JP2009536864A - エラストマー物質から作られた血管形成医療器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、従来の血管形成医療器具と比較して改善された物理的特性を有する血管形成医療器具又はその部品を提供することを課題とする。
【解決手段】医療器具は、エラストマー物質から作られ、このエラストマー物質は、化学式(1)のアミノカルボン酸と化学式(2)のラクタムとから成るグループから選択された、ポリアミドブロックを形成する化合物を、化学式(3)のトリブロックポリエーテルジアミン化合物と化学式(4)のジカルボン酸と重合させることにより得られるポリアミド系ポリマーを含み、
[式1]
Figure 2009536864

[式2]
Figure 2009536864

[式3]
Figure 2009536864

[式4] HOOC−(R3)−COOH
基R1,R2,R3は、夫々、一つ又はそれ以上のアミド基によって中断され得る炭化水素鎖を含む結合基で、xは1〜20の整数で、yは4〜50の整数で、zは1〜20の整数で、mは0又は1である。

Description

本発明は、血管形成医療器具、特に血管形成カテーテル、更に詳しくは、カテーテルの遠位端部に設けられるバルーンに使用される材料に関するものである。
血管形成においてカテーテルを使用することは、広く知られている。遠位端部にバルーンを備えたカテーテルは、ガイドワイヤーに追従して狭窄した動脈の口へ前進させられる。バルーンが動脈の狭窄部に留置された時に、バルーンは繰り返し膨張/収縮させられる。動脈内でのバルーンの膨張後の収縮による通気により、動脈の内腔の狭窄の程度を減少させて、狭窄症に冒されている心臓領域内での良好な血液の流れを回復させる。
バルーンが作られているプラスチック材料の化学的物理的及び機械的特性は、バルーンのコンプライアンス、即ち、バルーンの最適な操作のための主要な特性である、動脈系へのバルーンの適応性と展開に対する耐性とを決定する。そのコンプライアンスと耐性の条件及びバルーンの寸法は、使用の態様及びカテーテルが留置させられる血管の寸法によって変わる。様々なポリマーによってもたらされる利点は、バルーンの特定の機械的な応用に関連する。
本発明が対処する問題は、従来の血管形成医療器具と比較して改善された物理的特性を有する血管形成医療器具又はその部品を提供することにある。特に、本発明は、血管形成カテーテル、更に詳しくは、高い耐性を有する可撓性物質から作られたカテーテルの外側チューブ、先端部及びバルーンの如きカテーテルの部品を確保する上での問題を解決することを目的とする。
本発明の目的は、特許請求の範囲に記載された、血管形成医療器具及び特にカテーテル、又はカテーテルのバルーン,チューブ及び先端部の如き部品の構成物質の使用にある。
本発明の目的である医療器具の更なる特徴及び利点は、本発明に関する後述の詳細な説明を参照することにより、より明らかとなるであろう。
本発明に係る一実施形態では、血管形成医療器具、特に、カテーテル及びその部品、好ましくは、カテーテルのバルーンは、ポリアミド系の熱可塑性エラストマーから作られている。
このエラストマーは、柔らかい部分である基(group)によって修飾された、物質の硬い部分であるポリアミドブロックを形成するモノマーを含んでいる。
このエラストマーは、化学式(1)の如きアミノカルボン酸と化学式(2)の如きラクタムとから成るグループから選択された、ポリアミドブロックを形成する化合物を化学式(3)のトリブロックポリエーテルジアミン化合物(triblock polyetherdiamine compound)と化学式(4)の如きジカルボン酸と重合させることにより得られる。
[式1]
Figure 2009536864
[式2]
Figure 2009536864
[式3]
Figure 2009536864
[式4] HOOC−(R3)−COOH
上記化学式中で、基R1,R2及びR3は、夫々、炭化水素鎖を有し、一つ又はそれ以上のアミド基によって中断され得る(interrupted)結合基である。好ましくはR1及びR2は、独立して、2〜20の炭素原子を有するアルキレン基とアミド結合を有し、R3は、1〜20の炭素原子を有するアルキレン基を有している。
xは1〜20、好ましくは1〜18、より好ましくは1〜16で可変で、yは4〜50、好ましくは5〜45、より好ましくは8〜30で可変で、zは1〜20、好ましくは1〜18、より好ましくは1〜12で可変であり、mは0又は1である。
一般に、重合は、化学式(1)及び/又は化学式(2)の化合物の15〜70wt%と、30〜85%の総重量を有する化学式(3)及び(4)の化合物の混合物を使用して実施される。この重合は、150〜300°C、好ましくは160〜280°C、より好ましくは180〜250°Cの温度の反応器内で実施される。
重合は、二つの異なる方法に依って実施することができる。
