JP2508732B2 - 選択透過性中空糸複合膜及びその製造法 - Google Patents

選択透過性中空糸複合膜及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、海水やカン水の淡水化、生活排水の処理、
無菌水の製造、超純水の製造、各種廃水からの有価物の
回収などに利用する逆浸透膜及び限外ろ過膜あるいは人
工腎臓などの血液浄化に利用される透析膜等の流体分離
膜に関するものである。
(従来の技術) 逆浸透膜を用いる水処理法は、被処理水の相変化をと
もなわない分離、濃縮が可能な省エネルギー型の方法で
あるため、上述のような多くの分野において近年近く実
施されるようになった。従って、このような発展にとも
ない逆浸透膜として供せられる素材についてもこれまで
多くの化合物が検討されている。しかしながら、逆浸透
膜素材の分子設計については、まだまだ経験的なものに
頼らざるを得ず、しかも、それに必要な性能要件として
は、 適度の親水性と適度の疎水性を持つ。
膜にした時に高い架橋度と低い結晶化度を有す。
耐圧性などの機械的強度とシーリングに必要な可撓
性を持つ。
といった相反した性能が適当にバランスしてなければな
らないということがあげられる。その中で、現在利用さ
れている逆浸透膜の素材としては、酢酸セルロース、三
酢酸セルロースなどのセルロース系誘導体、あるいは、
芳香族ポリアミドやポリイミドといった剛直な耐熱性高
分子が多く利用されている。これらのうち酢酸セルロー
スと芳香族ポリアミドを例に掲げ比較すると、酢酸セル
ロースの場合、高い塩排除率と耐塩素性を有するといっ
た利点があげられるが、反面、耐バクテリア性に弱く、
処理する原水のpH範囲が約3〜8と狭い領域に限られて
しまうといった欠点がある。一方、芳香族ポリアミドの
場合、比較的高い塩排除率が得られ、耐バクテリア性を
良く、処理する原水のpH範囲も広くとれるといった利点
があるが、反面、全成膜一般に言われていることではあ
るが、耐塩素性などの耐酸化性に劣るといった欠点があ
る。にもかかわらず現在のところ、これらの性能を陵駕
するような素材は得られていない。
また、特に海水やカン水の淡水化に利用される逆浸透
膜は高い圧力を加えた状態で使用されるため、長時間使
用すると、膜中に無数に分布している微小空隙が次第に
圧縮されて密度の高いものとなる傾向がある。圧密化と
呼ばれるこの回復不能の変化がおこると、逆浸透膜は水
を透過させ難くなるだけでなく、溶存物質の排除特性も
変化し、初期の性能を維持し得なくなる。このような欠
点を解決すべく、従来から様々な努力が払われてきた。
その考え方の一つは多孔性支持膜の表面に適当な方法で
非対称性膜の表面活性層に相当する超薄膜を形成させた
二層構造からなる複合膜である。ここでいう非対称性膜
とは、ロエブースーリラージャン(Loeb−Sourirajan)
膜に代表される膜構造の一つであり、同一素材により半
透性を有する薄い緻密な表面活性層と、それを支える比
較的厚い多孔質層からなる二層構造を形成させた膜であ
る。
一般に、逆浸透膜性能と呼ばれるものは、大きく二つ
に分けることができ、それらは水の透過流量と塩の排除
率である。これらのうち後者は、膜厚にはあまり影響さ
れないが前者は半透性を持つ表面活性層部分の有効厚に
反比例することから、表面活性層を極薄にすることはす
なわち、逆浸透膜の高性能化につながる。非対称膜や複
合膜は、本質的にはこのカテゴリーに属するものであ
り、類似の膜形態を有しているが、前者は同一素材によ
るもの後者は異種素材によるものという点で異なってい
る。従って後者すなわち複合膜の場合、 表面活性層を形成する膜素材と多孔性支持体とを機
能別に分け、別々に選択最適化ができる。
活性層、支持体をそれぞれ適した製法で作ることが
できる。
膜の高性能化や高耐久性化が期待できる。
などの利点を上げることができる。
多孔質支持体に関する高分子重合としては、従来よ
り、ポリカーボネートや、ポリフェニレンオキシド、ポ
リスルホンなどが検討されてきたが、現在のところ芳香
