JP2003209253A - 基板装置及びその製造方法並びに電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

基板装置及びその製造方法並びに電気光学装置及び電子機器

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JP2003209253A
JP2003209253A JP2002004937A JP2002004937A JP2003209253A JP 2003209253 A JP2003209253 A JP 2003209253A JP 2002004937 A JP2002004937 A JP 2002004937A JP 2002004937 A JP2002004937 A JP 2002004937A JP 2003209253 A JP2003209253 A JP 2003209253A
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film
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deuterium
insulating film
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Tomohiko Hayashi
朋彦 林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 TFTにおける半導体層中のダングリングボ
ンドについて、その除去ないし終端を好適に実現する。 【解決手段】 本発明に係るTFTは、基板(200)
上に形成された、ソース領域、チャネル領域及びドレイ
ン領域を含む半導体層(202)と、少なくとも前記チ
ャネル領域における前記半導体層上に形成されたゲート
絶縁膜(204)と、該ゲート絶縁膜上に形成されたゲ
ート電極膜(206)とを備えており、前記半導体層中
に重水素を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜トランジスタ
(以下適宜、「TFT(Thin Film Transistor)」と称
す。)が形成されたTFTアレイ基板装置や半導体基板
装置等の基板装置及びその製造方法、そのような基板装
置を備えた液晶装置等の電気光学装置並びに電子機器の
技術分野に属する。
【0002】
【背景技術】この種の基板装置は例えば、石英基板等の
基板上に、ソース領域、ドレイン領域及びチャネル領域
を含むポリシリコン膜等又はアモルファスシリコン等の
半導体膜を備える。この半導体膜表面には、ドライ酸化
又はウェット酸化による熱酸化膜等、HTO(高温酸
化)膜、TEOS(テトラ・エチル・オルソ・シリケー
ト)膜、若しくはプラズマ酸化膜からゲート絶縁膜が形
成される。更に、このゲート絶縁膜上にゲート電極膜が
形成されることにより、基板上にTFTが構築される。
かかるTFTは、例えば液晶装置等の電気光学装置の画
像表示領域内における各画素に作り込まれることによ
り、TFTアレイ基板装置における画素スイッチング用
素子として用いられる。或いは、該画像表示領域の周囲
における周辺領域に作り込まれることにより、該基板装
置の駆動回路の一部としても用いられる。
【0003】そして、画像表示領域内には、キャリアが
電子であるためにキャリア移動度に優れた、即ちスイッ
チング特性に優れたNチャネル型TFTが作り込まれる
のが一般的であり、周辺領域には、このようなNチャネル
型TFTとPチャネル型TFTとを一組としてなると共
に駆動電流が微小で済む等の長所を有するCMOS型
(相補型)TFTが作り込まれるのが一般的である。
【0004】このように画像表示領域や周辺領域にTF
Tが作り込まれた基板装置は、TFTアクティブマトリ
クス駆動方式の液晶装置等を初めとする各種電気光学装
置に広く用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の基
板装置については、高性能な電気特性、あるいは高信頼
性を達成することが一般的な課題として常に認識されて
いる。とりわけ、該基板装置を構成する前記TFTにお
いては、リーク電流特性、界面準位密度、ホットキャリ
ア耐性等について、より高性能で高信頼性(すなわち、
リーク電流及び界面準位密度はより低く、ホットキャリ
ア耐性はより高く、等)を有するように、という要求が
常にある。また、そのような良好なトランジスタ特性を
長期に亘って維持するという要請も当然にある。
【0006】このような要請を満たすためには特に、半
導体層中の結晶粒界や、該半導体層と前記ゲート絶縁膜
との界面等で発生するダングリングボンドの好適な処
理、すなわちその除去、ないしはその終端等を効果的に
行うことが、重要な要素技術の一つとなる。というの
も、このダングリングボンドが存在すると、それに起因
するトラップ準位が生成されることによって、TFTに
おけるオン・オフ電流特性等に悪影響を与えるからであ
る。
【0007】この点、従来においても、例えば特開20
00−150890号公報等において、このダングリン
グボンドの好適な処理を実現する技術が開示されてい
る。ちなみに、この公報においては、半導体層形成済み
の基板装置に対して、適当な熱処理を実施することによ
り、該半導体層中に残るダングリングボンドを除去する
ことが提案されている。また、これとは別に、半導体層
中に水素を導入することで、半導体層等の中で珪素と水
素との結合(すなわち、Si−H結合等)等を形成する
ことにより、ダングリングボンドを終端させる方法も提
案されていた。
【0008】しかしながら、これらの方法によれば確か
に相応の作用効果が望めるものの、上述した高特性に対
する一般的要請という観点からして、現状においても、
より効果的にダングリングボンドの除去ないし終端を実
現する方法が要求されているといえる。これを裏付ける
事実として、例えば、上述の水素導入による方法では問
