JP2019141240A - 医療用バルーン、医療用バルーンの製造方法、およびバルーンカテーテル - Google Patents

医療用バルーン、医療用バルーンの製造方法、およびバルーンカテーテル Download PDF

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Abstract

【課題】医療用バルーンにおいて、コンプライアンスが高くても耐圧強度が良好に保たれるようにする。【解決手段】バルーン120は、ポリアミドエラストマーと、ポリアミド樹脂と、を含有する。バルーン120において、ポリアミドエラストマーに対するポリアミド樹脂の質量比率は、50/100以上200/100以下である。【選択図】図2

Description

本発明は、医療用バルーン、医療用バルーンの製造方法、およびバルーンカテーテルに関する。
医療用のバルーンカテーテル(バルーンダイレータも含む)は、生体内管腔における狭窄部の拡張に使用されている。例えば、バルーンカテーテルは、食道、尿管、胆管、血管等における狭窄部を拡張する。
例えば、特許文献1に記載のバルーンカテーテルのバルーンは、積層膜から形成されている。積層膜は、ポリアミド層の内側にポリアミドエラストマー層が設けられている。バルーンカテーテルにおけるバルーン全体の分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は3〜10である。
特開2013−146505号公報
しかしながら、上記のような従来技術には、以下のような問題がある。
バルーンカテーテルのバルーンにおける重要な特性には、コンプライアンスと耐圧強度とがある。コンプライアンスは、単位圧力あたりの拡径量(外径変化量)を表す。耐圧強度は、バルーンの破裂にいたる圧力を表す。
狭窄部を拡張する目的では、バルーンのコンプライアンスは、より高いことが好ましい。しかし、コンプライアンスが高いと、バルーンの耐圧強度が低下しやすくなる。
特許文献1に記載された技術では、コンプライアンスを低く抑えることによって、耐圧性能および通過性能を良好にしている。具体的には、特許文献1におけるバルーンのコンプライアンスは、0.013mm/atm以下である。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、コンプライアンスが高くても耐圧強度が良好に保たれる医療用バルーン、医療用バルーンの製造方法、およびバルーンカテーテルを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様の医療用バルーンは、ポリアミドエラストマーと、ポリアミド樹脂と、を含有し、前記ポリアミドエラストマーに対する前記ポリアミド樹脂の質量比率が、50/100以上200/100以下である。
上記医療用バルーンにおいては、前記ポリアミドエラストマーに対する前記ポリアミド樹脂の質量比率が、100/100以上150/100以下であってもよい。
上記医療用バルーンにおいては、前記ポリアミドエラストマーは、ポリアミド11系のポリエーテルブロックアミドと、ポリアミド12系のポリエーテルブロックアミドと、の少なくとも一方を含んでもよい。
上記医療用バルーンにおいては、前記ポリアミド樹脂は、ポリアミド11およびポリアミド12の少なくとも一方を含んでもよい。
上記医療用バルーンにおいては、前記ポリアミドエラストマーおよび前記ポリアミド樹脂の少なくとも一方は、架橋していてもよい。
本発明の第2の態様の医療用バルーンの製造方法は、少なくともポリアミドエラストマーとポリアミド樹脂と含む樹脂材料を混練することと、混練された前記樹脂材料から管状のパリソンを形成することと、ブロー成形型を用いて前記パリソンをブロー成形することと、を含み、前記樹脂材料において、前記ポリアミドエラストマーに対する前記ポリアミド樹脂の質量比率は、50/100以上200/100以下であり、前記ブロー成形型は、医療用バルーンの形状を前記パリソンに転写する成形面を有する。
上記医療用バルーンの製造方法においては、前記パリソンの成形前または成形時に、前記樹脂材料を架橋させることを、さらに含んでもよい。
上記医療用バルーンの製造方法においては、前記樹脂材料を架橋させる際に、前記ポリアミドエラストマーおよび前記ポリアミド樹脂の少なくとも一方を、カルボジイミド、酸無水物、イソシアネート、およびオキサゾリン系架橋剤からなる群から選択される1種類以上の架橋剤を用いて架橋させてもよい。
上記医療用バルーンの製造方法においては、前記架橋剤は、カルボジイミドであってもよい。
上記医療用バルーンの製造方法においては、前記樹脂材料を架橋させる際に、前記樹脂材料の温度は、260℃以上310℃以下の温度であってもよい。
本発明の第3の態様のバルーンカテーテルは、上記医療用バルーンを備える。
本発明の医療用バルーン、医療用バルーンの製造方法、およびバルーンカテーテルでは、コンプライアンスが高くても耐圧強度が良好に保たれる。
本発明の実施形態のバルーンカテーテルの一例を示す模式的な正面図である。 本発明の実施形態の医療用バルーンの一例を示す模式的な断面図である。 本発明の実施形態の医療用バルーンの製造方法に用いる金型を示す模式的な断面図である。
以下では、本発明の実施形態の医療用バルーンおよびバルーンカテーテルについて添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態のバルーンカテーテルの一例を示す模式的な正面図である。
図1に示すように、本実施形態のバルーンカテーテル100は、ハブ110、プロキシマルシャフト130、バルーン120(医療用バルーン)、およびガイドワイヤルーメンチューブ150を備える。
バルーンカテーテル100の形状は、全体として長尺状である。バルーンカテーテル100の第1端部E1(図示左側の端部)には、バルーン120が設けられている。バルーンカテーテル100の第2端部E2(図示右側の端部)には、ハブ110およびガイドワイヤルーメンチューブ150が設けられている。
バルーンカテーテル100は、操作者によって操作される。バルーンカテーテル100の使用時には、第1端部E1は患者の体内に挿入される。バルーンカテーテル100の使用時には、第2端部E2は患者の体外に配置される。操作者は、第2端部E2の近くでバルーンカテーテル100を操作する。
本明細書において、特に断らない限り、特定の方向における部材の先端は「端」と呼ばれる。「端」には限定されないが、部材において、特定の方向における「端」寄りの部位は「端部」と呼ばれる。
例えば、第2端部E2から第1端部E1に向かう方向において、第1端部E1の端は「第1端」と呼ばれる。第1端部E1から第2端部E2に向かう方向において、第2端部E2の端は「第2端」と呼ばれる。
以下では、バルーンカテーテル100の長手方向における相対位置を表す目的で、「遠位側」および「近位側」が用いられる。バルーンカテーテル100の長手方向において、位置Aの方が位置Bよりも第1端に近い場合、位置Aは位置Bよりも「遠位側」である。バルーンカテーテル100の長手方向において、位置Aの方が位置Bよりも第2端に近い場合、位置Aは位置Bよりも「近位側」である。
バルーンカテーテル100内の部材において、それぞれにおける最も遠位側の端は「遠位端」と呼ばれる。バルーンカテーテル100内の部材において、それぞれにおける最も近位側の端は「近位端」と呼ばれる。
