JPH07100201A - 血液浄化用膜 - Google Patents

血液浄化用膜

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JPH07100201A
JPH07100201A JP5251750A JP25175093A JPH07100201A JP H07100201 A JPH07100201 A JP H07100201A JP 5251750 A JP5251750 A JP 5251750A JP 25175093 A JP25175093 A JP 25175093A JP H07100201 A JPH07100201 A JP H07100201A
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JP
Japan
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water
membrane
blood
permeation rate
mol
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JP5251750A
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English (en)
Inventor
Jitsuzo Takada
実三 高田
Isamu Yamamoto
勇 山本
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 素材を劣化させるγ線滅菌やオートクレブ滅
菌に耐え、かつ優れた透析性能をもつ血液浄化膜の提
供。 【構成】 特定構造のポリアミドイミド膜で、平均細孔
半径が10Å〜200Åの微細孔をもつ血液浄化用膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は人工腎臓として用いられ
る血液浄化用膜に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、人工腎臓として用いられていた中
空糸膜素材は特開昭58−50761等で示される再生
セルロース、特開昭54−6916等で示されるセルロ
ースエステル膜であったが、セルロース系の膜では、血
液中の補体成分が膜と接触することで活性化され、免疫
系の反応を引き起こすことが、またセルロースアセテー
トでもこの性質が不十分であることが知られており、な
おかつセルロースエステル系は耐熱性が不十分で、オー
トクレーブ滅菌が実施できないという欠点を有してい
た。またγ線滅菌でも劣化しやすい。ポリアミドイミド
膜については、特開昭63−283705、特開平2−
21931、特開平2−198619、特開平3−18
6328等があるが、ここに開示されている技術は浸透
気化法によって有機物水溶液から水と有機物を分離する
のにポリアミドイミド膜を用いる技術であり、膜構造に
関する記載はないが細孔半径は目的からいって10Å以
下であり、ここに開示されている膜は血液浄化用に用い
ることはできない。特開平1−123607、特開平1
−245806、特開平2−290230にもポリアミ
ドイミド膜が開示されているが、いずれも気体分離膜と
して用いる技術であって血液浄化に用いる膜技術の開示
はなく、かかる膜は孔径が小さすぎて血液浄化に用いる
ことはできない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来技術
の問題点、すなわち血液浄化用ポリアミドイミド膜であ
って、透水性が適度で、尿素の透過性にすぐれ、補体活
性少なく、γ線滅菌に対しても耐性で、かつオートクレ
ーブ滅菌可能な血液浄化用膜を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、本発明者らは鋭意研究の結果、特殊な構造のポリア
ミドイミド樹脂を用いることにより、加工性(溶融成形
性、溶液成形性)を有し、耐熱性、物理的及び化学的安
定性に優れ、かつ透水性と尿素の透過性バランスのよ
い、γ線滅菌、やオートクレーブ滅菌のような熱滅菌可
能な血液浄化用膜を得ることに成功した。すなわち、本
発明は下記化1で示されるポリアミドイミド構造単位を
含有するポリアミドイミド系中空糸膜であって、平均細
孔半径が10Å〜200Åの微細孔をもち、純水を用い
た時の水の透水速度に対する血液を用いた時の水の透水
速度比(α値)が0.1以上である多孔性ポリアミドイ
ミド系血液浄化用膜である。本発明の膜の形態は平膜、
