JPH06165819A - 血液浄化用中空糸膜 - Google Patents

血液浄化用中空糸膜

Info

Publication number
JPH06165819A
JPH06165819A JP4087149A JP8714992A JPH06165819A JP H06165819 A JPH06165819 A JP H06165819A JP 4087149 A JP4087149 A JP 4087149A JP 8714992 A JP8714992 A JP 8714992A JP H06165819 A JPH06165819 A JP H06165819A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
membrane
hollow fiber
mol
diisocyanate
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4087149A
Other languages
English (en)
Inventor
Jitsuzo Takada
実三 高田
Isamu Yamamoto
勇 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP4087149A priority Critical patent/JPH06165819A/ja
Priority to US08/042,775 priority patent/US5266197A/en
Priority to CA002093619A priority patent/CA2093619A1/en
Priority to EP19930105762 priority patent/EP0568828A3/en
Publication of JPH06165819A publication Critical patent/JPH06165819A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D71/06Organic material
    • B01D71/58Other polymers having nitrogen in the main chain, with or without oxygen or carbon only
    • B01D71/62Polycondensates having nitrogen-containing heterocyclic rings in the main chain
    • B01D71/64Polyimides; Polyamide-imides; Polyester-imides; Polyamide acids or similar polyimide precursors
    • B01D71/641Polyamide-imides

