JP2001024895A - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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JP2001024895A
JP2001024895A JP11192750A JP19275099A JP2001024895A JP 2001024895 A JP2001024895 A JP 2001024895A JP 11192750 A JP11192750 A JP 11192750A JP 19275099 A JP19275099 A JP 19275099A JP 2001024895 A JP2001024895 A JP 2001024895A
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Hiroshi Yamaguchi
博司 山口
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 欠陥部検定作業の実施頻度を低減する。 【解決手段】 写真フィルムに記録された画像をR,G,B,
IRについて各々読み取った後に、IRデータに基づき処理
対象の画像の欠陥部を検出し(122)、「検定モード」が
「検定対象画像自動選択」である場合には選択基準を取
り込み(126)、検出した欠陥部の特徴量を選択基準と照
合して検定対象とすべき画像か否か判定する(128,13
0)。検定対象とすべき画像でなければ(130が否定)欠陥
部を自動的に修正し(132)、検定対象とすべき画像であ
れば(130が肯定)欠陥部修正前の画像を表示すると共に
検出した欠陥部を明示し(134)、オペレータに報知する
か、又はオペレータからの指示に従って欠陥部を修正す
るマニュアル修正モードへ移行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像処理装置に係
り、特に、画像情報が表す画像の欠陥部を検出し、画像
情報に対して欠陥部の修正を行う画像処理装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】写真フィルムは、取扱い方によっては乳
剤面やバック面(乳剤面の裏面)に傷が付くことがある
が、写真フィルムの画像記録領域内に相当する箇所に傷
が付いていた場合、該写真フィルムに記録されている画
像を出力(印画紙等の記録材料に記録、或いはディスプ
レイ等の表示手段に表示)したとすると、傷の程度にも
よるが、写真フィルムに付いた傷が、低濃度の筋や白い
筋等の欠陥部として出力画像上で明瞭に視認されること
が多い。また、写真フィルムの表面に塵埃等の異物が付
着していた場合にも、該異物が欠陥部として明瞭に視認
される。
【0003】写真フィルムに光を照射し写真フィルムを
透過した光を印画紙に照射することで印画紙に画像を露
光記録する面露光タイプの写真焼付装置では、写真フィ
ルムの傷付き対策として、光源と写真フィルムとの間に
拡散板を配置し、拡散板によって散乱された光を写真フ
ィルムに照射している。しかし、上記技術では出力画像
(印画紙に露光記録した画像)中の欠陥部を消去するこ
とは困難であり、欠陥が若干軽減される(目立たなくな
る)に過ぎない。
【0004】また、写真フィルムに記録された画像をC
CD等の読取センサによって読み取る構成の画像読取装
置に適用可能な技術として、特開平11−75039号
公報には、可視光域3波長と、非可視光域(例えば赤外
域や紫外域)1波長を含む少なくとも4波長以上の波長
域で写真フィルムを各々読み取り、非可視光域での読み
取りによって得られた情報に基づいて、可視光域での読
み取りによって得られた画像情報を補正する技術が開示
されている。
【0005】可視光域の光は、写真フィルムに記録され
ている画像濃度に応じて透過光量が変化すると共に、写
真フィルムに傷や異物が付いている箇所でも傷や異物に
よって光が一部屈折されたり反射されることで透過光量
が変化する。一方、非可視光域の光は、写真フィルムに
傷や異物が付いている箇所では透過光量が変化するもの
の、写真フィルムに記録されている画像濃度の影響は受
けない。
【0006】従って、特開平11−75039号公報に
記載の技術によれば、非可視光域の光の透過光量の変化
から写真フィルムに付いている傷や異物を検出し、写真
フィルムに付いている傷や異物に起因する可視光域の光
の透過光量の変動を補正すること、すなわち写真フィル
ムに付いている傷や異物に起因する画像(可視光域での
読み取りによって得られた画像情報が表す画像)の欠陥
部を修正することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように非可視光域での読み取りによって得られた情報に
基づいて欠陥部を自動的に修正する態様においても、画
像の欠陥部が適正に修正されない場合がある。一例とし
て、写真フィルム上の欠陥部に相当する領域と、該領域
の周囲に存在する領域の境界における非可視光域の光の
透過光量の変化の傾きが小さい場合、欠陥部の外縁の位
置が明瞭でないので、非可視光域での読み取りによって
得られた情報から欠陥部の外縁位置を精度良く確定する
ことは困難である。この場合、欠陥部以外の領域に対し
ても欠陥部の修正に相当する処理が誤って行われたり、
或いは欠陥部内の一部の領域に対しては修正が行われな
いことになる。
【0008】このため、欠陥部が適正に修正された出力
画像を得るために、欠陥部の自動修正が行われた画像に
ついては、欠陥部の修正が適正に行われたか否かをオペ
レータに検定させる欠陥部検定作業を行うことが考えら
れる。しかし、従来より行われている画像の全体的な濃
度や色の検定とは異なり、上記の欠陥部検定作業は、画
像のうち欠陥部の自動修正が行われた微小な領域を判断
し、該微小領域の仕上がりを検定し、必要に応じて欠陥
部修正に関する指示を入力することを、自動修正が行わ
れた欠陥部に対して各々行う、という煩雑な作業とな
る。
【0009】このため、特に画像処理装置で大量の画像
を処理する等の態様においては、膨大な数の画像に対し
て欠陥部の自動修正が行われ、膨大な数の画像について
各々煩雑な欠陥部検定作業を行う必要が生じることで、
オペレータに多大な負担がかかる可能性が高い。また、
欠陥部検定作業を行うことで画像処理装置の処理速度の
低下を招くという問題もある。
【0010】一方、デジタルスチルカメラ(DSC:以
下単にデジタルカメラという)が内蔵しているCCD等
の光電変換素子の多数の光電変換セルの中に、入射光量
と出力信号との関係が所期の関係と異なっているセル
(所謂欠陥画素)が存在していた場合にも、被写体を撮
像することで得られる画像データが表す画像に、写真フ
ィルムに付いた傷や異物に起因する欠陥部と同様の欠陥
部が生ずる。この欠陥部も写真フィルムに付いた傷や異
物に起因する欠陥部と同様に修正可能であるが、この修
正においても欠陥部の修正に失敗する場合があるので、
欠陥部の修正を行った全ての画像について煩雑な欠陥部
検定作業を行う必要があった。
【0011】本発明は上記事実を考慮して成されたもの
で、欠陥部検定作業の実施頻度を低減することが可能な
画像処理装置を得ることが第1の目的である。
【0012】また本発明は、欠陥部検定作業の煩雑さを
軽減することが可能な画像処理装置を得ることが第2の
目的である。
【0013】
【課題を解決するための手段】第1の目的を達成するた
めに請求項1記載の発明に係る画像処理装置は、画像情
報が表す画像の欠陥部を検出する検出手段と、前記画像
情報に対して欠陥部の修正を行う修正手段と、情報を入
力するための入力手段と、欠陥部が特定の条件を満たし
ているか否か判定し、前記特定の条件を満たしている場
合には、欠陥部の修正に関する指示を仰ぐための特定の
処理を行う制御手段と、を含んで構成している。
【0014】請求項1記載の発明に係る画像処理装置
は、具体的には、例えば写真感光材料等の記録媒体に光
を照射し、前記記録媒体を透過又は反射した光を、多数
の光電変換セルを備えた光電変換素子によって光電変換
する(読み取る)ことで前記記録媒体に記録された画像
の画像情報を取得し、各種の補正(例えば暗補正やシェ
ーディング補正等)や各種の画像処理(例えば色補正や
濃度補正等)を行って出力する構成であってもよいし、
被写体からの光を光電変換素子によって光電変換するこ
とで前記被写体を含む画像の画像情報を取得し、各種の
補正や画像情報の圧縮等の処理を行って情報記憶媒体へ
出力する(記憶させる)構成(所謂デジタルカメラ)で
あってもよい。また、記録媒体に記録された画像を読み
取る画像読取装置、或いは該画像読取装置やデジタルカ
メラ等の画像情報入力機器から画像情報を取得し、各種
の画像処理(例えば色補正や濃度補正等)を行って出力
する構成の画像処理装置を請求項1の発明に係る画像処
理装置として用いてもよい。
【0015】また請求項1の発明に係る画像処理装置
は、画像情報が表す画像の欠陥部を検出する検出手段を
備えている。この欠陥部の検出は、具体的には以下のよ
うに行うことができる。すなわち、画像情報が記録媒体
に記録された画像を表している場合、記録媒体に付いて
いる傷や異物に起因する欠陥部を検出することは、例え
ば請求項3にも記載したように、画像が記録された記録
媒体に非可視光を照射し、記録媒体を透過又は反射した
非可視光を光電変換した結果から検出することができ
る。また、光電変換素子を用いて画像情報を取得する態
様において、光電変換素子の欠陥画素に起因する欠陥部
を検出することは、例えば画像処理装置の製造時に、検
査によって発見された光電変換素子の欠陥画素を特定す
るための情報が記憶手段に記憶されるのであれば、該記
憶手段に記憶された欠陥画素を特定するための情報を読
み出すことで行うことができる。
【0016】また請求項1の発明に係る画像処理装置
は、画像情報に対して欠陥部の修正を行う修正手段を備
えている。この欠陥部の修正は、例えば画像の欠陥部に
相当する領域の情報を、画像上で欠陥部の周囲に存在し
ている領域の情報から補間によって求めるか、又は欠陥
部の輝度が変化するように修正することで行うことがで
きる。なお、修正手段は検出手段によって検出された全
ての欠陥部に対して修正を行うようにしてもよいし、検
出された欠陥部のうち所定の基準に従って選択した欠陥
部に対してのみ修正を行うようにしてもよい。
【0017】そして請求項1の発明に係る画像処理装置
は、情報を入力するための入力手段が設けられており、
制御手段は、欠陥部が特定の条件を満たしているか否か
判定し、特定の条件を満たしている場合には、欠陥部の
修正に関する指示を仰ぐための特定の処理を行う。な
お、特定の条件としては、修正手段が欠陥部を修正した
場合に何らかの不都合が生ずる可能性が比較的高いか否
