JP3280346B2 - 画像処理方法および画像処理プログラムを記録した記録媒体ならびに画像処理装置 - Google Patents

画像処理方法および画像処理プログラムを記録した記録媒体ならびに画像処理装置

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JP3280346B2
JP3280346B2 JP16683899A JP16683899A JP3280346B2 JP 3280346 B2 JP3280346 B2 JP 3280346B2 JP 16683899 A JP16683899 A JP 16683899A JP 16683899 A JP16683899 A JP 16683899A JP 3280346 B2 JP3280346 B2 JP 3280346B2
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智 垣
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル画像デー
タに対して、その画像の品質の向上および回復を行うた
めの画像処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ネガフィルムに記録された画像を
印画紙に焼き付ける写真焼付装置として、光源からの光
をネガフィルムに直接照射し、その透過光によって印画
紙を露光するアナログプリンタや、ネガフィルムに記録
された画像をスキャナ等で一旦読み取り、得られた画像
データに基づき、光変調素子などを用いて印画紙を露光
するデジタルプリンタなどが種々提案されている。
【0003】特に、デジタルプリンタは、画像データに
対して色補正や濃度補正、階調変換等の画像処理を行う
画像処理装置と組み合わせて用いることで、アナログプ
リンタでは実現できないような色補正、濃度補正、階調
変換等を行うことが可能となっている。したがって、デ
ジタルプリンタは、上記の画像処理装置と共に用いるこ
とによって、顧客の要望に応じた画像を容易にかつ迅速
に提供することができるという利点を有している。
【0004】上記のデジタルプリンタにおいて、入力さ
れた画像データには、種々のノイズが混入している場合
がある。このノイズは、例えばネガフィルム上に形成さ
れていた傷、スキャニングの際にネガフィルム上に混入
したほこり、スキャナの読み取り欠陥、データ伝送時の
雑音の混入などを原因として生じるものである。このよ
うなノイズが画像データに混入していると、プリント画
像においても、非常に目立つ欠陥が生じることとなり、
画像の品質を著しく低下させるものとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】フィルムなどの画像記
憶媒体に生じた傷を検出する方法としては、例えば特許
番号第2559970号公報などに開示されている方法
がある。この方法は、傷が生じている画像記憶媒体に赤
外線を照射させて、傷に対応する赤外線エネルギー分布
を画像記憶媒体上の位置に応じて検出するものである。
【0006】しかしながら、上記の方法の場合、検出可
能な欠陥としては、フィルム上に生じた傷などの欠陥の
みとなっている。すなわち、この方法をデジタルプリン
タに適用した場合、前記したような、スキャニングの際
にネガフィルム上に混入したほこり、スキャナの読み取
り欠陥、データ伝送時の雑音の混入などを原因として生
じるノイズを検出することは勿論不可能である。
【0007】また、上記のように、画像データに生じて
いるノイズを補正する方法としては、入力された画像に
対して、平滑化処理と呼ばれる画像処理を施す方法があ
る。この平滑化処理としては、局所オペレータによる手
法、弛緩法を利用する方法、周波数領域での処理などが
挙げられる。
【0008】局所オペレータによる手法とは、入力され
た画像を複数の小さな領域に分割し、ノイズの状態に応
じて各領域毎に移動平均フィルタやメディアンフィルタ
などによって平滑化処理を行う方法である。しかしなが
ら、各領域毎に行われた平滑化処理は、結局は画像全体
に対して行われることになるので、ノイズだけではな
く、重要な濃度変化パターンまで滑らかにしてしまい、
ぼけた画像になってしまうという問題がある。
【0009】また、上記の弛緩法とは、数値解析手法の
1つである緩和法を画像処理に拡張したものである。な
お、緩和法とは、連立方程式の数値解法の1つであり、
近似解を与えた後に反復計算によって真の解に収束させ
る解法である。
【0010】弛緩法を用いた平滑化処理は、次のような
手順で行われる。まず、濃度レベルがλである画素の出
現確率を全ての濃度レベルについて近似解を与える。次
に、局所的に隣接する画素との関係を調べ、与えられた
閾値をもとに画素間濃度レベルの適合度を判定し、矛盾
が少なくなるように濃度レベルの確率を修正する。この
処理を画像全体に施し、反復計算により最終的に最大の
確率値を示す濃淡レベルを画素に与えることにより修正
を行う。
【0011】この弛緩法による平滑化処理は、上記のよ
うに、複雑な計算を画像全体に対して反復して行うこと
になるので、処理時間の増大、もしくは、高性能な演算
装置を用いることによるコストの増大などを招くことに
なる。
【0012】また、上記の周波数領域での平滑化処理と
は、DCT(Discrete Cosine Transform) などの直交変
換によって画像データを各周波数領域に分割し、画像の
平滑化を周波数領域の低域フィルタを用いて行うもので
ある。具体的には、直交変換による基底画像において、
原点を中心とする半径R以内の成分を完全に保存すると
ともに、その他の成分を除去することによって、画像の
平滑化を行う。この処理においても、画像全体に対して
平滑化処理が行われることになり、重要な濃度変化パタ
ーンをも平滑化してしまうという問題がある。
【0013】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、デジタル化された画像デ
ータにおいて発生している種々のノイズを効率的かつ的
確に検出し、また、このノイズを適切に補正することの
できる画像処理方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1記載の画像処理方法は、画像データにお
ける各画素を注目画素として設定する第1のステップ
と、上記注目画素の周辺にある複数の画素からなる領域
をフィルタとして設定する第2のステップと、上記フィ
ルタ内の画素における輝度値の集合の代表値と、上記注
目画素の輝度値との差の絶対値が、所定の閾値以上であ
るという条件の正否を判断する第3のステップと、上記
フィルタ内において所定の複数の位置にある各画素同士
の輝度値の差の絶対値が、所定の閾値以内であるという
条件の正否を判断する第4のステップと、3原色のそれ
ぞれの色成分において、上記注目画素の輝度値と、上記
フィルタ内において所定の1つ以上の位置にある画素の
輝度値の平均との比が、所定の範囲内となっているとい
う条件の正否を判断する第5のステップとを有し、上記
第3第4、および第5のステップにおいて、すべて
と判断された画素をノイズの影響を受けた画素として検
出することを特徴としている。
【0015】上記の方法によれば、第3のステップにお
いて、フィルタ内の画素における輝度値の集合の代表値
と、注目画素の輝度値との差の絶対値が、所定の閾値以
上であるという条件によって、周辺画素の輝度値と大き
く異なる輝度値を有する画素を、ノイズの影響を受けた
画素の候補として検出することになる。そして、第4の
ステップにおいて、フィルタ内において所定の複数の位
置にある各画素同士の輝度値の差の絶対値が、所定の閾
値以内であるという条件によって、元の画像自体におい
て輝度値の差が少ない領域であると判断された場合に、
ステップ3において候補として挙げられた画素をノイズ
の影響を受けた画素として判断することになる。すなわ
ち、元の画像自体が輝度値の差の激しい領域ならば、第
3のステップにおいて候補として挙げられた画素を、ノ
イズの影響を受けた画素としては判断しないことにな
る。これにより、輝度値の差が激しい画像領域におい
て、ノイズの影響を受けていない画素を、誤ってノイズ
の影響を受けている画素として検出することがなくな
る。したがって、精度の高いノイズの検出を行うことが
できる。
【0016】なお、上記第4のステップにおける条件に
よって、元の画像自体において輝度値の差が少ない領域
であると判断できる理由は以下のとおりである。この条
件では、輝度値の差を求めるための複数の画素を、フィ
ルタ内の所定の複数の位置に設定している。例えば、こ
の所定の複数の位置を、フィルタの周辺部近傍で、か
つ、フィルタ内において互いに所定量離れた位置となる
ように設定することによって、元の画像自体におけるフ
ィルタ領域内の輝度値変化を的確に把握することが可能
となる。これに対して、例えば、輝度値の差を求めるた
めの複数の画素を、フィルタ内の任意の位置に設定する
とした場合には、的確に元の画像自体におけるフィルタ
領域内の輝度値変化を把握することはできない。これ
は、例えば、輝度値の差を求めるための複数の画素を、
全てフィルタ領域内の偏った局所領域に設定してしまっ
た場合には、その局所領域以外での輝度値変化を認識す
ることができなくなるからである。
【0017】また、第5のステップとして、3原色のそ
れぞれの色成分において、上記注目画素の輝度値と、上
記フィルタ内において所定の1つ以上の位置にある画素
の輝度値の平均との比が、所定の範囲内となっていると
いう条件が加わるので、元の画像が記録されたフィルム
上に生じていた傷と、元の画像における被写体との判別
をより的確に行うことができる。したがって、ノイズの
検出精度をさらに高めることができる。
【0018】請求項2記載の画像処理方法は、請求項1
記載の方法において、上記フィルタが、上記注目画素を
含む直線上にある複数の画素からなる領域であり、上記
第4のステップにおいて、上記フィルタ内における両端
近傍の複数の位置にある各画素同士の輝度値の差の絶対
値が所定の閾値以内であるという条件の正否が判断され
ることを特徴としている。
【0019】上記の方法によれば、フィルタが、上記注
目画素を含む直線上にある複数の画素からなる領域から
なっているので、この直線の方向とは異なる方向に生じ
た線状のノイズを的確に検出することができる。また、
上記第4のステップにおける条件が、フィルタ内におけ
る両端近傍の複数の位置にある各画素同士の輝度値の差
の絶対値が所定の閾値以内であるという条件となるの
で、例えば、元の画像に細い縞模様がある場合でも、こ
れをノイズとして検出しまうことを低減することができ
る。すなわち、ノイズの検出精度を高めることが可能と
なる。
【0020】請求項記載の画像処理方法は、画像デー
タにおける各画素を注目画素として設定する第1のステ
ップと、上記注目画素を含む直線上にある複数の画素か
らなる領域をフィルタとして設定するとともに、その長
手方向が互いに異なるような複数のフィルタを設定する
第2のステップと、上記注目画素の輝度値が所定の閾値
以上あるいは所定の閾値以下であるという条件の正否を
判断する第3のステップと、上記各フィルタ内の画素に
おける輝度値の集合の代表値と、上記注目画素の輝度値
との差の絶対値が、所定の閾値以上であるという条件の
正否を判断する第4のステップとを有し、上記第3およ
び第4のステップにおいて、ともに正と判断された画素
をノイズの影響を受けた画素として検出することを特徴
