JP6462079B2 - バルーン製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、バルーン、バルーンカテーテル、およびバルーン製造方法に関する。
血管内における狭窄部位は、例えば、PTA(Percutaneous Transluminal Angioplasty)またはPTCA(Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty)といった非侵襲的な手技により治療される。これらの血管形成術には、通常、バルーンカテーテルが使用される。
このようなバルーンカテーテルは、動脈狭窄の治療だけに限定されず、血管内への挿入、食道や胆管等の消化管、または種々体腔への挿入を含む多くの医療的用途に有用である。そのため、バルーンカテーテルにおけるバルーン等は、種々体腔に適するような形状・性能等を要求される。
例えば、血管に発生する狭窄では、一部分がより括れた形状となりやすく、均一な径ではないことが多い。このような場合、大部分を円筒形状(直管部)にしたバルーンを備えるバルーンカテーテルで治療すると、バルーンの拡張に起因して、そのバルーンが狭窄部位からスリップし、その狭窄部位に対してバルーンがずれてしまいやすい。特に、消化管の小径部がバルーンで拡張される場合、腔内が潤滑であるため、バルーンのスリッピングがより起きやすい。
そこで、特許文献1に開示されるバルーンカテーテルでは、スリッピングを防止すべく、バルーンの中央部がバルーンの両端より縮径させたバルーンを備え、くびれた部分が病変部に引っかかるようにしている。
また、特許文献2に開示されるバルーンカテーテルでは、内側バルーンと、外側バルーンが含まれ、先に内側バルーンが膨らむことで、バルーン全体を狭窄部位に密着させることでスリッピングを防止し、後に外側バルーンが膨らむことで、狭窄部位を拡張させる。
特開2001−009037号公報 特開2011−152181号公報
しかしながら、特許文献1に開示されるバルーンカテーテルは、高圧拡張時にバルーン大径部が血管を過度に押し広げ、血管解離につながる問題があった。
また、特許文献2に開示されるバルーンカテーテルは、内側バルーンと、外側バルーンとを別に備えるため、製造工程が複雑であり、外側バルーンに内側バルーンを挿入する工程も困難であった。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。そして、その目的は、狭窄部位からのスリッピングを防止するだけでなく、高圧拡張時の血管過拡張を防止し、さらに簡易に製造されるバルーン、そのバルーンを含むバルーンカテーテル、および、バルーンの製造方法を提供することにある。
バルーンカテーテルに取り付けられるバルーンでは、そのバルーンは、第1筒状部と、第1筒状部の両端のうちの一方に連なる第2筒状部と、第1筒状部の両端のうちの他方に連なる第3筒状部と、を含む。そして、非治療圧の場合には、第1筒状部は、第2筒状部側から第1筒状部の全長方向の中途に向かって、または、第3筒状部側から第1筒状部の全長方向の中途に向かって、先細りしている。一方、治療圧をかけられることでバルーンが膨張する場合には、非治療圧の場合に先細りした側の第1筒状部の部分の膨張率が、先太りした側の上記膨張率に比べて、大きい。
また、非治療圧の場合には、第1筒状部は、先細りしている第1筒状部の中途までから、その先細りしている方向をさらに進むようにして、先細りした部分、先太りした部分、または円筒部分を含むと望ましい。
また、第1筒状部において、先細りする部分が有る場合、その部分は全域に亘って、一定の先細り率を有し、先太りする部分が有る場合、その部分は全域に亘って、一定の先細り率を有すると望ましい。
なお、以上のバルーンを含むバルーンカテーテルも本発明である。
ところで、バルーンカテーテルに使用するバルーンの基になるバルーン用チューブを、複数の金型のキャビティに入れて二軸延伸ブロー成形することで、第1筒状部と、その第1筒状部の両端のうちの一方に連なる第2筒状部と、第1筒状部の両端のうちの他方に連なる第3筒状部と、を含むバルーンに製造するバルーン製造方法では、以下のような2工程が含まれる(なお、キャビティにおいて、第1筒状部に対応する部分を第1キャビティ部、第2筒状部に対応する部分を第2キャビティ部、第3筒状部に対応する部分を第3キャビティ部、とする)。
1つの工程では、複数の金型の1つが、第1キャビティ部における第2キャビティ部側の部分の内径、第1キャビティ部における第3キャビティ部側の部分の内径、および、第1キャビティ部における中途の内径を、同一の内径にした、または、これら3つの内径のうち、第2キャビティ部側の部分の内径または第3キャビティ部側の部分の内径を最大の内径にした、第1金型であり、この第1金型で、先に、上記二軸延伸ブロー成形が行われる工程が行われる。
もう1つの工程では、複数の金型の別の1つが、第1キャビティ部における第2キャビティ部側または第3キャビティ部側から第1キャビティ部の全長方向の中途に向って先細りさせた部分を含む第2金型であり、この第2金型で、後に、二軸延伸ブロー成形が行われる工程が行われる。
なお、第2金型の第1キャビティ部は、先細りしている第1キャビティ部の中途から、その先細りしている方向をさらに進むようにして、先細りした部分、先太りした部分、または円筒部分を含むと望ましい。
また、第2金型の第1キャビティ部において、先細りする部分が有る場合、その部分は全域に亘って、一定の先細り率を有し、先太りする部分が有る場合、その部分は全域に亘って、一定の先細り率を有すると望ましい。
また、第1金型の第1キャビティ部は、第2キャビティ部側から第3キャビティ部側に向かって、あるいは、第3キャビティ部側から第2キャビティ部側に向かって、一定の先細り率を有することで、全体で、テーパ形状になる、または、全体で円筒形状となる、と望ましい。
なお、先の2工程とは異なる別の1工程が含まれるバルーン製造方法であってもよい。すなわち、金型の第1キャビティ部の一部が、第2キャビティ部側から第1キャビティ部の全長方向の中途に向かって、または、第3キャビティ部側から第1キャビティ部の全長方向の中途に向かって、先細りしており、第1キャビティ部の軸方向の少なくとも一部にて、先細り側を低温、先太り側を高温とする温度勾配を発生させて、二軸延伸ブロー成形が行われる工程、が含まれてもよい。
また、以下のような別の1工程が含まれるバルーン製造方法であってもよい。すなわち、第1キャビティ部の一部が、第2キャビティ部側から第1キャビティ部の全長方向の中途に向かって、または、第3キャビティ部側から第1キャビティ部の全長方向の中途に向かって、先細りしており、外形の少なくとも一部と内腔の少なくとも一部とのうちの少なくとも一方を、テーパ形状にするバルーン用チューブに対して、二軸延伸ブロー成形が行われる工程、が含まれてもよい。
なお、金型の第1キャビティ部は、先細りしている第1キャビティ部の中途から、その先細りしている方向をさらに進むようにして、先細りした部分、先太りした部分、または円筒部分を含む、と望ましい。
また、金型の上記第1キャビティ部において、先細りする部分が有る場合、その部分は全域に亘って、一定の先細り率を有し、先太りする部分が有る場合、その部分は全域に亘って、一定の先細り率を有する、と望ましい。
本発明によれば、バルーンは、拡張時の狭窄部からのスリッピングを抑制することができる。