第一の方法は、化学式(1)及び/又は化学式(2)の化合物、化学式(3)及び化学式(4)の化合物を反応器内に挿入して、加熱し、圧力を調整して重合を完成させる方法である。第二の合成法は、化学式(4)からの化合物を含む化学式(1)及び/又は化学式(2)の化合物と、次いで反応器内に挿入される化学式(3)の化合物との間の前重合(pre−polymerization)によって重合を完成させる方法である。
何れの場合にも、重合は、非連続反応用バッチロード型槽反応器又は連続反応器(PFR)にて実施することができる。
化学式(1)のアミノカルボン酸及び化学式(2)のラクタムは、脂肪族、脂環式又は芳香族であってよく、それらは、例えば、ジアミンとジカルボン酸及びそれの塩との反応から得ることができる。ジアミン及びジカルボン酸は、脂肪族、脂環式及び芳香族であってよい。好ましくは、ジアミン及びジカルボン酸は、脂肪族である。
ジアミン化合物の例としては、例えば、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサ−,ヘプタ−,オクタ−,ノナ−,デカ−,ウンデカ−,ドデカ−メチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、及び3−メチルヘキサメチレンジアミンの如き、2〜20の炭素原子を有するジアミンが含まれる。
ジカルボン酸の例としては、例えば、シュウ酸,コハク酸,グルタル酸,アジピン酸,アゼライン酸等の如き、2〜20の炭素原子を有するジカルボン酸がある。それに代えて、化学式(4)のジカルボン酸は、不飽和脂肪酸の二量化によって合成してもよい。これらの不飽和脂肪酸の例としては、アメリカ合衆国イリノイ州シカゴのUnichema North America社が販売しているPripol 1004,Pripol 1006,Pripol 1009及びPripol 1013がある。
ラクタムの例としては、ε−カプロラクタム,ω−エナントラクタム,ω−ウンデカラクタム,2−ピロリドン等の如き、5〜20の炭素原子を有する化合物が含まれる。
アミノカルボン酸の例としては、6−アミノカプロン酸,7−アミノヘプタン酸,8−アミノオクタン酸,10−アミノカプリン酸,11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸の如き、5〜20の炭素原子を有する脂肪族ω−アミノカルボン酸が含まれる。
ポリアミドセグメントは、好ましくは、PA 6,PA 6/6,PA 6/9,PA 6/10,PA 6/12,PA 6/36,PA 11,PA 12,PA 12/12から選択される。更に、好ましくは、ラクタム 6、ラクタム 12、イソフタル酸,テレフタル酸及びナフタレンジカルボン酸に加えてC−C36ジカルボン酸及びC−C12ジアミンからも得られるコポリアミド又はマルチポリアミドが使用される。
ポリアミドセグメントは、C−C12ラクタムのモノマー又はC−C12アミノカルボン酸のモノマーからも得ることができる。ポリアミド成分は、対応のジアミン塩と上述したカルボン酸の重縮合から得ることもできる。化学式(3)のポリエーテルジアミントリブロック化合物(polyether diamine triblock compound)(Pe)のx、y及びzの値を変えることにより、異なった物理的特性を有する物質が得られる。
[式3]
Figure 2009536864
その物質に高い透過性が要求される場合には、xの範囲は2〜6、好ましくは3〜4でなければならず、yの範囲は6〜12、好ましくは8〜10でなければならず、zの範囲は1〜5、好ましくは2〜3でなければならない。
他方で、その物質に高いストレス耐性が要求される場合には、xの範囲は2〜10、好ましくは2〜6でなければならず、yの範囲は13〜28、好ましくは13〜21でなければならず、zの範囲は1〜9、好ましくは1〜5でなければならない。
使用される、化学式(3)のポリエーテルジアミントリブロック化合物は、ポリエーテルジアミントリブロックXYZとして同定することができる。この基は、アメリカ合衆国のHUNTSMAN Corp.,によって販売されており、コードXTJ−533により同定されている化合物では、xは12に略等しく、yは11に略等しく、zは11に略等しい。コードXTJ−536により同定されている物質では、xは9に略等しく、yは17に略等しく、zは8に略等しい。コードXTJ−542により同定されている化合物では、xは3に略等しく、yは9に略等しく、zは2に略等しい。
ポリエーテルジアミントリブロック化合物の三つの好ましい組成を下掲表1に示した。
表1
Figure 2009536864
好ましくは、ポリアミド系のポリマーは、一般的な化学式(5)によって表される。
[式5] HO−(OC−PA−CO−HN−Pe−NH)−H
この式で、PAはポリアミド部分、Peは柔らかい部分、即ち、ポリエーテル部分であり、他方、nはポリマーを形成するユニットの数である。
このポリマーは、19000〜50000の範囲の分子量を有する。
