JP2003214231A - エンジンのトルク制御装置 - Google Patents

エンジンのトルク制御装置

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JP2003214231A
JP2003214231A JP2002019580A JP2002019580A JP2003214231A JP 2003214231 A JP2003214231 A JP 2003214231A JP 2002019580 A JP2002019580 A JP 2002019580A JP 2002019580 A JP2002019580 A JP 2002019580A JP 2003214231 A JP2003214231 A JP 2003214231A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクセルの高開度域でエンジントルクが増減
しなくなるトルクの頭打ちを回避し、アクセル開度に応
じてエンジントルクを滑らかに変化させる。 【解決手段】 要求トルク演算手段104は、アクセル
開度に基づいてエンジンの要求トルクを演算する。トル
ク増加分演算手段105は、アイドル状態で目標アイド
ル回転数を維持するために必要なエンジントルクに相当
するトルク増加分を演算する。トルク増加分補正手段1
06は、アクセル開度が大きくなるに従ってトルク増加
分を小さくする。目標トルク演算手段107は、補正後
の補正トルク増加分と要求トルクとを加算して、エンジ
ンの発生すべき目標トルクを演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車等に搭載
されるエンジンに関し、特に、エンジンが発生すべき目
標トルクを演算し、これを実現すべく燃料噴射量等を制
御するトルク制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】運転者のアクセル操作や外部負荷等に基
づいて、実際にエンジンに発生させるべきエンジントル
クを演算し、これを目標トルクとして、エンジンからこ
の目標トルクが生じるように燃料噴射量等を制御するト
ルク制御装置(エンジントルクデマンド(ETD)シス
テム)が考案されている。特開平10−325348号
公報には、アイドル−非アイドル状態に拘わらずエンジ
ントルクデマンド制御を継続できるトルク制御装置が開
示されている。このものでは、運転者の要求に対応する
アクセル開度に基づいて演算される要求トルクの他、ア
イドル状態で目標アイドル回転数を維持するために必要
なトルクに相当するトルク増加分を加味して、エンジン
の発生すべき目標トルクを演算している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の要求トルクは、
一般的にはアクセル開度が大きくなるに従って大きくな
り、アクセル全開時にエンジン自体の限界値である最大
エンジントルク又はこれに相当する値となるように設定
される。一方、上記のトルク増加分は、エアコン等の補
機類を駆動するためにエンジン外部から加わる外部負荷
トルク等を含んでおり、一般的には常に0より大きい値
である。従って、仮に要求トルクとトルク増加分とを単
に加算して目標トルクとした場合、アクセル開度が全開
よりも小さい所定のアクセル開度において、目標トルク
が最大エンジントルクを越えてしまう。目標トルクが最
大エンジントルクを越えても、実際にエンジンが発生す
るエンジントルクが最大エンジントルクを越えることは
ないので、上記所定のアクセル開度よりもアクセル開度
が大きい状況では、アクセル開度が変化しても実際のエ
ンジントルクは増減しない所謂トルクの頭打ち現象が生
じ、運転者に体感上の大きな違和感を与えることとなっ
て、運転性が良くない。
【0004】本発明は、このような課題に鑑みてなされ
たものであり、上述したトルクの頭打ち現象を生じるこ
となく、アクセル開度に応じてエンジントルクを滑らか
に変化させることができる新規なエンジンのトルク制御
装置を提供することを主たる目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るエンジンの
トルク制御装置は、アクセル開度を検出するアクセル開
度検出手段と、少なくとも上記アクセル開度に基づい
て、要求されるエンジンの要求トルクを演算する要求ト
ルク演算手段と、所定のアイドル状態において目標アイ
ドル回転数を維持するために必要なエンジントルクに相
当するトルク増加分を演算するトルク増加分演算手段
と、を有している。そして、上記アクセル開度又は上記
要求トルクが大きくなると上記トルク増加分が小さくな