は、バルーンカテーテルのバルーン付近の断面図であり、(A)は治療圧下におけるバルーンの断面図で、(B)は非治療圧下におけるバルーンの断面図である。 は、血管に挿入されたバルーンカテーテルを示す断面図である。 は、血管に挿入されたバルーンカテーテルを示す断面図である。 は、バルーンカテーテルを示す断面図である。 は、第1金型を示す断面図である。 は、第2金型を示す断面図である。 は、バルーン用チューブを示す断面図である。 は、バルーン用チューブを示す断面図である。 は、バルーン用チューブを示す断面図である。 は、バルーン用チューブを示す断面図である。 は、第2金型を示す断面図である。 は、非治療圧下におけるバルーンの断面図である。 は、第2金型を示す断面図である。 は、非治療圧下におけるバルーンの断面図である。 は、第1金型を示す断面図である。 は、バルーンカテーテルのバルーン付近の断面図であり、(A)は治療圧下におけるバルーンの断面図で、(B)は非治療圧下におけるバルーンの断面図である。
[実施の形態1]
実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、便宜上、ハッチングや部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、他の図面を参照するものとする。逆に、便宜上、断面図でなくてもハッチングを使用することもある。また、図面における種々部材の寸法は、便宜上、見やすいように調整されている。
図4は、バルーンカテーテル29の全体図である。なお、以降では、バルーンカテーテル29において、バルーン10の配置される側を遠位側、この遠位側の反対側を近位側、とする。また、各部材における側を明示する場合、近位側、遠位側と称することもある。また、各部材において、近位側の端を近位端、近位端の付近を近位端部とするとともに、遠位側の端を遠位端、遠位端の付近を遠位端部とすることもある。
図4に示されるバルーンカテーテル29は、シャフトチューブ21、バルーン10、X線不透過マーカー25、およびマニホールド26を含む。
シャフトチューブ21は、アウターチューブ22とインナーチューブ23とを含む。アウターチューブ22は、シャフトチューブ21の外面を形成するチューブであり、インナーチューブ23を収めるための内腔22Lを有する(なお、この内腔22Lは、バルーン10を拡張させるための流体を流す流路にもなり、インフレーションルーメン22Lとも称される)。
インナーチューブ23は、アウターチューブ22の内腔に、部分的に収まるチューブで、不図示のガイドワイヤーを通す内腔(ガイドワイヤールーメン)23Lを有する(なお、このようなインナーチューブ23とアウターチューブ22との配置は、同軸二重管構造といわれる)。
バルーン10は、シャフトチューブ21のインフレーションルーメン22Lから流れてくる流体を貯めることで、拡張(膨張)する袋状部材である。そして、このバルーン10は、筒状部材で形成される。
詳説すると、筒状バルーン10の内面における遠位端部が、アウターチューブ22の遠位端から露出するインナーチューブ23の外面における遠位端部に密着して接続し、バルーン10の内面における近位端部が、アウターチューブ22の外面における遠位端部に密着して接続する。これにより、バルーン10は、アウターチューブ22の内面とインナーチューブ23の外面との隙間を流れる流体を貯められる袋状部材となる。
X線不透過マーカー25は、X線不透過材料で形成されるリング等の部材である。そして、このX線不透過マーカー25は、バルーン10の内部における遠位側および近位側に位置するインナーチューブ23の外面に取り付けられることで、X線下で、バルーン10のサイズ等を把握する目印となる。なお、X線不透過マーカー25の材料は、特に限定されるものではなく、X線を透過させないことで、術者による確認を可能にする材料であれば、金属でも樹脂でも無機物であっても構わない。また、X線不透過マーカー25の個数も特に限定されない。
マニホールド26は、3つの接続口を有し、1つはシャフトチューブ21に接続し、残りの2つのうちの一方は、不図示のガイドワイヤーの通行口となり、他方はバルーン10を拡張させる流体を注入するシリンジ(不図示)の接続口となる。
なお、マニホールド26に対するアウターチューブ22の近位端の接合、並びに、バルーン10に対するアウターチューブ22およびインナーチューブ23の接合、には、様々な接合の仕方がある。例えば、接着剤を用いた接合であってもよい。なお、接着剤としては、シアノアクリレート系、ウレタン系、またはシリコン系等のものが挙げられる。また、接着剤の硬化方式も、吸水硬化型、加熱硬化型、または紫外線硬化型等が挙げられる。
また、例えば、接合対象部材同士が、互いに相溶性に富んでいるならば、熱溶着であってもよい。逆に、接合対象部材同士が、難接着性の材質の組み合わせである場合、物理的または化学的な表面処理を、少なくとも一方の接合対象部材の接合個所に施し、両者の接合性を向上させても構わない。
以上のようなバルーンカテーテル29は、通常、ガイドカテーテル(不図示)とガイドワイヤーともに用いられる。例えば、バルーンカテーテル29を用いた血管成形術では、まず、ガイドカテーテルが患者の血管内に挿入され、目的の部位に配置される。
次に、ガイドワイヤーが、ガイドカテーテルの内腔に通されることで、目的の部位付近、詳説すると、目的の部位となる狭窄部位を超えるように、進められる。その後、バルーンカテーテル29が、ガイドワイヤーに沿って狭窄部位に向かって進められ、その狭窄部位にバルーン10が配置される。そして、バルーン10が拡張させられることで、狭窄部位は拡張される。この後、バルーン10は収縮させられ、バルーンカテーテル29は体内から取り出される。
ここで、狭窄部位を拡張させるバルーン10に関して、図1Aおよび図1Bを用いて、詳説する。図1Aおよび図1Bは、バルーンカテーテル29の遠位端部におけるバルーン10付近を示す。特に、図1Aは、狭窄部位を拡張させるために、バルーン10が拡張した状態を示す(なお、このように、狭窄部位を拡張させられるまでにバルーン10を拡張させる陽圧は、治療圧と称する)。
一方、図1Bは、狭窄部位を拡張させられない状態、すなわち、治療圧よりも低い圧、例えば、推奨使用圧未満の圧でのバルーン10を示す{なお、このように、陽圧であっても、狭窄部位を拡張させられない程度にしか拡張していないバルーン10の圧(要は、バルーン10を構成する樹脂が、当初の状態からほとんど伸びない状態を維持する圧、例えば無圧または陰圧も)、非治療圧と称する}。
図1Aおよび図1Bに示すように、バルーンカテーテル29に取り付けられる筒状のバルーン10では、第1筒状部11と、この第1筒状部11の両端のうちの一方である遠位端に連なる第2筒状部12と、第1筒状部11の両端のうちの他方である近位端に連なる第3筒状部13と、が含まれる。
第2筒状部12および第3筒状部13は、部分的に先細りした形状(テーパ形状)を含む。詳説すると、第2筒状部12は、第1筒状部11とのつなぎ目辺りから(近位端部)から遠位側に向かって先細りし、その先細りした端部(遠位端部)の内面をインナーチューブ23の外面に接着させる{なお、第2筒状部12と第1筒状部11とのつなぎ目の外径(直径)をD2とする}。
一方で、第3筒状部13は、第1筒状部11とのつなぎ目辺りから(遠位端部)から近位側に向かって先細りし、その先細りした端部(近位端部)の内面をアウターチューブ22の外面に接着させる{なお、第3筒状部13と第1筒状部11とのつなぎ目の外径(直径)をD3とする}。
そして、このような第2筒状部12と第3筒状部13とに挟まれる第1筒状部11は、バルーン10に対する拡張圧に応じて、異なった形状となる。すなわち、図1Aに示されるようなバルーン10に対する拡張圧が治療圧の場合と、図1Bに示されるようなバルーン10に対する拡張圧が非治療圧の場合とでは、第1筒状部11は異なった形状となる。
詳説すると、治療圧下において、第1筒状部11は、近位端の外径D3と、遠位端の外径D2と、中途(第1筒状部11の近位端から遠位端までの全長方向における一部分で、例えば、近位端から遠位端までの間の中間付近の部分)での外径Dcを同じにする(同径にさせる)。このようになっていると、例えば図1Aに示すように、第1筒状部11は、全長に亘り、近位側から遠位側までの外径を一定にした円筒形状(直管状)となる。
