JP2003206355A - 常温硬化性塗料組成物 - Google Patents

常温硬化性塗料組成物

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JP2003206355A
JP2003206355A JP2002003872A JP2002003872A JP2003206355A JP 2003206355 A JP2003206355 A JP 2003206355A JP 2002003872 A JP2002003872 A JP 2002003872A JP 2002003872 A JP2002003872 A JP 2002003872A JP 2003206355 A JP2003206355 A JP 2003206355A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性、塗膜光沢に優れ、また貯蔵性、初期
乾燥性、2回塗り作業性、塗膜物性に優れた塗膜を形成
し得る常温硬化性塗料組成物を提供する。 【解決手段】 エポキシ基含有重合性不飽和モノマー
と、シクロヘキシル基含有重合性不飽和モノマーと、必
要に応じて他の重合性不飽和モノマーとの共重合体であ
るエポキシ基含有ビニル共重合体(a)に、不飽和脂肪
酸を含有する脂肪酸成分(b)と、珪素原子に直接結合
する水酸基及び/又はアルコキシル基を含有するシリコ
ン樹脂(c)とが結合されてなる、ガラス転移温度が0
℃〜70℃の範囲内にある酸化硬化型シリコン変性ビニ
ル系樹脂、及びこの酸化硬化型シリコン変性ビニル系樹
脂を樹脂成分として含有する塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化硬化型シリコ
ン変性ビニル系樹脂、及び該変性ビニル系樹脂を用い
た、初期乾燥性に優れ、耐候性、塗膜物性などに優れた
塗膜を形成し得る常温硬化性塗料組成物に関する。
【0002】
【従来技術及びその課題】従来、常温硬化性を有し、か
つ溶液状態で長期にわたり安定である塗料用樹脂として
は、不飽和脂肪酸を用いたアルキド樹脂がよく知られて
おり、建築内外装用塗料に汎用されているが、このアル
キド樹脂は紫外線による耐候劣化を起こしやすく、屋外
用途に用いるには性能的に不十分であった。この耐候性
の問題を解決する手法として、例えば英国特許第79
3,776号公報に、脂肪酸で変性してなるアクリル樹
脂が提案されている。しかしながら脂肪酸変性されたア
クリル樹脂は、耐候性は少し改善されるものの、極性の
低い軟質成分である脂肪酸を含有しているので、耐候
性、耐水性や耐酸・耐アルカリ性などの塗膜性能がまだ
十分とはいえないものであった。
【0003】本発明者らは、塗膜の耐候性などの塗膜性
能などに優れた塗料として、特開2001−12296
8号公報において、脂肪酸変性されたアクリル樹脂を更
にシリコン樹脂で変性してなる樹脂を塗料用樹脂として
使用した塗料を提案した。この塗料によって、塗膜の耐
候性、耐水性や耐酸・耐アルカリ性などの塗膜性能が向
上するが、さらなる塗膜性能の向上が求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
さらに塗膜の耐候性などの塗膜性能を向上すべく鋭意研
究を行った結果、シクロヘキシル基を導入したアクリル
樹脂を脂肪酸変性し、更にシリコン樹脂で変性してな
り、特定のガラス転移温度範囲にある樹脂を塗料用樹脂
として使用することにより、塗膜の耐候性などの塗膜性
能が更に格段に向上すること、貯蔵安定性、2回塗り作
業性に優れ、更に初期乾燥性も優れていることを見出し
本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明によって、エポキシ基含有
重合性不飽和モノマーと、シクロヘキシル基含有重合性
不飽和モノマーと、必要に応じて他の重合性不飽和モノ
マーとの共重合体であるエポキシ基含有ビニル共重合体
(a)に、不飽和脂肪酸を含有する脂肪酸成分(b)
と、珪素原子に直接結合する水酸基及び/又はアルコキ
シル基を含有するシリコン樹脂(c)とが結合されてな
る、ガラス転移温度が0℃〜70℃の範囲内にある酸化
硬化型シリコン変性ビニル系樹脂が提供される。
【0006】また、本発明によって、酸化硬化型シリコ
ン変性ビニル系樹脂を樹脂成分として含有する塗料組成
物が提供される。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】まず、本発明の酸化硬化型シリコ
ン変性ビニル系樹脂について説明する。
【0009】本発明の酸化硬化型シリコン変性ビニル系
樹脂は、下記エポキシ基含有ビニル共重合体(a)に、
下記脂肪酸成分(b)と下記シリコン樹脂(c)とが結
合されてなる樹脂である。
【0010】エポキシ基含有ビニル共重合体(a) 本発明で用いるエポキシ基含有ビニル共重合体(a)
(以下、「共重合体(a)」と略称することがある)
は、エポキシ基含有重合性不飽和モノマーと、シクロヘ
キシル基含有重合性不飽和モノマーと、必要に応じて他
の重合性不飽和モノマーとの共重合体である。
【0011】上記エポキシ基含有重合性不飽和モノマー
としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、
β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−
エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、
3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アク
リレート、アリルグリシジルエーテル等を挙げることが
できる。
【0012】本明細書において、「(メタ)アクリレー
ト」は、「アクリレート又はメタアクリレート」を意味
する。
【0013】前記シクロヘキシル基含有重合性不飽和モ
ノマーとしては、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、等を挙げることができる。