としている。
【0021】上記の方法によれば、注目画素の輝度値が
所定の閾値以上あるいは所定の閾値以下であるという条
件によって、輝度値が極端に大きいあるいは小さい画素
を、ノイズの影響を受けた画素の候補として検出し、フ
ィルタ内の画素における輝度値の集合の代表値と、注目
画素の輝度値との差の絶対値が、所定の閾値以上である
という条件によって、注目画素の周辺画素も、注目画素
と同様の輝度値となっている場合に、候補として挙げら
れた画素をノイズの影響を受けた画素としては判断しな
いことになる。これにより、画像のある領域において、
周辺と急激に明るさが異なっており、かつ、その輝度値
が極端に大きいあるいは小さい微小領域をノイズとして
検出することができる。
【0022】また、上記フィルタは、その方向が互いに
異なる複数の直線状フィルタとなっているので、例え
ば、元の画像において、輝度が比較的大きく、かつ周辺
部分との輝度差が大きい細い幅からなる線状の画像があ
った場合に、この画像にふくまれる画素は、その線の方
向に近い方向のフィルタによって、ノイズの影響を受け
た画素として検出されなくなる。すなわち、上記の方法
によれば、粒状の微小領域に生じたノイズを的確に検出
することが可能となる。
【0023】また、上記のように、入力された画像デー
タに基づいてノイズの影響を受けている画素の検出を行
うので、フィルム上に生じている傷によるノイズのみな
らず、スキャニングの際にネガフィルム上に混入したほ
こり、スキャナの読み取り欠陥、データ伝送時の雑音の
混入などを原因として生じるノイズなども検出すること
ができる。
【0024】請求項記載の画像処理方法は、請求項1
ないしのいずれかに記載の方法において、ノイズの影
響を受けた画素として検出された画素の輝度値を、上記
フィルタ内の画素における輝度値の集合の代表値に置き
換える第1の補正をさらに行うことを特徴としている。
【0025】上記の方法によれば、ノイズの影響を受け
た画素として検出された画素の輝度値を、上記フィルタ
内の画素における輝度値の集合の代表値に置き換えるの
で、ノイズの影響を受けた画素として検出された画素の
輝度値と周辺の画素との差を小さくすることが可能とな
り、該画素を目立たなくすることができる。
【0026】請求項記載の画像処理方法は、請求項1
ないしのいずれかに記載の方法において、ノイズの影
響を受けた画素として検出された画素の位置を中心とす
る所定領域内の各画素に、平滑化フィルタを施す第2の
補正をさらに行うことを特徴としている。
【0027】上記の方法によれば、ノイズの影響を受け
た画素として検出された画素の位置を中心とする所定領
域内の各画素に平滑化フィルタを施すので、ノイズの影
響を受けた画素として検出された画素およびその周辺の
画素が平滑化され、この領域に対するノイズの影響を目
立たなくすることができる。
【0028】請求項6記載の画像処理プログラムを記録
した記録媒体は、画像データにおける各画素を注目画素
として設定する第1の処理、上記注目画素の周辺にある
複数の画素からなる領域をフィルタとして設定する第2
の処理、上記フィルタ内の画素における輝度値の集合の
代表値と、上記注目画素の輝度値との差の絶対値が、所
定の閾値以上であるという条件の正否を判断する第3の
処理、上記フィルタ内において所定の複数の位置にある
各画素同士の輝度値の差の絶対値が、所定の閾値以内で
あるという条件の正否を判断する第4の処理、3原色の
それぞれの色成分において、上記注目画素の輝度値と、
上記フィルタ内において所定の1つ以上の位置にある画
素の輝度値の平均との比が、所定の範囲内となっている
という条件の正否を判断する第5の処理、ならびに、上
記第3第4、および第5の処理において、すべて正と
判断された画素をノイズの影響を受けた画素として検出
する処理をコンピュータに実行させることを特徴として
いる。
【0029】上記の構成によれば、フィルタ内の画素に
おける輝度値の集合の代表値と、注目画素の輝度値との
差の絶対値が、所定の閾値以上であるという条件によっ
て、周辺画素の輝度値と大きく異なる輝度値を有する画
素を、ノイズの影響を受けた画素の候補として検出し、
フィルタ内において所定の複数の位置にある各画素同士
の輝度値の差の絶対値が、所定の閾値以内であるという
条件によって、元の画像自体において輝度値の差が激し
い領域ならば、候補として挙げられた画素をノイズの影
響を受けた画素としては判断しないことになる。すなわ
ち、元の画像自体において輝度値の差が激しい領域にお
いて、ノイズの影響を受けていない画素を、誤ってノイ
ズの影響を受けている画素として検出することがなくな
る。よって、精度の高いノイズの検出をコンピュータに
実行させることができる。
【0030】また、第5の処理として、3原色のそれぞ
れの色成分において、上記注目画素の輝度値と、上記フ
ィルタ内において所定の1つ以上の位置にある画素の輝
度値の平均との比が、所定の範囲内となっているという
条件が加わるので、元の画像が記録されたフィルム上に
生じていた傷と、元の画像における被写体との判別をよ
り的確に行うことができる。したがって、ノイズの検出
精度をさらに高めることができる。
【0031】請求項記載の画像処理プログラムを記録
した記録媒体は、請求項記載の構成において、上記フ
ィルタが、上記注目画素を含む直線上にある複数の画素
からなる領域であり、上記第4の処理において、上記フ
ィルタ内における両端近傍の複数の位置にある各画素同
士の輝度値の差の絶対値が所定の閾値以内であるという
条件の正否が判断されることを特徴としている。
【0032】上記の構成によれば、フィルタが、上記注
目画素を含む直線上にある複数の画素からなる領域から
なっているので、この直線の方向とは異なる方向に生じ
た線状のノイズを的確に検出することができる。また、
上記第4の処理における条件が、フィルタ内における両
端近傍の複数の位置にある各画素同士の輝度値の差の絶
対値が所定の閾値以内であるという条件となるので、例
えば、元の画像に細い縞模様がある場合でも、これをノ
イズとして検出しまうことを低減することができる。す
なわち、ノイズの検出精度を高めることが可能となる。
【0033】請求項記載の画像処理プログラムを記録
した記録媒体は、画像データにおける各画素を注目画素
として設定する第1の処理、上記注目画素を含む直線上
にある複数の画素からなる領域をフィルタとして設定す
るとともに、その長手方向が互いに異なるような複数の
フィルタを設定する第2の処理、上記注目画素の輝度値
が所定の閾値以上あるいは所定の閾値以下であるという
条件の正否を判断する第3の処理、上記各フィルタ内の
画素における輝度値の集合の代表値と、上記注目画素の
輝度値との差の絶対値が、所定の閾値以上であるという
条件の正否を判断する第4の処理、ならびに、上記第3
および第4の処理において、ともに正と判断された画素
をノイズの影響を受けた画素として検出する処理をコン
ピュータに実行させることを特徴としている。
【0034】上記の構成によれば、注目画素の輝度値が
所定の閾値以上あるいは所定の閾値以下であるという条
件によって、輝度値が極端に大きいあるいは小さい画素
を、ノイズの影響を受けた画素の候補として検出し、フ
ィルタ内の画素における輝度値の集合の代表値と、注目
画素の輝度値との差の絶対値が、所定の閾値以上である
という条件によって、注目画素の周辺画素も、注目画素
と同様の輝度値となっている場合に、候補として挙げら
れた画素をノイズの影響を受けた画素としては判断しな
いことになる。これにより、画像のある領域において、
周辺と急激に明るさが異なっており、かつ、その輝度値
が極端に大きいあるいは小さい微小領域をノイズとして
検出することができる。
【0035】また、上記フィルタは、その方向が互いに
異なる複数の直線状フィルタとなっているので、例え
ば、元の画像において、輝度が比較的大きく、かつ周辺
部分との輝度差が大きい細い幅からなる線状の画像があ
った場合に、この画像にふくまれる画素は、その線の方
向に近い方向のフィルタによって、ノイズの影響を受け
た画素として検出されなくなる。すなわち、上記の構成
によれば、粒状の微小領域に生じたノイズを的確にコン
ピュータに検出させることが可能となる。
【0036】また、上記のように、入力された画像デー
タに基づいてノイズの影響を受けている画素の検出を行
うので、フィルム上に生じている傷によるノイズのみな
らず、スキャニングの際にネガフィルム上に混入したほ
こり、スキャナの読み取り欠陥、データ伝送時の雑音の
混入などを原因として生じるノイズなども検出すること
ができる。
【0037】請求項記載の画像処理プログラムを記録
した記録媒体は、請求項ないしのいずれかに記載の
構成において、ノイズの影響を受けた画素として検出さ
れた画素の輝度値を、上記フィルタ内の画素における輝
度値の集合の代表値に置き換える第1の補正処理をさら
にコンピュータに実行させることを特徴としている。
【0038】上記の構成によれば、ノイズの影響を受け
た画素として検出された画素の輝度値を、上記フィルタ
内の画素における輝度値の集合の代表値に置き換えるの
で、ノイズの影響を受けた画素として検出された画素の
輝度値と周辺の画素との差を小さくすることが可能とな
り、該画素を目立たなくすることができる。
【0039】請求項10記載の画像処理プログラムを記
録した記録媒体は、請求項ないしのいずれかに記載
の構成において、ノイズの影響を受けた画素として検出
された画素の位置を中心とする所定領域内の各画素に、
平滑化フィルタを施す第2の補正処理をさらにコンピュ
ータに実行させることを特徴としている。
【0040】上記の構成によれば、ノイズの影響を受け
た画素として検出された画素の位置を中心とする所定領
域内の各画素に平滑化フィルタを施すので、ノイズの影
響を受けた画素として検出された画素およびその周辺の
画素が平滑化され、この領域に対するノイズの影響を目
立たなくすることができる。
【0041】請求項11記載の画像処理装置は、入力さ
れた画像データの中から、ノイズの影響を受けている画
素を検出するノイズ検出手段と、上記ノイズ検出手段に
よって検出された、ノイズの影響を受けている画素に対
してのみ、平滑化処理を施す補正手段とを備えており、
上記ノイズ検出手段が、注目画素を含む直線上にある複
数の画素からなる領域をフィルタとして設定し、上記フ
ィルタ内の画素における輝度値の集合の代表値と、上記
注目画素の輝度値との差の絶対値が、所定の閾値以上で
あるという第1の条件と、上記フィルタ内における両端
近傍の複数の位置にある各画素同士の輝度値の差の絶対
値が所定の閾値以内であるという第2の条件と、3原色
のそれぞれの色成分において、上記注目画素の輝度値
と、上記フィルタ内において所定の1つ以上の位置にあ
る画素の輝度値の平均との比が、所定の範囲内となって
いるという第3の条件とを全て満たす場合に、上記注目
画素をノイズの影響を受けた画素として検出することを
特徴としている。
【0042】上記の構成によれば、ノイズ検出手段によ
って、ノイズの影響を受けている画素として検出された
画素に対してのみ、補正手段によって平滑化処理が行わ
れるので、ノイズの影響を受けていない領域に対する平
滑化処理による画像のぼけなどの副作用を抑えることが
できる。
【0043】また、フィルタ内の画素における輝度値の
集合の代表値と、注目画素の輝度値との差の絶対値が、
所定の閾値以上であるという条件によって、周辺画素の
輝度値と大きく異なる輝度値を有する画素を、ノイズの
影響を受けた画素の候補として検出し、フィルタ内にお
