JPH06335522A - 血液適合性材料 - Google Patents

血液適合性材料

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JPH06335522A
JPH06335522A JP5297678A JP29767893A JPH06335522A JP H06335522 A JPH06335522 A JP H06335522A JP 5297678 A JP5297678 A JP 5297678A JP 29767893 A JP29767893 A JP 29767893A JP H06335522 A JPH06335522 A JP H06335522A
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polyamide
polyether
blood
acid
block copolymer
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JP5297678A
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English (en)
Inventor
Akira Mochizuki
明 望月
Tomomichi Nakasaki
知道 中崎
Nobuko Saiga
信子 才賀
Yukio Kiyota
由紀夫 清田
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】新規な血液適合性材料とそれから誘導される選
択透過膜、特に医療用血液浄化膜を提供することを目的
とする。 【構成】結晶化熱が30mJ/mg以下であるポリアミ
ドを構成成分としたポリエーテルポリアミドブロック共
重合体または該ブロック共重合体と結晶化熱が30mJ
/mg以下であるポリアミドとのポリマーアロイからな
る材料によって上記目的は達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なポリエーテルポリ
アミドブロック共重合体、あるいは該ポリエーテルポリ
アミドブロック共重合体とポリアミドトノポリマーアロ
イからなる血液適合性材料に関する。
【0002】
【従来の技術】血液適合性材料としては既に極めて多く
の研究が為されて、現在も多方面でその研究開発が活発
に行われている。血液適合性材料は医療用具に於いては
人工腎臓、人工肺、カテーテル、血液フィルター、血液
回路、血液バッグ等、血液と接触する部位に利用出来る
が、最もその利用が期待され、波及効果の大きなものが
人工腎臓と考えられる。
【0003】現在、人工腎臓に供されている血液透析膜
素材はセルロースが中心であり、合成高分子ではポリア
クリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリスル
ホン、ポリアミド、エチレンビニルアルコール共重合体
などが挙げられる。セルロースを銅アンモニア溶液から
再生させた再生セルロース膜は血液透析において好まし
い限外瀘過速度と低分子物質の適度な溶質透過性能を持
つと共に、歴史的経緯も相まって広く使用されている。
しかし、再生セルロース膜の欠点としてβ2−ミクログ
ロブリンに代表される中〜高分子量の有害物質の血中か
らの除去性能が不十分な事、又、透析時に血小板の減
少、白血球の一過性の減少が認められる事やセルロース
の水酸基に起因する補体系の活性化などが知られてい
る。合成高分子膜としては、上述の素材からなる物が既
に実用に供されているが、これらは基本的に工業用材料
を医療用に転用している為、生体適合性に劣っていた
り、機械的強度の点で不十分であったり膜透過性能の点
で劣っていたりする。
【0004】近年、血液適合性材料の研究が盛んに行わ
れており、ミクロ相分離構造を有するブロック共重合体
が適合性に優れる事が知られている(高分子新素材 O
nePoint−11、生体適合性ポリマー、1988
年、共立出版)。ポリエーテル系ブロック共重合体を選
択透過膜に検討した例としては米国特許第406915
1号、同4075108号にポリエーテル・ポリカーボ
ネートブロック共重合体膜の開示がある。更に、特公昭
63ー25802号にはカプロラクタム・ポリアルキレ
ンエーテル・ポリアシルラクタムブロックターポリマー
からなる選択透過膜の開示がある。これらは膜性能、血
液適合性等の点で完成されたとは言いがたい。ポリエー
テルポリアミドブロック共重合体を選択透過膜に利用し
た例としては特公昭58ー20647号があるが、具体
的にはポリエチレンオキシド・ナイロン6ブロック共重
合体の例示があるのみで透過性能は極めて不十分のもの
