JP2003201683A - 分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維との混用染色品 - Google Patents
分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維との混用染色品Info
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Abstract
優れた分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維との混用
染色品を提供する。 【解決手段】 分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維
との混用染色品であって、分散染料可染型繊維が分散染
料で染着されたものであり、ポリウレタン繊維が金属錯
塩染料で染着されたものであることを特徴とする分散染
料可染型繊維とポリウレタン繊維との混用染色品。
Description
維とポリウレタン繊維との混用染色品、並びにその染色
方法に関する。
される分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維との混用
布帛を分散染料で染色する場合、分散染料がポリウレタ
ン繊維に過度に染着するために、分散染料可染型繊維の
発色性が低くなり見栄えが悪くなるばかりか、染色され
た混用布帛の染色堅牢度が著しく低下するという問題が
ある。このため染色した布帛を還元洗浄によって、ポリ
ウレタン繊維に過度に染着している分散染料を除去する
必要がある。
染着している分散染料を還元洗浄によって十分に除去す
ることが困難なため、染色堅牢度において満足のいくも
のが得られていない。混用布帛の染色物のドライクリー
ニング堅牢性についても問題がある。得られた染色物を
ドライクリーニングした場合、ドライクリーニング液が
著しく汚れ、白場あるいは他繊維に逆汚染する問題があ
る。このドライクリーニング液汚染の原因は、ポリウレ
タン繊維中に残存している分散染料にあり、ドライクリ
ーニング液汚染の程度は、分散染料の残存濃度にほぼ比
例する。
還元洗浄は、還元剤、アルカリ剤の濃度が通常濃度より
も高められた厳しい条件下、例えば、各々10g/リッ
トル、とする一方、処理温度も90℃と高くなるなど、
還元洗浄条件を強化することが必要となる。ところがカ
バリングヤーンなどのようにポリウレタン繊維の被覆度
合いの高い混用編織物においては、還元洗浄条件をたと
え強化されたとしても、ポリウレタン繊維中の分散染料
を満足できる程度に除去することができないばかりか、
分散染料可染型繊維の発色性が低下し、染色バッチごと
の色のバラツキが大きくなってしまう。
見られるように、分散染料として、複素環アゾ系、縮合
系分散染料、ジエステル型分散染料といったアルカリ還
元洗浄にて分解されやすい染料を用いて染色することに
より、ポリウレタン繊維中の汚染分散染料を除去しやす
い方法が用いられ、とりわけ洗濯堅牢度を向上する方法
が提案されている。
繊維中の分散染料の除去には有効で、高堅牢度を達成で
きる方法であるが、ポリウレタン繊維が黄色味や赤味等
の分散染料の分解生成物に着色される問題があり、この
ため、布帛製品が着用時等に伸長されるとこの異色相の
ポリウレタン繊維が見え、いわゆる目むき現象が出て製
品の商品価値を著しく低下させるという問題がある。
色堅牢度に優れた品質のよい分散染料可染型繊維とポリ
ウレタン繊維との混用布帛として、満足なものは得られ
ていないのが実状である。
事情を背景としてなされたものであり、分散染料で染色
しても発色性が高く、目むきがなく、染色堅牢度に優れ
た品質のよい、分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維
との混用布帛の染色品、並びにその染色方法を提供する
ことを目的とする。
結果、本発明をなすに至った。
維との混用染色品であって、分散染料可染型繊維が分散
染料で染着されたものであり、ポリウレタン繊維が金属
錯塩染料で染着されたものであることを特徴とする分散
染料可染型繊維とポリウレタン繊維との混用染色品。
ける洗濯堅牢度が3〜4級以上であって、JIS L−