中空糸膜であるが好ましい態様は中空糸膜である。
【0005】ことに、化2で示されるトリメリット酸又
は化3で示される無水トリメリット酸を全酸成分に対し
60モル%以上含有する酸成分と化4で示されるジイソ
シアネート化合物を全ジイソシアネート成分に対し60
モル%以上含有するジイソシアネート成分との反応で得
られるポリアミドイミド構成単位を含有する平均細孔半
径10Å〜200Åの微細孔をもつ血液浄化用膜が好ま
しい。
【0006】本発明の化1で示されるポリアミドイミド
構成単位をもつポリアミドイミド樹脂のイソシアネート
法での製造で用いられる酸成分は主として化2で示され
るトリメリット酸、化3で示される無水トリメリット酸
であるがそれ以外の酸成分としてはピロメリット酸無水
物、3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無
水物、3,3’4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸無水物、3,3’4,4’−ビフェニルスルホンテ
トラカルボン酸無水物等の酸無水物や、アジピン酸、セ
バシン酸、マレイン酸、フマール酸、ダイマー酸、スチ
ルベンジカルボン酸等があげられる。
【0007】また化4で示されるジイソシアネート化合
物としては、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシ
アネートビフェニル(3,3’−ビトリレン−4,4’
−ジイソシアネート)、4,4’−ジフェニルエーテル
ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルスルホンジイ
ソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、2,2’−ジ−p−フェニルプロパンジイソシ
アネート等が上げられる。化2、3、4で示される酸成
分あるいはジイソシアネート成分のモル比が60モル%
以上である理由は、得られるポリマーの重合性、溶媒へ
の溶解性、膜性能にもとづいている。
【0008】本発明の前記目的を達成するための好まし
い膜素材は化1におけるR1 、R2がメチル基でnがゼ
ロである下記化5あるいはR1 、R2 が水素で、XがC
2、nが1である下記化6で示されるポリアミドイミ
ド構造単位を含有するポリアミドイミド樹脂である。
【0009】
【化5】
【0010】
【化6】 この理由は血液浄化用膜の耐熱性、高透過性能、物理
的、化学的安定性における本発明の優位性が発揮される
に必要な最小量を意味する。即ち、60モル%未満では
高い透過性能を有し、更に、高圧蒸気滅菌その他の加熱
滅菌、γ線その他の放射線滅菌、エチレンオキサイドガ
ス滅菌、紫外線照射滅菌等の膜滅菌方法に対して、優れ
た耐性を有する血液浄化用膜を得ることができない。一
方、膜に加工する為の、溶融成形(加工)性や、溶液成
形(加工)性の点から化1の構造式以外の単位を40モ
ル%未満の範囲で導入することができる。本発明のポリ
アミドイミドの対数粘度はN−メチル−2−ピロリドン
中、30℃で測定し、0.5〜3.5dl/g、好まし
くは1.0〜2.0dl/gである。又、本発明のポリ
アミドイミドの分子量は、膜の成形性及び膜の機械的強
度の点から数平均分子量で10000以上80000以
下が好ましく、特に好ましいのは数平均分子量で200
00以上60000以下である。
【0011】本発明のポリアミドイミドを得る方法とし
て、好ましい方法は前記イソシアネート法であるがジア
ミンを用いる方法を採用することもでき、この場合用い
る酸成分としては、トリメリット酸、無水トリメリット
酸クロライドを全酸成分の60モル%以上用い、それ以
外の酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、4,
4’−ビフェニルジカルボン酸、ピロメリット酸、3,
3’、4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン
酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマール
酸、ダイマー酸、スチルベンジカルボン酸が用いられ
る。
【0012】全アミン成分に対し60モル%以上用いる
アミン成分としては、4,4’−ジアミノジフェニルエ
ーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,
4’−ジアミノ−ジフェニルスルホン、4,4’−ジア