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • External Artificial Organs (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 素材を劣化させるγ線滅菌やオートクレブ滅
菌に耐え、かつ優れた透析性能をもつ血液浄化中空糸膜
の提供。 【構成】 特定構造のポリアミドイミド中空糸膜で、平
均細孔半径が10Å〜200Åの微細孔をもつ血液浄化
用中空糸膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は人工腎臓として用いられ
る血液浄化用中空糸膜に関する。
【0002】
【従来技術】従来、人工腎臓として用いられていた中空
糸膜素材は特開昭58−50761等で示される再生セ
ルロース、特開昭54−6916等で示されるセルロー
スエステル膜であったが、セルロース系の膜では、血液
中の補体成分が膜と接触することで活性化され、免疫系
の反応を引き起こすことがまたセルロースアセテートで
もこの性質が不十分であることが知られており、なおか
つセルロースエステル系は耐熱性が不十分で、オートク
レーブ滅菌が実施できないという欠点を有していた。ま
たγ線滅菌でも劣化しやすい。ポリアミド膜について
は、特開昭63−283705、特開平2−2193
1、特開平2−198619、特開平3−186328
があるが、ここに開示されている技術は浸透気化法によ
って有機物水溶液から水と有機物を分離するのにポリア
ミドイミド膜を用いる技術であり、膜構造に関する記載
はないが細孔半径は目的からいって10Å以下であり、
ここに開示されている膜は血液浄化用に用いることはで
きない。特開平1−123607、特開平1−2458
06、特開平2−290230にもポリアミドイミド膜
が開示されているが、いずれも気体分離膜として用いる
技術であって血液浄化に用いる膜技術の開示はなく、か
かる膜は孔径が小さすぎて血液浄化に用いることはでき
ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来技術
の問題点、すなわち血液浄化用ポリアミドイミド膜であ
って、透水性少なくして、尿素の透過性にすぐれ、補体
活性少なく、γ線滅菌に対しても耐性で、かつオートク
レーブ滅菌可能な血液浄化用中空糸膜を提供することで
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、本発明者らは鋭意研究の結果、特殊な構造のポリア
ミドイミド樹脂を用いることにより、加工性(溶融成形
性、溶液成形性)を有し、耐熱性、物理的及び化学的安
定性に優れ、かつ透水性と尿素の透過性バランスのよ
い、γ線滅菌、やオートクレーブ滅菌のような熱滅菌可
能な血液浄化用中空糸膜を得ることに成功した。すなわ
ち、本発明は下記化1で示されるポリアミドイミド構造
単位を含有するポリアミドイミド系中空糸膜であって、
平均細孔半径が10Å〜200Åの微細孔をもつ多孔性
ポリアミドイミド系血液浄化用中空糸膜である。
【0005】ことに、化2で示されるトリメリット酸又
は化3で示される無水トリメリット酸を全酸成分に対し
60モル%以上含有する酸成分と化4で示されるジイソ
シアネート化合物を全ジイソシアネート成分に対し60
モル%以上含有するジイソシアネート成分との反応で得
られるポリアミドイミド構成単位を含有する平均細孔半
径10Å〜200Åの微細孔をもつ血液浄化用中空糸膜
が好ましい。
【0006】本発明の化1で示されるポリアミドイミド
構成単位をもつポリアミドイミド樹脂のイソシアネート
法での製造で用いられる酸成分は主として化2で示され
るトリメリット酸、化3で示される無水トリメリット酸
であるがそれ以外の酸成分としてはピロメリット酸無水
物、3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無
水物、3,3’4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸無水物、3,3’4,4’−ビフェニルスルホンテ
トラカルボン酸無水物等の酸無水物や、アジピン酸、セ
バシン酸、マレイン酸、フマール酸、ダイマー酸、スチ
ルベンジカルボン酸等があげられる。
【0007】また化4で示されるジイソシアネート化合
物としては、3,3’−ジメチルジフェニル4,4’−
ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’−ジフ
ェニルスルホンジイソシアネート、4,4’−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、2,2’−ジ−p−フェニ
ルプロパンジイソシアネート等が上げられる。化2、
3、4で示される酸成分あるいはジイソシアネート成分
のモル比が60モル%以上である理由は、得られるポリ
マーの重合性、溶媒への溶解性、膜性能にもとづいてい
る。
【0008】本発明の前記目的を達成するための好まし
い膜素材は化1におけるR1 、R2がメチル基でnがゼ
ロである下記化5あるいはR1 、R2 が水素で、XがC
2、nが1である下記化6で示されるポリアミドイミ
ド構造単位を含有するポリアミドイミド樹脂である。
【0009】
【化5】
【0010】
【化6】 この理由は血液浄化用中空膜の耐熱性、高透過性能、物
理的、化学的安定性における本発明の優位性が発揮され
るに必要な最小量を意味する。即ち、60モル%未満で
は高い透過性能を有し、更に、高圧蒸気滅菌その他の加
熱滅菌、γ線その他の放射線滅菌、エチレンオキサイド
ガス滅菌、紫外線照射滅菌等の膜滅菌方法に対して、優
れた耐性を有する血液浄化用中空糸を得ることができな
い。一方、中空糸に加工する為の、溶融成形(加工)性
や、溶液成形(加工)性の点から化1の構造式以外の単
位を40モル%未満の範囲で導入することができる。本
発明のポリアミドイミドの対数粘度はN−メチル−2−
ピロリドン中、30℃で測定し、0.5〜3.5dl/
g、好ましくは1.0〜2.0dl/gである。又、本
発明のポリアミドイミドの分子量は、膜の成形性及び膜
の機械的強度の点から数平均分子量で10000以上8
0000以下が好ましく、特に好ましいのは数平均分子
量で20000以上40000以下である。
【0011】本発明のポリアミドイミドを得る方法とし
て、好ましい方法は前記イソシアネート法であるがジア
ミンを用いる方法を採用することもでき、この場合用い
る酸成分としては、トリメリット酸、無水トリメリット
酸クロライドを全酸成分の60モル%以上用い、それ以
外の酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、4,
4’−ビフェニルジカルボン酸、ピロメリット酸、3,
3’、4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン
酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマール
酸、ダイマー酸、スチルベンジカルボン酸が用いられ
る。
【0012】全アミン成分に対し60モル%以上用いる
アミン成分としては、4,4’−ジアミノジフェニルエ
ーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,
4’−ジアミノ−ジフェニルスルホン、4,4’−ジア
ミノベンゾフェノン、2,2’−ビス(4−アミノフェ
ニル)プロパン、o−トルイジン等であり、その他のア
ミン成分としてはP−フェニレンジアミン、m−フェニ
レンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,6−ト
リレンジアミン−p−キシレンジアミン、m−キシレン
ジアミン、イソホロン、ヘキサメチレン−ジアミン、な
どである。
【0013】本発明の中空糸膜は、膜厚が5〜100μ
m、好ましくは10〜80μm、平均細孔半径10〜2
00Å、好ましくは20〜100Å、空孔率70〜90
%の微細孔が存在する均質あるいは非対称の多孔性中空
糸膜である。かかる中空糸膜は溶融したポリアミドイミ
ド樹脂あるいはポリアミドイミドのアミド系溶媒に必要
により多価アルコールを添加した溶液を二重管ノズルの
外周部より吐出し、芯部から気体又はポリマー溶液に対
して非凝固性液体又は凝固性液体を吐出し、直接又は気
体雰囲気中を通過させたのち凝固浴中に浸漬する。さら
に水中で溶媒及び添加剤の一部は全部を抽出し、必要に
より孔径保持剤を付与した後乾燥することにより製造さ
れる。
【0014】溶液成形に用い得る溶媒としてはジメチル
ホルミアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2
−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチル尿素な
どの極性溶剤を挙げることができるが、これらと併用し
て、トルエン、キシレンなどの炭化水素系、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサンなどのケトン系、エチルセロソルブ、ジエチレ
ングリコール−ジメチルエーテル、ジオキサン等のエー
テル系あるいは酢酸エチル、酢酸n−ブチル、γ−ブチ
ロラクトン等のエステル系の溶剤を混合して使用するこ
ともできる。
【0015】本発明の溶液成形に用いる製膜原液には、
膜の透過性能調製のために上記溶剤の外に、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、グリセリンその他の多価アルコールあるいはその
低級アルキルエーテル誘導体等を少なくとも1種類以上
添加することができる。
【0016】かかる方法で製造されて血液浄化用中空糸
膜は、血液透析、血液濾過、血液浄化などの医療用分野
等に用いられる。
【0017】血液浄化膜であるためには、前記耐γ線滅
菌性や耐オートクレーブ滅菌性に優れるとともに尿素の
ような不要の低分子量物質を効果的に除去するが水の除
去性(透水量)が大きすぎるのは好ましくなく、かつ前
記のように補体活性が小でなければならない。また取扱
性の面から強度も要求される。膜厚は補体活性及び強度
に影響し、細孔半径は透析性能に影響する。空孔率は膜
の中で占める細孔容積率を意味し、例えば平均細孔半径
15〜25Åの細孔がどれだけ存在するかを示し、空孔
率が大きい程細孔の占める量の多いことを示す。血液浄
化膜では小さい細孔が多数存在するのが透水量、透析性
能の点から望ましい。
【0018】
【実施例】
実施例1 反応容器に無水トリメリット酸(TMA)192.1g
(1.0モル)、2,4−トリレンジイソシアネート
(TDI)34.8g(0.20モル)、ビトリレンジ
イソシアネート(TODI)211.4g(0.80モ
ル)、N−メチル−2−ピロリドン2000gを仕込
み、攪拌しながら、200℃まで約1時間で昇温した、
その後、200℃で約5時間攪拌し、反応を停止した。
得られたポリマーの対数粘度は、N−メチル−2−ピロ
リドン中、0.5g/dlの濃度で1.56dl/gで
あった。また島津製作所(株)クロマトバックLC/6
Aを用いて、以下の条件で測定した数平均分子量は30
000であった。 測定条件 移動層:DMF/LiBr(0.1wt%) カラム:ShodexAD800P→AD804/S→ AD803S→AD802/S 流速 :1ml/min 温度 :50℃ サンプル:アセトン再沈、洗浄したものを用いた。 得られたポリマー溶液に、テトラエチレングリコール2
50gを加えて100℃で2時間攪拌を行い均質なポリ
マー溶液を得た。この製膜原液を用いて、2重管紡糸口
金を用いて、2重管の内側から空気を吐出し、2重管の
外側からは製膜原液を吐出し、約0.01秒間気体雰囲
気中を通過後N−メチル−2−ピロリドン及びテトラエ
チレングリコールを含む水溶液である製膜原液に対して
凝固性のある液体中へ導いて凝固を行い、その後水中で
溶媒及び添加剤を洗浄した。更に70℃に保たれた50
%のグリセリン水溶液中に5秒間浸漬した後、95℃で
乾燥し、外径237μm、膜の厚み18.5μmの均質
な中空糸膜を得た。
【0019】この様にして得られたポリアミドイミド中
空糸及びγ線照射あるいはオートクレーブ処理を施した
中空糸を120本の束にし、約20cmの長さが残るよ
うに両端をエポキシ樹脂で固めてから中空糸の開口部が
出るように接着した樹脂の1部を残して切断して、得ら
れた評価用の中空糸束を純水で充分洗浄し、37℃に調
製した純水を150mmHgの圧力を保ちながら中空糸
内に流し、水透過速度(UFR)を測定した。結果を後
記表1に示した。また800本の束にした中空糸を同様
にエポキシで固めた後切断し透過係数測定用のサンプル
とした。表1における諸性能の単位は次のようである。 UFR:ml/m2・hr・mmHg PUN:cm/sec 強度 :kg/mm2 伸度 :% このサンプルを用いてクラインの方法で、以下の条件で
尿素の透過係数(PUN)を測定した。結果を表1に示
す。 測定条件 溶質原液:尿素5gを純水1リットルに溶解した液 供給速度Qb 17ml/min 透析液 :純水37℃ 供給速度Qd 1200ml/
min 溶質の透過係数Pは次式のように定義される。 P=Qb×1n(C1 /C2 )/A ここで、Qb:溶質原液流速(ml/分) A :膜面積(cm2 ) C1:入口溶質濃度(g/l) C2:出口溶質濃度(g/l) 平均細孔半径は透水量(UFR)及び空孔率を用いてHa
gen Poiseuilleを変形した数1で求めた。
【0020】
【数1】 但し、 r:平均細孔半径(Å) η:純水の粘度/37℃ L:膜の厚み(μm) UFR:純水の透過速度(ml
/m2・hr・mmHg) ε:膜の空孔率(%) 中空糸膜の補体活性の評価は、Experimental Imuno Che
mistry P-133(1961)に記載のメイヤー法に従った。ここ
で空孔率(ε)の測定は、中空糸の束を適当量取り純水
で充分に洗浄したのちに遠心脱水機で表面の余分の水分
を除く。次いで乾燥しないよう素早く中空糸の重量を測
定後、105℃で3時間乾燥、乾燥後の重量を測定し次
式で数2で求めた。
【0021】