0860法におけるドライクリーニング液汚染が3級以
上であることを特徴とする上記1記載の分散染料可染型
繊維とポリウレタン繊維との混用染色品。
含むことを特徴とする上記1又は2記載の分散染料可染
型繊維とポリウレタン繊維からなる混用染色品。
維との混用品を、分散染料および金属錯塩染料を用いて
一浴法または二浴法にて染色し、分散染料で染色後にア
ルカリ還元洗浄することを特徴とする分散染料可染型繊
維とポリウレタン繊維との混用染色品の製造方法。
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリオキシエチレン
ベンゾエート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリ
メチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、アセ
テート等の分散染料に可染の繊維をいう。
が0.1〜6デシテックスが好ましく、より好ましくは
0.5〜3デシテックスであり、トータルデシテックス
が10〜280デシテックスであることが好ましい。こ
のような繊維を用いると染色性、風合に優れる布帛が得
られる。
繊維の熱脆化を防ぐ意味から易染性ポリエステル繊維を
使用することが好ましい。易染性ポリエステル繊維と
は、分散染料シー・アイ・ディスパース・ブルー56
(C.I.Disperse Blue 56;例え
ば、レゾリンブルーFBL〔ダイスター社製〕)を用
い、染料使用量3%omf、浴比50倍、pH6(酢酸
にて調整)、分散剤(例えば、ディスパーTL〔明成化
学工業社製〕)含有量1g/リットルの染浴中で100
℃にて120分間の染色後、繊維に染着した染料の吸尽
率が80%以上である繊維を言う。
料量(質量)]/[染浴に添加した染料量(質量)]}×
100 このような易染性ポリエステル繊維としては、実質的に
は、ポリエチレンテレフタレートよりなり、例えば、紡
速4000m/分以上で紡糸され、乾熱で220〜30
0℃または湿熱で180〜240℃の熱処理を受けたポ
リエチレンテレフタレートのホモポリマーよりなる繊維
や、紡速6200m/分以上で紡糸されたスピンテイク
アップ方式のいわゆる高速紡糸繊維が挙げられる。ま
た、エチレンテレフタレートを繰り返し単位とした線状
重合物で、第三成分としてイソフタル酸、スルホン化イ
ソフタル酸のナトリウム塩、ポリエチレングリコール、
アジピン酸などを共重合せしめてなるものでも良く、通
常、合成繊維に添加される艶消剤、安定剤、制電剤など
を含んでいてもよい。また、重合度については、通常の
繊維形成性を有する範囲内であれば特に制限はない。
トリメチレンテレフタレート繊維が挙げられる。
性としては、強度は、好ましくは2〜5cN/dte
x、より好ましくは2.5〜4.5cN/dtex、さ
らに好ましくは3〜4.5cN/dtexである。伸度
は、好ましくは30〜60%、より好ましくは35〜5
5%、さらに好ましくは40〜55%である。弾性率
は、好ましくは30cN/dtex以下、より好ましく
は10〜30cN/dtex、さらに好ましくは12〜
28cN/dtex、特に好ましくは15〜25cN/
dtexである。10%伸長時の弾性回復率は、好まし
くは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好
ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上であ
る。
タレート繊維とは、トリメチレンテレフタレート単位を
主たる繰り返し単位とするポリエステル繊維をいい、ト
リメチレンテレフタレート単位を好ましくは約50モル
%以上、より好ましくは70モル%以上、さらに好まし
くは80モル%以上、最も好ましくは90モル%以上含
有するものをいう。従って、第三成分として、他の酸成
分及び/又はグリコール成分の合計量が、好ましくは約
50モル%以下、より好ましくは30モル%以下、さら
に好ましくは20モル%以下、最も好ましくは10モル
%以下の範囲で含有されたポリトリメチレンテレフタレ
ートを包含する。
フタル酸又はその機能的誘導体と、トリメチレングリコ
ール又はその機能的誘導体とを、触媒の存在下で、適当