題点が顕在化している。すなわち、上記Si−H結合に
おいては、当該結合から水素が離脱しやすいという難点
があるのである。この離脱は、例えば、TFTのチャネ
ル抵抗により発生する熱等に起因する。そして、このよ
うな離脱が生じると、結局、ダングリングボンドが復活
することになるから、例えばTFTにおけるスレッショ
ルド電圧Vthの上昇等を招くことになる。
【0009】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、ダングリングボンドの好適な処理が実現され
た半導体層を備える基板装置及びその製造方法並びに電
気光学装置及び電子機器を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の基板装置は、上
記課題を解決するため、基板と、該基板上に形成されて
おりソース領域、チャネル領域及びドレイン領域を含む
半導体層と、少なくとも前記チャネル領域における前記
半導体層の上又は下の少なくとも一方に形成されたゲー
ト絶縁膜と、該ゲート絶縁膜を前記半導体層と挟むよう
に形成されたゲート電極膜とを備えており、前記半導体
層中に重水素を含む。
【0011】本発明の基板装置によれば、半導体層中に
重水素(以下、単に「D」と略称することがある。)が
含まれることにより、ダングリングボンドの終端を、こ
の重水素により実現することが可能となる。すなわち、
従来において、ダングリングボンドは、水素を導入する
ことによってSi−H結合等で終端されていたところ、
本発明では、これをSi−D結合等で終端することが可
能となる。ここで、後者の場合の結合エネルギは、前者
の場合の結合エネルギよりも大きい。具体的には例え
ば、Si−Hの結合エネルギは3.01eVであるのに
対し、Si−Dの結合エネルギは3.98eVとなる。
このことから、Si−D結合におけるDは、Si−H結
合におけるHよりも、その離脱が一般に生起しにくくな
るのである。
【0012】したがって、本発明によれば、一旦終端さ
れたダングリングボンドは、そのままの状態を長期にわ
たって維持することが可能となるから、TFTのスレッ
ショルド電圧Vthの上昇を招く可能性を減少し、ホッ
トキャリア耐性の向上を見込めることになる、等、その
特性向上に資することになる。そして、そのような良好
な特性を、長期にわたって維持することも可能となる。
【0013】なお、上記では、具体的な結合態様とし
て、Si−D結合のみについて言及したが、実際の半導
体層中においては、より複雑に、種々の態様が混在して
いると考えるのが、むしろ一般的である。例えば、半導
体層中に対する水分の混入により、酸素が供給される
と、上記Si−D結合のほか、Si−OD等の結合も生
じることが考えられる。この場合、ダングリングボンド
は、OD基で終端されることになるが、その結合エネル
ギは4.06eVであるから、やはりSi−Hの結合エ
ネルギよりは大きい。このように、本発明に係る半導体
層中においては、種々の結合態様がとられうることにな
るが、一般に、重水素Dを絡ませることでダングリング
ボンドを終端することによれば、水素Hを絡ませること
によるそれよりも、結合エネルギは大きいと推測され
る。これは、重水素の方が水素よりも中性子一つ分、大
きい質量を有することに起因するものと考えられる。
【0014】いずれにしても、半導体層中に重水素が含
まれる構成をとるのであれば、それが本発明の範囲内に
あることに変わりはない。
【0015】なお、本発明は、上述した基板装置が具体
的にどのような装置に適用されるかについて、特に限定
されるものではないが、好ましくは例えば、液晶装置を
構成するTFTアレイ基板等に適用されて好適である。
【0016】この点、ダングリングボンドの終端がより
確実になされるということは、TFTにおけるゲート絶
縁膜と半導体層との界面特性の向上も当然に見込めるこ
とになるが、このことは、トンネル電流ストレス下での
トラップ生成に対しても、同様な効果が期待されること
を意味する。すなわち例えば、EEPROM等において
見られる、酸化膜中のトラップ生成は水素に起因してい
ると考えられているから、これを本発明に係る重水素で
置換することによれば、当該酸化膜中においてトラップ
生成を低減することが可能となるのである。したがっ
て、本発明に係る基板装置は、例えば、EEPROM等
に対しても、好適に適用することが可能である。
【0017】また、本発明に係る基板装置では、既に述
べているように、前記半導体層、前記ゲート絶縁膜及び
前記ゲート電極膜に加え、その他必要な構成を備えれ
ば、TFTを構成することが可能となるが、本発明は、
このTFTの具体的態様について特に限定されるもので
はない。
【0018】例えば、本発明に係る構成によれば、基板
上に、下から順に半導体層、ゲート絶縁膜及びゲート電
極膜という構成となる、いわゆるトップゲート型のTF
Tを形成することが可能である。また、これとは逆に、
下から順にゲート電極膜、ゲート絶縁膜及び半導体層と
いう構成となる、いわゆるボトムゲート型のTFTを形
成することも可能である。
【0019】本発明の基板装置の一態様では、前記半導
体層中に加えて、又は代えて、前記半導体層及び前記ゲ
ート絶縁膜の界面及びその近傍にも重水素を含む。
【0020】この態様によれば、半導体層中に加えて、
又は代えて、半導体層及びゲート絶縁膜の界面及びその
近傍においても重水素が含まれることになるから、当該
界面におけるダングリングボンドについても、上述した
作用効果が発揮されることになる。したがって、TFT
の特性をより好適に維持することが可能となる。
【0021】本発明の基板装置の他の態様では、前記半
導体層は、低温若しくは高温ポリシリコン膜又はアモル
ファスシリコン膜からなる。
【0022】この態様によれば、基板上には、低温ポリ
シリコンTFT又は高温ポリシリコンTFT、あるいは
アモルファスシリコンTFTが構築されるが、ポリシリ
コン膜又はアモルファスシリコン膜中に重水素が含まれ
ることにより、このようなTFTにおけるトランジスタ