バルーンカテーテル100は、例えば、生体内の管腔の狭窄部を拡張処置する目的で用いられる。バルーンカテーテル100によって拡張処置される場合、少なくともバルーン120が狭窄部に挿入される。バルーン120には、流体が供給可能である。流体は、バルーン120を拡径させる。
流体は、液体でも気体でもよい。流体の種類としては、例えば、造影剤、ヘリウムガス、生理食塩水、二酸化炭素(CO)ガス、酸素(O)ガス、窒素(N)ガス、空気などが挙げられる。
ハブ110は、上述の流体を通過させる。流体は流体供給装置(図示略)からハブ110に供給される。流体は、後述するバルーン120を拡径させることを目的として加圧される。流体は流体供給装置によって加圧される。ハブ110は、流体供給装置と接続可能である。流体供給装置としては、例えば、インフレータなどが用いられてもよい。流体供給装置は、流体の圧力を調整できる。
ハブ110における近位側の端部には、ストップコック110aが設けられている。流体供給装置は、ストップコック110aを通してハブ110と接続可能である。ストップコック110aは、流体の流路を開閉する。
ハブ110における遠位側の端部には、チューブ110bが接続されている。チューブ110bの内部には、流体が流通可能である。
チューブ110bにおける遠位側の端部には、プロキシマルシャフト130が接続されている。
プロキシマルシャフト130は、長尺部材である。プロキシマルシャフト130は、患者の体内に挿入可能である。プロキシマルシャフト130は、可撓性を有する。プロキシマルシャフト130は、第1管腔(図示略)を備える。第1管腔は、プロキシマルシャフト130の長手方向に貫通している。第1管腔は、チューブ110bと連通している。このため、第1管腔の内部には流体が流通可能である。
プロキシマルシャフト130は、後述するバルーン120を拡径する目的で流体が加圧されても、略拡径しない剛性を有している。
プロキシマルシャフト130より遠位側には、ディスタルシャフト140が、プロキシマルシャフト130における遠位側の端面から延出している。ディスタルシャフト140の外径は、プロキシマルシャフト130の外径よりも小さい。
以下では、プロキシマルシャフト130における遠位側の端面から延出している部位は、ディスタルシャフト140の延出部と呼ばれる。延出部の長さ(延出長さ)は、後述するバルーン120によって覆うことができる長さである。
ディスタルシャフト140における遠位側の端部と、プロキシマルシャフト130における遠位側の端部と、には、バルーン120が接合されている。
ディスタルシャフト140は、軸状部材である。ディスタルシャフト140は、プロキシマルシャフト130の長手方向に延びている。ディスタルシャフト140は、必要に応じて管腔を有していてもよい。本実施形態におけるディスタルシャフト140は、一例として、第3管腔(図示略)を有している。第3管腔は、ディスタルシャフト140の長手方向に貫通している。第3管腔には、後述するガイドワイヤ160が挿通可能である。
ガイドワイヤ160は、患者の体内へバルーンカテーテル100を案内する。ガイドワイヤ160は、可撓性を有する線状部材からなる。ガイドワイヤ160は、バルーンカテーテル100の挿入が患者の体内に挿入される前に、患者の体内に挿入されている。
例えば、ディスタルシャフト140の第1例では、ディスタルシャフト140は、プロキシマルシャフト130における遠位側の端面から延びていてもよい。
この場合、ディスタルシャフト140の全体が延出部である。ディスタルシャフト140は、プロキシマルシャフト130と一体化されている。さらに、プロキシマルシャフト130は、第1管腔と異なる第2管腔(図示略)を有する。第2管腔は、プロキシマルシャフト130の長手方向に貫通している。第2管腔には、ガイドワイヤ160が挿通可能である。さらに、プロキシマルシャフト130の第2管腔と、ディスタルシャフト140の第3管腔とは、ガイドワイヤ160が挿通可能に連通している。
例えば、プロキシマルシャフト130における第1管腔は、第2管腔の外周部を囲繞していてもよい。この場合、第1管腔および第2管腔は略同軸(同軸の場合を含む)に配置される(コアキシャル型)。
例えば、プロキシマルシャフト130における第1管腔および第2管腔は、互いを囲繞しないように配置されてもよい。この場合、第1管腔および第2管腔は、並列に配置される(バイアキシャル型)。
例えば、ディスタルシャフト140の第2例では、ディスタルシャフト140は、プロキシマルシャフト130よりも長い管部材であってもよい。ただし、ディスタルシャフト140の外径は、第1管腔の内径よりも小さい。
この場合、ディスタルシャフト140は、プロキシマルシャフト130の第1管腔の内部に挿通している。第2例では、プロキシマルシャフト130の内部において、第1管腔が第3管腔を囲繞している(コアキシャル型)。
ディスタルシャフト140における遠位側の端部は、プロキシマルシャフト130における遠位側の端面から延出している(延出部)。
第2例では、ディスタルシャフト140と、プロキシマルシャフト130と、は、長手方向のいずれかの位置において互いの位置が固定されている。このため、ディスタルシャフト140の延出長さは、一定である。
バルーン120は、樹脂製の薄肉の筒状部材である。バルーン120は、第1接続部123a、第2接続部123b、およびバルーン本体122と、を備える。
図1には、バルーン120の形状が模式的に描かれている。ただし、図1に描かれたバルーン120は、上述の流体によって拡径されている。
第1接続部123aは、筒状である。第1接続部123aは、一定の外径を有する。第1接続部123aは、バルーン120における遠位側の端部に形成されている。第1接続部123aは、ディスタルシャフト140における遠位側の端部を覆っている。第1接続部123aは、ディスタルシャフト140の外周面に接合されている。第1接続部123aの接合状態は、液密である。
第1接続部123aとディスタルシャフト140との接合手段は、互いに液密に接合できれば特に限定されない。例えば、第1接続部123aとディスタルシャフト140との接合手段は、接着剤であってもよい。例えば、第1接続部123aとディスタルシャフト140との接合手段は、熱融着であってもよい。
第2接続部123bは、筒状である。第2接続部123bは、一定の外径を有する。第2接続部123bは、バルーン120における近位側の端部に形成されている。第2接続部123bは、プロキシマルシャフト130における遠位側の端部を覆っている。第2接続部123bは、プロキシマルシャフト130の外周面に接合されている。第2接続部123bの接合状態は、液密である。
第2接続部123bとプロキシマルシャフト130との接合手段は、互いに液密に接合できれば特に限定されない。第2接続部123bとプロキシマルシャフト130との接合手段としては、例えば、第1接続部123aとディスタルシャフト140との接合手段と同様な接合手段が用いられてもよい。
バルーン本体122は、バルーン120における長手方向の中間部に形成されている。バルーン本体122は、第1接続部123aおよび第2接続部123bに挟まれている。バルーン本体122は、ディスタルシャフト140の延出部を囲繞している。ディスタルシャフト140は、バルーン120の長手方向においてバルーン120を貫通している。
バルーン本体122の内周面は、ディスタルシャフト140の延出部の外周面から離間可能である。
特に図示しないが、プロキシマルシャフト130の第1管腔は、バルーン本体122の内側の空間に連通している。バルーン本体122の内側には、第1管腔を除く開口部は形成されていない。このため、第1管腔から流体が導入されると、流体は、バルーン本体122の内側かつディスタルシャフト140の外側、の空間に閉じ込められる。
