を抑制しながらシャープ
ネスを強調するハイパーシャープネス処理等の各種の画
像処理を行う画像処理回路を各々備えており、入力され
た画像データに対し、制御部42によって各画像毎に決
定されて通知された処理条件に従って種々の画像処理を
行う。また、イメージプロセッサ40は制御部42によ
って設定されたパラメータに従って欠陥部修正処理を行
う機能を有している。
【0040】イメージプロセッサ40で画像処理が行わ
れた画像データを印画紙への画像の記録に用いる場合に
は、イメージプロセッサ40で画像処理が行われた画像
データは、I/Oコントローラ38からI/F回路54
を介し記録用画像データとしてプリンタ16へ出力され
る。また、画像処理後の画像データを画像ファイルとし
て外部へ出力する場合は、I/Oコントローラ38から
制御部42へ画像データが出力される。これにより、制
御部42では、外部への出力用としてI/Oコントロー
ラ38から入力された画像データを、拡張スロットを介
して画像ファイルとして外部(前記ドライバや通信制御
装置等)に出力する。
【0041】プリンタ16は、画像メモリ58、R,
G,Bのレーザ光源60、該レーザ光源60の作動を制
御するレーザドライバ62を備えている。画像処理装置
14から入力された記録用画像データは画像メモリ58
に一旦記憶された後に読み出され、レーザ光源60から
射出されるR,G,Bのレーザ光の変調に用いられる。
レーザ光源60から射出されたレーザ光は、ポリゴンミ
ラー64、fθレンズ66を介して印画紙68上を走査
され、印画紙68に画像が露光記録される。画像が露光
記録された印画紙68は、プロセッサ部18へ送られて
発色現像、漂白定着、水洗、乾燥の各処理が施される。
これにより、印画紙68に露光記録された画像が可視化
される。
【0042】次に本実施形態の作用として、写真フィル
ム26に付いた傷や異物によって生ずる欠陥部を検出し
て修正する処理について説明する。以下では、まず写真
フィルムに傷や異物の付いている箇所のIR光による検
出の原理について説明する。
【0043】図6(A)に示すように、写真フィルム上
の表面に傷や異物が付いていない箇所に光を照射したと
きの透過光量は、写真フィルムへの入射光量に対し、写
真フィルムによる光の吸収に応じた減衰量だけ減衰す
る。なお、写真フィルムで光の吸収が生ずる波長域はお
およそ可視域であり(但しIRの像写りが生じていない
場合)、赤外域のIR光については殆ど吸収されないの
で、前記傷や異物が付いていない箇所にIR光を照射し
た場合の透過光量は入射光量から僅かに変化するのみで
ある。
【0044】一方、写真フィルム上の傷が付いている箇
所に光を照射した場合、照射された光の一部は傷によっ
て屈折するので、前記傷が付いている箇所に光を照射し
たときの透過光量(前記箇所を直線的に透過する光の光
量)は、写真フィルムへの入射光量に対し、前述した写
真フィルムによる光の吸収に起因する減衰に、傷による
光の屈折に起因する減衰を加えた減衰量だけ減衰する。
なお、図6(A)では光の入射側に傷が付いている場合
を示しているが、光の射出側に傷が付いている場合も同
様である。
【0045】傷による光の屈折はIR光でも生ずるの
で、前記傷が付いている箇所にIR光を照射した場合の
IR光の透過光量は、傷による光の屈折に起因する減衰
に応じた減衰量だけ減衰する。なお傷による光の屈折
は、傷の規模(深さ等)が大きくなるに伴って顕著とな
る(可視光もIR光も同様)ので、前記傷が付いている
箇所にIR光を照射した場合の透過光量は傷の規模が大
きくなるに従って小さくなる。従って、IR光の透過光
量の減衰量に基づいて、写真フィルムに付いている傷の
規模も検知することができる。
【0046】また、写真フィルム上の塵埃等の異物がつ
いている箇所に光を照射した場合、照射した光は異物に
よって反射されるので、異物の大きさや種類(光透過
率)にも依存するが、前記異物が付いている箇所に光を
照射した場合の光の透過光量は前記異物によって大きく
減衰する。異物が付いている箇所に光を照射した場合の
透過光量の減衰は、前記箇所にIR光を照射した場合も
同様である。
【0047】上記のように、写真フィルムにIR光を透
過した場合の透過光量は、写真フィルム上の傷又は異物
が付いている箇所でのみ変化し、写真フィルムに画像が
記録されていたとしても、該画像の透過濃度の変化の影
響を受けないので、写真フィルムにIR光を照射して透
過光量を検出することで、写真フィルムに付いている傷