特性の劣化を効果的に防ぐことができ、ポリシリコンT
FT又はアモルファスシリコンTFTを備えてなる基板
装置を長寿命化等できる。
【0023】本発明の基板装置の他の態様では、前記基
板上には、前記半導体層、前記ゲート絶縁膜及び前記ゲ
ート電極膜からなる薄膜トランジスタがアレイ状に複数
配列されている。
【0024】この態様によれば、例えばTFTアクティ
ブマトリクス駆動方式の液晶装置等の電気光学装置に好
適に用いられるTFTアレイ基板装置を構築できる。
【0025】この態様では特に、前記アレイ状に複数配
列された薄膜トランジスタは夫々、Nチャネル型であり
且つ前記基板上の画像表示領域において画素スイッチン
グ用に画素毎に設けられている構成とするとよい。
【0026】このような構成によれば、画素スイッチン
グ用のTFTとしては、電子がキャリアであるため、キ
ャリア移動度に優れたNチャネル型TFTから構築でき
る。同時に、周辺回路については、このNチャネル型T
FTと同一プロセスで同時形成可能なNチャネル型TF
Tに加えて前述の如きPチャネル型TFTを含んでなる
CMOS型TFTから構築できる。従って装置全体とし
て、優れた特性のトランジスタを備えてなると共に寿命
の長い基板装置を実現できる。
【0027】本発明の基板装置の他の態様では、前記ゲ
ート絶縁膜及び前記ゲート電極膜は、前記半導体層の上
下両側に形成されている。
【0028】この態様によれば、半導体層の上下両側に
ゲート絶縁膜を備える形態、すなわち二重のゲート絶縁
膜と、これに加えて備えられる二重のゲート電極を有す
る、いわゆるダブルゲート構造を有する薄膜トランジス
タを形成することが可能となる。このような形態によれ
ば、一般に、薄膜トランジスタの特性が向上することが
知られているが、このようなものであっても、半導体層
中に重水素が含まれている限り、上述の作用効果が略同
様に発揮されることに変わりはなく、また、本発明の範
囲内にあることに変わりはない。
【0029】本発明の基板装置の他の態様では、前記ゲ
ート電極膜中は、導電性のシリコン膜からなると共に重
水素を含む。
【0030】この態様によれば、ゲート電極膜中におい
ても、重水素が含まれることになるから、薄膜トランジ
スタの特性を、更に好適に維持することが可能となる。
【0031】本発明の電気光学装置は、上記課題を解決
するために、上述した本発明の基板装置(その各種態様
も含む)を備える。
【0032】本発明の電気光学装置によれば、上述した
本発明の基板装置を備えて構成されているので、長期に
亘って安定した性能を保持し得る長寿命の基板装置を実
現できる。
【0033】本発明の電気光学装置の他の態様では、前
記基板装置に対向配置された対向基板と、前記基板装置
と前記対向基板との間に挟持された電気光学物質とを備
える。
【0034】この態様によれば、例えば液晶等の電気光
学物質が一対の基板装置及び対向基板間に挟持されてな
る、液晶装置等の電気光学装置を実現できる。
【0035】本発明の電子機器は、上記課題を解決する
ために、上述した本発明の基板装置(その各種態様も含
む)を具備してなる。
【0036】この態様によれば、上述した本発明の基板
装置を具備してなるので、高性能で長寿命の電気光学装
置を表示部として有する、投射型表示装置或いはプロジ
ェクタ、液晶テレビ、パソコンやモバイル或いは携帯端
末のモニター部、ページャ、携帯電話の表示部、カメラ
のファインダ部などの各種電子機器を実現できる。
【0037】本発明の基板装置の製造方法は、基板上
に、半導体層を形成する工程と、該半導体層上にゲート
絶縁膜を形成する工程と、少なくとも前記半導体層の中
に重水素を含ましめる重水素導入工程とを含む。
【0038】本発明の基板装置の製造方法によれば、上
述の本発明の基板装置を、比較的容易に製造することが
可能となる。
【0039】なお、本発明は、重水素導入工程を実施す
るタイミングを、ゲート絶縁膜を形成する工程の前とす
るか、又は後とするかについて、基本的に限定されるも
のではない。ただし、後で述べるように、一定の場合に
おいては、ゲート絶縁膜を形成した後にはじめて、重水
素導入工程を実施する方が、より好ましくはある。
【0040】本発明の基板装置の製造方法の一態様で
は、ゲート絶縁膜を形成する工程は、ドライ酸化又はウ
ェット酸化を経て酸化膜を形成する工程、CVD法を利
用してTEOS膜又はHTO膜を形成する工程及びプラ
ズマを利用して酸化膜を形成する工程のいずれか少なく
とも一つを含む。
【0041】本態様によれば、ゲート絶縁膜が好適に形
成されることとなる。なお、「いずれか少なくとも一つ
を含む」であるから、例えば場合によっては、ドライ酸
化を経て熱酸化膜を形成した後、その上にプラズマ酸化
膜を形成する、という場合も、本態様の範囲内に含まれ
る。
【0042】本発明の基板装置の製造方法の他の態様で
は、前記ゲート絶縁膜を形成する工程は、前記半導体層
を熱酸化する工程を含むとともに、前記ゲート絶縁膜は
前記熱酸化する工程の結果得られる酸化膜からなり、前
記重水素導入工程は、前記ゲート絶縁膜を形成する工程
の後に実施される。
【0043】この態様によれば、ゲート絶縁膜は、半導
体層を熱酸化した結果得られる酸化膜からなるため、該
酸化膜の形成工程時において、半導体層及び基板は、通
常、例えば800℃程度ないしそれ以上の高温環境下に
曝されることになる。ここでもし、ゲート絶縁膜の形成
前に、上述のような重水素導入工程を実施する場合を考
えると、該工程により生成されたSi−D結合等は、そ
の後実施されるゲート絶縁膜形成工程に伴う上記高温環
境下に曝される結果となる。したがって、この場合、せ
っかく生成されたSi−D結合等が、当該高温環境下に
おいて切断されるおそれがあることになる。
【0044】しかるに、本態様では、上記ゲート絶縁膜
の形成後に、重水素導入工程を実施することにより、上
述のような不都合を被るおそれがない。すなわち、一旦
生成されたSi−D結合等は、基板装置の出荷段階に至
るまで、これを維持することが可能となるのである。