【0014】上記エポキシ基含有重合性不飽和モノマー
及びシクロヘキシル基含有重合性不飽和モノマーと必要
に応じて共重合して共重合体(a)を構成する、他の重
合性不飽和モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチ
ル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレ
ート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、n−オクチル(メタ)アクリレート、デシル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレートなどのアクリル酸又はメタクリル
酸の炭素数1〜24のアルキルエステル;2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの
如きα,β−エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシ
アルキルエステル類や、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレートの如きアルキレンオキシド鎖と水
酸基を有するα,β−エチレン性不飽和カルボン酸エス
テルなどの水酸基含有モノマー;(メタ)アクリル酸イ
ソボルニル、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレー
ト、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレ
ート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリ
ジル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、2−
(2′−ヒドロキシ−5′−メタアクリルオキシフェニ
ル)−2H−ベンゾトリアゾール、スチレン等を挙げる
ことができる。
【0015】共重合体(a)において、エポキシ基含有
重合性不飽和モノマーと、シクロヘキシル基含有重合性
不飽和モノマーと、他の重合性不飽和モノマーとの共重
合比率は、通常、下記の範囲内にあることが、不飽和脂
肪酸(b)との相溶性向上に基づく不飽和脂肪酸(b)
との付加反応性、得られる共重合体(a)の溶剤への溶
解性などの点から適当である。
【0016】エポキシ基含有重合性不飽和モノマー:3
〜70重量%、好ましくは5〜40重量%、さらに好ま
しくは7〜30重量%、 シクロヘキシル基含有重合性不飽和モノマー:3〜70
重量%、好ましくは10〜60重量%、さらに好ましく
は20〜50重量%、 他の重合性不飽和モノマー:0〜94重量%、好ましく
は0〜85重量%、さらに好ましくは20〜73重量
%。
【0017】また、他の重合性不飽和モノマーを共重合
させる場合には、使用する他の重合性不飽和モノマーの
うちの、50重量%以上がアクリル酸又はメタクリル酸
の炭素数4〜24のアルキルエステルであることが、得
られる共重合体(a)と不飽和脂肪酸(b)との相溶
性、即ち、共重合体(a)と不飽和脂肪酸(b)との付
加反応性、得られる共重合体(a)の溶剤への溶解性等
の点から適当である。
【0018】共重合体(a)の製造において、水酸基含
有モノマーの使用量の決定については、共重合体(a)
中のグリシジル基との反応によるゲル化、シリコン樹脂
との反応の際に、ゲル化が起こらぬようにその量を決定
すべきである。通常、水酸基含有モノマーの使用量は、
共重合体(a)を構成するモノマー成分中、50重量%
以下であることが適当である。
【0019】共重合体(a)を得るための共重合方法
は、とくに限定されるものではないが、脂肪酸成分
(b)やシリコン樹脂(c)との反応のさせやすさなど
の面から、有機溶剤中にてラジカル重合開始剤の存在下
で行う溶液重合法が好適である。
【0020】上記共重合体(a)の溶液重合による合成
に際して使用されるラジカル重合開始剤としては、例え
ば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′
−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のア
ゾ系重合開始剤;ラウリルパーオキサイド、t−ブチル
パーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパ
ーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤等を挙げられ
る。
【0021】上記溶液重合による合成に際して使用され
る有機溶剤としては、例えばn−ヘキサン、n−オクタ
ン、2,2,2−トリメチルペンタン、イソオクタン、
n−ノナン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等
の脂肪族炭化水素系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤;ミネラ
ルスピリット、「スワゾール1000」(コスモ石油社
製品)、石油エーテル、石油ベンジン、石油ナフサ等の
石油系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチ
ル、酢酸イソブチル等のエステル系溶剤;イソプロパノ
ール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤等を単独
で、あるいは2種以上を混合して、必要に応じて任意に
用いることができる。
【0022】共重合体(a)は、数平均分子量が1,0
00〜100,000、特に、2,000〜50,00
0の範囲内にあり、ガラス転移温度(Tg)が0〜10
0℃、好ましくは5〜80℃の範囲内にあることが、得
られる樹脂を使用して形成される塗膜の塗膜物性及び速
乾性の面から好適である。
【0023】脂肪酸成分(b) 本発明の樹脂を構成する脂肪酸成分(b)は、不飽和脂
