JP2003144553A - バルーンおよびバルーンカテーテル - Google Patents

バルーンおよびバルーンカテーテル

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JP2003144553A JP2001346363A JP2001346363A JP2003144553A JP 2003144553 A JP2003144553 A JP 2003144553A JP 2001346363 A JP2001346363 A JP 2001346363A JP 2001346363 A JP2001346363 A JP 2001346363A JP 2003144553 A JP2003144553 A JP 2003144553A
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Mitsuharu Korogi
興梠光治
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】十分な耐圧強度を有したままで薄肉化が可能
で、屈曲した狭窄部位への挿入を容易にする柔軟性を兼
ね備えたバルーン及びバルーンカテーテルを提供する。 【解決手段】金型の両端部の温度を金型中央部よりも高
い温度に保ちながら軸方向に延伸する工程を含むことを
特徴とする二軸延伸ブロー成形で医療用バルーンを製造
し、該バルーンのテーパー部上の至る所でテーパー部の
膜厚tが式 【数1】 を満足するバルーンを提供した。また、前記バルーンを
用いてバルーンカテーテルを構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バルーンカテーテ
ルに関わり、更に詳しくは末梢血管成形、冠状動脈血管
成形および弁膜成形を含む経皮的内腔手術において血管
内狭窄部を拡張治療し、抹消側血流を改善するために使
用するバルーンカテーテルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、血管などの脈管において狭窄ある
いは閉塞が生じた場合、脈管の狭窄部位あるいは閉塞部
位を拡張して、血管末梢側の血流を改善するために行な
う脈管成形術(PTA:Percutaneous Transluminal An
gioplasty、PTCA:Percutaneous Transluminal Cor
onary Angioplastyなど)は、多くの医療機関において
多数の術例があり、この種の症例における手術としては
一般的になっている。
【0003】バルーンカテーテルは、主に冠状動脈の狭
窄部位を拡張するために、ガイドカテーテルとガイドワ
イヤーとのセットで使用される。このバルーンカテーテ
ルを用いた脈管成形術は、まずガイドカテーテルを大腿
動脈から挿入して大動脈を経て冠状動脈の入口に先端を
位置させた後、バルーンカテーテルを貫通させたガイド
ワイヤーを冠状動脈の狭窄部位を超えて前進させ、その
後バルーンカテーテルをガイドワイヤーに沿って前進さ
せ、バルーンを狭窄部位に位置させた状態で膨張させて
狭窄部位を拡張する手順で行ない、そしてバルーンを収
縮させて体外に除去するのである。しかし、バルーンカ
テーテルは、動脈狭窄の治療だけに限定されず、血管の
中への挿入、ならびに種々の体腔への挿入を含む多くの
医療的用途に有用である。
【0004】カテーテルシャフトの遠位部に設けられた
バルーンは血管内の狭窄部を拡張するというその役割か
ら種々の特性が要求される。石灰化した硬い狭窄部位を
拡張するために高い耐圧強度が必要である。また屈曲し
た狭窄部位に位置させるためには高い柔軟性が必要にな
る。また、狭窄度が99%といった極めて高い狭窄度を
有する狭窄部位に位置させるためには柔軟性のみなら
ず、バルーンが十分に薄いことが要求される。これらの
特性を総合すると、バルーンは薄く、膜強度が高く、柔
軟性が高いことが要求される。
【0005】これまでバルーンの成形に関して、幾多の
方法が開示されている。特開平8−38618には両端
部の膜厚に対して、中央部での膜厚が厚いチューブ状の
パリソンをブロー成形し、外径が大きい筒上のバルーン
膜中央部と、その両端に位置する外径が小さい筒上の先
端部及び基端部とを有するバルーン膜を有するバルーン
を製造する方法が開示されている。しかしこの方法は、
チューブ状のパリソンの両端部を薄肉加工する工程が必
要になるため、成形サイクルが長くなる、成形収率が低
下するという欠点がある。
【0006】特開平9−192227には、テーパー部
の壁をエキシマレーザー除去により薄肉化してテーパー