【0045】なお、上述のような事情によるダングリン
グボンド終端の解消(すなわち、Si−D結合等の切
断)は、該ダングリングボンドが水素により終端されて
いる場合において、より深刻に観察されるものと考えら
れる。というのも、上述したように、水素が絡む結合
(例えば、Si−H結合等)は、本発明に係る重水素が
絡む結合に比べて、結合エネルギが小さいからである。
【0046】この点、上述したように、本発明において
は、重水素導入工程を実施した後に、ゲート絶縁膜形成
工程を実施してもよいのであるから、いま述べたような
事情は、本発明にとってより有利に作用することにな
る。つまり、本発明において、重水素導入工程をゲート
絶縁膜形成工程の後に実施するとしても、従来に比べ
て、前述のようなダングリングボンド終端の解消が生じ
る可能性は小さいと言える。
【0047】本発明の基板装置の製造方法の他の態様で
は、前記重水素導入工程は、重水素を含む環境中におけ
るアニール処理、重水素プラズマを利用する処理、重水
素を含むシンター処理及び重水素イオンを注入する処理
のうち少なくとも一つにより行われる。
【0048】この態様によれば、比較的容易に、また、
特段の設備投資をすることなく(すなわち安価に)、半
導体層中に重水素を含ましめることが可能となる。な
お、上記アニール処理では、好適には、既存のファーネ
ス(拡散炉)等を用いることにより、当該処理を実施す
ることが可能となる。
【0049】本発明のこのような作用及び他の利得は次
に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0051】(基板装置の実施形態)先ず基板装置の製
造方法及び構成について図1及び図2を参照して説明す
る。図1は、本実施形態の製造方法を順を追って示す工
程図であり、工程毎のTFT付近における断面構造を示
している。図2は、図1の工程(4)における重水素導
入工程により、ポリシリコン膜と、該ポリシリコン膜及
び熱酸化シリコン膜の界面とに生じる結晶構造を示す模
式図である。
【0052】図1において工程(1)では、石英基板2
00が用意され、工程(2)では、その上にポリシリコン
膜が形成された後、フォトリソグラフィ及びエッチング
により、TFTのソース領域、チャネル領域及びドレイ
ン領域を含む所定パターンの、本発明にいう半導体層の
一例たるポリシリコン膜202が形成される。このよう
なポリシリコン膜202としては、低温ポリシリコン膜
でもよいし、高温ポリシリコン膜、又はアモルファスシ
リコン膜でもよい。また、石英基板200に代えて、プ
ラスチック基板や、ガラス基板等を用いてもよい。
【0053】次に、工程(3)では、ドライ酸化により、
ポリシリコン膜202の表面に、本発明にいうゲート絶
縁膜の一例たる熱酸化シリコン膜204が形成される。
【0054】次に、工程(4)では、ファーネス(拡散
炉)内にて、重水素原子を含む雰囲気中でアニール処理
することにより、上記ポリシリコン膜202中に重水素
を含ましめる(重水素導入工程の実施)。ちなみに、こ
のアニール処理によれば、自動的に、ポリシリコン膜2
02と熱酸化シリコン膜204との界面203及びその
近傍にも重水素が含まれることになる。これにより、ポ
リシリコン膜202中、及び界面203におけるダング
リングボンドは、図2に示すように、重水素Dを絡ませ
た形、すなわちSi−D結合やSi−OD結合等で終端
されることになる。そして、このような結合は、従来に
おける水素Hを絡ませた結合よりも、その結合エネルギ
が大きいから、より切れにくい状態が現出されていると
いうことになる。
【0055】なお、上述においては、重水素アニールを
実施することにより、ポリシリコン膜202中に重水素
を含ましめる形態となっていたが、本発明は、このよう
な形態に限定されるものではない。すなわち、この他、
上記に示した工程(4)以外の工程、また、重水素を導
入する方法として重水素プラズマを利用することによる
方法や、重水素を含むシンター処理又は重水素イオンを
注入する処理等により、上述のような構成を現出させて
もよい。
【0056】ちなみに、本実施形態においては、上述の
ように、熱酸化シリコン膜204を形成した後に、重水
素を含ましめる工程を実施する形態であることにより、
次のような作用効果が奏される。すなわち、上記熱酸化
シリコン膜204を形成する工程では、通常、基板20
0及びポリシリコン膜202は、例えば、800℃程度
ないしそれ以上の高温環境下に曝されることになる。こ
こでもし、熱酸化シリコン膜204の形成前に、上述の
ような重水素導入工程を実施する場合を考えると、該工
程により生成されたSi−D結合等は、その後実施され
る熱酸化シリコン膜204の形成工程に伴う上記高温環
境下に曝されることになる。したがって、この場合、せ
っかく生成されたSi−D結合等が、高温環境下におい
て切断されるおそれがあることになる。
【0057】しかるに、本実施形態では、上記熱酸化シ
リコン膜204の形成後に、重水素導入工程を実施する
ことにより、上述のような不都合を被るおそれがない。
すなわち、一旦生成されたSi−D結合等は、基板装置
の出荷段階に至るまで維持することが可能となるのであ
る。
【0058】ただし、本発明においては、ポリシリコン
膜202上に形成するゲート絶縁膜の形成方法として
は、上述したようなドライ酸化による方法の他、ウェッ
ト酸化による方法や、CVD法を利用してTEOS膜又
はHTO膜を形成する方法、あるいはプラズマを利用し
て酸化膜を形成する方法のいずれか少なくとも一つを含
むようにしてもよい。また、場合によっては、ドライ酸
化を経て熱酸化膜を形成した後、その上にプラズマ酸化
膜を形成する、という場合であってもよい。
【0059】さて、上述のように重水素導入工程が終了
したら、その後、工程(5)では、熱酸化シリコン膜2
04上に、導電性のポリシリコン膜等からなるゲート電
極206が形成される。更に、工程(6)では、ソース
領域にコンタクトホール221を介して接続されたソー