である。更に、特願平2ー169249号にはポリアル
キレンオキシド・ナイロン610ブロック共重合体の例
示があり、血液適合性は良好であることは示されている
ものの透過性能の点で不十分である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は新規な血液適
合性材料とそれから誘導される選択透過膜、特に医療用
血液浄化膜を提供する事を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれまでの
脂肪族系ポリアミドを用いたポリエーテルポリアミドブ
ロック共重合体からなる血液適合性材料を用いた膜が十
分な膜性能を発揮できない原因を検討し、これが分子間
凝集力に因るという結論に達した。即ち、ポリアミドは
アミド基による強固な分子間水素結合を形成する(分子
間凝集力が強い)為、分子が規則正しく並び、容易に結
晶相を形成する。この特性が膜をつくる時に分離活性層
の超微細構造を調製する事を困難としていると考えられ
た。本発明者らはこれらの考察をもとに分子間凝集力を
見積もる尺度としてポリアミドの結晶化熱ΔHcに注目
し本発明に到達した。即ち、本発明は、
【0007】1)結晶化熱が30mJ/mg以下である
ポリアミドを構成成分としたポリエーテルポリアミドブ
ロック共重合体からなる血液適合性材料。 2)該ポリエーテルポリアミドブロック共重合体が熱可
塑性である1)の血液適合性材料。 3)該ポリエーテルポリアミドブロック共重合体のポリ
アミドブロックにおいて、全繰り返し単位に対し、環状
構造を有する繰り返し単位が100〜30mol%であ
る2)記載の熱可塑性ポリエーテルポリアミドブロック
共重合体からなる血液適合性材料。 4)該環状構造を誘導する単量体が、ポリアミドのジカ
ルボン酸成分及び/またはジアミン成分である3)記載
の熱可塑性ポリエーテルポリアミドブロック共重合体か
らなる血液適合性材料。 5)該ジカルボン酸が、イソフタル酸及び/またはテレ
フタル酸である4)記載の熱可塑性ポリエーテルポリア
ミドブロック共重合体からなる血液適合性材料。 6)該ジアミンが、m−キシリレンジアミン、1,3−
ビスアミノメチルシクロヘキサンである4)記載の熱可
塑性ポリエーテルポリアミドブロック共重合体からなる
血液適合性材料。 7)該ポリエーテルポリアミドブロック共重合体のポリ
エーテルブロックが、分子量200〜10,000のポ
リエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテ
トラメチレンオキシドである2)〜6)記載の熱可塑性
ポリエーテルポリアミドブロック共重合体からなる血液
適合性材料。 8)該ポリエーテルポリアミドブロック共重合体のポリ
エーテル含量が2〜50wt%である2)〜7)記載の
熱可塑性ポリエーテルポリアミドブロック共重合体から
なる血液適合性材料。
【0008】9)結晶化熱が30mJ/mg以下のポリ
アミドからなるポリエーテルポリアミドブロック共重合
体(I)と結晶化熱が30mJ/mg以下のポリアミド
とのポリマーアロイ(II)からなる血液適合性材料。 10)該ポリエーテルポリアミドブロック共重合体
(I)のポリアミドブロックにおいて、全繰り返し単位
に対し、環状構造を有する繰り返し単位が100〜30
mol%である9)記載のポリマーアロイ(II)からな
る血液適合性材料。 11)該環状構造を誘導する単量体が、ポリアミドのジ
カルボン酸成分及び/またはジアミン成分である10)
記載のポリマーアロイ(II)からなる血液適合性材料。 12)該ジカルボン酸が、イソフタル酸及び/またはテ
レフタル酸である11)記載のポリマーアロイ(II)か
らなる血液適合性材料。 13)該ジアミンが、m−キシリレンジアミン、1,3
−ビスアミノメチルシクロヘキサンである11)記載の
ポリマーアロイ(II)からなる血液適合性材料。 14)該ポリエーテルポリアミドブロック共重合体のポ
リエーテルブロックが、分子量200〜10,000の
ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリ
テトラメチレンオキシドである9)〜13)記載のポリ
マーアロイ(II)からなる血液適合性材料。 15)該ポリエーテルポリアミドブロック共重合体のポ
リエーテル含量が0.5〜60wt%である9)〜1
4)記載のポリマーアロイ(II)からなる血液適合性材
料。 16)1)〜15)記載の血液適合性材料からなる選択
透過膜。
【0009】本発明のポリエーテルポリアミドブロック
共重合体(I)またはポリマーアロイ(II)の構成ブロ
ックであるポリアミドブロックのは通常、ジカルボン酸
とジアミン及び/又はラクタム(ωーアミノカルボン
酸)の重縮合反応により合成されるが、結晶化熱ΔHc
