JP3775312B2 - 画像処理方法、画像処理プログラム、および該プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体 - Google Patents

画像処理方法、画像処理プログラム、および該プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、写真用フィルム等の記録媒体に記録された画像を、スキャナ等の画像読取装置によって読み取られた画像データに対し、画像処理を行なう方法に関するものである。具体的には、本発明は、前記画像データを用いて、前記記録媒体に付いた傷やごみの影響を除去する処理を行なう方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ネガフィルム、ポジフィルム等の写真用フィルム(以下、「フィルム」と略称する。)に記録された画像を印画紙へ出力するプリンタには、フィルムの画像を透過した光を用いて印画紙を露光するアナログ方式のプリンタと、フィルムの画像を透過した光がCCD(Charge Coupled Device)などで光電変換され、さらにデジタル化されて画像データを作成し、この画像データに基づいて変調した光を用いて印画紙を露光するデジタル方式のプリンタとがある。
【0003】
両方式とも、フィルムに傷やごみが(以下、「傷」と総称する。)付いていると、印画紙に焼き付けられた画像に濃度変動や欠落などの不具合が生じる場合がある。このため、従来は、フィルムを透過させる光として拡散光が両方式ともに利用されている。
【0004】
デジタル方式のプリンタの場合は、さらに、デジタル化された画像データに画像処理を施すことにより、傷の影響を効果的に除去することが可能である。このような画像処理方法は、例えば、特開平6-28468号公報(公開日:平成6年2月4日(1994.2.4))、特開2000-341473号公報(公開日:平成12年12月8日(2000.12.8))、特開2001-157003号公報(公開日:平成13年6月8日(2001.6.8))などに開示されている。
【0005】
これらの公報に開示された画像処理方法では、フィルムに赤外光を透過させている。フィルムを透過する赤外光は、フィルムに付いた傷により散乱されるが、フィルムの画像を形成する色素には、基本的に影響を受けることがない。したがって、フィルムを透過した赤外光により形成される赤外画像には、傷の情報のみが精度良く含まれることになり、この赤外画像を用いることにより、傷の影響を除去することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
傷の影響を除去するには、赤外画像から傷のない画素(以下、「非劣化画素」と称する。)と、傷のある画素(以下、「劣化画素」と称する。)とを判別する必要がある。フィルムにおける傷のない部分は、傷のある部分よりも多く光が透過するため、赤外画像における非劣化画素は、劣化画素よりも画素値が大きくなる。したがって、赤外画像の画素値について閾値を設定し、閾値以上の画素値を有する画素を非劣化画素と判断し、閾値よりも低い画素値を有する画素を劣化画素と判断することにより、非劣化画素と劣化画素とを判別することができる。
【0007】
しかしながら、フィルムは、フィルムの種類、メーカー、感度などによって赤外光の透過光量が異なるため、1つの閾値では対応することができない。この問題点を解決する方法として、前述の特開2000-341473号公報には、ネガフィルム/ポジフィルムの別、磁気層の有無等のようなフィルム固有の情報を取得し、該情報に基づいて前記閾値を制御する方法が開示されている。
【0008】
ところで、赤外画像から非劣化画素の画素値(以下、「非劣化画素値」と称する。)をフィルムごとに求めることができれば、非劣化画素値を閾値とすることにより、前記問題点を解決することができる。
【0009】
非劣化画素値は、赤外画像における画素値の最大値であると考えられる。しかしながら、ノイズ、CCDカメラの画素ごとの感度、フィルムのむらなどのため、非劣化画素どうしであっても画素値が同じであるとは限らない。すなわち、画素値の最大値は、状況に応じて変動する不安定なものであるため、閾値として利用し難い。
【0010】
一方、非劣化画素値に近い値としては、赤外画像における画素値の平均値(以下、「平均画素値」と称する。)がある。しかしながら、前述のように、劣化画素は非劣化画素よりも画素値が小さくなるから、傷が多いと平均画素値は低下することになる。