かを判定する条件を採用することができ、具体的には例
えば、欠陥部が修正手段による修正が失敗する可能性が
比較的高い特徴を有している(例えば修正すべき欠陥部
か否かが不確定、欠陥部を修正するためのパラメータが
不確定等)か否かを判定する条件や、欠陥部が修正に対
する要求精度の高い欠陥部(例えば修正に失敗した場合
に目立つ欠陥部等)か否かを判定する条件を採用するこ
とができる。
【0018】また欠陥部の修正に関する指示を仰ぐため
の特定の処理としては、例えば請求項7に記載したよう
に欠陥部が特定の条件を満たしていることを報知する処
理、又は入力手段を介して入力された欠陥部を修正する
ための修正パラメータに従って欠陥部の修正が行われる
ように修正手段を制御するマニュアル修正モードへ切り
替える処理を適用することができる。
【0019】例えば特定の処理として欠陥部が特定の条
件を満たしていることを報知する処理を適用した場合、
欠陥部が特定の条件を満たしていることが報知される
と、例えばオペレータは、修正手段が欠陥部を修正した
場合に何らかの不都合が生ずる可能性が比較的高いか否
か等を判定してマニュアル修正モードに切り替えるか否
かを判断し、欠陥部の修正に関する指示として前記判断
の結果を入力手段を介して入力することができる。この
場合、特定の条件を満たしている欠陥部の修正は、オペ
レータが入力手段を介し欠陥部の修正に関する指示とし
て入力した修正パラメータに従って行われることにな
る。
【0020】また、特定の処理としてマニュアル修正モ
ードへ切り替える処理を適用する場合、欠陥部が特定の
条件を満たしていた場合には自動的にマニュアル修正モ
ードへの切り替えが行われるので、前記報知を行う場合
と比較して、オペレータの手を煩わすことなくマニュア
ル修正モードへの切り替えを行うことができる。
【0021】請求項1の発明では、画像中に欠陥部が存
在しかつ該欠陥部が特定の条件を満たしている画像につ
いては、特定の処理を行うことで欠陥部の修正に関する
指示をオペレータに仰いでいるが、欠陥部が存在しない
画像や、欠陥部は存在しているものの該欠陥部が特定の
条件を満たしていない画像は、修正手段が欠陥部を修正
した場合に何らかの不都合が生ずる可能性が低いので、
欠陥部検定作業を省略することも可能となる。
【0022】このように、請求項1の発明では、欠陥部
が特定の条件を満たしている場合に欠陥部の修正に関す
る指示を仰ぐための特定の処理を行うので、欠陥部が特
定の条件を満たしているか否かに基づいて処理の切り分
けが行われることで、欠陥部検定作業(例えば修正すべ
き欠陥部を選択したり修正パラメータを入力する等の作
業)の実施頻度を低減することが可能となり、欠陥部検
定作業を行うオペレータの負担を軽減することができ
る。
【0023】請求項2記載の発明は、請求項1の発明に
おいて、制御手段は、特定の条件を満たしているか否か
の判定として、修正すべき欠陥部か否かが不確定か否
か、及び欠陥部を修正するための修正パラメータが不確
定か否かの少なくとも一方を判定することを特徴として
いる。
【0024】例えば画像が記録された記録媒体に非可視
光を照射し、記録媒体を透過又は反射した非可視光を光
電変換した結果から、記録媒体に付いている傷や異物に
起因する欠陥部を検出する態様において、記録媒体に傷
や異物が付いていた場合、非可視光の透過光量又は反射
光量は、一般に欠陥部に対応する位置以外においては略
一定で、欠陥部に対応する位置においてパルス状の変化
(半値幅が狭い急峻な変化)を示すが、例えば何らかの
原因で非可視光の透過光量又は反射光量が略一定の部分
が存在せず、透過光量又は反射光量が常に変動している
等の場合、欠陥部に対応する透過光量又は反射光量の変
動を特定することは困難であるので、修正すべき欠陥部
か否かを判断することは困難である。従って、修正手段
が欠陥部の修正を機械的に行ったとすると、欠陥部が修
正されなかったり非欠陥部に対して誤って修正処理が行
われることで該部分の濃度や色が不適正となる等の不都
合が生ずる可能性が高い。
【0025】また、上記態様において、例えば欠陥部に
対応する位置における光量変化が半値幅の広い緩やかな
変化であった場合、欠陥部の外縁の位置(欠陥部と非欠
陥部の境界の位置)を精度良く確定することは困難であ
り、欠陥部を修正するためのパラメータを精度良く決定
することは困難である。従って、修正手段が欠陥部の修
正を機械的に行ったとすると、欠陥部の一部が未修正と
なったり、或いは欠陥部及びその周縁の非欠陥部も含む
領域に対して修正処理が行われることで該非欠陥部の濃
度や色が不適正となる等の不都合が生ずる可能性が高
い。
【0026】これに対し請求項2の発明では、特定の条
件を満たしているか否かの判定として、修正すべき欠陥
部か否かが不確定か否か、及び欠陥部を修正するための
修正パラメータが不確定か否かの少なくとも一方を判定
するので、修正すべき欠陥部か否かが不確定である場
合、又は欠陥部を修正するための修正パラメータが不確
定である場合には特定の処理が行われる。これにより、
上記場合に修正手段が欠陥部を修正することで何らかの
不都合が生ずることを回避することができる。
【0027】なお、画像情報が記録媒体に記録された画
像を表し、検出手段が、画像が記録された記録媒体に非
可視光を照射し、記録媒体を透過又は反射した非可視光
を光電変換した結果から画像の欠陥部を検出する態様に
おいて、欠陥部が特定の条件を満たしているか否かの判
定は、例えば請求項3に記載したように、記録媒体を透
過又は反射した非可視光を光電変換した結果から欠陥部
の特徴量を求め、求めた特徴量に基づいて行うことがで
きる。
【0028】記録媒体を透過又は反射した非可視光を光
電変換した結果から求めることが可能な欠陥部の特徴量
としては、例えば非可視光の光量変化の仕方等から求ま
る欠陥部としての確度、非可視光の光量の変化範囲等か
ら求まる欠陥部の大きさ、非可視光の光量変化量の最大
値等から求まる欠陥部の欠陥としての強さ(例えば傷に
起因する欠陥部における傷の深さ)、非可視光の光量変
化の傾き等から求まる欠陥部の外縁部の明瞭度等が挙げ
られる。
【0029】請求項3の発明では、記録媒体を透過又は
反射した非可視光を光電変換した結果から欠陥部の特徴
量を求めているので、欠陥部の特徴量として上記のよう
な特徴量を用いることが可能となり、特定の条件とし
て、修正手段が欠陥部を修正した場合に何らかの不都合
が生ずる可能性が高いか否か(より詳しくは、例えば修
正すべき欠陥部か否かが不確定か否か、或いは欠陥部を
修正するためのパラメータが不確定か否か等のように、
欠陥部が修正手段による修正が失敗する可能性の高い特
徴を有しているか否か)を精度良く判定することができ
る。
【0030】なお、請求項3の発明において、検出手段
は、画像が記録された記録媒体に非可視光を照射するこ
とで、画像の欠陥部として記録媒体上の画像記録領域内
の傷又は異物が付いている箇所を検出することができ
る。これにより、記録媒体に付いている傷又は異物に起
因する欠陥部を確実に検出することができる。また、上
記態様において、修正手段は、画像の欠陥部に相当する
領域の情報を、画像上で欠陥部の周囲に存在している領
域の情報から補間によって求めるか、又は欠陥部の輝度
が変化するように修正することで、画像情報に対して欠
陥部の修正を行うことが好ましい。これにより、記録媒
体に照射する光を拡散板等によって拡散光にする場合と
比較して、欠陥部を確実に修正することができる。
【0031】また、欠陥部が特定の条件を満たしている
か否かの判定は、例えば請求項4に記載したように、画
像情報から欠陥部の特徴量を求め、求めた特徴量に基づ
いて行うことができる。画像情報から求めることが可能
な欠陥部の特徴量としては、例えば請求項5に記載した
ように、欠陥部が画像情報が表す画像中の主要部領域
(例えば画像中に存在する人物の顔に相当する領域)内
に存在しているか否か、或いは例えば請求項6に記載し
たように、画像情報が表す画像中の欠陥部が属する領域
にテクスチャ(細かな模様パターンが一様に分布してい
る状態)が存在しているか否か等が挙げられる。
【0032】画像中の主要部領域は一般に最も注目され
る領域であるので、画像中の主要部領域内に存在してい
る欠陥部の修正に失敗したとすると非常に目立つ。ま
た、テクスチャが存在している画像の観察においてはテ
クスチャの異なる部分が異なる領域として区別されるの
で、テクスチャが存在している領域内に欠陥部が存在し
ており、該欠陥部の修正に失敗した場合にも非常に目立
つ。請求項4の発明では、画像情報から欠陥部の特徴量
を求めているので、欠陥部の特徴量として上記のような
特徴量を用いることが可能となり、特定の条件として、
修正手段が欠陥部を修正した場合に何らかの不都合が生
ずる可能性が高いか否か(より詳しくは、例えば修正に
失敗した場合に目立つ欠陥部か否か等のように、欠陥部
が修正に対する要求精度の高い欠陥部か否か)を精度良
く判定することができる。
【0033】請求項8記載の発明は、請求項1の発明に
おいて、画像を表示するための表示手段を更に備え、制
御手段は、特定の処理として、欠陥部が特定の条件を満
たしている画像を表示手段に表示させることを特徴とし
ている。請求項8の発明では、欠陥部が特定の条件を満
たしている画像を表示手段に表示させるので、オペレー
タは、表示手段に表示された画像を目視によって確認す
ることで、特定の条件を満たしている欠陥部の修正に関
してどのような指示を入力すべきか等の判断を容易に行
うことができる。
【0034】第2の目的を達成するために請求項9記載
の発明に係る画像処理装置は、画像情報が表す画像の欠
陥部を検出する検出手段と、前記画像情報に対して欠陥
部の修正を行う修正手段と、画像を表示するための表示
手段と、前記修正手段が欠陥部の修正を行う前の画像情
報が表す画像、及び前記修正手段が欠陥部の修正を行っ
た後の画像情報が表す画像の少なくとも一方を前記表示
手段に表示させると共に、前記画像中の欠陥部が存在し
ている箇所又は前記修正手段によって欠陥部が修正され
た箇所を明示する表示制御手段と、情報を入力するため
の入力手段と、前記入力手段を介してマニュアル修正モ
ードへの切り替えを指示する情報が入力された場合に、
前記入力手段を介して入力された前記欠陥部の修正に用
いる修正パラメータに従って前記欠陥部の修正が行われ
るように前記修正手段を制御するマニュアル修正モード
への切り替えを行う制御手段と、を含んで構成されてい
る。
【0035】請求項9記載の発明は、請求項1の発明と
同様の検出手段及び修正手段を備えていると共に、画像
を表示するための表示手段を備えており、表示制御手段
は、修正手段が欠陥部の修正を行う前の画像情報が表す
画像、及び修正手段が欠陥部の修正を行った後の画像情
報が表す画像の少なくとも一方を表示手段に表示させる