特に図示しないが、流体がバルーン本体122の内部に導入されない場合には、バルーン本体122は、折り畳まれている。バルーン本体122が折り畳まれると、バルーン本体122は、ディスタルシャフト140の外周面に沿って巻き付いた態様で配置可能である。バルーン本体122が巻き付くと、バルーン本体122の外径はプロキシマルシャフト130の外径とほぼ等しい。このため、バルーン本体122が折り畳まれた状態では、バルーン本体122が設けられた部位は、プロキシマルシャフト130と略同径の円柱状の外径を有する。
バルーン本体122は、このような折り畳み状態を形成する目的で、折り目を有していてもよい。
バルーン本体122は、第1管腔を通してバルーン本体122の内部に流体が導入されることによって、展開される。
本明細書では、バルーン本体122が弾性変形することなく展開された状態は、バルーン本体122の「自然状態」と呼ばれる。バルーン本体122が弾性変形した結果、少なくとも一部が自然状態よりも拡径した状態は、バルーン本体122の「拡径状態」と呼ばれる。
バルーン120の詳細は、バルーンカテーテル100の全体説明の後に説明される。
ガイドワイヤルーメンチューブ150は、管腔としてガイドワイヤルーメンを有する管状部材である。ガイドワイヤルーメンは、ガイドワイヤルーメンチューブ150の長手方向に貫通している。ガイドワイヤルーメンには、ガイドワイヤ160が挿通可能である。
ガイドワイヤルーメンチューブ150の遠位側の端部は、プロキシマルシャフト130における近位側の端部と連結されている。ガイドワイヤルーメンは、ディスタルシャフト140の第3管腔と連通している。
例えば、ディスタルシャフト140の第1例では、ガイドワイヤルーメンは、プロキシマルシャフト130の第2管腔と連通する結果、ディスタルシャフト140の第3管腔と連通している。
例えば、ディスタルシャフト140の第2例では、ガイドワイヤルーメンは、ディスタルシャフト140における近位側の端部において第3管腔と連通している。
ガイドワイヤルーメンチューブ150における近位側の端部には、ガイドワイヤポート170が設けられている。
ガイドワイヤポート170には、挿出口が設けられている。挿出口は、ガイドワイヤルーメンチューブ150に挿通されたガイドワイヤ160を近位側に延出させる開口である。
バルーン120の詳細構成の一例について説明する。
図2は、本発明の実施形態の医療用バルーンの一例を示す模式的な断面図である。
図2には、本実施形態のバルーン120単体が示されている。バルーン120単体についても、上述と同様の意味で、「展開された状態」、「自然状態」が用いられる。
以下では、バルーン120単体の自然状態における形状が説明される。バルーン120単体の説明であっても、バルーン120の組み立て状態と同様に、「遠位側」、「近位側」が用いられる。
図2に示すように、第1接続部123aは、円筒状である。第1接続部123aの内周面の内径はD123aである。第1接続部123aの長さはL123aである。
123aは、ディスタルシャフト140における遠位側の端部が挿入可能、かつディスタルシャフト140の外周面と接合可能な寸法である。例えば、D123aは、ディスタルシャフト140における遠位側の端部の外径の大きさと略同じ(同じ場合を含む)であってもよい。
ディスタルシャフト140の外径は、バルーンカテーテル100の用途によっても異なる。例えば、ディスタルシャフト140の外径は、0.5mm以上3.0mm以下であってもよい。
123aは、第1接続部123aに必要な接合強度が得られれば特に限定されない。例えば、L123aは、5mm以上30mm以下であってもよい。
第2接続部123bは、円筒状である。第2接続部123bの内周面の内径はD123bである。第2接続部123bの長さはL123bである。
123bは、プロキシマルシャフト130における遠位側の端部が挿入可能、かつプロキシマルシャフト130の外周面と接合可能な寸法である。例えば、D123bは、プロキシマルシャフト130における遠位側の端部の外径と略同じ(同じ場合を含む)であってもよい。
プロキシマルシャフト130の外径は、バルーンカテーテル100の用途によっても異なる。例えば、プロキシマルシャフト130の外径は、0.5mm以上3.0以下であってもよい。
123bは、第2接続部123bに必要な接合強度が得られれば特に限定されない。例えば、L123bは、5mm以上30mm以下であってもよい。
バルーン本体122は、遠位側から近位側に向かって、曲面部122a、円筒部122c、および曲面部122bを備える。
曲面部122aは、第1接続部123aの近位端に接続されている。曲面部122aの外径は、遠位側から近位側に向かうにつれて、滑らかに拡大している。曲面部122aは、バルーン本体122における遠位側の端部の外形状を先細状にしている。
ただし、曲面部122aの外径は、遠位側から近位側に向かって滑らかに拡大していれば、曲面部122aの軸方向断面における勾配の変化率は特に限定されない。例えば、曲面部122aの勾配の変化率(外径の変化率)は、一定であってもよい。
図2に示す例では、一例として、曲面部122aの径の変化率は一定である。これにより、曲面部122aは、一例として、円錐状(線形テーパ状)である。
ただし、曲面部122aの勾配の変化率は、バルーン120の長手方向において変化してもよい。例えば、曲面部122aは、円錐面よりも外側に膨らんだ曲面状であってもよいし、円錐面よりも内側にへこんだ曲面状であってもよい。例えば、曲面部122aは遠位側で円錐より内側にへこんだ形状とされ、近位側で円錐よりも外側に膨らんだ形状に変化していてもよい。
曲面部122aの最大外径は、d122である。バルーン本体122の長手方向における曲面部122aの長さは、L122aである。
円筒部122cは、曲面部122aの近位端に接続されている。円筒部122cの外径は、曲面部122aの最大外径と同様、d122である。
円筒部122cは、生体内の管腔の狭窄部を拡張する目的で設けられている。生体内の管腔の例としては、食道、尿管、胆管、血管などが挙げられる。
円筒部122cの長さは、バルーンカテーテル100によって拡張する狭窄部の長さよりも長い。例えば、円筒部122cの長さは、20mm以上230mm以下であってもよい。
円筒部122cの外径(=d122)は、バルーンカテーテル100によって拡張する狭窄部の拡張径に拡張可能な大きさである。例えば、円筒部122cの外径は、1mm以上22mm以下であってもよい。
曲面部122bは、円筒部122cの近位端と第2接続部123bの遠位端とに接続されている。曲面部122bは、遠位側から近位側に向かうにつれて、テーパー状に縮径している。曲面部122bは、バルーン本体122における近位側の端部の形状を先細状にしている。
ただし、曲面部122bにおいて遠位側から近位側に向かって滑らかに縮径していれば、径の変化率は特に限定されない。例えば、曲面部122bの径の変化率は、一定であってもよい。例えば、曲面部122bの径の変化率は、バルーン120の長手方向において変化してもよい。
図2に示す例では、一例として、曲面部122bの径の変化率は一定である。これにより、曲面部122bは、一例として、円錐状である。
曲面部122bの最大外径は、d122である。バルーン本体122の長手方向における曲面部122bの長さは、L122bである。