一方で、非治療圧下において、第1筒状部11は、遠位端の外径D2を、中途の外径Dcに比べて大きくするととともに、この中途の外径Dcを、近位端の外径D3に比べて大きくする(拡径させる)。このようになっていると、例えば図1Bに示すように、第1筒状部11は、全長に亘り、近位側から遠位側に向かって先太りした形状となる(言い換えると、第1筒状部11は、全長に亘り、遠位側から近位端に向かって先細りした形状となる)。なお、非治療圧での、D2/D3は、1.02以上が望ましく、さらに望ましくは、1.05以上である一方、2.50以下が望ましい(なお、D2/D3が、0.98<D2/D3<1.02の場合は、遠位端の外径D2と近位端の外径D3とは、実質同等と解せる)。
そして、このようなバルーン10であれば、バルーンカテーテル29の使用状態に応じて、種々利点が生じる。例えば、狭窄部位にバルーン10が到達した場合、非治療圧下のバルーン10は、第1筒状部11における遠位側を先太りさせた逆テーパ形状であるので、バルーン10表面(例えば、第1筒状部11の遠位部)が、図2に示すように、狭窄部位52(血栓53等によって狭窄した部分)にひっかかり、近位側へのバルーン10のスリッピングが防止される。
一方で、バルーン10が狭窄部位52を拡張させる場合、バルーン10は治療圧下で使用されるので、図1Aに示すように、第1筒状部11は、円筒形状である。このような第1筒状部11であると、血管を過拡張させる大径部がないので、バルーン10は、図3に示すように、血管51を過度に拡張させずに、狭窄部位52を拡張させる{なお、拡張した第1筒状部11は、比較的小径な血管部分(例えば、血管の抹消部分)を過拡張させないような大きさに設計されている}。
つまり、このようなバルーン10であれば、拡張初期において、バルーン10が狭窄部位52からスリッピングを防止し、その上、血管51を過拡張させて解離させることなく、狭窄部位52を充分に拡張させられる。
ここで、このようなバルーン10の製造方法について、図5〜図16を用いて詳説する。
この製造方法にて、使用する金型MDは複数有り、1つは、図5に示すような第1金型MD1で、別の1つは、図6に示すような第2金型MD2である。このような金型MDは、空間(キャビティ)CYを含む。なお、このキャビティCY(CYf・CYs)は、バルーン10の形状に対応した部分を含む。
これら部分は、詳説すると、バルーン10の第1筒状部11に対応する部分を第1キャビティ部CY1、第2筒状部12に対応する部分を第2キャビティ部CY2、第3筒状部13に対応する部分を第3キャビティ部CY3、とする(すなわち、第1キャビティ部CY1、第2キャビティ部CY2、および第3キャビティ部CY3は連なって配置されることでキャビティCYとなっており、第1キャビティ部CY1は、第2キャビティ部CY2と第3キャビティ部CY3とに挟まれる)。
そして、第1金型MD1では、第1キャビティ部CY1fは、自身の空洞における、第2キャビティ部CY2fの側、第3キャビティ部CY3fの側、および、中途(第1キャビティ部CY1fにおいて、第2キャビティ部CY2fの側の端部から第3キャビティ部CY3fの側の端部までの全長方向における一部分で、例えば、中間付近の部分)の内径を、同一の内径にする。また、第2キャビティ部CY2fは、第1キャビティ部CY1fに向かう方向とは逆方向に先細りした空洞を含み、第3キャビティ部CY3fは、第1キャビティ部CY1fに向かう方向とは逆方向に先細りした空洞を含む。
このようになっていると、第1キャビティ部CY1fは、例えば図5に示すように、全長に亘り、第3キャビティ部CY3fから第2キャビティ部CY2fに至るまでの内径を一定にした円筒形状となる(なお、第1キャビティ部CY1fにおける第2キャビティ部CY2fの側の端部の内径をDf2とし、第1キャビティ部CY1fにおける第3キャビティ部CY3fの側の端部の内径をDf3とし、第1キャビティ部CY1fにおける中途の内径をDfcとし、第1キャビティ部CY1fの全長をLfとする)。
一方で、第2金型MD2では、第1キャビティ部CY1sは、自身の空洞における、第2キャビティ部CY2sの側、第3キャビティ部CY3sの側、および、中途(第1キャビティ部CY1sにおいて、第2キャビティ部CY2sの側の端部から第3キャビティ部CY3sの側の端部までの全長方向における一部分で、例えば、中間付近の部分)の内径において、中途の内径を第2キャビティ部CY2sの側より細い内径にするとともに、第3キャビティ部CY3sの側を中途の内径より細い内径にする(要は、第1キャビティ部CY1sにおける、第2キャビティ部CY2sの側から中途に向かって先細るとともに、その中途から第3キャビティ部CY3sの側に向かっても、先細りする)。
このようになっていると、第1キャビティ部CY1sは、例えば図6に示すように、第3キャビティ部CY3sから中途まで、さらには中途から第2キャビティ部CY2sに向かって先太りすることで、全長に亘って先太りした形状となる(なお、第1キャビティ部CY1sにおける第2キャビティ部CY2sの側の端部の内径をDs2とし、第1キャビティ部CY1sにおける第3キャビティ部CY3sの側の端部の内径をDs3とし、第1キャビティ部CY1sにおける中途の内径をDscとし、第1キャビティ部CY1sの全長をLsとする)。すなわち、第2金型MD2は、第1金型MD1とは異なる第1キャビティ部CY1sを含む。
また、第2キャビティ部CY2sは、第1キャビティ部CY1sに向かう方向とは逆方向に先細りした空洞を含み、第3キャビティ部CY3sは、第1キャビティ部CY1sに向かう方向とは逆方向に先細りした空洞を含む。
そして、これら2種類の金型MD(MD1・MD2)を少なくとも用いたバルーン10の製造方法では、例えば図7に示すような、全長に亘って、外径(Btp)、内径(Bnp)、肉厚(Btp−Bnp)を一定にしたチューブ31P(すなわち、バルーン10の基になるバルーン用チューブ31)を用いる。なお、この全長に亘って一定の内径および外径を維持した円筒形状のチューブ31Pの製法は、特に限定されることはなく、例えば、押し出し成形で形成されていてもよい。
次に、バルーン10の製造工程について詳説する。まず、チューブ31Pが、第1金型MD1のキャビティCYfに配置される。そして、二軸延伸ブロー成形、すなわち、チューブ31Pを引っ張って延ばすとともに、チューブ31P内に流体(チッソ等)を入れることで、バルーン10における軸方向および径方向(二軸方向)を延伸させて、バルーン10は成形される。
この二軸延伸ブロー成形後、その第1金型MD1からチューブ31Pが取り出され、そのチューブ31Pは、第2金型MD2のキャビティCYsに配置される。そして、二軸延伸ブロー成形が行われる(なお、各二軸延伸ブロー成形における延伸量は、適宜、変化させてもよい)。
このように、第1金型MD1で、先に、二軸延伸ブロー成形が行われる工程と、第2金型MD2で、後に、二軸延伸ブロー成形が行われる工程と、が済んだ後、第2金型MD2から取り出されたチューブ31Pは、例えば図1Bに示されるように、全長に亘り、近位側から遠位側に向かって先太りした、第1筒状部11を有するバルーン10となる。つまり、このようにして成形されたバルーン10は、非治療圧下において、第1筒状部11を、第2筒状部12側から第1筒状部11の全長方向の中途に向かって、先細りさせて、第1筒状部11における少なくとも一部をテーパ形状にする。
一方で、このバルーン10は、治療圧をかけられると(治療圧下においては)、図1Aに示されるように、第1筒状部11を、全長に亘り、近位側から遠位側までの外径を一定にした円筒形状にする。すなわち、以上の製造方法によると、バルーン10は、治療圧をかけられることで膨張する場合、非治療圧の場合に先細りした側の第1筒状部11の部分の膨張率を、先太りした側の膨張率に比べて、大きくさせられる。