族ポリスルホンが広く一般に利用されている。これは芳
香族ポリスルホンがもともと耐熱性高分子で耐熱性に優
れ、耐酸化性に優れ、また剛直で耐圧性に優れるといっ
た特徴を持つ非晶性ポリマーであるからであろう。
さらに複合膜の製造法について触れるとこれは次の3
つの方法に大別することができる。
イ 支持体上にポリマーを被覆したタイプ。
ロ 支持体上にポリマーを被覆し架橋したタイプ。
ハ 支持体上でモノマーあるいはプレポリマーを重合さ
せ被覆したタイプ。
これらのうち現在実用化されている複合膜のほとんど
がハのタイプによるものであるが、この方法はこれらの
複合膜の製法の中でも製膜時の操作やモノマーあるいは
プレポリマーの反応条件などが煩雑で、生成する複合膜
の再現性が悪いといった欠点を有している。にもかかわ
らずハの製法が一般に利用されているのは、支持体とす
るポリスルホンが通常よく用いられる溶媒である非プロ
トン性のアミド系溶媒やエステル、ケトンなどに侵され
るためである。すなわち、複合膜製膜時、表面活性層と
なる高分子重合体の溶媒が支持体であるポリスルホンに
対して溶解能をもつ場合には、支持体となるポリスルホ
ンが破壊され、複合膜の製造が極めて困難なものとな
る。芳香族ポリアミドの多くは芳香族ポリスルホンに対
し非溶剤である溶剤に溶かすことはできず、従って、水
溶性ポリアミンを支持体に被覆した後、ヘキサンに溶解
した芳香族ジイソシアネートや芳香族塩化アシルと支持
体表面上で重縮合反応を行わせることにより複合膜を形
成する方法(例えば、Desalination,19,113(1976)“5
th Int.Symp.on Fresh Water from the Sea"vol4,267
(1976)など)や支持体膜の表面にフルフリルアルコー
ル、硫酸などを含む水溶液を塗布し、140℃程度で熱処
理することにより架橋高分子とスルホン化を同時に行わ
せて複合膜を形成する方法(例えばU.S.Patent3926798
(1975))といった煩雑な、いわゆる界面重縮合反応が
広く利用されており、成膜最も簡便であると考えられる
前記したイの複合膜製造法は、表面活性層がポリアミド
系重合体の場合には、ポリスルホン支持膜とポリアミド
重合体との耐溶剤性の問題から、これまで利用すること
は困難であった。
また、これらの複合膜の形態はほとんどがシート状膜
であり、中空糸膜形態を用いた例は少ない。中空糸膜を
利用すると、シート状膜を利用するよりも、モジュール
に組み込んだ場合モジュール単位容積当りの膜面積を大
きくとることができ、従って、モジュール単位容積当り
の造水量が増え、増水コストを下げるといった利点があ
る。にもかかわらず芳香族ポリアミド系高分子重合体を
活性層とし、芳香族ポリスルホン多孔層を支持体とする
複合中空糸膜の例はない。これは前記したこれまでの複
合膜化法が煩雑であり、しかも成膜時の操作性及び生産
性の点で中空糸膜には適さなかったからに他ならない。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は逆浸透膜に利用される中空糸複合膜に於て、
芳香族ポリアミド系高分子重合体を活性層とし、芳香族
ポリスルホン多孔性支持体上に被覆した二重構造を持つ
中空糸複合膜を提出し、しかもこの中空糸複合膜を製造
する工程に於て、芳香族ポリアミド系高分子重合体を芳
香族ポリスルホンに対し非溶剤である溶剤に溶かした
後、これを芳香族ポリスルホン多孔性支持体に塗布する
だけで良好な逆浸透性能を有し、耐圧性に優れる中空糸
複合膜が得られる中空糸複合膜の製造方法を提供するも
のである。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等は前記の問題点を解決すべく鋭意検討を行
ってきた結果特定の化学構造を持つ芳香族ポリアミド高
分子重合体を溶解し、しかも芳香族ポリスルホンを溶解
しない溶剤が存在することを見出し、本発明に到達した
ものである。すなわち本発明は、 (1) ジアミノジフェニルスルホンとピペラジンおよ
び/またはジアミノ安息香酸との混合ジアミンからなる