と共に、前記画像中の欠陥部が存在している箇所又は修
正手段によって欠陥部が修正された箇所を明示する。
【0036】これにより、オペレータは、表示された画
像中の欠陥部が存在している箇所又は欠陥部が修正され
た箇所、すなわち検定すべき箇所を容易に認識すること
ができ、認識した箇所に存在している欠陥部が修正手段
による修正で何らかの不都合が生ずる可能性が高いか否
か、或いは認識した箇所が適正な仕上がりか否か(修正
手段による欠陥部の修正が適正か否か)を判定すること
で、マニュアル修正モードへの切り替えを行うか否かを
容易に判断することができる。従って請求項9の発明に
よれば、欠陥部検定作業の煩雑さを軽減することができ
る。
【0037】なお、入力手段を介してマニュアル修正モ
ードへの切り替えを指示する情報が入力されると、制御
手段は、入力手段を介して入力された欠陥部の修正に用
いる修正パラメータに従って欠陥部の修正が行われるよ
うに修正手段を制御するマニュアル修正モードへの切り
替えを行う。これにより、表示手段に表示された画像に
基づき欠陥部をマニュアル修正モードで修正することが
望ましいと判断された画像については、オペレータから
入力された修正パラメータに従って欠陥部が修正される
ことになる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照し、本発明の実
施形態の一例を詳細に説明する。なお、以下では一例と
して、写真フィルムに付いている傷や異物に起因する欠
陥部を修正する場合を説明する。
【0039】図1には、本実施形態に係る画像処理シス
テム10が示されている。画像処理システム10は、フ
ィルムスキャナ12、画像処理装置14及びプリンタ1
6が直列に接続されて構成されている。なお、フィルム
スキャナ12及び画像処理装置14は本発明に係る画像
処理装置に対応している。
【0040】フィルムスキャナ12は、写真フィルム
(例えばネガフィルムやリバーサルフィルム)等の写真
感光材料(以下単に写真フィルムと称する)に記録され
ているフィルム画像(被写体を撮影後、現像処理される
ことで可視化されたネガ画像又はポジ画像)を読み取
り、該読み取りによって得られた画像データを出力する
ものであり、図2にも示すように、ハロゲンランプ等か
ら成り写真フィルム26に光を照射する光源20を備え
ている。なお、光源から射出される光は可視光域の波長
の光及び赤外域の波長の光を各々含んでいる。
【0041】光源20の光射出側には、写真フィルム2
6に照射する光の光量を調節するための絞り21、フィ
ルタユニット23、写真フィルム26に照射する光を拡
散光とする光拡散ボックス22が順に配置されている。
フィルタユニット23は、入射光のうちRに相当する波
長域の光(R光)のみ透過させるフィルタ23Cと、入
射光のうちGに相当する波長域の光(G光)のみ透過さ
せるフィルタ23Mと、入射光のうちBに相当する波長
域の光(B光)のみ透過させるフィルタ23Yと、入射
光のうち赤外域の光(IR光)のみ透過させるフィルタ
23IRの4個のフィルタが、図2矢印A方向に沿って
回転可能とされたターレット23Aに嵌め込まれて構成
されている。
【0042】写真フィルム26を挟んで光源20と反対
側には、光軸Lに沿って、写真フィルム26を透過した
光を結像させるレンズ28、エリアCCD30が順に配
置されている。エリアCCD30は、各々可視光域及び
赤外域に感度を有する多数のCCDセルがマトリクス状
に配列されたモノクロのCCDであり、受光面がレンズ
28の結像点位置に一致するように配置されている。ま
た、エリアCCD30とレンズ28との間にはシャッタ
(図示省略)が設けられている。
【0043】エリアCCD30はCCDドライバ31を
介してスキャナ制御部33に接続されている。スキャナ
制御部33はCPU、ROM(例えば記憶内容を書換え
可能なROM)、RAM及び入出力ポートを備え、これ
らがバス等を介して互いに接続されて構成されている。
スキャナ制御部33はフィルムスキャナ12の各部の動
作を制御する。また、CCDドライバ31はエリアCC
D30を駆動するための駆動信号を生成し、エリアCC
D30の駆動を制御する。
【0044】写真フィルム26はフィルムキャリア24
(図1参照、図2では図示省略)によって搬送され、フ
ィルム画像の画面中心が光軸Lに一致する位置(読取位
置)に位置決めされる。また、フィルタユニット23
は、写真フィルム26のフィルム画像が読取位置に位置
決めされている状態で、フィルタ23IRを除く各フィ
ルタ23、又はフィルタ23IRを含む全てのフィルタ
23が順に光軸L上に位置するようにターレット23A
が回転される。
【0045】これにより、写真フィルム26上のフィル
ム画像記録領域が、R光、G光、B光(及びIR光)に
よって順に読み取られ、エリアCCD30からはフィル
ム画像に対応する信号が出力される。エリアCCD30
から出力された信号はA/D変換器32によってデジタ
ルの画像データに変換されて画像処理装置14に入力さ
れる。なお、この画像データはR、G、B(及びIR)
の各波長域のデータを含んでおり、このうちIRを除く
R、G、Bの各波長域のデータは本発明の画像情報に対
応している。
【0046】一方、画像処理装置14のスキャナ補正部
36は、入力された画像データに対し、暗補正、濃度変
換、シェーディング補正等の各種の補正処理を順に行
う。スキャナ補正部36の出力端はI/Oコントローラ
38の入力端に接続されており、スキャナ補正部36で
前記各処理が施された画像データはI/Oコントローラ
38に入力される。I/Oコントローラ38の入力端
は、イメージプロセッサ40のデータ出力端にも接続さ
れており、イメージプロセッサ40から画像処理(詳細
は後述)が行われた画像データが入力される。
【0047】また、I/Oコントローラ38の入力端は
制御部42にも接続されている。制御部42は拡張スロ
ット(図示省略)を備えており、この拡張スロットに
は、デジタルスチルカメラに装填可能なPCカードやI
Cカード(以下、これらをデジタルカメラカードと総称
する)、CD−R等の情報記憶媒体に対してデータの読
出し/書込みを行うドライバ(図示省略)や、他の情報
処理機器と通信を行うための通信制御装置が接続され
る。拡張スロットを介して外部から入力された画像デー
タはI/Oコントローラ38へ入力される。
【0048】I/Oコントローラ38の出力端は、イメ
ージプロセッサ40のデータ入力端及び制御部42に各
々接続されており、更にI/F回路54を介してプリン
タ16に接続されている。I/Oコントローラ38は、
入力された画像データを、出力端に接続された前記各機
器に選択的に出力する。
【0049】本実施形態では、写真フィルム26に記録
されている個々のフィルム画像に対し、フィルムスキャ
ナ12において異なる解像度で2回の読み取りを行う。
1回目の比較的低解像度での読み取り(プレスキャン)
では、フィルム画像の濃度が非常に低い場合にも、エリ
アCCD30で蓄積電荷の飽和が生じないように決定し
た読取条件(写真フィルム26に照射する光のR、G、
Bの各波長域毎の光量、エリアCCD30の電荷蓄積時
間)で各フィルム画像の読み取りが行われる。なお、本
実施形態ではプレスキャン時にはIR読み取りは行なわ
ない。このプレスキャンによって得られたデータ(プレ
スキャン画像データ)は、I/Oコントローラ38から
制御部42へ入力される。
【0050】制御部42は、CPU46、RAM48、
ROM50(例えば記憶内容を書換え可能なROM)、
入出力ポート52を備え、これらがバスを介して互いに
接続されて構成されている。制御部42は、I/Oコン
トローラ38から入力されたプレスキャン画像データに
基づいてフィルム画像の濃度等の画像特徴量を演算し、
各フィルム画像に対し、フィルムスキャナ12が比較的
高解像度での再度の読み取り(ファインスキャン)を行
う際の読取条件を決定し、決定した読取条件をフィルム
スキャナ12に出力する。
【0051】また制御部42は、プレスキャン画像デー
タに基づいて、フィルム画像中の主要画像領域(例えば
人物の顔に相当する領域(顔領域))の抽出を含む画像特
徴量の演算を行い、フィルムスキャナ12がファインス
キャンを行うことによって得られる画像データ(ファイ
ンスキャン画像データ)に対する各種の画像処理の処理
条件を演算により自動的に決定し(セットアップ演
算)、決定した処理条件をイメージプロセッサ40へ出
力する。
【0052】なお、制御部42は、フィルムスキャナ1
2から入力されたIRデータに基づいて、画像データが
表す画像中に、写真フィルム26に付いている傷や塵埃
等の異物に起因する欠陥部が生じているか否かを探索す
る機能、イメージプロセッサ40が欠陥部修正処理を行
うためのパラメータを設定する機能を有している。
【0053】また、制御部42のバスにはディスプレイ
43、キーボード44及びマウス(図示省略)が接続さ
れている。なお、キーボード44及びマウスは本発明の
入力手段に対応しており、ディスプレイ43は請求項8
及び請求項9に記載の表示手段に対応している。
【0054】制御部42は、演算した画像処理の処理条
件に基づき、ファインスキャン画像データを対象として
イメージプロセッサ40で行われる画像処理と等価な画
像処理をプレスキャン画像データに対して行ってシミュ
レーション画像データを生成する。そして、生成したシ
ミュレーション画像データを、ディスプレイ43に画像
を表示するための信号に変換し、該信号に基づいてディ
スプレイ43にシミュレーション画像を表示する。ま
た、表示されたシミュレーション画像に対しオペレータ
によって画質等の検定が行われ、検定結果として処理条
件の修正を指示する情報がキーボード44やマウスを介
して入力されると、入力された情報に基づいて画像処理
の処理条件の再演算等を行う。
【0055】一方、フィルムスキャナ12でフィルム画
像に対してファインスキャンが行われることによってI
/Oコントローラ38に入力された画像データ(ファイ
ンスキャン画像データ)は、I/Oコントローラ38か
らイメージプロセッサ40へ入力される。
【0056】イメージプロセッサ40は、階調変換や色
変換を含む色・濃度補正処理、画素密度変換処理、画像
の超低周波輝度成分の階調を圧縮するハイパートーン処
理、粒状を抑制しながらシャープネスを強調するハイパ
ーシャープネス処理等の各種の画像処理を行う画像処理
回路を各々備えており、入力された画像データに対し、
制御部42によって各画像毎に決定されて通知された処
理条件に従って種々の画像処理を行う。また、イメージ
プロセッサ40は制御部42によって設定されたパラメ
ータに従って欠陥部修正処理を行う機能を有している。
【0057】イメージプロセッサ40で画像処理が行わ
れた画像データを印画紙への画像の記録に用いる場合に