るように、このトルク増加分を補正するトルク増加分補
正手段を有し、このトルク増加分補正手段による補正後
の補正トルク増加分と上記要求トルクとに基づいて、エ
ンジンの発生すべき目標トルクを演算する(目標トルク
演算手段)。
【0006】
【発明の効果】本発明によれば、上述したトルクの頭打
ち現象を生じることなく、アクセル開度に応じてエンジ
ントルクを滑らかに変化させることができ、快適な運転
性を提供することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】図2は、本発明に係るエンジンの
トルク制御装置が適用されるエンジンシステムの一例を
示す構成図である。この図に示すように、シリンダブロ
ック8の内部には、シリンダ9が形成されるとともに、
このシリンダ9に摺動可能に嵌合したピストン11によ
って燃焼室10が画成されている。この燃焼室10に
は、吸気ポート6および排気ポート7が接続されてお
り、それぞれを開閉する吸気弁13および排気弁14が
設けられている。また、上記燃焼室10内に直接燃料を
噴射するように、シリンダ9上部に、電磁式燃料噴射弁
15が装着されている。上記吸気ポート6の上流側に
は、吸気コレクタ部5aを介して吸気通路5が接続され
ている。
【0008】上記吸気通路5には、吸入空気量を検出す
る例えば熱線式のエアフロメータ1が設けられている。
この吸気通路5において吸入空気量を調整するスロット
ル弁4は、車両のアクセルペダルには直接連係しておら
ず、DCモータやパルスモータ等からなるアクチュータ
30によって、その開度が電子制御される構成となって
いる。またアイドル時の吸入空気量制御のために、上記
スロットル弁4をバイパスする補助空気通路2を備え、
この補助空気通路2の流量を制御する補助空気量制御バ
ルブ3が設けられている。なお、アクチュータ30によ
るスロットル弁4の吸入空気量制御の精度を高めること
により、補助空気通路2および補助空気量制御バルブ3
を省略することも可能である。
【0009】燃焼室10の中央に配置された点火プラグ
16は、コントローラ19からの指令により点火を行
う。また排気ポート7の下流側には、排気中の酸素濃度
から空燃比を検出する空燃比センサ17が配置されてい
る。また、21はクランク軸に対し取り付けられたクラ
ンク角度センサ(エンジン回転数検出手段)であり、ク
ランク角位置や機関回転速度の検出に用いられる。ま
た、図2中には示していないが、運転者の要求を検知す
るためにアクセル操作量すなわちアクセル開度を検出す
る、例えばポテンショメータなどからなるアクセル操作
量センサ(アクセル開度検出手段)、エンジンの温度条
件を検出する冷却水温センサ、吸気温度を検出する吸気
温センサ、スロットル弁4下流の圧力を検出する吸気管
圧センサなどの種々のセンサを備えている。
【0010】これらの種々のセンサ類の検出信号は、コ
ントローラ19に入力される。コントローラ19は、I
/OインターフェスやCPU,ROM,RAM等からな
り、ROM上に格納された後述するプログラムを実行す
ることにより、本発明の所定の機能を実現する。
【0011】図1は、本発明に係るトルク制御装置の一
実施例を示すブロック構成図である。このトルク制御装
置は、アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段1
01と、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出
手段102と、エンジンの運転状態を検出する運転状態
検出手段103と、検出されたアクセル開度及びエンジ
ン回転数に基づいて、運転者により要求されるエンジン
の要求トルクを演算する要求トルク演算手段104と、
検出されたエンジン回転数及び運転状態に基づいて、要
求トルク以外にエンジンに加える必要のあるエンジンの
トルク増加分を演算するトルク増加分演算手段105
と、アクセル開度(又は要求トルク)が大きくなるとト
ルク増加分が小さくなるように、トルク増加分を補正す
るトルク増加分補正手段106と、補正後の補正トルク
増加分と要求トルクとに基づいて、エンジンの発生すべ
き目標トルクを演算する目標トルク演算手段107と、
この目標トルクに相当するエンジントルクを発生させる
エンジントルク実現手段108と、を有している。
【0012】アクセル開度検出手段101は、例えば上
記のアクセル操作量センサであり、エンジン回転数検出
手段102は、例えば上記のクランク角度センサ21で
ある。運転状態検出手段103により検出される運転状
態の信号には、変速機のシフトポジション信号、エアコ
ンリレー信号、ラジエータファンリレー制御信号、パワ