が30mJ/mg以下であることが必須である。ナイロ
ン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12な
どの脂肪族ポリアミドでは結晶化熱は40〜70mJ/
mg程度であり分子間凝集力が強く結晶性が極めて高
い。尚、本発明に於ける結晶化熱とは示差走査熱分析装置
(DSC)を用いポリアミドを溶融状態から5℃/mi
nで降温して行ったときに最初に現れる発熱ピークの面
積から得られるものである。一般的に結晶化熱を小さく
する方法としては2種類以上のジアミン及び/又はジカ
ルボン酸を用いる共重合化、アミド基密度を下げる、ア
ミド基窒素に置換基を導入するなどが挙げられる。この
中で最も容易なのは共重合化であるが、脂肪族系モノマ
ーを用い共重合化した場合、機械的強度が大きく低下
し、医療用材料としての使用に耐えない。材料としての
機械物性を保持したまま結晶化熱を小さくするには環状
構造を有する繰り返し単位を入れる事が特に有効であ
る。これは、環状構造に由来して高分子が剛直化し、更
に立体障害によるアミド基間の水素結合の妨害が起こる
ためと考えられる。また、本発明の材料を選択透過膜と
して使用する場合、結晶化熱を30mJ/mg以下にし
たときに膜性能が向上する理由は、分子間凝集力を適度
に抑える事により、凝固相に浸漬し製膜した時に形成さ
れる制御された分離活性層の超微細構造が安定に保持さ
れる為と考えられる。一方、上述の公知資料にあるよう
な脂肪族ポリアミド系ブロック共重合体では分子間凝集
力が強すぎ製膜時に超微細構造を制御することが難し
く、緻密化してしまい優れた膜性能が得られない。
【0010】本発明に於いては結晶化熱ΔHcが0〜3
0mJ/mgであるポリアミドを利用する事が特徴で有
るが、これは非晶性から中程度の結晶性のポリアミドに
対応している。そして本発明の血液適合性材料は、その
用途から滅菌され使用されるのでオートクレーブ滅菌
(121℃)が出来ることが望ましい。従って本発明に
利用されるポリアミドとしては非晶性であればガラス転
移点が160℃以上であることが望ましいが、EOG滅
菌、γ線滅菌を利用する場合はこの限りでは無い。尚、
本発明に於いてはΔHcが0であっても、非晶性である
ことを示すものではない。これは結晶化速度とDSCの
降温速度の兼ね合いによるためである。結晶性か非晶性
かは結晶融解ピークの有無またはX線回析で判断する事
が望ましい。結晶融解熱ΔHmは試料の熱履歴により大
きく変化するので絶対的な尺度としては好ましくない
が、十分アニール化した状態では本発明に利用できるポ
リアミドのΔHmはほぼ40mJ/mg以下を示し、中
でも20〜40mJ/mg程度の範囲がオートクレーブ
滅菌の点では望ましい。
【0011】環状構造を有する繰り返し単位をポリアミ
ド鎖中に導入するには、(1)環状構造を有するジアミ
ンと脂肪族ジカルボン酸とを組み合わせる、(2)脂肪
族ジアミンと環状構造を有するジカルボン酸とを組み合
わせる、(3)環状構造を有するジアミンと環状構造を
有するジカルボン酸とを組み合わせる、更に(4)環状
構造を有するアミノカルボン酸を用いる方法などがあ
る。尚、該ポリアミドブロックに於ける全繰り返し単位
に対し該環状構造を有する繰り返し単位が100〜30
mol%の範囲に有ることが分子間凝集力を抑える点で
望ましい。
【0012】環状構造を有するジアミン成分の具体例と
してはメタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミ
ン、ジアミノシクロヘキサン、4,4’−ジアミノジシ
クロヘキシレンメタン、4,4’−ジアミノ3,3’−
ジメチルジシクロヘキシレンメタン、4,4’−ジアミ
ノジシクロヘキシレンプロパン、イソホロンジアミン、
4,4’−ジアミノジフェニルメタン、トリレンジアミ
ン、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルエーテ
ル、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4
−ビスジアミノメチルシクロヘキサンなどが挙げられ
る。尚、本発明のポリアミドを合成するに当たり複数種
の環状構造を有するジアミンを利用することは自由であ
る。該ジアミンのうち、入手のしやすさ、価格、反応性
などの点で、特にメタキシリレンジアミン、ビスアミノ
メチルシクロヘキサンが望ましい。
【0013】環状構造を有するジカルボン酸成分の具体
例としてはシクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、ビフェニルカルボン酸、4,4’−
ジカルボキシジフェニルエーテル、ナフタレンジカルボ