ス電極線208が、例えばAl(アルミニウム)等の金
属膜から、第1層間絶縁膜211上に形成される。他
方、ドレイン領域にコンタクトホール222を介して接
続されたドレイン電極線210が、例えばITO(イン
ジウムティンオキサイド)等の導電膜から、第2層間絶
縁膜212上に形成される。
【0060】以上の工程(1)〜(6)により、基板2
00上にTFTが構築される。
【0061】(電気光学装置の実施形態)次に図3から
図7を参照して本発明の基板装置を備えた電気光学装置
の実施形態について説明する。本実施形態は、上述した
基板装置の実施形態をTFTアレイ基板として備えたも
のであり、該TFTアレイ基板と対向基板とを対向配置
して、両者間に液晶等の電気光学物質を挟持してなる電
気光学装置に係る実施形態である。
【0062】先ず図3から図5を参照して、本実施形態
の電気光学装置の画像表示領域における構成についてそ
の動作と共に説明する。ここに、図3は、電気光学装置
の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複
数の画素における各種素子、配線等の等価回路である。
図4は、データ線、走査線、画素電極等が形成されたT
FTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図であ
り、図5は、図4のA−A’断面図である。尚、図5に
おいては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大
きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめて
ある。
【0063】図3において、特に上述した基板装置の実
施形態をTFTアレイ基板として備えてなる本実施形態
の電気光学装置では、その画像表示領域を構成するマト
リクス状に形成された複数の画素は、画素電極9aと当
該画素電極9aを制御するためのTFT30とがマトリ
クス状に複数形成されており、画像信号が供給されるデ
ータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に接続さ
れている。また、TFT30のゲートに走査線3aが電
気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線3
aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この
順に線順次で印加するように構成されている。画素電極
9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されてお
り、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけ
そのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供
給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミ
ングで書き込む。画素電極9aを介して電気光学物質に
書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、S
nは、対向基板(後述する)に形成された対向電極(後
述する)との間で一定期間保持される。電気光学物質
は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序
が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能に
する。ここで、保持された画像信号がリークするのを防
ぐために、画素電極9aと対向電極との間に形成される
電気光学物質容量と並列に蓄積容量70を付加する。
【0064】図4において、特に上述した基板装置の実
施形態をTFTアレイ基板として備えてなる本実施形態
の電気光学装置においては、TFTアレイ基板上に、マ
トリクス状に複数の透明な画素電極9a(点線部9a’
により輪郭が示されている)が設けられており、画素電
極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ線6a、走査線
3a及び容量線3bが設けられている。データ線6a
は、コンタクトホール5を介してポリシリコン膜等から
なる半導体層1aのうち後述のソース領域に電気的接続
されており、画素電極9aは、コンタクトホール8を介
して半導体層1aのうち後述のドレイン領域に電気的接
続されている。また、半導体層1aのうちチャネル領域
(図中右下がりの斜線の領域)に対向するように走査線
3aが配置されており、走査線3aはゲート電極として
機能する。容量線3bは、走査線3aに沿ってほぼ直線
状に伸びる本線部と、データ線6aと交差する箇所から
データ線6aに沿って前段側(図中、上向き)に突出し
た突出部とを有する。また、図中太線で示した矩形の島
状領域には夫々、各TFTの少なくともチャネル領域を
TFTアレイ基板側から見て一画素毎に夫々覆う位置
に、島状の第1遮光膜11aが設けられている。
【0065】次に図5の断面図に示すように、電気光学
装置は、透明なTFTアレイ基板10と、これに対向配
置される透明な対向基板20とを備えている。TFTア
レイ基板10は、例えば石英基板からなり、対向基板2
0は、例えばガラス基板や石英基板からなる。TFTア
レイ基板10には、画素電極9aが設けられており、そ
の上側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施され
た配向膜16が設けられている。画素電極9aは例え
ば、ITO膜(Indium Tin Oxide膜)などの透明導電性
膜からなる。また配向膜16は例えば、ポリイミド膜な
どの有機膜からなる。他方、対向基板20には、その全
面に渡って対向電極(共通電極)21が設けられてお
り、その下側には、ラビング処理等の所定の配向処理が