いて所定の複数の位置にある各画素同士の輝度値の差の
絶対値が、所定の閾値以内であるという条件によって、
元の画像自体において輝度値の差が激しい領域ならば、
候補として挙げられた画素をノイズの影響を受けた画素
としては判断しないことになる。すなわち、元の画像自
体において輝度値の差が激しい領域において、ノイズの
影響を受けていない画素を、誤ってノイズの影響を受け
ている画素として検出することがなくなる。よって、精
度の高いノイズの検出を行うことができる。
【0044】また、フィルタが、上記注目画素を含む直
線上にある複数の画素からなる領域からなっているの
で、この直線の方向とは異なる方向に生じた線状のノイ
ズを的確に検出することができる。また、上記第2の条
件が、フィルタ内における両端近傍の複数の位置にある
各画素同士の輝度値の差の絶対値が所定の閾値以内であ
るという条件となるので、例えば、元の画像に細い縞模
様がある場合でも、これをノイズとして検出しまうこと
を低減することができる。すなわち、ノイズの検出精度
を高めることが可能となる。
【0045】また、第3の条件として、3原色のそれぞ
れの色成分において、上記注目画素の輝度値と、上記フ
ィルタ内において所定の1つ以上の位置にある画素の輝
度値の平均との比が、所定の範囲内となっているという
条件が加わるので、元の画像が記録されたフィルム上に
生じていた傷と、元の画像における被写体との判別をよ
り的確に行うことができる。したがって、ノイズの検出
精度をさらに高めることができる。
【0046】請求項12記載の画像処理装置は、入力さ
れた画像データの中から、ノイズの影響を受けている画
素を検出するノイズ検出手段と、上記ノイズ検出手段に
よって検出された、ノイズの影響を受けている画素に対
してのみ、平滑化処理を施す 補正手段とを備えており、
上記ノイズ検出手段が、注目画素を含む直線上にある複
数の画素からなる領域をフィルタとして設定するととも
に、その長手方向が互いに異なるような複数のフィルタ
を設定し、上記注目画素の輝度値が所定の閾値以上ある
いは所定の閾値以下であるという条件と、上記各フィル
タ内の画素における輝度値の集合の代表値と、上記注目
画素の輝度値との差の絶対値が、所定の閾値以上である
という条件とをともに満たす場合に、上記注目画素をノ
イズの影響を受けた画素として検出することを特徴とし
ている。
【0047】上記の構成によれば、注目画素の輝度値が
所定の閾値以上あるいは所定の閾値以下であるという条
件によって、輝度値が極端に大きいあるいは小さい画素
を、ノイズの影響を受けた画素の候補として検出し、フ
ィルタ内の画素における輝度値の集合の代表値と、注目
画素の輝度値との差の絶対値が、所定の閾値以上である
という条件によって、注目画素の周辺画素も、注目画素
と同様の輝度値となっている場合に、候補として挙げら
れた画素をノイズの影響を受けた画素としては判断しな
いことになる。これにより、画像のある領域において、
周辺と急激に明るさが異なっており、かつ、その輝度値
が極端に大きいあるいは小さい微小領域をノイズとして
検出することができる。
【0048】また、上記フィルタは、その方向が互いに
異なる複数の直線状フィルタとなっているので、例え
ば、元の画像において、輝度が比較的大きく、かつ周辺
部分との輝度差が大きい細い幅からなる線状の画像があ
った場合に、この画像にふくまれる画素は、その線の方
向に近い方向のフィルタによって、ノイズの影響を受け
た画素として検出されなくなる。すなわち、上記の方法
によれば、粒状の微小領域に生じたノイズを的確に検出
することが可能となる。
【0049】また、上記のように、入力された画像デー
タに基づいてノイズの影響を受けている画素の検出を行
うので、フィルム上に生じている傷によるノイズのみな
らず、スキャニングの際にネガフィルム上に混入したほ
こり、スキャナの読み取り欠陥、データ伝送時の雑音の
混入などを原因として生じるノイズなども検出すること
ができる。
【0050】請求項13記載の画像処理装置は、請求項
11または12記載の構成において、上記補正手段が、
ノイズの影響を受けた画素として検出された画素の輝度
値を、上記フィルタ内の画素における輝度値の集合の代
表値に置き換える補正を行うことを特徴としている。
【0051】上記の構成によれば、ノイズの影響を受け
た画素として検出された画素の輝度値を、上記フィルタ
内の画素における輝度値の集合の代表値に置き換えるの
で、ノイズの影響を受けた画素として検出された画素の
輝度値と周辺の画素との差を小さくすることが可能とな
り、該画素を目立たなくすることができる。
【0052】請求項14記載の画像処理装置は、請求項
11ないし13のいずれかに記載の構成において、ノイ
ズの影響を受けた画素として検出された画素の位置を中
心とする所定領域内の各画素に、平滑化フィルタを施す
補正を行うことを特徴としている。
【0053】上記の構成によれば、ノイズの影響を受け
た画素として検出された画素の位置を中心とする所定領
域内の各画素に平滑化フィルタを施すので、ノイズの影
響を受けた画素として検出された画素およびその周辺の
画素が平滑化され、この領域に対するノイズの影響を目
立たなくすることができる。
【0054】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1ないし図10に基づいて説明すれば、以下のとおりで
ある。
【0055】図2は、本発明の実施の形態に係る写真処
理装置の概略構成を示すブロック図である。上記写真処
理装置は、フィルムスキャナ1と、画像処理装置2と、
写真焼付装置3とで構成されている。
【0056】フィルムスキャナ1は、例えば、光源から
の光を、写真フィルムであるネガフィルムに照射し、そ
の透過光をCCD(Charge Coupled Device )等で受光
することにより、ネガフィルムに記録された画像を読み
取るものである。このフィルムスキャナ1は、読み取っ
た画像データを赤色成分(R)、緑色成分(G)、青色
成分(B)ごとに画像処理装置2に出力する。
【0057】写真焼付装置3は、画像処理装置2によっ
て処理がなされた画像データに基づいて感光材料である
印画紙を露光することにより、印画紙上に画像を焼き付
けるものである。デジタル画像データに応じた光を印画
紙に照射するヘッドとしては、デジタル画像データに応
じて各画素毎に印画紙への照射光を変調可能な光変調素
子が用いられる。この光変調素子としては、例えばPL
ZT露光ヘッド、DMD(デジタル・マイクロミラー・
デバイス)、LCD(液晶表示装置)、LED(Light E
mitting Diode)パネル、レーザー、FOCRT(Fiber
Optic CathodeRay Tube)、CRT(Cathode Ray Tube)
等が挙げられる。
【0058】なお、写真焼付装置3は、ネガフィルムの
スキャニングと印画紙の露光とを両方行うことができる
オートプリンタとして構成してもよい。この場合、写真
処理装置を、画像の読み取りから焼付までを行うオート
プリンタと、PC(PersonalComputer) などによって構
成される画像処理装置2とを接続した構成とすることに
より、システムの簡素化を図ることができる。
【0059】画像処理装置2は、フィルムスキャナ1か
ら送られた画像データからノイズが発生している箇所を
検出し、そのノイズを補正した画像データを写真焼付装
置3に供給するものである。該画像処理装置2は、図2
に示すように、LUT(look-up table) 4、ノイズ検出
部5、一次補正処理部6、一次補正済画像記憶部7、ノ
イズ位置記憶部8、および二次補正処理部9を備えた構
成となっている。
【0060】LUT4は、フィルムスキャナ1から送ら
れる画像データに対して色変換、濃度変換を行うもので
ある。なお、上記の色変換は、画像データに含まれるネ
ガフィルム自身の色による影響を除去する処理を示して
おり、上記の濃度変換は、画像全体の明るさを適正とな
るように変える処理を示している。ネガフィルム自身の
色やその透過率は、そのネガフィルムのメーカーによっ
て異なり、また、同じメーカーでもフィルムの種類によ
って異なるものとなっている。LUT4は、フィルムの
種類のそれぞれに対して、適正な色変換、濃度変換を行
うためのデータが記憶されている。したがって、フィル
ムスキャナ1においてフィルムの種類を検出し、この検
出結果に基づいてLUT4にて上記各変換を行うことに
より、ネガフィルム自身の色や透過率による画像データ
への影響を、各ネガフィルムの種類ごとに的確に取り除
くことができる。
【0061】ノイズ検出部5は、入力された画像データ
に対して、各画素ごとに所定のフィルタを適用し、この
フィルタ内の各画素データに基づいて、所定の条件を満
たす画素をノイズの影響を受けている画素として検出す
るものである。ノイズの影響を受けている画素の検出方
法の詳細については後述する。
【0062】一次補正処理部6は、ノイズ検出部5にお
いて、ノイズの影響を受けていると判断された画素の画
素データを所定の条件で補正するものである。一次補正
処理部6において行われる画素データの補正を一次補正
と呼ぶことにする。この一次補正の詳細については後述
する。
【0063】一次補正済画像記憶部7は、一次補正処理
部6において一次補正が行われた画像データを一時的に
記憶するものである。また、ノイズ位置記憶部8は、ノ
イズ検出部5においてノイズの影響を受けていると判断
された画素の位置を一時的に記憶するものである。
【0064】二次補正処理部9は、ノイズ位置記憶部8
から、ノイズの影響を受けていると判断された画素の位
置情報を受信するともに、一次補正済画像記憶部7か
ら、一次補正が行われた画像データを受信する。そし
て、該二次補正処理部9は、一次補正が行われた画像デ
ータにおいて、ノイズの影響を受けていると判断された
画素の位置を中心とする局所領域に含まれる各画素に対
して平滑化フィルタを施している。二次補正処理部9に
おいて行われる画像データの補正を二次補正と呼ぶこと
にする。この二次補正の詳細については後述する。
【0065】次に、ノイズ検出部5におけるノイズ検出
方法、および一次補正処理部6における一次補正方法に
ついて説明する。ノイズ検出方法および一次補正方法
は、ノイズの種類に応じて、以下に示す3つの方法があ
る。
【0066】第1の方法は、主に画像データ上に発生し
ている線状のノイズの検出を最適に行うためのものであ
る。このような線状のノイズは、例えば以下に示すよう
な理由によって生じることになる。
【0067】フィルムスキャナ1によって読み取られる
フィルムは、一般的に、複数のコマ画像が1方向に並ん
で記録されている。そして、カメラによって撮影する
際、およびフィルムスキャナ1によってスキャニングす
る際には、コマ画像が並んでいる方向に沿ってフィルム
を搬送させて、撮影およびスキャニングを行うことにな
る。このフィルムの搬送の際に、何らかの不具合によ
り、搬送方向に平行な方向に線状の傷が生じることがあ
る。したがって、画像データ上に線状のノイズが発生し
ている可能性は比較的高くなっている。
【0068】第1の方法による処理は以下のようなもの
となっている。まず、ノイズ検出部5において、ノイズ
検出方法として、画像データ上の各画素に対して直線状
のフィルタFAを適用し、次に示す2つの条件をともに
満たす画素を、ノイズの影響を受けた画素として判断す
る処理が行われる。
【0069】第1の条件は、注目画素Pの輝度値と、フ
ィルタFAの中に含まれている画素の輝度値の集合にお
ける中央値との差(絶対値)が、所定の閾値以上となっ