ーステアリングスイッチ信号等が含まれる。要求トルク
演算手段104は、検出されるアクセル開度及びエンジ
ン回転数をパラメータとして、予めコントローラ19の
ROMに格納されている図3に示すような要求トルク設
定マップを参照することにより、要求トルクを演算す
る。この要求トルクは、アクセル開度が全閉(0%)の
ときには0又はこれに近い値となり、アクセル開度が全
開(100%)のときにはエンジンが発生可能な限界値
である最大エンジントルク又はこれに近い値となるよう
に設定される。
【0013】トルク増加分演算手段105は、図4に示
すように、検出される運転状態から外部負荷トルクを演
算する外部負荷トルク演算手段111と、所定のアイド
ル状態において実エンジン回転数を目標アイドル回転数
へ近づけるフィードバック制御によるフィードバック補
正トルクを演算するフィードバック補正トルク演算手段
112と、これら演算された外部負荷トルクとフィード
バック補正トルクとを加算してトルク増加分を演算する
トルク加算手段113と、を有している。従って、次式
(1)に示すように、上記のトルク増加分tTe2[N
m]は、外部負荷トルクtTe_a[Nm]とフィード
バック補正トルクtTe_b[Nm]との和であり、所
定のアイドル状態において目標アイドル回転数を維持す
るために必要なエンジントルクに相当する。
【0014】
【数1】 tTe2 = tTe_a + tTe_b …(1) 図5は、外部負荷トルク演算手段111による外部負荷
トルクの演算処理の流れを示すフローチャートである。
先ず、S(ステップ)1で変数tmpを0にリセットす
る。S2aで変速シフトポジションがDレンジと判定さ
れれば、S2bへ進み、tmpにconst_Dを加算する。
以下同様に、シフトポジションがRレンジの場合、tm
pにconst_Rを加算する(S3a,S3b)。エアコン
リレー制御信号がONの場合、tmpにconst_ACを加
算する(S4a,S4b)。ラジエータファンリレー制
御信号がONの場合、tmpにconst_RFを加算する
(S5a,S5b)。パワーステアリングスイッチ信号
がONの場合、tmpにconst_PSを加算する(S6
a,S6b)。そしてS7では、tmpを外部負荷トル
クtTe_aへ代入する。
【0015】上記のconst_D,const_R,const_AC,
const_RF,const_PSは、実験等により予め求められ
てコントローラ19のROMへ格納される。const_D
は、アクセル全閉時(典型的にはアイドル状態)に変速
シフトポジションをNレンジからDレンジへ切り換えた
場合にエンジン回転数の落ち込みが生じないようにする
ために増加する必要のあるエンジントルクに相当する。
const_Rは、アクセル全閉時に変速ポジションをNレン
ジからRレンジへ切り換えた場合にエンジン回転数の落
ち込みが生じないようにするために増加する必要のある
エンジントルクに相当する。const_ACは、アクセル全
閉時にエアコンリレーをOFFからONに切り換えた場
合にエンジン回転数の落ち込みが生じないようにするた
めに増加する必要のあるエンジントルクに相当する。co
nst_RFは、アクセル全閉時にラジエータファンリレー
をOFFからONに切り換えた場合にエンジン回転数の
落ち込みが生じないようにするために増加する必要のあ
るエンジントルクに相当する。const_PSは、アクセル
全閉時にパワーステアリングスイッチをOFFからON
に切り換えた場合にエンジン回転数の落ち込みが生じな
いようにするために増加する必要のあるエンジントルク
に相当する。
【0016】なお、上記の外部負荷トルクには、必要に
応じて、車両に搭載されるバッテリを充填するために必
要なトルク等も含まれる。
【0017】フィードバック補正トルク演算手段112
では、アイドル状態において、エンジン回転数検出手段
102により検出される実際のエンジン回転数を目標ア
イドル回転数へ近づける周知のフィードバック制御によ
って、エンジントルクの増減分であるフィードバック補
正トルクを、例えば次式(2)〜(4)を用いて演算す
る。
【0018】
【数2】
【0019】なお、上記のkp,ki,Nsetは定数
として与えても良いし、運転状態に応じて変化させても
良い。Δtは定数として与える。
【0020】上記のフィードバック補正トルクは、アイ
ドルスピードコントロールのために増減するトルクに相
当し、一般的には、目標アイドル回転数と実エンジン回
転数との差ΔNeに基づいてPI制御で求められる。P
分(ΔNe×Kp)は、ΔNeが0になると0になる
が、I分はアイドル回転数を維持するためのエンジント
ルクなので、定常的には正の値となる。従って、アイド