施された配向膜22が設けられている。TFTアレイ基
板10には、図5に示すように、各画素電極9aに隣接
する位置に、各画素電極9aをスイッチング制御する画
素スイッチング用TFT30が設けられている。対向基
板20には、更に図5に示すように、各画素の開口領域
(即ち、画像表示領域内において実際に入射光が透過し
て表示に有効に寄与する領域)以外の領域に、第2遮光
膜23が設けられている。
【0066】このように構成され、画素電極9aと対向
電極21とが対面するように配置されたTFTアレイ基
板10と対向基板20との間には、後述のシール材(図
6及び図7参照)により囲まれた空間に液晶等の電気光
学物質が封入され、電気光学物質層50が形成される。
電気光学物質層50は、画素電極9aからの電界が印加
されていない状態で配向膜16及び22により所定の配
向状態をとる。電気光学物質層50は、例えば一種又は
数種類のネマティック液晶を混合した電気光学物質から
なる。シール材は、TFT基板10及び対向基板20を
それらの周辺で貼り合わせるための、例えば光硬化性樹
脂や熱硬化性樹脂からなる接着剤であり、両基板間の距
離を所定値とするためのグラスファイバー或いはガラス
ビーズ等のスペーサが混入されている。
【0067】図4及び図5において本実施の形態では、
データ線6a、走査線3a及び容量線3b並びにTFT
30を含む図4中右上がりの斜線が引かれた網目状の領
域においては、TFTアレイ基板10が凹状に窪んでお
り、画像表示領域の平坦化用の溝が形成されている。
【0068】図5に示すように、画素スイッチング用T
FT30に各々対向する位置においてTFTアレイ基板
10と各画素スイッチング用TFT30との間には、一
画素毎に島状に第1遮光膜11aが設けられている。第
1遮光膜11aは、例えば、不透明な高融点金属である
Ti(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステ
ン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)及びPd
(パラジウム)のうちの少なくとも一つを含む、金属単
体、合金、金属シリサイド等から構成される。
【0069】更に、第1遮光膜11aと複数の画素スイ
ッチング用TFT30との間には、第1層間絶縁膜12
が設けられている。第1層間絶縁膜12は、画素スイッ
チング用TFT30を構成する半導体層1aを第1遮光
膜11aから電気的絶縁するために設けられるものであ
る。更に、第1層間絶縁膜12は、TFTアレイ基板1
0の全面に形成されることにより、画素スイッチング用
TFT30のための下地膜としての機能をも有する。
【0070】本実施の形態では、ゲート絶縁膜2を走査
線3aに対向する位置から延設して誘電体膜として用
い、半導体層1aを延設して第1蓄積容量電極1fと
し、更にこれらに対向する容量線3bの一部を第2蓄積
容量電極とすることにより、蓄積容量70が構成されて
いる。
【0071】図5において、画素スイッチング用TFT
30は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有して
おり、走査線3a、当該走査線3aからの電界によりチ
ャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1
a’、走査線3aと半導体層1aとを絶縁するゲート絶
縁膜2、データ線6a、半導体層1aの低濃度ソース領
域1b及び低濃度ドレイン領域1c、半導体層1aの高
濃度ソース領域1d並びに高濃度ドレイン領域1eを備
えている。高濃度ドレイン領域1eには、複数の画素電
極9aのうちの対応する一つが接続されている。本実施
の形態では特にデータ線6aは、Al(アルミニウム)
等の低抵抗な金属膜や金属シリサイド等の合金膜などの
遮光性の薄膜から構成されている。また、走査線3a、
ゲート絶縁膜2及び第1層間絶縁膜12の上には、高濃
度ソース領域1dへ通じるコンタクトホール5及び高濃
度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホール8が各々
形成された第2層間絶縁膜4が形成されている。更に、
データ線6a及び第2層間絶縁膜4の上には、高濃度ド
レイン領域1eへのコンタクトホール8が形成された第
3層間絶縁膜7が形成されている。
【0072】画素スイッチング用TFT30は、好まし
くは上述のようにLDD構造を持つが、低濃度ソース領
域1b及び低濃度ドレイン領域1cに不純物イオンの打
ち込みを行わないオフセット構造を持ってよいし、走査
線3aの一部であるゲート電極をマスクとして高濃度で
不純物イオンを打ち込み、自己整合的に高濃度ソース及
びドレイン領域を形成するセルフアライン型のTFTで
あってもよい。また本実施の形態では、画素スイッチン
グ用TFT30のゲート電極をソース−ドレイン領域間
に1個のみ配置したシングルゲート構造としたが、これ
らの間に2個以上のゲート電極を配置してもよい。この
際、各々のゲート電極には同一の信号が印加されるよう
にする。
【0073】次に図6及び図7を参照して、以上のよう
に構成された電気光学装置の全体構成を説明する。尚、
図6は、TFTアレイ基板10をその上に形成された各
構成要素と共に対向基板20の側から見た平面図であ
り、図7は、対向基板20を含めて示す図6のH−H’
断面図である。
【0074】図6において、TFTアレイ基板10の上
には、シール材52がその縁に沿って設けられており、
その内側に並行して、例えば第2遮光膜23と同じ或い
は異なる材料から成る額縁としての第3遮光膜53が設
けられている。シール材52の外側の領域には、データ
線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFT
アレイ基板10の一辺に沿って設けられており、走査線
駆動回路104が、この一辺に隣接する2辺に沿って設
けられている。更にTFTアレイ基板10の残る一辺に