ていることである。この輝度値の比較は、R・G・B成
分のそれぞれの輝度値について行い、各色成分のどれか
1つでも上記の条件を満たす場合に、第1の条件を満た
していると判断する。また、この輝度値の比較を、各画
素をグレー階調とみなした輝度値について行っても構わ
ない。
【0070】第2の条件は、フィルタFA内の両端にあ
る画素同士の輝度値の差(絶対値)が、所定の閾値以内
となっていることである。この輝度値の比較も、上記と
同様に、R・G・B成分のそれぞれの輝度値について行
ってもよいし、各画素をグレー階調とみなした輝度値に
ついて行ってもよい。
【0071】ここで、上記のフィルタFAについて詳し
く説明する。フィルタFAは、注目画素Pを中心に直線
上に並んだ所定の数の画素の集合を表している。フィル
タFAの一例を図3に示す。図3に示す例では、「1」
と記されている画素のみを輝度値の集合の構成要素とし
ており、「0」と記されている画素については考慮して
いない。すなわち、この場合では、注目画素Pを中心
に、1つおきの画素の輝度値を集合の構成要素とし、注
目画素Pを含めた集合の要素数を7としていることにな
る。なお、フィルタFAは、図3に示す例に限られるも
のではなく、画像の解像度やノイズの程度などの諸々の
条件に応じて、集合の構成要素とする各画素と注目画素
Pとの位置関係、および集合の要素数を適宜変更するこ
とが可能である。
【0072】なお、上記の第2の条件において、図3に
示す例においては、フィルタFAの左端および右端の画
素同士の輝度値を比較することになるが、これに限定さ
れるものではない。例えば、フィルタFAの左端から1
番目および2番目の画素の輝度値を平均した値と、フィ
ルタFAの右端から1番目および2番目の画素の輝度値
を平均した値との比較を行っても構わない。
【0073】上記の2つの条件を満たし、ノイズの影響
を受けていると判断された画素に対して、一次補正処理
部6において、一次補正として、その輝度値を、フィル
タFA内に含まれる画素の輝度値の集合における中央値
に置き換える処理が行われる。なお、上記では、一次補
正として画素の輝度値を中央値に置き換えているが、こ
れに限定されるものではない。例えば、ノイズの影響を
受けていると判断された画素の輝度値を、フィルタFA
内に含まれる画素の輝度値の集合における平均値に置き
換えても構わない。しかしながら、中央値に置き換える
方が、メディアンフィルタの長所、すなわち、画像にお
けるエッジ部分を保存することができるという長所を持
たせることができる。
【0074】次に、フィルタFAの画像データに対する
適用方法について説明する。基本的には、上記の第1の
方法は、画像データにおいて、フィルタFAの長手方向
に対して垂直な方向に生じている線状のノイズに対し
て、最適に検出することができるものとなっている。し
たがって、例えば上記したように、フィルムの搬送に伴
って、その搬送方向に平行な方向に生じた傷による線状
のノイズが多い場合には、フィルタFAの長手方向がそ
のノイズに垂直な方向に平行となるような状態で、画像
データにおける各画素に対して上記の処理を行えばよ
い。
【0075】なお、画像データに生じている線状のノイ
ズが、フィルタFAの長手方向に垂直な方向から多少ず
れていても、上記の方法によってノイズの検出を行うこ
とは可能である。また、例えば、互いにほぼ垂直となる
2方向に線状のノイズが生じている場合などには、フィ
ルタFAを、その長手方向がそれぞれの方向に垂直とな
る状態で、各画素に対して2回ずつ上記の検出処理を行
うことで、それぞれの方向のノイズをより的確に検出す
ることが可能となる。
【0076】フィルタFAを画像データの各画素に適用
する際に、フィルタFAの長手方向において、画像領域
の端部近傍に位置する画素を注目画素に設定した場合、
フィルタFA全体を注目画素の近傍の画素に対して適用
できない、言い換えれば、フィルタFAの一部が画像領
域からはみ出てしまうことになる。この場合には、フ
ィルタFA全体を適用可能な範囲の画素のみに対して上
記の方法を適用するか、画像領域の外側に、端部近傍
にある画素に対してもフィルタFAを適用可能な程度に
ダミーデータを付加して、全ての画素に対して上記の方
法を適用する、などの処置が考えられる。の場合に
は、画像領域の周辺付近に位置する画素に対しては、ノ
イズの検出および補正処理が行われないことになるが、
このような領域は画像全体から考えると僅かな領域であ
るので、補正画像の画質の損失の程度は微々たるもので
ある。の場合には、画像領域の全ての画素に対してノ
イズの検出および補正処理が行われることになるが、ダ
ミーデータの付加を行う処理が加わるので、ノイズの検
出および補正にかかる処理時間の増大を招くことにな
る。
【0077】次に、上記の第1の方法における処理の流
れを、図1のフローチャートを参照しながら以下に説明
する。まず、入力された画像に対して、その複製画像を
作成する(ステップ1、以下、S11と称する)。以降
の処理は、この複製画像に対して行うことになる。
【0078】次に、画像データの中から1つの注目画素
を設定する(S12)。そして、この注目画素に対し
て、上記のフィルタFAを適用し、フィルタFA内に含
まれる各画素の輝度値を求め、これらの輝度値の集合に
おける中央値を取得する(S13)。
【0079】次に、注目画素の輝度値と上記の中央値と
の差(絶対値)を算出し、この差が所定の閾値A1より
も大きいか否かを判断する(S14)。この閾値A1
は、固定値でもよいし、状況に応じて変化させるパラメ
ータでもよい。S14において、上記の差が閾値A1よ
りも大きいと判断された場合(S14においてYE
S)、フィルタFAに含まれる画素の内、その両端に位
置する画素同士の輝度値の差を算出する(S15)。
【0080】次に、S15において算出された輝度値の
差が、所定の閾値B1よりも小さいか否かを判断する
(S16)。この閾値B1は、固定値でもよいし、状況
に応じて変化させるパラメータでもよい。S16におい
て、上記の差が閾値B1よりも小さいと判断された場合
(S16においてYES)、一次補正処理部6におい
て、注目画素の輝度値を上記中央値で置き換えるととも
に、この注目画素の画像データにおける位置を取得し、
ノイズ位置記憶部8に送る(S17)。
【0081】そして、S17における処理が終了した
後、および、S14またはS16においてNOと判断さ
れた場合、画像データ内の全ての画素に対して処理が終
了したか否かが確認される(S18)。未処理の画素が
残っている場合(S18においてNO)には、S12に
戻って、注目画素を新たに設定し、上記と同様の処理を
繰り返す。全ての画素に対して処理が行われた場合(S
18においてYES)には、上記の処理を終了し、次に
行われる二次補正に進むことになる。
【0082】以上のように、上記の第1の方法によれ
ば、フィルタFAが、上記注目画素Pを含む直線上にあ
る複数の画素からなる領域からなっているので、この直
線の方向とは異なる方向に生じた線状のノイズを的確に
検出することができる。また、上記第2の条件が、フィ
ルタFA内における両端近傍の複数の位置にある各画素
同士の輝度値の差の絶対値が所定の閾値以内であるとい
う条件となるので、例えば、元の画像に細い縞模様があ
る場合でも、これをノイズとして検出しまうことを低減
することができる。すなわち、ノイズの検出精度を高め
ることが可能となる。
【0083】次に、ノイズ検出方法および一次補正方法
における第2の方法について説明する。第2の方法は、
第1の方法と同様に、主に画像データ上に発生している
線状のノイズの検出を最適に行うためのものである。第
1の方法と異なる点としては、元の画像自体に線状の被
写体が含まれている場合に、これをノイズと判断してし
まう可能性を低減したものとなっている。
【0084】第2の方法による処理は以下のようなもの
となっている。まず、ノイズ検出部5において、ノイズ
検出方法として、画像データ上の各画素に対して直線状
のフィルタFBを適用し、次に示す3つの条件をともに
満たす画素を、ノイズの影響を受けた画素として判断す
る処理が行われる。なお、第2の方法において用いられ
るフィルタFBは、第1の方法において用いられるフィ
ルタFAとほぼ同様のものである。
【0085】第1の条件は、注目画素Pの輝度値と、フ
ィルタFBの中に含まれている画素の輝度値の集合にお
ける中央値との差(絶対値)が、所定の閾値以上となっ
ていることである。この輝度値の比較は、R・G・B成
分のそれぞれの輝度値について行い、各色成分のどれか
1つでも上記の条件を満たす場合に、第1の条件を満た
していると判断する。また、この輝度値の比較を、各画
素をグレー階調とみなした輝度値について行っても構わ
ない。
【0086】第2の条件は、フィルタFB内の両端にあ
る画素同士の輝度値の差(絶対値)が、所定の閾値以内
となっていることである。この輝度値の比較も、上記と
同様に、R・G・B成分のそれぞれの輝度値について行
ってもよいし、各画素をグレー階調とみなした輝度値に
ついて行ってもよい。
【0087】なお、上記の第2の条件において、図3に
示す例においては、フィルタFBの左端および右端の画
素同士の輝度値を比較することになるが、これに限定さ
れるものではない。例えば、フィルタFBの左端から1
番目および2番目の画素の輝度値を平均した値と、フィ
ルタFBの右端から1番目および2番目の画素の輝度値
を平均した値との比較を行っても構わない。
【0088】第3の条件は、R・G・Bの各色成分にお
いて、注目画素Pの輝度値と、フィルタFB内の両端に
ある画素の輝度値の平均との比が、所定の閾値以内とな
っていることである。以下に具体的に説明する。
【0089】注目画素PのR・G・Bの各色成分におけ
る輝度値をRp,Gp,Bpとし、フィルタFB内の両
端にある画素のR・G・Bの各色成分における輝度値の
平均をRm,Gm,Bmとする。このとき、第3の条件
は、Rp/Rm<c,Gp/Gm<c,Bp/Bm<c
をすべて満たすことになる。なお、cは所定のパラメー
タである。このような第3の条件によって、線状に生じ
ているノイズと、元の画像自体に含まれている線状の被
写体とを区別することが可能となる。以下にこの理由に
ついて述べる。
【0090】まず前提として、上記の線状に生じている
ノイズは、フィルム上に形成された傷によるものである
とする。このような傷は、スキャニングされる際に、そ
の傷が生じている箇所の画像のR,G,B成分をそれぞ
れ一定量変化させるものである。すなわち、R・G・B
の各色成分において、傷が生じている画素の輝度値と、
フィルタFB内の両端にある画素の輝度値の平均との比
は、ほぼ同様の値となる。
【0091】なお、この第3の条件においては、ノイズ
は輝度値が高いものとして生じているものとみなしてい
ることになる。これは、スキャニングをしたフィルムに
はネガ画像が記録されているものと設定しているためで
ある。すなわち、ネガ画像が記録されたフィルムに上記
のような傷や異物の混入があった場合には、ポジ画像と
してのデジタル画像上には輝度の高いノイズとして現れ
ることになる。これに対して、ポジ画像が記録されてい
るフィルムをスキャニングした場合には、上記の傷など
は輝度が低いノイズとして現れることになる。この場合
には、第3の条件は、R・G・Bの各色成分において、
注目画素Pの輝度値と、フィルタFB内の両端にある画
素の輝度値の平均との比が、所定の閾値以上となってい
ることになる。
【0092】一方、元の画像自体に含まれている線状の
被写体は、R,G,Bの各色成分において、その周辺に