アミン成分と芳香族ポリカルボン酸またはその誘導体で
ある酸成分との反応で得られる芳香族コポリアミド
(A)が芳香族ポリスルホンを主成分とする多孔性中空
糸支持体表面に厚さ0.03〜10μmで均一に被覆されてい
ることを特徴とする選択透過性中空糸複合膜および (2) ジアミノジフェニルスルホンとピペラジンおよ
び/またはジアミノ安息香酸との混合ジアミンからなる
アミン成分と芳香族ポリカルボン酸またはその誘導体を
成分とする酸成分との反応で得られるコポリアミド
(A)溶液を芳香族ポリスルホンを主成分とする多孔性
中空糸支持体表面にコートする際該コポリアミド(A)
溶液が、芳香族ポリスルホンを主成分とする多孔性中空
糸支持体を溶解しない溶液であることを特徴とする選択
透過性中空糸複合膜の製造方法である。
本発明でいう芳香族ポリアミドとしては、アミン成分
として、ジアミノジフェニルスルホンの他に適当な親水
性を有するジアミン化合物を適度に混合することが本発
明の主旨に対して好ましく、このような適当な親水性を
有するジアミン化合物としては、ジアミノ安息香酸、あ
るいはピペラジンがより好ましい。これらのうち、ジア
ミノジフェニルスルホンの例としては、3,3′−ジアミ
ノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルス
ルホンあるいはこれらの化合物のうち芳香環に結合して
いる少なくとも一つの水素原子を活性水素を有しない1
価の有機性基に置換した化合物が揚げられる。またジア
ミノ安息香酸の例としては3,5−ジアミノ安息香酸が揚
げられ、本発明に於いては、ジアミノ安息香酸のカルボ
ン酸基がアルカリ金属、アルカリ土類金属、第4級アン
モニウム基の塩であっても差支えない。またピペラジン
誘導体としては、ピペラジン、t−2,5−ジメチルピペ
ラジンなどが揚げられる。さらにジアミノフェニルスル
ホンと親水性ジアミンとのブレンド比は、モル比で99/1
〜50/50が好ましく、望ましくは90/10〜60/40のモル比
でブレンドすることがより好ましい。これは親水性ジア
ミンのブレンド比がモル比で50%を超えると塩除去率が
低下し、脱強度も低下するからである。
またこれらのジアミンと反応させる芳香族塩化アシル
は2個以上の芳香環に直接結合した塩化アシル基を有す
るもであれば特に制限されるものではないが、より好ま
しくは、イソフタル酸クロリド、テレフタル酸クロリ
ド、トリメリット酸クロリドなどが用いられる。従っ
て、本発明にいう高分子重合体(A)としては例えば、 などを揚げることができるが、ジアミノジフェニルスル
ホン成分として種々のジアミノジフェニルスルホンを混
在させても、また親水性ジアミン成分として本発明にい
う種々の親水性ジアミン成分を混在させても構わないこ
とはもちろんのこと、種々の芳香族塩化アシルが混在す
る塩化物成分との反応生成物でも構わない。さらに本発
明にいう高分子重合体(A)は、上記したジアミン成分
と芳香族塩化アシルとの溶液重合あるいは界面重合など
の公知の方法により合成することが可能でその合成法に
よって制限されるものではないことは言うまでもない。
また、本発明において用いる芳香族ポリスルホンは次
の一般式(III)又は(IV)で表わされる繰り返し単位
を有する重合体であり、その具体例としては、(V)
(VI)(VII)に示す繰り返し単位 −Ar−SO2−Ar−O−(Ar−Rn−Ar−X)m− (III) −Ar−SO2−Ar−SO2−Ar−O− (IV) (但し、Arはそれぞれ同一又は異なる芳香族基を示し、
Rは二価の有機基を示し、XはO又はSO2を示し、m及
びnはそれぞれ0又は1を示す。) を有する芳香族ポリスルホンがより好ましく用いられ
る。さらにこれら芳香族ポリスルホンを主成分とする多
孔性中空系支持体は、例えば特許出願公開公報昭57−72
02にみられる方法を準備して、芳香族ポリスルホンをN,
N−ジメチルアセトアミドに溶解し、これに非溶剤とし
てポリエチレングリコール及び/又は界面活性剤を加え
た溶液をドープ溶液とし、乾湿式紡糸をすることにより
容易に得られ、より好ましくは、このようにして得られ