血管形成用の医療器具を獲得するために本発明において使用される上述のポリマーは、例えば、UBE INDUSTRIES社よりUBESTA XPATMの標章で販売されている。特に好適な市販のポリマーの例としては、例えば、UBESTA XPA 9055TM,UBESTA XPA 9063TM,UBESTA XPA 9044TM,UBESTA XPA 9070TMがある。
ショアDスケールを使用して測定される物質の硬さは、標章UBESTA XPAの後に続く数字コードの末尾二桁によって示されている。従って、異なった物質が、ポリアミドを添加又は添加せずにそれら物質を混合することによって、所望の硬さ及び柔軟性に応じて異なった用途のために使用される。
本発明に依るポリアミド系ポリマーは、血管形成用の医療器具、特にカテーテルバルーンの製造に使用することができ、或いは、ポリアミドを含む、ポリアミド系ポリマーの機械的混合物も使用することができる。後者の場合には、ポリアミド系ポリマーは、混合物中に、10〜90wt%、好ましくは75〜25wt%、更に好ましくは60〜40wt%含まれ、混合物の残部はポリアミドである。
これらの混合物に使用されるポリアミドは、PA 6,PA 6/6,PA 6/9,PA 6/10,PA 6/12,PA 6/36,PA 11,PA 12及びPA 12/12から成る基から選択される。好ましくはポリアミド12である。
結果としての化合物は、それの基本成分同士の中間の機械的特性を有することになる。
本発明による物質によって得られる、血管形成のための医療器具、詳しくはカテーテル、より詳しくはカテーテルバルーンは、Arkema社製のpebax(商標)及びEMS社製のgrilamid(商標)FE7303の如き従来の公知物質から作られた医療器具、詳しくはカテーテルバルーンと比較して、改良された物理的特性を有している。この改良された特性については、比較例を用いて後述する。
本発明によるエラスラマー物質によって得られるバルーンは、実際に、優れた可撓性と弾力性という最適な特性を有している。物質の可撓性が、その物質の当初の形状が変形によって一時的に変形させられた後にその当初の形状に戻る物質の能力を意味することを考慮すれば、可撓性の高い物質から作られたバルーンは、血管形成手術中に要求される膨張及び収縮の繰り返し操作によって生ずる機械的圧力に対して容易に耐えられるであろうことが理解される。
更に、驚くべきことに、本発明によるエラストマー物質から作られたバルーンが、動脈への適応性と展開に対する耐性という最適な特性に加えて、圧力増加に追従してバルーンの直径の比率も増加するという意味の最適なコンプライアンス特性を有していることが認められた。
一方で良好な可撓性という特性を有し、他方で最適なコンプライアンス及び耐性を兼ね備えていることが、本発明によるバルーンを特徴付け、更に、血管形成の治療中に患者の動脈系に留置されるバルーンの基本的な特徴を兼ね備えることにもなっている。
コンプライアンスの試験は、破裂圧力に対する圧力増加(バール)と比較して、試験されたバルーンの直径の増大(mm)を測定することにより実施される。
この実験で、高い破裂圧力値を維持させることにより、従来のバルーンの標準的な厚みと比較して、バルーン壁において平均して薄い厚みを維持させることができることを確認することもできた。従って、同じバルーン直径で、従来技術と比較して、高い破裂圧力規格値(RBP)を維持しつつ、薄い壁厚、即ち少ない量の物質を使用することができる。その結果、本発明による物質のこの特性は、より小さな搬送装置を必要とするより小さな輪郭(profile)を備えたバルーンを使用することができて、それにより、動脈系へのカテーテル及び搬送装置の搬送によって患者に与える不快感を低減させることができるという多大な利点をもたらす。
この特性は、高い可撓性,コンプライアンス及び薄い肉厚を必要とする冠状動脈用医療バルーンにおいて特に有益で、主に冠状動脈完全閉塞(CTO)において有益である。この場合、実際に、動脈は、一つ又はそれ以上の狭窄症によってほぼ完全にブロックされていて、高いRBPレート(破裂圧力規格値(Rated Burst Pressure))、
厚みの薄いバルーン壁及び破壊率での高張力、即ち、狭窄症間の狭い空洞内に搬送可能で、高い膨張圧力に耐える能力のあるカテーテルを用いなければならない。
驚いたことに、これらの特徴を全て合わせ持った特性が、本発明に依るエラストマー物質を、そのまま又はポリアミドと混合させて使用することにより認められた。
本発明によるバルーンは、良好な可撓性を有しているために、良好な操作性をも有している。実際に、本発明によるエラストマー物質は、良好な追従能力と血管路への良好な適応性を有している。従って、この特性は、遠位端部にバルーンを備えたカテーテルを血管系に沿って前進させて狭窄症病巣に到達させる能力をも向上させる。動脈の狭窄部位に到達すると、バルーンの良好な可撓性によって、非通気状態のバルーンに、狭窄症閉塞部位に留置されるための改善された能力が付与される。物質の改良された適応性によって、通気されていない状態のバルーンが狭まった動脈部位を通過することを容易にさせる。静脈路及び狭窄症部位をバルーンが容易に通過することによって、最終的には、関連する静脈系及び狭窄症部位の両方に損傷を引き起こさせる危険性を低下させることを確実にさせる。