は、イメージプロセッサ40で画像処理が行われた画像
データは、I/Oコントローラ38からI/F回路54
を介し記録用画像データとしてプリンタ16へ出力され
る。また、画像処理後の画像データを画像ファイルとし
て外部へ出力する場合は、I/Oコントローラ38から
制御部42へ画像データが出力される。これにより、制
御部42では、外部への出力用としてI/Oコントロー
ラ38から入力された画像データを、拡張スロットを介
して画像ファイルとして外部(前記ドライバや通信制御
装置等)に出力する。
【0058】プリンタ16は、画像メモリ58、R,
G,Bのレーザ光源60、該レーザ光源60の作動を制
御するレーザドライバ62を備えている。画像処理装置
14から入力された記録用画像データは画像メモリ58
に一旦記憶された後に読み出され、レーザ光源60から
射出されるR,G,Bのレーザ光の変調に用いられる。
レーザ光源60から射出されたレーザ光は、ポリゴンミ
ラー64、fθレンズ66を介して印画紙68上を走査
され、印画紙68に画像が露光記録される。画像が露光
記録された印画紙68は、プロセッサ部18へ送られて
発色現像、漂白定着、水洗、乾燥の各処理が施される。
これにより、印画紙68に露光記録された画像が可視化
される。
【0059】次に本実施形態の作用として、まず写真フ
ィルムに傷や異物の付いている箇所のIR光による検出
の原理について説明する。図3(A)に示すように、写
真フィルム上の表面に傷や異物が付いていない箇所に光
を照射したときの透過光量は、写真フィルムへの入射光
量に対し、写真フィルムによる光の吸収に応じた減衰量
だけ減衰する。なお、写真フィルムで光の吸収が生ずる
波長域はおおよそ可視光域であり、赤外域のIR光につ
いては殆ど吸収されないので、前記傷や異物が付いてい
ない箇所にIR光を照射した場合の透過光量は入射光量
から僅かに変化するのみである。
【0060】一方、写真フィルム上の傷が付いている箇
所に光を照射した場合、照射された光の一部は傷によっ
て屈折するので、前記傷が付いている箇所に光を照射し
たときの透過光量(前記箇所を直線的に透過する光の光
量)は、写真フィルムへの入射光量に対し、前述した写
真フィルムによる光の吸収に起因する減衰に、傷による
光の屈折に起因する減衰を加えた減衰量だけ減衰する。
なお、図3(A)では光の入射側に傷が付いている場合
を示しているが、光の射出側に傷が付いている場合も同
様である。
【0061】傷による光の屈折はIR光でも生ずるの
で、前記傷が付いている箇所にIR光を照射した場合の
IR光の透過光量は、傷による光の屈折に起因する減衰
に応じた減衰量だけ減衰する。なお傷による光の屈折
は、例として図3(B)にも示すように、傷の規模(深
さ等)が大きくなるに伴って顕著となる(可視光もIR
光も同様)ので、前記傷が付いている箇所にIR光を照
射した場合の透過光量は傷の規模が大きくなるに従って
小さくなる。従って、IR光の透過光量の減衰量に基づ
いて、写真フィルムに付いている傷の規模も検知するこ
とができる。
【0062】また、写真フィルム上の塵埃等の異物がつ
いている箇所に光を照射した場合、照射した光は異物に
よって反射されるので、異物の大きさや種類(光透過
率)にも依存するが、前記異物が付いている箇所に光を
照射した場合の光の透過光量は前記異物によって大きく
減衰する。異物が付いている箇所に光を照射した場合の
透過光量の減衰は、前記箇所にIR光を照射した場合も
同様である。
【0063】上記のように、写真フィルムにIR光を透
過した場合の透過光量は、写真フィルム上の傷又は異物
が付いている箇所でのみ変化し、写真フィルムに画像が
記録されていたとしても、該画像の透過濃度の変化の影
響を受けないので、写真フィルムにIR光を照射して透
過光量を検出することで、写真フィルムに付いている傷
や異物を検出できる。
【0064】次に画像データが表す画像の欠陥部の修正
について説明する。写真フィルム上の傷又は異物が付い
ている箇所では、上述したように可視光(例えばR光、
G光、B光)の透過光量も変化するので、写真フィルム
を透過した可視光を光電変換することで得られた画像デ
ータが表す画像上で、傷又は異物が付いている箇所に対
応する領域の輝度や色が本来の輝度や色と相違する(傷
や異物に起因する欠陥部)。
【0065】図3(B)に示すように、写真フィルムの
乳剤層はR,G,Bの各感光層を含んで構成されてお
り、画像が露光記録され現像等の処理が行われた写真フ
ィルム(ネガフィルム)は、R感光層にCのネガ像が形
成され、Gの感光層にMのネガ像が形成され、Bの感光
層にYのネガ像が形成される。そして写真フィルムを透
過した可視光のうち、R光についてはR感光層において
Cのネガ像の透過濃度に応じた減衰量だけ減衰(吸収)
され、G光についてはG感光層においてMのネガ像の透
過濃度に応じた減衰量だけ減衰(吸収)され、B光につ
いてはB感光層においてYのネガ像の透過濃度に応じた
減衰量だけ減衰(吸収)される。
【0066】ここで、例として図3(B)に示すよう
に、乳剤面と反対側のバック面に傷が付いている場合、
透過光に対するR,G,Bの各感光層における光の吸収
の比率は傷が付いていない場合と同じである。すなわ
ち、図3(B)において、写真フィルムへの入射光量を
0、傷が付いていないときのR光、G光、B光の透過
光量を各々I0R,I0G,I0Bとし、傷が付いたときに傷
が付いている箇所を直線的に透過して乳剤層に入射する
光量をI1(I1<I0:I0−I1が傷による光の減衰
分)、傷が付いているときのR光、G光、B光の透過光
量を各々I1R,I1G,I1Bとすると、以下の(1)式の
関係が成り立つ。 I0R/I0≒I1R/I1 0G/I0≒I1G/I1 0B/I0≒I1B/I1 …(1)
【0067】従って、バック面に傷が付いている箇所に
対応する欠陥部は、傷が付いていない場合と比較して輝
度のみが変化し、写真フィルムに記録されている画像の
色情報は保存されているので、写真フィルムにIR光を
照射したときの、前記傷が付いている箇所におけるIR
光の入射光量と射出光量の比、或いは他の物理量に基づ
いて欠陥部領域の輝度を調整することで、画像データが
表す画像の欠陥部を修正することができる(輝度調整方
法)。
【0068】また、例として図3(C)に示すように乳
剤面に傷が付いている場合、浅い傷であれば各感光層の
うちの一部の感光層が削られることで、透過光に対する
R,G,Bの各感光層における光の吸収の比率は傷が付
いていない場合と変化する。また、各感光層が全て剥ぎ
取られているような非常に深い傷であれば、透過光に対
する各感光層における光の吸収は生じない。従って、何
れの場合も(1)式の関係は成立しない。
【0069】このように、乳剤面に傷が付いている箇所
に対応する欠陥部は、傷の深さに拘わらず、傷が付いて
いない場合と比較して輝度及び色が各々変化しており、
写真フィルムに記録されている画像の色情報も失われて
いるので、輝度を調整しても欠陥部を精度良く修正する
ことは困難である。このため、乳剤面に傷が付いている
箇所に対応する欠陥部の修正には、欠陥部の周囲の領域
の情報から補間によって欠陥部の輝度及び濃度を決定す
る修正方法(補間方法)が適している。
【0070】なお、写真フィルムに異物が付いているこ
とに起因して生じた欠陥部についても、異物が付いてい
ない場合と比較して輝度及び色が各々変化するので、上
記の欠陥部を修正する場合にも補間方法が適している。
【0071】次に、本実施形態に係る検定条件設定処理
について、図4のフローチャートを参照して説明する。
なお、この検定条件設定処理は、オペレータからの指示
に応じて任意のタイミング(例えば画像処理システム1
0の設置時や1日の始業時、或いは個々の写真フイルム
に対する処理開始時等)で実行される。
【0072】まずステップ100では、検定条件の現在
の設定値をROM50等の記憶手段から取り込む。本実
施形態に係る検定条件は、欠陥部の修正を行うための修
正パラメータをオペレータが設定(マニュアル修正とい
う)したり、或いは欠陥部の修正結果をオペレータが検
定し必要に応じて修正パラメータをオペレータが修正す
る欠陥部検定作業の対象とする画像(検定対象画像)を
規定する条件であり、次の表1に示すように、「検定モ
ード」「検定対象画像の選択基準」「検定対象画像が抽
出された場合の処置」の各項目を含み、各項目の少なく
とも何れかに情報が設定されて構成されている。
【0073】
【表1】
【0074】なお、検定条件を構成する各項目にはデフ
ォルト値が各々設定されており、画像処理システム10
の設置時には、記憶手段に検定条件として各項目毎にデ
フォルト値が各々記憶されている。検定条件設定処理が
最初に実行されるときには、現在の設定値として各項目
毎に記憶手段からデフォルト値が各々取り込まれる。
【0075】次のステップ102では、例として図5に
示すように、検定条件を構成する各項目について情報を
設定するための検定条件設定画面をディスプレイ43に
表示すると共に、ステップ100で取り込んだ現在の設
定値を検定条件設定画面上に表示する。そしてステップ
104では、検定条件の設定をオペレータに要請するメ
ッセージをディスプレイ43に表示する。ステップ10
6では検定条件が設定されたか否か判定し、判定が肯定
される迄待機する。
【0076】これにより、オペレータは検定条件設定画
面を参照することで、検定条件を構成する各項目の現在
の設定値を認識すると共に、画像処理装置14の目標処
理速度等の要因を勘案し、各項目のうち設定値を変更す
べき項目を判断し、設定値を変更すべきと判断した項目
について新たな値(情報)を設定する。
【0077】例えば画像処理システム10に対し、処理
能力の大幅な低下を招いても、画像中の欠陥部が確実に
修正されることによる出力画像の画質向上を所望してい
る等の場合、オペレータはキーボード44又はマウスを
操作し、「検定モード」として「全画像検定モード」を
選択する。この場合、検定対象の画像を選択することな
く、全ての画像に対して欠陥部検定作業が行われる(詳
細は後述)ので、検定条件を構成する他の項目の情報を
設定する必要はない。一方、例えば処理能力の確保と出
力画像の画質向上を同程度に重視している等の場合、オ
ペレータはキーボード44又はマウスを操作し、「検定
モード」として「検定対象画像自動選択モード」を選択
する。
【0078】上記のように、「検定モード」として「検
定対象画像自動選択モード」を選択した場合、オペレー
タは「検定対象画像の選択基準」も設定する。表1にも
記されているように、本実施形態では「検定対象画像の
選択基準」として、欠陥部の大きさ・欠陥部の数・欠陥
部の深さ・欠陥部の外縁部の明瞭度・主要画像領域に対
する欠陥部の重複割合・欠陥部の周囲のテクスチャ強度
の各項目毎に選択範囲を各々設定可能とされている。こ