したがって、このようなバルーン10の製造方法は、2つの金型MD1・MD2を用いるという簡単な工程だけで、拡張初期において、狭窄部位52からスリッピングを防止する上、血管51を過拡張させて解離させることなく、狭窄部位52を充分に拡張させられるバルーン10を製造できる。
なお、以上では、第1金型MD1および第2金型MD2に配置されるチューブ31として、図7に示されるチューブ31Pを例に挙げたが、これに限定されるものではない。
例えば、図8に示すように、チューブ31Qは、両端における一方端における外径(Btqa)・内径(Bnq)に対して、他方端における外径(Btqb)を短くし、内径(Bnq)を同じにして、肉厚を一方端から他方端に向けて薄くさせていても構わない{すなわち、全長に亘って一定の内径(Bnq)だが、外径が一方端から他方端に向かうにつれて短くなることで、外形を先細りさせたチューブ31Qであっても構わない}。
また、図9に示すように、チューブ31Rは、両端における一方端における外径(Btr)・内径(Bnra)に対して、他方端における外径(Btr)を同じにし、内径(Bnrb)を長くして、肉厚を一方端から他方端に向けて薄くさせていても構わない{すなわち、全長に亘って一定の外径(Btr)だが、内径が一方端から他方端に向かうにつれて短くなることで、外形は円筒形状なものの、内腔が先細りしたチューブ31Rであっても構わない}。
また、図10に示すように、チューブ31Sは、両端における一方端における外径(Btsa)・内径(Bnsa)に対して、他方端における外径(Btsb)・内径(Bnsb)を短くしつつも、肉厚を一方端から他方端に向けて一定にさせていても構わない(すなわち、全長に亘って、外形および内腔を先細りさせたチューブ31Sであっても構わない)。
すなわち、これら図8〜図10に示すような、外形および内腔の少なくとも一方をテーパ形状にさせたチューブ31Q〜31Sは、第1金型MD1と第2金型MD2とを使用されて、バルーン10として成形されても、そのバルーン10は、治療圧下では、第1筒状部11における近位端の外径D3と遠位端の外径D2と中途の外径Dcとを同じにし、非治療圧下では、第1筒状部11における中途の外径Dcは遠位端の外径D2に比べて小さく、さらには、中途の外径Dcは近位端の外径D3よりも小さくなる。
つまり、チューブ31Q〜31Sであっても、非治療圧下においては、第1筒状部11における少なくとも一部がテーパ形状になる一方、治療圧まで加圧されることで、第1筒状部11の先細りした側が、第1筒状部11の先太りした側に比べて、大きな膨張率で膨らみ、例えば、第1筒状部11の少なくとも一部が円筒形状となるバルーン10が形成される。
なお、図8〜図10のチューブ31Q〜31Sは、外形の全部と内腔の全部とのうちの少なくとも一方を、テーパ形状にしているが、これに限定されるものではない。例えば、外形の一部と内腔の一部とのうちの少なくとも一方を、テーパ形状にしているチューブ31であっても構わない(要は、外形の少なくとも一部と内腔の少なくとも一部とのうちの少なくとも一方を、テーパ形状にさせているチューブ31であってもよい)。
ところで、図5に示される第1金型MD1は、第1キャビティ部CY1fにおける第2キャビティ部CY2f側の部分の内径Df2、第1キャビティ部CY1fにおける第3キャビティ部CY3f側の部分の内径Df3、および、第1キャビティ部CY1fにおける中途の内径Dfcを、同一の内径にすることで、全部を円筒形状にした第1キャビティ部CY1fを含む。
一方、図6に示される第2金型MD2は、第1キャビティ部CY1sにおける第2キャビティ部CY2s側から第1キャビティ部CY1sの中途に向って先細りさせた部分を含むとともに、この先細りしている第1キャビティ部CY1sの中途から、その先細りしている方向をさらに進むようにして、先細りした部分を含むことで、全部をテーパ形状にした第1キャビティ部CY1sを含む。
しかし、これに限定されるものではない。所望形状のバルーン10を得るためには、第1金型MD1の第1キャビティ部CY1fおよび第2金型MD2の第1キャビティ部CY1sは、適宜、形が変わっていてもよい。
例えば、図11に示すような第2金型MD2では、第1キャビティ部CY1sは、全長における一部(第1キャビティ部CY1sにおける第2キャビティ部CY2sの境界から、第3キャビティ部CY3sに向かい、第1キャビティ部CY1sの全長の中途までの部分)を、先細りした形状とし、別の一部(第1キャビティ部CY1sにおける第3キャビティ部CY3sの境界から、第2キャビティ部CY2sに向かい、第1キャビティ部CY1sの全長の中途までの部分)を、円筒形状とする。
別表現すると、第2金型MD2は、第1キャビティ部CY1sにおける第2キャビティ部CY2s側から第1キャビティ部CY1sの中途に向って先細りさせた部分を含むとともに、その先細りしている方向をさらに進むようにして、円筒部分を含む(なお、第1キャビティ部CY1sの全長Lsにて、先細り部分の全長をLsd、円筒部分における全長をLsp、とする)。
そして、図5に示す第1金型MD1で、図7〜図10に示されるチューブ31P〜31Sが、二軸延伸ブロー成形され、さらに、図11に示す第2金型MD2で、二軸延伸ブロー成形されると、第2金型MD2から取り出されたチューブ31Pは、図12に示されるように、第2金型MD2のキャビティCYsを反映させたバルーン10となる。つまり、このようにして成形されたバルーン10は、非治療圧下において、第1筒状部11を、全長の一部に亘り、遠位側から近位側に向かって先細りした形状とし、全長における残部を円筒形状とする。
詳説すると、第1筒状部11が、第2筒状部12とのつなぎ目辺り(第1筒状部11の第2筒状部12側)から第1筒状部11の全長方向の中途に向かって先細りしており、その先細りしている方向をさらに進むようにして、先細りしている第1筒状部11の中途から円筒部分を含む(なお、第1筒状部11の全長L1にて、先細り部分の全長をL1d、円筒部分における全長をL1p、とする)。
一方で、このバルーン10は、治療圧下では、全長に亘り、近位側から遠位側までの外径を一定にした円筒形状の第1筒状部11を有する。すなわち、以上の製造方法によると、バルーン10は、治療圧をかけられることで膨張する場合、非治療圧の場合に先細りした側の第1筒状部11の部分の膨張率を、先太りした側の膨張率に比べて、大きくさせられる。
そのため、このようなバルーン10であっても、上述したように、拡張初期において、バルーン10が狭窄部位52からスリッピングを防止し、その上、血管51を過拡張させて解離させることなく、狭窄部位52を充分に拡張させられる。
また、別の例としては、図13に示されるような第2金型MD2が挙げられる。この第2金型MD2では、第1キャビティ部CY1sは、全長における一部(第1キャビティ部CY1sにおける第2キャビティ部CY2sの境界から、第3キャビティ部CY3sに向かい、第1キャビティ部CY1sの全長の中途までの部分)を、先細り形状とし、別の一部(第1キャビティ部CY1sにおける第3キャビティ部CY3sの境界から、第2キャビティ部CY2sに向かい、第1キャビティ部CY1sの全長の中途までの部分)も、先細りした形状とする(なお、第1キャビティ部CY1sの全長Lsにて、1つの先細り部分の全長をLsd、もう1つの先細り部分の全長をLsp、とする)。
別表現すると、第1キャビティ部CY1sは、第1キャビティ部CY1sにおける第2キャビティ部CY2s側から第1キャビティ部CY1sの中途に向って先細りさせた部分を含むとともに、その先細りしている方向をさらに進むようにして、先太りした部分を含むともいえるし、第1キャビティ部CY1sにおける第3キャビティ部CY3s側から第1キャビティ部CY1sの中途に向って先細りさせた部分を含むとともに、その先細りしている方向をさらに進むようにして、先太りした部分を含むともいえる(また、第1キャビティ部CY1sは、両端から第1キャビティ部CY1sの中途に向かって先細ることで、くびれを有した糸巻き型形状ともいえる)。