そして、本発明に依るバルーンの可撓性及び弾力性の良好な特性は、毎回吸入が行われた後にオリジナルの直径寸法に戻る改善された「戻り作用」によって有効的に特徴付けられるバルーンを得ること可能にする。この特徴は、より多くの回数及びより長い期間の吸入について、同じバルーンを使用して行うことを可能にさせる。その可撓性は、バルーンチューブのはね返り柔軟性試験(bounce flexibility test)によって測定される。その試験は、国際標準化機構によって報告されて、ISO 14630:1997規格に記載されている標準規格に従って実施した。0.9mmの外径を有するバルーンチューブを支持手段に固定することにより、0.15mmの操作長さが得られるように位置決めさせた。動力計に接続されたフィーラー(feeler)の先端を、バルーンチューブの表面にわずかに支えさせる。このフィーラーをチューブと接触するように降下させて、フィーラーを一定の量だけ降下させるのに必要とされる力を測定する。フィーラーの降下速度は、20mm/分である。
摩耗に関するバルーンの良好な性質は、高い可撓性に由来する。実際に、血管形成バルーンの通常の使用中に、バルーンの破壊圧力は、後続の繰り返し行われる吸入を通して減少させられる。他方で、本発明に依るエラストマー物質から作られたバルーンの良好な可撓性は、新たなバルーンについて決定される破壊圧力の値を維持する能力を向上させる。この特徴は、また、より多くの吸入回数及びより長い期間、本発明に依るバルーンを使用することを可能にする。
本発明に依るエラストマー物質により得られるバルーンの更なる利点は、引張試験におけるバルーンの良好な性質にある。
バルーンを引張応力によって破壊するのに必要な力を求めることを目的に、本発明に依るバルーンについて試験を実施した。この試験も、また、国際標準化機構によって報告されてISO 14630:1997規格に記載されている標準規格に従って実施した。この試験を実施するために、バルーンの一端部を固定クランプに取り付け、他端部を50mm/分の速度で移動する可動横棒に取り付けて、バルーンが破壊するまで引張させる。バルーンのその伸張は、バルーンの破壊点であって対応の破壊荷重であるピーク荷重に達するまで、各降伏荷重と共に測定する。
高い可撓性を有しているために、本発明による物質の更なる利点は、インナーチューブ、アウターチューブ及び先端部のような様々なカテーテル部位にその物質が適用された場合に、カテーテル全体の操作性が改善されることである。実際に、本発明によるエラストマー物質から作られたカテーテル部位は、カテーテルに、良好な追従能力と、血管路への良好な適応性を付与する。
本発明による物質を血管形成用バルーンに適用することの別の利点は、この物質が高い粘度を有するという特性と、高い粘度レベルを長期に亘り維持できる能力である。この利点は、バルーンを獲得するためのチューブを形成する押し出し加工中のこの物質の良好な流動性において特に認められる。従って、本発明によるエラストマー物質は、アジュバンドとして可塑剤が添加されるポリアミド配合を必要としない。
本発明によるエラストマー物質の更なる利点は、水溶液における低い吸水性である。実際に、ポリマー物質は、水を吸収して膨らむ傾向にあることが知られている。これに反して、本発明に依るポリマーは、低い吸水性を有しているため、膨らむ傾向になく、そのため、形状、体積及び寸法が変化せずに、水溶液中における重量及び体積が非常に低く抑えられる。
また、この特徴は、主に、バルーンを得るためのチューブを押し出し加工する工程において非常に有益である。実際に、押し出し加工前に、すべての物質を炉に入れて、粒子の残留湿気を除去しなければならない。低い吸水性を有するポリマー物質は、先ず第一に、必要とされる予備乾燥のための時間が短くて済む。更に、押し出し工程中に、金型から突出したチューブは、水を含んだカリブレーション/冷却タンク(calibration and cooling tanks)を通過させる。ポリマーチューブが吸収する水の量が多いほど、チューブ壁に微少な空洞が形成されて、その結果バルーンの壁に微少な空洞が形成される危険性が増大する。これらの微少な空洞は、バルーン壁の厚みの予想もしない変化であり、それ故、バルーンの破壊に寄与する脆い点となる可能性がある。
更に、本発明によるエラストマー物質が水性環境での加水分解に対して高い化学的耐性を有していることを銘記すべきである。この加水分解減成(hydrolytic degration)に対する化学的安定性は、バルーンの特別な機械特性が長期に亘って維持されることを担保するため、この物質によって得られるバルーンの保管寿命を増長させることに寄与する。