肪酸を必須に含有し、必要に応じて飽和脂肪酸を含有す
る脂肪酸成分であり、ヨウ素価が約50〜200の範囲
内にあることが適当である。ヨウ素価が約50未満にな
ると塗膜の硬化性が低下し、一方、ヨウ素価が約200
を越えると樹脂製造中にゲル化するおそれがあるので好
ましくない。
【0024】脂肪酸成分(b)の必須成分である不飽和
脂肪酸の代表例としては、キリ油脂肪酸、魚油脂肪酸、
脱水ヒマシ油脂肪酸、ハイジエン脂肪酸、サフラワー油
脂肪酸、アマニ油脂肪酸、ダイズ油脂肪酸、ゴマ油脂肪
酸、ケシ油脂肪酸、エノ油脂肪酸、麻実油脂肪酸、ブド
ウ核油脂肪酸、トウモロコシ油脂肪酸、トール油脂肪
酸、ヒマワリ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、クルミ油脂肪
酸、ゴム種油脂肪酸等が挙げられる。不飽和脂肪酸は、
酸化硬化形の重合性不飽和基をもつ脂肪酸であって、本
発明のシリコン変性ビニル樹脂に酸化硬化性を付与する
ものである。
【0025】脂肪酸成分(b)が上記不飽和脂肪酸に加
えて、さらに必要に応じて含有することができる飽和脂
肪酸としては、例えば、ヤシ油脂肪酸、水添ヤシ油脂肪
酸、パーム油脂肪酸等の不乾性油脂肪酸;カプロン酸、
カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸等を挙げることができる。
【0026】脂肪酸成分(b)の使用割合は、前記共重
合体(a)の樹脂固形分100重量部に対して1〜60
重量部、好ましくは5〜40重量部の範囲内にあること
が、得られる塗膜の硬化性及び耐候性などの面から好適
である。
【0027】シリコン樹脂(c) 本発明の樹脂を構成するシリコン樹脂(c)は、珪素原
子に直接結合する水酸基及び/又はアルコキシル基を含
有するシリコン樹脂であり、例えば下記示性式R
(RO)SiO(4−a−b)/2(式中、R
は同一又は異なって、炭素数1〜8のアルキル基又はア
リール基を表し、RはH又は炭素数1〜8のアルキル
基を表し、aが0≦a≦3.5、bが0.0005≦b
≦4.0の範囲内にある)で示されるシリコン樹脂を好
適に使用することができる。
【0028】上記式中、Rにおける炭素数1〜8のア
ルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル
基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基
等を挙げることができ、Rにおけるアリール基の具体
例としては、フェニル基、トリル基等を挙げることがで
きる。Rとしては、これらのうち、メチル基、エチル
基、フェニル基が入手の容易さ、反応性などの点から望
ましい。
【0029】RであるH及び/又は炭素数1〜8のア
ルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル
基、オクチル基等を挙げることができ、これらのうち、
反応性の点から、なかでも水素、メチル基、エチル基が
好ましい。
【0030】上記式において、aが0≦a≦3.5の範
囲内にあり、bが0.0005≦b≦4.0の範囲内に
あることが、エポキシ基含有ビニル共重合体(a)、又
は該共重合体(a)と脂肪酸成分(b)との反応生成物
中の水酸基との反応性、得られる塗膜の物性、硬化性、
耐候性等の点から好適である。
【0031】また、シリコン樹脂(c)は、ポリスチレ
ン換算した数平均分子量が90〜100,000の範囲
内にあることが、得られるシリコン変性ビニル系樹脂を
用いて形成される塗膜の物性及び硬化性等の点から望ま
しい。
【0032】シリコン樹脂(c)の市販品としては、例
えば、SH−6018、DC3074、DC3037、
SR2402(以上、いずれも東レダウコーニング
(株)製品);KR9218、X−40−9220(以
上、いずれも信越化学(株)製品)、TSR165、X
R−31B1763(以上、いずれも東芝シリコーン
(株)製品)などが例示できる。
【0033】シリコン樹脂(c)は、上記市販品等の、
水酸基又はアルコキシル基を含有するシリコン樹脂の1
種又は2種以上の混合物、該1種又は2種以上の混合物
の部分加水分解・縮合物、水酸基又はアルコキシル基含
有シリコン樹脂とオルガノジ又はトリアルコキシシラン
との部分加水分解・縮合物等であることができる。上記
ジオルガノジアルコキシシランとしては、ジメチルジメ
トキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニル
ジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチ
ルフェニルジメトキシシラン等を挙げることができ、オ
ルガノトリアルコキシシランとしては、メチルトリメト
キシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイ
ソプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フ
ェニルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
【0034】シリコン樹脂(c)の使用割合は、前記共
重合体(a)の樹脂固形分100重量部に対して1〜1
00重量部、好ましくは1〜50重量部、さらに好まし
くは1〜30重量部の範囲内にあることが、得られる塗
膜の硬化性及び耐候性などの面から好適である。
【0035】、前記共重合体(a)に、前記脂肪酸成分
(b)と上記シリコン樹脂(c)とが結合されてなる酸
化硬化型シリコン変性ビニル系樹脂のガラス転移温度は
0〜70℃、好ましくは10〜60℃の範囲内にあるこ
とが、得られる塗膜の硬度、非粘着性、塗膜物性などの
面から好適である。
【0036】本発明の酸化硬化型シリコン変性ビニル系
樹脂を製造するための、前記エポキシ基含有ビニル共重
合体(a)、脂肪酸成分(b)及びシリコン樹脂(c)
の反応順序は、特に制限されるものではなく、上記3者
を同時に反応させることもできるが、上記エポキシ基含
有ビニル共重合体(a)と脂肪酸成分(b)とを反応さ