そして、図5に示す第1金型MD1で、図7〜図10に示されるチューブ31P〜31Sが、二軸延伸ブロー成形され、さらに、図13に示す第2金型MD2で、二軸延伸ブロー成形されると、第2金型MD2から取り出されたチューブ31Pは、図14に示されるように、第2金型MD2のキャビティCYsを反映させたバルーン10となる。つまり、このようにして成形されたバルーン10は、非治療圧下において、第1筒状部11を、全長の一部に亘り、遠位側から近位側に向かって先細りした形状とし、全長における残部を、遠位側からに近位側向かって先太りした形状とする(なお、第1筒状部11の全長L1にて、先細り部分の全長をL1d、先太りした部分の全長をL1p、とする)。
詳説すると、第1筒状部11が、第2筒状部12とのつなぎ目辺り(第1筒状部11の第2筒状部12側)から第1筒状部11の全長方向の中途に向かって先細りしており、その先細りしている方向をさらに進むようにして、第1筒状部11の中途から第3筒状部13とのつなぎ目辺り(第1筒状部11の第3筒状部13側)に向かって先太りした部分を含む(また、第1筒状部11が、両端から第1筒状部11の中途に向かって先細ることで、くびれを有した糸巻き型形状ともいえる)。
一方で、このバルーン10は、治療圧下では、全長に亘り、近位側から遠位側までの外径を一定にした円筒形状の第1筒状部11を有する。すなわち、以上の製造方法によると、バルーン10は、治療圧をかけられることで膨張する場合、非治療圧の場合に先細りした側の第1筒状部11の部分の膨張率を、先太りした側の膨張率に比べて、大きくさせられる。
そのため、このようなバルーン10であっても、上述したように、拡張初期において、バルーン10が狭窄部位52からスリッピングを防止し、その上、血管51を過拡張させて解離させることなく、狭窄部位52を充分に拡張させられる。
また、別の例としては、図15に示されるような第1金型MD1が挙げられる。この第1金型MD1では、第1キャビティ部CY1fは、内径Df2、内径Df3、および内径Dfcを、各々異ならせることで(詳説すると、これら3つの内径のうち、内径Df3を、内径Df2および内径Dfcよりも大きくした最大内径にすることで)、第1キャビティ部CY1fにおける第3キャビティ部CY3f側から第1キャビティ部CY1fの中途に向って先細りさせた部分を含むとともに、この先細りしている第1キャビティ部CY1fの中途から、その先細りしている方向をさらに進むようにして、先細りした部分を含み、全部をテーパ形状にしている。
そして、図15に示す第1金型MD1で、図7〜図10に示されるチューブ31P〜31Sが、二軸延伸ブロー成形され、さらに、図6に示す第2金型MD2で、二軸延伸ブロー成形されると、第2金型MD2から取り出されたチューブ31Pは、図16Bに示されるように、第2金型MD2のキャビティCYsを反映させたバルーン10となる。つまり、このようにして成形されたバルーン10は、非治療圧下において、第1筒状部11を、全長に亘り、遠位側から近位側に向かって先細りした形状とする。
詳説すると、第1筒状部11が、第3筒状部13とのつなぎ目辺り(第1筒状部11の第3筒状部13側)から第1筒状部11の全長方向の中途に向かって先細りしており、その先細りしている方向をさらに進むようにして、先細りした部分を含み、全部をテーパ形状にしている。
一方で、このバルーン10は、治療圧下では、第1筒状部11は、図16Aに示されるように、第3筒状部13とのつなぎ目辺り(第1筒状部11の第3筒状部13側)から第1筒状部11の全長方向の中途に向かって先細りしており、その先細りしている方向をさらに進むようにして、先細りした部分を含み、全部をテーパ形状にしている。すなわち、以上の製造方法によると、バルーン10は、治療圧をかけられることで膨張する場合、非治療圧の場合に先細りした側の第1筒状部11の部分の膨張率を、先太りした側の膨張率に比べて、大きくさせられる。
そのため、このようなバルーン10であっても、上述したように、拡張初期において、バルーン10が狭窄部位52からスリッピングを防止し、その上、血管51を過拡張させて解離させることなく、狭窄部位52を充分に拡張させられる。
なお、以上では、バルーン10において、先細りする部分が有る場合、その部分は全域に亘って、一定の先細り率を有し、先太りする部分が有る場合、その部分は全域に亘って、一定の先細り率を有するものを例挙げてきたが、これに限定されるものではない。
[実施の形態2]
実施の形態2について説明する。なお、実施の形態1で用いた部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付記し、その部材の種々説明を簡略化することもあり得る。また、実施の形態1にて説明した作用効果と同じ作用効果が奏ずる場合も、その説明を簡略化することもあり得る。
実施の形態1では、バルーン10の製造において、複数の金型MD(MD1・MD2)を用いた例を挙げて説明してきたが、これに限定されるものではない。
すなわち、第1金型MD1を用いることなく、例えば図6に示すような第2金型MD2、詳説すると、第1キャビティ部CY1sが、全長に亘り、第2キャビティ部CY2sの側から第3キャビティ部CY3sの側に向かって、先細りした内径の第2金型MD2を用いて、バルーン10が成形されてもよい。
例えば、図8〜図10に示されるような、外径の全部と内腔の全部とのうちの少なくとも一方をテーパ形状にしているチューブ31Q〜31Sが、第2金型MD2のキャビティCYsに配置された後、二軸延伸ブロー成形される。そして、このような成形では、チューブ31Q〜31Sにおける円周方向の延伸倍率の勾配が、軸方向に沿って発生する。
その結果、例えば図1Aおよび図1Bに示すような、第1筒状部11における第2筒状部12側の部分の外径D2と第1筒状部11における第3筒状部13側の外径D3とは、非治療圧の場合には、一方部分の外径である外径D2は他方部分の外径である外径D3に比べて大径であり、治療圧の場合には、第1筒状部11における第2筒状部12側の部分の外径D2の膨張率に比べ、第1筒状部11における第3筒状部13側の外径D3の膨張率の方が大きい、バルーン10が成形される。
[実施の形態3]
実施の形態3について説明する。なお、実施の形態1・2で用いた部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付記し、その部材の種々説明を簡略化することもあり得る。また、実施の形態1・2にて説明した作用効果と同じ作用効果が奏ずる場合も、その説明を簡略化することもあり得る。
実施の形態1では、図7に示すような、全長に亘って一定の内径および外径を維持した円筒形状のチューブ31Pが、複数の金型MD(MD1・MD2)を用いた成形によって、バルーン10となる製造について説明した。しかし、このようなチューブ31Pであっても、実施の形態2同様、第2金型MD2を用いるだけでも、実施の形態1・2にて説明したようなバルーン10となる。
詳説すると、第1金型MD1を用いることなく、例えば図6に示すような第2金型MD2、すなわち、第1キャビティ部CY1sが、全長に亘り、第2キャビティ部CY2sの側から第3キャビティ部CY3sの側に向かって、先細りした内径の第2金型MD2の、キャビティCYsに配置された後、第1キャビティ部CY1sの軸方向の少なくとも一部に温度勾配を発生させながら、二軸延伸ブロー成形される。このような成形では、バルーン10における樹脂の結晶化度または樹脂の密度は、二軸延伸ブロー成形での熱履歴に依存する。そのため、バルーン10の第1筒状部11では、軸方向に樹脂の結晶化度または樹脂の密度の勾配が発生する。