れらの項目を基準として検定対象画像を選択すること
で、欠陥部を自動的に修正した場合に何らかの不都合が
生ずる可能性が比較的高い画像を選択することができ
る。
【0079】すなわち、例えば大きさが比較的大きい欠
陥部や深さが比較的深い欠陥部(IR光の光量低下量が
比較的大きい欠陥部)は、欠陥部の修正に失敗した場合
に目立つので修正に対する要求精度が高く、欠陥部を自
動的に修正したとしても修正精度が不充分と判断される
可能性が高い。また、例えば単一の画像から多数の欠陥
部が検出された場合、装置の故障等のように欠陥部の検
出に際して何らかの異常が発生した可能性もある。ま
た、例えば外縁部の明瞭度が比較的低い欠陥部(外縁部
におけるIR光の光量変化の傾きが比較的小さい欠陥
部)は、IR光の光量変化から欠陥部の外縁の位置を正
確に確定することが困難であるので欠陥部の修正が失敗
する可能性が高い。
【0080】更に、例えば画像中の人物の顔に相当する
領域等の主要画像領域は一般に最も注目される領域であ
るので、画像中の主要画像領域との重複割合が高い欠陥
部が存在していた場合、該欠陥部の修正に失敗したとす
ると非常に目立つ。また、テクスチャが存在している画
像の観察においてはテクスチャの異なる部分が異なる領
域として区別されるので、周囲に明瞭なテクスチャが存
在している欠陥部の修正に失敗した場合にも非常に目立
つ。従って、上記のような欠陥部は修正に対する要求精
度が高く、欠陥部を自動的に修正したとしても修正精度
が不充分と判断される可能性が高い。
【0081】「検定モード」として「検定対象画像自動
選択モード」を選択した場合、選択基準の各項目につい
て検定条件を表す値を設定する必要があるが、オペレー
タが「デフォルト」(図5参照)を選択すれば、各項目
毎にデフォルトとして設定されている選択範囲が各項目
に各々設定される。このデフォルトは、欠陥部を自動的
に修正した場合に何らかの不都合が生ずる可能性が高い
画像が検定対象画像として選択されるように設定されて
いる。
【0082】また本実施形態では、選択基準の各項目毎
の選択範囲を、例えば画像処理装置14の目標処理速度
や欠陥部の修正に対する要求精度等の要因に応じて、オ
ペレータが任意に変更することも可能とされている。一
例として図5には、各項目について選択基準を指定する
ための白いバーに目盛を付して、選択範囲を段階的に変
更可能とした例が示されており、オペレータがマウス等
を操作し、白いバーの中に示されている黒いバーの長さ
及び位置を変更することで、各項目毎の選択範囲を指定
することができる。なお、これに代えて、例えば選択範
囲の上限及び下限等の境界値を数値で指定するようにし
てもよい。
【0083】なお、図5の例では感覚的に馴染み易い
「小/大」「少/多」「浅/深」「明瞭/不明瞭」「弱
/強」の表現が記されているが、実際には黒いバーの長
さ及び位置の少なくとも一方が変更されると、対応する
項目の選択範囲を表す閾値を、長さ及び位置の少なくと
も一方が変更された後の黒いバーの両端部の位置に対応
する値に変更設定している。なお、「検定対象画像の選
択基準」の各項目毎の選択範囲は請求項1に記載の「特
定の条件」に対応している。
【0084】また「検定モード」として「検定対象画像
自動選択モード」を選択した場合、オペレータは「検定
対象画像が抽出された場合の処置」も設定する。本実施
形態では、この「処置」として「報知のみ」と「マニュ
アル修正モードへ自動的に移行」の何れかを選択可能と
されており(これらの処置は請求項7に記載の「特定の
処理」に対応している)、オペレータによって任意に選
択される。
【0085】上記のようにしてオペレータによる検定条
件の設定が完了し、設定が完了したことが通知されると
(例えば図5に示す検定条件設定画面における「OK」
と表示されたボタンがクリックされると)、ステップ1
06の判定が肯定されてステップ108へ移行し、記憶
手段に記憶している検定条件の設定値をオペレータによ
る設定値によって更新記憶し、検定条件設定処理を終了
する。なお、上記のような検定条件設定処理によって検
定条件を変更設定可能とすることに代えて、検定条件を
固定的に設定しておく(オペレータによる変更を不可と
する)ようにしてもよい。
【0086】次に、フィルムスキャナ12で行われる画
像の読み取りについて説明する。フィルムスキャナ12
では、以下で説明するように、写真フィルム26に記録
されている各画像に対してプレスキャン(比較的低解像
度での読み取り)を行った後にファインスキャン(比較
的高解像度での読み取り)を行うが、本実施形態のよう
に読取センサとしてエリアセンサ(エリアCCD30)
を用いた態様において、読み取りの解像度の切り替え
(各回の読み取りで異なる解像度の画像データを得るこ
と)は、例えばプレスキャン時もファインスキャン時と
同一の高解像度で読み取りを行い、得られた画像データ
に対して画素の間引き又は画素の統合等の後処理を行う
か、或いはファインスキャン時にはエリアセンサによっ
て読み取りを複数回行うと共に、各回の読み取り時にピ
エゾ素子等のアクチュエータにより画素間隔の整数分の
1に相当する距離だけエリアセンサを移動させることで
実現できる。
【0087】フィルムスキャナ12は、写真フィルム2
6に記録されている各フィルム画像が順次読取位置(フ
ィルム画像の画面中心が光軸Lに一致する位置)に位置
決めされるように、フィルムキャリア24によって写真
フィルム26を所定方向へ間欠搬送し、各フィルム画像
が読取位置に位置決めされている状態で以下のプレスキ
ャンを各々行う。
【0088】すなわち、R光,G光,B光の何れかのみ
透過させるフィルタ23(フィルタ23C,23M,2
3Yの何れか)が光軸L上に位置するようにターレット
23を回転駆動させ、プレスキャン時の読取条件に対応
するエリアCCD30の電荷蓄積時間をCCDドライバ
31へ設定し、絞り21をプレスキャン時の読取条件に
対応する位置へ移動させた後に、エリアCCD30によ
り、読取位置に位置決めしたフィルム画像を、光軸L上
に位置しているフィルタ23に対応する波長域(R又は
G又はB)について読み取る。
【0089】この読み取りは、読取位置に位置決めされ
ているフィルム画像にR光又はG光又はB光が照射さ
れ、フィルム画像上の各部を透過した光がエリアCCD
30によって光電変換されて電荷として蓄積されること
によって成される。エリアCCD30による読取結果
(蓄積電荷量を表すアナログ信号)は、A/D変換器3
2を介し、R,G,Bの何れかのプレスキャン画像デー
タとして画像処理装置14へ入力される。この読み取り
を、光軸L上に位置させるフィルタ23を順次切り替え
ながら繰り返すことにより、読取位置に位置決めされて
いるフィルム画像に対しR,G,Bについての読み取り
(プレスキャン)が順次行われる。これにより、単一の
フィルム画像に対するプレスキャンが完了する。
【0090】上記のプレスキャンを全てのフィルム画像
に対して行うと、画像処理装置14でファインスキャン
時の読取条件の演算が完了する迄待機する。ファインス
キャン時の読取条件が画像処理装置14から通知される
と、各フィルム画像が順次読取位置に位置決めされるよ
うに、フィルムキャリア24によって写真フィルム26
を間欠搬送(例えばプレスキャン時と逆方向へ間欠搬
送)し、各フィルム画像が読取位置に位置決めされてい
る状態で以下のファインスキャンを各々行う。
【0091】すなわち、まずフィルタ23C,23M,
23Yの何れかが光軸L上に位置するようにターレット
23を回転駆動させ、画像処理装置14から通知された
ファインスキャン時の読取条件のうち、読取位置に位置
決めしたフィルム画像に対応する読取条件を取り込み、
取り込んだ読取条件に対応するエリアCCD30の電荷
蓄積時間をCCDドライバ31へ設定し、絞り21を前
記読取条件に対応する位置へ移動させた後に、エリアC
CD30により、読取位置に位置決めしたフィルム画像
を、光軸L上に位置しているフィルタ23に対応する波
長域(R又はG又はB)について読み取る。
【0092】エリアCCD30による読取結果は、A/
D変換器32を介し、R,G,Bの何れかのファインス
キャン画像データとして画像処理装置14へ入力され
る。この読み取りを、光軸L上に位置させるフィルタ2
3を順次切り替えながら繰り返すことにより、読取位置
に位置決めされているフィルム画像に対しR,G,Bに
ついての読み取り(ファインスキャン)が順次行われ
る。
【0093】次に、読取位置に位置決めしているフィル
ム画像に対してIRについての読み取りを行う。すなわ
ち、IR光のみ透過させるフィルタ23IRが光軸L上
に位置するようにターレット23を回転駆動させ、所定
の電荷蓄積時間をCCDドライバ31へ設定し、絞り2
1を所定位置へ移動させた後に、エリアCCD30によ
り、読取位置に位置決めしたフィルム画像に対してIR
についての読み取りを行う。エリアCCD30による読
取結果は、A/D変換器32を介し、IRデータとして
画像処理装置14へ入力される。上記のファインスキャ
ンを全てのフィルム画像に対して行うことで、単一の写
真フィルムに記録された各フィルム画像の読み取りが完
了する。
【0094】次に、フィルムスキャナ12で上述したプ
レスキャン・ファインスキャンが順次行われた際に、画
像処理装置14で実行される処理について説明する。プ
レスキャンが行われることでフィルムスキャナ14から
出力されたR,G,Bの画像データは、画像処理装置1
4のスキャナ補正部36での補正を経て制御部42に入
力される。
【0095】制御部42では、単一のフィルム画像の
R,G,Bの画像データが入力される毎に、まず入力さ
れたR,G,Bの画像データに基づいて、該画像データ
に対応するフィルム画像に対するファインスキャン時
に、エリアCCD30の個々のセルにおいて、蓄積電荷
の飽和が生じない範囲でなるべく蓄積電荷量が多くなる
ように適正な読取条件を決定する。
【0096】また制御部42は、入力されたR,G,B
の画像データに基づいて、該画像データに対応するフィ
ルム画像に対するファインスキャンによって得られる高
解像度の画像データ(ファインスキャン画像データ)に
対する各種の画像処理の処理条件を演算により自動的に
決定するセットアップ演算を行い、セットアップ演算に
よって決定した処理条件をイメージプロセッサ40に通
知する。
【0097】また、フィルムスキャナ12でフィルム画
像に対するファインスキャンが行われることでフィルム
スキャナ14から出力された比較的高解像度のR,G,
Bの画像データ(及びIRデータ)は、画像処理装置1
4のスキャナ補正部36での補正を経て制御部42及び
イメージプロセッサ40に各々入力される。
【0098】制御部42では、イメージプロセッサ40
における各種の画像処理の実行に先立ち、欠陥部修正条