や異物を検出できる。
【0048】上記に基づき、制御部42は、以下のよう
にして欠陥部の検出を行う。すなわち、写真フィルムに
IR光を照射したときの透過光量は、前述のように通常
は画像上の位置に拘わらず略一定となり、写真フィルム
に傷又は異物が付いている箇所でのみ低下する(図7参
照)。このため、本実施形態では欠陥部の検出に要する
時間を短縮するために、IRデータに対して所定のフィ
ルタリング処理(例えばハイパスフィルタに相当する処
理やバンドパスフィルタに相当する処理)を行うこと
で、IR光の透過光量の変化が生じているエッジ部分を
処理対象領域から抽出する。
【0049】但し、欠陥部は写真フィルム26に付いた
傷や異物によって生ずるが、写真フィルム等の画像記録
媒体に付く傷や異物は、大きさは不定ではあるものの極
端に大きいことは少なく、或る範囲内に収まっているこ
とが殆どである。従って、画像データ上での欠陥部のお
およその規模は画像記録媒体上での画像データの画素密
度に応じて変化し、この画像データの画素密度の変化に
伴って、欠陥部におけるIR光の透過光量の変化の傾き
が画像データ上で変化することから、欠陥部に対応する
エッジの周波数帯域も変化する。
【0050】このため、IRデータに対するエッジ抽出
処理に先立ち、処理対象の画像に対する読取解像度及び
電子変倍率に基づいて、画像データが表す画像の写真フ
ィルム26上での画素密度(画像データの画素密度)を
演算し、演算した画素密度に基づきエッジ抽出処理で抽
出すべき周波数帯域を決定した後に、処理対象領域内に
相当するIRデータに対してエッジ抽出処理を行う。こ
れにより、画像データの画素密度に応じて変化する画像
データ上での欠陥部の規模に拘わらず、処理対象領域内
に存在する欠陥部に相当するエッジを適正に抽出するこ
とができる。
【0051】そして、エッジとして抽出された各画素の
うち、透過光量の変化量が所定値以上の画素を、修正対
象の欠陥部に属する欠陥画素として全て検出し、検出し
た欠陥画素によって全周が囲まれた領域内の各画素も欠
陥画素に含め、欠陥画素を、欠陥画素相互の位置関係
(例えば隣接しているか否か)等に基づいて、同一の欠
陥部に属する欠陥画素毎に分類し、各欠陥部に関する情
報(例えば各欠陥部に属する欠陥画素を表す情報や、処
理対象の画像上の傷や異物が付いていない箇所における
IR光の透過光量を基準としたときの各欠陥画素におけ
るIR光の透過光量の低下量を表す情報等)をRAM4
8等に記憶する。以上の処理により欠陥部を検出するこ
とができる。
【0052】ここで、本実施形態では、LED72IR
から射出されるIR光の発光スペクトルが、図1に「出
力IR−TypeA」として示すように、発光スペクトルの
中心波長が約950nmで、半値幅が比較的狭く、全発
光光量に占める900nm未満の波長域の成分の発光光
量が10%以下(数%程度)とされており、このIR光
が写真フィルム26に照射され、写真フィルム26を透
過したIR光が結像レンズ28によって結像され、エリ
アCCD30によって光電変換されることによって得ら
れたIRデータを、前述した欠陥部の検出に用いてい
る。
【0053】一方、写真フィルム26は900nm以上
の波長域については色素が光を吸収しない特性となるよ
うに乳剤層が設計されることが一般的であるので、90
0nm未満の波長域においては、波長が短くなるに従っ
て写真フィルム26の色素による光の吸収量が増大し、
色素像(可視画像)に起因する透過光量の変動が生じて
くることになる。
【0054】これに対して本実施形態では、前述のよう
に、IR光の発光スペクトルの半値幅が比較的狭く、I
R光の全発光光量に占める900nm未満の波長域の成
分の発光光量が10%以下(数%程度)とされているの
で、写真フィルム26の色素による900nm未満の波
長域の光の吸収(色素像による透過光量の減少)がIR
データに及ぼす影響は非常に小さくなり、このIRデー
タを用いて欠陥部の検出を行うことで、色素像を欠陥部
と誤検出することを防止することができる。
【0055】また、エリアCCD30は図3に示すよう
な分光感度特性を有しており、エリアCCD30によっ
て受光されるIR光の分光分布の中心波長が極端に長波
長側へ偏倚していると、エリアCCD30によるIR光
の光電変換が困難になる。更に、レンズ28も可視域の
光に対する性能を重視して設計されており、1000n
mを越える波長域の光に対してはMTFが顕著に減衰す
