JP2003225301A - 湿潤時に潤滑性を有する医療用具及びその製造方法 - Google Patents
湿潤時に潤滑性を有する医療用具及びその製造方法Info
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Abstract
において、湿潤時に潤滑性を発現し、かつ繰り返し摺動
しても容易に潤滑性が低下しない医療用具を提供する。 【解決手段】アミド系高分子物質を含む表面を有する医
療用具の表面に、ウレタン系高分子物質を含有する層を
有し、次いで、該ウレタン系高分子層の上に、ポリビニ
ルピロリドン層を有することを特徴とする湿潤時に潤滑
性を有する医療用具およびその製造方法であって、アミ
ド系高分子物質を表面に含有する医療用具の表面に、該
アミド系高分子物質を膨潤または溶解する化合物を含む
溶液に浸漬した後、ウレタン系高分子物質を含有する被
膜を形成させ、次いで、ポリビニルピロリドンを含有す
る被膜を形成させる湿潤時に潤滑性を有する医療用具の
製造方法。
Description
有する医療用具およびその製造方法に関し、さらに詳し
くは、ポリアミド系高分子物質を表面に含有する医療用
具の表面に親水性高分子物質物質を被覆して、水または
体液との接触により、優れた表面潤滑性を発現し、繰り
返し摺動によっても容易に潤滑性が低下しない医療用具
ならびにその製造方法に関する。
尿管、気管、胆管あるいはその他の体腔、あるいは組織
中に挿入されるカテーテル、その内腔に挿入されるガイ
ドワイヤー、あるいは血管内の狭窄部を治療するため、
あるいはバルーンを膨らますことにより狭窄部を拡張
し、狭窄部末梢側における血流の改善を図るためのPTCA
バルーンカテーテル、PTAバルーンカテーテル等の医療
器具が広範囲に使用されている。これらのカテーテル、
ガイドワイワー、バルーンカテーテル、カテーテル導入
管、ガイドワイヤー等の各種医療用具には、低摩擦性の
親水性被覆を設けることが有用である。これらの医療器
具表面を低摩擦性とすることにより、血管、消化管、尿
管、気管、胆管あるいはその他の体腔及び通路などに、
これらの医療器具は容易に入り込む。
用具の基材表面上に非反応性イソシアネート基を有する
ポリウレタンの第1被覆層を形成させ、その表面にポリ
ビニルピロリドンを反応させて、前記非反応性イソシア
ネート基と化学的に結合した第2被覆層を形成させるこ
とにより、湿潤時に表面に潤滑性を有するようにした基
材が公知である(特公昭59-19582号公報)。しかしなが
ら、この方法では基材はポリウレタンであって、ポリウ
レタン以外の材料、例えばポリアミド系高分子物質を基
材とした場合、前記被覆層との接着性が低いため、被覆
層が剥離しやすく、繰り返し摩擦擦過するに従い、潤滑
性が低下するという問題を有している。
に潤滑性を付与させるためには、その他、種々の試みが
行われている。例えば、ポリウレタン基材表面上に、未
反応イソシアネート基を生成させたのちに、親水性重合
体をカップリングさせることにより、安定で、かつ、耐
加水分解抵抗を示す潤滑性表面を設ける方法(特開昭59
-81341号公報)、ポリウレタン基材に遊離イソシアネー
ト基を含む接着性被膜を形成し、N−ビニルピロリドン
と活性水素を有するエチレン性不飽和モノマーとの共重
合体を化学的に結合させることによって、親水性被覆を
設ける方法(特開昭63-238170号公報)、ポリウレタン
基材に遊離イソシアネート基を含む接着性被膜を形成
し、N−ビニルピロリドンと活性水素を有するエチレン
性不飽和モノマーとの共重合体を化学的に結合させるこ
とによって、親水性被覆を設ける方法(特開昭63-23817
0号公報)、基材表面がポリウレタンからなるカテーテ
ルの表面をビニルピロリドンの重合体とポリウレタンと
よりなる組成物を被覆する方法(特開平2-246979号公
報)などが公知である。しかしながら、これらの潤滑性
付与剤をポリアミド系高分子物質である基材に施して
も、満足すべき潤滑性が得られない。
面を、1分子当たり2個以上のイソシアネート基を有す
る化合物を含有する溶液と接触させた後に、ポリビニル
ピロリドンを含有する溶液と接触させることにより、湿
潤時に低い摩擦係数を有する表面を有する物品の製造方
法も公知である(特開昭58-193767号公報)。しかしな