その結果、例えば図1Aおよび図1Bに示すような、第1筒状部11における第2筒状部12側の部分の外径D2と第1筒状部11における第3筒状部13側の外径D3とは、非治療圧の場合には、一方部分の外径である外径D2は他方部分の外径である外径D3に比べて大径であり、治療圧の場合には、第1筒状部11における第2筒状部12側の部分の外径D2の膨張率に比べ、第1筒状部11における第3筒状部13側の外径D3の膨張率の方が大きい、バルーン10が成形される。
[その他の実施の形態]
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
例えば、チューブ31(ひいてはバルーン10)に用いられる材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、若しくはエチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィンや、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルや、または、ポリエステルエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、フッ素樹脂、シリコーンゴム、若しくはラテックスゴム等、が挙げられる。
また、チューブ31の製造の仕方は特に限定されず、例えば、押し出し成形または射出成形が挙げられる。また、全長に亘って一定の内径および外径を維持した円筒形状のチューブ31が、後加工されることで、外形の少なくとも一部と内腔の少なくとも一部とのうちの少なくとも一方を、テーパ形状にさせているチューブ31が製造されてもよい。
また、二軸延伸ブロー成形における金型MDの温度は、チューブ31の樹脂またはチューブ31の形状等により任意に設定される。例えば、テーパ形状の部分を含むチューブ31の場合、チューブを形成する樹脂のガラス転移点以上の温度で、二軸延伸ブロー成形が行われると望ましい。
また、二軸延伸ブロー成形は、単数回でも複数回でも構わない。また、軸方向の延伸は、径方向の延伸と同時またはその前後に行っても構わない。また、バルーン10の形状寸法を安定化させるべく、バルーン10にアニーリング処理を施してもよい。
また、本実施形態では、非治療圧下において、第1筒状部11の第2筒状部12側の外径が、第3筒状部13側の外径よりも大きい、もしくは、第1筒状部11の第2筒状部12側の外径と、第3筒状部13側の外径が同じ、バルーン10を説明したが、第1筒状部11の第3筒状部13側の外径が、第2筒状部12側の外径よりも大きくてもかまわない。
なお、図4は、シャフトチューブ21の全域に亘ってガイドワイヤールーメン23Lを配置させた、オーバー・ザ・ワイヤー型のバルーンカテーテル29を示すが、シャフトチューブ21の遠位側の一部にのみガイドワイヤールーメンを配置させた、ラピッド・エクスチェンジ型のバルーンカテーテルであって構わない(なお、いずれの型であっても、システム有効長は、200mm以上、1800mm以下であると望ましい)。
また、本発明には、以下の発明が含まれ得る。
(1)バルーンカテーテルに取り付けられるバルーンにあって、上記バルーンは、第1筒状部と、上記第1筒状部の両端のうちの一方に連なる第2筒状部と、上記第1筒状部の両端のうちの他方に連なる第3筒状部と、を含んでおり、非治療圧の場合には、上記第1筒状部は、上記第2筒状部側から上記第1筒状部の全長方向の中途に向かって、または、上記第3筒状部側から上記第1筒状部の全長方向の中途に向かって、先細りしており、治療圧をかけられることで上記バルーンが膨張する場合には、非治療圧の場合に先細りした側の上記第1筒状部の部分の膨張率が、先太りした側の上記膨張率に比べて、大きいバルーン。
(2)非治療圧の場合には、上記第1筒状部は、先細りしている上記第1筒状部の中途までから、その先細りしている方向をさらに進むようにして、先細りした部分、先太りした部分、または円筒部分を含む、(1)に記載のバルーン。
(3)上記第1筒状部において、先細りする部分が有る場合、その部分は全域に亘って、一定の先細り率を有し、先太りする部分が有る場合、その部分は全域に亘って、一定の先細り率を有する、(2)に記載のバルーン。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載のバルーンを含むバルーンカテーテル。
(5)バルーンカテーテルに使用するバルーンの基になるバルーン用チューブを、複数の金型のキャビティに入れて二軸延伸ブロー成形することで、第1筒状部と、上記第1筒状部の両端のうちの一方に連なる第2筒状部と、上記第1筒状部の両端のうちの他方に連なる第3筒状部と、を含むバルーンに製造するバルーン製造方法にあって、上記キャビティにおいて、上記第1筒状部に対応する部分を第1キャビティ部、上記第2筒状部に対応する部分を第2キャビティ部、上記第3筒状部に対応する部分を第3キャビティ部、とすると、複数の上記金型の1つは、上記第1キャビティ部における上記第2キャビティ部側の部分の内径、上記第1キャビティ部における上記第3キャビティ部側の部分の内径、および、上記第1キャビティ部における中途の内径を、同一の内径にした、または、これら3つの内径のうち、上記第2キャビティ部側の部分の内径または上記第3キャビティ部側の部分の内径を最大の内径にした、第1金型であり、この第1金型で、先に、上記二軸延伸ブロー成形が行われる工程と、複数の上記金型の別の1つは、上記第1キャビティ部における上記第2キャビティ部側または上記第3キャビティ部側から上記第1キャビティ部の全長方向の中途に向って先細りさせた部分を含む第2金型であり、この第2金型で、後に、上記二軸延伸ブロー成形が行われる工程と、を含むバルーン製造方法。
(6)上記第2金型の上記第1キャビティ部は、上記先細りしている上記第1キャビティ部の中途から、その先細りしている方向をさらに進むようにして、先細りした部分、先太りした部分、または円筒部分を含む、(5)に記載のバルーン製造方法。
(7)上記第2金型の上記第1キャビティ部において、先細りする部分が有る場合、その部分は全域に亘って、一定の先細り率を有し、先太りする部分が有る場合、その部分は全域に亘って、一定の先細り率を有する、(6)に記載のバルーン。
(8)上記第1金型の上記第1キャビティ部は、上記第2キャビティ部側から上記第3キャビティ部側に向かって、あるいは、上記第3キャビティ部側から上記第2キャビティ部側に向かって、一定の先細り率を有することで、全体で、テーパ形状になる、または、全体で円筒形状となる、(5)〜(7)のいずれかに記載のバルーン製造方法。
ここで、以上のバルーン10に関する具体的な実施例および実験の結果を示す。ただし、バルーン10は、これら実施例および実験の結果に限定されるものではない。なお、いずれの実施例においても、5本のバルーン10を作製した。
[実施例1]
まず、ポリアミド(商品名「RILSAN−AESN」;ARKEMA社製)を用いた押出成形により、内径および外径[内径(Bnp):0.50mm、外径(Btp):1.00mm]を全長に亘って一定にしたバルーン用のチューブ(パリソン)31Pが作製される(図7参照)。
次に、このチューブ31Pが、図5に示す第1金型MD1(Df2=Df3:3.00mm、Lf:20mm)のキャビティCYfに配置され、100℃で1段階目の二軸延伸ブロー成形が行われる。さらに、この第1金型MD1から取り出されたチューブ31Pが、図6に示す第2金型MD2(Ds2:3.00mm、Ds3:2.70mm、Ls:20mm)のキャビティCYsに配置され、80℃で2段階目の二軸延伸ブロー成形法が行われる。この成形の結果、バルーン10が完成する。
[実施例2]