部が薄肉であるバルーンを製造する方法が開示されてい
る。しかしこの方法は、バルーンをブロー成形した後に
後処理でエキシマレーザーによる薄肉化の加工工程があ
るために、成形サイクルが長くなる、多額な設備投資が
必要になるという欠点がある。
【0007】特許第2555298公報ではテーパー部
膜厚の直管部膜厚に対する比が1.2以下であるカテー
テル用バルーンが開示されている。この方法では、柔軟
性と高強度を実現することができるが、バルーン成形後
にテーパー部を再延伸してテーパー部を薄肉化するとい
う工程があるために、成形サイクルが長くなる、成形収
率が低下するという欠点がある。
【0008】上記の例から明らかなように、これまで開
示されている方法はバルーンに優れた特性をもたらすも
のの、一方で別な問題点を引き起こすため完璧な方法と
は言えなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が前述
の状況に鑑み、目的とするところは、十分な耐圧強度を
有しながらテーパー部が薄肉であり、屈曲した狭窄部位
への挿入を容易にする柔軟性を兼ね備えたバルーンを容
易に提供する点にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決すべく鋭
意検討を重ねた結果、医療用バルーンであって、該バル
ーンのテーパー部上の至る所でテーパー部の厚さtが式
【0011】
【数2】 を満足するバルーンを発明するに至った。
【0012】また、拡張操作を目的とする医療に使用さ
れる折り畳み可能なバルーンを備えたバルーンカテーテ
ルであって、該バルーンのテーパー部上の至る所でテー
パー部の厚さtが(1)式を満足するバルーンを備えた
バルーンカテーテルを構成した。
【0013】(1)式の意味するところは、次のような
ものである。二軸延伸ブロー成形によりバルーンを成形
した場合、直管部とテーパー部の軸方向延伸倍率が等し
いと仮定すると、テーパー部の膜厚は(2)式のように
なる。
【0014】
【数3】 すなわち(1)式は、均一に軸方向延伸して二軸延伸ブ
ローした場合よりもテーパー部の膜厚が薄いことを意味
している。
【0015】発明者らは、二軸延伸ブロー成形におい
て、金型の両端部の温度を金型の中央部より高い温度に
保ちながら軸方向に延伸する工程を含む製造方法により
テーパー部が(1)式を満足する薄肉のバルーンを製造
することができることを見いだした。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のバルーンの原材料となる
熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリアミド、
ポリウレタン、ポリエステル、ポリオレフィン系エラス
トマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エ
ラストマー、ポリエステル系エラストマーなどのあらゆ
る熱可塑性樹脂が使用可能であるが、高い耐圧性を有
し、ある程度の柔軟性を持っているという点で、ポリア
ミド系エラストマー,ポリエステル系エラストマーが好
ましく、ポリアミド系エラストマーが最も好ましい。
【0017】図1は、本発明のバルーンの一実施例を示
す概略断面図である。本発明のバルーン1は、圧力流体
の導入により膨張または収縮する直管部2と、この直管
部2の両端と連接し外側に向かうにつれて縮径する近位
側テーパー部3aおよび遠位側テーパー部3bと、これ
らテーパー部3a、3bと連接する円筒上の近位側スリ
ーブ部4aおよび遠位側スリーブ部4bとから構成され
る。
【0018】本発明のバルーンは、図1に示すように、
バルーンの直管部外径をRS、直管部膜厚をtS、テーパ
ー角度をθとしたとき、直管部/テーパー部境界からx
だけ離れた位置のテーパー部膜厚tがテーパー部上の至
る所で下記(1)式を満足する。図1中には近位側テー
パー部膜厚を示しているが、遠位側テーパー部において
も同様である。
【0019】
【数4】 本発明のバルーンの製造方法は、パリソンを二軸延伸ブ
ロー成形する方法であって、金型の両端部の温度を金型
の中央部よりも高い温度に保ちながら軸方向に延伸する
工程を有する。
【0020】本発明のバルーンは例えば図2に示す装置
を用いて製造される。特に代表的な製法を用いて以下に
説明するが、本願はこれにより制限されるものではな
い。すなわちバルーンに成形されるのに適切な材質、直
径、肉厚であるバルーン用パリソン5を金型6、7a、
7b内に導入し、金型6、7a、7bを加熱し、バルー
ン用パリソンのバルーン成形部分8の軸方向の応力変化