がら、対象とする重合体は、ラテックスゴム、その他の
ゴム、ポリ塩化ビニル、その他のビニル重合体、ポリエ
ステルおよびポリアクリレートであり、ポリアミド系重
合体を対象とした場合、上記イソシアネート基含有溶液
およびポリビニルピロリドン溶液と接触させることによ
り得られた被覆層は、剥離しやすく、繰り返し摺動する
ことにより、かつ、徐々に抵抗が上昇するという問題を
有している。
ト、親水性ポリエーテルグリコール、及び鎖延長剤の反
応生成物であるエラストマーセグメント親水性ポリエー
テルウレタンからなる潤滑性被膜が開示されている(特
開平3-21677号公報)。ポリマー基材としては、ポリテ
トラフルオロエチレン、ポリエステル、ポリアミド、P
VC、ポリアクリレート、ポリスチレン、ラテックス、
およびポリウレタンが例示されている。しかし、これら
も同様にアミド系高分子物質と親水性ポリエーテルウレ
タンとの接着性は十分でなく、湿潤時に潤滑性を発現し
ても、容易に摺動抵抗が上昇する。
安定用ポリマーを含んでなる親水性被膜を設けることが
公知である(特表平6-505029号公報)。ポリアミド系高
分子物質の基材に関しては、ポリアミド系高分子物質の
トリフルオロエタノール溶液なる「安定用ポリマー」で
被覆した後に、ポリビニルピロリドン、ポリアミド系高
分子物質との混合溶液を上塗りした水に不溶な被膜が紹
介されている。しかしながら、ポリアミド系高分子物
質のトリフルオロエタノール溶液に、ポリアミド系高分
子チューブを浸漬すると、トリフルオロエタノールの溶
解性が強いため、チューブが変形する可能性がある、
ポリビニルピロリドンとポリアミド系高分子物質との相
溶性はよくないため、不溶性の被膜であっても繰り返し
摺動によって、ポリビニルピロリドンの層は容易に剥離
し、摩擦抵抗が上昇すると考えられる。
ロックアミド、ポリウレタン、ポリエーテルウレタン、
ポリエステルウレタン、天然ゴム、合成ゴム、ラテック
ス、ゴム、ポリエステル-ポリエーテルコポリマー、ポ
リカーボネート、ポリエチレンテレフタレートなど)上
にポリビニルピロリドンと架橋ポリウレタンからなる親
水性の被膜を設けることが公知である(特開平5-156203
号公報)。この親水性の被膜も、アミド系高分子物質を
表面に含有する医療用具では、湿潤時に潤滑性を発現し
ても容易に摺動抵抗が上昇する。
して結合されたポリビニルピロリドン分子が相互に重合
されたもので形成された親水性被膜が既に開示されてい
る(特開平7-80078号公報)。この親水性被膜も、合成
樹脂膜がポリウレタンであれば、良好な潤滑性、耐久性
を有するが、イソシアネート基と実質的に反応しないア
ミド系高分子物質を表面に含有する医療用具表面では十
分な効果を発現しない。
樹脂膜表面にイソシアネート基を介して結合されたポリ
ビニルピロリドンからなるガイドワイヤーが開示されて
いる(特開平7-124263号公報)。また、イソシアネート
基を含む溶液を接触させる前にポリエーテルブロックア
ミドを膨潤させる溶媒で処理する旨も開示されている。
このときの溶媒として、メチルエチルケトン、トリクレ
ン、クロロホルム等が示されている。しかしながら、エ
ーテル結合を有さない一般的なポリアミド系高分子物
質、例えば、ナイロン12やナイロン6、6、ナイロン
6では、これらの溶媒を用いてもコーティング後におけ
る耐久性は不十分である。
系高分子物質を表面に含有する医療用具で十分な効果を
発現しなかったのは、この材料では、イソシアネート基
等の官能基と反応せずに、物理的に湿潤時に潤滑性を発
現する被覆が積層しているのみであり、その結果、繰り
返し摺動により、この被膜が剥離し、潤滑性が急激に低
下するためであると考えられる。
ド系高分子物質を表面に含有する医療用具において、湿
潤時に潤滑性を発現し、かつ繰り返し摺動しても容易に
潤滑性が低下しない医療用具及びその製造方法を提供す
ることである。
解決するために種々鋭意検討した結果、アミド系高分子
物質を表面に含有する医療用具を、該材料を膨潤または
溶解する化合物を含む溶液に浸漬した後に、ウレタン系
高分子物質を含む被膜を形成し、その後にポリビニルピ
ロリドンを含む被膜を形成することにより得られた被膜
が、湿潤時に潤滑性を有し、繰り返し摺動した場合にお
いてもその潤滑性が低下しないことを見いだし、本発明