【0011】
この点について、図7および図8に基づいてさらに説明する。図7(a)および(b)は、フィルムの傷が少ない場合の赤外画像と、該赤外画像における画素値の度数分布とをそれぞれ示している。同様に、図8(a)および(b)は、フィルムの傷が多い場合の赤外画像と、該赤外画像における画素値の度数分布とをそれぞれ示している。
【0012】
図7(a)に示されるように、フィルムの傷が少ない場合には、赤外画像における画素値の度数分布は、図7(b)に示されるように、非劣化画素値CF付近に集中している。このとき、赤外画像の平均画素値Aveは、図には示していないが、非劣化画素値CFに近い値となる。
【0013】
しかしながら、図8(a)に示されるように、フィルムの傷が多い場合には、赤外画像における画素値の度数分布は、図8(b)に示されるように、非劣化画素値CFから画素値の小さい方(同図の左側)に移っている。このとき、赤外画像の平均画素値Aveは、非劣化画素値CFよりも小さい値となる。この平均画素値Aveを閾値として劣化画素の判別を行なうと、平均画素値Aveと非劣化画素値CFとの間の画素値を有する画素は、劣化画素であるにもかかわらず劣化画素であると判別できなくなる。
【0014】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、非劣化画素と劣化画素とを精度よく判別するために、非劣化画素値を取得する画像処理方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の画像処理方法は、記録媒体から非可視光を介して取得され、かつ前記記録媒体に付いた傷やごみによる画質劣化の情報を含む非可視光画像において、前記画質劣化の無い画素の画素値である非劣化画素値を取得する画像処理方法において、記録媒体から可視光を介して取得される可視光画像と、前記非可視光画像とにおける互いに対応する画素に関して、前記可視光画像の画素値から前記非可視光画像の画素値を減算して前記非可視光画像の平均画素値を加算した第1の変数と、前記可視光画像の画素値である第2の変数とを用いて回帰分析を行なうことにより非劣化画素値を取得することを特徴としている。
【0016】
上記の方法では、第1の変数において、前記可視光画像の画素値から前記非可視光画像の画素値を減算することにより、傷による画素値への影響が除去される。これは、傷による画素値の低下分は、可視光画像および非可視光画像の何れにおいてもほぼ等しいからである。
【0017】
この減算した値に前記非劣化画素値を加算すると、傷による影響が除去された前記可視光画像の画素値(以下、「補正画素値」と称する。)が得られる。しかしながら、前記非劣化画素値は未だ決定されてはいないので、第1の変数では、前記非劣化画素値の代わりに前記非可視光画像の平均画素値を用いている。
【0018】
この場合、前記非可視光画像の平均画素値は、前述のように、傷の影響により前記非劣化画素値よりも低下しているから、第1の変数は、前記可視光画像の補正画素値よりも低下している。
【0019】
そこで、第1の変数と、前記可視光画像の画素値である第2の変数とを用いて回帰分析を行なうことにより、前記非可視光画像の平均画素値が前記非劣化画素値から低下した低下分が算出される。
【0020】
したがって、前記非可視光画像の平均画素値に前記低下分を加算することにより前記非劣化画素値を取得することができる。すなわち、前記非劣化画素値は、前記平均画素値と前記低下分とを用いて取得されるものである。前記平均画素値および前記低下分は、それぞれ平均および回帰分析により算出されるから、ノイズなどによる画素値の変動に対して安定している。
【0021】
したがって、上記の方法によって取得される非劣化画素値は、ノイズなどによる画素値の変動に対して安定しているから、非劣化画素と劣化画素とを判別する閾値として利用することができる。その結果、非劣化画素と劣化画素とを精度よく判別することができる。
【0022】
また、請求項2に記載の画像処理方法は、請求項1に記載の画像処理方法において、第1の変数が第2の変数以下である画素のみを回帰分析の対象とすることを特徴としている。
【0023】