件決定処理を行う。以下、この欠陥部修正条件決定処理
について図6のフローチャートを参照して説明する。
【0099】ステップ120では制御部42に入力され
た単一の処理対象の画像のR,G,B及びIRの画像デ
ータをRAM48等に取り込み、次のステップ122で
はRAM48等に取り込んだR,G,B及びIRの画像
データに基づき、R,G,Bの画像データが表す処理対
象の画像の欠陥部を検出する欠陥部検出処理を行う。こ
の欠陥部検出処理は以下のようにして行われる。
【0100】写真フィルムにIR光を照射したときの透
過光量は、写真フィルムに記録されている画像の透過濃
度の影響を受けない(乳剤層でIR光の吸収が生じな
い)ので、図7に示すように通常は画像上の位置に拘わ
らず略一定となり、写真フィルムに傷又は異物が付いて
いる箇所でのみ低下する。IRデータは処理対象の画像
上の各位置におけるIR光の透過光量を表しているの
で、IRデータに基づいて、処理対象の画像上の傷や異
物が付いていない箇所におけるIR光の透過光量(例え
ば透過光量の最大値)を基準値とする。基準値に対する
透過光量の変化量(低下量)が所定値(傷や異物が付い
ていない箇所におけるIR光の透過光量の若干の変動を
考慮して定めた値)以上の箇所を検出する。
【0101】そして、基準値に対する透過光量の変化量
(低下量)が所定値(傷や異物が付いていない箇所にお
けるIR光の透過光量の若干の変動を考慮して定めた
値)以上の箇所を修正対象の欠陥部として検出する。な
お、前記所定値はオペレータ等によって変更設定可能と
してもよい。またステップ122では、検出した修正対
象の各欠陥部を特定するための情報(例えば欠陥部の位
置・サイズ・形状等)やIR光の透過光量の低下量等の
情報をRAM48等に記憶する。ステップ122は、画
像のIR光の透過光量を測定するフィルムスキャナ12
と共に本発明の検出手段(詳しくは請求項3に記載の検
出手段)に対応している。
【0102】次のステップ124では、検定条件の1つ
である「検定モード」の現在の設定値を参照し、「検定
モード」の現在の設定値に応じて分岐する。「検定モー
ド」として「検定対象画像自動選択モード」が設定され
ている場合にはステップ126へ移行し、検定条件の1
つである「検定対象画像の選択基準」の各項目毎に現在
設定されている選択範囲を取り込む。そしてステップ1
28では、欠陥部検出処理(ステップ122)によって
処理対象の画像から検出された個々の欠陥部の各種の特
徴量を、「検定対象画像の選択基準」の各項目毎の現在
の設定値(選択範囲)と照合することで、個々の欠陥部
が「検定対象画像の選択基準」に合致しているか否かを
各項目毎に判定する。
【0103】すなわち、選択基準の1つである「欠陥部
の大きさ」については、欠陥部検出処理によって検出さ
れた個々の欠陥部の大きさ(図8(A)参照)が、「欠
陥部の大きさ」として現在設定されている選択範囲内か
否かを各々判定する。なお、図8(A)では「大きさ」
として欠陥部の幅を用いているが、これに代えて欠陥部
の面積を用いてもよい。また、選択基準の1つである
「欠陥部の数」については、欠陥部検出処理によって検
出された欠陥部の数が、「欠陥部の数」として現在設定
されている選択範囲内か否かを判定する。
【0104】更に選択基準の1つである「欠陥部の深
さ」については、欠陥部検出処理によって検出された個
々の欠陥部におけるIR光の透過光量の変化量(低下
量)の最大値(図8(A)の「欠陥部の深さ」参照)
が、「欠陥部の深さ」として現在設定されている選択範
囲内か否かを各々判定する。また選択基準の1つである
「欠陥部の外縁部の明瞭度」については、欠陥部検出処
理によって検出された個々の欠陥部におけるIR光の透
過光量の変化の傾き(図8(A)の「欠陥部の外縁部の
明瞭度」参照)が、「欠陥部の外縁部の明瞭度」として
現在設定されている選択範囲内か否かを各々判定する。
【0105】また、選択基準の1つである「主要画像領
域に対する欠陥部の重複割合」については、セットアッ
プ演算による主要画像領域の抽出結果を取り込み、欠陥
部検出処理によって検出された欠陥部のうち主要画像領
域と重複している欠陥部を抽出し、抽出した各欠陥部に
ついて全面積に占める主要画像領域と重複している領域
の割合(図8(B)参照:図8(B)の例では約50
%)を各々演算し、演算結果が「主要画像領域に対する
欠陥部の重複割合」として現在設定されている選択範囲
内か否かを各々判定する。
【0106】更に、選択基準の1つである「欠陥部の周
囲のテクスチャ強度」については、欠陥部検出処理によ
って検出された個々の欠陥部の周囲の領域のテクスチャ
強度を各々演算し、演算結果が「欠陥部の周囲のテクス
チャ強度」として現在設定されている選択範囲内か否か
を各々判定する。本実施形態では、例えば統計的なテク
スチャ特徴の代表的な計算方法である周知の濃度ヒスト
グラム、同時生起(co-occurrence)行列、差分統計量、
ランレングス行列、パワースペクトル等のうちの少なく
とも1つを用いて求めた統計量をテクスチャ強度とし、
これを前記統計量の種類に応じて定めた選択範囲と比較
することを個々の欠陥部について各々行うことで、個々
の欠陥部の周囲の領域のテクスチャ強度が選択範囲内か
否かを判定することができる。
【0107】なお、このステップ128は、次のステッ
プ130と共に、請求項1に記載の制御手段による「欠
陥部が特定の条件を満たしているか否かの判定」に対応
しており、特に「検定対象画像の選択基準」の各項目の
うち「欠陥部の大きさ」「欠陥部の数」及び「欠陥部の
深さ」の判定については、請求項3及び請求項4に記載
の判定に対応しており、「主要画像領域に対する欠陥部
の重複割合」の判定については請求項4及び請求項5に
記載の判定に、「欠陥部の周囲のテクスチャ強度」の判
定については請求項3及び請求項6に記載の判定に各々
対応している。また「欠陥部の数」及び「欠陥部の外縁
部の明瞭度」の判定は、請求項2に記載の「修正すべき
欠陥部か否かが不確定か否か」の判定に対応しており、
他の項目の判定は請求項2に記載の「修正パラメータが
不確定か否か」の判定に対応している。
【0108】次のステップ130では、ステップ128
において、処理対象の画像中に「検定対象画像の選択基
準」の少なくとも1つの項目に該当する欠陥部が発見さ
れたか否かを判定することで、処理対象の画像が検定対
象として選択すべき画像か否か判定する。本発明に上記
判定が否定された場合、処理対象の画像から検出された
欠陥部は「検定対象画像の選択基準」の各項目の選択範
囲の何れにも該当しないので、欠陥部を自動的に修正し
た場合に何らかの不都合が生ずる可能性は非常に低いと
判断できる。このため、ステップ130の判定が否定さ
れた場合にはステップ132へ移行し、欠陥部自動修正
処理を行う。
【0109】以下、欠陥部自動修正処理の一例として、
修正対象の個々の欠陥部に対し、補間方法及び輝度調整
方法を選択的に適用して修正を行う場合を説明する。す
なわち、まず修正対象の個々の欠陥部について、補間方
法を適用して修正するか輝度調整方法を適用して修正す
るかを判定するための所定の特徴量を各々演算する。本
実施形態では所定の特徴量の一例として、欠陥部におけ
るR光、G光、B光の透過光量の変化の相関を表す特徴
量を用いている。
【0110】例えば写真フィルムのバック面に傷が付い
ている場合、例として図7(A)に示すように、傷が付
いている箇所においてR光、G光、B光の透過光量は略
同様の変化を示すので、R光、G光、B光の透過光量の
変化の相関は高い。一方、写真フィルムの乳剤面に傷が
ついている場合、例として図7(B)に示すように、傷
が付いている箇所におけるR光、G光、B光の透過光量
の変化は一定せず、R光、G光、B光の透過光量の変化
の相関は低い(写真フィルムに異物が付いている場合も
同様)。
【0111】図7は典型的なケースを示したものであ
り、実際には写真フィルムの両面に傷が付いている等の
ように、何れの修正方法を適用すべきかが明確でないケ
ースも多々存在しているが、R,G,Bの画像データに
被写体の色に関する情報が残っていれば輝度調整方法を
適用することが好ましく、前記情報が残っていない場合
には補間方法を適用することが望ましいので、欠陥部に
おけるR光、G光、B光の透過光量の変化の相関を表す
所定の特徴量(例えばR光、G光、B光の透過光量の変
化の微分値の差を積算した値)に基づいて、適用すべき
修正方法を個々の欠陥部毎に適正に判定することができ
る。
【0112】修正対象の個々の欠陥部について、上述し
た所定の特徴量を各々演算すると、双方の修正方法の適
用範囲の設定値(双方の修正方法の適用範囲の境界を表
す閾値)を取り込み、各欠陥部の所定の特徴量を前記設
定値と各々比較することにより、個々の欠陥部を単位と
して、補間方法を適用して修正を行うか輝度調整方法を
適用して修正を行うかを各々判定する。
【0113】具体的には、所定の特徴量が適用範囲の設
定値以下又は未満であれば(R光、G光、B光の透過光
量の変化の相関が高ければ)適用すべき修正方法として
輝度調整方法を選択し、所定の特徴量が前記設定値以上
又は前記設定値よりも大きければ(前記相関が低けれ
ば)適用すべき修正方法として補間方法を選択する。
【0114】そして、補間方法を適用して修正を行うと
判定した欠陥部に対しては、補間方法を適用して修正を
行う。すなわち、修正対象の欠陥部の輝度及び色を該欠
陥部の周囲の領域の輝度及び色から補間によって新たに
演算し、補間演算によって求まる欠陥部内の各画素の値
(R,G,B毎の濃度値でもよいし、色相・明度・彩度
を表す値でもよい)をD1、各画素の元の値をD2、修
正度合いをαとし、欠陥部内の各画素の補正後の値D3
を(2)式に従って求める。 D3=α・D1+(1−α)D2 …(2) 上記処理を、補間方法を適用して修正を行うと判定した
欠陥部に対して各々行って処理対象の画像のR,G,B
の各画像データを補正する。
【0115】また、輝度調整方法を適用して修正を行う
と判定した欠陥部に対しては、輝度調整方法を適用して
修正を行う。すなわち、修正対象の欠陥部におけるIR
光の透過光量の変化量に基づいて欠陥部の輝度修正量を
演算し、輝度修正量に応じて修正した欠陥部内の各画素
の輝度値をL1、各画素の元の輝度値をL2、「欠陥部
修正度合い」の現在の設定値をαとし、欠陥部内の各画
素の補正後の輝度値L3を(3)式に従って求める。 L3=α・L1+(1−α)L2 …(3) 上記処理を輝度調整方法を適用して修正を行うと判定し
た欠陥部に対して各々行って処理対象の画像のR,G,
Bの各画像データを補正する。
【0116】上記処理により、修正対象の全ての欠陥部
が自動的に修正されることになる。なお、ステップ13
2は本発明に係る修正手段に対応しており、ステップ1
32の処理を行った後はステップ156へ移行する。