に到達した。
表面に含有する医療用具の表面を、該アミド系高分子物
質を膨潤または溶解する化合物を含む溶液に浸漬した
後、ウレタン系高分子物質を含有する被膜を形成させ、
次いで、ポリビニルピロリドンを含有する被膜を形成さ
せることを特徴とする湿潤時に潤滑性を有する医療用具
の製造方法である。
表面を有する医療用具の表面に、ウレタン系高分子物質
を含有する層を有し、次いで、該ウレタン系高分子層の
上に、ポリビニルピロリドン層を有することを特徴とす
る湿潤時に潤滑性を有する医療用具である。
子物質を表面に含有する医療用具を、アミド系高分子物
質を膨潤または溶解する化合物を含む液体に浸漬した後
に、ウレタン系高分子物質を含有する溶液に浸漬する。
これにより、アミド系高分子物質を表面に含有する医療
用具表面に強固に接着したウレタン系高分子物質を含有
する被膜が得られる。そして、ポリビニルピロリドンを
含有する溶液に浸漬することにより、ウレタン系高分子
物質を含有する被膜上にポリビニルピロリドンを含有す
る湿潤時に潤滑性を有する被膜が得られる。
潤滑性を必要とする医療器具であって、具体的にはガイ
ドワイヤー、PTCAバルーンカテーテル、PTAバル
ーンカテーテル、造影用カテーテル、カテーテル導入
管、マイクロカテーテルなどが挙げられる。また、アミ
ド系高分子物質を表面に含有する医療用具とは、最外表
面にアミド系高分子物質層を有する上記医療器具であっ
て、基材本体がアミド系高分子物質からなるか、あるい
は基材本体は金属、他の高分子物質、例えば、ポリウレ
タン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル、ポ
リアミド、PVC、ポリアクリレート、ポリスチレン、
ラテックスなどであるが、その表面にアミド系高分子物
質からなる層が設けられたものが挙げられる。
ては、分子鎖中にエーテル結合を有するポリエーテルブ
ロックアミド、ポリエステル結合を有するポリエステル
ブロックアミド、またはポリエーテル結合とポリエステ
ル結合を有するポリエーテルエステルブロックポリアミ
ドなどが挙げられる。ポリエーテル結合および/または
ポリエステルを有するポリアミドでは、ポリエーテル結
合および/またはポリエステル結合は、ポリアミド結合
との割合(モル比)が、10:90〜60:40、好ま
しくは、10:90〜40:60である。このようなポ
リエーテル結合を有するポリアミドとしては、商品名、
ぺバックス(アトフィナ社製)、ダイアミドPAE(ダイ
セル・ヒュルス社製)、グリラックスA(大日本インキ
化学工業社製)、UBEポリアミドエラストマーPAE(宇部
興産社製)、グリロンELX(エムス・ジャパン社製)、
ノバミッドEXL/PAE(三菱化学社製)などが挙げられ
る。
高分子物質と他の高分子化合物とのブレンド、2種以上
のポリアミド系高分子物質との混合物も好適に使用され
る。ポリアミド系高分子物質とポリウレタンおよびポリ
アミド系高分子物質と低密度ポリエチレンのブレンドな
どが例示される。
含むものであれば、単層または多層被覆構造を有してい
てもよい。これらのアミド系高分子物質層を被覆する方
法としては、種々の方法が採用できる。基材としては、
金属、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポ
リエステル、ポリアミド、PVC、ポリアクリレート、
ポリスチレン、ラテックスなどであるが、その表面にア
ミド系高分子物質が被覆されたものなどが例示され、ア
ミド系高分子物質を被覆するには、溶媒として、トリフ
ルオロエタノール、クレゾールなどがあり、溶融被覆な
ど、当該技術分野で公知である方法が採用できる。
子物質を膨潤または溶解する化合物とは、上記アミド系
高分子物質を室温において、処理前の重量を処理後、20
〜40重量%増加させる作用を有するか、あるいは肉眼に
て観察して、表面が若干白化した状態にさせ得る作用を
有する化合物をいう。具体的には、1,1,1,3,
3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(HFPとも
いう)、トリフルオロエタノールなどのフッ素系溶媒、
フェノール、クレゾール、アニリン、ニトロベンゼンな
どの芳香族系有機溶媒、蟻酸等の有機酸、塩酸、硝酸、