た芳香族ポリスルホン多孔性中空糸支持体を加圧下で熱
水処理するとより安定した支持体が得られる。
さて、このようにした得た芳香族ポリスルホン多孔性
中空糸支持体に本発明にいう芳香族ポリアミド高分子重
合体(A)を被覆するには、まずこの芳香族ポリアミド
高分子重合体(A)を支持体に対し非溶剤である溶剤
(B)に溶解する必要がある。本発明の利点は、まずか
かる溶剤(B)を選択できる点にあり、アルキレングリ
コールモノアルキルエーテル、好ましくはエチレングリ
コールモノアルキルエーテル、あるいは下記一般式
(I)で示されるポリアルキレングリコール類好ましく
はポリエチレングリコール類あるいはこれらの混合溶剤
を用いるこ HOC2H4OnH (但しnは1〜12の整数) とができる。これらの溶剤(B)は高分子重合体(A)
に対し良好な溶解性を示しまた芳香族ポリスルホン多孔
性支持体を侵すことがない。またここで溶剤(B)とし
ては成膜工程でこの溶剤を乾燥除去する点からある程度
低沸点の溶剤であることが必要であり、このことからも
より分子量の小さなものが好ましく例えばエチレングリ
コールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、プ
ロピレングリコールなどが好適である。またポリエチレ
ングリコール類の場合nが12を越えると常温では固化し
てしまうため操作性の面からも好ましくない。
次にかかる溶剤(B)に高分子重合体(A)を溶解し
た溶液を芳香族ポリスルホン多孔性支持体にコートする
方法としては、ディップコート法、スプレー法、液面展
開法など様々な方法が考えられ、これらコート法に制限
されることはないが、中空糸膜形態ということを考えれ
ば、ディップコート法、あるいは液面展開法がより好ま
しい。この際用いるコート剤の濃度としては高分子重合
体(A)の濃度が重量分率で0.1〜10%より好ましくは
1.0〜5.0%の溶液が用いられ、高分子重合体(A)の濃
度が0.1%より薄い場合には、表面活性層に欠点を生
じ、また10%より濃い場合には、表面活性層の厚みが厚
くなりすぎ、水の透過流量が低下する恐れがある。ま
た、ここでいう表面活性層の厚さは0.03〜10μmである
必要があり、望ましくは0.03〜3.0μm更に望ましくは
0.05μm〜1.0μmである。厚みが10μmを超えると、
前述のように抵抗が大きくなるために水の透過流量が低
下する。
さて、芳香族ポリスルホン多孔性中空糸支持体に高分
子重合体(A)をコートする方法として、例えばディッ
プコート法について述べると、まず支持体を上記のよう
にして調整したコート剤中に浸漬した後、溶剤(B)を
乾燥除去し、コートした中空糸を捲き取るといった簡単
な方法で行うことができる。但しこの場合、支持体のコ
ート剤への浸漬時間、乾燥温度、あるいはコート速度と
いった因子は生成する複合膜の逆浸透性能に影響を及ぼ
すため、最適条件を選択する必要がある。支持体のコー
ト剤への浸漬時間としては0.1〜30秒程度、乾燥温度と
しては、40〜120℃程度コート速度としては10〜50m1分
程度が本発明に対し適しているが、これら3つの因子は
互いに相互作用を及ぼすため、その時に応じ最適条件を
選択する必要がある。また、乾燥法としてより好ましく
は熱風による乾燥を行う。
このように本発明により芳香族ポリスルホン多孔性中
空糸支持体上にこのものを侵すことなく芳香族ポリアミ
ドを被覆することが可能で、しかも簡単に選択透過性複
合中空糸膜を得ることができる。
(作用) 本発明に於て、使用したエチレングリコールモノアル
キルエーテル、あるいはポリエチレングリコール類は、
本発明に於て使用した高分子重合体(A)に対しては良
溶媒であるが、芳香族ポリスルホンに対しては非溶剤で
ある。従って、これらの溶媒は、芳香族ポリスルホンを
侵すことがない。
(実施例) 以下実施例及び比較例を示して本発明を説明するが、
ここで揚げる実施例が本発明を規制するものでないこと
は言うまでもない。
参考例1 以下に、本発明に於て利用した芳香族ポリスルホン多