【数2】 Ww:乾燥前の中空糸重量(g) Wd:乾燥後の中空糸重量(g) ρ :ポリマーの比重
【0022】実施例2 反応容器に無水トリメリット酸192.1g(1.0モ
ル)、2,4−トリレンジイソシアネート43.5g
(0.25モル)、ビトリレンジイソシアネート19
8.2g(0.75モル)、N−メチル−2−ピロリド
ン2000gを仕込み、攪拌しながら、200℃まで約
1時間で昇温した。その後、200℃で約5時間攪拌
し、反応を停止した。得られたポリマーの対数粘度は、
N−メチル−2−ピロリドン中、0.5g/dlの濃度
で1.15dl/gであった。また数平均分子量は24
000であった。このポリマー溶液に分子量200のポ
リエチレングリコール250gを加えて100℃で2時
間攪拌を用い均質なポリマー溶液を得た。この製膜原液
を用いて、2重管紡糸口金を用いて、2重管の内側から
は流動パラフィンを吐出し、2重管の外側から製膜原液
を吐出し、約0.06秒間気体雰囲気中を通過後N−メ
チル−2−ピロリドン及びポリエチレングリコールを含
む水溶液である製膜原液に対して凝固性のある液体中へ
導いて凝固を行い、その後水中で溶媒及び添加剤を洗浄
した。更に70℃に保たれた40%のグリセリン水溶液
中に5秒間浸漬した後、95℃で乾燥し、外径230μ
m、内径200μm、膜の厚みが15μmの均質な中空
糸半透膜をえた。この様にして得られたポリアミドイミ
ド中空糸の内部の流動パラフィンをフロンで洗浄した
後、実施例1と同様に両端を樹脂で接着、切断して中空
糸の開口部を設けたサンプルを実施例1と同じ方法を用
いてγ線照射及びオートクレーブ処理前後の透析性能を
測定した。結果を表1に示す。
【0023】実施例3 反応容器に無水トリメリット酸192.1g(1.0モ
ル)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)8
7.5g(0.35モル)、ビトリレンジイソシアネー
ト171.8g(0.65モル)、N−メチル−2−ピ
ロリドン2000gを仕込み、攪拌しながら、200℃
まで約1時間で昇温した。その後、200℃で約5時間
攪拌し、反応を停止した。得られたポリマーの対数粘度
は、N−メチル−2−ピロリドン中、0.5g/dlの
濃度で0.98であった。また数平均分子量は1800
0であった。このポリマー溶液を実施例2と同様に製膜
原液を調製し、実施例2と同じ方法で中空糸膜を製膜し
た。得られた膜は外径240μm、内径205μm、膜
の厚みが17.5μmの均質な中空糸半透過膜であっ
た。
【0024】この様にして得られたポリアミドイミド膜
についてγ線照射、オートクレーブ処理前後の透析性能
を測定した。結果を表1に示す。
【0025】比較例1 実施例3のジフェニルメタンジイソシアネートとビトリ
レンジイソシアネートの仕込み量をそれぞれ125.0
g(0.50モル)及び132.2g(0.50モル)
にした外は、実施例3と同様にして重合を行い対数粘度
0.47dl/gのポリマー溶液を得た。ポリマーの数
平均分子量は9600と低い値であった。実施例と同様
の方法で中空糸膜を作製した。得られた膜は外径は26
0μm、内径は215μm、膜の厚みが22.5μmで
あった。得られた膜の透過性能を測定しようとしたが、
膜強度が弱く、樹脂接着部で糸折れが多発し、透過性能
測定が出来なかった。膜強度は表1に示した。
【0026】実施例4 反応容器に無水トリメリット酸192.1g(1.0モ
ル)、ジフェニルメタンジイソシアネート250.0g
(1.0モル)を仕込み、N−メチル−2−ピロリドン
2000gを仕込み、攪拌しながら、200℃まで約1
時間で昇温した。その後、200℃で約5時間攪拌し、
反応を停止した。得られたポリマーの対数粘度は、N−
メチル−2−ピロリドン中、0.5g/dlの濃度で
0.96であった。また数平均分子量は19000であ
った。このポリマー溶液を実施例2と同じ方法で中空糸
膜を製膜した。得られた膜は外径242μm、内径21
0μm、膜の厚みが16.0μmの均質な中空糸半透過
膜であった。
【0027】この様にして得られたポリアミドイミド膜
について膜構造及びγ線照射、オートクレーブ処理前後
の透析性能を測定した。結果を表1に示す。
【0028】
【参考例】補体活性程度を比較するためにセルロースジ
アセテート中空糸膜を用いて実施例1と同様の測定用モ
ジュールを作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0029】
【発明の効果】本発明により、透水性少なくして、尿素
の透過性に優れ、補体活性少なく、かつγ線滅菌やオー
トクレーブ滅菌で膜性能の低下や劣化の少ない血液浄化
用中空糸膜を提供することが可能となる。
【0030】
【表1】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 血液浄化用中空糸膜
【特許請求の範囲】
【化1】 (但しR1 、R2 は水素及び/または炭素数1〜4のア
ルキル基であり、XはO、CO、SO2 、CR3 ・R4
で示される連結基を示し、R3 、R4 は水素、メチル
基、nは0または1を示す。)
【化2】
【化3】
【化4】 (但しR1 、R2 は水素及び/または炭素数1〜4のア
ルキル基であり、XはO、CO、SO2 、CR3 ・R4
で示される連結基を示し、R3 、R4 は水素、メチル
基、nは0または1を示す。)
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は人工腎臓として用いられ
る血液浄化用中空糸膜に関する。
【0002】
【従来技術】従来、人工腎臓として用いられていた中空
糸膜素材は特開昭58−50761等で示される再生セ
ルロース、特開昭54−6916等で示されるセルロー
スエステル膜であったが、セルロース系の膜では、血液
中の補体成分が膜と接触することで活性化され、免疫系
の反応を引き起こすことが、またセルロースアセテート
でもこの性質が不十分であることが知られており、なお
かつセルロースエステル系は耐熱性が不十分で、オート
クレーブ滅菌が実施できないという欠点を有していた。
またγ線滅菌でも劣化しやすい。ポリアミドイミド膜に
ついては、特開昭63−283705、特開平2−21
931、特開平2−198619、特開平3−1863
28等があるが、ここに開示されている技術は浸透気化
法によって有機物水溶液から水と有機物を分離するのに
ポリアミドイミド膜を用いる技術であり、膜構造に関す
る記載はないが細孔半径は目的からいって10Å以下で
あり、ここに開示されている膜は血液浄化用に用いるこ
とはできない。特開平1−123607、特開平1−2
45806、特開平2−290230にもポリアミドイ
ミド膜が開示されているが、いずれも気体分離膜として
用いる技術であって血液浄化に用いる膜技術の開示はな
く、かかる膜は孔径が小さすぎて血液浄化に用いること
はできない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来技術
の問題点、すなわち血液浄化用ポリアミドイミド膜であ
って、透水性が適度で、尿素の透過性にすぐれ、補体活
性少なく、γ線滅菌に対しても耐性で、かつオートクレ
ーブ滅菌可能な血液浄化用中空糸膜を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、本発明者らは鋭意研究の結果、特殊な構造のポリア
ミドイミド樹脂を用いることにより、加工性(溶融成形
性、溶液成形性)を有し、耐熱性、物理的及び化学的安
定性に優れ、かつ透水性と尿素の透過性バランスのよ
い、γ線滅菌、やオートクレーブ滅菌のような熱滅菌可
能な血液浄化用中空糸膜を得ることに成功した。すなわ
ち、本発明は下記化1で示されるポリアミドイミド構造
単位を含有するポリアミドイミド系中空糸膜であって、
平均細孔半径が10Å〜200Åの微細孔をもつ多孔性
ポリアミドイミド系血液浄化用中空糸膜である。
【0005】ことに、化2で示されるトリメリット酸又
は化3で示される無水トリメリット酸を全酸成分に対し
60モル%以上含有する酸成分と化4で示されるジイソ
シアネート化合物を全ジイソシアネート成分に対し60
モル%以上含有するジイソシアネート成分との反応で得
られるポリアミドイミド構成単位を含有する平均細孔半
径10Å〜200Åの微細孔をもつ血液浄化用中空糸膜
が好ましい。
【0006】本発明の化1で示されるポリアミドイミド
構成単位をもつポリアミドイミド樹脂のイソシアネート
法での製造で用いられる酸成分は主として化2で示され
るトリメリット酸、化3で示される無水トリメリット酸
であるがそれ以外の酸成分としてはピロメリット酸無水
物、3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無
水物、3,3’4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸無水物、3,3’4,4’−ビフェニルスルホンテ
トラカルボン酸無水物等の酸無水物や、アジピン酸、セ
バシン酸、マレイン酸、フマール酸、ダイマー酸、スチ
ルベンジカルボン酸等があげられる。
【0007】また化4で示されるジイソシアネート化合
物としては、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシ
アネートビフェニル(3,3’−ビトリレン−4,4’
−ジイソシアネート)、4,4’−ジフェニルエーテル
ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルスルホンジイ
ソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、2,2’−ジ−p−フェニルプロパンジイソシ
アネート等が上げられる。化2、3、4で示される酸成
分あるいはジイソシアネート成分のモル比が60モル%
以上である理由は、得られるポリマーの重合性、溶媒へ
の溶解性、膜性能にもとづいている。
【0008】本発明の前記目的を達成するための好まし
い膜素材は化1におけるR1 、R2がメチル基でnがゼ
ロである下記化5あるいはR1 、R2 が水素で、XがC
2、nが1である下記化6で示されるポリアミドイミ
ド構造単位を含有するポリアミドイミド樹脂である。
【0009】
【化5】
【0010】
【化6】 この理由は血液浄化用中空膜の耐熱性、高透過性能、物
理的、化学的安定性における本発明の優位性が発揮され
るに必要な最小量を意味する。即ち、60モル%未満で
は高い透過性能を有し、更に、高圧蒸気滅菌その他の加
熱滅菌、γ線その他の放射線滅菌、エチレンオキサイド
ガス滅菌、紫外線照射滅菌等の膜滅菌方法に対して、優
れた耐性を有する血液浄化用中空糸を得ることができな
い。一方、中空糸に加工する為の、溶融成形(加工)性
や、溶液成形(加工)性の点から化1の構造式以外の単
位を40モル%未満の範囲で導入することができる。本
発明のポリアミドイミドの対数粘度はN−メチル−2−
ピロリドン中、30℃で測定し、0.5〜3.5dl/
g、好ましくは1.0〜2.0dl/gである。又、本
発明のポリアミドイミドの分子量は、膜の成形性及び膜
の機械的強度の点から数平均分子量で10000以上8
0000以下が好ましく、特に好ましいのは数平均分子
量で20000以上60000以下である。
【0011】本発明のポリアミドイミドを得る方法とし
て、好ましい方法は前記イソシアネート法であるがジア
ミンを用いる方法を採用することもでき、この場合用い
る酸成分としては、トリメリット酸、無水トリメリット
酸クロライドを全酸成分の60モル%以上用い、それ以
外の酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、4,
4’−ビフェニルジカルボン酸、ピロメリット酸、3,
3’、4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン
酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマール
酸、ダイマー酸、スチルベンジカルボン酸が用いられ
る。
【0012】全アミン成分に対し60モル%以上用いる
アミン成分としては、4,4’−ジアミノジフェニルエ
ーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,
4’−ジアミノ−ジフェニルスルホン、4,4’−ジア
ミノベンゾフェノン、2,2’−ビス(4−アミノフェ
ニル)プロパン、o−トリジン等であり、その他のアミ
ン成分としてはP−フェニレンジアミン、m−フェニレ
ンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリ
レンジアミン、p−キシレンジアミン、m−キシレンジ
アミン、イソホロン、ヘキサメチレン−ジアミン、など
である。
【0013】本発明の中空糸膜は、膜厚が5〜100μ
m、好ましくは10〜80μm、平均細孔半径10〜2
00Å、好ましくは20〜100Å、空孔率70〜90
%の微細孔が存在する均質あるいは非対称の多孔性中空
糸膜である。かかる中空糸膜は溶融したポリアミドイミ
ド樹脂あるいはポリアミドイミドのアミド系溶媒に必要
により多価アルコールを添加した溶液を二重管ノズルの
外周部より吐出し、芯部から気体又はポリマー溶液に対
して非凝固性液体又は凝固性液体を吐出し、直接又は気
体雰囲気中を通過させたのち凝固浴中に浸漬する。さら
に水中で溶媒及び添加剤の一部は全部を抽出し、必要に
より孔径保持剤を付与した後乾燥することにより製造さ
れる。
【0014】溶液成形に用い得る溶媒としてはジメチル
ホルミアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2
−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチル尿素な
どの極性溶剤を挙げることができるが、これらと併用し
て、トルエン、キシレンなどの炭化水素系、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサンなどのケトン系、エチルセロソルブ、ジエチレ
ングリコール−ジメチルエーテル、ジオキサン等のエー
テル系あるいは酢酸エチル、酢酸n−ブチル、γ−ブチ