ン酸、フェニレンジプロピオン酸、(p−カルボキシメ
トキシ)フェニルプロピオン酸等が挙げられる。尚、複
数種の該ジカルボン酸を使用する事は自由で有るが価
格、純度の点でイソフタル酸、テレフタル酸が望まし
い。
【0014】本発明に於けるポリアミド部の特徴である
環状構造を有する繰り返し単位を作る具体的な酸とアミ
ンの組み合わせ例としては、前記ジアミン群から選ばれ
る少なくとも一つ以上の環状構造を有するジアミンと炭
素数4以上の脂肪族ジカルボン酸の組み合わせが挙げら
れる。具体的な炭素数4以上のジカルボン酸としてはア
ジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ド
デカン二酸などが挙げられるが、アジピン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸がポリアミドブロックにおけるアミド
基密度のコントロールあるいは価格等の点で好ましい。
他の組み合わせ例としては、前記環状構造を有するジカ
ルボン酸群から選ばれる少なくとも一つ以上のジカルボ
ン酸とヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチ
レンジアミン、ビス(3ーアミノプロピル)エーテルな
どの脂肪族ジアミンの組み合わせ、又、前記環状構造を
有するジカルボン酸群及びジアミン群からそれぞれ少な
くとも一つ以上のジカルボン酸及びジアミンを組み合わ
せることにより得られる。更に4−アミノメチルシクロ
ヘキサンカルボン酸、4−アミノメチル安息香酸などの
環状構造を有するアミノカルボン酸(ラクタム)を用い
る事により環状構造を有する繰り返し単位を作ることが
出来るが、これら4つの方法を組み合わせることは自由
である。
【0015】本発明のポリアミドブロックに於いて環状
構造を有さない繰り返し単位は全繰り返し単位に対し0
〜30mol%であるが、該単位は通常のダイマー酸を
含むアジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸
と脂肪族ジアミンの組み合わせ、及び/又はカプロラク
タム、ラウロラクタムなどの脂肪族ラクタム(ω−アミ
ノカルボン酸)から得られる。
【0016】本発明のポリエーテルポリアミドブロック
共重合体(I)とポリアミドからなるポリマーアロイ(I
I)に於いて、ポリアミド部の化学構造は同一でも、ま
た一部異なるか、全く異なっても構わない。具体的な例
を示せば、例えば該共重合体(I)がPTMG−NyB
Iで、アロイ化するポリアミドがNyBI、NyBI/
6I、Ny6I/6Tの場合である。尚、ここでPTM
Gとはポリテトラメチレンオキシドを、Bはビスアミノ
メチルシクロヘキサンを、Iはイソフタル酸を、Tはテ
レフタル酸を示す。
【0017】本発明においてポリエーテル鎖としてはポ
リエチレンオキシド、ポリテトラメチレンオキシド、ポ
リプロピレンオキシド、プロピレンオキシド・エチレン
オキシド共重合体、テトラメチレンオキシド・エチレン
オキシド共重合体などがあげられる。本発明では該ポリ
エーテル鎖とポリアミド鎖を共有結合させる必要がある
が合成法などの観点から縮合反応が望ましく、ポリエー
テル鎖の末端にアミノ基、カルボキシル基、水酸基、イ
ソシアネート基を有するものが利用できる。該ポリエー
テルの反応性末端と反応するポリアミド末端は原料由来
のアミノ基又はカルボキシル基であるため該ポリエーテ
ルの反応性基はアミノ基又はカルボキシル基とし、アミ
ド結合を生成せしめポリエーテル鎖とポリアミド鎖を結
合させることが安定性等の点で望ましい。末端水酸基の
場合は結合様式がエステル結合となるため、場合によっ
ては熱安定性、耐加水分解性などの点で問題になること
もある。末端基がイソシアネートである場合は反応性が
高いため保存安定性の点で繁雑になる。本発明における
ポリエーテル鎖の分子量としては200から20,00
0であることが望ましい。200以下では得られるポリ
エーテルポリアミドのブロック性が低下し血液適合性が
低くなる。一方、20,000以上では分子量が大きく
反応性が低下し共重合化が難しくなる。
【0018】本発明に於けるポリエーテルポリアミドブ
ロック共重合体(I)の分子量としては7,000〜1
00,000が望ましく、更には10,000〜50,
000が望ましい。7,000以下では共重合体の機械
物性が十分でなく、又、100,000以上では粘度が
高くなりすぎ取り扱いが困難となる。又、該ポリエーテ
ルポリアミドブロック共重合体に於けるポリエーテル鎖
の含有率は2〜50wt%であることが望ましい。2w
t%未満では血液適合性が低くなり望ましくない。一
方、50wt%以上では機械的強度が低くなり望ましく
ない。