な反応条件下に結合せしめることにより合成される。こ
の合成過程において、適当な一種又は二種以上の第三成
分を添加して共重合ポリエステルとしてもよいし、又、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート等のポリトリメチレンテレフタレート以外のポリエ
ステルやナイロンと、ポリトリメチレンテレフタレート
とを、ブレンドしたり、複合紡糸(鞘芯、サイドバイサ
イド等)してもよい。
08号公報、特開平11−189923号公報、特開2
000−239927号公報、特開2000−2569
18号公報等に例示されるような、第一成分としてポリ
トリメチレンテレフタレートを用い、第二成分としてポ
リトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル
あるいはナイロンを用いて、並列的あるいは偏芯的に配
置したサイドバイサイド型又は偏芯シースコア型に複合
紡糸したものが例示され、特に、ポリトリメチレンテレ
フタレートと共重合ポリトリメチレンテレフタレートの
組み合わせや、固有粘度の異なる二種類のポリトリメチ
レンテレフタレートの組み合わせが好ましく、特に、特
開2000−239927号公報に例示されるような固
有粘度の異なる二種類のポリトリメチレンテレフタレー
トを用い、低粘度側が高粘度側を包み込むように接合面
形状が湾曲しているサイドバイサイド型に複合紡糸した
ものが、高度のストレッチ性と嵩高性を兼備するもので
あり、特に好ましい。
ボン酸(シュウ酸、アジピン酸等)、脂環族ジカルボン
酸(シクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボ
ン酸(イソフタル酸、ソジウムスルホイソフタル酸
等)、脂肪族グリコール(エチレングリコール、1,2
−プロピレングリコール、テトラメチレングリコール
等)、脂環族グリコール(シクロへキサンジメタノール
等)、芳香族を含む脂肪族グリコール(1,4−ビス
(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等)、ポリエーテ
ルグリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール等)、脂肪族オキシカルボン酸(ω−オキ
シカプロン酸等)、芳香族オキシカルボン酸(p−オキ
シ安息香酸等)等が例示される。又、1個又は3個以上
のエステル形成性官能基を有する化合物(安息香酸等又
はグリセリン等)も、重合体が実質的に線状である範囲
内で使用できる。
等の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外
線吸収剤、タルク等の結晶化核剤、アエロジル等の易滑
剤、ヒンダードフェノール誘導体等の抗酸化剤、難燃
剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤
等が含有されてもよい。
糸については、例えば、1500m/分程度の巻き取り
速度で未延伸糸を得た後、2〜3.5倍程度で延撚する
方法、紡糸−延撚工程を直結した直延法(スピンドロー
法)、巻き取り速度5000m/分以上の高速紡糸法
(スピンテイクアップ法)等の何れを採用しても良い。
く、長さ方向に均一なものや太細のあるものでもよく、
断面においても、丸型、三角、L型、T型、Y型、W
型、八葉型、扁平、ドッグボーン型等の多角形型、多葉
型、中空型や不定形なものでもよい。さらに糸条の形態
としては、リング紡績糸、オープンエンド紡績糸等の紡
績糸、マルチフィラメント原糸(極細糸を含む)、甘撚
糸〜強撚糸、混繊糸、仮撚糸(POYの延伸仮撚糸を含
む)、空気噴射加工糸等がある。
常30wt%以下の範囲内でウールに代表される天然繊
維等の他の繊維を、混紡(サイロスパンやサイロフィル
等)、交絡混繊(高収縮糸との異収縮混繊糸等)、交
撚、複合仮撚(伸度差仮撚等)、2フィード空気噴射加
工等の手段で混用してもよい。
は、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルジ
オールをジオール成分とし、4,4’−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートをジイ
ソシアネート成分とし、エチレンジアミン等をジアミン
成分とするポリエーテル系ポリウレタン繊維や、ポリカ
プロラクトンやアジピン酸/1,6−ヘキサンジオール
/ネオペンチルグリコールからなるポリエステル等から
なるポリエステルジオールとブタンジオール等の脂肪族
ジオール等をジオール成分とし、4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートを
ジイソシアネート成分とするポリエステル系ポリウレタ
ン繊維等を、用途に応じて適宜選択して使用することが
できる。
光沢を抑えたセミダル系等、いずれも用途によって適宜
選択して使用することができる。かかるタイプは、例え
ば酸化チタンの添加量によって制御することができる。
属酸化物、金属水酸化物等の塩素水劣化防止剤を含有さ
せてもよく、例えば、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸
化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水
酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト類化合物等を単
独又は二種以上の混合物として用いてもよい。添加量と
しては0.1〜6.0wt%が好ましい。又、その他公
知の安定剤、紫外線吸収剤等が含有されていてもよい。
級窒素化合物を含有することが好ましい。3級窒素化合
物とは、例えば、下記に示す共重合ポリウレタンやウレ
ア化合物あるいは下記化12、化17で表される化合物
である。
化1で表される第3級窒素含有ジオール(A)と、有機
ジイソシアネート(B)との共重合体であって、(A)
及び(B)の少なくとも一方を2種以上含み、溶解性パ
ラメータ(δ)が10.8<δ<11.0の共重合ポリ
ウレタンである。
数2〜5のアルキル基を表し、R3は炭素数1〜10の
アルキル基を表す。
て好ましいものは、N−ブチル−ビス(2−ヒドロキシ
エチル)アミン、N−ブチル−ビス(2−ヒドロキシプ
ロピル)アミン、N−ブチルビス(2−ヒドロキシブチ
ル)アミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−
イソブチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロ
ピル)−イソブチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロ
キシブチル)−イソブチルアミン、N,N−ビス(2−
ヒドロキシエチル)−t−ブチルアミン、N,N−ビス
(2−ヒドロキシプロピル)−t−ブチルアミン、N,
N−ビス(2−ヒドロキシブチル)−t−ブチルアミ
ン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−1,1−ジ
メチルプロピルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシ
プロピル)−1,1−ジメチルプロピルアミン、N,N−
ビス(2−ヒドロキシブチル)−1,1−ジメチルプロ
ピルアミンなどである。
好ましいものは、トリメチレンジイソシアネート、テト
ラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネートや3−メチ
ルヘキサン−1,6−ジイソシアネート及び3−3′−
ジメチルペンタン−1,5−ジイソシアネートの様な分
岐構造を持つジイソシアネートをはじめ1,3−及び1,
4−シクロヘキシレン−ジイソシアネートや4−4′−
メチレンジシクロヘキシル−ジイソシアネートの様な環
状脂肪族ジイソシアネート、m−及びp−キシリレンジ
イソシアネート及びα,α,α′,α′−テトラメチル−
p−キシリレンジイソシアネートの様な芳香脂肪族ジイ
ソシアネートなどである。
的にはN,N−ビス(ヒドロキシアルキル)−アルキル
アミン化合物(A)と有機ジイソシアネート(B)のう
ち、(A)、(B)の少なくとも一方を2種以上含む反
応系で共重合反応させることによって得られる。
ミン及び第2級アミンの内の少なくとも一種から選ばれ
る2官能性アミノ基と第3級窒素及び複素環状窒素の内