ミノベンゾフェノン、2,2’−ビス(4−アミノフェ
ニル)プロパン、o−トリジン等であり、その他のアミ
ン成分としてはP−フェニレンジアミン、m−フェニレ
ンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリ
レンジアミン、p−キシレンジアミン、m−キシレンジ
アミン、イソホロン、ヘキサメチレン−ジアミン、など
である。
【0013】本発明の膜は、膜厚が5〜100μm、好
ましくは10〜80μm、平均細孔半径10〜200
Å、好ましくは20〜100Å、空孔率70〜90%の
微細孔が存在する均質あるいは非対称の多孔性膜であ
る。また本願発明の膜は純水を用いた時の水の透水速度
に対する血液を用いた時の水の透水速度比(α値)が
0.1以上好ましくは0.2以上である。また血液透析
を長時間続けても透水速度の変化が小さい透析性能の安
定した膜で透水速度安定度(透析時間15分後の透水速
度に対する60分後の透水速度比:C%が50%以上、
好ましくは60%以上の膜である。かかる膜は溶融した
ポリアミドイミド樹脂あるいはポリアミドイミドのアミ
ド系溶媒に必要により多価アルコールを添加した溶液を
キャスティング法二重管ノズルの外周部より吐出し、芯
部から気体又はポリマー溶液に対して非凝固性液体又は
凝固性液体を吐出し、直接又は気体雰囲気中を通過させ
たのち凝固浴中に浸漬する。さらに水中で溶媒及び添加
剤の一部は全部を抽出し、必要により孔径保持剤を付与
した後乾燥することにより製造される。
【0014】溶液成形に用い得る溶媒としてはジメチル
ホルミアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2
−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチル尿素な
どの極性溶剤を挙げることができるが、これらと併用し
て、トルエン、キシレンなどの炭化水素系、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサンなどのケトン系、エチルセロソルブ、ジエチレ
ングリコール−ジメチルエーテル、ジオキサン等のエー
テル系あるいは酢酸エチル、酢酸n−ブチル、γ−ブチ
ロラクトン等のエステル系の溶剤を混合して使用するこ
ともできる。
【0015】本発明の溶液成形に用いる製膜原液には、
膜の透過性能調製のために上記溶剤の外に、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、グリセリンその他の多価アルコールあるいはその
低級アルキルエーテル誘導体等を少なくとも1種類以上
添加することができる。
【0016】かかる方法で製造される血液浄化用平膜あ
るいは中空糸膜は、血液透析、血液濾過、血液浄化など
の医療用分野等に用いられる。
【0017】血液浄化膜であるためには、前記耐γ線滅
菌性や耐オートクレーブ滅菌性に優れるとともに尿素の
ような不要の低分子量物質を効果的に除去するが水の除
去性(透水量)が大きすぎるのは好ましくなく、かつ前
記のように補体活性が小でなければならない。また取扱
性の面から強度も要求される。膜厚は補体活性及び強度
に影響し、細孔半径は透析性能に影響する。空孔率は膜
の中で占める細孔容積率を意味し、例えば平均細孔半径
15〜25Åの細孔がどれだけ存在するかを示し、空孔
率が大きい程細孔の占める量の多いことを示す。血液浄
化膜で半径10〜200Åの細孔が多数存在するのが透
水量、透析性能の点から望ましい。
【0018】
【実施例】
実施例1 反応容器に無水トリメリット酸(TMA)192.1g
(1.0モル)、2,4−トリレンジイソシアネート
(TDI)34.8g(0.20モル)、ビトリレンジ
イソシアネート(TODI)211.4g(0.80モ
ル)、N−メチル−2−ピロリドン2000gを仕込
み、攪拌しながら、200℃まで約1時間で昇温した、
その後、200℃で約5時間攪拌し、反応を停止した。
得られたポリマーの対数粘度は、N−メチル−2−ピロ
リドン中、0.5g/dlの濃度で1.56dl/gで
あった。また島津製作所(株)クロマトバックLC/6
Aを用いて、以下の条件で測定した数平均分子量は30
000であった。 測定条件 移動層:DMF/LiBr(0.1wt%) カラム:ShodexAD800P→AD804/S→ AD803S→AD802/S 流速 :1ml/min 温度 :50℃ サンプル:アセトン再沈、洗浄したものを用いた。 得られたポリマー溶液に、テトラエチレングリコール2