る特性を有している。
【0056】これに対して本実施形態では、前述のよう
に、IR光の発光スペクトルの半値幅が比較的狭く、発
光スペクトルの中心波長が約950nmとされており、
図1に「出力IR−TypeA」として示すように、100
0nmを越える波長域の成分が非常に少なくされている
ので、1000nmを越える長波長域におけるレンズ2
8の結像性能の低下やエリアCCD30の感度の低下が
IRデータに及ぼす影響も非常に小さくなり、このIR
データを用いて欠陥部の検出を行うことで、欠陥部の位
置を誤検出したり、一部の欠陥部が検出されなくなるこ
とを回避することができ、欠陥部を精度良く検出するこ
とができる。
【0057】続いて欠陥部修正の原理について説明す
る。図6(B)に示すように、写真フィルムの乳剤層は
R,G,Bの各感光層を含んで構成されており、画像が
露光記録され現像等の処理が行われた写真フィルム(ネ
ガフィルム)は、R感光層にCのネガ像が形成され、G
の感光層にMのネガ像が形成され、Bの感光層にYのネ
ガ像が形成される。そして写真フィルムを透過した可視
光のうち、R光についてはR感光層においてCのネガ像
の透過濃度に応じた減衰量だけ減衰(吸収)され、G光
についてはG感光層においてMのネガ像の透過濃度に応
じた減衰量だけ減衰(吸収)され、B光についてはB感
光層においてYのネガ像の透過濃度に応じた減衰量だけ
減衰(吸収)される。
【0058】ここで、例として図6(B)に示すよう
に、乳剤面と反対側のバック面に傷が付いている場合、
透過光に対するR,G,Bの各感光層における光の吸収
の比率は傷が付いていない場合と同じである。すなわ
ち、図6(B)において、写真フィルムへの入射光量を
0、傷が付いていないときのR光、G光、B光の透過
光量を各々I0R,I0G,I0Bとし、傷が付いたときに傷
が付いている箇所を直線的に透過して乳剤層に入射する
光量をI1(I1<I0:I0−I1が傷による光の減衰
分)、傷が付いているときのR光、G光、B光の透過光
量を各々I1R,I1G,I1Bとすると、以下の(2)式の
関係が成り立つ。 I0R/I0≒I1R/I10G/I0≒I1G/I10B/I0≒I1B/I1 …(2)
【0059】従って、バック面に傷が付いている箇所に
対応する欠陥部は、傷が付いていない場合と比較して輝
度のみが変化し、写真フィルムに記録されている画像の
色情報は保存されているので、輝度調整方法を適用し欠
陥部領域の輝度を調整することで、画像データが表す画
像の欠陥部を修正することができる。
【0060】一方、例として図6(C)に示すように乳
剤面に傷が付いている場合、浅い傷であれば各感光層の
うちの一部の感光層が削られることで、透過光に対する
R,G,Bの各感光層における光の吸収の比率は傷が付
いていない場合と変化する。また、各感光層が全て剥ぎ
取られているような非常に深い傷であれば、透過光に対
する各感光層における光の吸収は生じない。従って、何
れの場合も(2)式の関係は成立しない。
【0061】このように、乳剤面に傷が付いている箇所
に対応する欠陥部は、傷の深さに拘わらず、傷が付いて
いない場合と比較して輝度及び色が各々変化しており、
写真フィルムに記録されている画像の色情報も失われて
いるので、輝度を調整しても欠陥部を精度良く修正する
ことは困難である。このため、乳剤面に傷が付いている
箇所に対応する欠陥部の修正には、欠陥部の周囲の領域
の情報から補間によって欠陥部の輝度及び濃度を決定す
る修正方法(補間方法)が適している。なお、写真フィ
ルムに異物が付いていることに起因して生じた欠陥部に
ついても、異物が付いていない場合と比較して輝度及び
色が各々変化するので、上記の欠陥部を修正する場合に
も補間方法が適している。
【0062】上記に基づき制御部42は、欠陥部の修正
にあたり、まず修正対象の各欠陥部に対し、補間方法を
適用して修正するか輝度調整方法を適用して修正するか
を判定するための所定の特徴量を各々演算する。本実施
形態では所定の特徴量の一例として、欠陥部におけるR
光、G光、B光の透過光量の変化の相関を表す特徴量を
用いている。
【0063】例えば写真フィルムのバック面に傷が付い
ている場合、例として図7(A)に示すように、傷が付
いている箇所においてR光、G光、B光の透過光量は略
同様の変化を示すので、R光、G光、B光の透過光量の
変化の相関は高い。一方、写真フィルムの乳剤面に傷が
ついている場合、例として図7(B)に示すように、傷