曲面部122bの形状は、縮径方向が異なる以外は曲面部122aと同様な形状でもよい。ただし、曲面部122bの形状は、縮径方向が異なる以外にも曲面部122aの形状と相違していてもよい。
バルーン本体122の円筒部122cの長さ(有効部長)は、L122−(L122a+L122b)である。
バルーン120における各部の厚さは、互いに等しくてもよい。ただし、バルーン120における各部の厚さは、互いに等しくなくてもよい。特に、バルーン120の各部の厚さは、例えば、成形上の理由によって変化していてもよい。バルーン120の各部の厚さは、例えば、拡径時の形状を制御する目的で変化させられていてもよい。
バルーン120におけるバルーン本体122の厚さは、t122である。
例えば、t122は、20μm以上80μm以下であってもよい。
バルーン120は、ポリアミドエラストマー(TPA、ThermoPlastic polyAmid elastomer)と、ポリアミド樹脂と、を含有する樹脂材料Mで形成されている。樹脂材料Mは、少なくとも、ポリアミドエラストマーと、ポリアミド樹脂と、がミクロレベルで混合されたポリマーブレンド(アロイ)である。本実施形態では、バルーン120は、単層構造を有する。
樹脂材料Mにおいて、ポリアミドエラストマーに対するポリアミド樹脂の質量比率は、50/100(=0.5)以上200/100(=2)以下である。ポリアミドエラストマーに対するポリアミド樹脂の質量比率は、100/100(=1)以上150/100(=1.5)以下であることがより好ましい。
上述したように、バルーン120は、第1接続部123aおよび第2接続部123bにおいて、それぞれディスタルシャフト140およびプロキシマルシャフト130に固定されている。プロキシマルシャフト130の第1管腔から流体が導入されると、バルーン本体122の内面に流体の圧力が作用する。樹脂材料Mを材料として形成されたバルーン本体122は流体の圧力に応じて外径が変化する。
流体の単位圧力当たりのバルーン120の外径変化率、すなわち拡径量は、コンプライアンスと呼ばれる。本実施形態では、バルーン120のコンプライアンスは、円筒部122cの外径の拡径量によって定義される。
コンプライアンスが低いと、必要な拡径量を得るために印加する流体の圧力が高くなる。すなわち、拡張前のバルーン外径が同じであるならば、コンプライアンスの高い場合と較べて、同じ直径にバルーン120を拡張するために必要な圧力が高くなることを意味する。このため、バルーン120には、より高い耐圧強度が要求される。さらに、この場合、圧力の大きさに応じて流体を昇圧する時間も相対的に長くなるため、狭窄部の拡張治療に必要なバルーンの拡張、及び治療後のバルーンの収縮に要する時間も相対的に長くなる。
一方、コンプライアンスが高いと、必要な拡径量を得るために印加する流体の圧力は低くなる。しかし、流体の圧力が狭窄部を拡径するために必要な圧力を超えなければ、狭窄部中に位置したバルーン120は拡径しない。この場合、狭窄部を拡径するには、さらに加圧する必要がある。この結果、狭窄部に接しないバルーン本体122の部位が過大に拡径してしまう可能性がある。
さらに、この場合、流体の圧力変化に対応するバルーン本体122の拡径量の変化が大きくなりすぎるため、操作者の操作が難しくなる可能性がある。
バルーン120のコンプライアンスは、例えば、4.44mm/MPa(0.45mm/atm)以上8.88mm/MPa(0.9mm/atm)以下であってもよい。バルーン120のコンプライアンスは、例えば、6.91mm/MPa(0.7mm/atm)以上8.88mm/MPa(0.9mm/atm)以上であることがより好ましい。ここで、1atmは、0.101325MPaである。
バルーン120の耐圧強度は、狭窄部を拡径するために必要な流体の圧力以上である。バルーン120の耐圧強度は、狭窄部を拡径するために必要な流体の圧力よりも高いほどより好ましい。
バルーン120の耐圧強度は、例えば、1.06MPa(10.5atm)以上であってもよい。バルーン120の耐圧強度は、例えば、1.216MPa(12atm)以上であることがより好ましい。
ポリアミドエラストマーは、バルーン120のコンプライアンスを向上しやすい材料である。ポリアミド樹脂は、バルーン120の耐圧強度を向上しやすい材料である。このため、ポリアミドエラストマーおよびポリアミド樹脂の質量比率の調整によって、バルーン120のコンプライアンスおよび耐圧強度が適正化される。
ポリアミドエラストマーとしては、例えば、ポリエーテルブロックアミドが用いられてもよい。ポリエーテルブロックアミドは、ポリアミドエラストマーの1種である。
ポリエーテルブロックアミドは、ハードセグメントおよびソフトセグメントが交互に並んだブロック構造を有する。ハードセグメントはポリアミドである。ソフトセグメントはポリエーテルである。ポリエーテルブロックアミドは、成形性、および柔軟性に優れている。
ハードセグメントのポリアミドとしては、ポリアミド11系およびポリアミド12系の少なくとも一方が用いられることが特に好ましい。この場合、バルーン120の吸水性が抑制される。このため、バルーン120の寸法および物性の経時安定性が向上する。
ポリエーテルブロックアミドのショア硬度は、D65以上D80以下であることがより好ましい。
ポリアミド樹脂としては、例えば、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド1010、ポリアミド1012、半芳香族ポリアミド、および非晶性ポリアミド(PA PACM12)などが挙げられる。
特に、ポリアミドエラストマーのハードセグメントにポリアミド11系およびポリアミド12系の少なくとも一方が用いられる場合、ポリアミド樹脂がポリアミド11およびポリアミド12の少なくとも一方を含むことがより好ましい。この場合、ポリアミドエラストマーとポリアミド樹脂との相溶性が向上する。樹脂材料Mがこのようなポリアミドエラストマーとポリアミド樹脂とからなる場合、樹脂材料Mが完全相溶系になるため、バルーン120の透明化が可能である。
バルーンカテーテル100によって狭窄部が拡張される際、内視鏡を用いてバルーン120越しに、出血等がないか観察される場合がある。この場合、バルーン120が透明であると、内視鏡による観察が容易になる。
ポリアミド樹脂に、非晶性ポリアミドが含まれる場合、ポリアミドエラストマー単体に比べると、バルーン120のコンプライアンスおよび耐圧強度を向上できる。ただし、非晶性ポリアミドはポリアミドエラストマーに対する相溶性が低いため、ポリアミド樹脂にポリアミド11およびポリアミド12の少なくとも一方が含まれる場合よりは耐圧性が低くなる。非晶性ポリアミドに代えて半芳香族ポリアミドが用いられる場合も同様である。
さらに、非晶性ポリアミド、半芳香族ポリアミドなどが添加されると、ポリアミド11およびポリアミド12の少なくとも一方が添加される場合とは異なり、バルーン120が着色されやすい。このため、内視鏡による観察時に患部が見にくくなる。
本実施形態のバルーン120は、成形時に配向される。配向を制御することでバルーン120のコンプライアンスおよび耐圧強度が良好になる。
高分子材料は配向すると、配向方向に高分子材料の強度が増す。しかし、配向方向には高分子材料が伸びにくくなる。したがって、周方向に配向した円筒状の成形物は、周方向の強度が向上する。この結果、成形物の耐圧性が向上する。しかし、成形物は膨張しにくくなる。このため、周方向への配向度が調整されることによって、成形物の耐圧性および膨張性の調整が可能となる。