【0019】本発明のポリマーアロイ(II)を構成する
ポリエーテルアミドブロック共重合体(I)に於いてポ
リエーテル含有率に特に制限はなく、ポリアミドと混合
した時に、アロイ全体としてポリエーテル部の含量が
0.5wt%〜60wt%含まれる事が望ましい。60
wt%を越えると機械物性等が低下し望ましくない。通
常のポリエーテルナイロンの血液適合性発現に於いてポ
リエーテルの含量は2〜15wt%以上である事が望ま
しいのに対し、本発明では低濃度でも良好な血液適合性
を示すのは、成形法に因っては血液と接触する表面にポ
リエーテルポリアミド(I)が濃縮される為である。本
材料(I)(II)は血液適合性に優れるが、中でも血小
板の材料表面への粘着が少ない事が特徴である。血小板
に対する適合性の判断基準は、本発明に於いては実施例
の中で具体的に手法を記載してあるが、材料表面への血
小板の付着数とした。一般的な高分子材料であるポリプ
ロピレン、ポリスチレン、ナイロン表面への粘着数が数
百から1,000であるのに対し、本発明の材料(I)
(II)では血小板粘着数が100以下であり、血液凝固
に深く拘わる血小板の活性化が低く抑えられている事が
示唆される。
【0020】また本発明のポリマーアロイ(II)におけ
るブロック共重合体(I)及びポリアミドの分子量とし
ては5,000〜100,000が望ましく、更には1
0,000〜50,000が望ましい。5,000以下
ではブロック共重合体(I)とポリアミドとのポリマー
アロイ(II)の機械的物性が十分でなく、溶出物の点で
問題がある。また100,000以上では粘度が高くな
り過ぎ取り扱いが困難である。
【0021】本発明に於けるポリエーテルポリアミドブ
ロック共重合体(I)あるいはポリマーアロイ(II)の
ポリエーテルポリアミドの全末端基数の5〜100mo
l%を炭素数1〜22の炭化水素基で封止する事は自由
である。これにより熱安定性の向上が期待される事があ
る。該炭化水素基としては炭素数1〜22、より好まし
くは6〜22のものであり具体的にはメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、
ノニル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘプタデシル
基、オクタデシル基、エイコシル基、ドコシル基のよう
な脂肪族炭化水素基、シクロヘキシル基、アルキルシク
ロヘキシル基、シクロヘキシルアルキル基のような脂環
式炭化水素基、フェニル基、トルイル基、ナフチル基、
ベンジル基、β−フェニルエチル基のような芳香族炭化
水素基などが挙げられる。これらの末端封止用炭化水素
基は、ポリエーテルポリアミドブロック共重合体の製造
時に該炭化水素基を有するモノカルボン酸、及び/又は
モノアミンを使用することによって導入される。
【0022】本発明に使用されるポリエーテルポリアミ
ドブロック共重合体(I)の合成法としては通常のポリ
アミドの合成法が利用でき、例えばSchoten−B
aumann反応を利用した界面重縮合反応、溶液重縮
合反応あるいは溶融重縮合が挙げられるが、工業的な観
点からは溶融重縮合法が最適と考えられる。
【0023】本発明のポリマーアロイ(II)の調製法と
しては公知のポリマーアロイの製造法が適用できる。例
えば、ポリエーテルポリアミド共重合体(I)とポリア
ミドを1軸あるいは2軸の押出機を用い溶融混練する方
法、両者を溶媒に混合溶解して再沈殿する方法などがあ
る。特に後者の溶液を経由する方法は、本発明のアロイ
をコーティング材料や選択分離膜に利用する場合に好適
である。また、ポリエーテルポリアミドの溶融重縮合反
応においてポリエーテル部とポリアミド部の相溶性が低
い反応系においては、重合度の上昇に伴い、ポリエーテ
ルポリアミドとポリアミドとの相分離が起き、目的とす
るポリマーアロイが得られる。本発明のポリマーアロイ
に於いては必ずしも相溶系である必要はなく、機械強度
の点で問題がなければ非相溶系であっても構わない。
【0024】本発明の該ポリエーテルポリアミドブロッ
ク共重合体(I)またはポリエーテルポリアミドブロッ
ク共重合体(I)とポリアミドからなるポリマーアロイ
(II)を使った医療用具の例として、人工腎臓に代表さ
れる選択透過膜が挙げられ、選択透過膜の製法は公知の
方法が利用できる。例えば、該共重合体(I)あるいは
ポリマーアロイ(II)を適当な溶剤に溶解し、該溶液を
ガラス板のような平滑な平板上に流延した後、溶剤を溜
去する(乾式法)か、非(貧)溶剤中に浸漬することに
より重合体を析出させる(湿式凝固法)か、又は両者を
組み合わせたいわゆる乾湿式法により膜とする事が出来
る。又、これらの方法を用い中空糸膜とすることも出来
る。該共重合体(I)あるいは該ポリマーアロイ(II)