孔性中空糸支持体の紡糸例を示す。芳香族ポリスルホン
(Udel P−3500)35重量部をラウリルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム0.5重量部をあらかじめ溶解したN,N−ジ
メチルアセトアミド45.5重量部の溶液に加え、130℃で
加熱撹拌した。ポリマーが完全に溶解したのを確かめた
後、非溶剤としてPEG−40019重量部を加え、さらに1時
間加熱撹拌しこれをドープ溶液とした。次いでこのドー
プ溶液を脱泡した後、チューブインオリフィスノズルよ
り吐出させ、紡速30m/minで乾湿式紡糸した。この際、
凝固溶としてはN,N−ジメチルアセトアミド、エチレン
グリコール及び水をそれぞれ、21重量部、9重量部、70
重量部を混合した溶液を用い、内液としてはN,N−ジメ
チルアセトアミド及びエチレングリコールをそれぞれ70
重量部及び30重量部混合した溶液を用いた。得られた中
空糸を充分水洗した後、加圧下120℃で湿熱処理し、外
径250(μm)、内径110(μm)の芳香族ポリスルホン
多孔性中空糸支持体を得た。また、この中空糸支持体の
空隙率は56%であり、25℃の純水を操作圧28kg/cm2で流
すと透水量は300/m2Dであった。
実施例1〜3 3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、3,5−ジアミノ
安息香酸、及びテレフタル酸クロリドより合成した(VI
II)を溶剤(C)に溶解しコート剤 とした。このコート剤を参考例1で示したポリスルホン
多孔性中空糸支持体にディップコートした後乾燥し、次
いで十分水洗いした。得られた複合中空糸膜の表面活性
層の厚さは透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、さらに
複合中空糸膜表面を表査型電子顕微鏡(SEM)で観察し
た。
また、得られた複合中空糸膜の逆浸透膜性能は、ミニ
モジュールを作成し、25℃の0.2%食塩水を原水として
操作圧30kg/cm2で測定した。コート条件及びこの時得ら
れた性能を合わせて表1に示す。
実施例4〜6 4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、ピペラジン、
及びイソフタル酸クロリドより合成した(IX)を溶剤
(C)に溶解し、コート剤とした。このコート剤を参考
例1で示したポリスルホン多孔 性中空糸支持体にディップコートした後、乾燥し、十分
水洗した。得られた複合中空糸膜の表面活性層の厚さ及
び膜表面の観察、また、逆浸透膜性能の測定は、実施例
1〜3と同様の測定法で行った。コート条件及びこの時
得られた結果を合わせて表1に示す。
比較例1 高分子重合体(VII)及び(VIII)を5重量部それぞ
れN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)95重量部、塩化
リチウム5重量部混合液に溶解し、これをコート剤とし
て、参考例1で示した芳香族ポリスルホン多孔性中空糸
支持体にディップコートし、複合中空糸膜を得ようとし
たが、コート操作中に芳香族ポリスルホン支持体がDMAC
に溶解するために糸切れが発生しコートできなかった。
比較例2 芳香族ポリアミドとしてNOMEX(X) を用いメチルセロソルブのコート剤溶液の調整を試みた
が、NOMEXはメチルセロソルブに溶解しなかった。
比較例3 高分子重合体(VIII)を重合濃度が5%になるよう
に、ジメチレングリコールに溶解しコート剤とした。こ
のコート剤を実施例1〜6と同様の操作で参考例1で示
した芳香族ポリスルホン多孔性中空糸支持体にコート
し、得られた複合中空糸膜の逆浸透膜性能を測定した。
結果を表1に示す。
比較例4 高分子重合体(VIII)及び(IX)、40重量部をそれぞ
れ塩化リチウム1.8重量部をあらかじめ溶解した51重量
部のDMACに溶解し、これにプロピレングリコール、72重
量部を加えてドープ溶液とし、次いでこのものをチュー
ブインオリフィスノズルより吐出させて、各々の非対称