前述のように、第1の変数は、前記可視光画像の補正画素値よりも前記低下分だけ低下したものであるから、前記可視光画像の画素値である第2の変数が第1の変数よりもさらに小さい場合には、対応する画素は傷のある画素である可能性が著しく高い。
【0024】
したがって、上記の方法では、第2の変数が第1の変数以上である画素、すなわち第1の変数が第2の変数以下である画素のみを回帰分析の対象とすることにより、傷のある画素を排除できるから、回帰分析により前記低下分を精度よく算出することができ、前記非劣化画素値の精度を向上することができる。その結果、非劣化画素と劣化画素とをさらに精度よく判別することができる。
【0025】
また、請求項3に記載の画像処理方法は、請求項1また2に記載の画像処理方法において、前記非劣化画素値を用いて、前記画質劣化の有る画素と無い画素との判別を行なうことを特徴としている。
【0026】
前述のように、非劣化画素と劣化画素とを判別する閾値として前記非劣化画素値を用いれば、前記判別を精度よく行なうことができる。したがって、上記の方法により取得された非劣化画素値を前記閾値として用いることにより、前記判別を精度よく行なうことができる。
【0027】
また、請求項4に記載の画像処理方法は、請求項1また2に記載の画像処理方法において、前記可視光画像および前記非可視光画像における互いに対応する画素に関して、前記可視光画像の画素値から前記非可視光画像の画素値を減算して前記非劣化画素値を加算することにより、前記可視光画像において前記画質劣化のある劣化画素に対応する画素の画素値の補正を行なうことを特徴としている。
【0028】
前述のように、前記非劣化画素値を取得できれば、前記可視光画像の補正画素値を正確に算出できる。したがって、上記の方法により取得された非劣化画素値を用いることにより、前記可視光画像の正確な補正画素値を取得することができる。
【0029】
なお、前記非可視光画像は、記録媒体から赤外光を介して取得される赤外画像であり、前記可視光画像は、赤色成分の画像であることが望ましい。また、前記記録媒体は写真フィルムであることが望ましい。
【0030】
また、請求項1ないし6の何れか1項に記載の方法により行なわれる画像処理を、画像処理プログラムによりコンピュータ上で実行させることができる。さらに、前記画像処理プログラムをコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶させることにより、任意のコンピュータ上で前記処理を実行させることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1ないし図6に基づいて説明すれば、以下のとおりである。図2は、本実施形態の画像出力システムの概略構成を示すブロック図である。該画像出力システムは、フィルムスキャナ1と、画像処理装置2と、写真焼付装置3とを備えた構成となっている。
【0032】
フィルムスキャナ1は、例えば、光源からの光を、写真フィルムであるネガフィルムに照射し、その透過光をCCDなどで受光することにより、ネガフィルムに記録された画像を読み取るものである。フィルムスキャナ1は、読み取った画像データを赤色成分、緑色成分、および青色成分ごとに画像処理装置2に出力する。なお、以下では、赤色成分、緑色成分、および青色成分の画像データを、それぞれ「赤画像」、「緑画像」、および「青画像」と称する。
【0033】
さらに、本実施形態では、フィルムスキャナ1は、赤外領域の透過光をCCDなどで受光することにより、ネガフィルムの傷情報を読み取るものである。フィルムスキャナ1は、読み取った傷データを画像処理装置2に出力する。なお、以下では、傷データを「赤外画像」と称する。
【0034】
写真焼付装置3は、画像処理装置2によって処理がなされた画像データに基づいて感光材料である印画紙を露光することにより、印画紙上に画像を焼き付けるものである。デジタル画像データに応じた光を印画紙に照射するヘッドとしては、デジタル画像データに応じて画素ごとに印画紙への照射光を変調できる光変調素子が用いられる。このような光変調素子としては、例えばPLZT露光ヘッド、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)、LCD(液晶表示装置)、LED(Light Emitting Diode)パネル、レーザー、FOCRT(Fiber Optic Cathode Ray Tube)、CRT(Cathode Ray Tube)等が挙げられる。
【0035】