の少なくとも一種から選ばれる窒素含有基とを含む窒素
含有化合物と、(b)有機ジイソシアナート、(c)モ
ノ又はジアルキルモノアミン、アルキルモノアルコー
ル、有機モノイソシアナートの群から選ばれる少なくと
も1種の化合物、とを反応させて得ることができるもの
である。得られるウレア化合物には活性末端が残らない
ように、上記の(a)、(b)、(c)のモル当量比を
調整の上、反応させることが重要である。得られるウレ
ア化合物は、下記の化2で示される第3級窒素骨格と、
化3、化4で示されるウレア結合を含む。但し、アルキ
ルモノアルコールを反応させた場合は、化5で示される
ウレタン結合も含む。
択によって、化2〜化5の構造を満足する下記の2種類
の構造、化6と化7に分類される。
数を表す。
ミン又はアルキルモノアルコールの場合は、化6であ
り、(c)が有機モノイソシアナートの場合は、化7で
ある。より好ましい構造としては、化7で示される
(c)が有機モノイソシアナートの場合である。
単独使用が好ましいが、混合して用いることもできる。
化合物(a)の、第1級アミン及び第2級アミンの内の
少なくとも一種から選ばれる2官能性アミノ基と第3級
窒素及び複素環状窒素の内の少なくとも一種から選ばれ
る窒素含有基とを含む窒素含有化合物としては、N−ブ
チル−ビス(2−アミノエチル)アミン、N−ブチル−
ビス(2−アミノプロピル)アミン、N−ブチル−ビス
(2−アミノブチル)アミン、N,N−ビス(2−アミ
ノエチル)−イソブチルアミン、N,N−ビス(2−ア
ミノプロピル)−イソブチルアミン、N,N−ビス(2
−アミノエチル)−t−ブチルアミン、N,N−ビス
(2−アミノエチル)−1,1−ジメチルプロピルアミ
ン、N,N−ビス(2−アミノプロピル)−1,1−ジメ
チルプロピルアミン、N,N−ビス(2−アミノブチ
ル)−1,1−ジメチルプロピルアミン、N−(N,N−
ジエチル−3−アミノプロピル)−ビス(2−アミノエ
チル)アミン、N−(N,N−ジブチル−3−アミノプ
ロピル)−ビス(2−アミノプロピル)アミン、ピペラ
ジン、ピペラジン誘導体、例えば2−メチルピペラジ
ン、1−(2−アミノエチル)−4−(3−アミノプロ
ピル)ピペラジン、2,5−および2,6−ジメチルピペ
ラジン、N,N’−ビス(2−アミノエチル)ピペラジ
ン、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジ
ン、N−(2−アミノメチル)ピペラジン、N−(2−
アミノエチル)ピペラジン、N−アミノ−(2−アミノ
エチル)−4−メチルピペラジン等、ピペリジン誘導
体、例えば4−アミノエチルピペリジン、N−アミノ−
4−(2−アミノエチル)ピペリジン、N−ビス(2−
アミノエチル)アミン−ピペリジン等、ピロリドン誘導
体、例えばN−アミノ−4−(2−アミノエチル)−2
−ピロリドン、N−(3−アミノプロピル)−4−(3
−アミノプロピル)−2−ピロリドン、N−ビス(2−
アミノエチル)アミン−2−ピロリドン等が挙げられ
る。好ましい窒素含有化合物は、ピペラジン、ピペラジ
ン誘導体である。特に、得られるウレア化合物のアミド
系溶媒への溶解性が極めて良好であるN−(2−アミノ
エチル)ピペラジン、N−(2−アミノプロピル)ピペ
ラジンが好適である。これらは単独であるいは混合して
用いることができる。
(b)の有機ジイソシアナートとしては、トリメチレン
ジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、
ペンタメチレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイ
ソシアナート、3−メチルヘキサン−1,6−ジイソシ
アナート、3,3’−ジメチルペンタン−1,5−ジイソ
シアナート、1,3−及び1,4−シクロヘキシレン−ジ
イソシアナート、4,4’−ジシクロヘキシルメタン−
ジイソシアナート、m−及びp−キシリレンジイソシア
ナート、α,α,α’,α’−テトラメチル−p−キシリ
レンジイソシアナート、4,4’−ジフェニルメタン−
ジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、2,
4−トリレンジイソシアナート等が挙げられる。好まし