が付いている箇所におけるR光、G光、B光の透過光量
の変化は一定せず、R光、G光、B光の透過光量の変化
の相関は低い(写真フィルムに異物が付いている場合も
同様)。
【0064】図7は典型的なケースを示したものであ
り、実際には写真フィルムの両面に傷が付いている等の
ように、何れの修正方法を適用すべきかが明確でないケ
ースも多々存在しているが、R,G,Bの画像データに
被写体の色に関する情報が残っていれば輝度調整方法を
適用することが好ましく、前記情報が残っていない場合
には補間方法を適用することが望ましいので、欠陥部に
おけるR光、G光、B光の透過光量の変化の相関を表す
所定の特徴量(例えばR光、G光、B光の透過光量の変
化の微分値の差を積算した値)に基づいて、適用すべき
修正方法を個々の欠陥部毎に適正に判定することができ
る。
【0065】修正対象の個々の欠陥部について、上述し
た所定の特徴量を各々演算すると、双方の修正方法の適
用範囲の設定値(双方の修正方法の適用範囲の境界を表
す閾値)を取り込み、各欠陥部の所定の特徴量を前記設
定値と各々比較することにより、個々の欠陥部を単位と
して、補間方法を適用して修正を行うか輝度調整方法を
適用して修正を行うかを各々判定する。
【0066】そして、補間方法を適用して修正を行うと
判定した欠陥部に対しては、補間方法を適用して修正値
を演算する。すなわち、修正対象の欠陥部の輝度及び色
を該欠陥部の周囲の領域の輝度及び色から補間によって
新たに演算し、補間演算によって求まる欠陥部内の各画
素の値(R,G,B毎の濃度値でもよいし、色相・明度
・彩度を表す値でもよい)をD1、各画素の元の値をD
2、修正度合いをαとし、欠陥部内の各画素の修正値D
3を(3)式に従って求める。 D3=α・D1+(1−α)D2 …(3) 上記処理を、補間方法を適用して修正を行うと判定した
欠陥部に対して各々行って、前記欠陥部に対する修正値
を各々求める。
【0067】また、輝度調整方法を適用して修正を行う
と判定した欠陥部に対しては、輝度調整方法を適用して
修正値を演算する。すなわち、修正対象の欠陥部におけ
るIR光の透過光量の変化量に基づいて欠陥部の輝度修
正量を演算し、輝度修正量に応じて修正した欠陥部内の
各画素の輝度値をL1、各画素の元の輝度値をL2、
「欠陥部修正度合い」の現在の設定値をαとし、欠陥部
内の各画素の修正値(輝度値)L3を(4)式に従って
求める。 L3=α・L1+(1−α)L2 …(4) 上記処理を輝度調整方法を適用して修正を行うと判定し
た欠陥部に対して各々行って、前記欠陥部に対する修正
値を各々求める。なお、双方の修正方法を適用して欠陥
部に対する修正値を各々求め、各修正値の加重平均値を
最終的な修正値としてもよい。
【0068】修正対象の全ての欠陥部に対して修正値が
各々演算されると各欠陥部に対する修正値を、欠陥部の
位置を表す情報(例えば各欠陥部を構成する欠陥画素の
アドレス)と共にイメージプロセッサ40に通知する。
【0069】イメージプロセッサ40では、処理対象の
画像のファインスキャン画像データに対し、制御部42
におけるセットアップ演算によって決定された処理条件
で各種の画像処理を行った後に、制御部42から通知さ
れた修正値に従って欠陥部を修正する(詳しくは欠陥部
に属する各欠陥画素の値を、通知された修正画素値に置
き換える)欠陥部修正処理を行う。これにより、欠陥部
が自動的に修正されたファインスキャン画像データを得
ることができる。
【0070】なお、上記ではIR光を射出する光源とし
て、発光スペクトルの中心波長が約950nmで、半値
幅が比較的狭く、全発光光量に占める900nm未満の
波長域の成分の発光光量が10%以下(数%程度)とな
る発光スペクトルの光を射出するLEDを用いた例を説
明したが、これに限定されるものではなく、写真フィル
ム上に欠陥部が存在しない場合に読取センサ(例えばエ
リアCCD30)に受光されるIR光が上記のような分
光分布となるように分光吸収特性が調整されたフィルタ
を、光源と写真フィルムの間又は写真フィルムと読取セ
ンサの間の光路上に挿入するようにしてもよい。
【0071】また、上記では光源としてLEDを用いて
いたが、これに限定されるものではなく、ハロゲンラン
プやメタルハライドランプ等の公知の他の光源を用いて
もよいことは言うまでもない。
【0072】また、上記では写真フィルム上に欠陥部が
存在しない場合に読取センサに受光されるIR光の分光
分布の中心波長を約950nmとした場合を説明した