ロラクトン等のエステル系の溶剤を混合して使用するこ
ともできる。
【0015】本発明の溶液成形に用いる製膜原液には、
膜の透過性能調製のために上記溶剤の外に、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、グリセリンその他の多価アルコールあるいはその
低級アルキルエーテル誘導体等を少なくとも1種類以上
添加することができる。
【0016】かかる方法で製造される血液浄化用中空糸
膜は、血液透析、血液濾過、血液浄化などの医療用分野
等に用いられる。
【0017】血液浄化膜であるためには、前記耐γ線滅
菌性や耐オートクレーブ滅菌性に優れるとともに尿素の
ような不要の低分子量物質を効果的に除去するが水の除
去性(透水量)が大きすぎるのは好ましくなく、かつ前
記のように補体活性が小でなければならない。また取扱
性の面から強度も要求される。膜厚は補体活性及び強度
に影響し、細孔半径は透析性能に影響する。空孔率は膜
の中で占める細孔容積率を意味し、例えば平均細孔半径
15〜25Åの細孔がどれだけ存在するかを示し、空孔
率が大きい程細孔の占める量の多いことを示す。血液浄
化膜で半径10〜200Åの細孔が多数存在するのが透
水量、透析性能の点から望ましい。
【0018】
【実施例】 実施例1 反応容器に無水トリメリット酸(TMA)192.1g
(1.0モル)、2,4−トリレンジイソシアネート
(TDI)34.8g(0.20モル)、ビトリレンジ
イソシアネート(TODI)211.4g(0.80モ
ル)、N−メチル−2−ピロリドン2000gを仕込
み、攪拌しながら、200℃まで約1時間で昇温した、
その後、200℃で約5時間攪拌し、反応を停止した。
得られたポリマーの対数粘度は、N−メチル−2−ピロ
リドン中、0.5g/dlの濃度で1.56dl/gで
あった。また島津製作所(株)クロマトバックLC/6
Aを用いて、以下の条件で測定した数平均分子量は30
000であった。 測定条件 移動層:DMF/LiBr(0.1wt%) カラム:ShodexAD800P→AD804/S→ AD803S→AD802/S 流速 :1ml/min 温度 :50℃ サンプル:アセトン再沈、洗浄したものを用いた。 得られたポリマー溶液に、テトラエチレングリコール2
50gを加えて100℃で2時間攪拌を行い均質なポリ
マー溶液を得た。この製膜原液を用いて、2重管紡糸口
金を用いて、2重管の内側から空気を吐出し、2重管の
外側からは製膜原液を吐出し、約0.01秒間気体雰囲
気中を通過後N−メチル−2−ピロリドン及びテトラエ
チレングリコールを含む水溶液である製膜原液に対して
凝固性のある液体中へ導いて凝固を行い、その後水中で
溶媒及び添加剤を洗浄した。更に70℃に保たれた50
%のグリセリン水溶液中に5秒間浸漬した後、95℃で
乾燥し、外径237μm、膜の厚み18.5μmの均質
な中空糸膜を得た。
【0019】この様にして得られたポリアミドイミド中
空糸及びγ線照射あるいはオートクレーブ処理を施した
中空糸を120本の束にし、約20cmの長さが残るよ
うに両端をエポキシ樹脂で固めてから中空糸の開口部が
出るように接着した樹脂の1部を残して切断して、得ら
れた評価用の中空糸束を純水で充分洗浄し、37℃に調
製した純水を150mmHgの圧力を保ちながら中空糸
内に流し、水透過速度(UFR)を測定した。結果を後
記表1に示した。また800本の束にした中空糸を同様
にエポキシで固めた後切断し透過係数測定用のサンプル
とした。表1における諸性能の単位は次のようである。 UFR:ml/m2・hr・mmHg PUN:cm/sec 強度 :kg/mm2 伸度 :% このサンプルを用いてクラインの方法で、以下の条件で
尿素の透過係数(PUN)を測定した。結果を表1に示
す。 測定条件 溶質原液:尿素5gを純水1リットルに溶解した液 供給速度Qb 17ml/min 透析液 :純水37℃ 供給速度Qd 1200ml/
min 溶質の透過係数Pは次式のように定義される。 P=Qb×1n(C1 /C2 )/A ここで、Qb:溶質原液流速(ml/分) A :膜面積(cm2 ) C1:入口溶質濃度(g/l) C2:出口溶質濃度(g/l) 平均細孔半径は透水量(UFR)及び空孔率を用いてHa
gen Poiseuilleを変形した数1で求めた。
【0020】
【数1】 但し、 r:平均細孔半径(Å) η:純水の粘度/37℃ L:膜の厚み(μm) UFR:純水の透過速度(ml
/m2・hr・mmHg) ε:膜の空孔率(%) 中空糸膜の補体活性の評価は、Experimental Imuno Che
mistry P-133(1961)に記載のメイヤー法に従った。ここ
で空孔率(ε)の測定は、中空糸の束を適当量取り純水
で充分に洗浄したのちに遠心脱水機で表面の余分の水分
を除く。次いで乾燥しないよう素早く中空糸の重量を測
定後、105℃で3時間乾燥、乾燥後の重量を測定し次
式で数2で求めた。
【0021】
【数2】 Ww:乾燥前の中空糸重量(g) Wd:乾燥後の中空糸重量(g) ρ :ポリマーの比重
【0022】実施例2 反応容器に無水トリメリット酸192.1g(1.0モ
ル)、2,4−トリレンジイソシアネート43.5g
(0.25モル)、ビトリレンジイソシアネート19
8.2g(0.75モル)、N−メチル−2−ピロリド
ン2000gを仕込み、攪拌しながら、200℃まで約
1時間で昇温した。その後、200℃で約5時間攪拌
し、反応を停止した。得られたポリマーの対数粘度は、
N−メチル−2−ピロリドン中、0.5g/dlの濃度
で1.15dl/gであった。また数平均分子量は24
000であった。このポリマー溶液に分子量200のポ
リエチレングリコール250gを加えて100℃で2時
間攪拌を行い均質なポリマー溶液を得た。この製膜原液
を用いて、2重管紡糸口金を用いて、2重管の内側から
は流動パラフィンを吐出し、2重管の外側から製膜原液
を吐出し、約0.06秒間気体雰囲気中を通過後N−メ
チル−2−ピロリドン及びポリエチレングリコールを含
む水溶液である製膜原液に対して凝固性のある液体中へ
導いて凝固を行い、その後水中で溶媒及び添加剤を洗浄
した。更に70℃に保たれた40%のグリセリン水溶液
中に5秒間浸漬した後、95℃で乾燥し、外径230μ
m、内径200μm、膜の厚みが15μmの均質な中空
糸半透膜をえた。この様にして得られたポリアミドイミ
ド中空糸の内部の流動パラフィンをフロンで洗浄した
後、実施例1と同様に両端を樹脂で接着、切断して中空
糸の開口部を設けたサンプルを実施例1と同じ方法を用
いてγ線照射及びオートクレーブ処理前後の透析性能を
測定した。結果を表1に示す。
【0023】実施例3 反応容器に無水トリメリット酸192.1g(1.0モ
ル)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)8
7.5g(0.35モル)、ビトリレンジイソシアネー
ト171.8g(0.65モル)、N−メチル−2−ピ
ロリドン2000gを仕込み、攪拌しながら、200℃
まで約1時間で昇温した。その後、200℃で約5時間
攪拌し、反応を停止した。得られたポリマーの対数粘度
は、N−メチル−2−ピロリドン中、0.5g/dlの
濃度で0.98であった。また数平均分子量は1800
0であった。このポリマー溶液を実施例2と同様に製膜
原液を調製し、実施例2と同じ方法で中空糸膜を製膜し
た。得られた膜は外径240μm、内径205μm、膜
の厚みが17.5μmの均質な中空糸半透過膜であっ
た。
【0024】この様にして得られたポリアミドイミド膜
についてγ線照射、オートクレーブ処理前後の透析性能
を測定した。結果を表1に示す。
【0025】比較例1 実施例3のジフェニルメタンジイソシアネートとビトリ
レンジイソシアネートの仕込み量をそれぞれ125.0
g(0.50モル)及び132.2g(0.50モル)
にした外は、実施例3と同様にして重合を行い対数粘度
0.47dl/gのポリマー溶液を得た。ポリマーの数
平均分子量は9600と低い値であった。実施例と同様
の方法で中空糸膜を作製した。得られた膜は外径は26
0μm、内径は215μm、膜の厚みが22.5μmで
あった。得られた膜の透過性能を測定しようとしたが、
膜強度が弱く、樹脂接着部で糸折れが多発し、透過性能
測定が出来なかった。膜強度は表1に示した。
【0026】実施例4 反応容器に無水トリメリット酸192.1g(1.0モ
ル)、ジフェニルメタンジイソシアネート250.0g
(1.0モル)を仕込み、N−メチル−2−ピロリドン
2000gを仕込み、攪拌しながら、200℃まで約1
時間で昇温した。その後、200℃で約5時間攪拌し、
反応を停止した。得られたポリマーの対数粘度は、N−
メチル−2−ピロリドン中、0.5g/dlの濃度で
0.96であった。また数平均分子量は19000であ
った。このポリマー溶液を実施例2と同じ方法で中空糸
膜を製膜した。得られた膜は外径242μm、内径21
0μm、膜の厚みが16.0μmの均質な中空糸半透過
膜であった。
【0027】この様にして得られたポリアミドイミド膜
について膜構造及びγ線照射、オートクレーブ処理前後
の透析性能を測定した。結果を表1に示す。
【0028】
【参考例】補体活性程度を比較するためにセルロースジ
アセテート中空糸膜を用いて実施例1と同様の測定用モ
ジュールを作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0029】
【発明の効果】本発明により、透水性少なくして、尿素
の透過性に優れ優れ、補体活性少なく、かつγ線滅菌や
オートクレーブ滅菌で膜性能の低下や劣化の少ない血液
浄化用中空糸膜を提供することが可能となる。
【0030】
【表1】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 血液浄化用中空糸膜
【特許請求の範囲】
【化1】 (但しR1 、R2 は水素及び/または炭素数1〜4のア
ルキル基であり、XはO、CO、SO2 、CR3 ・R4
で示される連結基を示し、R3 、R4 は水素、メチル
基、nは0または1を示す。)
【化2】
【化3】
【化4】 (但しR1 、R2 は水素及び/または炭素数1〜4のア
ルキル基であり、XはO、CO、SO2 、CR3 ・R4
で示される連結基を示し、R3 、R4 は水素、メチル
基、nは0または1を示す。)
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は人工腎臓として用いられ
る血液浄化用中空糸膜に関する。
【0002】
【従来技術】従来、人工腎臓として用いられていた中空
糸膜素材は特開昭58−50761等で示される再生セ
ルロース、特開昭54−6916等で示されるセルロー
スエステル膜であったが、セルロース系の膜では、血液
中の補体成分が膜と接触することで活性化され、免疫系
の反応を引き起こすことが、またセルロースアセテート
でもこの性質が不十分であることが知られており、なお
かつセルロースエステル系は耐熱性が不十分で、オート
クレーブ滅菌が実施できないという欠点を有していた。
またγ線滅菌でも劣化しやすい。ポリアミドイミド膜に
ついては、特開昭63−283705、特開平2−21
931、特開平2−198619、特開平3−1863
28等があるが、ここに開示されている技術は浸透気化
法によって有機物水溶液から水と有機物を分離するのに
ポリアミドイミド膜を用いる技術であり、膜構造に関す
る記載はないが細孔半径は目的からいって10Å以下で
あり、ここに開示されている膜は血液浄化用に用いるこ
とはできない。特開平1−123607、特開平1−2
45806、特開平2−290230にもポリアミドイ
ミド膜が開示されているが、いずれも気体分離膜として
用いる技術であって血液浄化に用いる膜技術の開示はな
く、かかる膜は孔径が小さすぎて血液浄化に用いること
はできない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来技術
の問題点、すなわち血液浄化用ポリアミドイミド膜であ
って、透水性が適度で、尿素の透過性にすぐれ、補体活
性少なく、γ線滅菌に対しても耐性で、かつオートクレ
ーブ滅菌可能な血液浄化用中空糸膜を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、本発明者らは鋭意研究の結果、特殊な構造のポリア
ミドイミド樹脂を用いることにより、加工性(溶融成形
性、溶液成形性)を有し、耐熱性、物理的及び化学的安
定性に優れ、かつ透水性と尿素の透過性バランスのよ
い、γ線滅菌、やオートクレーブ滅菌のような熱滅菌可
能な血液浄化用中空糸膜を得ることに成功した。すなわ
ち、本発明は下記化1で示されるポリアミドイミド構造
単位を含有するポリアミドイミド系中空糸膜であって、
平均細孔半径が10Å〜200Åの微細孔をもつ多孔性
ポリアミドイミド系血液浄化用中空糸膜である。
【0005】ことに、化2で示されるトリメリット酸又
は化3で示される無水トリメリット酸を全酸成分に対し
60モル%以上含有する酸成分と化4で示されるジイソ
シアネート化合物を全ジイソシアネート成分に対し60
モル%以上含有するジイソシアネート成分との反応で得
られるポリアミドイミド構成単位を含有する平均細孔半
径10Å〜200Åの微細孔をもつ血液浄化用中空糸膜
が好ましい。
【0006】本発明の化1で示されるポリアミドイミド
構成単位をもつポリアミドイミド樹脂のイソシアネート
法での製造で用いられる酸成分は主として化2で示され
るトリメリット酸、化3で示される無水トリメリット酸
であるがそれ以外の酸成分としてはピロメリット酸無水
物、3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無
水物、3,3’4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸無水物、3,3’4,4’−ビフェニルスルホンテ
トラカルボン酸無水物等の酸無水物や、アジピン酸、セ
バシン酸、マレイン酸、フマール酸、ダイマー酸、スチ
ルベンジカルボン酸等があげられる。
【0007】また化4で示されるジイソシアネート化合
物としては、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシ
アネートビフェニル(3,3’−ビトリレン−4,4’
−ジイソシアネート)、4,4’−ジフェニルエーテル
ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルスルホンジイ
ソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、2,2’−ジ−p−フェニルプロパンジイソシ
アネート等が上げられる。化2、3、4で示される酸成
分あるいはジイソシアネート成分のモル比が60モル%
以上である理由は、得られるポリマーの重合性、溶媒へ
の溶解性、膜性能にもとづいている。
【0008】本発明の前記目的を達成するための好まし
い膜素材は化1におけるR1 、R2がメチル基でnがゼ
ロである下記化5あるいはR1 、R2 が水素で、XがC
2、nが1である下記化6で示されるポリアミドイミ
ド構造単位を含有するポリアミドイミド樹脂である。
【0009】
【化5】
【0010】
【化6】 この理由は血液浄化用中空膜の耐熱性、高透過性能、物
理的、化学的安定性における本発明の優位性が発揮され
るに必要な最小量を意味する。即ち、60モル%未満で
は高い透過性能を有し、更に、高圧蒸気滅菌その他の加
熱滅菌、γ線その他の放射線滅菌、エチレンオキサイド
ガス滅菌、紫外線照射滅菌等の膜滅菌方法に対して、優
れた耐性を有する血液浄化用中空糸を得ることができな
い。一方、中空糸に加工する為の、溶融成形(加工)性
や、溶液成形(加工)性の点から化1の構造式以外の単
位を40モル%未満の範囲で導入することができる。本
発明のポリアミドイミドの対数粘度はN−メチル−2−
ピロリドン中、30℃で測定し、0.5〜3.5dl/
g、好ましくは1.0〜2.0dl/gである。又、本
発明のポリアミドイミドの分子量は、膜の成形性及び膜
の機械的強度の点から数平均分子量で10000以上8
0000以下が好ましく、特に好ましいのは数平均分子
量で20000以上60000以下である。
【0011】本発明のポリアミドイミドを得る方法とし
て、好ましい方法は前記イソシアネート法であるがジア
ミンを用いる方法を採用することもでき、この場合用い
る酸成分としては、トリメリット酸、無水トリメリット
酸クロライドを全酸成分の60モル%以上用い、それ以
外の酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、4,
4’−ビフェニルジカルボン酸、ピロメリット酸、3,
3’、4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン
酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマール
酸、ダイマー酸、スチルベンジカルボン酸が用いられ
る。
【0012】全アミン成分に対し60モル%以上用いる
アミン成分としては、4,4’−ジアミノジフェニルエ
ーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,
4’−ジアミノ−ジフェニルスルホン、4,4’−ジア
ミノベンゾフェノン、2,2’−ビス(4−アミノフェ
ニル)プロパン、o−トリジン等であり、その他のアミ
ン成分としてはP−フェニレンジアミン、m−フェニレ
ンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリ
レンジアミン、p−キシレンジアミン、m−キシレンジ
アミン、イソホロン、ヘキサメチレン−ジアミン、など
である。
【0013】本発明の中空糸膜は、膜厚が5〜100μ
m、好ましくは10〜80μm、平均細孔半径10〜2
00Å、好ましくは20〜100Å、空孔率70〜90
%の微細孔が存在する均質あるいは非対称の多孔性中空
糸膜である。かかる中空糸膜は溶融したポリアミドイミ
ド樹脂あるいはポリアミドイミドのアミド系溶媒に必要
により多価アルコールを添加した溶液を二重管ノズルの
外周部より吐出し、芯部から気体又はポリマー溶液に対
して非凝固性液体又は凝固性液体を吐出し、直接又は気
体雰囲気中を通過させたのち凝固浴中に浸漬する。さら
に水中で溶媒及び添加剤の一部は全部を抽出し、必要に
より孔径保持剤を付与した後乾燥することにより製造さ
れる。
【0014】溶液成形に用い得る溶媒としてはジメチル
ホルミアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2
−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチル尿素な
どの極性溶剤を挙げることができるが、これらと併用し
て、トルエン、キシレンなどの炭化水素系、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサンなどのケトン系、エチルセロソルブ、ジエチレ
ングリコール−ジメチルエーテル、ジオキサン等のエー
テル系あるいは酢酸エチル、酢酸n−ブチル、γ−ブチ
ロラクトン等のエステル系の溶剤を混合して使用するこ
ともできる。
【0015】本発明の溶液成形に用いる製膜原液には、
膜の透過性能調製のために上記溶剤の外に、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、グリセリンその他の多価アルコールあるいはその
低級アルキルエーテル誘導体等を少なくとも1種類以上
添加することができる。
【0016】かかる方法で製造される血液浄化用中空糸
膜は、血液透析、血液濾過、血液浄化などの医療用分野
等に用いられる。
【0017】血液浄化膜であるためには、前記耐γ線滅
菌性や耐オートクレーブ滅菌性に優れるとともに尿素の
ような不要の低分子量物質を効果的に除去するが水の除
去性(透水量)が大きすぎるのは好ましくなく、かつ前
記のように補体活性が小でなければならない。また取扱
性の面から強度も要求される。膜厚は補体活性及び強度
に影響し、細孔半径は透析性能に影響する。空孔率は膜
の中で占める細孔容積率を意味し、例えば平均細孔半径
15〜25Åの細孔がどれだけ存在するかを示し、空孔
率が大きい程細孔の占める量の多いことを示す。血液浄
化膜で半径10〜200Åの細孔が多数存在するのが透
水量、透析性能の点から望ましい。
【0018】
【実施例】 実施例1 反応容器に無水トリメリット酸(TMA)192.1g
(1.0モル)、2,4−トリレンジイソシアネート
(TDI)34.8g(0.20モル)、ビトリレンジ
イソシアネート(TODI)211.4g(0.80モ
ル)、N−メチル−2−ピロリドン2000gを仕込
み、攪拌しながら、200℃まで約1時間で昇温した、
その後、200℃で約5時間攪拌し、反応を停止した。
得られたポリマーの対数粘度は、N−メチル−2−ピロ
リドン中、0.5g/dlの濃度で1.56dl/gで
あった。また島津製作所(株)クロマトバックLC/6
Aを用いて、以下の条件で測定した数平均分子量は30
000であった。 測定条件 移動層:DMF/LiBr(0.1wt%) カラム:ShodexAD800P→AD804/S→ AD803S→AD802/S 流速 :1ml/min 温度 :50℃ サンプル:アセトン再沈、洗浄したものを用いた。 得られたポリマー溶液に、テトラエチレングリコール2
50gを加えて100℃で2時間攪拌を行い均質なポリ
マー溶液を得た。この製膜原液を用いて、2重管紡糸口
金を用いて、2重管の内側から空気を吐出し、2重管の
外側からは製膜原液を吐出し、約0.01秒間気体雰囲
気中を通過後N−メチル−2−ピロリドン及びテトラエ
チレングリコールを含む水溶液である製膜原液に対して
凝固性のある液体中へ導いて凝固を行い、その後水中で
溶媒及び添加剤を洗浄した。更に70℃に保たれた50
%のグリセリン水溶液中に5秒間浸漬した後、95℃で
乾燥し、外径237μm、膜の厚み18.5μmの均質
な中空糸膜を得た。
【0019】この様にして得られたポリアミドイミド中
空糸及びγ線照射あるいはオートクレーブ処理を施した
中空糸を120本の束にし、約20cmの長さが残るよ
うに両端をエポキシ樹脂で固めてから中空糸の開口部が
出るように接着した樹脂の1部を残して切断して、得ら
れた評価用の中空糸束を純水で充分洗浄し、37℃に調
製した純水を150mmHgの圧力を保ちながら中空糸
内に流し、水透過速度(UFR)を測定した。結果を後
記表1に示した。また800本の束にした中空糸を同様
にエポキシで固めた後切断し透過係数測定用のサンプル
とした。表1における諸性能の単位は次のようである。 UFR:ml/m2・hr・mmHg PUN:cm/sec 強度 :kg/mm2 伸度 :% このサンプルを用いてクラインの方法で、以下の条件で
尿素の透過係数(PUN)を測定した。結果を表1に示
す。 測定条件 溶質原液:尿素5gを純水1リットルに溶解した液 供給速度Qb 17ml/min 透析液 :純水37℃ 供給速度Qd 1200ml/
min 溶質の透過係数Pは次式のように定義される。 P=Qb×1n(C1 /C2 )/A ここで、Qb:溶質原液流速(ml/分) A :膜面積(cm2 ) C1:入口溶質濃度(g/l) C2:出口溶質濃度(g/l) 平均細孔半径は透水量(UFR)及び空孔率を用いてHa
gen Poiseuilleを変形した数1で求めた。
【0020】
【数1】 但し、 r:平均細孔半径(Å) η:純水の粘度/37℃ L:膜の厚み(μm) UFR:純水の透過速度(ml
/m2・hr・mmHg) ε:膜の空孔率(%) 中空糸膜の補体活性の評価は、Experimental Imuno Che
mistry P-133(1961)に記載のメイヤー法に従った。ここ
で空孔率(ε)の測定は、中空糸の束を適当量取り純水
で充分に洗浄したのちに遠心脱水機で表面の余分の水分
を除く。次いで乾燥しないよう素早く中空糸の重量を測
定後、105℃で3時間乾燥、乾燥後の重量を測定し次
式で数2で求めた。
【0021】
【数2】 Ww:乾燥前の中空糸重量(g) Wd:乾燥後の中空糸重量(g) ρ :ポリマーの比重
【0022】実施例2 反応容器に無水トリメリット酸192.1g(1.0モ
ル)、2,4−トリレンジイソシアネート43.5g
(0.25モル)、ビトリレンジイソシアネート19
8.2g(0.75モル)、N−メチル−2−ピロリド
ン2000gを仕込み、攪拌しながら、200℃まで約
1時間で昇温した。その後、200℃で約5時間攪拌
し、反応を停止した。得られたポリマーの対数粘度は、
N−メチル−2−ピロリドン中、0.5g/dlの濃度
で1.15dl/gであった。また数平均分子量は24
000であった。このポリマー溶液に分子量200のポ
リエチレングリコール250gを加えて100℃で2時
間攪拌を行い均質なポリマー溶液を得た。この製膜原液
を用いて、2重管紡糸口金を用いて、2重管の内側から
は流動パラフィンを吐出し、2重管の外側から製膜原液
を吐出し、約0.06秒間気体雰囲気中を通過後N−メ
チル−2−ピロリドン及びポリエチレングリコールを含
む水溶液である製膜原液に対して凝固性のある液体中へ
導いて凝固を行い、その後水中で溶媒及び添加剤を洗浄
した。更に70℃に保たれた40%のグリセリン水溶液
中に5秒間浸漬した後、95℃で乾燥し、外径230μ
m、内径200μm、膜の厚みが15μmの均質な中空
糸半透膜をえた。この様にして得られたポリアミドイミ
ド中空糸の内部の流動パラフィンをフロンで洗浄した
後、実施例1と同様に両端を樹脂で接着、切断して中空
糸の開口部を設けたサンプルを実施例1と同じ方法を用
いてγ線照射及びオートクレーブ処理前後の透析性能を
測定した。結果を表1に示す。
【0023】実施例3 反応容器に無水トリメリット酸192.1g(1.0モ
ル)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)8
7.5g(0.35モル)、ビトリレンジイソシアネー
ト171.8g(0.65モル)、N−メチル−2−ピ
ロリドン2000gを仕込み、攪拌しながら、200℃
まで約1時間で昇温した。その後、200℃で約5時間
攪拌し、反応を停止した。得られたポリマーの対数粘度
は、N−メチル−2−ピロリドン中、0.5g/dlの
濃度で0.98であった。また数平均分子量は1800
0であった。このポリマー溶液を実施例2と同様に製膜
原液を調製し、実施例2と同じ方法で中空糸膜を製膜し
た。得られた膜は外径240μm、内径205μm、膜
の厚みが17.5μmの均質な中空糸半透過膜であっ
た。
【0024】この様にして得られたポリアミドイミド膜
についてγ線照射、オートクレーブ処理前後の透析性能
を測定した。結果を表1に示す。
【0025】比較例1 実施例3のジフェニルメタンジイソシアネートとビトリ
レンジイソシアネートの仕込み量をそれぞれ125.0
g(0.50モル)及び132.2g(0.50モル)
にした外は、実施例3と同様にして重合を行い対数粘度
0.47dl/gのポリマー溶液を得た。ポリマーの数
平均分子量は9600と低い値であった。実施例と同様
の方法で中空糸膜を作製した。得られた膜は外径は26
0μm、内径は215μm、膜の厚みが22.5μmで
あった。得られた膜の透過性能を測定しようとしたが、
膜強度が弱く、樹脂接着部で糸折れが多発し、透過性能
測定が出来なかった。膜強度は表1に示した。
【0026】実施例4 反応容器に無水トリメリット酸192.1g(1.0モ
ル)、ジフェニルメタンジイソシアネート250.0g
(1.0モル)を仕込み、N−メチル−2−ピロリドン
2000gを仕込み、攪拌しながら、200℃まで約1
時間で昇温した。その後、200℃で約5時間攪拌し、
反応を停止した。得られたポリマーの対数粘度は、N−
メチル−2−ピロリドン中、0.5g/dlの濃度で
0.96であった。また数平均分子量は19000であ
った。このポリマー溶液を実施例2と同じ方法で中空糸
膜を製膜した。得られた膜は外径242μm、内径21
0μm、膜の厚みが16.0μmの均質な中空糸半透過
膜であった。
【0027】この様にして得られたポリアミドイミド膜
について膜構造及びγ線照射、オートクレーブ処理前後
の透析性能を測定した。結果を表1に示す。 実施例5 反応容器に無水トリメリット酸192.1g(1.0モ
ル)、2.4−トリレンジイソシアネート26.1g