樹脂の配向は、成形時の樹脂の分子鎖の方向が揃えられることによって実現可能である。樹脂の分子鎖の方向は、例えば、成形時に樹脂が延伸されたり、押し込みされたり、引き込まれたりする等によって揃えられる。
例えば、柔軟な状態にある樹脂が加圧下で一方向に延伸されると、延伸方向に樹脂の分子の方向が揃う。このため、延伸方向への樹脂の配向度が向上する。
本実施形態においては、後述するように、樹脂材料Mでパリソンが製造される。パリソンがブロー成形されることによってバルーン120が製造される。バルーン120の配向状態は、ブロー成形時に制御される。
樹脂材料Mにおけるポリアミドエラストマーおよびポリアミド樹脂の少なくとも一方は、バルーン120において架橋されていることがより好ましい。
樹脂材料Mには、架橋剤が含まれていてもよい。ポリアミドエラストマーおよびポリアミド樹脂の少なくとも一方を架橋可能であれば、架橋剤の種類は特に限定されない。架橋剤は、ポリアミドエラストマーまたはポリアミド樹脂の末端基同士を架橋してもよい。
例えば、架橋剤としては、カルボジイミド、酸無水物、イソシアネート、およびオキサゾリン系架橋剤からなる群から選択される1種類以上の架橋剤が用いられてもよい。
架橋剤としては、生体適合性、反応性、および経時安定性に優れるため、カルボジイミド、オキサゾリン系架橋剤がより好ましい。
酸無水物およびイソシアネート化合物は、架橋反応の際、例えば、水、低分子化合物等の副生成物が発生する。副生成物は、ポリアミドエラストマーを劣化させやすい。副生成物は、架橋反応を阻害するため、反応効率が低下する。副生成物が樹脂材料Mに混合すると、後述するブロー成形時の配向結晶化が阻害されやすくなる。このため、酸無水物およびイソシアネートが架橋剤よりも、カルボジイミドおよびオキサゾリン系架橋剤が用いられることがより好ましい。
カルボジイミドが用いられる場合、高分子タイプのカルボジイミドであることがさらに好ましい。高分子タイプのカルボジイミドは、アミノ基、カルボキシル基、および水酸基と架橋反応することができる。このため、カルボジイミドは、ポリアミドエラストマーおよびポリアミド樹脂における複数の末端官能基と反応することができる。この結果、カルボジイミドは、分岐を形成しながら被架橋材料と次々に反応する。
これに対して、オキサゾリン系架橋剤は、カルボキシル基のみと反応可能である。このため、オキサゾリン系架橋剤に比べると、高分子タイプのカルボジイミドの方が反応効率に優れている。高分子タイプのカルボジイミドの方がより少量の添加量で、より短時間に架橋することが可能である。
さらに、高分子タイプのカルボジイミドは加水分解防止剤としても作用する。このため、高分子タイプのカルボジイミドは、特にポリアミドエラストマーの劣化を防ぐことができる。
さらに高分子タイプのカルボジイミドは、架橋反応を阻害する物質、あるいはブロー成形時の配向結晶化を阻害する副生成物も発生しない。このため、高分子タイプのカルボジイミドを用いることで、コンプライアンスおよび耐圧強度のさらなる向上が可能である。
バルーン120における樹脂材料Mが架橋していると、樹脂材料Mの分子量が向上する。このため、バルーン120の耐圧強度が向上する。さらに、架橋構造が形成されことによって、弾性が向上するため、良好なコンプライアンスが得られる。
ただし、過剰な架橋反応が起こると、例えば、押し出し成形などの成形性が低下する。例えば、ブロー成形時に配向が阻害されやすくなる。この結果、バルーン120の耐圧強度が低下する可能性がある。
過剰な架橋反応が起こらないようにする目的では、架橋剤の添加量は官能基当量以下であることがより好ましい。
本発明者の実験によれば、延伸率が同じであれば、架橋によって樹脂材料Mの分子量が増大する方が未架橋の樹脂材料Mよりも配向度が向上する。このように配向が制御しやすくなる点でも、樹脂材料Mは架橋されていることがより好ましい。また、架橋によって分子量が適度に増大すると、流動性が安定するため、未架橋のものより押出成形時の寸法精度が高くなる。
樹脂材料Mの重量平均分子量は、35000以上90000以下であることがより好ましい。樹脂材料Mの重量平均分子量は、45000以上80000以下であることがさらに好ましい。
架橋の程度は、樹脂材料MのMFR(Melt Flow Rate)値でも表される。樹脂材料MのMFR値は、1.0g/10min以上8.0g/10min以下であってもよい。樹脂材料MのMFR値は、1.5g/10min以上6.0g/10min以下であることがより好ましい。
本実施形態の医療用バルーンの製造方法について説明する。
図3は、本発明の実施形態の医療用バルーンの製造方法に用いる金型を示す模式的な断面図である。
本実施形態の医療用バルーンの製造方法は、パリソン形成工程と、ブロー成形工程と、を備える。
パリソン形成工程においては、樹脂材料Mによってパリソン120A(図3参照)が製造される。パリソン120Aは管状である。
パリソン120Aの内径および厚さは、それぞれ、D120A、およびt120Aである。D120Aは、D123aおよびD123bのうち小さい方以下の大きさである。
120Aは、後述する拡径率において、上述のt122が得られる厚さである。例えば、t120Aは、0.25mm以上0.80mm以下であってもよい。
パリソン120Aの外径は、d120A=D120A+2×t120Aである。
まず、パリソン120Aを製造するために、樹脂材料Mが製造される。
樹脂材料Mに含まれる各材料は混練機で溶融混練される。樹脂材料Mにおけるポリアミドエラストマーに対するポリアミド樹脂の質量比率は、50/100以上200/100以下とされる。樹脂材料Mが架橋される場合には、上述した架橋剤も併せて添加される。
パリソン120Aの成形方法は特に限定されない。例えば、パリソン120Aは、押し出し成形によって製造されてもよい。
押し出し成形は、適宜の押し出し成形機によって行われる。押し出し成形機には、パリソン120Aの断面形状を形成するためのダイスが取り付けられる。
例えば、樹脂材料Mは、押出成形機内にて、例えば、押し出し成形温度に加熱される。押し出し成形温度は、樹脂材料Mにおけるポリマーが溶融する温度である。押し出し成形温度は、例えば、180℃以上300℃以下であってもよい。押し出し成形温度は、200℃以上280℃以下であることがより好ましい。
押し出し成形温度に加熱された樹脂材料Mは溶融する。樹脂材料Mは、押し出し成形機のダイスから押し出される。
押し出し成形されたパリソン120Aは、バルーン120が形成可能な適宜長さに切断される。
予め決められたパリソン120Aが製造できたら、パリソン形成工程が終了する。
上述のように、混練機で樹脂材料Mを混練した後、押し出し成形機でパリソン120Aを製造するのは、パリソン形成工程の一例である。パリソン120Aの成形に用いる成形機が樹脂材料の混練機能を有する場合には、樹脂材料Mの混練およびパリソン120Aの成形は、同一の成形機内で行われてもよい。
パリソン120Aが製造されるまでの間に、ポリアミドエラストマーおよびポリアミド樹脂の少なくとも一方が架橋されてもよい。
例えば、架橋剤として、カルボジイミド、酸無水物、イソシアネート、オキサゾリン系の架橋剤からなる群から選択される1種類以上の架橋剤が用いられる場合、樹脂材料Mの混練時の熱によって架橋反応が進行する。この場合、混練時の樹脂材料Mは、架橋反応が進行しやすい温度を保つ目的で加熱されてもよい。混練時の樹脂材料Mの温度は、例えば、260℃以上310℃以下とされてもよい。