【0117】一方、ステップ130の判定が肯定された
場合には、処理対象の画像中に「検定対象画像の選択基
準」の少なくとも1つの項目に該当する欠陥部が存在し
ているので、欠陥部を自動的に修正したとすると何らか
の不都合が生ずる可能性が高いと判断できる。このた
め、ステップ130の判定が否定された場合にはステッ
プ134へ移行し、ステップ120で取り込んだR,
G,Bの画像データを用いてディスプレイ43にポジ画
像(入力された画像データが表す処理対象の画像(欠陥
部修正前の画像)のポジ画像)を表示する。このよう
に、ステップ134は請求項8に記載の制御手段に対応
している。
【0118】またステップ134では、欠陥部検出処理
によって検出された全ての欠陥部を、オペレータが容易
に認識できるように明示する。例として図9には、検出
された4個の欠陥部を、個々の欠陥部に外接する矩形状
の枠で囲んで示した例を示している。なお、欠陥部の明
示方法はオペレータが容易に認識可能な方法であれば良
く、例えば明示対象の欠陥部又は該欠陥部を含む領域を
網点で表示する、明示対象の欠陥部又は該欠陥部を含む
領域を周囲の領域の色と反対色(例えば補色)で表示す
る、明示対象の欠陥部を矩形以外の形状(例えば円形)
の枠で囲む、明示対象の欠陥部を点滅させる、等の明示
方法の何れか1つ、或いは複数の明示方法を組み合わせ
て適用することができる。
【0119】また、本実施形態では後述するように、検
定対象画像として選択された画像については、画像中の
全ての欠陥部をオペレータからの指示に応じて修正して
いるがこれに限定されるものではなく、「検定対象画像
の選択基準」の少なくとも1つの項目に該当する欠陥部
についてのみオペレータからの指示に応じて修正し、他
の欠陥部については自動的に修正するようにしてもよ
い。この場合、「検定対象画像の選択基準」の少なくと
も1つの項目に該当する欠陥部のみを明示対象の欠陥部
とすればよい。
【0120】次のステップ136では、検定条件の1つ
である「検定対象画像が抽出された場合の処置」の現在
の設定値を参照し、「検定対象画像が抽出された場合の
処置」の現在の設定値に応じて分岐する。「検定対象画
像が抽出された場合の処置」として「報知のみ」が設定
されている場合にはステップ138へ移行し、検定対象
画像が検出(抽出)されたことを、ディスプレイ43に
メッセージを表示したりブザー音等を鳴らすことで報知
する。
【0121】これにより、オペレータはディスプレイ4
3に明示されている検定対象画像の欠陥部を目視し、欠
陥部の自動修正によって適正に修正可能か、或いは欠陥
部をどのように修正するかをオペレータ自身が指示して
欠陥部を修正させるマニュアル修正を行う必要があるか
を判定する。そして判定結果に基づき、欠陥部に対して
自動修正を行うかマニュアル修正を行うかを指示する情
報をキーボード44等を介して入力する。
【0122】次のステップ140ではオペレータからキ
ーボード44等を介して入力された指示の内容を判定
し、欠陥部に対して自動修正を行うことが指示された場
合にはステップ132へ移行して、先に説明した欠陥部
自動修正処理を行う。また、欠陥部に対してマニュアル
修正を行うことが指示された場合にはステップ142へ
移行し、ステップ142以降でマニュアル補正モードに
対応する処理を行う。
【0123】なお、先のステップ136において、「検
定対象画像が抽出された場合の処置」として「マニュア
ル修正モードへの移行」が設定されていた場合には、何
ら処理を行うことなくステップ142へ移行する。また
ステップ140において、例えば検出された欠陥部の数
が非常に多い等の理由で、装置に何らかの異常があると
オペレータが判断した場合には、欠陥部修正条件決定処
理の実行を停止又は中断して装置の故障の有無のチェッ
ク等を行うようにしてもよい。
【0124】ステップ142ではオペレータに対し、デ
ィスプレイ43に表示している処理対象の画像中の欠陥
部をどのように修正するかを指示するための修正パラメ
ータの入力を要請するメッセージをディスプレイ43に
表示し、オペレータに対して修正パラメータの入力を要
請する。次のステップ144では、オペレータによる修
正パラメータの入力が完了したか否か判定し、判定が肯
定される迄待機する。
【0125】これにより、オペレータはディスプレイ4
3に表示されている処理対象の画像中の欠陥部をどのよ
うに修正するかを指示するための各種の修正パラメータ
をキーボード44等を介して入力する(この作業も欠陥
部検定作業の一種)。なお、オペレータが修正パラメー
タを入力することによる指示内容としては、明示されて
いる欠陥部のうち修正対象の欠陥部の指定、欠陥部の外
縁部の位置の指定、欠陥部の修正方法や修正度合いの指
定、補間方法を適用する場合の補間に用いる領域の指定
(例えば欠陥部が存在している領域及び該領域の周囲の
領域のうち特定の方向に存在する領域に同一のテクスチ
ャが存在している等の場合に、補間に用いる領域として
前記特定の方向に存在する領域を指定することで、欠陥
部を精度良く修正することが可能となる)等が挙げられ
る。
【0126】オペレータによる修正パラメータの入力が
完了すると、ステップ144の判定が肯定されてステッ
プ146へ移行し、入力された修正パラメータに従って
欠陥部を修正し、欠陥部の修正を経た処理対象の画像の
R,G,Bの画像データに基づき、該画像データが表す
画像(ポジ画像)をディスプレイ43に表示する。また
ステップ146では、欠陥部の修正を行った箇所を先の
ステップ134と同様に明示する。次のステップ154
では、ディスプレイ43に表示している欠陥部修正後の
画像に対する検定の実行をオペレータに要請するメッセ
ージをディスプレイ43に表示すると共に、オペレータ
がキーボード44等を介して入力した検定結果を判定す
る。
【0127】前記メッセージが表示されると、オペレー
タはディスプレイ43に表示されている画像を検定し、
処理対象の画像中の欠陥部が適正に修正されたか否かを
判定する欠陥部検定作業を行う。欠陥部が適正に修正さ
れていないと判断した場合には、先に入力した修正パラ
メータの修正を指示する情報をキーボード44等を介し
て入力する。この場合、ステップ142〜ステップ15
4が再度繰り返され、処理対象の画像中の欠陥部が適正
に修正されるように修正パラメータが最適化されること
になる。
【0128】このように、「検定モード」として「検定
対象画像自動選択モード」が設定されていた場合には、
「検定対象画像の選択基準」に合致する画像についての
み欠陥部検定作業が行われるので、欠陥部検定作業の実
施頻度が低減され、オペレータの負担を軽減することが
できる。
【0129】一方、ステップ124において、検定条件
の1つである「検定モード」として「全画像検定モー
ド」が設定されている場合にはステップ124からステ
ップ148へ移行し、ステップ122で検出された欠陥
部に対し、先に説明したステップ132と同様にして欠
陥部を自動的に修正する欠陥部自動修正処理を行う。こ
のステップ148は、請求項9に記載の修正手段に対応
している。
【0130】次のステップ150では、欠陥部の修正を
経た処理対象の画像のR,G,Bの画像データに基づ
き、該画像データが表す画像(ポジ画像)をディスプレ
イ43に表示し、次のステップ152で欠陥部の修正を
行った箇所をディスプレイ43に表示している画像上で
明示した後にステップ154へ移行する。なお、ステッ
プ150では、欠陥部修正前の画像を併せて表示するよ
うにしてもよいし、欠陥部修正前の画像のみを表示する
ようにしてもよい。欠陥部修正前の画像を表示する場
合、ステップ152では欠陥部が存在している箇所を明
示すればよい。ステップ150、152は請求項9に記
載の表示制御手段に対応している。
【0131】これにより、「検定モード」として「全画
像検定モード」が設定されている場合には、欠陥部検出
処理によって検出された欠陥部を自動的に修正した後
に、オペレータによる欠陥部検定作業が無条件に行われ
る。なお、このときディスプレイ43に表示されている
画像には、欠陥部の修正が行われた箇所が明示されてい
るので、欠陥部の修正が行われた個所をオペレータが容
易に認識することができ、欠陥部検定作業の煩雑さを軽
減することができる。
【0132】そして、オペレータによって欠陥部が適正
に修正されていないと判断され、修正パラメータの修正
を指示する情報(請求項9に記載の「マニュアル修正モ
ードへの切り替えを指示する情報」に相当)がキーボー
ド44等を介して入力された場合には、マニュアル補正
モードへ移行してマニュアル補正が行われることにな
る。この場合のステップ146及びステップ154は請
求項9に記載の制御手段に対応している。
【0133】オペレータによる欠陥部検定作業におい
て、欠陥部が適正に修正されていると判断され、検定結
果が「OK」であることを表す情報が入力された場合に
は、ステップ154からステップ156へ移行し、処理
対象の画像の欠陥部を修正するための各種パラメータ
(修正対象の各欠陥部を特定するための情報(例えば各
欠陥部の位置・形状・サイズ等)、各欠陥部に対する修
正方法や修正度合い等を表す情報)をRAM48等に記
憶する。
【0134】次のステップ158では、フィルムスキャ
ナ12からR,G,Bの画像データ(及びIRデータ)
が入力された全てのフィルム画像に対して上記の処理を
行ったか否か判定する。判定が否定された場合にはステ
ップ120に戻り、未処理のフィルム画像を処理対象の
画像としてステップ120以降の処理を繰り返す。そし
てステップ158の判定が肯定されると、先のステップ
156で各フィルム画像毎に記憶した欠陥部を修正する
ためのパラメータをイメージプロセッサ40に通知し、
欠陥部修正条件決定処理を終了する。
【0135】上記の欠陥部修正条件決定処理が完了する
と、イメージプロセッサ40では、入力された画像デー
タに対し、制御部42におけるセットアップ演算によっ
て決定された処理条件で各種の画像処理を行うと共に、
制御部42で欠陥部修正条件決定処理が行われることで
制御部42から通知された欠陥部を修正するためのパラ
メータを参照する。そして、修正対象の欠陥部が有る場
合には、修正対象の欠陥部を、前記欠陥部を修正するた
めのパラメータに従って修正する欠陥部修正処理を行
う。このようにイメージプロセッサ40も本発明の修正
手段に対応している。これにより、印画紙68に露光記
録される画像から、修正対象として選択された欠陥部が
消去されることになる。
【0136】なお、上記では写真フィルムに記録されて
いる画像を読み取る画像読取装置の一例として、光電変
換セルがマトリクス状に配列されたエリアセンサ(エリ
アCCD30)によって画像を読み取る構成を説明した
が、これに限定されるものではなく、光電変換セルがラ
イン状に配列されたラインセンサによって画像を読み取