せ、ついで、この反応生成物である脂肪酸変性共重合体
にシリコン樹脂(c)を反応させることが、反応の制御
のし易さなどの点から好適である。
【0037】上記エポキシ基含有ビニル共重合体(a)
と脂肪酸成分(b)との反応は、共重合体(a)中のエ
ポキシ基と脂肪酸成分(b)中のカルボキシル基とのエ
ステル化反応に基くものであり、この反応によって通
常、2級水酸基が生成する。
【0038】上記エポキシ基含有ビニル共重合体(a)
と脂肪酸成分(b)とを反応させるに際しては、必要に
応じて、 N,N−ジメチルアミノエタノール等の3級
アミン;臭化テトラブチルアンモニウム等の4級アンモ
ニウム塩等の反応触媒を用いることができる。反応触媒
を使用する場合には、その使用量は、共重合体(a)と
脂肪酸成分(b)との合計100重量部に基いて0.0
1〜10重量部の範囲内が適当である。
【0039】共重合体(a)と脂肪酸成分(b)との反
応条件は、ゲル化などの反応上の問題を起こすことな
く、共重合体(a)中のエポキシ基と脂肪酸成分(b)
中のカルボキシル基とが反応できる条件であればよく、
通常、約100〜170℃で、約2〜10時間加熱する
条件が適当である。上記のようにして得られる脂肪酸変
性共重合体とシリコン樹脂(c)との反応は、必要に応
じて、反応触媒の存在下において、加熱して 脱水又は
脱アルコール縮合反応させることによって行うことがで
きる。上記脱水又は脱アルコール縮合反応は、脂肪酸変
性共重合体中の水酸基とシリコン樹脂(c)中の水酸基
又はアルコキシシリル基との反応によるものである。上
記脂肪酸変性共重合体中の水酸基には、共重合体(a)
中に初めから存在する水酸基、共重合体(a)と脂肪酸
成分(b)との反応によって生成する水酸基がある。
【0040】上記脱水、脱アルコール縮合反応における
反応触媒としては、金属アルコキシド化合物、金属キレ
ート化合物、金属エステル化合物等が用いられる。金属
アルコキシド化合物としては、例えば、アルミニウムト
リメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニ
ウムトリn−プロポキシド、アルミニウムトリイソプロ
ポキシド、アルミニウムトリ−n−ブトキシド、アルミ
ニウムトリイソブトキシド、アルミニウムトリ−sec−
ブトキシド、アルミニウムトリ−tert−ブトキシド等の
アルミニウムアルコキシド;テトラメチルチタネート、
テトラエチルチタネート、テトラ−n−プロピルチタネ
ート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブ
チルチタネート、テトラ−sec−ブチルチタネート、テ
トラ−tert−ブチルチタネート、テトラ−n−ヘキシル
チタネート、テトライソオクチルチタネート、テトラ−
n−ラウリルチタネート等のチタニウムアルコキシド;
テトラエチルジルコネート、テトラ−n−プロピルジル
コネート、テトライソプロピルジルコネート、テトラ−
n−ブチルジルコネート、テトラ−sec−ブチルジルコ
ネート、テトラ−tert−ブチルジルコネート、テトラ−
n−ペンチルジルコネート、テトライソペンチルジルコ
ネート、テトラ−n−ヘキシルジルコネート、テトラ−
n−ヘプチルジルコネート、テトラ−n−オクチルジル
コネート、テトラ−n−ステアリルジルコネート等のジ
ルコニウムアルコキシド;ジブチルスズジブトキシド等
が挙げられ、金属キレート化合物としては、例えば、ト
リス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス
(n−プロピルアセトアセテート)アルミニウム、トリ
ス(イソプロピルアセトアセテート)アルミニウム、ト
リス(n−ブチルアセトアセテート)アルミニウム、イ
ソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)アルミニ
ウム、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、ト
リス(プロポニルアセトナト)アルミニウム、ジイソプ
ロポキシプロピオニルアセトナトアルミニウム、アセチ
ルアセトナト・ビス(プロピオニルアセトナト)アルミ
ニウム、モノエチルアセトアセテート・ビス(アセチル
アセトナト)アルミニウム、アセチルアセトナトアルミ
ニウム・ジ−sec−ブチレート、メチルアセトアセテー
トアルミニウム・ジ−tert−ブチレート、ビス(アセチ
ルアセトナト)アルミニウム・モノ−sec−ブチレー
ト、ジ(メチルアセトアセテート)アルミニウム・モノ
−tert−ブチレート等のアルミニウムキレート化合物;
ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チ
タネート、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナ
ト)チタネート、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルア
セトナト)チタネート等のチタニウムキレート化合物;
テトラキス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、テト
ラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウ
ム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウ
ム等のジルコニウムキレート化合物;ジブチル錫ビス
(アセチルアセトネート)等が挙げられ、金属エステル
化合物としては、例えば、ジブチル錫ジアセテート、ジ
ブチル錫ジ(2−エチルへキシレート)、ジベンジル錫
ジ(2−エチルヘキシレート)、ジブチル錫ジラウレー
ト、ジブチル錫ジイソオクチルマレエート等の錫エステ
ル化合物等が挙げられる。これらの反応触媒は1種又は
2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0041】上記反応触媒は、脂肪酸変性共重合体とシ
リコン樹脂(c)との合計100重量部に対して、0.