を溶解する溶剤としてはジメチルスルホキシド、N−メ
チルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、クレ
ゾール、ヘキサフルオロプロパノール、蟻酸、硫酸、メ
タンスルホン酸、燐酸などが挙げられる。従来の脂肪族
系ポリエーテルポリアミドと異なり一般有機溶媒に溶解
できる事が特徴である。該重合体(I)あるいは該ポリ
マーアロイ(II)の溶解濃度は好ましくは5〜40wt
%、より好ましくは10〜30wt%である。該溶剤に
塩化カルシウム、塩化リチウム、塩化マグネシウム、過
塩素酸マグネシウム、尿素、尿素誘導体などの逆浸透
膜、限外瀘過膜の製造時に利用される有機又は無機の化
合物等を添加する事は自由である。湿式凝固法に於ける
凝固浴溶液としては水、メタノール、エタノール、プロ
パノール、エチレングリコール、グリセリンなどのアル
コール類、アセトン、ジオキサンなど、及びこれらの溶
剤の混合溶液、更には前記の該共重合体(I)あるいは
該ポリマーアロイ(II)を溶解する溶剤に該非(貧)溶
剤を混合し溶解能を低下せしめた混合溶液などが利用で
きる。尚、この凝固溶液中に塩化カルシウム、尿素など
の有機又は無機の化合物等の第三成分を添加溶解せしめ
ておく事は自由である。
【0025】本発明の共重合体(I)あるいはポリマー
アロイ(II)が血液適合性材料が優れた抗血栓性等の生
体適合性を示す機序は、ポリアミドセグメントとポリエ
ーテルセグメントとからなるミクロ相分離構造が材料表
面に形成されるため、良好な抗血栓性が発現されると考
えられる。
【0026】また本発明の共重合体(I)あるいはポリ
マーアロイ(II)は血液適合性に優れるため、血液と接
触する医療用具に利用されるが、その具体的な例として
は人工肺用膜、人工腎臓用膜、各種のカテーテル、血液
回路をはじめとした各種チューブ、血液バッグ、各種血
液フィルター、人工血管などが挙げられる。その成形加
工法としては、本発明の共重合体(I)あるいはポリマ
ーアロイ(II)が結晶化熱が30mJ/mg以下という
特徴からDMSO、DMAc、NMP等の極性有機溶媒
の溶液とすることができ、医療用具の材料表面への抗血
栓性付与を目的としたをコーティングをはじめ、該溶液
を非(貧)溶媒中に入れる事による湿式製膜などがあ
る。一方、血液と接触する医療用具の多くは溶融成形で
製造される事が経済的に有利であり、本発明の共重合体
(I)あるいはポリマーアロイ(II)のポリアミドは溶
融成形性があるものの方が好適である。具体的には、主
鎖に芳香族環や脂肪族環を有する脂肪族ポリアミドが有
機溶媒溶解性と共に熱成形性があり望ましい。一方、フ
ェニレンイソフタルアミドやフェニレンテレフタルアミ
ドで代表される全芳香族ポリアミドから誘導されるポリ
エーテルポリアミド共重合体あるいはそのポリマーアロ
イは、元となる全芳香族ポリアミドの融点が400〜5
00℃と熱分解点(400〜450℃)に近く、またガ
ラス転移温度が300℃前後にあり、実質的には溶融成
形が不可能であることが知られている(「ポリアミド樹
脂ハンドブック」日刊工業新聞社発行、昭和63年)事
から、熱成形性はなく、その調製法、成形性、用途が限
定される。
【0027】
【実施例】本発明を更に具体的に説明するために実施例
を以下に示す。本明細書において示す物性、膜性能は以
下の測定方法、試験方法に従い求めた。
【0028】i)結晶化熱ΔHc 示差走査熱分析装置を用い10℃/minで融点+20
℃又は250℃まで昇温し、これを3分間保持した後、
5℃/minの速度で降温し、結晶化に伴う発熱ピーク
より求めた。
【0029】ii)透水量(UFR) 直径43mmに打ち抜いた本発明の平膜を、第1図に示
すようなセルに装着した。37℃、150mmHgの加
圧下で蒸留水の膜透過量を求め透水量(UFR)を算出
した。
【0030】iii)溶質透過性 (尿素)蒸留水及び濃度100mg/dlの尿素溶液
(各50ml)が直径43mmの平膜を介して接するよ
うにセルにセットし、撹拌下30分、50分での両室の
尿素濃度をウレアーゼインドフェノール法を用い求め
る。この濃度から次式に基づき尿素透過性(P)を求め
た。
【0031】
【数1】
【0032】ここでC,C:t分後のセル各室の溶
質濃度 V,V:溶質液の体積 t:測定時間
【0033】(ビタミンB12)ビタミンB12濃度を5m
g/dlとし、定量法を360nmにおける吸光度測定
とした以外は尿素の場合と同様にして上式(I)から算
出した。
【0034】iv)血小板拡張能試験 血小板数が105個/μlに調整された希釈ヒト多血小
板血漿を本発明の平膜上に滴下し室温にて30分間放置
する。その後、りん酸緩衝液で洗浄しグルタルアルデヒ