くは、イソホロンジイソシアナート、4,4’−ジシク
ロヘキシルメタン−ジイソシアナートのような脂環族ジ
イソシアナートがよい。これらは単独であるいは混合し
て用いることができる。
化合物(c)のモノ又はジアルキルモノアミンとして
は、炭素数1〜10のアルキル基を有するモノアミンで
あり、例えば、イソプロピルアミン、n−ブチルアミ
ン、t−ブチルアミン、ジエチルアミン、2−エチルヘ
キシルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチル
アミン、ジ−t−ブチルアミン、ジ−イソブチルアミ
ン、ジ−2−エチルヘキシルアミン等が挙げられる。ま
た、アルキル鎖中に第3級窒素原子や酸素原子を含んで
いてもよく、例えば、3−ジブチルアミノ−プロピルア
ミン、3−ジエチルアミノ−プロピルアミン、3−エト
キシプロピルアミン、3−(2−エチルヘキシルオキ
シ)プロピルアミンが挙げられる。これらは単独である
いは混合して用いることができる。
化合物(c)のアルキルモノアルコールとしては、炭素
数1〜10のアルキル基を有するモノアルコールであ
り、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノー
ル、2−メチル−2−プロパノール、1−ブタノール、
2−エチル−1−ヘキサノール、3−メチル−1−ブタ
ノール等が挙げられる。これらは単独であるいは混合し
て用いることができる。上記のモノ又はジアルキルアミ
ンとアルキルアルコールはそれぞれ単独で、あるいは混
合して用いることができる。好ましくは単独での使用で
ある。
される化合物(c)の有機モノイソシアナートとして
は、n−ブチルイソシアナート、フェニルイソシアナー
ト、1−ナフチルイソシアナート、p−クロロフェニル
イソシアナート、シクロヘキシルイソシアナート、m−
トリルイソシアナート、ベンジルイソシアナート、m−
ニトロフェニルイソシアナート等が挙げられる。これら
は単独で、あるいは混合して用いることができる。但
し、前述のモノ又はジアルキルアミン、アルキルアルコ
ールとの混用はできない。モノ又はジアルキルアミン、
アルキルアルコールの活性水素を有機モノイソシアナー
トが封鎖した化合物が生成し、化6又は化7の構造をも
つウレア化合物の有効量が減少するばかりでなく、該化
合物はポリウレタンウレア弾性繊維の加工工程において
ブリードアウトして、編み機や染色浴槽を汚すスカムの
原因となるからである。
化合物(c)は、前述の如く3種から選択され、化合物
(a)と化合物(b)から得られるウレア化合物の活性
末端(アミノ基又はイソシアナート基)を封鎖する。こ
の活性末端はポリウレタンウレア弾性繊維の紡糸安定性
を悪化させたり、堅牢度を低下させる。反応モル当量が
(a)>(b)の場合にはウレア化合物末端がアミノ基
であるために化合物(c)は有機モノイソシアナートを
選択し、(a)<(b)の場合にはウレア化合物末端が
イソシアナート基であるため(c)はモノ又はジアルキ
ルアミンとアルキルモノアルコールの少なくとも一種を
選択するする必要がある。好ましくは前記したように有
機モノイソシアナートを選択することである。
9で示されるウレア結合単位を1分子中に平均4〜40
個含む。ここで平均とは数平均のことである。
ミン又はアルキルモノアルコールの場合、ウレア化合物
の構造は、下記の化10で示される。
数を表す。
化合物は、化合物(a)、(b)及び(c)の反応仕込
みモル比を調整することで得られる。すなわち、
(a):(b):(c)=n:(n+1):2となるよ
うに調整すれば、1分子中に存在する平均ウレア結合単
位数はモノ又はジアルキルモノアミンでは2n+2、ア
ルキルモノアルコールでは2nとなる。
ウレア化合物の構造は、下記の化11で示される
数を表す。
1):n:2となるように調整すれば、1分子中に存在
する平均ウレア結合単位数は2n+2となる。
る平均ウレア結合単位数が、好ましくは4〜40の範囲
である。構造中の重合繰り返し数nに換算すれば、モノ
又はジアルキルモノアミン、有機モノイソシアナートの
場合は1〜19、アルキルモノアルコールでは2〜20
である。平均ウレア結合単位数が4〜40であると、十
分な熱セット性が得られる。また、平均ウレア結合単位