をフォースゲージ9で検知し、固定部10、11をバル
ーン用パリソン5を保持したまま軸方向でかつ各々反対
側へスライドテーブル12上を移動させ、同時に拡張流
体13をパリソン内に注入してパリソンを膨らませ、金
型中央部6を冷却し、金型両端部7a、7bを中央部よ
りも高い温度に温調して軸方向に延伸し、金型中央部6
を加熱して拡張流体13をパリソン内に注入してバルー
ンを製造する。上記の様に金型中央部6を冷却し、金型
両端部7a、7bを中央部よりも高い温度に温調して軸
方向に延伸することにより、本願の特定の膜厚を有する
バルーンを成形することが可能となる。更に本願の方法
によれば特に別工程を要さずに、一バルーン工程中にお
いて容易に所望の膜厚を有するバルーンを成形すること
が可能である。
【0021】二軸延伸ブロー成形時に金型を温調する方
法としては、電気ヒーターで加熱し、金型周辺に水を循
環させて冷却する方法、金型周辺に熱媒体を循環させて
加熱と冷却をする方法等の方法が使用可能であるが、金
型の中央と両側を個別に温調することが容易で、1つの
成形サイクル内で数段階の温度を設定することが容易で
あるという点から、電気ヒーターで加熱し、金型周辺に
水を循環させて冷却する方法が望ましい。
【0022】本発明におけるバルーンのテーパー部の膜
厚は以下の方法で測定する。バルーンに6atmの圧力
をかけて膨らませ、0.5mmごとにテーパー部の膜厚
を測定スポット2μmで測定する。
【0023】膜厚を測定する装置については特に限定は
ないが、レーザー共焦点式変位計(株式会社キーエンス
製LT8010)を用いれば測定スポット2μmの測定
を測定部に接触することなく行なうことができる。
【0024】図3は本発明のバルーンカテーテルの一実
施例を示す概略断面図である。本発明のバルーンカテー
テルにおいて、バルーンを接合するカテーテルシャフト
は図3に示すように少なくとも遠位部が、遠位端が開口
し第1のルーメン14Lを有する内管14と、遠位端が
前記内管の遠位端よりも近位側に存在し前記内管とほぼ
同軸状に配置され、前記内管との間に第2のルーメン1
5Lを有する外管15から構成される構造(即ちコアキ
シャル構造)、更にバイアキシャル構造等の各種構造が
可能であり、特にバルーンと各チューブの配置,接合形
態に左右されることはなく使用可能であり、更に前記内
管14と前記外管15等の各種チューブを構成する材料
種も特に限定されず使用可能である。つまり、ポリオレ
フィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポ
リイミド、ポリオレフィンエラストマー、ポリアミドエ
ラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリウレタン
エラストマーなどの既存の材料が使用可能であり、内管
14と外管15の材料種の組み合せも特に限定されるも
のではなく、使用目的に応じた物性を有する材料を取捨
選択可能である。
【0025】また、バルーン16と内管14及び外管1
5の接合方法にも特に制限はなく、接合部17に置いて
熱溶着、接着剤による接着などの公知の手法が採用可能
であることは言うまでもない。さらに付け加えるなら
ば、本発明の効果を制限させることなく、バルーン16
の内部に存在する内管14にX線不透過マーカー18を
1個もしくは複数個付与させることができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例に基づいて更
に詳細に説明するが、これらは本発明を何ら制限するも
のではない。 (実施例1)ポリアミド系エラストマーPEBAX70
33SA01(エルフ・アトケム社製)を所定の方法で
押出成形し、外径0.72mm、内径0.40mmのパ
リソンを作成した。
【0027】このパリソンを直管部直径が2.5mmの
バルーン金型に挿入し、金型中央部と金型両端部を個別
に電気ヒーターで加熱し個別に水で冷却できる機構を備
えた装置にこの金型を挿入し、金型中央部の温度を90
℃に加熱した。このとき、金型両端部の温度は金型中央
部からの伝熱により60℃になっていた。、パリソンの
両側をそれぞれ15mmずつ延伸し、同時にパリソンに
加圧窒素を吹込んで膨らませた後、金型中央部を水で冷
却して30℃とし、金型両端部を90℃に加熱して、パ
リソンの両側をそれぞれ5mmずつ延伸し、金型中央部
を120℃に加熱してパリソンに加圧窒素を吹込み再度
膨らませた。このとき金型両端部の温度は金型中央部か
らの伝熱により80℃になっていた。この後、金型中央
部と金型両端部を冷却して金型からバルーンを取り出し