まず、ポリアミドエラストマー(商品名「PEBAX 7233SA01」;ARKEMA社製)を用いた押出成形により、内径および外径[内径(Bnp):1.00mm、外径(Btp):2.00mm]を全長に亘って一定にしたバルーン用のチューブ31Pが作製される(図7参照)。
次に、このチューブ31Pが、図5に示す第1金型MD1(Df2=Df3:5.00mm、Lf:40mm)のキャビティCYfに配置され、100℃で1段階目の二軸延伸ブロー成形が行われる。さらに、この第1金型MD1から取り出されたチューブ31Pが、図6に示す第2金型MD2(Ds2:5.50mm、Ds3:5.00mm、Ls:40mm)のキャビティCYsに配置され、80℃で2段階目の二軸延伸ブロー成形法が行われる。この成形の結果、バルーン10が完成する。
[実施例3]
まず、ポリアミドエラストマー(商品名「PEBAX 7233SA01」;ARKEMA社製)を用いた押出成形により、内径および外径[内径(Bnp):0.50mm、外径(Btp):1.00mm]を全長に亘って一定にしたバルーン用のチューブ31Pが作製される(図7参照)。
次に、このチューブ31Sが、図15に示す第1金型MD1(Df2:3.00mm、Df3:3.50mm、Lf:15mm)のキャビティCYfに配置され、100℃で1段階目の二軸延伸ブロー成形が行われる。さらに、この第1金型MD1から取り出されたチューブ31Pが、図6に示す第2金型MD2(Ds2:3.00mm、Ds3:2.50mm、Ls:15mm)のキャビティCYsに配置され、80℃で2段階目の2軸延伸ブロー成形が行われる。そして、この成形の結果、バルーン10が完成する。
[実施例4]
まず、ポリエステルエラストマー(商品名「ペルプレンS−6001」;東洋紡株式会社製)を用いた押出成形により、内径および外径[内径(Bnp):0.25mm、外径(Btp):0.50mm]を全長に亘って一定にしたバルーン用のチューブ31Pが作製される(図7参照)。
次に、このチューブ31Pが、図6に示す第2金型MD2(Ds2:1.50mm、Ds3:1.00mm、Ls:8mm)のキャビティCYsに配置され、第2キャビティ部CY2s付近の温度を100℃、第3キャビティ部CY3s付近の温度を80℃にして、二軸延伸ブロー成形が行われる。この成形の結果、バルーン10が完成する。
[実施例5]
まず、ポリアミドエラストマー(商品名「PEBAX 7233SA01」;ARKEMA社製)を用いた押出成形により、全長に亘って外径(Btr)が2.50mmで一定なものの、一方端の内径(Bnra)を1.50mm、他方端の内径(Bnrb)を1.90mmにしたバルーン用のチューブ31Rが作製される(図9参照)。
次に、このチューブ31Pが、図6に示す第2金型MD2(Ds2:12.0mm、Ds3:9.00mm、Ls:300mm)のキャビティCYsに配置され、100℃で二軸延伸ブロー成形が行われる。なお、チューブ31Rは、小径な内径を有する一方端を、第2金型MD2の第2キャビティ部CY2sに向け、大径な内径を有する他方端を、第2金型MD2の第3キャビティ部CY3sに向けて、キャビティCYsに配置される。そして、この成形の結果、バルーン10が完成する。
[実施例6]
まず、実施例2と同じチューブ、すなわち、ポリアミドエラストマーで、内径および外径[内径(Bnp):1.00mm、外径(Btp):2.00mm]を全長に亘って一定にしたバルーン用のチューブ31Pが作製される(図7参照)。
次に、このチューブ31Pが、図5に示す第1金型MD1(Df2=Df3:5.00mm、Lf:40mm)のキャビティCYfに配置され、100℃で1段階目の二軸延伸ブロー成形が行われる。さらに、この第1金型MD1から取り出されたチューブ31Pが、図13に示す第2金型MD2(Ds2:5.00mm、Ds3:4.50mm、Lsd=Lsp:20mm)のキャビティCY2sに配置され、80℃で2段階目の二軸延伸ブロー成形法が行われる。この成形の結果、バルーン10が完成する。
[実施例7]
まず、実施例2と同じチューブ、すなわち、ポリアミドエラストマーで、内径および外径[内径(Bnp):1.00mm、外径(Btp):2.00mm]を全長に亘って一定にしたバルーン用のチューブ31Pが作製される(図7参照)。
次に、このチューブ31Pが、図13に示す第1金型MD1(Df2=Df3:5.00mmLf:40mm)のキャビティCYfに配置され、100℃で1段階目の二軸延伸ブロー成形が行われる。さらに、この第1金型MD1から取り出されたチューブ31Pが、図6に示す第2金型MD2(Ds2=Ds3:5.00mm、Dsc:4.50mm、Ls:40mm)のキャビティCYsに配置され、80℃で2段階目の二軸延伸ブロー成形法が行われる。この成形の結果、バルーン10が完成する。
[ 実 験 ]
実施例1〜7のバルーン10を用いたバルーンカテーテル29を作製し、その性能を調べた。
<バルーンカテーテルの作製>
バルーンカテーテル29は、図4に示すようなオーバー・ザ・ワイヤー型で、インナーチューブ23とアウターチューブ22とを同軸二重管構造としている。
なお、インナーチューブ23は、高密度ポリエチレン(商品名「HY540」;三菱化学株式会社製)を用いた押出成形により、内径および外径[内径:0.40mm、外径:0.60mm]を全長に亘って一定にしたものである。また、アウターチューブ22は、ポリアミド(商品名「RILSAN−AESN」;ARKEMA社製)を用いた押出成形により、内径および外径[内径0.80mm、外径1.00mm]を全長に亘って一定にしたものである。また、マニホールド26は、スチレン−ブタジエン共重合体(商品名「K−レジンKR03」;フィリップス石油株式会社製)を用いた射出成形により成形された。
そして、2液硬化型ウレタン系接着剤(商品名「UR0531」;H.B.Fuller社製)を用いて、実施例1〜7のバルーンは、シャフトチューブ21に取り付けられ、さらに、マニホールド26も、シャフトチューブ21に取り付けられ、バルーンカテーテル29は完成する。なお、このようなバルーンカテーテル29は、バルーン10をラッピングされた後、エチレンオキサイドガスで滅菌され、実験に用いられる。
<測定>
実施例1〜7を備えるバルーンカテーテル29(サンプル1〜7)におけるバルーン10に対して、拡張液を注入して、バルーン10の外径を測定した。なお、拡張液は、造影剤(商品名「イオメロン350」;エーザイ株式会社製)と生理食塩水とを体積比率50:50で混合したものである。
そして、非治療圧である1atmでバルーン10を拡張させている状態と、治療圧である10atmでバルーン10を30秒間拡張させた後の状態とが、レーザ外径測定器(KEYENCE製LS-7500)で測定された。
なお、サンプル1〜5におけるバルーン10は、非治療圧下では、例えば図1Bに示すような、全長に亘り、近位側から遠位側に向かって先太り形状の第1筒状部11となった。また、治療圧下では、サンプル1、2、4では、例えば図1Aに示すような、全長に亘り、近位側から遠位側までの外径を一定にした円筒形状の第1筒状部11となった。また、治療圧下では、サンプル3、5では、例えば図16Aに示すような、全長に亘り、近位側から遠位側に向かって先細り形状の第1筒状部11となった。
一方、サンプル6におけるバルーン10では、非治療圧下では、例えば図12に示すような、第1筒状部11が、第3筒状部13とのつなぎ目辺りからから遠位側に向かって円筒形状で、全長の中途の箇所から、第2筒状部12に至るまでは、先太り形状となった。また、治療圧下では、例えば図1Aに示すような、全長に亘り、近位側から遠位側までの外径を一定にした円筒形状の第1筒状部11となった。
また、サンプル7におけるバルーン10では、非治療圧下では、例えば図14に示すような、第1筒状部11が、第3筒状部13とのつなぎ目辺りから遠位側に向かって先細り形状で、全長の中途の箇所から、第2筒状部12に至るまでは、先太り形状となった。また、治療圧下では、例えば図1Aに示すような、全長に亘り、近位側から遠位側までの外径を一定にした円筒形状の第1筒状部11となった。