数が少なすぎると、ポリウレタンウレア弾性繊維の加工
工程においてブリードアウトして編機や染色浴槽を汚す
スカムの原因となる場合がある。さらに、平均ウレア結
合単位数が多すぎると、ウレア化合物がポリウレタンウ
レア紡糸原液中で析出し紡糸糸切れが生じたり、ポリウ
レタンウレア弾性繊維の伸度の低下が起こり弾性機能が
損なわれる傾向がある。より好ましい平均ウレア結合単
位数はウレア化合物の1分子中に4〜15である。
上記でいう3級窒素化合物である。
で示される基であり、Y1、Y2、Y3、Y4のうち少
なくとも3つは下記の化15で示される基であり、他の
基が存在する場合にはこの基はグリシジル誘導体基であ
る。
基であって、R1とR2のうち少なくとも1つは1級炭
素により化15の窒素原子と結合しており、R1とR2
の炭素数の合計は4以上である。またZは下記の化16
で示される基が少なくとも3個存在するものである。
なる炭素数1〜4のアルキル基を示す。
いては、特公平2−34985号公報に記載の方法によ
り製造することができる。
と、下記の化17で表される反復単位とからなる第3級
窒素含有ポリマーをもつ化合物も、上記でいう3級窒素
化合物である。
レン基を示し、R2とR3は同一又は相異なる炭素数1
〜6のアルキル基を示す。
りなるポリマーは、イソブチレンと無水マレイン酸との
ポリマーに、NH2−R1−N(R2)(R3)なるア
ミンを反応せしめることによって容易に得ることができ
る(なお、R2とR3は同一又は相異なる炭素数1〜6
のアルキル基を示す)。具体的には特公平3−6177
号公報に記載の方法により得ることができる。
繊維には、上述の3級窒素化合物が含まれており、3級
窒素化合物は単独又は二種以上含まれていてもよく、そ
の含有量は、好ましくは0.1〜15wt%である。こ
の範囲であると、本発明の目的が十分に達成され、添加
したことによる効果が有効に得られるので、優れた糸物
性が得られるのみならず経済的である。
体に添加する方法は、特に限定されず、例えば、ポリウ
レタンの重合前、重合中もしくは重合後に混合する。
リウレタン繊維の割合は、用途により適宜決めることが
できるが、おおむねポリウレタン繊維を40wt%以下
混用させた場合に好ましい結果が得られる。また、本発
明の混用染色品は分散染料可染型繊維とポリウレタン繊
維とからなるが、この両繊維以外に、ウール、絹、麻等
を混用しても構わない。
形態と布帛形態に大別される。
糸(10〜500dtex)に分散染料可染型繊維を被
覆した糸条、例えば、いわゆるカバリングヤーン(シン
グル並びにダブルカバリング)、合撚糸、コアヤーン、
交絡糸等、公知の被覆糸の形態が挙げられる。
布並びにこれらの複合布帛(例えば、積層布等)があ
る。具体例としては、いわゆる機上混用品があり、製編
織時に、ポリウレタン繊維の裸糸(裸糸の場合は編成や
製織時、2〜4倍程度に伸長させながら)又は被覆糸を
機上にて分散染料可染型繊維と引き揃えて、又は合糸し
て混用した編織物が挙げられる。
ら制限されるのものではなく、分散染料可染型繊維とポ
リウレタン繊維が公知の混用手段によって混用されてい
ればよい。
44 A−2法における洗濯堅牢度が3〜4級以上であ
って、JIS L−0860法におけるドライクリーニ
ング液汚染が3級以上であることが好ましい。この範囲
であると、各種用途において問題なく使用可能である。
ような混用品を分散染料と金属錯塩染料を用いて染色
し、分散染料で染色後にアルカリ還元洗浄をすることに
特徴がある。
染料のみならず、アルカリ易加水分解性染料であるジエ
ステル基を有する分散染料、アゾ系分散染料の中でもチ
アゾール型、チオフェン型が良好であり、ベンゾジフラ
ノン型分散染料、アルキルアミン基を有する分散染料な
どが挙げられるが、特に分解生成物の着色のないものが
好ましい。特に、アルカリ易加水分解性染料を用いた場
合、アルカリ還元洗浄によりポリウレタン繊維中の分散
染料を選択的に除去しやすいので、堅牢度性能が良好と
なる。
りなる錯体が、負電荷を有する色素アニオンのソーダ塩
の構造を有する水溶性の染料であることが好ましく、遷
移金属としてはクロムやコバルト等が例示される。遷移
金属と染料との比率は、例えば、1:1、1:2が挙げ
られるが、好ましくは1:2型を用いるのが好ましい。