001〜5重量部、好ましくは0.005〜1重量部を
用いることが反応の促進効果の点から適当である。
【0042】脂肪酸変性共重合体とシリコン樹脂(c)
との反応における反応条件としては、脱水、脱アルコー
ル縮合反応が進行する条件であれば、特に限定されるも
のではなく、通常、反応温度60〜250℃、好ましく
は80℃〜200℃、更に好ましくは100〜180℃
の範囲であり、反応時間は0.5〜24時間、好ましく
は1〜12時間の範囲内であることが好適である。ま
た、上記反応において、反応により生成する水、アルコ
ールを系から除去することにより反応を円滑に進行させ
ることができる。
【0043】上記反応は、得られる樹脂が塗料用樹脂と
しての性能を発揮できるまで脱水、脱アルコール縮合反
応がなされておればよく、水酸基の一部が反応していて
もよいし、実質的に水酸基の全てが反応していてもよ
い。反応の進行程度は、赤外線吸収スペクトル(IR)
測定により水酸基に起因する吸収強度を求める方法、あ
るいは反応により生成する水、アルコール量を測定する
方法、系の粘度上昇等により知ることができる。
【0044】塗料組成物 上記のようにして得られる本発明の酸化硬化型シリコン
変性ビニル系重合体は、塗料用樹脂として好適に使用す
ることができる。
【0045】本発明の酸化硬化型シリコン変性ビニル系
重合体は、このものだけで塗料組成物とすることができ
るが、更に必要に応じて、酸化硬化反応触媒、顔料類、
有機溶剤、紫外線吸収剤、光安定剤、表面調整剤、顔料
分散剤、レオロジーコントロール剤、塗液皮張り防止
剤、防カビ剤、防藻剤、可塑剤、消泡剤等の塗料用添加
剤を配合して塗料組成物とすることができる。
【0046】上記酸化硬化反応触媒は、酸化硬化型シリ
コン変性ビニル系重合体中の不飽和脂肪酸に基く反応性
二重結合同士の酸化による架橋反応を促進する作用を有
するもので、具体例としては、例えば、オクチル酸コバ
ルト、ナフテン酸コバルト、オクチル酸マンガン、ナフ
テン酸マンガン、オクチル酸ジルコニウム、ナフテン酸
ジルコニウム、オクチル酸鉛等の有機金属化合物を挙げ
ることができる。
【0047】本発明組成物によって得られた塗膜は、表
面光沢等の外観が非常に良好で、耐候性、耐薬品性、塗
膜物性などが優れており、かつ、酸化硬化反応触媒存在
下では、塗装後わずか数時間で硬化でき、優れた常温硬
化性を示す。
【0048】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び
「重量%」を意味する。
【0049】実施例1 フラスコ中にミネラルスピリット100部を仕込み、窒
素ガスを通気しながら、115℃まで撹拌を行いながら
昇温した。次いで、温度を115℃に保ちながら下記の
モノマーなどの混合物を4時間かけて滴下した。
【0050】 シクロヘキシルメタアクリレート 50部 n−ブチルメタアクリレート 5部 イソブチルメタアクリレート 5部 2−エチルヘキシルアクリレート 20部 グリシジルメタアクリレート 20部 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 1部 ついで115℃で2時間熟成してエポキシ基含有ビニル
共重合体溶液を得た。この共重合体は、数平均分子量約
18,000、ガラス転移温度約27℃を有していた。
【0051】ついで、上記エポキシ基含有ビニル共重合
体溶液全量を140℃に昇温してからアマニ油脂肪酸3
0部及び反応触媒としてN,N−ジメチルアミノエタノ
ール0.4部を加え、160℃で5時間保持して脂肪酸
の付加反応を行った。樹脂酸価をKOH滴定法で追跡
し、樹脂酸価が1.0以下になった時点を終点とした。
反応終了後、キシレン30部を加えて希釈して不揮発分
50%の褐色透明で粘調な脂肪酸変性共重合体(A−
1)溶液を得た。
【0052】次に100℃まで冷却し、フラスコに水分
離器を装備し、シリコン樹脂SH−6018(東レ・ダ
ウコーニング・シリコーン(株)製)20部、ミネラル
スピリット14部、キシレン6部及び反応触媒としての
テトラ−n−ブチルチタネート0.20部を加え、16
5℃まで昇温し、還流系中で水分離器で水を分離しなが
ら5時間反応させて不揮発分約50%の褐色透明で粘調
なシリコン変性ビニル系樹脂溶液を得た。この樹脂は、
Tgが30℃であった。
【0053】実施例2 実施例1において、エポキシ基含有ビニル共重合体溶液
の製造に際して滴下するモノマーなどの混合物の組成を
下記のとおりに変更する以外は実施例1と同様に行い、
エポキシ基含有ビニル共重合体溶液を得た。 モノマーなどの混合物の組成 シクロヘキシルメタアクリレート 25部 n−ブチルメタアクリレート 15部 イソブチルメタアクリレート 20部 2−エチルヘキシルメタアクリレート 20部 グリシジルメタアクリレート 20部 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 2部 この共重合体は、数平均分子量約12,000、ガラス
転移温度約35℃を有していた。このエポキシ基含有ビ
ニル共重合体溶液を用い、実施例1と同様にして不揮発
分約50%の褐色透明で粘調なシリコン変性ビニル系樹