本発明によるエラストマー物質を処理することによるチューブの製造は、当業者にはよく知られている、150°〜350°の温度範囲で行われる、多くの押出し成形技術又は連続式引抜き成形技術(pultrusion techniques)の一つを用いて実施することができる。
特に、本明細書中に記載したバルーンの製造のためのチューブは、本発明によるエラストマー物質を200°C〜250°Cの温度範囲での単軸押出し機(single−screw extruder)によって押し出し成形することによりによって製造した。
設備の特性及び本発明によるエラストマー物質の各成分の比率を変えた場合には、別の押出し成形温度を使用することができる。
本発明について、以下に示す実施例によって更に詳しく説明するが、これら実施例はバルーンについてのみ参照したもので、本発明を何ら限定するものではなく、本発明の特徴及び利点は、これらの実施例からより明らかとなるであろう。
試験を実施するために、異なった物質の混合物を調製した。
後述する実施例は、本発明に係る血管形成用医療器具、好ましくはカテーテル又はその部品がgrilamid FE7303(商標)の如き公知の物質から作られた医療器具と比較して、上述の改善された特徴を有していることを比較試験によって明らかにしている。
[実施例1]
第一の試験混合物は、40wt%のポリアミド12及び60wt%のUBESTA XPA 9063TMから成る。
混合物1の複数の物理的特性を表2に示した。
表2
Figure 2009536864
以下に報告する表3は、本発明よるエラストマー物質から押出し成形によって作られたチューブに関して実施した曲げ試験から得られたデータを示したものであり、このチューブからバルーンが得られる。使用したチューブは、0.70mmの外径及び0.40mmの内径を有している。この試験によって、上述の物質が高い可撓性を有していることが確認された。表3には、フィーラーの予め定められた降下量(1〜8mm)で得られた荷重値(ニュートンで表現されている)が報告されている。
表3
Figure 2009536864
この表は、フィーラーが7〜8mm移動した時において、0.036Nの最大荷重点を示している。この結果は、本発明による物質の最適な曲げ特性を示しているため、特に重要である。
本発明に依るエラストマー物質から作られたチューブの高い可撓性をより明確に評価するために、従来のgrilamid(商標)FE7303から作られた同じサイズのチューブについて比較試験を実施した。その結果を表4に示した。
表4
Figure 2009536864
上述したように同じサイズのチューブを比較試験で使用した。チューブの壁の厚みは0.15mmである。その様々な物質は同じ硬度を有している。表4から理解できるように、本発明に依る混合物1からの物質は、フィーラーの同一距離の移動で、公知の物質よりも低い最大荷重を有し、その結果、grilamidと比較して改善された可撓性を有している。
混合物1の物質から作られたチューブは、67.5ショアD硬度、713Mpa曲げ弾性率、破壊時の38.34Mpa引張強さ及び破壊時の約450%の伸びを有している。grilamid FE7303を使用した比較試験は、ショアD値、曲げ弾性率及び破壊時の引張強さを混合物1のそれらの値と比較しながら示しており、破壊時の伸びは約300%である。従って、本発明による混合物1は、公知の製品と比較して改良された伸び能力を有している。
コンプライアンス及び可撓性の試験では、6バールの定格圧力で1.25mmの外径を有し且つ0.02の二倍の平均壁厚(double average wall thickness)を有する31個のバルーン試料を試験した。
コンプライアンスの試験は、破裂圧力に対する圧力の増加(バール)と比較した場合の、試験したバルーンの直径の増大(mm)を測定することにより実施した。
この試験から得られた最も重要なデータを表5に示した。この報告データは、記録された平均破裂圧力、実施された測定の標準偏差及び算出されたRBP(Rated Burst Pressure)に関するものである。
表5
Figure 2009536864
下掲表6は、本発明に依る混合物1とgrilamid FE7303とに関する、同じバルーン直径と二倍の平均壁厚での「平均破裂圧力」と「算出された破裂圧力」の比較測定試験から得られた結果を示している。
表6
Figure 2009536864
表6から理解できるように、同じバルーン直径で、本発明による物質は、公知の製品と比較して、良好な破裂圧力レベルを維持しつつ、薄い壁厚を有することが許容される。このことは、上述の適用分野に関して多大な利点をもたらす。
混合物1からのエラストマー物質から得られるバルーンの更なる利点は、引張試験における最適な性質である。この点をより明確に評価するために、混合物1から得られたバルーンと、grilamid FE7303から得られたバルーンを使用して、比較試験を実施した。その得られたデータを表7に示した。
表7
Figure 2009536864