なお、写真焼付装置3は、ネガフィルムのスキャニングと印画紙の露光とを両方行なうことができるオートプリンタとして構成してもよい。この場合、画像出力システムを、画像の読取りから焼付けまでを行なうオートプリンタと、PC(Personal Computer)などによって構成される画像処理装置2とを接続した構成とすることにより、システムの簡素化を図ることができる。
【0036】
画像処理装置2は、フィルムスキャナ1から送られた画像データおよび赤外画像(傷データ)を用いて、傷のある画素か否かを判別し、傷のある画素に対して、傷による影響を除去するように画像データが補正され、補正された画像データを写真焼付装置3に供給するものである。以下、画像処理装置2における補正処理方法について図1および図3に基づいて説明する。
【0037】
まず、図3に示すように、フィルムスキャナ1から赤外画像を取得する(ステップ10、以降、S10と称する)。次に、赤外画像を用いて、傷のない画素の画素値である非劣化画素値CFを決定する(S11)。なお、この決定処理の詳細については後述する。
【0038】
次に、非劣化画素値CFから、赤外画像における各画素の画素値を減算することにより、傷による各画素の画素値の損失分を算出する(S12)。そして、赤画像、緑画像、および青画像のそれぞれに対し、前記損失分を画素ごとに加算することにより、画像データの補正処理が終了し、補正処理された画像データを写真焼付装置3に供給する(S13)。
【0039】
なお、ステップS12・S13では、損失分の算出や加算は、傷があると判断された画素に対してのみ行なうこともできる。なぜなら、傷がないと判断された画素における損失分は、フィルムの傷によるものではなく、ノイズ、CCDカメラの画素ごとの感度、フィルムのむらなどによるものであると考えられるからである。また、補正された画像データに対し、鮮鋭化処理などの他の画像処理を施してから写真焼付装置3に出力することもできる。
【0040】
次に、非劣化画素値CFの決定処理(S11)の詳細について図1に基づいて説明する。本実施形態の回帰分析は、単回帰のモデルを用いて最小二乗法により分析が行なわれるものである。
【0041】
まず、赤外画像における全画素の画素値の平均値である赤外平均値Aveを算出する(S20)。前述のように、傷の多い画像は、赤外平均値Aveが低下することになる。
【0042】
次に、フィルムスキャナ1から赤画像を取得する(S21)。なお、赤画像が、既にフィルムスキャナ1から画像処理装置2に供給され、画像処理装置2の記憶部(図示せず)に記憶されている場合には、該記憶部から赤画像を読み出せばよい。
【0043】
次に、第1の変数X=(赤画像の画素値)−(赤外画像の画素値)+(赤外平均値Ave)と、第2の変数Y=(赤画像の画素値)とを画素ごとに求め(S22)、最小二乗法を用いて、回帰式Y=aX+bの係数a,bを求める(S23)。なお、前記X,Yの定義から、係数a(傾き)がほぼ1であることは明らかである。
【0044】
また、係数b(Y切片)は、赤外平均値Aveが非劣化画素値CFから低下した低下分となる。すなわち、CF=Ave+bである。したがって、赤外平均値Aveおよび係数bから、非劣化画素値CFが決定され(S24)、図3に示すS12に進む。
【0045】
〔実施例〕
次に、上記の非劣化画素値CFを決定する実施例について、図4および図5に基づいて説明する。図4は、本実施例で使用される赤外画像を示している。図中の黒い部分がフィルムに付いた傷やほこりである。
【0046】
図4に示す赤外画像に対して、図1に示すステップS20〜S23を行なうことにより回帰式Y=aX+bが求められる。この回帰式を図5に示す。同図において、横軸がX軸であり、縦軸がY軸である。横軸および縦軸の数値は、12ビット(0〜4095)の画素値の自然対数をとったものである。また、図中の黒点は、画素ごとの(X,Y)をプロットしたものであり、白抜きの直線は、回帰式Y=aX+bを表わしている。
【0047】
図5を参照すると、回帰式Y=aX+bの直線は、Y=Xの直線とほぼ平行であることが理解できる。すなわち、傾きaは、ほぼ1である。また、回帰式Y=aX+bの直線は、Y=Xの直線よりも上方にあることが理解できる。これは、傷の影響により、赤外平均値Aveが低下していることを示している。すなわち、赤外平均値Aveに低下分b(Y切片)を加算することにより非劣化画素値CFを求めることができる。