樹脂材料Mの温度が260℃未満であると、架橋反応が十分に起こらない可能性がある。
樹脂材料Mの温度が310℃を超えると、架橋反応とともに熱分解が起こりやすくなるため分子量が低下する。このため、後述するブロー成形時の配向結晶化が阻害されやすくなる。
架橋反応をより確実に進行させるためには、架橋時の樹脂材料Mの含有水分量は、0.08%以下であってもよい。架橋時の樹脂材料Mの含有水分量は、0.02%以下であることがより好ましい。
架橋は真空高温環境下での固相重合で行われてもよい。さらに、カルボジイミド、酸無水物、イソシアネート、オキサゾリン系の架橋剤からなる群から選択される1種類以上の架橋剤が用いられてもよい。
ブロー成形工程では、図3に示すように、成形型24が準備される。パリソン120Aは、成形型24を用いてブロー成形される。
成形型24は、第1型25、第2型26、および第3型27を備える。
第1型25は、パリソン120Aに、第1接続部123aおよび曲面部122aの外周面の形状を転写する。第1型25は、第1接続部123aの外周面および曲面部122aの外周面の形状に対応して、それぞれ筒状成形面25a(成形面)およびテーパー状成形面25b(成形面)を備える。筒状成形面25aの内径の大きさD25aは、第1接続部123aの外径に等しい。テーパー状成形面25bの内径は、長さL123aの範囲で、D25aからD122まで拡径している。
第2型26は、パリソン120Aに、円筒部122cの外周面の形状を転写する。第2型26は、円筒部122cの外周面の形状に対応して、筒状成形面26a(成形面)を備える。筒状成形面26aの内径の大きさは、D122に等しい。
第3型27は、パリソン120Aに、曲面部122bおよび第2接続部123bの外周面の形状を転写する。第3型27は、曲面部122bの外周面および第2接続部123bの外周面の形状に対応して、それぞれテーパー状成形面27b(成形面)および筒状成形面27a(成形面)を備える。テーパー状成形面27bの内径は、長さL123bの範囲で、D122からD27aまで縮径している。筒状成形面27aの内径の大きさは、D27aである。D27aは、第2接続部123bの外径に等しい。
図示は省略するが、成形型24の外部には、加熱手段と、冷却手段と、が配置されている。加熱手段としては、適宜のヒーターが用いられる。冷却手段としては、低温流体が流通可能な冷却管が用いられる。
図3に示すように、パリソン120Aは、成形型24における筒状成形面25a、27aを通して、成形型24の内部に配置される。パリソン120Aは、長手方向における第1端部が封止される。第1端部の封止は、例えば、加熱溶融によるシール、高周波によるシール、鉗子などの機械的な封止などが用いられてもよい。
さらにパリソン120Aの第1端部と反対側の第2端部には、図示略の加圧気体供給部に接続される。例えば、第1端部は、パリソン120Aの第1型25側の端部であってもよい。例えば、第2端部はパリソン120Aの第3型27側の端部であってもよい。
パリソン120Aの第1端部および第2端部は、図示略の支持部によって長手方向に移動可能に支持されている。
成形型24内のパリソン120Aは、加熱手段によって加熱される。加熱温度は、樹脂材料Mのガラス転移点以上かつ融点未満の温度である。例えば、加熱温度は、例えば、35℃以上140℃以下であってもよい。例えば、加熱温度は、例えば、40℃以上80℃以下であってもよい。
さらに、パリソン120Aの第2端部には、加圧気体供給部から加圧気体が供給される。加圧気体の圧力は、1.0MPa以上3.5MPa以下であってもよい。加圧気体の圧力は、1.5MPa以上3.0MPa以下であることがより好ましい。
このようにして、パリソン120Aが、成形型24内で、加熱および加圧される。パリソン120Aは、成形型24の内部で一定時間保持される。例えば、パリソン120Aは、3分間、上述の加熱および加圧状態に保持される。
この後、パリソン120Aは、図視の左右矢印方向に延伸される。パリソン120Aの図示左右方向における延伸距離は、それぞれ10mm以上100mm以下であってもよい。延伸距離は、それぞれ40mm以上90mm以下であることがより好ましい。延伸距離は、それぞれ50mm以上80mm以下であることがさらに好ましい。
このように、加熱および加圧された状態でパリソン120Aが延伸されることによって、成形型24内のパリソン120Aは、内圧で膨張する。この結果、パリソン120Aは、成形型24の内壁面に密着する。このようにして、パリソン120Aから、バルーン本体122を備える成形体120B(図3の二点鎖線参照)がブロー成形される。
成形体120Bは、筒状成形面26aにおいては、パリソン120Aの外径から筒状成形面26aの内径まで、径方向に膨張している。D122/D120Aは、ブロー成形による拡径率を表す。
この後、成形体120Bはアニール処理される。例えば、アニール処理の処理時間は、3分間である。この結果、成形体120Bに、成形型24の内壁面の形状が転写される。
アニール処理の後、冷却管内に冷却液を循環させることによって、成形型24および成形体120Bが冷却される。成形体120Bは、常温(20℃)まで冷却される。
この後、成形体120Bの加圧が停止される。この後、成形型24から成形体120Bが脱型される。
脱型された成形体120Bに対して、長手方向の両端部が切断される。この結果、成形体120Bにおいて、第1接続部123aおよび第2接続部123bの形状が形成される。成形体120Bからバルーン120が製造される。このようにして、ブロー成形工程が終了する。
上述したブロー成形工程は一例である。
例えば、ブロー成形工程において、アニール処理は省略されてもよい。この場合、パリソン120Aが膨張終了したら、すぐに冷却手段による冷却が開始されてもよい。
例えば、ブロー成形工程においては、冷却手段によらず自然冷却されてもよい。具体的には、加熱手段による加熱が停止された後、成形型24が自然放熱によって冷却されてもよい。
このようにして製造されたバルーン120の中心部には、ディスタルシャフト140の延出部と、プロキシマルシャフト130の遠位側の端部とが挿入される。バルーン120の第1接続部123aは、ディスタルシャフト140の遠位側の端部に接合される。バルーン120の第2接続部123bは、プロキシマルシャフト130の遠位側の端部に接合される。
このようにして、バルーンカテーテル100が製造される。
このようにして製造されたバルーン120は、ポリアミドエラストマーに対する前記ポリアミド樹脂の質量比率が、50/100以上200/100以下であるため、コンプライアンスと耐圧強度とのバランスが良好になる。このため、コンプライアンスが高くても耐圧が高くなっている。
本発明者の検討結果によれば、拡径率は、バルーン120の周方向における配向の度合いと高い相関を有する。
例えば、拡径率が、250%以上400%以下であると、配向によって適正な耐圧強度が得られる。ただし、配向は低目であるため、バルーン120は膨張しやすくなっている。このため、特にコンプライアンスに優れるバルーン120が得られる。
例えば、拡径率が、400%以上650%以下であると、過剰な配向になっていないため、適正なコンプライアンスが得られる。ただし、配向は高目であるため、バルーン120の耐圧強度が高くなっている。このため、特に耐圧強度に優れるバルーン120が得られる。
例えば、拡径率が、300%以上450%以下であると、コンプライアンスが良好であり、かつ耐圧強度にも優れるバルーン120が得られる。