ドで固定化し凍結乾燥する。走査型電子顕微鏡(SE
M)を用い該平膜表面を1000倍の倍率で5視野、写
真撮影し、得られた写真から表面に粘着した血小板の形
態分類と粘着数を算定した。
【0035】(形態分類) I型 : 非活性的粘着 (Ia)正常状態である円盤状。 (Ib)球状化しているが偽足を出すところまでは変形
していないもの。 II型 : 活性的粘着 偽足を伸ばして粘着しているもの。
【0036】(ポリエーテルポリアミドあるいはポリマ
ーアロイの合成および製膜)本発明に用いられるポリエ
ーテルポリアミドは、ジアミンとジカルボン酸を重縮合
させて得られたポリアミドと、ジアミノポリエチレング
リコール又はジカルボン酸ポリエチレングリコールとを
縮合反応によりアミド結合させて得られる。例えばセバ
シン酸404gをエタノール2200mlに加熱溶解
し、その溶液にメタキシリレンジアミン272gをエタ
ノール400mlに溶解した溶液を攪拌しながら混合す
るとナイロンMXD10塩が析出してくる。ナイロンM
XD10塩をろ過し乾燥してから1%水溶液のpHを測
ったところ7.5±0.5であった。このナイロンMX
D10塩22.5gと両末端がアミン基であり、分子量
が2000であるポリエチレングリコール2.5gをイ
オン交換水40mlに試験管中で加熱溶解し均一溶液を
得た。次にこの試験管をオートクレーブに仕込み、窒素
置換後加熱し、内圧が10kgf/cm2まで昇圧した
ら徐々に水を留出させ内圧を保つ。水の蒸発がおさまっ
たところで240℃、10kgf/cm2加圧下で4時
間反応させ、続いて内圧をゆっくり抜き、最終的に24
0℃、10mmHg減圧下で4時間反応させ目的とする
ポリマーを得た。得られたポリエーテルポリアミドはギ
酸に溶解し蒸留水又はメタノール/水混合液に再沈した
後、製膜に供した。
【0037】また、例えばイソフタル酸(I)1060
g、アジピン酸15gと1,3−ビスアミノメチルシク
ロヘキサン(B)617g、ヘキサメチレンジアミン
(6)237g及び両末端アミノ基を有する分子量20
00のポリエチレングリコール(PEG)200g、水
3000gを撹拌機付きオートクレーブに仕込み、窒素
置換後加熱し、内圧が19kgf/cm2まで上昇した
ら徐々に水を流出させ内圧を保つ。水の蒸発が収まった
ところで240℃、10kgf/cm2加圧下で4時間
反応させ、続いて260℃まで昇温しつつ内圧をゆっく
り抜き、最終的に120分かけて200mmHgまで減
圧にした後、常圧にし目的とするポリマーPEG−Ny
BI/6I(7/3)を取り出した。得られたポリエー
テルポリアミドはギ酸に溶解し蒸留水又はメタノール/
水混合液に再沈した後、製膜に供した。
【0038】さらに、本発明のポリマーアロイの1つで
あるPEG−NyBI〜NyBIアロイは以下の方法で
調製した。まず、本発明に用いるポリエーテルポリアミ
ドの1つであるポリエチレンオキシド〜ポリイミノメチ
レン−1,3−シクロヘキシルメチレンイミノイソフタ
ロイル(PEG−NyBI)の合成法を例示すると、イ
ソフタル酸(I)1059g、1.3−ビスアミノメチ
ルシクロヘキサン(B)821gを水2000gに溶解
し、撹拌機付きオートクレーブに仕込み、窒素置換後、
加熱し内圧が15kgf/cm2まで上昇したら内圧を
保持したまま水を流出させる。水の蒸発が収まったとこ
ろで250℃、13kg/cm2加圧下で2時間反応
し、次いで両末端ジアミノ化ポリエチレンオキシド60
0g(分子量1000)を反応系内に加圧注入し、更に
2時間反応を続けた。この後、内圧をゆっくり抜き、更
に450mmHg、15分間減圧反応を行った後、窒素
加圧し目的とするポリエーテルポリアミド(PEG(3
0%)−NyBI)を取り出した。また、本発明に用い
るポリアミドの1つであるポリイミノ−1,3−メチレ
ンシクロヘキシルメチレンイミノイソフタロイル(Ny
BI)の合成は、上述の方法と基本的には同様にした行
った。さらにPEG−NyBI及びNyBIの20wt
%DMSO溶液をそれぞれ調製し、両液を所定の割合で
混合し、ガラス板上にキャストし、真空乾燥しDMSO
を溜去しポリマーアロイフィルムとした。
【0039】(実施例1〜22)表1に示すようにΔH
cが30mJ/mg以下であるポリアミドを構成成分と
した各種ポリエーテルポリアミドを表2に示す各種溶媒
に室温〜100℃下溶解し、ポリマー濃度20重量%の
ドープを得た。これを2時間静置し、脱泡した。このド
ープを気相中にてガラス板上に一定の厚さに流延し、直
ちに表2に示す5℃に温調した凝固液中に5分間浸漬し
て凝固させ、続いて凝固膜に残留する有機溶媒を流水に
て除去して、湿式膜を得た。得られた膜は湿潤状態で膜
厚30〜80μmであった。得られた膜の透水量、尿素