そして、サンプル1〜7(S1〜S7)までの結果をまとめると、以下のようになった(図1、図12、図14、図16参照)。なお、数値は、各サンプル1〜7における5本の平均値である。
◇長軸長 ◇非治療圧下 ◇治療圧下
L1(mm) D2(mm)&D3(mm) D2(mm)&D3(mm)
S1: 19.9 2.86&2.67 3.01&2.97
S2: 40.3 5.18&4.87 5.31&5.23
S3: 14.6 2.70&2.41 3.07&3.48
S4: 8.0 1.32&0.97 1.47&1.45
S5: 303.2 10.71&8.97 12.50&13.01
◇長軸長 ◇非治療圧下 ◇治療圧下
L1d(mm)&L1p(mm) D2(mm)&D3(mm) D2(mm)&D3(mm)
S6: 20.1&19.7 4.76&4.23 5.19&5.18
◇長軸長 ◇非治療圧下 ◇治療圧下
L1d(mm)&L1p(mm) D2(mm)&Dc(mm)&D3(mm) D2(mm)&Dc(mm)&D3(mm)
S7: 20.0&19.7 4.72&4.36&4.74 5.10&5.06&5.12
以上の測定結果から明らかなように、サンプル1〜6におけるバルーン10は、非治療圧下(1atm)では外径D2>外径D3で、治療圧下(10atm)では外径D2と外径D3とは実質同等または外径D2<外径D3となった。すなわち、サンプル1〜6のいずれのバルーン10においても、非治療圧の場合には、第1筒状部11の全長、もしくは一部が、第2筒状部12側から第1筒状部11の中間に向かって、先細りしており、治療圧をかけられることで、非治療圧の場合に先細りした側の第1筒状部11の部分の膨張率が、先太りした側の上記膨張率に比べて大きかった。
また、サンプル7におけるバルーン10は、1atmでは外径D2と外径D3とは実質同等で、外径Dcは外径D2・外径D3よりも小さかった。一方で、10atmでは外径D2、外径Dc、外径D3は、実質同等となった。すなわち、サンプル7のバルーン10においては、非治療圧の場合には、第1筒状部11の一部が、第2筒状部12側から第1筒状部11の中間に向かって、先細りしており、かつ、第3筒状部13側から第1筒状部11の中間に向かって、先細りしており、治療圧をかけられることで、非治療圧の場合に先細りした、第1筒状部11の中間部分の膨張率が、先太りした第1筒状部11の第2筒状部12側および第1筒状部11の第3筒状部13側、の膨張率に比べて大きかった。
10 バルーン
11 第1筒状部
12 第2筒状部
13 第3筒状部
D2 第1筒状部における第2筒状部側の外径
D3 第1筒状部における第3筒状部側の外径
Dc 第1筒状部における中途の部分の外径
L1 第1筒状部の全長
21 シャフトチューブ
22 アウターチューブ
23 インナーチューブ
23L ガイドワイヤールーメン
29 バルーンカテーテル
31 チューブ[バルーンの基になるチューブ]
31P チューブ[バルーンの基になるチューブ]
31Q チューブ[バルーンの基になるチューブ]
31R チューブ[バルーンの基になるチューブ]
31S チューブ[バルーンの基になるチューブ]
MD 金型
CY キャビティ
MD1 第1金型
CYf 第1金型のキャビティ
CY1f 第1金型のキャビティにおける第1キャビティ部
CY2f 第1金型のキャビティにおける第2キャビティ部
CY3f 第1金型のキャビティにおける第3キャビティ部
Df2 第1金型のキャビティにおける第1キャビティ部において、第2キャビ
ティ部の側の端部の内径
Df3 第1金型のキャビティにおける第1キャビティ部において、第3キャビ
ティ部の側の端部の内径
Dfc 第1金型のキャビティにおける第1キャビティ部の全長方向の中途の内

Lf 第1金型のキャビティにおける第1キャビティ部の全長
MD2 第2金型
CYs 第2金型のキャビティ
CY1s 第2金型のキャビティにおける第1キャビティ部
CY2s 第2金型のキャビティにおける第2キャビティ部
CY3s 第2金型のキャビティにおける第3キャビティ部
Ds2 第2金型のキャビティにおける第1キャビティ部において、第2キャビ
ティ部の側の端部の内径
Ds3 第2金型のキャビティにおける第1キャビティ部において、第3キャビ
ティ部の側の端部の内径
Dsc 第2金型のキャビティにおける第1キャビティ部の全長方向の中途の内

Ls 第2金型のキャビティにおける第1キャビティ部の全長

Claims (3)

  1. バルーンカテーテルに使用するバルーンの基になるバルーン用チューブを、金型のキャビティに入れて二軸延伸ブロー成形することで、第1筒状部と、上記第1筒状部の両端のうちの一方に連なる第2筒状部と、上記第1筒状部の両端のうちの他方に連なる第3筒状部と、を含むバルーンを製造するバルーン製造方法にあって、
    上記キャビティにおける、上記第1筒状部に対応する部分を第1キャビティ部、上記第2筒状部に対応する部分を第2キャビティ部、上記第3筒状部に対応する部分を第3キャビティ部、とすると、
    上記金型の上記第1キャビティ部の一部が、上記第2キャビティ部側から上記第1キャビティ部の全長方向の中途に向かって、または、上記第3キャビティ部側から上記第1キャビティ部の全長方向の中途に向かって、先細りしており、
    上記第2キャビティ部が上記第1キャビティ部側から遠位側に向かって先細りしており、上記第3キャビティ部が上記第1キャビティ部側から近位側に向かって先細りしており、
    上記第1キャビティ部の一部が上記第2キャビティ部側から上記第1キャビティ部の全長方向の中途に向かう先細り率が、上記第3キャビティ部の先細り率よりも小さく、または、上記第1キャビティ部の一部が上記第3キャビティ部側から上記第1キャビティ部の全長方向の中途に向かう先細り率が、上記第2キャビティ部の先細り率よりも小さく、
    上記第1キャビティ部の軸方向の少なくとも一部にて、上記第1キャビティ部の先細り側を低温、上記第1キャビティ部の先太り側を高温とする温度勾配を発生させて、上記二軸延伸ブロー成形が行われる工程、を含むバルーン製造方法。
  2. バルーンカテーテルに使用するバルーンの基になるバルーン用チューブを、金型のキャビティに入れて二軸延伸ブロー成形することで、第1筒状部と、上記第1筒状部の両端のうちの一方である遠位に連なる第2筒状部と、上記第1筒状部の両端のうちの他方である近位に連なる第3筒状部と、を含むバルーンを製造するバルーン製造方法にあって、
    前記第1筒状部が前記近位端から前記遠位端に向かって全長に亘って先太りしており、前記第2筒状部が前記第1筒状部側から遠位側に向かって先細りしており、前記第3筒状部が近位側から前記第1筒状部側に向かって先太りしており、
    前記第1筒状部の先太り率が前記第3筒状部の先太り率よりも小さく、
    上記キャビティにおける、上記第1筒状部に対応する部分を第1キャビティ部、上記第2筒状部に対応する部分を第2キャビティ部、上記第3筒状部に対応する部分を第3キャビティ部、とすると、
    上記第1キャビティ部が、上記第3キャビティ部側から上記第2キャビティ部側まで全長に亘って先太りしており、
    外形の少なくとも一部と内腔の少なくとも一部とのうちの少なくとも一方を、テーパ形状にする上記バルーン用チューブに対して、上記二軸延伸ブロー成形が行われる工程、
    を含むバルーン製造方法。
  3. 上記金型の上記第1キャビティ部において、
    先太りする部分は全域に亘って、一定の先太り率を有する、
    請求項2に記載のバルーン製造方法。
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