バルーンカテーテル100によって患者の体内の狭窄部を拡張処置するには、まずバルーン120が折り畳まれた状態とされる。この後、バルーンカテーテル100は、遠位側から生体内の狭窄部に挿入される。
本実施形態では、バルーンカテーテル100は、ガイドワイヤ160に案内されて挿入される。このため、バルーンカテーテル100におけるガイドワイヤルーメンおよび第3管腔には、ガイドワイヤ160が挿通されている。ガイドワイヤ160は、ディスタルシャフト140の第三管腔からより遠位側に延出されている。
まず、ディスタルシャフト140から延出されたガイドワイヤ160の遠位側の端部が患者の体内に挿入される。ガイドワイヤ160の遠位側の端部が狭窄部に挿通されたら、バルーンカテーテル100が患者の体内に挿入される。バルーンカテーテル100は、ガイドワイヤ160の経路をたどって、患者の体内に挿入される。
バルーン120が、狭窄部に挿通されたら、バルーン120の内部に流体が供給される。流体を加圧することによって、バルーン120は、流体の圧力に応じて膨張する。狭窄部はバルーン120の膨張による押圧力によって拡張される。
狭窄部が必要な大きさに拡張されたら、バルーン120内の流体が近位側に排出される。この結果、バルーン120が折り畳まれる。バルーンカテーテル100は、ガイドワイヤ160に案内されて患者の体外に抜去される。さらに、ガイドワイヤ160が患者の体内から抜去される。
以上で、バルーンカテーテル100を用いた拡張処置が終了する。
以上説明したように、本実施形態のバルーン120では、コンプライアンスが高くても耐圧が向上できる。また、コンプライアンスが同じであるならば、バルーン120は従来例に比して相対的に高い耐圧強度を得ることが可能である。
バルーン120がバルーンカテーテル100に設けられていると、コンプライアンスが高いことによって、小さい加圧力で、迅速に拡径および縮径が可能である。このため、拡張処置の操作性が向上する。拡張処置の操作時間が短縮されるため、迅速に拡張処置できる。その際に、バルーン120の耐圧強度が高いため、加圧力が大きくなっても、破裂を防止できる。
なお、上記実施形態の説明では、バルーンカテーテル100が、ガイドワイヤ160に案内される場合の例で説明した。しかし、狭窄部にバルーン120が挿入できれば、ガイドワイヤ160は用いられなくてもよい。この場合、ガイドワイヤルーメンチューブ150およびディスタルシャフト140の第3管腔は、省略されてもよい。
上記実施形態の説明では、ディスタルシャフト140の第2例では、ディスタルシャフト140の近位側の端部と、ガイドワイヤルーメンチューブ150の遠位側の端部と、連結されている例で説明した。
しかし、第2例の場合には、ディスタルシャフト140は、ガイドワイヤルーメンチューブ150に置き換えられてもよい。この場合、ガイドワイヤルーメンチューブ150は、プロキシマルシャフト130の第1管腔に挿通している。ガイドワイヤルーメンチューブ150は、プロキシマルシャフト130における近位側および遠位側の各端面からそれぞれ延出している。ガイドワイヤルーメンチューブ150は、長手方向におけるいずれかの部位で、プロキシマルシャフト130と固定されている。
上記実施形態の説明では、バルーン120が円筒部122cを有する場合の例で説明した。このため、バルーン120の円筒部122cにおける自然状態および拡径状態の外周面は円筒面である。しかし、医療用バルーンの自然状態および拡径状態の外周面は、長手方向の外径が異なる非円筒面状に形成されてもよい。例えば、医療用バルーンの自然状態および拡径状態の外周面は、テーパー状、ドッグボーン状などであってもよい。
次に、上述した実施形態の医療用バルーンの実施例について、比較例とともに説明する。
下記[表1]に、実施例1〜9、比較例1、2の医療用バルーンの組成および評価結果を示す。
Figure 2019141240
[実施例1]
[表1]に示すように、実施例1のバルーン120([表1]では「医療用バルーン」)は、ポリアミドエラストマー([表1]では「TPA」)100質量部と、ポリアミド樹脂50質量部と、の組成を有する樹脂材料Mによって製造された。ポリアミド樹脂としては、ポリアミド12([表1]では「PA12」)が用いられた。
ポリアミドエラストマーに対するポリアミド樹脂の質量比率(B/A)は、0.5である。樹脂材料Mには架橋剤は含まれなかった。
樹脂材料Mが混練された後、押し出し成形によって実施例1のパリソン120Aが製造された。成形後のバルーン外径が12mmとなり、またパリソン120Aからバルーン120が製造される際の拡径率(D122/D120A)が420%となるよう金型寸法、パリソン内径が調整された。パリソンの肉厚および延伸量は、バルーン肉厚が50μmとなるようそれぞれ調整された。
こうして製造された実施例1のバルーン120は、ディスタルシャフト140およびプロキシマルシャフト130に接合された。接合手段としては、熱溶着が用いられた。こうして、実施例1のバルーンカテーテル100が製造された。
[実施例2〜7]
実施例2のバルーン120は、樹脂材料Mにおけるポリアミド樹脂が100質量部とされた以外は、実施例1と同様に製造された。実施例2の質量比率は、1であった。
実施例3のバルーン120は、拡径率が360%とされた以外は、実施例2と同様に製造された。拡径率が360%になるようにパリソン120Aの内径が調整された。パリソンの肉厚および延伸量は、バルーン肉厚が50μmとなるようそれぞれ調整された。
実施例4のバルーン120は、樹脂材料Mにおけるポリアミド樹脂が150質量部とされた以外は、実施例1と同様に製造された。実施例4の質量比率は、1.5であった。
実施例5のバルーン120は、拡径率が360%とされた以外は、実施例4と同様に製造された。拡径率を360%にする目的で、実施例5のパリソン120Aの内径が調整された。
実施例6のバルーン120は、樹脂材料Mにおけるポリアミド樹脂が200質量部とされた以外は、実施例3と同様に製造された。実施例6の質量比率は、2であった。
実施例7のバルーン120は、樹脂材料Mにおけるポリアミド樹脂として、非晶性ポリアミド(PA PACM12)が用いられた以外は、実施例2と同様に製造された。
実施例2〜7のバルーン120は、実施例1と同様、実施例2〜7のバルーンカテーテル100の製造に用いられた。
実施例1〜7のバルーン120は、樹脂材料Mに架橋剤が含まれない場合の実施例である。
[実施例8、9]
実施例8のバルーン120は、架橋剤3質量部が添加された以外は、実施例2と同様に製造された。架橋剤としては、高分子タイプのカルボジイミドが用いられた。
実施例9のバルーン120は、架橋剤3質量部が添加された以外は、実施例3と同様に製造された。架橋剤としては、実施例8と同様の高分子タイプのカルボジイミドが用いられた。実施例8、9のバルーン120で使用された、架橋剤を含む樹脂材料Mの重量平均分子量は42000、MFRは2.4g/10minであった。
実施例8、9のバルーン120は、実施例1と同様、実施例8、9のバルーンカテーテル100の製造に用いられた。
実施例8、9のバルーン120は、樹脂材料Mに架橋剤が含まれた場合の実施例である。
[比較例1、2]
比較例1の医療用バルーンは、ポリアミド樹脂が削除された以外は、実施例1と同様に製造された。このため、比較例1の樹脂材料は、ポリアミドエラストマーのみからなっていた。
比較例2の医療用バルーンは、樹脂材料におけるポリアミド樹脂が250質量部とされた以外は、実施例3と同様に製造された。
比較例1、2は、実施例1と同様、比較例1、2のバルーンカテーテルの製造に用いられた。