(0.15モル)、ビトリレンジイソシアネート22
4.6g(0.85モル)、N−メチル−2−ピロリド
ン2000gを仕込み、攪拌しながら、200℃まで昇
温し、200℃で5時間反応させて後、反応を停止し
た。得られたポリマーの対数粘度は、N−メチル−2−
ピロリドン中、0.5g/dlの温度で1.7であっ
た。またこのポリマーの数平均分子量を実施例1と同様
の方法で測定した結果、41000であった。得られた
ポリマー溶液を用いて、2重管紡糸口金の内側からは空
気を吐出し、2重管の外側からポリマー溶液を吐出する
実施例1と同様の方法で中空糸膜を製膜し、外径233
μm、内径199μm、膜の厚み17μmの中空糸膜を
得た。この様にして得られたポリアミドイミド中空糸膜
を実施例1に記載したと同様の方法でγ線照射およびオ
ートクレーブ処理前後の透析性能を測定した。結果を表
3に示す。また同じ処理前の中空糸膜を使い、血液によ
る透過性能を測定した結果、血液中での透水速度は測定
開始15分後で、純水で測定した透水速度に対し、56
%の値を保持していた。またその後の透水速度の低下
も、60分後で8%と高い性能保持率を示した。血液中
の透水性能に関しては、尿素の透過係数測定様のサンプ
ルと同じやり方で作製したものを生理食塩液で充分洗浄
し、37℃で抗凝固材としてクエン酸ナトリウムを用い
た牛血液を流量20ml/minでサンプルモジュール
に供し、100mmHgの膜間圧力を供した際の透水速
度を血液を流しはじめてから15分後に測定し求めた。
血液を流しはじめてから初期である15分後の値を用
い、純水を用いた際の透水速度でわって血液における透
水性保持率αを求めた。 α=血液中での透水速度15分値/水中での透水速度 また血液を流しはじめてから、15分後と60分後を比
較し血液中での透水速度安定率C%を求めた。 C%=血液中の透水速度60分値/血液中の透水速度1
5分値×100 実施例1〜6、比較例と合わせて表2に示す。
【0028】実施例6 反応容器に無水トリメリット酸192.1g(1.0モ
ル)、2.4−トリレンジイソシアネート17.4g
(0.1モル)、ビトリレンジイソシアネート237.
9g(0.9モル)、N−メチル−2−ピロリドン20
00gを仕込み、攪拌しながら、200℃まで昇温し、
200℃で5時間反応させて後、反応を停止した。得ら
れたポリマーの対数粘度は、N−メチル−2−ピロリド
ン中、0.5g/dlの温度で2.0であった。また実
施例1と同様に測定した数平均分子量は59000であ
った。得られたポリマー溶液を用いて、実施例5と同様
の方法で外径235μm、内径201μm、膜の厚み1
7μmの中空糸膜を得た。この様にして得られたポリア
ミドイミド中空糸膜を実施例1に記載したと同様の方法
でオートクレーブ処理前後の透析性能を測定した。結果
を表3に示す。また同じ処理前の中空糸膜を使い、血液
による透過性能を測定した結果、血液中での透水速度は
測定開始15分後で、純水で測定した透水速度に対し、
45%の値を保持していた。またその後の透水速度の低
下も、60分後で9%と高い性能保持率を示した。
【0029】
【参考例】補体活性程度を比較するためにセルロースジ
アセテート中空糸膜を用いて実施例1と同様の測定用モ
ジュールを作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0030】
【発明の効果】本発明により、透水性少なくして、尿素
の透過性に優れ、補体活性少なく、かつγ線滅菌やオー
トクレーブ滅菌で膜性能の低下や劣化の少ない血液浄化
用中空糸膜を提供することが可能となる。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年2月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 血液浄化用中空糸膜
【特許請求の範囲】
【化1】 (但しR1 、R2 は水素及び/または炭素数1〜4のア
ルキル基であり、XはO、CO、SO2 、CR3 ・R4
で示される連結基を示し、R3 、R4 は水素、メチル
基、nは0または1を示す。)
【化2】
【化3】
【化4】 (但しR1 、R2 は水素及び/または炭素数1〜4のア
ルキル基であり、XはO、CO、SO2 、CR3 ・R4
で示される連結基を示し、R3 、R4 は水素、メチル
基、nは0または1を示す。)
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は人工腎臓として用いられ
る血液浄化用中空糸膜に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、人工腎臓として用いられていた中
空糸膜素材は特開昭58−50761等で示される再生
セルロース、特開昭54−6916等で示されるセルロ
ースエステル膜であったが、セルロース系の膜では、血
液中の補体成分が膜と接触することで活性化され、免疫
系の反応を引き起こすことが、またセルロースアセテー
トでもこの性質が不十分であることが知られており、な
おかつセルロースエステル系は耐熱性が不十分で、オー
トクレーブ滅菌が実施できないという欠点を有してい
た。またγ線滅菌でも劣化しやすい。ポリアミドイミド
膜については、特開昭63−283705、特開平2−
21931、特開平2−198619、特開平3−18
6328等があるが、ここに開示されている技術は浸透
気化法によって有機物水溶液から水と有機物を分離する
のにポリアミドイミド膜を用いる技術であり、膜構造に
関する記載はないが細孔半径は目的からいって10Å以
下であり、ここに開示されている膜は血液浄化用に用い
ることはできない。特開平1−123607、特開平1
−245806、特開平2−290230にもポリアミ
ドイミド膜が開示されているが、いずれも気体分離膜と
して用いる技術であって血液浄化に用いる膜技術の開示
はなく、かかる膜は孔径が小さすぎて血液浄化に用いる
ことはできない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来技術
の問題点、すなわち血液浄化用ポリアミドイミド膜であ
って、透水性が適度で、尿素の透過性にすぐれ、補体活
性少なく、γ線滅菌に対しても耐性で、かつオートクレ
ーブ滅菌可能な血液浄化用中空糸膜を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、本発明者らは鋭意研究の結果、特殊な構造のポリア
ミドイミド樹脂を用いることにより、加工性(溶融成形
性、溶液成形性)を有し、耐熱性、物理的及び化学的安
定性に優れ、かつ透水性と尿素の透過性バランスのよ
い、γ線滅菌、やオートクレーブ滅菌のような熱滅菌可
能な血液浄化用中空糸膜を得ることに成功した。すなわ
ち、本発明は下記化1で示されるポリアミドイミド構造
単位を含有するポリアミドイミド系中空糸膜であって、
平均細孔半径が10Å〜200Åの微細孔をもつ多孔性
ポリアミドイミド系血液浄化用中空糸膜である。
【0005】ことに、化2で示されるトリメリット酸又
は化3で示される無水トリメリット酸を全酸成分に対し
60モル%以上含有する酸成分と化4で示されるジイソ
シアネート化合物を全ジイソシアネート成分に対し60
モル%以上含有するジイソシアネート成分との反応で得
られるポリアミドイミド構成単位を含有する平均細孔半
径10Å〜200Åの微細孔をもつ血液浄化用中空糸膜
が好ましい。
【0006】本発明の化1で示されるポリアミドイミド
構成単位をもつポリアミドイミド樹脂のイソシアネート
法での製造で用いられる酸成分は主として化2で示され
るトリメリット酸、化3で示される無水トリメリット酸
であるがそれ以外の酸成分としてはピロメリット酸無水
物、3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無
水物、3,3’4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸無水物、3,3’4,4’−ビフェニルスルホンテ
トラカルボン酸無水物等の酸無水物や、アジピン酸、セ
バシン酸、マレイン酸、フマール酸、ダイマー酸、スチ
ルベンジカルボン酸等があげられる。
【0007】また化4で示されるジイソシアネート化合
物としては、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシ
アネートビフェニル(3,3’−ビトリレン−4,4’
−ジイソシアネート)、4,4’−ジフェニルエーテル
ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルスルホンジイ
ソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、2,2’−ジ−p−フェニルプロパンジイソシ
アネート等が上げられる。化2、3、4で示される酸成
分あるいはジイソシアネート成分のモル比が60モル%
以上である理由は、得られるポリマーの重合性、溶媒へ
の溶解性、膜性能にもとづいている。
【0008】本発明の前記目的を達成するための好まし
い膜素材は化1におけるR1 、R2がメチル基でnがゼ
ロである下記化5あるいはR1 、R2 が水素で、XがC
2、nが1である下記化6で示されるポリアミドイミ
ド構造単位を含有するポリアミドイミド樹脂である。
【0009】
【化5】
【0010】
【化6】 この理由は血液浄化用中空膜の耐熱性、高透過性能、物
理的、化学的安定性における本発明の優位性が発揮され
るに必要な最小量を意味する。即ち、60モル%未満で
は高い透過性能を有し、更に、高圧蒸気滅菌その他の加
熱滅菌、γ線その他の放射線滅菌、エチレンオキサイド
ガス滅菌、紫外線照射滅菌等の膜滅菌方法に対して、優
れた耐性を有する血液浄化用中空糸を得ることができな
い。一方、中空糸に加工する為の、溶融成形(加工)性
や、溶液成形(加工)性の点から化1の構造式以外の単
位を40モル%未満の範囲で導入することができる。本
発明のポリアミドイミドの対数粘度はN−メチル−2−
ピロリドン中、30℃で測定し、0.5〜3.5dl/
g、好ましくは1.0〜2.0dl/gである。又、本
発明のポリアミドイミドの分子量は、膜の成形性及び膜
の機械的強度の点から数平均分子量で10000以上8
0000以下が好ましく、特に好ましいのは数平均分子
量で20000以上60000以下である。
【0011】本発明のポリアミドイミドを得る方法とし
て、好ましい方法は前記イソシアネート法であるがジア
ミンを用いる方法を採用することもでき、この場合用い
る酸成分としては、トリメリット酸、無水トリメリット
酸クロライドを全酸成分の60モル%以上用い、それ以
外の酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、4,
4’−ビフェニルジカルボン酸、ピロメリット酸、3,
3’、4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン
酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマール
酸、ダイマー酸、スチルベンジカルボン酸が用いられ
る。
【0012】全アミン成分に対し60モル%以上用いる
アミン成分としては、4,4’−ジアミノジフェニルエ
ーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,
4’−ジアミノ−ジフェニルスルホン、4,4’−ジア
ミノベンゾフェノン、2,2’−ビス(4−アミノフェ
ニル)プロパン、o−トリジン等であり、その他のアミ
ン成分としてはP−フェニレンジアミン、m−フェニレ
ンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリ
レンジアミン、p−キシレンジアミン、m−キシレンジ
アミン、イソホロン、ヘキサメチレン−ジアミン、など
である。
【0013】本発明の中空糸膜は、膜厚が5〜100μ
m、好ましくは10〜80μm、平均細孔半径10〜2
00Å、好ましくは20〜100Å、空孔率70〜90
%の微細孔が存在する均質あるいは非対称の多孔性中空
糸膜である。かかる中空糸膜は溶融したポリアミドイミ
ド樹脂あるいはポリアミドイミドのアミド系溶媒に必要
により多価アルコールを添加した溶液を二重管ノズルの
外周部より吐出し、芯部から気体又はポリマー溶液に対
して非凝固性液体又は凝固性液体を吐出し、直接又は気
体雰囲気中を通過させたのち凝固浴中に浸漬する。さら
に水中で溶媒及び添加剤の一部は全部を抽出し、必要に
より孔径保持剤を付与した後乾燥することにより製造さ
れる。
【0014】溶液成形に用い得る溶媒としてはジメチル
ホルミアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2
−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチル尿素な
どの極性溶剤を挙げることができるが、これらと併用し
て、トルエン、キシレンなどの炭化水素系、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサンなどのケトン系、エチルセロソルブ、ジエチレ
ングリコール−ジメチルエーテル、ジオキサン等のエー
テル系あるいは酢酸エチル、酢酸n−ブチル、γ−ブチ
ロラクトン等のエステル系の溶剤を混合して使用するこ
ともできる。
【0015】本発明の溶液成形に用いる製膜原液には、
膜の透過性能調製のために上記溶剤の外に、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、グリセリンその他の多価アルコールあるいはその
低級アルキルエーテル誘導体等を少なくとも1種類以上
添加することができる。
【0016】かかる方法で製造される血液浄化用中空糸
膜は、血液透析、血液濾過、血液浄化などの医療用分野
等に用いられる。
【0017】血液浄化膜であるためには、前記耐γ線滅
菌性や耐オートクレーブ滅菌性に優れるとともに尿素の
ような不要の低分子量物質を効果的に除去するが水の除
去性(透水量)が大きすぎるのは好ましくなく、かつ前
記のように補体活性が小でなければならない。また取扱
性の面から強度も要求される。膜厚は補体活性及び強度