ある被写体とは何の相関はないものである。すなわち、
R・G・Bの各色成分において、線状の被写体に対応す
る画素の輝度値と、フィルタFB内の両端にある画素の
輝度値の平均との比は、それぞれ大きく異なっている可
能性が高いといえる。したがって、上記のcの値を適宜
設定することによって、このような線状の被写体に対応
する画素を、第3の条件によって除外することが可能と
なる。
【0093】なお、上記の第3の条件において、図3に
示す例においては、フィルタFBの左端および右端の画
素の輝度値の平均を利用することになるが、これに限定
されるものではない。例えば、フィルタFBの左端から
1番目および2番目の画素の輝度値、およびフィルタF
Bの右端から1番目および2番目の画素の輝度値の全て
を平均した値を利用しても構わない。
【0094】上記の3つの条件を満たし、ノイズの影響
を受けていると判断された画素に対して、一次補正処理
部6において、一次補正として、その輝度値を、フィル
タFB内に含まれる画素の輝度値の集合における中央値
に置き換える処理が行われる。なお、上記では、一次補
正として画素の輝度値を中央値に置き換えているが、こ
れに限定されるものではない。例えば、ノイズの影響を
受けていると判断された画素の輝度値を、フィルタFB
内に含まれる画素の輝度値の集合における平均値に置き
換えても構わない。しかしながら、中央値に置き換える
方が、メディアンフィルタの長所、すなわち、画像にお
けるエッジ部分を保存することができるという長所を持
たせることができる。
【0095】上記の第2の方法におけるフィルタFBの
画像データに対する適用方法は、上記の第1の方法にお
けるフィルタFAの適用方法とほぼ同様となっている。
すなわち、基本的には、上記の第2の方法は、画像デー
タにおいて、フィルタFBの長手方向に対して垂直な方
向に生じている線状のノイズに対して、最適に検出する
ことができるものとなっている。したがって、例えば上
記したように、フィルムの搬送に伴って、その搬送方向
に平行な方向に生じた傷による線状のノイズが多い場合
には、フィルタFBの長手方向がそのノイズに垂直な方
向に平行となるような状態で、画像データにおける各画
素に対して上記の処理を行えばよい。
【0096】なお、画像データに生じている線状のノイ
ズが、フィルタFBの長手方向に垂直な方向から多少ず
れていても、上記の方法によってノイズの検出を行うこ
とは可能である。また、例えば、互いにほぼ垂直となる
2方向に線状のノイズが生じている場合などには、フィ
ルタFBを、その長手方向がそれぞれの方向に垂直とな
る状態で、各画素に対して2回ずつ上記の検出処理を行
うことで、それぞれの方向のノイズをより的確に検出す
ることが可能となる。
【0097】次に、上記の第2の方法における処理の流
れを、図5のフローチャートを参照しながら以下に説明
する。まず、入力された画像に対して、その複製画像を
作成する(S21)。以降の処理は、この複製画像に対
して行うことになる。
【0098】次に、画像データの中から1つの注目画素
を設定する(S22)。そして、この注目画素に対し
て、上記のフィルタFBを適用し、フィルタFB内に含
まれる各画素の輝度値を求め、これらの輝度値の集合に
おける中央値を取得する(S23)。
【0099】次に、注目画素の輝度値と上記の中央値と
の差(絶対値)を算出し、この差が所定の閾値A2より
も大きいか否かを判断する(S24)。この閾値A2
は、固定値でもよいし、状況に応じて変化させるパラメ
ータでもよい。S24において、上記の差が閾値A2よ
りも大きいと判断された場合(S24においてYE
S)、フィルタFBに含まれる画素の内、その両端に位
置する画素同士の輝度値の差を算出する(S25)。
【0100】次に、S25において算出された輝度値の
差が、所定の閾値B2よりも小さいか否かを判断する
(S26)。この閾値B2は、固定値でもよいし、状況
に応じて変化させるパラメータでもよい。S26におい
て、上記の差が閾値B2よりも小さいと判断された場合
(S26においてYES)、R・G・Bの各色成分にお
いて、注目画素の輝度値と、フィルタFB内の両端にあ
る画素の輝度値の平均との比が、所定の閾値C2以内と
なっているか否かが判断される(S27)。
【0101】S27においてYESと判断された場合、
一次補正処理部6において、注目画素の輝度値を上記中
央値で置き換えるとともに、この注目画素の画像データ
における位置を取得し、ノイズ位置記憶部8に送る(S
28)。
【0102】そして、S28における処理が終了した
後、および、S24、S26、またはS27においてN
Oと判断された場合、画像データ内の全ての画素に対し
て処理が終了したか否かが確認される(S29)。未処
理の画素が残っている場合(S29においてNO)に
は、S22に戻って、注目画素を新たに設定し、上記と
同様の処理を繰り返す。全ての画素に対して処理が行わ
れた場合(S29においてYES)には、上記の処理を
終了し、次に行われる二次補正に進むことになる。
【0103】以上のように、上記第2の方法によれば、
第3の条件として、3原色のそれぞれの色成分におい
て、上記注目画素Pの輝度値と、上記フィルタFB内に
おいて所定の1つ以上の位置にある画素の輝度値の平均
との比が、所定の範囲内となっているという条件が加わ
るので、元の画像が記録されたフィルム上に生じていた
傷と、元の画像における被写体との判別をより的確に行
うことができる。したがって、ノイズの検出精度をさら
に高めることができる。
【0104】次に、ノイズ検出方法および一次補正方法
における第3の方法について説明する。第3の方法は、
主に画像データ上に発生している、複数の画素にわたっ
て局所的に生じているノイズ(以下、粒状ノイズと称す
る)の検出を最適に行うためのものである。この粒状ノ
イズは、フィルムに対して何らかの強い外力が局所的に
加わった際に傷が生じた場合や、スキャニングの際にフ
ィルム上に何らかの異物がのっていた場合などによって
主に生じるものである。
【0105】第3の方法による処理は以下のようなもの
となっている。まず、ノイズ検出部5において、ノイズ
検出方法として、画像データ上の各画素に対して、その
長手方向がそれぞれ異なる4つの直線状のフィルタFC
1・FC2・FC3・FC4を適用し、全てのフィルタ
において次に示す2つの条件をともに満たす画素を、ノ
イズの影響を受けた画素として判断する処理が行われ
る。
【0106】第1の条件は、注目画素Pの輝度値が、所
定の閾値以上となっていることである。この輝度値の比
較は、R・G・B成分のそれぞれの輝度値について行
い、各色成分のどれか1つでも上記の条件を満たす場合
に、第1の条件を満たしていると判断する。また、この
輝度値の比較を、各画素をグレー階調とみなした輝度値
について行っても構わない。
【0107】この第1の条件においては、ノイズは輝度
値が高いものとして生じているものとみなしていること
になる。これは、前述したのと同様に、スキャニングを
したフィルムにはネガ画像が記録されているものと設定
しているためである。すなわち、ネガ画像が記録された
フィルムに上記のような傷や異物の混入があった場合に
は、ポジ画像としてのデジタル画像上には白いノイズと
して現れることになる。したがって、例えばポジ画像が
記録されているフィルムをスキャニングした場合には、
第1の条件は、注目画素Pの輝度値が、所定の閾値以下
となっていることになる。
【0108】第2の条件は、注目画素Pの輝度値と、フ
ィルタFC1・FC2・FC3・FC4内の両端にある
画素の輝度値の平均との差(絶対値)が、所定の閾値以
上となっていることである。この輝度値の比較も、上記
と同様に、R・G・B成分のそれぞれの輝度値について
行ってもよいし、各画素をグレー階調とみなした輝度値
について行ってもよい。
【0109】ここで、上記のフィルタFC1・FC2・
FC3・FC4について詳しく説明する。フィルタFC
1・FC2・FC3・FC4は、それぞれ縦、横、斜め
(右上がりおよび右下がり)の4方向において、注目画
素Pを中心に直線上に並んだ所定の数の画素の集合を表
している。フィルタFC1・FC2・FC3・FC4の
一例を図4に示す。図4に示す例では、「1」と記され
ている画素のみを輝度値の集合の構成要素としており、
「0」と記されている画素については考慮していない。
すなわち、フィルタFC1・FC2・FC3・FC4
は、それぞれ方向の異なる直線上において、注目画素P
を中心に、1つおきの画素の輝度値を集合の構成要素と
し、注目画素Pを含めた集合の要素数を7としているこ
とになる。
【0110】なお、フィルタFC1・FC2・FC3・
FC4は、図4に示す例に限られるものではなく、画像
の解像度やノイズの程度などの諸々の条件に応じて、集
合の構成要素とする各画素と注目画素Pとの位置関係、
集合の要素数、各フィルタの長手方向の角度などを適宜
変更することが可能である。
【0111】このように、それぞれ方向の異なる4つの
フィルタFC1・FC2・FC3・FC4を、上記の第
2の条件に適用することによって、例えば、暗い領域中
に、細い幅の明るい領域が任意の方向で存在しているよ
うな画像に対して、これをノイズと判断する可能性を低
減することが可能となる。これは、このような明るい領
域の長手方向に最も近い方向のフィルタによって、この
領域の画素が第2の条件で除外されることになるからで
ある。
【0112】なお、上記の第2の条件においては、各フ
ィルタFC1・FC2・FC3・FC4の左端および右
端の画素の輝度値の平均を利用することになるが、これ
に限定されるものではない。例えば、各フィルタFC1
・FC2・FC3・FC4の左端から1番目および2番
目の画素の輝度値、および各フィルタFC1・FC2・
FC3・FC4の右端から1番目および2番目の画素の
輝度値を平均した値を利用しても構わない。
【0113】上記の2つの条件を満たし、ノイズの影響
を受けていると判断された画素に対して、一次補正処理
部6において、一次補正として、その輝度値を、フィル
タFC1・FC2・FC3・FC4内の両端の画素にお
ける輝度値の平均に置き換える処理が行われる。
【0114】次に、上記の第3の方法における処理の流
れを、図6のフローチャートを参照しながら以下に説明
する。まず、入力された画像に対して、その複製画像を
作成する(S31)。以降の処理は、この複製画像に対
して行うことになる。
【0115】次に、画像データの中から1つの注目画素
を設定する(S32)。そして、この注目画素の輝度値
が所定の閾値A3よりも大きいか否かを判断する(S3
3)。
【0116】注目画素の輝度値が所定の閾値A3よりも
大きいと判断された場合(S33においてYES)、そ
れぞれ方向の異なるフィルタFC1・FC2・FC3・
FC4のうちのいずれか1つを選択し(S34)、選択
されたフィルタ内の両端にある画素の輝度値の平均を求
める(S35)。その後、注目画素の輝度値と、選択さ
れたフィルタ内の両端にある画素の輝度値の平均との差
が、閾値B3よりも大きいか否かが判断される(S3
6)。
【0117】注目画素の輝度値と、選択されたフィルタ
内の両端にある画素の輝度値の平均との差が、閾値B3
よりも大きいと判断された場合、全てのフィルタFC1
・FC2・FC3・FC4が選択されたか否かが判断さ
れる(S37)。
【0118】全てのフィルタFC1・FC2・FC3・
FC4が選択されていないと判断された場合(S37に
おいてNO)、S34に戻って、まだ選択されていない
フィルタを選択し、再びS35以降の処理を行う。
【0119】一方、S37において、全てのフィルタF