50gを加えて100℃で2時間攪拌を行い均質なポリ
マー溶液を得た。この製膜原液を用いて、2重管紡糸口
金を用いて、2重管の内側から空気を吐出し、2重管の
外側からは製膜原液を吐出し、約0.01秒間気体雰囲
気中を通過後N−メチル−2−ピロリドン及びテトラエ
チレングリコールを含む水溶液である製膜原液に対して
凝固性のある液体中へ導いて凝固を行い、その後水中で
溶媒及び添加剤を洗浄した。更に70℃に保たれた50
%のグリセリン水溶液中に5秒間浸漬した後、95℃で
乾燥し、外径237μm、膜の厚み18.5μmの均質
な中空糸膜を得た。
【0019】この様にして得られたポリアミドイミド中
空糸及びγ線照射あるいはオートクレーブ処理を施した
中空糸を120本の束にし、約20cmの長さが残るよ
うに両端をエポキシ樹脂で固めてから中空糸の開口部が
出るように接着した樹脂の1部を残して切断して、得ら
れた評価用の中空糸束を純水で充分洗浄し、37℃に調
製した純水を150mmHgの圧力を保ちながら中空糸
内に流し、水透過速度(UFR)を測定した。結果を後
記表1に示した。また800本の束にした中空糸を同様
にエポキシで固めた後切断し透過係数測定用のサンプル
とした。表1における諸性能の単位は次のようである。 UFR:ml/m2・hr・mmHg PUN:cm/sec 強度 :kg/mm2 伸度 :% このサンプルを用いてクラインの方法で、以下の条件で
尿素の透過係数(PUN)を測定した。結果を表1に示
す。 測定条件 溶質原液:尿素5gを純水1リットルに溶解した液 供給速度Qb 17ml/min 透析液 :純水37℃ 供給速度Qd 1200ml/
min 溶質の透過係数Pは次式のように定義される。 P=Qb×1n(C1 /C2 )/A ここで、Qb:溶質原液流速(ml/分) A :膜面積(cm2 ) C1:入口溶質濃度(g/l) C2:出口溶質濃度(g/l) 平均細孔半径は透水量(UFR)及び空孔率を用いてHa
gen Poiseuilleを変形した数1で求めた。
【0020】
【数1】 但し、 r:平均細孔半径(Å) η:純水の粘度/37℃ L:膜の厚み(μm) UFR:純水の透過速度(ml
/m2・hr・mmHg) ε:膜の空孔率(%) 中空糸膜の補体活性の評価は、Experimental Imuno Che
mistry P-133(1961)に記載のメイヤー法に従った。ここ
で空孔率(ε)の測定は、中空糸の束を適当量取り純水
で充分に洗浄したのちに遠心脱水機で表面の余分の水分
を除く。次いで乾燥しないよう素早く中空糸の重量を測
定後、105℃で3時間乾燥、乾燥後の重量を測定し次
式で数2で求めた。
【0021】
【数2】 Ww:乾燥前の中空糸重量(g) Wd:乾燥後の中空糸重量(g) ρ :ポリマーの比重
【0022】実施例2 反応容器に無水トリメリット酸192.1g(1.0モ
ル)、2,4−トリレンジイソシアネート43.5g
(0.25モル)、ビトリレンジイソシアネート19
8.2g(0.75モル)、N−メチル−2−ピロリド
ン2000gを仕込み、攪拌しながら、200℃まで約
1時間で昇温した。その後、200℃で約5時間攪拌
し、反応を停止した。得られたポリマーの対数粘度は、
N−メチル−2−ピロリドン中、0.5g/dlの濃度
で1.15dl/gであった。また数平均分子量は24
000であった。このポリマー溶液に分子量200のポ
リエチレングリコール250gを加えて100℃で2時
間攪拌を行い均質なポリマー溶液を得た。この製膜原液
を用いて、2重管紡糸口金を用いて、2重管の内側から
は流動パラフィンを吐出し、2重管の外側から製膜原液
を吐出し、約0.06秒間気体雰囲気中を通過後N−メ
チル−2−ピロリドン及びポリエチレングリコールを含
む水溶液である製膜原液に対して凝固性のある液体中へ
導いて凝固を行い、その後水中で溶媒及び添加剤を洗浄
した。更に70℃に保たれた40%のグリセリン水溶液
中に5秒間浸漬した後、95℃で乾燥し、外径230μ
m、内径200μm、膜の厚みが15μmの均質な中空
糸半透膜をえた。この様にして得られたポリアミドイミ
ド中空糸の内部の流動パラフィンをフロンで洗浄した
後、実施例1と同様に両端を樹脂で接着、切断して中空
糸の開口部を設けたサンプルを実施例1と同じ方法を用
いてγ線照射及びオートクレーブ処理前後の透析性能を
測定した。結果を表1に示す。
【0023】実施例3 反応容器に無水トリメリット酸192.1g(1.0モ
ル)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)8
7.5g(0.35モル)、ビトリレンジイソシアネー