に影響し、細孔半径は透析性能に影響する。空孔率は膜
の中で占める細孔容積率を意味し、例えば平均細孔半径
15〜25Åの細孔がどれだけ存在するかを示し、空孔
率が大きい程細孔の占める量の多いことを示す。血液浄
化膜で半径10〜200Åの細孔が多数存在するのが透
水量、透析性能の点から望ましい。
【0018】
【実施例】 実施例1 反応容器に無水トリメリット酸(TMA)192.1g
(1.0モル)、2,4−トリレンジイソシアネート
(TDI)34.8g(0.20モル)、ビトリレンジ
イソシアネート(TODI)211.4g(0.80モ
ル)、N−メチル−2−ピロリドン2000gを仕込
み、攪拌しながら、200℃まで約1時間で昇温した、
その後、200℃で約5時間攪拌し、反応を停止した。
得られたポリマーの対数粘度は、N−メチル−2−ピロ
リドン中、0.5g/dlの濃度で1.56dl/gで
あった。また島津製作所(株)クロマトバックLC/6
Aを用いて、以下の条件で測定した数平均分子量は30
000であった。 測定条件 移動層:DMF/LiBr(0.1wt%) カラム:ShodexAD800P→AD804/S→ AD803S→AD802/S 流速 :1ml/min 温度 :50℃ サンプル:アセトン再沈、洗浄したものを用いた。 得られたポリマー溶液に、テトラエチレングリコール2
50gを加えて100℃で2時間攪拌を行い均質なポリ
マー溶液を得た。この製膜原液を用いて、2重管紡糸口
金を用いて、2重管の内側から空気を吐出し、2重管の
外側からは製膜原液を吐出し、約0.01秒間気体雰囲
気中を通過後N−メチル−2−ピロリドン及びテトラエ
チレングリコールを含む水溶液である製膜原液に対して
凝固性のある液体中へ導いて凝固を行い、その後水中で
溶媒及び添加剤を洗浄した。更に70℃に保たれた50
%のグリセリン水溶液中に5秒間浸漬した後、95℃で
乾燥し、外径237μm、膜の厚み18.5μmの均質
な中空糸膜を得た。
【0019】この様にして得られたポリアミドイミド中
空糸及びγ線照射あるいはオートクレーブ処理を施した
中空糸を120本の束にし、約20cmの長さが残るよ
うに両端をエポキシ樹脂で固めてから中空糸の開口部が
出るように接着した樹脂の1部を残して切断して、得ら
れた評価用の中空糸束を純水で充分洗浄し、37℃に調
製した純水を150mmHgの圧力を保ちながら中空糸
内に流し、水透過速度(UFR)を測定した。結果を後
記表1に示した。また800本の束にした中空糸を同様
にエポキシで固めた後切断し透過係数測定用のサンプル
とした。表1における諸性能の単位は次のようである。 UFR:ml/m2・hr・mmHg PUN:cm/sec 強度 :kg/mm2 伸度 :% このサンプルを用いてクラインの方法で、以下の条件で
尿素の透過係数(PUN)を測定した。結果を表1に示
す。 測定条件 溶質原液:尿素5gを純水1リットルに溶解した液 供給速度Qb 17ml/min 透析液 :純水37℃ 供給速度Qd 1200ml/
min 溶質の透過係数Pは次式のように定義される。 P=Qb×1n(C1 /C2 )/A ここで、Qb:溶質原液流速(ml/分) A :膜面積(cm2 ) C1:入口溶質濃度(g/l) C2:出口溶質濃度(g/l) 平均細孔半径は透水量(UFR)及び空孔率を用いてHa
gen Poiseuilleを変形した数1で求めた。
【0020】
【数1】 但し、 r:平均細孔半径(Å) η:純水の粘度/37℃ L:膜の厚み(μm) UFR:純水の透過速度(ml
/m2・hr・mmHg ε:膜の空孔率(%) 中空糸膜の補体活性の評価は、Experimental Imuno Che
mistry P-133(1961)に記載のメイヤー法に従った。ここ
で空孔率(ε)の測定は、中空糸の束を適当量取り純水
で充分に洗浄したのちに遠心脱水機で表面の余分の水分
を除く。次いで乾燥しないよう素早く中空糸の重量を測
定後、105℃で3時間乾燥、乾燥後の重量を測定し次
式で数2で求めた。
【0021】
【数2】 Ww:乾燥前の中空糸重量(g) Wd:乾燥後の中空糸重量(g) ρ :ポリマーの比重
【0022】実施例2 反応容器に無水トリメリット酸192.1g(1.0モ
ル)、2,4−トリレンジイソシアネート43.5g
(0.25モル)、ビトリレンジイソシアネート19
8.2g(0.75モル)、N−メチル−2−ピロリド
ン2000gを仕込み、攪拌しながら、200℃まで約
1時間で昇温した。その後、200℃で約5時間攪拌
し、反応を停止した。得られたポリマーの対数粘度は、
N−メチル−2−ピロリドン中、0.5g/dlの濃度
で1.15dl/gであった。また数平均分子量は24
000であった。このポリマー溶液に分子量200のポ
リエチレングリコール250gを加えて100℃で2時
間攪拌を行い均質なポリマー溶液を得た。この製膜原液
を用いて、2重管紡糸口金を用いて、2重管の内側から
は流動パラフィンを吐出し、2重管の外側から製膜原液
を吐出し、約0.06秒間気体雰囲気中を通過後N−メ
チル−2−ピロリドン及びポリエチレングリコールを含
む水溶液である製膜原液に対して凝固性のある液体中へ
導いて凝固を行い、その後水中で溶媒及び添加剤を洗浄
した。更に70℃に保たれた40%のグリセリン水溶液
中に5秒間浸漬した後、95℃で乾燥し、外径230μ
m、内径200μm、膜の厚みが15μmの均質な中空
糸半透膜をえた。この様にして得られたポリアミドイミ
ド中空糸の内部の流動パラフィンをフロンで洗浄した
後、実施例1と同様に両端を樹脂で接着、切断して中空
糸の開口部を設けたサンプルを実施例1と同じ方法を用
いてγ線照射及びオートクレーブ処理前後の透析性能を
測定した。結果を表1に示す。
【0023】実施例3 反応容器に無水トリメリット酸192.1g(1.0モ
ル)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)8
7.5g(0.35モル)、ビトリレンジイソシアネー
ト171.8g(0.65モル)、N−メチル−2−ピ
ロリドン2000gを仕込み、攪拌しながら、200℃
まで約1時間で昇温した。その後、200℃で約5時間
攪拌し、反応を停止した。得られたポリマーの対数粘度
は、N−メチル−2−ピロリドン中、0.5g/dlの
濃度で0.98であった。また数平均分子量は1800
0であった。このポリマー溶液を実施例2と同様に製膜
原液を調製し、実施例2と同じ方法で中空糸膜を製膜し
た。得られた膜は外径240μm、内径205μm、膜
の厚みが17.5μmの均質な中空糸半透過膜であっ
た。
【0024】この様にして得られたポリアミドイミド膜
についてγ線照射、オートクレーブ処理前後の透析性能
を測定した。結果を表1に示す。
【0025】比較例1 実施例3のジフェニルメタンジイソシアネートとビトリ
レンジイソシアネートの仕込み量をそれぞれ125.0
g(0.50モル)及び132.2g(0.50モル)
にした外は、実施例3と同様にして重合を行い対数粘度
0.47dl/gのポリマー溶液を得た。ポリマーの数
平均分子量は9600と低い値であった。実施例と同様
の方法で中空糸膜を作製した。得られた膜は外径は26
0μm、内径は215μm、膜の厚みが22.5μmで
あった。得られた膜の透過性能を測定しようとしたが、
膜強度が弱く、樹脂接着部で糸折れが多発し、透過性能
測定が出来なかった。膜強度は表1に示した。
【0026】実施例4 反応容器に無水トリメリット酸192.1g(1.0モ
ル)、ジフェニルメタンジイソシアネート250.0g
(1.0モル)を仕込み、N−メチル−2−ピロリドン
2000gを仕込み、攪拌しながら、200℃まで約1
時間で昇温した。その後、200℃で約5時間攪拌し、
反応を停止した。得られたポリマーの対数粘度は、N−
メチル−2−ピロリドン中、0.5g/dlの濃度で
0.96であった。また数平均分子量は19000であ
った。このポリマー溶液を実施例2と同じ方法で中空糸
膜を製膜した。得られた膜は外径242μm、内径21
0μm、膜の厚みが16.0μmの均質な中空糸半透過
膜であった。
【0027】この様にして得られたポリアミドイミド膜
について膜構造及びγ線照射、オートクレーブ処理前後
の透析性能を測定した。結果を表1に示す。 実施例5 反応容器に無水トリメリット酸192.1g(1.0モ
ル)、2.4−トリレンジイソシアネート26.1g
(0.15モル)、ビトリレンジイソシアネート22
4.6g(0.85モル)、N−メチル−2−ピロリド
ン2000gを仕込み、攪拌しながら、200℃まで昇
温し、200℃で5時間反応させて後、反応を停止し
た。得られたポリマーの対数粘度は、N−メチル−2−
ピロリドン中、0.5g/dlの温度で1.7であっ
た。またこのポリマーの数平均分子量を実施例1と同様
の方法で測定した結果、41000であった。得られた
ポリマー溶液を用いて、2重管紡糸口金の内側からは空
気を吐出し、2重管の外側からポリマー溶液を吐出する
実施例1と同様の方法で中空糸膜を製膜し、外径233
μm、内径199μm、膜の厚み17μmの中空糸膜を
得た。この様にして得られたポリアミドイミド中空糸膜
を実施例1に記載したと同様の方法でγ線照射およびオ
ートクレーブ処理前後の透析性能を測定した。結果を表
3に示す。また同じ処理前の中空糸膜を使い、血液によ
る透過性能を測定した結果、血液中での透水速度は測定
開始15分後で、純水で測定した透水速度に対し、56
%の値を保持していた。またその後の透水速度の低下
も、60分後で8%と高い性能保持率を示した。血液中
の透水性能に関しては、尿素の透過係数測定様のサンプ
ルと同じやり方で作製したものを生理食塩液で充分洗浄
し、37℃で抗凝固材としてクエン酸ナトリウムを用い
た牛血液を流量20ml/minでサンプルモジュール
に供し、100mmHgの膜間圧力を供した際の透水速
度を血液を流しはじめてから15分後に測定し求めた。
血液を流しはじめてから初期である15分後の値を用
い、純水を用いた際の透水速度でわって血液における透
水性保持率αを求めた。 α=血液中での透水速度15分値/水中での透水速度 また血液を流しはじめてから、15分後と60分後を比
較し血液中での透水速度安定率C%を求めた。 C%=血液中の透水速度60分値/血液中の透水速度1
5分値×100 実施例1〜6、比較例と合わせて表2に示す。
【0028】実施例6 反応容器に無水トリメリット酸192.1g(1.0モ
ル)、2.4−トリレンジイソシアネート17.4g
(0.1モル)、ビトリレンジイソシアネート237.
9g(0.9モル)、N−メチル−2−ピロリドン20
00gを仕込み、攪拌しながら、200℃まで昇温し、
200℃で5時間反応させて後、反応を停止した。得ら
れたポリマーの対数粘度は、N−メチル−2−ピロリド
ン中、0.5g/dlの温度で2.0であった。また実
施例1と同様に測定した数平均分子量は59000であ
った。得られたポリマー溶液を用いて、実施例5と同様
の方法で外径235μm、内径201μm、膜の厚み1
7μmの中空糸膜を得た。この様にして得られたポリア
ミドイミド中空糸膜を実施例1に記載したと同様の方法
でオートクレーブ処理前後の透析性能を測定した。結果
を表3に示す。また同じ処理前の中空糸膜を使い、血液
による透過性能を測定した結果、血液中での透水速度は
測定開始15分後で、純水で測定した透水速度に対し、
45%の値を保持していた。またその後の透水速度の低
下も、60分後で9%と高い性能保持率を示した。
【0029】
【参考例】補体活性程度を比較するためにセルロースジ
アセテート中空糸膜を用いて実施例1と同様の測定用モ
ジュールを作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0030】
【発明の効果】本発明により、透水性少なくして、尿素
の透過性に優れ、補体活性少なく、かつγ線滅菌やオー
トクレーブ滅菌で膜性能の低下や劣化の少ない血液浄化
用中空糸膜を提供することが可能となる。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1で示されるポリアミドイミド構
    造単位を含有し平均細孔半径10Å〜200Åの微細孔
    をもつ血液浄化用中空糸膜。 【化1】 (但しR1 、R2 は水素及び/または炭素数1〜4のア
    ルキル基であり、XはO、CO、SO2 、CR3 ・R4
    で示される連結基を示し、R3 、R4 は水素、メチル
    基、nは0または1を示す。)
  2. 【請求項2】 化2で示されるトリメリット酸又は化3
    で示される無水トリメリット酸を全酸成分に対し60モ
    ル%以上含有する酸成分と、化4で示されるジイソシア
    ネート化合物を全ジイソシアネート成分に対し60モル
    %以上含有するジイソシアネート成分との反応で得られ
    る請求項1に記載のポリアミドイミド構成単位を含有
    し、平均細孔半径10Å〜200Åの微細孔をもつ血液
    浄化用中空糸膜。 【化2】 【化3】 【化4】 (但しR1 、R2 は水素及び/または炭素数1〜4のア
    ルキル基であり、XはO、CO、SO2 、CR3 ・R4
    で示される連結基を示し、R3 、R4 は水素、メチル
    基、nは0または1を示す。)
JP4087149A 1992-04-08 1992-04-08 血液浄化用中空糸膜 Pending JPH06165819A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4087149A JPH06165819A (ja) 1992-04-08 1992-04-08 血液浄化用中空糸膜
US08/042,775 US5266197A (en) 1992-04-08 1993-04-06 Hollow fiber membrane for blood purification
CA002093619A CA2093619A1 (en) 1992-04-08 1993-04-07 Hollow fiber membrane for blood purification
EP19930105762 EP0568828A3 (en) 1992-04-08 1993-04-07 Hollow fiber membrane for blood purification