C1・FC2・FC3・FC4が選択されたと判断され
た場合(S37においてYES)、一次補正処理部6に
おいて、注目画素の輝度値を、フィルタFC1・FC2
・FC3・FC4内の両端の画素における輝度値の平均
に置き換えるとともに、この注目画素の画像データにお
ける位置を取得し、ノイズ位置記憶部8に送る(S3
8)。
【0120】そして、S38での処理が終了した場合、
および、S34、S36、またはS37においてNOと
判断された場合、画像データ内の全ての画素に対して処
理が終了したか否かが確認される(S39)。未処理の
画素が残っている場合(S39においてNO)には、S
32に戻って、注目画素を新たに設定し、上記と同様の
処理を繰り返す。全ての画素に対して処理が行われた場
合(S39においてYES)には、上記の処理を終了
し、次に行われる二次補正に進むことになる。
【0121】以上のように、上記第3の方法によれば、
注目画素Pの輝度値が所定の閾値以上であるという条件
によって、輝度値が極端に大きいあるいは小さい画素
を、ノイズの影響を受けた画素の候補として検出し、フ
ィルタFC1・FC2・FC3・FC4内の画素におけ
る輝度値の集合の代表値と、注目画素Pの輝度値との差
の絶対値が、所定の閾値以上であるという条件によっ
て、注目画素Pの周辺画素も、注目画素Pと同様の輝度
値となっている場合に、候補として挙げられた画素をノ
イズの影響を受けた画素としては判断しないことにな
る。これにより、画像のある領域において、周辺と急激
に明るさが異なっており、かつ、その輝度値が極端に大
きいあるいは小さい微小領域をノイズとして検出するこ
とができる。
【0122】また、上記フィルタFC1・FC2・FC
3・FC4は、その方向が互いに異なる複数の直線状フ
ィルタとなっているので、例えば、元の画像において、
輝度が比較的大きく、かつ周辺部分との輝度差が大きい
細い幅からなる線状の画像があった場合に、この画像に
ふくまれる画素は、その線の方向に近い方向のフィルタ
によって、ノイズの影響を受けた画素として検出されな
くなる。すなわち、上記の方法によれば、粒状の微小領
域に生じたノイズを的確に検出することが可能となる。
【0123】次に、上記の第1ないし第3の方法のいず
れかによるノイズ検出および一次補正が行われた後に、
二次補正処理部9において行われる二次補正について説
明する。
【0124】二次補正は、ノイズ検出部5において、ノ
イズの影響を受けていると判断された画素の周辺となる
局所領域に、移動平均フィルタ、メディアンフィルタ、
ガウシアンフィルタなどの平滑化フィルタを施す処理を
行うものである。
【0125】ここで、上記の移動平均フィルタ、メディ
アンフィルタ、ガウシアンフィルタについて簡単に説明
する。
【0126】移動平均フィルタは、図8に示すように、
例えば3×3のフィルタであり、各画素の係数は全て同
じとなっている。画像データをこの移動平均フィルタを
用いてマスク処理することにより、注目画素(中央部の
画素)のデータは、9つの画素の1/9データの合計で
置換される。言い換えれば、注目画素のデータは、当該
注目画素のデータと、8つの周辺画素の各データを足し
て9で割ったものとなる。
【0127】メディアンフィルタは、所定範囲内の画像
データを小さいほうから並べたときに、注目画素のデー
タを、並んでいる画像データの中央値で置換するもので
ある。例えば3×3の範囲内で画像データが図9(a)
に示す値である場合に、これらの画像データを小さいほ
うから並べると、『5,25,50,60,70,8
0,90,100,100』となり、その中央値は70
である。したがって、この場合、注目画素の現在の画像
データ“50”は、図9(b)に示すように“70”に
置換される。このようなメディアンフィルタを用いれ
ば、輝度差が大となるエッジがある程度保存される(エ
ッジがぼけにくくなる)。
【0128】ガウシアンフィルタは、例えば図10に示
す3×3のフィルタであり、各画素のデータに図4の係
数を掛け、その総和を当該係数の合計である16で割っ
たものを注目画素の画像データとするものである。この
ガウシアンフィルタを用いれば、レンズを用いてぼかし
たような自然に近いぼけ味を得ることができる。
【0129】なお、フィルタの大きさや係数は上記に限
定されるわけではなく、処理速度および処理能力に応じ
て適宜設定されればよい。
【0130】次に、上記の二次補正において行われる処
理の流れを、図7のフローチャートを参照しながら以下
に説明する。まず、一次補正が施された画像に対して、
その複製画像を作成する(S41)。以降の処理は、こ
の複製画像に対して行うことになる。
【0131】次に、ノイズ位置記憶部8において、ノイ
ズの影響が生じていると判断された画素として記憶され
ている中から1つの注目画素を設定する(S42)。そ
して、この注目画素を中心とした、複数の画素からなる
局所領域を設定する(S43)。この局所領域の大き
さ、換言すれば、局所領域に含まれる画素の数は、固定
値でもよいし、ノイズの大きさに応じて適宜変更して設
定してもよい。
【0132】そして、S43において設定された局所領
域に含まれる画素のそれぞれについて、上記の平滑化フ
ィルタを適用し、複製画像にその結果を記録していく
(S44)。ここで用いられる平滑化フィルタの種類、
およびフィルタの大きさは、固定値でもよいし、所望と
する平滑化処理の程度に応じて変更してもよい。
【0133】その後、ノイズ位置記憶部8に記憶されて
いる、ノイズの影響が生じていると判断された画素の全
てに対して、上記の二次補正が行われたか否かが判断さ
れる(S45)。S45においてNOと判断された場合
には、S42に戻って、ノイズ位置記憶部8に記憶され
ている他の画素に対して、上記と同様の処理を繰り返し
行う。S45においてYESと判断された場合には、二
次補正の処理を終了する。
【0134】以上のような二次補正によって、ノイズの
影響を受けた画素として検出された画素の位置を中心と
する所定領域内の各画素に平滑化フィルタが施されるの
で、ノイズの影響を受けた画素として検出された画素お
よびその周辺の画素が平滑化され、この領域に対するノ
イズの影響を目立たなくすることができる。
【0135】なお、上記のノイズ検出方法において、第
1ないし第3の方法を提示したが、これらの方法をそれ
ぞれ単独で行うことに限定されるものではなく、第1な
いし第3の方法を2つ以上組み合わせてノイズ検出を行
っても構わない。すなわち、線状のノイズの検出に適し
た第1および/または第2の方法によってノイズ検出お
よび補正を行った後に、粒状の微小領域で生じたノイズ
の検出に適した第3の方法によってノイズ検出および補
正を行うことも可能である。また、例えば、第1または
第2の方法において、そのフィルタの長手方向を変えな
がら複数回数ノイズの検出を行ってもよい。これによ
り、画像データに生じているあらゆる方向に生じた線状
のノイズを検出・補正することが可能となる。
【0136】なお、前記したように、上記画像処理装置
2は、PCによって構成することも可能である。このP
Cとしては、例えば、CPU(Central Processing Uni
t) 、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Acces
s Memory)、ハードディスクなどから構成されたものを
使用することができる。この場合、上記のLUT4、ノ
イズ検出部5、一次補正処理部6、一次補正済画像記憶
部7、ノイズ位置記憶部8、および二次補正処理部9に
おける処理を行うためのプログラムを、上記のハードデ
ィスクに記憶しておき、使用する際には、任意のOS(O
perating System)上で上記プログラムを実行することに
なる。また、上記プログラムを例えばCD−ROMやフ
ロッピーディスクなどの各種記録媒体に記録すれば、該
記録媒体を読み取り可能で、かつ上記プログラムを実行
可能な任意のPCにおいて、上記のような処理を行うこ
とが可能となる。
【0137】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明に係る画
像処理方法は、画像データにおける各画素を注目画素と
して設定する第1のステップと、上記注目画素の周辺に
ある複数の画素からなる領域をフィルタとして設定する
第2のステップと、上記フィルタ内の画素における輝度
値の集合の代表値と、上記注目画素の輝度値との差の絶
対値が、所定の閾値以上であるという条件の正否を判断
する第3のステップと、上記フィルタ内において所定の
複数の位置にある各画素同士の輝度値の差の絶対値が、
所定の閾値以内であるという条件の正否を判断する第4
のステップと、3原色のそれぞれの色成分において、上
記注目画素の輝度値と、上記フィルタ内に おいて所定の
1つ以上の位置にある画素の輝度値の平均との比が、所
定の範囲内となっているという条件の正否を判断する第
5のステップとを有し、上記第3第4、および第5
ステップにおいて、すべて正と判断された画素をノイズ
の影響を受けた画素として検出する方法である。
【0138】これにより、元の画像自体において輝度値
の差が激しい領域ならば、候補として挙げられた画素を
ノイズの影響を受けた画素としては判断しないことにな
る。すなわち、元の画像自体において輝度値の差が激し
い領域において、ノイズの影響を受けていない画素を、
誤ってノイズの影響を受けている画素として検出するこ
とがなくなるので、精度の高いノイズの検出を行うこと
ができるという効果を奏する。
【0139】また、元の画像が記録されたフィルム上に
生じていた傷と、元の画像における被写体との判別をよ
り的確に行うことができる。したがって、ノイズの検出
精度をさらに高めることができるという効果を奏する。
【0140】請求項2の発明に係る画像処理方法は、上
記フィルタが、上記注目画素を含む直線上にある複数の
画素からなる領域であり、上記第4のステップにおい
て、上記フィルタ内における両端近傍の複数の位置にあ
る各画素同士の輝度値の差の絶対値が所定の閾値以内で
あるという条件の正否が判断される方法である。
【0141】これにより、請求項1の方法による効果に
加えて、フィルタの方向とは異なる方向に生じた線状の
ノイズを的確に検出することができるという効果を奏す
る。また、例えば、元の画像に細い縞模様がある場合で
も、これをノイズとして検出しまうことを低減すること
ができる。すなわち、ノイズの検出精度を高めることが
可能となるという効果を奏する。
【0142】請求項の発明に係る画像処理方法は、画
像データにおける各画素を注目画素として設定する第1
のステップと、上記注目画素を含む直線上にある複数の
画素からなる領域をフィルタとして設定するとともに、
その長手方向が互いに異なるような複数のフィルタを設
定する第2のステップと、上記注目画素の輝度値が所定
の閾値以上あるいは所定の閾値以下であるという条件の
正否を判断する第3のステップと、上記各フィルタ内の
画素における輝度値の集合の代表値と、上記の注目画素
の輝度値との差の絶対値が、所定の閾値以上であるとい
う条件の正否を判断する第4のステップとを有し、上記
第3および第4のステップにおいて、ともに正と判断さ
れた画素をノイズの影響を受けた画素として検出する方
法である。
【0143】これにより、画像のある領域において、周
辺と急激に明るさが異なっており、かつ、その輝度値が
極端に大きいあるいは小さい微小領域をノイズとして検
出することができるという効果を奏する。
【0144】また、例えば、元の画像において、輝度が