た。
【0028】作成したバルーンに6atmの窒素圧を加
えて膨らませ、株式会社キーエンス製レーザー共焦点式
変位計LT−8010により0.5mmごとに直管部の
膜厚を測定し、平均したところ18.0μmであった。
さらに0.5mmごとにテーパー部の膜厚を測定した。
(2)式に従ってテーパー部の膜厚を計算した。テーパ
ー部の膜厚計算値と測定値を表1に示す。テーパー部膜
厚は、測定した全ての点において(1)式を満たしてい
た。
【0029】
【表1】 前記バルーンカテーテルサンプルを37℃の生理食塩水
中に配置したU字型模擬屈曲狭窄血管プレート(図4参
照)内に挿入し、狭窄部を通過する際の抵抗値を測定し
た結果を表4に示す。
【0030】尚、前記U字型模擬屈曲狭窄血管プレート
は図4に示すように、アクリル板19の表面にU字型溝
を形成し、該U字型溝内に沿って内径3.00mmのポ
リエチレン製チューブ20を配設して模擬屈曲血管とし
たものであり、U字型模擬屈曲血管の屈曲部は、内径に
おいて直径150mmの半円を形成している。該U字型
模擬屈曲血管の屈曲部に内径0.95mm、外径2.9
8mmのポリエチレン製チューブ21を同軸状に固定し
模擬屈曲狭窄血管とした。前記バルーンカテーテルサン
プルをクランプ22を用いてフォースゲージ23に接続
し、スライドテーブル24を使用してフォースゲージ2
3を10mm/secの速度で前進させ、模擬屈曲狭窄
血管を通過する際の最大抵抗値を測定した。測定はn=
3で行ない、表4の測定値はその平均値である。測定に
際しては、内管14の内部にある第1のルーメン14L
から模擬屈曲狭窄血管内部へガイドワイヤー25をあら
かじめ挿通しておいた。
【0031】また、抵抗値を測定したバルーンカテーテ
ルサンプルとは別のサンプルを37℃の生理食塩水を満
たした水槽中に配置し、生理食塩水を用いて0.2at
mずつ圧力を上昇させた。各圧力で1秒間保持し、バル
ーンが破壊するまで圧力を上昇させ続けバルーンの破壊
圧を測定した結果を表2に示す。測定値はn=3の平均
値である。 (比較例1)実施例1で用いたものと同じパリソンを直
管部直径が2.5mmのバルーン金型に挿入し、金型を
電気ヒーターで加熱し水で冷却できる機構を備えた装置
にこの金型を挿入し、金型全体の温度を120℃に加熱
して、パリソンの両側をそれぞれ15mmずつ延伸し、
同時にパリソンに加圧窒素を吹込んで膨らませた後、金
型全体を冷却して金型からバルーンを取り出した。
【0032】実施例1と同じ方法で直管部の膜厚を測定
したところ、平均値は18.2μmであった。式2に従
ってテーパー部の膜厚を計算した。実施例1と同じ方法
でテーパー部の膜厚を測定し、計算値と合わせて表2に
示した。測定した全ての点において(1)式を満足して
いなかった。
【0033】
【表2】 (比較例2)実施例1で用いたものと同じパリソンを直
管部直径が2.5mmのバルーン金型に挿入し、金型を
電気ヒーターで加熱し水で冷却できる機構を備えた装置
にこの金型を挿入し、金型全体の温度を90℃に加熱し
て、パリソンの両側をそれぞれ15mmずつ延伸し、同
時にパリソンに加圧窒素を吹込んで膨らませた後、金型
全体の温度を90℃に保ったままパリソンの両側をそれ
ぞれ5mmずつ延伸し、金型全体を120℃に加熱して
パリソンに加圧窒素を吹込み再度膨らませた後、金型全
体を冷却して金型からバルーンを取り出した。
【0034】実施例1と同じ方法で直管部の膜厚を測定
したところ、平均値は17.6μmであった。式2に従
ってテーパー部の膜厚を計算した。実施例1と同じ方法
でテーパー部の膜厚を測定し、計算値と合わせて表3に
示した。測定した一部の点において(1)式を満足して
いなかった。
【0035】
【表3】 実施例1と同じ方法で狭窄部を通過する際の抵抗値、破
壊圧を測定した結果を表4に示す。
【表4】
【0036】近年の医療現場で要求されるバルーンカテ
ーテルの耐圧強度は定格破壊圧(RBP)で少なくとも
14atmは必要とされる。RBPは(3)式によって
計算するのが一般的であり、上記の要求を満たすために
は平均破壊圧(MBP)は20atm程度が必要とな
る。また、血管狭窄部へのカテーテル進入時の抵抗値は
低ければ低いほど、狭窄部への進入が容易であり、通過
性が高いことを意味する。手技を実施する医師は20g
f程度の抵抗値であれば通過性が高いと判断するのが一
般的である。
【0037】
【数5】 実施例1においては狭窄部通過時の最大抵抗値が19g
fであり、狭窄部の通過性は非常に高いと考えられる。
また、平均破壊圧も21.3atmであり、要求される
定格破壊圧の実現が可能であると判断できる。つまり、