表7において報告したデータから理解できるように、混合物1のエラストマー物質から得られるバルーンは、非常に優れた耐性を有し、従来の物質から得られるバルーンの破壊時の伸び率の約2倍の破壊時の伸び率を有している。
ニュートンで示した荷重は、バルーンを破壊させるためにかけられた引張応力を表している。
混合物1は、主に冠状動脈完全閉塞(coronary total occlusion(CTO))で、高い可撓性とコンプライアンスとが必要とされる冠状動脈医療バルーンの押出し成形において特に有益である。バルーンの薄い壁厚と破壊時の高い引張力値とを維持しながら、同時に、高いRBP値(Rated Burst Pressure)が必要とされる。驚いたことに、本発明によるエラストマー物質のみ、又はポリアミドと混合されたエラストマー物質のいずれかを使用することによって、これらの特性のすべてが認められた。
[実施例2]
第二の混合物2は、60wt%のポリアミド12と40wt%のUBESTA XPA 9063TMから成る。
混合物2の様々な物理的特性を表8に示した。
表8
Figure 2009536864
下掲表9は、本発明に依るエラストマー物質から押出し成形で作られたチューブについて実施した曲げ試験から得られたデータを示し、このチューブからバルーンが作られる。その使用したチューブは、0.90mmの外径と0.50mmの内径とを有している。この試験によって、上述した物質の高い可撓性の特性が確認された。表9には、(ニュートンで示した)荷重値が示されているが、これは、フィーラーの予め定めた降下量(1〜8mm)で得られた値である。
表9
Figure 2009536864
この表は、フィーラーが7mm移動した時において、0.073Nの最大荷重点を示している。この結果は、本発明による物質の最適な曲げ特性を示しているため、特に重要である。
本発明に依るエラストマー物質から作られたチューブの高い可撓性をより明確に評価するために、従来技術において広く使用されている物質から作られた同じサイズのチューブを使用して比較試験を実施した。その結果を表10に示した。
表10
Figure 2009536864
上述したように、比較試験では、同じサイズを有するチューブを使用した。壁の厚みは0.20mmである。それら様々な物質は、同程度の硬度を有している。
混合物2の物質から作られたチューブは、ショアD硬度70.5、曲げ弾性率1066Mpa、破壊時の引張強さ46.17Mpa及び破壊時の伸び率約350%を有している。
コンプライアンス及び可撓性試験では、7バールの定格圧力で3mmの外径を有し、二倍の平均壁厚0.0383を有する31個のバルーン試料について試験した。
コンプライアンス試験は、破裂圧力に対する圧力増加(バール)と比較した場合の、試験したバルーンの直径の増大(mm)を測定することによって実施する。
この試験から得られた最も重要なデータを表11に示した。報告データは、記録された平均破裂圧力、実施された測定の標準偏差及び算出されたRBP(Rated Burst Pressure)に関するものである。
表11
Figure 2009536864
混合物2についても破壊時比較引張試験を実施した。その得られたデータを表12に示した。
表12
Figure 2009536864
混合物2から得られるバルーンは、従来の物質から得られるバルーンよりも2倍以上大きい破壊耐性と破壊時%伸び率とを有している。
[実施例3]
従来物質から作られたバルーンの可撓性の特性と比較した場合の、本発明に依るエラストマー物質から作られたバルーンの可撓性の特性をより明確に評価するために、広範囲に亘って上述したような比較はね返り柔軟性試験を実施した。この試験を実施するために10個のバルーンを使用した。
即ち、混合物1(40% Pa12,60% UBESTA XPA 9063TM)からの物質により作られた5個のバルーンと、従来技術において広く使用されている物質から作られた5個のバルーンを使用した。
この試験は、これらバルーンを同じ技術的特性を有する10個のカテーテルの遠位端部に取り付けることにより実施した。これらカテーテルは、遠位端部のバルーンについてのみ互いに相違している。その結果を表13に示した。
表13
Figure 2009536864
表14

Figure 2009536864
同じ直径、同じ長さを有しているが、異なる構成要素物質で構成されている複数対のバルーンについて試験を実施した。
比較試験が示す通り、本発明に依る物質から作られたバルーンは、従来技術の物質から作られたバルーンよりも遙かに高い可撓性を有している。