性中空糸膜を得た。さらに実施例1〜6と同様の条件に
よりこれらの中空糸膜の逆浸透膜性能評価を行った。結
果を表2に示す。
(発明の効果) 従来逆浸透膜に利用されている芳香族ポリアミドは、
芳香族ポリスルホンに対し非溶剤である溶剤には溶解す
るができず従ってアミン成分と酸成分をモノマーあるい
はプレポリマーの状態で塗布した後、界面重合などの方
法により芳香族ポリスルホン支持体上に芳香族ポリアミ
ド表面活性層を設けるといった煩雑な方法を利用してい
た。従って芳香族ポリスルホンを支持体とする中空糸複
合膜を得ることは、事実上できなかった。しかしなが
ら、本発明に於て使用した高分子重合体(A)は、エチ
レングリコールモノアルキルエーテルやポリエチレング
リコール類といった芳香族ポリスルホンに対しては非溶
剤である溶剤に溶解可能であるため、複合膜を得る際に
最も簡単な方法である、支持体上にポリマーを被覆する
製造法が可能となった。
また本発明に於て使用した高分子重合体(A)は、高
い塩排除率を持ち、しかも耐塩素性に優れる芳香族コポ
リアミドである。従って、この高分子重合体(A)をポ
リスルホン多孔性支持体に被覆した複合膜を製造するこ
とにより、高い塩排除率と高い透水量を持ち、しかも耐
塩素性、耐圧密化性に優れる逆浸透膜を得ることができ
る。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジアミノジフェニルスルホンとピペラジン
    および/またはジアミノ安息香酸との混合ジアミンから
    なるアミン成分と、芳香族ポリカルボン酸またはその誘
    導体である酸成分との反応で得られるコポリアミド
    (A)が、芳香族ポリスルホンを主成分とする多孔性中
    空糸支持体表面に厚さ0.03μm〜10μmで被覆されてい
    ることを特徴とする選択透過性中空糸複合膜。
  2. 【請求項2】ジアミノジフェニルスルホンとピペラジン
    および/またはジアミノ安息香酸との混合ジアミンから
    なるアミン成分と、芳香族ポリカルボン酸またはその誘
    導体を成分とする酸成分との反応で得られるコポリアミ
    ド(A)の溶解溶液(B)を、芳香族ポリスルホンを主
    成分とする多孔性中空糸支持体表面にコートする際、該
    コポリアミド(A)の溶解溶液(B)が芳香族ポリスル
    ホンを主成分とする多孔性中空糸支持体を溶解しない溶
    液であることを特徴とする選択透過性中空糸複合膜の製
    造方法。
  3. 【請求項3】溶液(B)に於て、コポリアミド(A)を
    溶解する溶剤(C)がアルキレングリコールモノアルキ
    ルエーテルであることを特徴とする特許請求の範囲第2
    項に記載の選択透過性中空糸複合膜の製造方法。
  4. 【請求項4】溶液(B)に於て、コポリアミド(A)を
    溶解する溶剤(C)が下記の一般式(I)で示されるも
    のであることを特徴とする特許請求の範囲第2項に記載
    の選択透過性中空糸複合膜の製造方法。 HOR−OmH (I) (但し、Rは炭素原子数1〜10までのアルキル基を示
    し、mは2〜12の整数を示す。)
  5. 【請求項5】溶液(B)に於て、コポリアミド(A)を
    溶解する溶剤(C)がエチレングリコールモノアルキル
    エーテルであることを特徴とする特許請求の範囲第3項
    に記載の選択透過性中空糸複合膜の製造方法。
  6. 【請求項6】溶液(B)に於て、コポリアミド(A)を
    溶解する溶液(C)が、下記の一般式(II)で示される
    ことを特徴とする特許請求の範囲第2項に記載の選択透
    過性中空糸複合膜の製造方法。 HOC2H4OnH (II) (但しnは1〜12の整数である。)
JP17431987A 1987-07-13 1987-07-13 選択透過性中空糸複合膜及びその製造法 Expired - Fee Related JP2508732B2 (ja)

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