ルスピードコントロールから抜けて非アイドル状態へ移
行しても、フィードバック補正トルクは、典型的にはI
分で決まる正の値となる。
【0021】トルク増加分補正手段106では、先ずア
クセル開度に基づいて補正ゲインKhoseiを演算す
る。例えば、アクセル開度と補正ゲインとの関係を表す
図6の設定マップを参照して補正ゲインを設定する。こ
の図6に示すように、補正ゲインは、アクセル開度が0
%近傍の低開度域41では0、アクセル開度が100%
近傍の高開度域42では1、両者41,42の間の中開
度域43ではアクセル開度が大きくなるに従って(比例
して)徐々に小さくなっている。次いで、次式(5)に
示すように、トルク増加分tTe2[Nm]に補正ゲイ
ンKhosei[Nm]を乗じることにより、補正後の
補正トルク増加分hTe2を[Nm]演算する。
【0022】
【数3】 hTe2 = Khosei × tTe2 …(5) 従って、補正トルク増加分hTe2は、図7に示すよう
に、補正ゲインに対応して、アクセル開度が0%近傍の
低開度域44ではトルク増加分tTe2と等しくなり、
アクセル開度が100%近傍の高開度域45では0とな
り、それ以外の中開度域46では、アクセル開度が大き
くなるに従って(比例して)徐々に小さくなる。
【0023】目標トルク演算手段107では、上記の補
正トルク増加分と要求トルクとに基づいて、目標トルク
を演算する。具体的には、次式(6)に示すように、要
求トルクtTe1に補正トルク増加分hTe2を単に加
算することにより目標トルクtTeを演算する。
【0024】
【数4】 tTe = tTe1 + hTe2 …(6) エンジントルク実現手段108では、燃料噴射量等を制
御することにより、目標トルクに相当するエンジントル
クを発生させる。エンジン回転数及び目標トルクと設定
される燃料噴射量との関係の一例を図8に示す。この燃
料噴射量に応じて上記の燃料噴射弁15が駆動制御され
る。
【0025】図9及び図10は、比較例としてのトルク
制御装置のブロック構成図及び特性図である。この比較
例では、要求トルク演算手段104で要求トルクが演算
され、トルク増加分演算手段105でトルク増加分が演
算され、目標トルク演算手段107で要求トルクとトル
ク増加分とを加算することにより目標トルクが演算さ
れ、エンジントルク実現手段108により目標トルクに
追従するようにエンジントルクを発生させる。つまり、
この比較例は、本実施例の要部をなすトルク増加分補正
手段106のない構成となっている。
【0026】このような比較例では、図10に示すよう
に、アクセル開度が全開よりも小さい所定のアクセル開
度APO1において、目標トルクが最大エンジントルク
を越えてしまう。目標トルクが最大エンジントルクを越
えても、実際にエンジンが発生するエンジントルクが最
大エンジントルクを越えることはないので、上記所定の
アクセル開度APO1よりもアクセル開度が大きい状況
では、運転者がアクセル開度を変化させても車両駆動力
として実質的に用いられる実エンジントルク(エンジン
出力軸から実質的に出力されるエンジントルク;つまり
目標トルクからトルク増加分を差し引いたエンジントル
ク)は増減しない上記のトルクの頭打ち現象を招いてし
まい、運転者に体感上の大きな違和感を与えることとな
り、運転性が良くない。
【0027】例えば、トルク増加分が30Nmで、最大
エンジントルク(アクセル開度が100%のときの要求
トルクに相当)が240Nmであったとすると、最大エ
ンジントルクに対するトルク増加分の割合は百分率で1
2.5%となる。ここで、アクセル開度に対するエンジ
ントルク特性は、通常、低開度側の傾き(変化)が大き
い。従って、アクセル開度が87.5%(100%−1
2.5%)よりも低開度側のアクセル開度APO1で、
目標トルクが最大エンジントルクに達し、上記のトルク
頭打ち現象を生じてしまう。
【0028】これに対し、本実施例においては、図7に
示すように、アクセル開度に応じて要求トルクが大きく
なるとトルク増加分が小さくなり、特に、アクセルの高
開度域45では0となるように、トルク増加分を補正し
ているために、比較例のようにアクセル開度が全開とな
る前に目標トルクが最大エンジントルクを越えることが
ない。つまり、エンジントルクの頭打ちを生じることが
なく、アクセル全開までアクセル開度の増加に応じて実
エンジントルク(目標トルクからトルク増加分を差し引
いたエンジントルクに相当)が滑らかに増加する。従っ
て、アクセル高開度域におけるトルク頭打ち現象を生じ
ることがなく、運転者に違和感を与えることがないの
で、快適な運転性を提供することができる。
【0029】また、アクセル開度が0%近傍の低開度域