クロム酸等の無機酸などが挙げられる。特に好ましく
は、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プ
ロパノールがある。広く使用されるメチルエチルケトン
などのアミド系高分子物質をほとんど膨潤または溶解し
ない溶媒では、容易に潤滑性が低下してしまう。これら
の溶媒の選択は、基材であるアミド系高分子物質の化学
組成によって適宜選択される。
化合物は、そのままで使用しても構わないが、著しく膨
潤、溶解または変形が生じる場合には、適宜溶液として
使用することもできる。この溶媒としては、クロロホル
ム、テトラヒドロフラン等の有機溶媒など様々な溶媒を
選択することができるが、基材であるアミド系高分子物
質に悪影響を与えるものは避けるべきである。
膨潤または溶解する化合物の溶液に、アミド系高分子物
質を表面に含有する医療用具を浸漬する。浸漬は通常、
室温で10〜60秒間行う。その後、室温で1〜12時
間放置することが好ましい。
分子物質を含有する溶液とは、ウレタン系高分子物質を
通常、1.0〜10.0重量%含有する溶液である。ウ
レタン系高分子物質としては、通常のエーテル系ポリウ
レタン、商品名、ペレセン(ダウケミカル社製)、テコ
フレックス(サーメディックス社製)、テコタン(サー
メディックス社製)等が使用でき、溶媒としてはメチル
エチルケトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド等が使用される。濃度は
1.0〜10重量%、好ましくは、1.0〜4.0重量
である。1.0量%未満であれば、被膜の厚さが十分と
ならず、10重量%を超えると、溶液の粘度が高くなり
すぎて、均一に塗布できなくなる。該溶液には、ポリイ
ソシアネートを含有していてもよい。ポリイソシアネー
トを含有することにより、ウレタン系高分子物質が架橋
し、アミド系高分子物質を含有する表面との接着性が向
上するものと考えられる。ポリイソシアネートとして
は、ジフェニルメタンジイソシアネート、トルエンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートが使用さ
れる。
系高分子物質および必要によりポリイソシアネートを含
有する溶液に浸漬することにより、ウレタン系高分子物
質を含有する被膜を形成する。
ルピロリドンを含有する溶液に浸漬することにより、ポ
リビニルピロリドンを含有する被膜を形成する。ポリビ
ニルピロリドンとしては、平均分子量が30,000以上のも
のが使用される。平均分子量が30,000未満であれば、湿
潤時に潤滑性を発現するが、繰り返し摺動により容易に
剥離し抵抗が上昇する。また、ポリビニルピロリドンを
含有する溶液の媒体としては、クロロホルム、メチルア
ルコール、エチルアルコール等が使用でき、このときの
ポリビニルピロリドンの濃度は通常、1.0〜5.0重
量%である。このポリビニルピロリドンを含有する溶液
には、ウレタン系高分子物質、あるいはポリイソシアネ
ートが含有していてもよい。ウレタン系高分子物質とし
ては上記したウレタン系高分子物質などが使用でき、ポ
リイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシ
アネート、トルエンジイソシアネート、キシリレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイ
ソシアネートなどが使用される。これらの化合物を含有
することにより、ポリビニルピロリドンの被膜が強化さ
れ、初期の摺動抵抗は若干上昇するが、繰り返し摺動に
対する耐性が向上し、容易に摺動抵抗が上昇しなくな
る。
後、基材を加熱処理する。温度は60〜120℃であり、時
間は60〜120分間である。加熱処理を施さないと、ポリ
イソシアネートの反応性が低いため、剥離しやすくな
る。
る。これらの実施例では、表面潤滑性試験は、容器A、
治具B、錘Cと引張試験機(インストロン5565型)を用い
る(図1参照)。約20cmの長さにカットし、内部に
芯線を通したポリアミドチューブを、生理食塩水で満た
した容器Aの所定位置に配置し、その上部を引張試験機
に固定する。次いで、治具B(表面はポリウレタン)に1
00gの錘Cを乗せ、ポリアミドチューブに荷重をかけ