脂溶液を得た。この樹脂は、Tgが38℃であった。
【0054】実施例3 フラスコ中にミネラルスピリット105部を仕込み、窒
素ガスを通気しながら、115℃まで撹拌を行いながら
昇温した。次いで、温度を115℃に保ちながら下記の
モノマーなどの混合物を4時間かけて滴下した。
【0055】 シクロヘキシルメタアクリレート 25部 n−ブチルメタアクリレート 15部 イソブチルメタアクリレート 20部 2−エチルヘキシルメタアクリレート 20部 グリシジルメタアクリレート 20部 RUVA−093 (注1) 5部 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 1部 ついで115℃で2時間熟成してエポキシ基含有ビニル
共重合体溶液を得た。この共重合体は、数平均分子量約
18,000ガラス転移温度約35℃を有していた。
【0056】ついで、上記エポキシ基含有ビニル共重合
体溶液全量を140℃に昇温してからアマニ油脂肪酸3
0部及び反応触媒としてN,N−ジメチルアミノエタノ
ール0.4部を加え、160℃で5時間保持して脂肪酸
の付加反応を行った。樹脂酸価をKOH滴定法で追跡
し、樹脂酸価が1.0以下になった時点を終点とした。
反応終了後、キシレン30部を加えて希釈して不揮発分
50%の褐色透明で粘調な脂肪酸変性共重合体溶液を得
た。得られた不揮発分50%の脂肪酸変性共重合体溶液
270部、シリコン樹脂SH−6018を10部、ミネ
ラルスピリット7部、キシレン3部及び反応触媒として
のテトラ−n−ブチルチタネート0.10部を、水分離
器を装備したフラスコに仕込み、165℃まで昇温し、
還流系中で水分離器により水を分離しながら5時間反応
させて不揮発分50%の褐色透明で粘調なシリコン変性
ビニル系樹脂溶液を得た。この樹脂は、Tgが35℃で
あった。 (注1)RUVA−093:2−(2′−ヒドロキシ−
5′−メタクリルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリ
アゾール、大塚化学(株)製。
【0057】実施例4 実施例1において、エポキシ基含有ビニル共重合体溶液
の製造に際して滴下するモノマーなどの混合物の組成を
下記のとおりに変更する以外は実施例1と同様に行い、
エポキシ基含有ビニル共重合体溶液を得た。 モノマーなどの混合物の組成 シクロヘキシルアクリレート 25部 n−ブチルメタアクリレート 15部 イソブチルメタアクリレート 30部 2−エチルヘキシルメタアクリレート 10部 グリシジルメタアクリレート 20部 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 1部 この共重合体は、数平均分子量約18,000、ガラス
転移温度約29℃を有していた。このエポキシ基含有ビ
ニル共重合体溶液を用い、実施例1と同様にして不揮発
分約50%の褐色透明で粘調なシリコン変性ビニル系樹
脂溶液を得た。この樹脂は、Tgが33℃であった。
【0058】実施例5 実施例1において、エポキシ基含有ビニル共重合体溶液
の製造に際して滴下するモノマーなどの混合物の組成を
下記のとおりに変更する以外は実施例1と同様に行い、
エポキシ基含有ビニル共重合体溶液を得た。 モノマーなどの混合物の組成 シクロヘキシルメタアクリレート 50部 n−ブチルメタアクリレート 5部 イソブチルメタアクリレート 20部 2−エチルヘキシルメタアクリレート 5部 グリシジルメタアクリレート 20部 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 3部 この共重合体は、数平均分子量約9,000、ガラス転
移温度約52℃を有していた。このエポキシ基含有ビニ
ル共重合体溶液を用い、実施例1と同様にして不揮発分
約50%の褐色透明で粘調なシリコン変性ビニル系樹脂
溶液を得た。この樹脂は、Tgが55℃であった。
【0059】実施例6 実施例1において、エポキシ基含有ビニル共重合体溶液
の製造に際して滴下するモノマーなどの混合物の組成を
下記のとおりに変更する以外は実施例1と同様に行い、
エポキシ基含有ビニル共重合体溶液を得た。 モノマーなどの混合物の組成 シクロヘキシルメタアクリレート 25部 n−ブチルメタアクリレート 20部 イソブチルメタアクリレート 10部 2−エチルヘキシルアクリレート 25部 グリシジルメタアクリレート 20部 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 0.45部 この共重合体は、数平均分子量約24,000、ガラス
転移温度約13℃を有していた。このエポキシ基含有ビ
ニル共重合体溶液を用い、実施例1と同様にして不揮発
分約50%の褐色透明で粘調なシリコン変性ビニル系樹
脂溶液を得た。この樹脂は、Tgが15℃であった。
【0060】実施例7 実施例1において、エポキシ基含有ビニル共重合体溶液
の製造に際して滴下するモノマーなどの混合物の組成を
下記のとおりに変更する以外は実施例1と同様に行い、