44、つまり発生可能なエンジントルクに充分な余裕の
あるアイドル域〜低負荷域においては、上記のように補
正ゲインが1であり、補正後の補正トルク増加分hTe
2が補正前のトルク増加分tTe2と等しい値に保持さ
れる。このため、アクセル開度に応じた要求トルクの変
化が過不足なく目標トルクへ反映され、要求トルクに追
従してエンジントルクを良好に増減することが可能で、
運転性が更に向上する。
【0030】更に本実施例では、上述した特開平10−
325348号公報のものと同様、アイドル,非アイド
ル状態に拘わらず、アイドル時に必要なトルク増加分を
加味して目標トルクを設定しているため、アイドル,非
アイドル状態に拘わらず同じトルクデマンド制御により
制御系を構成でき、アイドル−非アイドル状態間の状態
遷移時に制御の連続性を確保することができ、制御の切
換段差等による運転性の諸問題の発生を回避できる。
【0031】図11及び図12を参照して、仮に上記の
トルク増加分を、動的な遅れを設けることなく設定した
場合、図11に示すように、アクセル開度が急激(ステ
ップ的)に増加する場合、例えばアイドル時にアクセル
を急激に踏み込んだような場合、アクセルの踏み込み直
後に補正ゲインが1から0へ変化することに起因して、
実際のエンジントルクが一旦落ち込んでから増加する可
能性がある。このようなエンジントルクの落ち込みを防
止するために、好ましくは図12に示すように、アクセ
ル開度の変化に対するトルク増加分の変化に、実際のエ
ンジントルクの応答遅れに応じた所定の遅れをもたせる
(遅れ手段)。例えばアクセル開度が図12に示すよう
に急激に増加しても、トルク増加分は比較的長い時間を
かけて緩やかに減少するように、トルク増加分を補正す
る。これにより、上述したようなエンジントルクの落ち
込みを解消することができ、運転者に違和感を与えるこ
とがないので、更に快適な運転性を提供することができ
る。
【0032】図13は、一般的な参考例としてのトルク
制御の特性図を示している。この参考例においては、ア
イドル時には、アクセル開度が全開であっても、電製ス
ロットルを微少な開度ΔTVOだけ開けることによっ
て、アイドル回転数を維持するためのトルクΔTe1を
発生する。上記のΔTVOは常に目標スロットル開度に
加算されるが、スロットル開度が大きい領域では、この
ΔTVOに対応するエンジントルクの増加分ΔTe2
は、アイドル時におけるトルク増加分ΔTe1に比して
微少である。従って、高負荷側でΔTVOを0へ向けて
積極的に小さくしなくとも、このΔTVOによるエンジ
ントルクの増加が抑制され、本発明のようにアクセル開
度が大きい高負荷側ほどトルク増加分が小さくなるよう
に補正するものと見かけ上同じ動作を実現できる。
【0033】また、常にΔTVOを加算する上記の参考
例では、アイドル状態から急に高負荷状態へ移行して
も、ΔTVOによるエンジントルク増加分は、ΔTe1
からΔTe2へ直ぐに減少するわけではなく、スロット
ル開度操作に対してエンジントルクが応答するまでの遅
れ(空気の遅れ)にしたがって徐々に減少していく。こ
の参考例と過渡的にも実質的に同じ動作を行い得るよう
に、本発明に係る構成では、図12に示すように、アイ
ドル状態から高負荷状態へ急激に移行するような場合
に、トルク増加分を徐々に減少させるように、トルク増
加分の変化に遅れをもたせ、アイドルから抜けた直後に
実エンジントルクが減少するトルクの落ち込みを解消し
ている。
【0034】このような遅れを持たせる場合の演算方法
の一例として、上記の(5)式で求めていた補正トルク
増加分hTe2を中間パラメータRとし、このRに対
し、次式(7)に示すような時定数τの一時遅れ処理を
したものを補正トルク増加分hTe2として演算する。
【0035】
【数5】
【0036】なお、時定数τは、エンジントルク応答時
定数に相当し、近似的に一定値としても良く、あるいは
図14に示すようなエンジン回転数の関数として与えて
も良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエンジンのトルク制御装置の一実
施例を示すブロック構成図。
【図2】本発明が適用されるエンジンシステムの一例を
示す構成図。
【図3】アクセル開度及びエンジン回転数から要求トル
クを演算するための特性図。
【図4】トルク増加分演算手段の一例を示すブロック構
成図。
【図5】外部負荷トルク演算手段の演算処理の流れを示
すフローチャート。
【図6】トルク増加分補正手段による演算に用いられる
補正ゲインを演算するための特性図。
【図7】上記実施例に係るアクセル開度に対するエンジ
ントルク特性を示す特性図。
【図8】目標トルクから燃料噴射量を演算するための特