データの分析から分かるように、実施例1及び実施例2のこれらの二つの混合物から非常に高い硬度値が得られる(40% PA12と60% UBESTA XPA 9063TMから成る混合物1については67.5のショアD、70% PA12と30% UBESTA XPA 9063TMから成る混合物2については70.5のショアD)。それにもかかわらず、非常に高い曲げ値が得られた。この詳細は、異なるバルーンを比較することによって実施例3で報告された比較試験からも明らかになる。これらの報告された値が本発明によるバルーンの良好なコンプライアンス特性を定めるのに、当業者にとって重要であることは明らかである。特に、上述の破裂圧力データは、バルーンの良好な可撓性特性と組み合わせて重要である。実際に、本発明によるバルーンが、可撓性が遙かに低い物質において通常見られるコンプライアンス特性を有しているものと推定される。更に、本明細書において開示した新規なバルーンは、より大きい破裂圧力という重要な利点を有しているので、同等の硬度特性を有する従来のバルーンと比較して、定格圧力とRBPとの間での直径のより少ない増加比率に加えて、より高いRBPを有している。
更に、試験したバルーン試料について算出された標準偏差の低い値は、本発明に依る新規な物質によって得られるバルーンの高い均一な性質及び特性を示している。更に、このデータは、本発明に係るバルーンに特有の有益な特性である高い再現性を示すものである。
本発明に係るエラストマー物質から得られるバルーンの良好なコンプライアンス特性は、バルーンの過剰な膨張に起因する血管破壊の危険性を低減させるため、このバルーンを冠状動脈の治療に使用することを可能にさせる。
本発明によるエラストマー物質が、血管形成用の医療器具、特に、カテーテル又はチューブ、バルーン、接続部、先端部等の如きカテーテルの部品の製造に使用することができることは当業者にとって容易に理解できるであろう。
有益なことに、本発明に係るエラストマー物質が、異なる機械的特性を有する異なる物質の複数の層から構成されるチューブ及び/又はマルチレイヤー(multi−layer)のバルーンにも使用できることが分かった。特に、異なる物質の複数の層から構成されるカテーテル用チューブ及びバルーンを使用することは知られている(例えば、国際公開WO03/072177号参照)。マルチレイヤーのチューブ及びバルーンを使用することの利点は、内壁と外壁とに異なる物質を使用できることであり、これらの物質はその機械的特性に基づいて選択される。

Claims (28)

  1. エラストマー物質から作られた、血管形成用医療器具又はその部品であって、前記エラストマー物質が、化学式(1)のアミノカルボン酸と化学式(2)のラクタムとから成るグループから選択された、ポリアミドブロックを形成する化合物を、化学式(3)のトリブロックポリエーテルジアミン化合物と化学式(4)のジカルボン酸と重合させることにより得られるポリアミド系ポリマーを含み、
    [式1]
    Figure 2009536864
    [式2]
    Figure 2009536864
    [式3]
    Figure 2009536864
    [式4]HOOC−(R3)−COOH
    基R1,R2,R3は、夫々、一つ又はそれ以上のアミド基によって中断され得る炭化水素鎖を含む結合基で、xは1〜20の整数で、yは4〜50の整数で、zは1〜20の整数で、mは0又は1であることを特徴とする医療器具。
  2. R1及びR2が、独立して、2〜20の炭素原子とアミド結合を有するアルキレン基を含み、R3が1〜20の炭素原子を有するアルキレン基を含み、xが1〜18の整数、好ましくは1〜16の整数で、yが4〜50の整数、好ましくは5〜45の整数、より好ましくは8〜30の整数で、zが1〜20の整数、好ましくは1〜18、より好ましくは1〜12の整数である、請求項1に記載の医療器具。
  3. x,y及びzが、夫々3,14,2の整数、又は、夫々、5,14,4の整数、又は夫々、3,19,2の整数である請求項1又は2に記載の医療器具。
  4. 化学式(1)のアミノカルボン酸及び化学式(2)のラクタムが、独立して、脂肪族、脂環式又は芳香族である、請求項1〜3の何れか一項に記載の医療器具。
  5. 化学式(1)のアミノカルボン酸及び化学式(2)のラクタムが、ジアミンと脂肪族酸、脂環式の酸又は芳香族酸又はその塩との反応により独立して得られる、請求項1〜4の何れか一項に記載の医療器具。
  6. 前記ジアミン化合物が、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサ−,ヘプタ−,オクタ−,ノナ−,デカ−,ウンデカ−,ドデカ−メチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン及び3−メチルヘキサメチレンジアミンの如き、2〜20の炭素原子を有するジアミンを含んでいる、請求項5に記載の医療器具。
  7. 前記ジカルボン酸(4)及び請求項5に記載の前記ジカルボン酸が、2〜20の炭素原子を有するジカルボン酸、好ましくはシュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸を含む、前記請求項1に記載の医療装置。
  8. 化学式(4)のジカルボン酸が、不飽和脂肪酸、好ましくはPripol 1004,Pripol 1006,Pripol 1009及びPripol 1013の二量化によって合成された、請求項1〜7の何れか一項に記載の医療器具。