比較的大きく、かつ周辺部分との輝度差が大きい細い幅
からなる線状の画像があった場合に、この画像にふくま
れる画素は、その線の方向に近い方向のフィルタによっ
て、ノイズの影響を受けた画素として検出されなくな
る。すなわち、粒状の微小領域に生じたノイズを的確に
検出することが可能となるという効果を奏する。
【0145】また、フィルム上に生じている傷によるノ
イズのみならず、スキャニングの際にネガフィルム上に
混入したほこり、スキャナの読み取り欠陥、データ伝送
時の雑音の混入などを原因として生じるノイズなども検
出することができるという効果を奏する。
【0146】請求項の発明に係る画像処理方法は、ノ
イズの影響を受けた画素として検出された画素の輝度値
を、上記フィルタ内の画素における輝度値の集合の代表
値に置き換える第1の補正をさらに行う方法である。
【0147】これにより、請求項1ないしのいずれか
の方法による効果に加えて、ノイズの影響を受けた画素
として検出された画素の輝度値と周辺の画素との差を小
さくすることが可能となり、該画素を目立たなくするこ
とができるという効果を奏する。
【0148】請求項の発明に係る画像処理方法は、ノ
イズの影響を受けた画素として検出された画素の位置を
中心とする所定領域内の各画素に、平滑化フィルタを施
す第2の補正をさらに行う方法である。
【0149】これにより、請求項1ないしのいずれか
の方法による効果に加えて、ノイズの影響を受けた画素
として検出された画素およびその周辺の画素が平滑化さ
れ、この領域に対するノイズの影響を目立たなくするこ
とができるという効果を奏する。
【0150】請求項の発明に係る画像処理プログラム
を記録した記録媒体は、画像データにおける各画素を注
目画素として設定する第1の処理、上記注目画素の周辺
にある複数の画素からなる領域をフィルタとして設定す
る第2の処理、上記フィルタ内の画素における輝度値の
集合の代表値と、上記注目画素の輝度値との差の絶対値
が、所定の閾値以上であるという条件の正否を判断する
第3の処理、上記フィルタ内において所定の複数の位置
にある各画素同士の輝度値の差の絶対値が、所定の閾値
以内であるという条件の正否を判断する第4の処理、
原色のそれぞれの色成分において、上記注目画素の輝度
値と、上記フィルタ内において所定の1つ以上の位置に
ある画素の輝度値の平均との比が、所定の範囲内となっ
ているという条件の正否を判断する第5の処理、ならび
に、上記第3第4、および第5の処理において、すべ
正と判断された画素をノイズの影響を受けた画素とし
て検出する処理をコンピュータに実行させる構成であ
る。
【0151】これにより、元の画像自体において輝度値
の差が激しい領域ならば、候補として挙げられた画素を
ノイズの影響を受けた画素としては判断しないことにな
る。すなわち、元の画像自体において輝度値の差が激し
い領域において、ノイズの影響を受けていない画素を、
誤ってノイズの影響を受けている画素として検出するこ
とがなくなるので、精度の高いノイズの検出をコンピュ
ータに実行させることができるという効果を奏する。
【0152】また、元の画像が記録されたフィルム上に
生じていた傷と、元の画像における被写体との判別をよ
り的確に行うことができるので、ノイズの検出精度をさ
らに高めることができるという効果を奏する。
【0153】請求項の発明に係る画像処理プログラム
を記録した記録媒体は、上記フィルタが、上記注目画素
を含む直線上にある複数の画素からなる領域であり、上
記第4の処理において、上記フィルタ内における両端近
傍の複数の位置にある各画素同士の輝度値の差の絶対値
が所定の閾値以内であるという条件の正否が判断される
構成である。
【0154】これにより、請求項の構成による効果に
加えて、フィルタの直線の方向とは異なる方向に生じた
線状のノイズを的確に検出することができるという効果
を奏する。また、例えば、元の画像に細い縞模様がある
場合でも、これをノイズとして検出しまうことを低減す
ることができる。すなわち、ノイズの検出精度を高める
ことが可能となるという効果を奏する。
【0155】請求項の発明に係る画像処理プログラム
を記録した記録媒体は、画像データにおける各画素を注
目画素として設定する第1の処理、上記注目画素を含む
直線上にある複数の画素からなる領域をフィルタとして
設定するとともに、その長手方向が互いに異なるような
複数のフィルタを設定する第2の処理、上記注目画素の
輝度値が所定の閾値以上あるいは所定の閾値以下である
という条件の正否を判断する第3の処理、上記各フィル
タ内の画素における輝度値の集合の代表値と、上記注目
画素の輝度値との差の絶対値が、所定の閾値以上である
という条件の正否を判断する第4の処理、ならびに、上
記第3および第4の処理において、ともに正と判断され
た画素をノイズの影響を受けた画素として検出する処理
をコンピュータに実行させる構成である。
【0156】これにより、画像のある領域において、周
辺と急激に明るさが異なっており、かつ、その輝度値が
極端に大きいあるいは小さい微小領域をノイズとして検
出することができるという効果を奏する。
【0157】また、例えば、元の画像において、輝度が
比較的大きく、かつ周辺部分との輝度差が大きい細い幅
からなる線状の画像があった場合に、この画像にふくま
れる画素は、その線の方向に近い方向のフィルタによっ
て、ノイズの影響を受けた画素として検出されなくな
る。すなわち、粒状の微小領域に生じたノイズを的確に
コンピュータに検出させることが可能となるという効果
を奏する。
【0158】また、フィルム上に生じている傷によるノ
イズのみならず、スキャニングの際にネガフィルム上に
混入したほこり、スキャナの読み取り欠陥、データ伝送
時の雑音の混入などを原因として生じるノイズなども検
出することができるという効果を奏する。
【0159】請求項の発明に係る画像処理プログラム
を記録した記録媒体は、ノイズの影響を受けた画素とし
て検出された画素の輝度値を、上記フィルタ内の画素に
おける輝度値の集合の代表値に置き換える第1の補正処
理をさらにコンピュータに実行させる構成である。
【0160】これにより、請求項ないしのいずれか
の構成による効果に加えて、ノイズの影響を受けた画素
として検出された画素の輝度値と周辺の画素との差を小
さくすることが可能となり、該画素を目立たなくするこ
とができるという効果を奏する。
【0161】請求項10の発明に係る画像処理プログラ
ムを記録した記録媒体は、ノイズの影響を受けた画素と
して検出された画素の位置を中心とする所定領域内の各
画素に、平滑化フィルタを施す第2の補正処理をさらに
コンピュータに実行させる構成である。
【0162】これにより、請求項ないしのいずれか
の構成による効果に加えて、ノイズの影響を受けた画素
として検出された画素およびその周辺の画素が平滑化さ
れ、この領域に対するノイズの影響を目立たなくするこ
とができるという効果を奏する。
【0163】請求項11の発明に係る画像処理装置は、
入力された画像データの中から、ノイズの影響を受けて
いる画素を検出するノイズ検出手段と、上記ノイズ検出
手段によって検出された、ノイズの影響を受けている画
素に対してのみ、平滑化処理を施す補正手段とを備えて
おり、上記ノイズ検出手段が、注目画素を含む直線上に
ある複数の画素からなる領域をフィルタとして設定し、
上記フィルタ内の画素における輝度値の集合の代表値
と、上記注目画素の輝度値との差の絶対値が、所定の閾
値以上であるという第1の条件と、上記フィルタ内にお
ける両端近傍の複数の位置にある各画素同士の輝度値の
差の絶対値が所定の閾値以内であるという第2の条件
と、3原色のそれぞれの色成分において、上記注目画素
の輝度値と、上記フィルタ内において所定の1つ以上の
位置にある画素の輝度値の平均との比が、所定の範囲内
となっているという第3の条件とを全て満たす場合に、
上記注目画素をノイズの影響を受けた画素として検出す
構成である。
【0164】これにより、ノイズの影響を受けていない
領域に対する平滑化処理による画像のぼけなどの副作用
を抑えることができるという効果を奏する。
【0165】また、元の画像自体において輝度値の差が
激しい領域において、ノイズの影響を受けていない画素
を、誤ってノイズの影響を受けている画素として検出す
ることがなくなるので、精度の高いノイズの検出を行う
ことができるという効果を奏する。
【0166】また、フィルタの直線の方向とは異なる方
向に生じた線状のノイズを的確に検出することができる
という効果を奏する。さらに、例えば、元の画像に細い
縞模様がある場合でも、これをノイズとして検出しまう
ことを低減することができるので、ノイズの検出精度を
高めることが可能となるという効果を奏する。
【0167】また、元の画像が記録されたフィルム上に
生じていた傷と、元の画像における被写体との判別をよ
り的確に行うことができる。したがって、ノイズの検出
精度をさらに高めることができるという効果を奏する。
【0168】請求項12の発明に係る画像処理装置は、
入力された画像データの中から、ノイズの影響を受けて
いる画素を検出するノイズ検出手段と、上記ノイズ検出
手段によって検出された、ノイズの影響を受けている画
素に対してのみ、平滑化処理を施す補正手段とを備えて
おり、上記ノイズ検出手段が、注目画素を含む直線上に
ある複数の画素からなる領域をフィルタとして設定する
とともに、その長手方向が互いに異なるような複数のフ
ィルタを設定し、上記注目画素の輝度値が所定の閾値以
上あるいは所定の閾値以下であるという条件と、上記各
フィルタ内の画素における輝度値の集合の代表値と、上
記注目画素の輝度値との差の絶対値が、所定の閾値以上
であるという条件とをともに満たす場合に、上記注目画
素をノイズの影響を受けた画素として検出する構成であ
る。
【0169】これにより、画像のある領域において、周
辺と急激に明るさが異なっており、かつ、その輝度値が
極端に大きいあるいは小さい微小領域をノイズとして検
出することができるという効果を奏する。
【0170】また、例えば、元の画像において、輝度が
比較的大きく、かつ周辺部分との輝度差が大きい細い幅
からなる線状の画像があった場合に、この画像にふくま
れる画素は、その線の方向に近い方向のフィルタによっ
て、ノイズの影響を受けた画素として検出されなくな
る。すなわち、これにより、粒状の微小領域に生じたノ
イズを的確に検出することが可能となるという効果を奏
する。
【0171】また、フィルム上に生じている傷によるノ
イズのみならず、スキャニングの際にネガフィルム上に
混入したほこり、スキャナの読み取り欠陥、データ伝送
時の雑音の混入などを原因として生じるノイズなども検
出することができるという効果を奏する。
【0172】請求項13の発明に係る画像処理装置は、
上記補正手段が、ノイズの影響を受けた画素として検出
された画素の輝度値を、上記フィルタ内の画素における
輝度値の集合の代表値に置き換える補正を行う構成であ
る。
【0173】これにより、請求項11または12の構成
による効果に加えて、ノイズの影響を受けた画素として
検出された画素の輝度値と周辺の画素との差を小さくす
ることが可能となり、該画素を目立たなくすることがで
きるという効果を奏する。
【0174】請求項14の発明に係る画像処理装置は、
ノイズの影響を受けた画素として検出された画素の位置
を中心とする所定領域内の各画素に、平滑化フィルタを
施す補正を行う構成である。
【0175】これにより、請求項11ないし13のいず
れかの構成による効果に加えて、ノイズの影響を受けた
画素として検出された画素およびその周辺の画素が平滑