る。その後、引張試験機を用いて速度500mm/分で
繰り返し上下させ、所定繰り返し回数における摩擦抵抗
を測定した。摩擦抵抗値(g)は、上昇時の応力と下降
時の応力の和の2分の1とした。
量%)に、外径約0.9mm、長さ20cmのポリエー
テルブロックアミド(アトフィナ社製ペバックス7033、
ポリエーテル含量25%)チューブを10秒間浸漬した
後、室温で1時間乾燥させた。次いで、ポリウレタン(ダ
ウケミカル社製ペレセン2363 80AE)3.0重量%および
4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート1.0重量
%のテトラヒドロフラン溶液に該チューブを10秒間浸
漬し、室温で1時間乾燥させた。次いで、ポリビニルピ
ロリドン(ISP社製プラスドンK-90)3.0重量%のクロ
ロホルム溶液に該チューブを10秒間浸漬し、室温で1
時間乾燥させた。その後、60℃で1時間加熱処理し
た。このようにして得られたポリエーテルブロックアミ
ドチューブを表面潤滑性試験に供し、その摩擦抵抗を表
1に示す。
濃度5容量%)に、外径約0.9mm、長さ20cmのポ
リエーテルブロックアミド(アトフィナ社製ペバックス7
033)チューブを10秒間浸漬した後室温で1時間乾燥さ
せた。次いで、ポリウレタン(ダウケミカル社製ペレセ
ン)3.0重量%、4,4−ジフェニルメタンジイソシ
アネート1.0%のテトラヒドロフラン溶液に10秒間
浸漬し、室温で1時間乾燥させた後、ポリビニルピロリ
ドン(ISP社製プラスドンK−90)3.0量%のク
ロロホルム溶液に10秒間浸漬し、室温で1時間乾燥さ
せた。その後、60℃で1時間加熱処理した。このよう
にして得られたポリエーテルブロックアミドチューブを
表面潤滑性試験に供し、その摩擦抵抗を表1に示す。
様)を被覆なしの状態で表面潤滑性試験に供し、その摺
動抵抗値を表1に示す。
様)をポリウレタン(ダウケミカル社製ペレセン2363 80
AE)3.0重量%および4,4−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート1.0%のテトラヒドロフラン溶液に、1
0秒間浸漬し、室温で1時間乾燥させた(第2工程)。
その後、60℃で1時間加熱処理した(第4工程)。こ
のようにして得られたポリエーテルブロックアミドチュ
ーブを表面潤滑性試験に供し、その摩擦抵抗を表1に示
す。
様)をポリウレタン(ダウケミカル社製ペレセン2363 80
AE)3.0重量%および4,4−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート1.0%のテトラヒドロフラン溶液に、1
0秒間浸漬し、室温で1時間乾燥させた(第2工程)。
次いで、ポリビニルピロリドン(ISP社製プラスドン
K−90)3.0重量%のクロロホルム溶液に10秒間
浸漬し、室温で1時間乾燥させた(第3工程)。その
後、60℃で1時間加熱処理した(第4工程)。このよ
うにして得られたポリエーテルブロックアミドチューブ
を表面潤滑性試験に供し、その摩擦抵抗を表2に示す。
様)をポリビニルピロリドン(ISP社製プラスドンK
−90)3.0重量%のクロロホルム溶液に10秒間浸
漬し、室温で1時間乾燥させた(第3工程)。その後、
60℃で1時間加熱処理した(第4工程)。このように
して得られたポリエーテルブロックアミドチューブを表
面潤滑性試験に供し、その摩擦抵抗を表2に示す。
E、またはクロロホルムに代えることを除いて、実施例
1と同様に被覆処理を行った。このようにして得られた
ポリエーテルブロックアミドチューブを表面潤滑性試験
に供し、その摩擦抵抗を表2に示す。
ィナ社製ペバックス7033、ポリエーテル含量25%)チュ
ーブをポリエーテルブロックアミド(アトフィナ社製ペ
バックス6333、ポリエーテル含量38%)チューブに代え
て、実施例1と同様にして溶媒処理(第1工程)、ポリ
ウレタンおよびジイソシアネート溶液処理(第2工
程)、ポリビニルピロリドン溶液処理(第3工程)およ
び加熱処理(第4工程)を実施した。このようにして得
られたポリエーテルブロックアミドチューブを表面潤滑
性試験に供し、その摩擦抵抗を表3に示す。
ィナ社製ペバックス7033、ポリエーテル含量25%)チュ
ーブをポリエーテルブロックアミド(アトフィナ社製ペ