は、画像表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路1
04間をつなぐための複数の配線105が設けられてい
る。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇
所においては、TFTアレイ基板10と対向基板20と
の間で電気的導通をとるための上下導通材106が設け
られている。そして、図6に示すように、図6に示した
シール材52とほぼ同じ輪郭を持つ対向基板20が当該
シール材52によりTFTアレイ基板10に固着されて
いる。
【0075】本実施形態では好ましくは、画像表示領域
に作り込む画素スイッチング用のTFT30について
は、上述した実施形態の基板装置における重水素が半導
体層中に導入されたNチャネル型TFTから構成すると
よい。同時に、周辺領域に作り込むデータ線駆動回路1
01、走査線駆動回路104等の周辺回路を、CMOS
型TFTを含めて構成すると共にこのCMOS中のPチ
ャネル型TFTについては、上述した実施形態の基板装
置における重水素が半導体層中に導入されたPチャネル
型TFTから構成するとよい。
【0076】このように構成すれば、電子がキャリアで
あるためキャリア移動度に優れたNチャネル型TFTを
用いて、画素スイッチングを高駆動周波数で良好に行え
ると共に、駆動電流特性等に優れたCMOSを用いて周
辺回路を構成しつつ装置全体の長寿命化を図ることが可
能となる。
【0077】以上図3から図7を参照して説明した電気
光学装置の実施形態では、データ線駆動回路101及び
走査線駆動回路104をTFTアレイ基板10の上に設
ける代わりに、例えばTAB(テープオートメイテッド
ボンディング基板)上に実装された駆動用LSIに、T
FTアレイ基板10の周辺部に設けられた異方性導電フ
ィルムを介して電気的及び機械的に接続するようにして
もよい。また、本願発明をTFTアクティブマトリクス
駆動方式以外の、TFD(Thin Film Diode)アクティ
ブマトリクス方式、パッシブマトリクス駆動方式などい
ずれの方式に適用しても高品位の画像表示が可能な電気
光学装置を実現できる。更にまた、上述の電気光学装置
では、対向基板20の外面及びTFTアレイ基板10の
外面には各々、例えば、TN(Twisted Nematic)モー
ド、STN(Super Twisted Nematic)モード、VA(Ve
rtically Aligned)モード、PDLC(Polymer Disperse
d Liquid Crystal)モード等の動作モードや、ノーマリ
ーホワイトモード/ノーマリーブラックモードの別に応
じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板などが所
定の方向で配置される。
【0078】(電子機器)次に、以上詳細に説明した電
気光学装置をライトバルブとして用いた電子機器の一例
たる投射型カラー表示装置の実施形態について、その全
体構成、特に光学的な構成について説明する。ここに図
8は、投射型カラー表示装置の図式的断面図である。
【0079】図8において、本実施形態における投射型
カラー表示装置の一例たる液晶プロジェクタ1100
は、駆動回路がTFTアレイ基板上に搭載された液晶装
置100を含む液晶モジュールを3個用意し、夫々RG
B用のライトバルブ100R、100G及び100Bと
して用いたプロジェクタとして構成されている。液晶プ
ロジェクタ1100では、メタルハライドランプ等の白
色光源のランプユニット1102から投射光が発せられ
ると、3枚のミラー1106及び2枚のダイクロイック
ミラー1108によって、RGBの3原色に対応する光
成分R、G、Bに分けられ、各色に対応するライトバル
ブ100R、100G及び100Bに夫々導かれる。こ
の際特にB光は、長い光路による光損失を防ぐために、
入射レンズ1122、リレーレンズ1123及び出射レ
ンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して
導かれる。そして、ライトバルブ100R、100G及
び100Bにより夫々変調された3原色に対応する光成
分は、ダイクロイックプリズム1112により再度合成
された後、投射レンズ1114を介してスクリーン11
20にカラー画像として投射される。
【0080】本発明は、上述した実施形態に限られるも
のではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる
発明の要旨、あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可
能であり、そのような変更を伴う基板装置及びその製造
方法並びに電気光学装置及び電子機器もまた、本発明の
技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基板装置の製造方法を、順を追って
示す工程図である。
【図2】 図1の工程(4)における重水素導入工程に
より、半導体層と、半導体層中及びゲート絶縁膜の界面
に生じる結晶構造を示す模式図である。
【図3】 本発明の電気光学装置の実施形態における画
像表示領域を構成するマトリクス状の複数の画素に設け
られた各種素子、配線等の等価回路である。
【図4】 図3の電気光学装置におけるデータ線、走査
線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接
する複数の画素群の平面図である。
【図5】 図4のA−A’断面図である。
【図6】 本発明の電気光学装置の実施形態におけるT
FTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に
対向基板の側から見た平面図である。
【図7】 図6のH−H’断面図である。
【図8】 本発明の電子機器の実施形態に係る投射型カ
ラー表示装置の概略ブロック図である。
【符号の説明】