化され、この領域に対するノイズの影響を目立たなくす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係るノイズ検出方法お
よび一次補正方法の処理の流れを示すフローチャートで
ある。
【図2】本発明の実施の一形態に係る写真処理装置の概
略構成を示すブロック図である。
【図3】上記のノイズ検出方法および一次補正方法にお
いて用いられる直線状のフィルタの一例を示す説明図で
ある。
【図4】上記のノイズ検出方法および一次補正方法にお
いて用いられる直線状のフィルタの他の例を示す説明図
である。
【図5】上記のノイズ検出方法および一次補正方法の処
理の流れの他の例を示すフローチャートである。
【図6】上記のノイズ検出方法および一次補正方法の処
理の流れのさらに他の例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の一形態に係る二次補正の処理の
流れを示すフローチャートである。
【図8】上記二次補正において用いられる平滑化フィル
タの一例としての移動平均フィルタの構成例を示す説明
図である。
【図9】同図(a)は、各画素の画像データの一例を示
す説明図であり、同図(b)は、上記平滑化フィルタと
してのメディアンフィルタによって注目画素の画像デー
タを変換した場合の各画素の画像データを示す説明図で
ある。
【図10】上記平滑化フィルタとしてのガウシアンフィ
ルタの構成例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 フィルムスキャナ 2 画像処理装置 3 写真焼付装置 4 LUT 5 ノイズ検出部(ノイズ検出手段) 6 一次補正処理部(補正手段) 7 一次補正済画像記憶部 8 ノイズ位置記憶部 9 二次補正処理部(補正手段) FA・FB・FC1・FC2・FC3・FC4 フィ
ルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 稔 大阪府吹田市江の木町11番30号 株式会 社東洋情報システム内 (56)参考文献 特開 平3−100773(JP,A) 特開 昭55−133179(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06T 5/00 G06T 5/20 H04N 1/409 特許ファイル(PATOLIS) JICSTファイル(JOIS)

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像データにおける各画素を注目画素とし
    て設定する第1のステップと、 上記注目画素の周辺にある複数の画素からなる領域をフ
    ィルタとして設定する第2のステップと、 上記フィルタ内の画素における輝度値の集合の代表値
    と、上記注目画素の輝度値との差の絶対値が、所定の閾
    値以上であるという条件の正否を判断する第3のステッ
    プと、 上記フィルタ内において所定の複数の位置にある各画素
    同士の輝度値の差の絶対値が、所定の閾値以内であると
    いう条件の正否を判断する第4のステップと 3原色のそれぞれの色成分において、上記注目画素の輝
    度値と、上記フィルタ内において所定の1つ以上の位置
    にある画素の輝度値の平均との比が、所定の範囲内とな
    っているという条件の正否を判断する第5のステップと
    を有し、 上記第3第4、および第5のステップにおいて、すべ
    正と判断された画素をノイズの影響を受けた画素とし
    て検出することを特徴とする画像処理方法。
  2. 【請求項2】上記フィルタが、上記注目画素を含む直線
    上にある複数の画素からなる領域であり、上記第4のス
    テップにおいて、上記フィルタ内における両端近傍の複
    数の位置にある各画素同士の輝度値の差の絶対値が所定
    の閾値以内であるという条件の正否が判断されることを
    特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
  3. 【請求項3】画像データにおける各画素を注目画素とし
    て設定する第1のステップと、 上記注目画素を含む直線上にある複数の画素からなる領
    域をフィルタとして設定するとともに、その長手方向が
    互いに異なるような複数のフィルタを設定する第2のス
    テップと、 上記注目画素の輝度値が所定の閾値以上あるいは所定の
    閾値以下であるという 条件の正否を判断する第3のステ
    ップと、 上記各フィルタ内の画素における輝度値の集合の代表値
    と、上記注目画素の輝度値との差の絶対値が、所定の閾
    値以上であるという条件の正否を判断する第4のステッ
    プとを有し、 上記第3および第4のステップにおいて、ともに正と判
    断された画素をノイズの影響を受けた画素として検出す
    ることを特徴とする画像処理方法。
  4. 【請求項4】ノイズの影響を受けた画素として検出され
    た画素の輝度値を、上記フィルタ内の画素における輝度
    値の集合の代表値に置き換える第1の補正をさらに行う
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の
    画像処理方法。
  5. 【請求項5】ノイズの影響を受けた画素として検出され
    た画素の位置を中心とする所定領域内の各画素に、平滑
    化フィルタを施す第2の補正をさらに行うことを特徴と
    する請求項1ないし4のいずれかに記載の画像処理方
    法。
  6. 【請求項6】画像データにおける各画素を注目画素とし
    て設定する第1の処理、 上記注目画素の周辺にある複数の画素からなる領域をフ
    ィルタとして設定する第2の処理、 上記フィルタ内の画素における輝度値の集合の代表値
    と、上記注目画素の輝度値との差の絶対値が、所定の閾
    値以上であるという条件の正否を判断する第3の処理、 上記フィルタ内において所定の複数の位置にある各画素
    同士の輝度値の差の絶対値が、所定の閾値以内であると
    いう条件の正否を判断する第4の処理、 3原色のそれぞれの色成分において、上記注目画素の輝
    度値と、上記フィルタ内において所定の1つ以上の位置
    にある画素の輝度値の平均との比が、所定の範囲内とな
    っているという条件の正否を判断する第5の処理、 ならびに、上記第3、第4、および第5の処理におい
    て、すべて正と判断された画素をノイズの影響を受けた
    画素として検出する処理をコンピュータに実行させるこ
    とを特徴とする画像処理プログラムを記録した記録媒
    体。
  7. 【請求項7】上記フィルタが、上記注目画素を含む直線
    上にある複数の画素からなる領域であり、上記第4の処
    理において、上記フィルタ内における両端近傍の複数の
    位置にある各画素同士の輝度値の差の絶対値が所定の閾
    値以内であるという条件の正否が判断されることを特徴
    とする請求項6記載の画像処理プログラムを記録した記
    録媒体。
  8. 【請求項8】画像データにおける各画素を注目画素とし
    て設定する第1の処理、 上記注目画素を含む直線上にある複数の画素からなる領
    域をフィルタとして設定するとともに、その長手方向が
    互いに異なるような複数のフィルタを設定する第2の処
    理、 上記注目画素の輝度値が所定の閾値以上あるいは所定の
    閾値以下であるという条件の正否を判断する第3の処
    理、 上記各フィルタ内の画素における輝度値の集合の代表値
    と、上記注目画素の輝度値との差の絶対値が、所定の閾
    値以上であるという条件の正否を判断する第4の処理、 ならびに、上記第3および第4の処理において、ともに
    正と判断された画素をノイズの影響を受けた画素として
    検出する処理をコンピュータに実行させることを特徴と
    する画像処理プログラムを記録した記録媒体。
  9. 【請求項9】ノイズの影響を受けた画素として検出され
    た画素の輝度値を、上記フィルタ内の画素における輝度
    値の集合の代表値に置き換える第1の補正処理をさらに
    コンピュータに実行させることを特徴とする請求項6な
    いし8のいずれかに記載の画像処理プログラムを記録し
    た記録媒体。
  10. 【請求項10】ノイズの影響を受けた画素として検出さ
    れた画素の位置を中心とする所定領域内の各画素に、平
    滑化フィルタを施す第2の補正処理をさらにコンピュー
    タに実行させることを特徴とする請求項6ないし9のい
    ずれかに記載の画像処理プログラムを記録した記録媒
    体。
  11. 【請求項11】入力された画像データの中から、ノイズ
    の影響を受けている画素を検出するノイズ検出手段と、 上記ノイズ検出手段によって検出された、ノイズの影響
    を受けている画素に対してのみ、平滑化処理を施す補正
    手段とを備えており、 上記ノイズ検出手段が、注目画素を含む直線上にある複
    数の画素からなる領域をフィルタとして設定し、上記フ
    ィルタ内の画素における輝度値の集合の代表値と、上記
    注目画素の輝度値との差の絶対値が、所定の閾値以上で
    あるという第1の条件と、 上記フィルタ内における両端近傍の複数の位置にある各
    画素同士の輝度値の差の絶対値が所定の閾値以内である
    という第2の条件と、 3原色のそれぞれの色成分において、上記注目画素の輝
    度値と、上記フィルタ内において所定の1つ以上の位置
    にある画素の輝度値の平均との比が、所定の範囲内とな
    っているという第3の条件とを全て満たす場合に、上記
    注目画素をノイズの影響を受けた画素として検出するこ
    とを特徴とする画像処理装置。
  12. 【請求項12】入力された画像データの中から、ノイズ
    の影響を受けている画素を検出するノイズ検出手段と、 上記ノイズ検出手段によって検出された、ノイズの影響
    を受けている画素に対してのみ、平滑化処理を施す補正
    手段とを備えており、 上記ノイズ検出手段が、注目画素を含む直線上にある複
    数の画素からなる領域をフィルタとして設定するととも
    に、その長手方向が互いに異なるような複数のフィルタ
    を設定し、上記注目画素の輝度値が所定の閾値以上ある
    いは所定の閾値以下であるという条件と、上記各フィル
    タ内の画素における輝度値の集合の代表値と、上記注目
    画素の輝度値との差の絶対値が、所定の閾値以上である
    という条件とをともに満たす場合に、上記注目画素をノ
    イズの影響を受けた画素として検出することを特徴とす
    る画像処理装置。
  13. 【請求項13】上記補正手段が、ノイズの影響を受けた
    画素として検出された画素の輝度値を 、上記フィルタ内
    の画素における輝度値の集合の代表値に置き換える補正
    を行うことを特徴とする請求項11または12記載の画
    像処理装置。
  14. 【請求項14】ノイズの影響を受けた画素として検出さ
    れた画素の位置を中心とする所定領域内の各画素に、平
    滑化フィルタを施す補正を行うことを特徴とする請求項
    11ないし13のいずれかに記載の画像処理装置。
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