及びビタミンB12に対する透過性を調べた。以下に各ポ
リエーテルアミドの組成とその透過性能を示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】注) 1) PEGは両末端ジアミンポリエチレングリコール、分
子量2000 2) 単位はml/hr・mmHg・m 3) 単位は10-4cm/min 4) MXDはメタキシリレンジアミン 5) DMSOはジメチルスルホキシド 6) M/Hはメタノール/水 7) PEG 400は両末端ジアミンポリエチレングリコー
ル、分子量 400 8) PEG 4000は両末端ジアミンポリエチレングリコー
ル、分子量 4000 9) PPG 2000は両末端ジアミンポリプロピレングリコー
ル、分子量 2000 10) PTMG 2000は両末端ジアミンポリテトラメチレング
リコール、分子量 2000 11) Iはイソフタル酸 12) Tはテレフタル酸 13) ポリマー重量に対し50%添加 14) ポリマー重量に対し100%添加 15) Bは1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン 16) DMSO/Hはジメチルスルホキシド/水
【0043】(実施例23〜29)表3に示すように本
発明のポリマーアロイをDMSOに室温で溶解し、ポリ
マー濃度20wt%のドープを得た。これを静置脱泡し
たのち、ガラス板上に一定の厚さに流延し、直ちに表3
に示す5℃の凝固液中に5分間浸漬して凝固させ、続い
て凝固膜に残留する有機溶媒を流水にて除去して湿式膜
を得た。得られた膜は湿潤状態で膜厚30〜70μmで
あった。得られた膜の透水量及びビタミンB12に対する
透過性を実施例1〜22と同様にして調べた。
【0044】
【表3】
【0045】(比較例1〜9)比較例として表4に示す
ΔHcを有するポリアミドとポリエーテルからなるポリ
エーテルポリアミドを用い、実施例と同様に膜透過性能
を測定した。結果を表5に示す。
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】表2、3、5に示す結果から明らかなよう
に本発明にかかわる実施例1〜29の透過膜において
は、従来知られている結晶化熱が30mJ/mg以上の
脂肪族系ポリエーテルポリアミド(比較例1〜9)に対
して中分子量物質の透過性が著しく向上している。ま
た、これら実施例1〜29はその透水量(UFR)が、
凝固液の組成を変えることによってコントロールするこ
とがたやすく、目的に応じた透過性能を有する透過膜を
作成することが可能である。
【0049】本発明のポリエーテルポリアミドまたは該
ポリエーテルポリアミドとポリアミドとのポリマーアロ
イの血液適合性を血小板拡張能試験により評価した。結
果を比較例と共に示す。
【0050】
【表6】
【0051】
【表7】
【0052】さらに表6、7から明らかなように本発明
にかかわる実施例30〜41の透過膜においては、比較
例10または11の透過膜と比較して、血小板の粘着が
全体的に少なく、特に活性化した状態での粘着(II型)
は著しく少ないことより、優れた抗血栓性を有するもの
と言える。
【0053】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明の結晶化
熱が30mJ/mg以下であるポリアミドを構成成分と
したポリエーテルポリアミドまたは該ポリエーテルポリ
アミドとポリアミドとのポリマーアロイからなる血液適
合性材料は、抗血栓性に優れたものであり、また透析膜
としたときには、透過性能、特に中、高分子量の透過性
に優れることから、血液透析等の用途に於いて好適に用
いる事が出来る。更に該ポリエーテルポリアミドはその
抗血栓性と共に、機械強度も十分ある事から、人工肺、
人工腎臓、血液フィルター、血液バッグ、血液回路、カ
テーテル、人工血管など血液と接触する各種医療用具へ
の展開が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】透水量(UFR)を測定するための装置構成を
示す斜視図
【符号の説明】
1,1'・・・透水量評価用セル、2・・・Oリング、3・・・平
膜、4・・・メッシュ、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清田 由紀夫 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶化熱が30mJ/mg以下であるポリ
    アミドを構成成分としたポリエーテルポリアミドブロッ
    ク共重合体からなる血液適合性材料。
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