エポキシ基含有ビニル共重合体溶液を得た。 モノマーなどの混合物の組成 シクロヘキシルメタアクリレート 25部 n−ブチルメタアクリレート 25部 イソブチルメタアクリレート 20部 2−エチルヘキシルメタアクリレート 20部 グリシジルメタアクリレート 10部 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 1部 この共重合体は、数平均分子量約18,000、ガラス
転移温度約32℃を有していた。このエポキシ基含有ビ
ニル共重合体溶液を用い、アマニ油脂肪酸の量を30部
から10部に変更し、キシレンの量を30部から10部
に変更する以外は、実施例1と同様にして不揮発分約5
0%の褐色透明で粘調なシリコン変性ビニル系樹脂溶液
を得た。この樹脂は、Tgが33℃であった。
【0061】実施例8 実施例1において、エポキシ基含有ビニル共重合体溶液
の製造に際して滴下するモノマーなどの混合物の組成を
下記のとおりに変更する以外は実施例1と同様に行い、
エポキシ基含有ビニル共重合体溶液を得た。 モノマーなどの混合物の組成 シクロヘキシルメタアクリレート 25部 n−ブチルメタアクリレート 15部 イソブチルメタアクリレート 20部 2−エチルヘキシルメタアクリレート 20部 グリシジルメタアクリレート 20部 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 1部 この共重合体は、数平均分子量約18,000、ガラス
転移温度約35℃を有していた。このエポキシ基含有ビ
ニル共重合体溶液を用い、アマニ油脂肪酸30部のかわ
りに大豆油脂肪酸30部を使用する以外は実施例1と同
様にして不揮発分約50%の褐色透明で粘調なシリコン
変性ビニル系樹脂溶液を得た。この樹脂は、Tgが38
℃であった。
【0062】比較例1 実施例1において、エポキシ基含有ビニル共重合体溶液
の製造に際して滴下するモノマーなどの混合物の組成を
下記のとおりに変更する以外は実施例1と同様に行い、
エポキシ基含有ビニル共重合体溶液を得た。 モノマーなどの混合物の組成 スチレン 25部 n−ブチルメタアクリレート 15部 イソブチルメタアクリレート 20部 2−エチルヘキシルアクリレート 20部 グリシジルメタアクリレート 20部 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 1部 この共重合体は、数平均分子量約19,000、ガラス
転移温度約27℃を有していた。このエポキシ基含有ビ
ニル共重合体溶液を用い、実施例1と同様にして不揮発
分約50%の褐色透明で粘調なシリコン変性ビニル系樹
脂溶液を得た。この樹脂は、Tgが30℃であった。
【0063】比較例2 実施例1において、エポキシ基含有ビニル共重合体溶液
の製造に際して滴下するモノマーなどの混合物の組成を
下記のとおりに変更する以外は実施例1と同様に行い、
エポキシ基含有ビニル共重合体溶液を得た。 モノマーなどの混合物の組成 シクロヘキシルメタアクリレート 25部 n−ブチルメタアクリレート 10部 2−エチルヘキシルアクリレート 45部 グリシジルメタアクリレート 20部 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 1部 この共重合体は、数平均分子量約18,000、ガラス
転移温度約−6℃を有していた。このエポキシ基含有ビ
ニル共重合体溶液を用い、実施例1と同様にして不揮発
分約50%の褐色透明で粘調なシリコン変性ビニル系樹
脂溶液を得た。この樹脂は、Tgが−3℃であった。
【0064】比較例3 実施例1において、エポキシ基含有ビニル共重合体溶液
の製造に際して滴下するモノマーなどの混合物の組成を
下記のとおりに変更する以外は実施例1と同様に行い、
エポキシ基含有ビニル共重合体溶液を得た。 モノマーなどの混合物の組成 シクロヘキシルメタアクリレート 25部 メチルメタアクリレート 40部 イソブチルメタアクリレート 15部 グリシジルメタアクリレート 20部 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 1部 この共重合体は、数平均分子量約18,000、ガラス
転移温度約74℃を有していた。このエポキシ基含有ビ
ニル共重合体溶液を用い、実施例1と同様にして不揮発
分約50%の褐色透明で粘調なシリコン変性ビニル系樹
脂溶液を得た。この樹脂は、Tgが75℃であった。
【0065】実施例9〜16及び比較例4〜6 各実施例及び比較例にて得られた不揮発分50%のシリ
コン変性ビニル系樹脂溶液200部に、硬化触媒として
ナフテン酸コバルト0.3重量部及びナフテン酸鉛1.
0重量部を添加した後、均一になるまで撹拌を行って各
常温硬化性塗料組成物を得た。実施例9は実施例1、実
施例10は実施例2、実施例11は実施例3、実施例1
2は実施例4、実施例13は実施例5、実施例14は実
施例6、実施例15は実施例7、実施例16は実施例
8、比較例4は比較例1、比較例5は比較例2、比較例
6は比較例3の各不揮発分50%のシリコン変性ビニル
系樹脂溶液を使用した。
【0066】比較例7 実施例1の前工程で得られた不揮発分50%の脂肪酸変
性共重合体(A−1)溶液200部に、硬化触媒として
ナフテン酸コバルト0.3重量部及びナフテン酸鉛1.