ト171.8g(0.65モル)、N−メチル−2−ピ
ロリドン2000gを仕込み、攪拌しながら、200℃
まで約1時間で昇温した。その後、200℃で約5時間
攪拌し、反応を停止した。得られたポリマーの対数粘度
は、N−メチル−2−ピロリドン中、0.5g/dlの
濃度で0.98であった。また数平均分子量は1800
0であった。このポリマー溶液を実施例2と同様に製膜
原液を調製し、実施例2と同じ方法で中空糸膜を製膜し
た。得られた膜は外径240μm、内径205μm、膜
の厚みが17.5μmの均質な中空糸半透過膜であっ
た。
【0024】この様にして得られたポリアミドイミド膜
についてγ線照射、オートクレーブ処理前後の透析性能
を測定した。結果を表1に示す。
【0025】比較例1 実施例3のジフェニルメタンジイソシアネートとビトリ
レンジイソシアネートの仕込み量をそれぞれ125.0
g(0.50モル)及び132.2g(0.50モル)
にした外は、実施例3と同様にして重合を行い対数粘度
0.47dl/gのポリマー溶液を得た。ポリマーの数
平均分子量は9600と低い値であった。実施例と同様
の方法で中空糸膜を作製した。得られた膜は外径は26
0μm、内径は215μm、膜の厚みが22.5μmで
あった。得られた膜の透過性能を測定しようとしたが、
膜強度が弱く、樹脂接着部で糸折れが多発し、透過性能
測定が出来なかった。膜強度は表1に示した。
【0026】実施例4 反応容器に無水トリメリット酸192.1g(1.0モ
ル)、ジフェニルメタンジイソシアネート250.0g
(1.0モル)を仕込み、N−メチル−2−ピロリドン
2000gを仕込み、攪拌しながら、200℃まで約1
時間で昇温した。その後、200℃で約5時間攪拌し、
反応を停止した。得られたポリマーの対数粘度は、N−
メチル−2−ピロリドン中、0.5g/dlの濃度で
0.96であった。また数平均分子量は19000であ
った。このポリマー溶液を実施例2と同じ方法で中空糸
膜を製膜した。得られた膜は外径242μm、内径21
0μm、膜の厚みが16.0μmの均質な中空糸半透過
膜であった。
【0027】この様にして得られたポリアミドイミド膜
について膜構造及びγ線照射、オートクレーブ処理前後
の透析性能を測定した。結果を表1に示す。 実施例5 反応容器に無水トリメリット酸192.1g(1.0モ
ル)、2.4−トリレンジイソシアネート26.1g
(0.15モル)、ビトリレンジイソシアネート22
4.6g(0.85モル)、N−メチル−2−ピロリド
ン2000gを仕込み、攪拌しながら、200℃まで昇
温し、200℃で5時間反応させて後、反応を停止し
た。得られたポリマーの対数粘度は、N−メチル−2−
ピロリドン中、0.5g/dlの温度で1.7であっ
た。またこのポリマーの数平均分子量を実施例1と同様
の方法で測定した結果、41000であった。得られた
ポリマー溶液を用いて、2重管紡糸口金の内側からは空
気を吐出し、2重管の外側からポリマー溶液を吐出する
実施例1と同様の方法で中空糸膜を製膜し、外径233
μm、内径199μm、膜の厚み17μmの中空糸膜を
得た。この様にして得られたポリアミドイミド中空糸膜
を実施例1に記載したと同様の方法でγ線照射およびオ
ートクレーブ処理前後の透析性能を測定した。結果を表
3に示す。また同じ処理前の中空糸膜を使い、血液によ
る透過性能を測定した結果、血液中での透水速度は測定
開始15分後で、純水で測定した透水速度に対し、56
%の値を保持していた。またその後の透水速度の低下
も、60分後で8%と高い性能保持率を示した。血液中
の透水性能に関しては、尿素の透過係数測定様のサンプ
ルと同じやり方で作製したものを生理食塩液で充分洗浄
し、37℃で抗凝固材としてクエン酸ナトリウムを用い
た牛血液を流量20ml/minでサンプルモジュール
に供し、100mmHgの膜間圧力を供した際の透水速
度を血液を流しはじめてから15分後に測定し求めた。
血液を流しはじめてから初期である15分後の値を用
い、純水を用いた際の透水速度でわって血液における透
水性保持率αを求めた。 α=血液中での透水速度15分値/水中での透水速度 また血液を流しはじめてから、15分後と60分後を比
較し血液中での透水速度安定率C%を求めた。 C%=血液中の透水速度60分値/血液中の透水速度1
5分値×100 実施例1〜6、比較例と合わせて表2に示す。
【0028】実施例6 反応容器に無水トリメリット酸192.1g(1.0モ
ル)、2.4−トリレンジイソシアネート17.4g
(0.1モル)、ビトリレンジイソシアネート237.