[評価]
実施例1〜9、比較例1、2の評価としては、コンプライアンスと、耐圧強度と、が測定された。
コンプライアンス測定では、各実施例、各比較例のバルーンカテーテルに、加圧流体として生理食塩水が供給された。バルーンは、自然状態の外径12mmから、破裂するまで拡径された。拡径される際に、圧力変化と外径との関係が測定された。外径は、レーザ変位測定器によって測定された。コンプライアンスは、圧力に対する外径のグラフの傾きから算出された。
コンプライアンスの評価では、コンプライアンスが、6.91mm/MPa(0.7mm/atm)以上8.88mm/MPa(0.9mm/atm)以下の場合、「非常に良い」(very good、[表1]では「◎」)と評価された。コンプライアンスが4.44mm/MPa(0.45mm/atm)以上6.91mm/MPa(0.7mm/atm)未満の場合、「良い」(good、[表1]では「○」)と評価された。コンプライアンスが4.44mm/MPa(0.45mm/atm)未満の場合、「不可」(no good、[表1]では「×」)と評価された。
耐圧強度測定では、各実施例、各比較例のバルーンカテーテルに、加圧流体として生理食塩水が供給された。バルーンは、破裂するまで加圧された。耐圧強度は、破裂時の流体の圧力として求められた。
耐圧強度の評価では、耐圧強度が、1.216MPa(12atm)以上の場合、「非常に良い」(very good、[表1]では「◎」)と評価された。耐圧強度が、1.216MPa(12atm)未満1.064MPa(10.5atm)以上の場合、「良い」(good、[表1]では「○」)と評価された。耐圧強度が、1.064MPa(10.5atm)未満の場合、「不可」(no good、[表1]では「×」)と評価された。
総合評価では、コンプライアンスおよび耐圧強度の評価の少なくとも一方が「非常に良い」の場合に「非常に良い」(very good、[表1]では「◎」)と評価された。コンプライアンスおよび耐圧強度の評価がいずれも「良い」の場合に「良い」(good、[表1]では「○」)と評価された。コンプライアンスおよび耐圧強度の少なくとも一方が「不可」の場合に「不可」(no good、[表1]では「×」)と評価された。
[評価結果]
[表1]に示すように、実施例1〜9のコンプライアンスは、それぞれ、6.02mm/MPa、5.13mm/MPa、7.80mm/MPa、4.84mm/MPa、7.11mm/MPa、5.72mm/MPa、6.12mm/MPa、4.24mm/MPa、7.01mm/MPaであった。
実施例3、5、9は、「非常に良い」と評価された。その他の実施例は「良い」と評価された。
これに対して、比較例1、2のコンプライアンスは、それぞれ、6.71mm/MPa、4.15mm/MPaであった。
比較例1、2は、それぞれ「良い」、「不可」と評価された。比較例2は、硬質のポリアミド樹脂の質量比が大きすぎることによって、コンプライアンスが許容範囲外になったと考えられる。
実施例1〜9の耐圧強度は、それぞれ、1.14MPa、1.22MPa、1.08MPa、1.24MPa、1.12MPa、1.14MPa、1.12MPa、1.32MPa、1.24MPaであった。
実施例3〜5、8、9は、「非常に良い」と評価された。その他の実施例は「良い」と評価された。
これに対して、比較例1、2の耐圧強度は、それぞれ、1.04MPa、1.16MPaであった。
比較例1、2は、それぞれ「不可」、「良い」と評価された。比較例1は、軟質のポリアミドエラストマーのみからなるため、耐圧強度が許容範囲外になったと考えられる。
以上の評価結果から、総合評価としては、実施例2〜5、8、9が「非常に良い」と評価された。実施例1、6、7が「良い」と評価された。
これに対して、比較例1、2は、いずれも「不可」と評価された。
以上、本発明の好ましい実施形態を、各実施例とともに説明したが、本発明はこの実施形態、各実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
24 成形型
25a、26a、27a 筒状成形面(成形面)
25b、26b テーパー状成形面(成形面)
100 バルーンカテーテル
120 バルーン(医療用バルーン)
120A パリソン
120B 成形体
122 バルーン本体
122a、122b テーパー部
122c 円筒部
123a 第1接続部
123b 第2接続部
130 プロキシマルシャフト
140 ディスタルシャフト
150 ガイドワイヤルーメンチューブ
160 ガイドワイヤ
M 樹脂材料

Claims (11)

  1. ポリアミドエラストマーと、
    ポリアミド樹脂と、
    を含有し、
    前記ポリアミドエラストマーに対する前記ポリアミド樹脂の質量比率が、50/100以上200/100以下である、
    医療用バルーン。
  2. 前記ポリアミドエラストマーに対する前記ポリアミド樹脂の質量比率が、100/100以上150/100以下である、
    請求項1に記載の医療用バルーン。
  3. 前記ポリアミドエラストマーは、ポリアミド11系のポリエーテルブロックアミドと、ポリアミド12系のポリエーテルブロックアミドと、の少なくとも一方を含む、
    請求項1または2に記載の医療用バルーン。
  4. 前記ポリアミド樹脂は、ポリアミド11およびポリアミド12の少なくとも一方を含む、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の医療用バルーン。
  5. 前記ポリアミドエラストマーおよび前記ポリアミド樹脂の少なくとも一方は、架橋している、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の医療用バルーン。
  6. 少なくともポリアミドエラストマーとポリアミド樹脂と含む樹脂材料を混練することと、
    混練された前記樹脂材料から管状のパリソンを形成することと、
    ブロー成形型を用いて前記パリソンをブロー成形することと、
    を含み、
    前記樹脂材料において、前記ポリアミドエラストマーに対する前記ポリアミド樹脂の質量比率は、50/100以上200/100以下であり、
    前記ブロー成形型は、医療用バルーンの形状を前記パリソンに転写する成形面を有する、
    医療用バルーンの製造方法。
  7. 前記パリソンの成形前または成形時に、前記樹脂材料を架橋させることを、さらに含む、
    請求項6に記載の医療用バルーンの製造方法。
  8. 前記樹脂材料を架橋させる際に、
    前記ポリアミドエラストマーおよび前記ポリアミド樹脂の少なくとも一方を、カルボジイミド、酸無水物、イソシアネート、およびオキサゾリン系架橋剤からなる群から選択される1種類以上の架橋剤を用いて架橋させる、
    請求項7記載の医療用バルーンの製造方法。
  9. 前記架橋剤は、カルボジイミドである、
    請求項8記載の医療用バルーンの製造方法。
  10. 前記樹脂材料を架橋させる際に、前記樹脂材料の温度は、260℃以上310℃以下である、
    請求項7から9のいずれか1項に記載の医療用バルーンの製造方法。
  11. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の医療用バルーンを備える、
    バルーンカテーテル。
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