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4087149A JPH06165819A (ja) 1992-04-08 1992-04-08 血液浄化用中空糸膜

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06165819A true JPH06165819A (ja) 1994-06-14

Family

ID=13906925

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4087149A Pending JPH06165819A (ja) 1992-04-08 1992-04-08 血液浄化用中空糸膜

Country Status (4)

Country Link
US (1) US5266197A (ja)
EP (1) EP0568828A3 (ja)
JP (1) JPH06165819A (ja)
CA (1) CA2093619A1 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005285740A (ja) * 2004-03-03 2005-10-13 Toyobo Co Ltd 多孔質膜とその製造法及びこれを用いたリチウムイオン二次電池
JP2005285739A (ja) * 2004-02-23 2005-10-13 Toyobo Co Ltd 多孔質膜とその製造法及びこれを用いたリチウムイオン二次電池
JP2005281669A (ja) * 2004-03-03 2005-10-13 Toyobo Co Ltd 多孔質膜とその製造法及びこれを用いたリチウムイオン二次電池
KR101295372B1 (ko) * 2011-10-06 2013-08-12 한국화학연구원 나노 및 세미나노 장섬유, 및 이의 제조방법
JP2016538122A (ja) * 2013-11-14 2016-12-08 インテグリス・インコーポレーテッド 微孔性ポリアミドイミド膜

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
USRE36914E (en) * 1992-10-07 2000-10-17 Minntech Corp Dialysate filter including an asymmetric microporous, hollow fiber membrane incorporating a polyimide
US5605627A (en) * 1992-10-07 1997-02-25 Minntech Corporation Dialysate filter including an asymmetric microporous, hollow fiber membrane incorporating a polyimide
JP3489922B2 (ja) * 1994-12-22 2004-01-26 日東電工株式会社 高透過性複合逆浸透膜の製造方法
US5674394A (en) * 1995-03-24 1997-10-07 Johnson & Johnson Medical, Inc. Single use system for preparation of autologous plasma
JP2002514762A (ja) * 1998-05-09 2002-05-21 アイコニシス,インコーポレーテッド コンピュータによって制御された、胎児細胞を含む希少細胞に基づく診断のための方法および装置
US7261813B2 (en) * 2004-08-10 2007-08-28 Clemson University Monolithic structures comprising polymeric fibers for chemical separation by liquid chromatography

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5628603A (en) * 1979-08-14 1981-03-20 Nitto Electric Ind Co Ltd Liquid separating device
JPS61257202A (ja) * 1985-05-09 1986-11-14 Agency Of Ind Science & Technol 分離膜
EP0321569B1 (en) * 1986-12-15 1992-04-08 Mitsubishi Kasei Corporation Process for separating liquid mixture
JPH0788602B2 (ja) * 1987-01-08 1995-09-27 三菱化学株式会社 コポリアミドイミド中空糸
NO173366C (no) * 1987-11-02 1993-12-08 Tokyo Bi Tech Lab Inc Membran av hule fibre for rensing av blod, framgangsm}te for rensing av blod, og apparat for rensing av blod
JP2842535B2 (ja) * 1988-07-25 1999-01-06 三菱化学株式会社 芳香族ポリアミドイミド

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005285739A (ja) * 2004-02-23 2005-10-13 Toyobo Co Ltd 多孔質膜とその製造法及びこれを用いたリチウムイオン二次電池
JP2005285740A (ja) * 2004-03-03 2005-10-13 Toyobo Co Ltd 多孔質膜とその製造法及びこれを用いたリチウムイオン二次電池
JP2005281669A (ja) * 2004-03-03 2005-10-13 Toyobo Co Ltd 多孔質膜とその製造法及びこれを用いたリチウムイオン二次電池
JP4591010B2 (ja) * 2004-03-03 2010-12-01 東洋紡績株式会社 多孔質膜とその製造法及びこれを用いたリチウムイオン二次電池
KR101295372B1 (ko) * 2011-10-06 2013-08-12 한국화학연구원 나노 및 세미나노 장섬유, 및 이의 제조방법
JP2016538122A (ja) * 2013-11-14 2016-12-08 インテグリス・インコーポレーテッド 微孔性ポリアミドイミド膜
US10532329B2 (en) 2013-11-14 2020-01-14 Entegris, Inc. Microporous polyamide-imide membranes
US10919001B2 (en) 2013-11-14 2021-02-16 Entegris, Inc. Microporous polyamide-imide membranes

Also Published As

Publication number Publication date
US5266197A (en) 1993-11-30
EP0568828A3 (en) 1993-12-01
CA2093619A1 (en) 1993-10-09
EP0568828A2 (en) 1993-11-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4385084A (en) Process for preparing a selective permeable membrane
JPH06165819A (ja) 血液浄化用中空糸膜
JPH0711019A (ja) 均質混合可能なポリマーアロイの半透膜
JPH07100201A (ja) 血液浄化用膜
JPH06335522A (ja) 血液適合性材料
US5536408A (en) Hydrophilic, asymmetric, chemically-resistant polyaramide membrane
JPH053335B2 (ja)
JPS5837842B2 (ja) 限外濾過膜の製造方法
US5859175A (en) Process for the preparation of polyether amide solutions, steam-sterilizable dialysis membranes obtainable using the polyether-amide solutions, and a process for the production of these membranes
JP3234885B2 (ja) 気体分離膜
JP4352709B2 (ja) ポリスルホン系半透膜およびそれを用いた人工腎臓
JPS63283705A (ja) ポリアミドイミド選択透過膜
JP2508732B2 (ja) 選択透過性中空糸複合膜及びその製造法
JPS587324B2 (ja) 選択性透過膜の製造方法
JP2522312B2 (ja) 選択透過性中空糸複合膜及びその製造方法
JP2000210544A (ja) 半透膜の製造方法
JPH0263535A (ja) 製膜用キャスティングドープ液
JPS61115570A (ja) 血液浄化用多孔質膜
JPS6247367A (ja) 血液濃縮器
JPH07100344A (ja) ポリアミドイミド系分離膜
JPH0199607A (ja) 濾過膜
JPS62244403A (ja) 選択透過性膜
JP2001070766A (ja) 分離膜
JPS59139902A (ja) 選択性透過膜の製造方法
JPS62213807A (ja) 選択透過性膜