【0048】
本実施例では、赤外平均値Aveが200であるのに対し、非劣化画素値CFが209であった。したがって、傷により赤外平均値Aveが低下するから、本発明により得られる非劣化画素値CFを利用することにより、劣化画素と非劣化画素とを精度よく判別することができる。
【0049】
なお、図5を参照すると、Y<Xを満たす領域に幾つかの黒点が存在する。これらの黒点は、X,Yの定義式から、(赤外画像の画素値)<(赤外平均値Ave)を満たすものであり、すなわち、傷により画素値が低下した画素を示している。これらの黒点も回帰分析の対象であるから、回帰式は、傷のある画素によりY切片bが低下することになる。
【0050】
この問題点を回避するには、図6に示すように、Y≧Xを満たす画素、すなわち、傷のない画素のみを回帰分析の対象とすればよい。これにより、非劣化画素値CFをさらに精度よく求めることができ、その結果、傷のある劣化画素の画素値の補正をさらに精度よく行なうことができる。また、回帰分析の処理を行なう画素数を減らすことができるから、処理を高速化することができる。
【0051】
また、赤外画像において画素値が5.7(対数値)より低い画素は、明らかに傷のある画素と考えられるので、これらの画素を回帰分析の対象から外してもよい。また、非劣化画素値CFは、通常は7.5(対数値)以上であるから、赤外画像において画素値が7.5以上である画素のみを回帰分析の対象としてもよい。これにより、前述と同様の効果を得ることができる。
【0052】
また、回帰分析により取得された非劣化画素値CFを赤外平均値Aveとして、再度回帰分析を行なってもよい。これにより、非劣化画素値CFをさらに精度よく求めることができる。
【0053】
なお、本実施形態では、傷の検出のために赤外光を用いている。しかしながら、フィルムに記憶された画像は、基本的には、可視光の波長領域でのみ発色するものであるから、傷の検出には、フィルムに記憶された画像により変調されることなく透過する光であれば、任意の波長域の光を使用することができる。
【0054】
また、本実施形態では、赤外画像と赤画像とを回帰分析に利用しているが、これは、波長領域が隣り合うことにより、傷による影響の程度が近いと考えられるからである。したがって、他の可視光画像である緑画像および青画像でも、傷による影響の程度が赤外画像と近い場合には、赤外画像と共に回帰分析に利用することができる。
【0055】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載の画像処理方法は、記録媒体から非可視光を介して取得され、かつ前記記録媒体に付いた傷やごみによる画質劣化の情報を含む非可視光画像において、前記画質劣化の無い画素の画素値である非劣化画素値を取得する画像処理方法において、記録媒体から可視光を介して取得される可視光画像と、前記非可視光画像とにおける互いに対応する画素に関して、前記可視光画像の画素値から前記非可視光画像の画素値を減算して前記非可視光画像の平均画素値を加算した第1の変数と、前記可視光画像の画素値である第2の変数とを用いて回帰分析を行なうことにより非劣化画素値を取得する方法である。
【0056】
これにより、ノイズなどによる画素値の変動に対して安定的な非劣化画素値を取得できるという効果を奏する。
【0057】
また、請求項2に記載の画像処理方法は、以上のように、請求項1に記載の画像処理方法において、第1の変数が第2の変数以下である画素のみを回帰分析の対象とする方法である。
【0058】
これにより、傷のある画素を回帰分析の対象から排除できるから、前記非劣化画素値の精度を向上できるという効果を奏する。
【0059】
また、請求項3に記載の画像処理方法は、以上のように、請求項1また2に記載の画像処理方法において、前記非劣化画素値を用いて、前記画質劣化の有る画素と無い画素との判別を行なう方法である。
【0060】
これにより、非劣化画素と劣化画素との判別を精度よく行なうことができるという効果を奏する。
【0061】
また、請求項4に記載の画像処理方法は、以上のように、請求項1また2に記載の画像処理方法において、前記可視光画像および前記非可視光画像における互いに対応する画素に関して、前記可視光画像の画素値から前記非可視光画像の画素値を減算して前記非劣化画素値を加算することにより、前記可視光画像において前記画質劣化のある劣化画素に対応する画素の画素値の補正を行なう方法である。