9g(0.9モル)、N−メチル−2−ピロリドン20
00gを仕込み、攪拌しながら、200℃まで昇温し、
200℃で5時間反応させて後、反応を停止した。得ら
れたポリマーの対数粘度は、N−メチル−2−ピロリド
ン中、0.5g/dlの温度で2.0であった。また実
施例1と同様に測定した数平均分子量は59000であ
った。得られたポリマー溶液を用いて、実施例5と同様
の方法で外径235μm、内径201μm、膜の厚み1
7μmの中空糸膜を得た。この様にして得られたポリア
ミドイミド中空糸膜を実施例1に記載したと同様の方法
でオートクレーブ処理前後の透析性能を測定した。結果
を表3に示す。また同じ処理前の中空糸膜を使い、血液
による透過性能を測定した結果、血液中での透水速度は
測定開始15分後で、純水で測定した透水速度に対し、
45%の値を保持していた。またその後の透水速度の低
下も、60分後で9%と高い性能保持率を示した。
【0029】
【参考例】補体活性程度を比較するためにセルロースジ
アセテート中空糸膜を用いて実施例1と同様の測定用モ
ジュールを作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0030】
【発明の効果】本発明により、透水性少なくして、尿素
の透過性に優れ、補体活性少なく、かつγ線滅菌やオー
トクレーブ滅菌で膜性能の低下や劣化の少ない血液浄化
用中空糸膜を提供することが可能となる。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1で示されるポリアミドイミド構
    造単位を含有し平均細孔半径10Å〜200Åの微細孔
    をもち、純水を用いた時の水の透水速度に対する血液を
    用いた時の水の透水速度比(α値)が0.1以上である
    ことを特徴とする血液浄化用膜。 【化1】 (但しR1 、R2 は水素及び/または炭素数1〜4のア
    ルキル基であり、XはO、CO、SO2 、CR3 ・R4
    で示される連結基を示し、R3 、R4 は水素、メチル
    基、nは0または1を示す。)
  2. 【請求項2】 化2で示されるトリメリット酸又は化3
    で示される無水トリメリット酸を全酸成分に対し60モ
    ル%以上含有する酸成分と、化4で示されるジイソシア
    ネート化合物を全ジイソシアネート成分に対し60モル
    %以上含有するジイソシアネート成分との反応で得られ
    る請求項1に記載のポリアミドイミド構成単位を含有
    し、平均細孔半径10Å〜200Åの微細孔をもち、純
    水を用いた時の水の透水速度に対する血液を用いた時の
    水の透水速度比(α値)が0.1以上であることを特徴
    とする血液浄化用膜。 【化2】 【化3】 【化4】 (但しR1 、R2 は水素及び/または炭素数1〜4のア
    ルキル基であり、XはO、CO、SO2 、CR3 ・R4
    で示される連結基を示し、R3 、R4 は水素、メチル
    基、nは0または1を示す。)
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