1a…半導体層 2…絶縁膜 3a…走査線 10…TFTアレイ基板 30…TFT 200…基板 202…ポリシリコン膜 203…(ポリシリコン膜と熱酸化シリコン膜との)界
面 204…熱酸化シリコン膜 206…ゲート電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H092 GA59 JA25 JA26 JA28 KA04 KA05 KA07 KA10 KA12 KA13 MA01 MA07 MA22 MA25 MA27 MA37 NA13 NA29 QA06 QA07 QA09 QA10 QA15 RA05 5F110 AA14 AA19 BB01 BB04 CC02 CC08 DD01 DD02 DD03 EE09 EE30 EE50 FF02 FF07 FF23 FF25 FF29 FF30 GG02 GG13 GG15 GG32 GG33 GG51 GG52 GG55 HL03 HL07 NN46 NN72 NN73 QQ21 QQ24 QQ25 QQ26

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、 該基板上に形成されておりソース領域、チャネル領域及
    びドレイン領域を含む半導体層と、 少なくとも前記チャネル領域における前記半導体層の上
    又は下の少なくとも一方に形成されたゲート絶縁膜と、 該ゲート絶縁膜を前記半導体層と挟むように形成された
    ゲート電極膜とを備えており、 前記半導体層中に重水素を含むことを特徴とする基板装
    置。
  2. 【請求項2】 前記半導体層中に加えて、又は代えて、 前記半導体層及び前記ゲート絶縁膜の界面及びその近傍
    にも重水素を含むことを特徴とする請求項1に記載の基
    板装置。
  3. 【請求項3】 前記半導体層は、低温若しくは高温ポリ
    シリコン膜又はアモルファスシリコン膜からなることを
    特徴とする請求項1又は2に記載の基板装置。
  4. 【請求項4】 前記基板上には、前記半導体層、前記ゲ
    ート絶縁膜及び前記ゲート電極膜からなる薄膜トランジ
    スタがアレイ状に複数配列されていることを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の基板装置
  5. 【請求項5】 前記アレイ状に複数配列された薄膜トラ
    ンジスタは夫々、Nチャネル型であり且つ前記基板上の
    画像表示領域において画素スイッチング用に画素毎に設
    けられていることを特徴とする請求項4に記載の基板装
    置。
  6. 【請求項6】 前記ゲート絶縁膜及び前記ゲート電極膜
    は、前記半導体層の両側に形成されていることを特徴と
    する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の基板装置。
  7. 【請求項7】 前記ゲート電極膜中は、導電性のシリコ
    ン膜からなると共に重水素を含むことを特徴とする請求
    項1乃至6のいずれか一項に記載の基板装置。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の
    基板装置を備えてなることを特徴とする電気光学装置。
  9. 【請求項9】 前記基板装置に対向配置された対向基板
    と、前記基板装置と前記対向基板との間に挟持された電
    気光学物質とを備えたことを特徴とする請求項8に記載
    の電気光学装置。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9に記載の電気光学装置
    を具備してなることを特徴とする電子機器。
  11. 【請求項11】 基板上に、 半導体層を形成する工程と、 該半導体層上にゲート絶縁膜を形成する工程と、少なく
    とも前記半導体層の中に重水素を含ましめる重水素導入
    工程とを含むことを特徴とする基板装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記ゲート絶縁膜を形成する工程は、
    ドライ酸化又はウェット酸化による熱酸化を経て酸化膜
    を形成する工程、CVD法を利用してTEOS(テトラ
    ・エチル・オルソ・シリケート)膜又はHTO膜を形成
    する工程及びプラズマを利用して酸化膜を形成する工程
    のいずれか少なくとも一つを含むことを特徴とする請求
    項11に記載の基板装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記ゲート絶縁膜を形成する工程は、
    前記半導体層を熱酸化する工程を含むとともに、前記ゲ
    ート絶縁膜は前記熱酸化する工程の結果得られる酸化膜
    からなり、 前記重水素導入工程は、前記ゲート絶縁膜を形成する工
    程の後に実施されることを特徴とする請求項11に記載
    の基板装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記重水素導入工程は、重水素を含む
    環境中におけるアニール処理、重水素プラズマを利用す
    る処理、重水素を含むシンター処理及び重水素イオンを
    注入する処理のうち少なくとも一つにより行われること
    を特徴とする請求項11乃至13のいずれか一項に記載
    の基板装置の製造方法。
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KR100768879B1 (ko) 2005-05-24 2007-10-22 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 반도체 장치 및 반도체 장치의 제조 방법
JP2017076777A (ja) * 2015-10-13 2017-04-20 上海新昇半導體科技有限公司 ウエハ形成方法

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