【0062】
これにより、前記可視光画像の正確な補正画素値を取得できるという効果を奏する。
【0063】
なお、前記非可視光画像は、記録媒体から赤外光を介して取得される赤外画像であり、前記可視光画像は、赤色成分の画像であることが望ましい。また、前記記録媒体は写真フィルムであることが望ましい。
【0064】
なお、請求項1ないし6の何れか1項に記載の方法により行なわれる画像処理を、画像処理プログラムによりコンピュータ上で実行させることができる。さらに、前記画像処理プログラムをコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶させることにより、任意のコンピュータ上で前記処理を実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態における非劣化画素値の決定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図2】本実施形態における画像出力システムの概略構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態における劣化画素の補正処理の概要を示すフローチャートである。
【図4】本実施例にて使用される赤外画像を示す図である。
【図5】図4に示す赤外画像から回帰分析を行なうことにより得られるグラフである。
【図6】傷のある画素を除外して回帰分析を行なうことにより得られるグラフである。
【図7】同図(a)は、フィルムの傷が少ない場合の赤外画像を示す模式図であり、同図(b)は、該赤外画像における画素値の度数分布を示すグラフである。
【図8】同図(a)は、フィルムの傷が多い場合の赤外画像を示す模式図であり、同図(b)は、該赤外画像における画素値の度数分布を示すグラフである。
【符号の説明】
1 フィルムスキャナ
2 画像処理装置
3 写真焼付装置
CF 非劣化画素値
Ave 赤外平均値

Claims (8)

  1. 記録媒体から非可視光を介して取得され、かつ前記記録媒体に付いた傷やごみによる画質劣化の情報を含む非可視光画像において、前記画質劣化の無い画素の画素値である非劣化画素値を取得する画像処理方法において、
    記録媒体から可視光を介して取得される可視光画像と、前記非可視光画像とにおける互いに対応する画素に関して、前記可視光画像の画素値から前記非可視光画像の画素値を減算して前記非可視光画像の平均画素値を加算した第1の変数と、前記可視光画像の画素値である第2の変数とを用いて回帰分析を行なうことにより非劣化画素値を取得することを特徴とする画像処理方法。
  2. 第1の変数が第2の変数以下である画素のみを回帰分析の対象とすることを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
  3. 前記非劣化画素値を用いて、前記画質劣化の有る画素と無い画素との判別を行なうことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理方法。
  4. 前記可視光画像および前記非可視光画像における互いに対応する画素に関して、前記可視光画像の画素値から前記非可視光画像の画素値を減算して前記非劣化画素値を加算することにより、前記可視光画像において前記画質劣化のある劣化画素に対応する画素の画素値の補正を行なうことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理方法。
  5. 前記非可視光画像は、記録媒体から赤外光を介して取得される赤外画像であり、前記可視光画像は、赤色成分の画像であることを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の画像処理方法。
  6. 前記記録媒体は写真用フィルムである請求項1ないし5の何れか1項に記載の画像処理方法。
  7. 請求項1ないし6の何れか1項に記載の方法における画像処理をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
  8. 請求項7に記載の画像処理プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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