  9. 前記ラクタム(2)が、ε−カプロラクタム,ω−エナントラクタム,ω−ウンデカ−ラクタム,2−ピロリドンの如き、5〜20の炭素原子を有する化合物を含んでいる、請求項1〜8の何れか一項に記載の医療器具。
  10. 化学式(1)のアミノカルボキシル酸(1)が、5〜20の炭素原子を有する脂肪族ω−アミノカルボン酸、好ましくは6−アミノカプロン酸,7−アミノヘプタン酸,8−アミノオクタン酸,10−アミノカプリン酸,11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸を含んでいる、請求項1〜9の何れか一項に記載の医療器具。
  11. ポリアミドセグメントが、PA 6,PA 6/6,PA 6/9,PA 6/10,PA 6/12,PA 6/36,PA 11,PA 12及びPA 12/12から選択され、または、C−C36ジカルボン酸及びC−C12ジアミンから得られ、C−C12ラクタムのモノマー又はC−C12アミノカルボン酸のモノマーから得られる、請求項1〜10の何れか一項に記載の医療器具。
  12. 前記ポリアミド系のポリマーが化学式(5)によって表現され、
    HO−(OC−PA−CO−HN−Pe−NH)−H (5)
    この式において、PAはポリアミド部分及びPeはポリエーテル部分で、nがポリマーを形成するユニットの数である、請求項1〜11の何れか一項に記載の医療器具。
  13. ポリアミド系のポリマーの分子重量が、19000〜50000の範囲である、請求項12に記載の医療器具。
  14. 前記ポリアミド系のポリマーが、UBESTA XPA 9055,UBESTA XPA 9063,UBESTA XPA 9044及びUBESTA XPA 9070から選択される、請求項1〜13の何れか一項に記載の医療装置。
  15. 15〜70wt%の、化学式(1)及び/又は(2)の前記化合物と、総重量が30〜85%の化学式(3)及び(4)の前記化合物の混合物を使用して、前記重合が実施される、請求項1〜14の何れか一項に記載の医療装置。
  16. 化学式(1)及び/又は(2)の前記化合物と化学式(3)の前記化合物と化学式(4)の前記化合物とを混合し、150〜300°C、好ましくは160〜280°C、より好ましくは180〜250°Cの温度で加熱することにより前記重合が実施される、請求項15に記載の医療器具。
  17. 化学式(1)及び/又は(2)の前記化合物を、化学式(4)の前記化合物と前重合させ、こうして得られたプレポリマーに、前記重合が完了するまで、化学式(3)の前記化合物を添加することにより、前記重合が実施される、請求項15又は16に記載の医療器具。
  18. 前記エラストマー物質が、ポリアミドを更に含んでいる、請求項1〜17の何れか一項に記載の医療器具。
  19. 前記ポリアミドが、PA 6,PA 6/6,PA 6/9,PA 6/10,PA 6/12,PA 6/36,PA 11,PA 12及びPA 12/12、好ましくはポリアミド12から選択される、請求項18に記載の医療器具。
  20. 請求項1〜17の何れかに記載の前記ポリアミド系のエラストマーが、前記エラストマー物質中に、重量にして10〜90%、好ましくは75〜25%、より好ましくは60〜40%の量で含有され、残部がポリアミドである、請求項18又は19に記載の医療器具。
  21. 前記医療装置が、血管形成カテーテル又はその部品、好ましくはチューブ、先端部及びバルーンである、請求項1〜20の何れか一項に記載の医療器具。
  22. 前記エラストマー物質が多層形態になっている、請求項1〜20の何れか一項に記載の医療器具。
  23. 前記医療器具が、血管形成カテーテル用のバルーンである、請求項1〜20の何れか一項に記載の医療器具。
  24. 前記バルーンが、1.50mmの直径と、0.023mmより小さい二倍の平均壁厚を有している、請求項23に記載の医療器具。
  25. 前記バルーンが、0.040Nより小さい、好ましくは0.035Nより小さい最大曲げ荷重を有している、請求項23又は24に記載の医療器具。
  26. 前記バルーンが、直径が2mmで、23バールより高い、好ましくは24バールより高い平均破裂圧力と、20バールより高い、好ましくは20.5バールより高い算出されたRBPを有している、請求項22〜26の何れか一項に記載の医療器具。
  27. 前記バルーンが、5Nより高い、好ましくは7Nより高い、より好ましくは9Nと等しいか又は9Nより高い、破壊時の引張強さを有している、請求項22〜26の何れか一項に記載の医療器具。
  28. 前記バルーンが、30%より高い、好ましくは40%より高い、より好ましくは50%と等しいか又は50%より高い、破壊時の伸び率を有している、請求項22〜27の何れか一項に記載の医療器具。
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