バックス7233、ポリエーテル含量13%)チューブに代え
て、実施例1と同様にして溶媒処理(第1工程)、ポリ
ウレタンおよびジイソシアネート溶液処理(第2工
程)、ポリビニルピロリドン溶液処理(第3工程)およ
び加熱処理(第4工程)を実施した。。このようにして
得られたポリエーテルブロックアミドチューブを表面潤
滑性試験に供し、その摩擦抵抗を表3に示す。
ィナ社製ペバックス7033、ポリエーテル含量25%)チュ
ーブをポリエーテルブロックアミド(アトフィナ社製ペ
バックス7033、ポリエーテル含量25%))とポリウレタ
ン(ダウケミカル社製、ペレセン)とのブレンド(重量
比80/20)チューブに代えて、実施例2と同様にし
て溶媒処理(第1工程)、ポリウレタンおよびジイソシ
アネート溶液処理(第2工程)、ポリビニルピロリドン
溶液処理(第3工程)および加熱処理(第4工程)を実
施した。このようにして得られたポリエーテルブロック
アミドブレンドチューブを表面潤滑性試験に供し、その
摩擦抵抗を表3に示す。
り被覆されたポリエーテルブロックアミドチューブ(実
施例1〜5)はいずれも表面潤滑性に優れ、摩擦耐久性
に優れている。これに対して、比較例1、2のポリエー
テルブロックアミドチューブは摺動初期から潤滑性が悪
く、また、比較例3〜7では摺動初期の潤滑性は本発明
の被覆を行ったポリエーテルブロックアミドチューブに
近い摩擦抵抗値を示したが、その後、摺動回数を増加さ
せることによって摩擦抵抗値が大きくなり摩擦耐久性が
悪くなった。
または溶解する化合物を含有する溶液に浸漬することに
より、アミド系高分子物質を含有する表面とウレタン系
高分子物質を含有する被膜との接着性が向上するため、
ウレタン系高分子物質を含有する被膜を形成した後に、
ポリビニルピロリドンを含有する被膜を形成すれば、湿
潤時に潤滑性を有するだけでなく、繰り返し摺動によっ
ても容易にポリビニルピロリドンを含有する被膜がはく
離しにくくなり、潤滑性が低下しないものとなる。した
がって、本発明の医療器具は、水または体液との接触に
よっても容易に溶出せず、持続的な潤滑性を発現するこ
とができる。
性試験の説明図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 アミド系高分子物質を表面に含有する医
療用具の表面を、該アミド系高分子物質を膨潤または溶
解する化合物を含む溶液に浸漬した後、ウレタン系高分
子物質を含有する被膜を形成させ、次いで、ポリビニル
ピロリドンを含有する被膜を形成させることを特徴とす
る湿潤時に潤滑性を有する医療用具の製造方法。 - 【請求項2】 前記アミド系高分子物質は、エーテル結
合とアミド結合の割合(モル比)が10:90〜60:
40であるポリエーテルブロックアミドである、請求項
1記載の医療用具の製造方法。 - 【請求項3】 前記アミド系高分子物質を膨潤または溶
解する化合物は、1,1,1,3,3,3−ヘキサフル
オロ−2−プロパノール、フェノール、クレゾールおよ
び蟻酸からなる群から選択される1種以上の化合物であ
る、請求項1記載の医療用具の製造方法。 - 【請求項4】 前記ウレタン系高分子物質を含有する被
膜は、ウレタン系高分子物質とポリイソシアネートとを
含むものである、請求項1記載の医療用具の製造方法。 - 【請求項5】 前記ポリビニルピロリドンを含む被膜
は、ポリビニルピロリドンとウレタン系高分子物質との
混合物、あるいはポリビニルピロリドンとポリイソシア
ネートの混合物を含有するものである、請求項1記載の
医療用具。 - 【請求項6】 前記医療用具は、カテーテル、ガイドワ
イヤーまたはバルーンカテーテルである、請求項1記載
の医療用具。 - 【請求項7】 アミド系高分子物質を含む表面を有する
医療用具の表面に、ウレタン系高分子物質を含有する層
を有し、次いで、該ウレタン系高分子層の上に、ポリビ
ニルピロリドン層を有することを特徴とする湿潤時に潤
滑性を有する医療用具。 - 【請求項8】 前記アミド系高分子物質は、エーテル結
合とアミド結合の割合(モル比)が、10:90〜6
0:40であるポリエーテルブロックアミドである、請
求項7記載の医療用具。
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