0重量部を添加した後、均一になるまで撹拌を行って常
温硬化性塗料組成物を得た。
【0067】性能試験 上記実施例9〜16及び比較例4〜7で得られた各常温
硬化性塗料組成物について貯蔵安定性の試験を行った。 (*1)貯蔵安定性:20℃で1週間貯蔵した際の塗料
について、沈降物の有無及び塗料の増粘の程度により評
価した。沈降物の発生及び顕著な増粘が無く、貯蔵安定
性良好なものを○とした。更に各常温硬化性塗料組成物
を塗装した塗板について下記試験方法に基づいて各種試
験を行った。その試験結果を後記表1に示す。
【0068】試験方法 (*2)初期乾燥性:ガラス板上に各常温硬化性塗料組
成物を300μmのアプリケータで塗装後、20℃、7
5%RHの室内に6時間放置した後の塗膜の指触乾燥性
を調べた。 ○:指紋がほとんど又は全くつかない △:指紋がかなりつく ×:塗膜が指に付着する。
【0069】(*3)2回塗り作業性:ガラス板上に各
常温硬化性塗料組成物を300μmのアプリケータで塗
装後、20℃、75%RHの室内で6時間放置後の塗膜
上に、各常温硬化性塗料組成物を刷毛で乾燥膜厚80〜
100μmとなるように塗装した時の塗装作業性及び塗
膜状態を観察した。 ○:異常なし △:塗膜にチヂミが認められる ×:1回目塗装時の塗膜が再溶解し、刷毛さばきが重く
なる。
【0070】(*4)塗膜光沢:「アレスセラマイル
ド」(関西ペイント社製、白色の艶消し塗料)を塗装し
てなるスレート板上に、各常温硬化性塗料組成物を30
0μmのアプリケータで塗装し1週間乾燥後、60°鏡
面反射率を測定した。 ◎:90%以上 ○:80%以上で、90%未満 △:70%以上で、80%未満 ×:70%未満。
【0071】(*5)耐候性:「アレスセラマイルド」
(関西ペイント社製、白色の艶消し塗料)を塗装してな
るスレート板上に、各常温硬化性塗料組成物を300μ
mのアプリケータで塗装し1週間乾燥後、サンシャイン
・ウェザオ・メータにて3000時間曝露したときの光
沢保持率でにて評価した。 ◎:90%以上 ○:80%以上、90%未満 △:70%以上、80%未満 ×:70%未満。
【0072】(*6)耐水性:スレート板上に各常温硬
化性塗料組成物を300μmのアプリケータで塗装し、
20℃、75%RHの室内にて1週間乾燥させた塗板
を、上水(20℃)に3日間浸漬した後、その塗膜の状
態を目視にて観察した。 ○:異常なし △:わずかにフクレが認められる ×:著しくフクレが認められる。
【0073】(*7)耐酸性:(*2)初期乾燥性の試
験と同様にして得た塗板に0.1Nの硫酸水溶液0.5
ccを滴下し、20℃で24時間放置後、水洗して塗膜
の状態を観察した。 ○:異常なし △:わずかに白化が認められる ×:著しく白化し、塗膜表面のエッチングも認められ
る。
【0074】(*8)塗膜の伸び:ポリプロピレン板上
に各常温硬化性塗料組成物を300μmのアプリケータ
で塗装し、20℃、75%RHの室内にて1週間放置
後、ポリプロピレン板から塗膜を剥離し、得られた塗膜
の伸び率を「テンシロンUTNII−20」(東洋ボール
ドウィン(株)製)を用いて測定した。なお、測定は、
20℃の室内にて、引張り速度4mm/分にて行い、1
0試料の伸び率の平均値から塗膜の伸びの評価を行っ
た。 ◎:伸び率の平均値が80%以上、 ○:伸び率の平均値が80%未満で、30%以上、 △:伸び率の平均値が30%未満で、5%以上、 ×:伸び率の平均値が5%未満。
【0075】
【表1】
【0076】
【発明の効果】本発明の酸化硬化型シリコン変性ビニル
系樹脂は、主鎖がシクロヘキシル基を含有するビニル重
合体に不飽和脂肪酸が付加して常温乾燥性が付与されて
おり、また、シリコン樹脂が付加されて、ビニル系樹脂
の主鎖中のシクロヘキシル基と相俟って得られる塗膜の
耐候性が向上したものである。
【0077】本発明の酸化硬化型シリコン変性ビニル系
樹脂は、ガラス転移温度が特定範囲内にあり、塗料用樹
脂として塗膜物性に優れる。
【0078】本発明の塗料組成物は、酸化硬化型シリコ
ン変性ビニル系樹脂を樹脂成分として含有するものであ
り、耐候性、塗膜光沢に優れ、また貯蔵性、初期乾燥
性、2回塗り作業性、塗膜物性に優れた塗膜を形成し得
る常温硬化性塗料組成物である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J031 AA08 AA47 AA59 AC03 AC13 AD03 AF12 4J038 BA202 CG141 CH071 CH171 CJ131 DL131 DL132 GA01 NA03 NA26 PA18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ基含有重合性不飽和モノマー
    と、シクロヘキシル基含有重合性不飽和モノマーと、必
    要に応じて他の重合性不飽和モノマーとの共重合体であ
    るエポキシ基含有ビニル共重合体(a)に、不飽和脂肪
    酸を含有する脂肪酸成分(b)と、珪素原子に直接結合
    する水酸基及び/又はアルコキシル基を含有するシリコ
    ン樹脂(c)とが結合されてなる、ガラス転移温度が0
    ℃〜70℃の範囲内にある酸化硬化型シリコン変性ビニ
    ル系樹脂。
  2. 【請求項2】 エポキシ基含有ビニル共重合体(a)
    に、脂肪酸成分(b)を付加し、次いでシリコン樹脂
    (c)を付加して得られる請求項1記載の酸化硬化型シ
    リコン変性ビニル系樹脂。
  3. 【請求項3】 シクロヘキシル基含有重合性不飽和モノ
    マーが、アクリル酸シクロヘキシル及び/又はメタクリ
    ル酸シクロヘキシルである請求項1又は2に記載の酸化
    硬化型シリコン変性ビニル系樹脂。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載の酸
    化硬化型シリコン変性ビニル系樹脂を樹脂成分として含
    有する塗料組成物。
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