が、これに限定されるものではなく、分光分布の中心波
長は1000nm以下であればよく、「読取センサによ
って受光される赤外光の全受光量に占める900nm未
満の波長域の成分の受光量が所定値以下(例えば10%
以下)」という条件を逸脱しない範囲内で任意に定める
ことができる。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、欠陥部が
存在しない場合に読取センサによって受光される赤外光
の中心波長が1000nm以下で、かつ読取センサによ
って受光される赤外光の全受光量に占める900nm未
満の波長域の成分の受光量が所定値以下となるように、
赤外光を射出する光源の発光スペクトルの調整、及び、
光源から読取センサに至る光路上に配置されるフィルタ
の分光吸収特性の調整の少なくとも一方が行われている
ので、欠陥部を精度良く検出可能な赤外画像信号を取得
できる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 赤外光を射出する光源の発光スペクトルの一
例、複数種の写真フィルムにおける波長と最大濃度Dma
x及び最小濃度Dminに相当する透過率との関係の一例を
各々示す線図である。
【図2】 複数種の写真フィルムにおける読取濃度の差
Dmax−Dminの波長依存特性を各々示す線図である。
【図3】 CCDセンサの分光感度特性の一例を示す線
図である。
【図4】 本実施形態に係る画像処理システムの概略構
成図である。
【図5】 フィルムスキャナの光学系の概略構成を示す
斜視図である。
【図6】 (A)は写真フィルムの傷及び異物が付いて
いない箇所、傷が付いている箇所、異物が付いている箇
所における光の透過を各々示す概念図、(B)は写真フ
ィルムのバック面に傷が付いている場合、(C)は写真
フィルムの乳剤面に傷が付いている場合の光の透過を各
々示す概念図である。
【図7】 (A)はバック面に傷が付いている場合、
(B)は乳剤面に傷が付いている場合のR光、G光、B
光、IR光の透過光量の変化の一例を示す線図である。
【符号の説明】
12 フィルムスキャナ 22 光源部 26 写真フィルム 28 結像レンズ 30 エリアCCD 42 制御部 70 LEDアレイ 72R,72G,72B,72IR LED
フロントページの続き Fターム(参考) 2H109 AA26 AA75 AB32 AB33 5C051 AA01 BA03 DA06 DB01 DB22 DB23 DB29 DB31 DC05 DC07 DE13 DE31 EA01 FA04 5C072 AA01 BA04 CA05 CA07 CA09 CA20 DA02 DA09 DA16 EA05 EA08 QA11 VA03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源から射出された赤外光を写真フィル
    ムに照射し、写真フィルムを透過した赤外光をレンズに
    よって結像させて読取センサにより光電変換を行うこと
    で、写真フィルムに記録された画像上の欠陥部を検出し
    画像処理により欠陥部の修正を行うための赤外画像信号
    を取得する画像読取装置であって、 前記欠陥部が存在しない場合に前記読取センサによって
    受光される赤外光の分光分布の中心波長が1000nm
    以下で、かつ前記読取センサによって受光される赤外光
    の全受光量に占める900nm未満の波長域の成分の受
    光量が所定値以下となるように、赤外光を射出する光源
    の発光スペクトルの調整、及び、光源から読取センサに
    至る光路上に配置されるフィルタの分光吸収特性の調整
    の少なくとも一方が行われていることを特徴とする画像
    読取装置。
  2. 【請求項2】 前記赤外光を射出する光源はLEDであ
    ることを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
  3. 【請求項3】 可視光及び赤外光を写真フィルムに順次
    照射すると共に、写真フィルムを透過した可視光又は赤
    外光を同一のレンズによって結像させて同一の読取セン
    サにより光電変換を行うことで、可視画像信号及び前記
    赤外画像信号を取得することを特徴とする請求項1記載
    の画像読取装置。
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