るようにしてもよい。また、上記では写真フィルムを透
過した光を光電変換することで画像を読み取る構成を説
明したが、これに限定されるものではなく、写真フィル
ムを反射した光を光電変換することで画像を読み取る構
成を採用してもよい。
【0137】また、上記では欠陥部の修正に適用可能な
修正方法の一例として補間方法及び輝度調整方法を記載
したが、これに限定されるものではなく、例えば欠陥部
に対してローパスフィルタをかけることで欠陥部をぼか
す修正方法や、フィルムスキャナ12の光源20と写真
フィルム26との間の光路上に光拡散板を挿入して欠陥
部を目立たなくする修正方法を用いてもよい。
【0138】更に、上記ではプレスキャン時にR,G,
Bの読み取りを行い、ファインスキャン時にR,G,
B,IRの読み取りを行う例を説明したが、これに限定
されるものではなく、IR読み取りはプレスキャン時に
のみ行ってもよいし、プレスキャン時及びファインスキ
ャン時に各々行ってもよい。
【0139】また、上記では写真フィルムに付いた傷や
異物に起因する欠陥部を修正する場合を説明したが、本
発明はこれに限定されるものではない。例えば、フィル
ムスキャナやデジタルカメラ等に設けられているCCD
等の光電変換素子の中に欠陥画素が存在していた場合、
画像或いは被写体を撮像することで得られる画像データ
が表す画像に、傷や異物に起因する欠陥部と同様の欠陥
部が生ずる。この画素欠陥に起因する欠陥部の修正に本
発明を適用し、例えば「検定対象画像の選択基準」に合
致した画像についてのみ、オペレータが欠陥部検定作業
を行うように構成することで、オペレータによる欠陥部
検定作業の実施頻度を低減することも可能である。
【0140】画素欠陥に起因する欠陥部は、例えば装置
製造時に欠陥画素に起因する欠陥部を検出することは、
例えば画像処理装置の製造時に、検査によって発見され
た光電変換素子の欠陥画素を特定するための情報を装置
内蔵のROM等に記憶しておき、ROM等に記憶された
情報を読み出すことで検出することができる。また、例
えば単一の光電変換素子によって可視光及びIR光の光
電変換(読み取り)を各々行う構成(例えばターレット
を回転させて各波長域の光の読み取りを順次行う構成)
のフィルムスキャナであれば、光電変換素子の画素欠陥
に起因する画像の欠陥部の検出は、可視光の読み取り結
果とIR光の読み取り結果を比較することで行うことも
可能である。
【0141】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
は、画像情報が表す画像の欠陥部を検出する検出手段、
欠陥部の修正を行う修正手段、及び情報を入力するため
の入力手段を備え、欠陥部が特定の条件を満たしている
場合には、欠陥部の修正に関する指示を仰ぐための特定
の処理を行うようにしたので、欠陥部検定作業の実施頻
度を低減することが可能となる、という優れた効果を有
する。
【0142】請求項2記載の発明は、請求項1の発明に
おいて、特定の条件を満たしているか否かの判定とし
て、修正すべき欠陥部か否かが不確定か否か、及び欠陥
部を修正するための修正パラメータが不確定か否かの少
なくとも一方を判定するので、上記効果に加え、修正す
べき欠陥部か否かが不確定である場合、又は修正パラメ
ータが不確定である場合に修正手段が欠陥部を修正する
ことで何らかの不都合が生ずることを回避することがで
きる、という効果を有する。
【0143】請求項3記載の発明は、請求項1の発明に
おいて、記録媒体を透過又は反射した非可視光を光電変
換した結果から欠陥部の特徴量を求め、求めた特徴量に
基づいて欠陥部が特定の条件を満たしているか否かを判
定するので、上記効果に加え、修正手段が欠陥部を修正
した場合に何らかの不都合が生ずる確率が高いか否かを
精度良く判定することができる、という効果を有する。
【0144】請求項4記載の発明は、請求項1の発明に
おいて、画像情報から欠陥部の特徴量を求め、求めた特
徴量に基づいて欠陥部が特定の条件を満たしているか否
かを判定するので、上記効果に加え、修正手段が欠陥部
を修正した場合に何らかの不都合が生ずる確率が高いか
否かを精度良く判定することができる、という効果を有
する。
【0145】請求項8記載の発明は、請求項1の発明に
おいて、欠陥部が特定の条件を満たしている画像を表示
手段に表示させるので、上記効果に加え、特定の条件を
満たしている欠陥部の修正に関してどのような指示を入
力すべきか等の判断をオペレータが容易に行うことがで
きる、という効果を有する。
【0146】請求項9記載の発明は、修正手段が欠陥部
の修正を行う前の画像情報が表す画像、及び修正手段が
欠陥部の修正を行った後の画像情報が表す画像の少なく
とも一方を表示手段に表示させると共に、前記画像中の
欠陥部が存在している箇所又は欠陥部が修正された箇所
を明示し、マニュアル修正モードへの切り替えを指示す
る情報が入力された場合にマニュアル修正モードへの切
り替えを行うので、欠陥部検定作業の煩雑さを軽減する
ことができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る画像処理システムの概略構成
図である。
【図2】フィルムスキャナの概略構成を示す斜視図であ
る。
【図3】(A)は写真フィルムの傷及び異物が付いてい
ない箇所、傷が付いている箇所、異物が付いている箇所
における光の透過を各々示す概念図、(B)は写真フィ
ルムのバック面に傷が付いている場合、(C)は写真フ
ィルムの乳剤面に傷が付いている場合の光の透過を各々
示す概念図である。
【図4】検定条件設定処理の内容を示すフローチャート
である。
【図5】検定条件設定画面の一例を示すイメージ図であ
る。
【図6】欠陥部修正条件決定処理の内容を示すフローチ
ャートである。
【図7】(A)はバック面に傷が付いている場合、
(B)は乳剤面に傷が付いている場合のR光、G光、B
光、IR光の透過光量の変化の一例を示す線図である。
【図8】(A)は欠陥部の大きさ・深さ・外縁部の明瞭
度の検出を説明するための線図、(B)は主要画像領域
に対する欠陥部の重複割合、(C)は欠陥部の周囲のテ
クスチャ強度を説明するためのイメージ図である。
【図9】検出された欠陥部の明示方法の一例を示すイメ
ージ図である。
【符号の説明】
12 フィルムスキャナ 14 画像処理装置 20 光源 23 フィルタユニット 26 写真フィルム 30 エリアCCD 40 イメージプロセッサ 42 制御部 44 キーボード

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像情報が表す画像の欠陥部を検出する
    検出手段と、 前記画像情報に対して欠陥部の修正を行う修正手段と、 情報を入力するための入力手段と、 欠陥部が特定の条件を満たしているか否か判定し、前記
    特定の条件を満たしている場合には、欠陥部の修正に関
    する指示を仰ぐための特定の処理を行う制御手段と、 を含む画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記特定の条件を満た
    しているか否かの判定として、修正すべき欠陥部か否か
    が不確定か否か、及び欠陥部を修正するための修正パラ
    メータが不確定か否かの少なくとも一方を判定すること
    を特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記画像情報は記録媒体に記録された画
    像を表し、 前記検出手段は、前記画像が記録された前記記録媒体に
    非可視光を照射し、記録媒体を透過又は反射した非可視
    光を光電変換した結果から前記画像の欠陥部を検出し、 前記制御手段は、記録媒体を透過又は反射した非可視光
    を光電変換した結果から欠陥部の特徴量を求め、求めた
    特徴量に基づいて前記特定の条件を満たしているか否か
    を判定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装
    置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、前記画像情報から欠陥
    部の特徴量を求め、求めた特徴量に基づいて前記特定の
    条件を満たしているか否か判定することを特徴とする請
    求項1記載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、前記欠陥部の特徴量と
    して、欠陥部が前記画像情報が表す画像中の主要部領域
    内に存在しているか否かを求めることを特徴とする請求
    項4記載の画像処理装置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は、前記欠陥部の特徴量と
    して、画像情報が表す画像中の欠陥部が属する領域にテ
    クスチャが存在しているか否かを求めることを特徴とす
    る請求項4記載の画像処理装置。
  7. 【請求項7】 前記制御手段は、前記特定の処理とし
    て、欠陥部が特定の条件を満たしていることを報知する
    か、又は前記入力手段を介して入力された前記欠陥部を
    修正するための修正パラメータに従って前記欠陥部の修
    正が行われるように前記修正手段を制御するマニュアル
    修正モードへの切り替えを行うことを特徴とする請求項
    1記載の画像処理装置。
  8. 【請求項8】 画像を表示するための表示手段を更に備
    え、 前記制御手段は、前記特定の処理として、欠陥部が特定
    の条件を満たしている画像を前記表示手段に表示させる
    ことを特徴とする請求項7記載の画像処理装置。
  9. 【請求項9】 画像情報が表す画像の欠陥部を検出する
    検出手段と、 前記画像情報に対して欠陥部の修正を行う修正手段と、 画像を表示するための表示手段と、 前記修正手段が欠陥部の修正を行う前の画像情報が表す
    画像、及び前記修正手段が欠陥部の修正を行った後の画
    像情報が表す画像の少なくとも一方を前記表示手段に表
    示させると共に、前記画像中の欠陥部が存在している箇
    所又は前記修正手段によって欠陥部が修正された箇所を
    明示する表示制御手段と、 情報を入力するための入力手段と、 前記入力手段を介してマニュアル修正モードへの切り替
    えを指示する情報が入力された場合に、前記入力手段を
    介して入力された前記欠陥部の修正に用いる修正パラメ
    ータに従って前記欠陥部の修正が行われるように前記修
    正手段を制御するマニュアル修正モードへの切り替えを
    行う制御手段と、 を含む画像処理装置。
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