十分な耐圧強度と柔軟性を兼ね備えた薄肉化バルーン及
びバルーンカテーテルを実現しているのである。金型の
両端部の温度を金型中央部よりも高い温度に保ちながら
軸方向に延伸する工程を含む二軸延伸ブロー成形でバル
ーンを製造したために薄肉のテーパー部が実現されたた
めだと考えられる。
【0038】比較例1では平均破壊圧が20.8atm
であり耐圧強度は十分であるが、狭窄部通過時の抵抗値
が45gfと極めて高く通過性が低い。テーパー部が厚
肉であり柔軟性が低いためであると考えられる。テーパ
ー部が厚肉になったのはバルーンを製造する際に、一旦
バルーンを膨らませた後に延伸する工程がなかったため
と考えられる。
【0039】比較例2では平均破壊圧が18.3atm
と若干低く、要求される定格破壊圧の実現は困難である
と判断できる。直管部膜厚が薄すぎるためであると考え
られる。狭窄部通過時の抵抗値が30gfと高く通過性
は高くない。テーパー部が若干厚肉であるために柔軟性
が低いためであると考えられる。このようになったの
は、一旦バルーンを膨らませた後に延伸する工程におい
て、金型全体の温度を加熱したために、直管部もかなり
軸方向に延伸されたためだと考えられる。
【0040】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明によるバルー
ン及び該バルーンを接合したバルーンカテーテルは、バ
ルーンのテーパー部の膜厚を薄くすることによりバルー
ン部分の高い耐圧強度および薄肉化と柔軟性を同時に実
現することができ、その結果として屈曲狭窄部へのバル
ーン部の通過性を高めることが可能になるのである。
【0041】また、本発明のバルーンは、金型の両端部
の温度を金型中央部よりも高い温度に保ちながら軸方向
に延伸する工程を含むことを特徴とする二軸延伸ブロー
成形で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバルーン断面図である。
【図2】本発明に関わるバルーン成形装置簡略図であ
る。
【図3】本発明に関わるバルーンとカテーテルシャフト
の接着部分を拡大して示した部分断面図である。
【図4】U字型模擬屈曲狭窄血管プレートの簡略図であ
る。
【符号の説明】
1 バルーン 2 直管部 3a 近位側テーパー部 3b 遠位側テーパー部 4a 近位側スリーブ部 4b 遠位側スリーブ部 5 パリソン 6 金型中央部 7a 金型両端部 7b 金型両端部 8 パリソンのバルーン成形部分 9 フォースゲージ 10 固定部 11 固定部 12 スライドテーブル 13 拡張流体 14 内管 14L 第1のルーメン 15 外管 15L 第2のルーメン 16 バルーン 17 接合部 18 X線不透過マーカー 19 アクリル板 20 ポリエチレン製チューブ(模擬屈曲血管) 21 ポリエチレン製チューブ(模擬屈曲血管狭窄
部) 22 クランプ 23 フォースゲージ 24 スライドテーブル 25 ガイドワイヤー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29L 22:00 B29L 31:00 31:00 A61M 25/00 410H 410B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バルーンのテーパー部上の至る所でテーパ
    ー部の膜厚tが式 【数1】 を満足するバルーン。
  2. 【請求項2】折り畳み可能なバルーンを備えたバルーン
    カテーテルであって、請求項1記載のバルーンを備えた
    バルーンカテーテル。
  3. 【請求項3】パリソンを二軸延伸ブロー成形してバルー
    ンを製造する方法であって、金型両端部の温度を金型中
    央部よりも高い温度に保ちながら軸方向に延伸する工程
    を含むことを特徴とする請求項1記載のバルーン製造方
    法。
  4. 【請求項4】金型中央部の温度を金型両端部の温度以上
    に保って二軸延伸ブロー成形した後に、金型両端部の温
    度を金型中央部よりも高い温度に保ちながら軸方向に延
    伸する工程を含むことを特徴とする請求項1記載のバル
    ーン製造方法。
  5. 【請求項5】金型中央部の温度を金型両端部の温度以上
    に保って二軸延伸ブロー成形した後に、金型両端部の温
    度を金型中央部よりも高い温度に保ちながら軸方向に延
    伸し、更に二軸延伸ブロー成形することを特徴とする請
    求項4記載のバルーン製造方法。
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