性図。
【図9】比較例に係るトルク制御装置を示すブロック構
成図。
【図10】比較例に係るアクセル開度に対するエンジン
トルク特性を示す特性図。
【図11】補正ゲインを遅れなく演算した場合のタイミ
ングチャート。
【図12】補正ゲインに遅れを持たせた場合のタイミン
グチャート。
【図13】参考例に係るスロットル開度に対するエンジ
ントルク特性を示す特性図。
【図14】補正ゲインに遅れを持たせる場合に用いる時
定数を演算するための特性図。
【符号の説明】
101…アクセル開度検出手段 104…要求トルク演算手段 105…トルク増加分演算手段 106…トルク増加分補正手段 107…目標トルク演算手段
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 9/02 351 F02D 9/02 351M 11/10 11/10 F H 29/00 29/00 C 29/02 331 29/02 331A 29/04 29/04 B 29/06 29/06 F 45/00 364 45/00 364A (72)発明者 太田 健司 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3G065 AA11 CA13 DA05 DA06 EA03 EA08 EA09 FA04 FA08 FA12 GA09 GA10 GA41 GA46 KA36 3G084 BA05 BA06 BA13 BA35 BA36 CA03 CA04 DA11 EA07 EB12 EC03 FA06 FA10 FA20 FA29 FA38 3G093 BA02 CA04 CA06 CA07 CA08 DA01 DA05 DA06 DB11 DB25 EA07 EA09 EC02 FA07 FB04 3G301 JA04 KA07 LA03 LA04 LC03 LC04 MA11 ND02 NE22 PD04A PD04Z PE03A PE03Z PE08Z PF03Z PF08Z PF11 PF13Z PF14Z

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクセル開度を検出するアクセル開度検
    出手段と、 少なくとも上記アクセル開度に基づいて、要求されるエ
    ンジンの要求トルクを演算する要求トルク演算手段と、 所定のアイドル状態において目標アイドル回転数を維持
    するために必要なエンジントルクに相当するトルク増加
    分を演算するトルク増加分演算手段と、 上記アクセル開度又は上記要求トルクが大きくなると上
    記トルク増加分が小さくなるように、このトルク増加分
    を補正するトルク増加分補正手段と、 このトルク増加分補正手段による補正後の補正トルク増
    加分と上記要求トルクとに基づいて、エンジンの発生す
    べき目標トルクを演算する目標トルク演算手段と、を有
    するエンジンのトルク制御装置。
  2. 【請求項2】 上記トルク増加分補正手段が、上記アク
    セル開度又は要求トルクの変化に対する上記トルク増加
    分の変化に所定の遅れをもたせる遅れ手段を含む請求項
    1に記載のエンジンのトルク制御装置。
  3. 【請求項3】 上記トルク増加分演算手段は、エンジン
    に対して外部から加わる外部負荷トルクを演算する外部
    負荷トルク演算手段と、所定のアイドル状態において実
    エンジン回転数を目標アイドル回転数へ近づけるフィー
    ドバック制御によるフィードバック補正トルクを演算す
    るフィードバック補正トルク演算手段と、を有し、これ
    ら外部負荷トルクとフィードバック補正トルクとにより
    上記トルク増加分を演算する請求項1又は2に記載のエ
    ンジンのトルク制御装置。
  4. 【請求項4】 上記外部負荷トルク演算手段は、変速機
    のシフトポジション信号、エアコンリレー信号、ラジエ
    ータファンリレー制御信号、パワーステアリングスイッ
    チ信号の少なくとも一つに基づいて、上記外部負荷トル
    クを演算する請求項3に記載のエンジンのトルク制御装
    置。
  5. 【請求項5】 上記補正トルク増加分は、アクセル開度
    が0%近傍の低開度域では0であり、アクセル開度が1
    00%近傍の高開度域では上記トルク増加分と等しく、
    アクセル開度の中開度域では、アクセル開度が大きくな
    るに従って小さくなる請求項1〜4のいずれかに記載の
    エンジンのトルク制御装置。
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