但し、1:2型金属錯塩染料においては、分散型、スル
ホアミド型は分散染料可染型繊維への汚染が大きく、堅
牢度性能が劣る傾向にある。一方、硫酸基を有するモノ
スルホネート型、ジスルホネート型は、還元洗浄によ
り、分散染料可染型繊維に付着した染料の除去性が良好
であり、染色品の色の安定性、堅牢度性能が良好なこと
からより好ましい。
の染着性は、本発明でいう3級窒素化合物との親和性に
基づくものであり、3級窒素化合物の含有量が多いほど
染着性は良好となる。さらに3級窒素化合物と金属錯塩
染料との親和性が高いことから、染色後のアルカリ浴で
の還元洗浄を実施しても還元洗浄耐久性が40%以上と
高く、しかも色相変化がないことから、目むき対策とし
て有用であり、堅牢度性能も良好である。
後のポリウレタン繊維の発色性をK/S値にて測定し、
還元洗浄(二酸化チオ尿素2g/リットル、苛性ソーダ
ー2g/リットルを使用して80℃で20分間処理)後
のポリウレタン繊維の発色性をK/S値にて測定し、次
式により還元洗浄耐久性を求めた。
K/S値)/(還元洗浄前のK/S値)}×100 金属錯塩染料の染料濃度は6%omf未満であることが
好ましい。ポリウレタン繊維に金属錯塩染料を染着させ
ることで目むき対策を行うことから、染料濃度6%om
f以上を用いても、染料の使用量に見合うだけの効果は
得られず不経済である。
により染色する方法は、分散染料と金属錯塩染料を同浴
で用いて染色する1浴1段染色法や、金属錯塩染料で前
記の混用品を先に染色し、その後、分散染料で染色する
2浴法が挙げられる。
リエステル繊維等に通常適用される、分散染料による染
色条件が適用される。すなわち染色浴としては、染料の
他に分散均染剤、pH調整剤等を含んだ染料液を用い
て、100〜135℃の温度のもとで20〜40分間染
色を行う。
場合には、ポリアミド繊維やウール等に通常適用されて
いる染色条件を適用すればよい。
した場合も、分散染料で染色後に、アルカリ浴での還元
洗浄を実施することが、堅牢度性能に優れた混用染色品
を得るうえで重要である。
テル繊維に通常適用されている条件であればよく、例え
ば、アルカリ成分としては苛性ソーダやソーダ灰など
が、また還元剤としてはハイドロサルファイト、二酸化
チオ尿素、ロンガリットC(ナトリウムスルホキシレー
トホルムアルデヒド)、ロンガリットCL、ロンガリッ
トZなどを使用すればよい。この際アルカリ成分の濃度
及び還元剤の濃度は、各々1〜10g/リットルが好ま
しい。
いるキャリヤー、例えば、クロルベンゼン系、メチルナ
フタリン系、オルソフェニルフェノール系、芳香族エー
テル系、芳香族エステル系などを0.5〜5g/リット
ル併用してもかまわない。さらに、ポリウレタン繊維に
親和性があるポリオキシエチレンアルキルアリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエ
チレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ンエーテル、ポリオキシエチレンアルキルベンジルアン
モニウムクロライド、アルキルピコリウムクロライドな
どを、0.5〜5g/リットル併用してもかまわない。
還元洗浄の温度は特に限定されないが、40〜90℃の
範囲が好ましく、処理時間は10〜40分が好ましい。
で染色された混用染色品は、分散染料で染色後のアルカ
リ浴での還元洗浄により、ポリウレタン繊維中の分散染
料が除去され、金属錯塩染料は前記の3級窒素化合物と
結合しているため、脱落量が比較的少なく、しかも色相
変化がなく、ポリウレタン繊維の色は分散染料可染型繊
維と同系色の色を保持している。このように、本発明に
より、発色性が高く、目むきがなく、染色堅牢度に優れ
た品質のよい分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維と
の混用染色品が得られる。
散染料で染色するに際し、多価金属化合物とタンニン酸
で処理した後、染色すること(染色前の処理法)、ある
いは染色する際に多価金属化合物とタンニン酸を併用す
ること(併用染色法)により、分散染料が、ポリウレタ
ン繊維へ染着することを著しく抑制し、分散染料可染型
繊維に選択的に染着するので、優れた発色性、染色堅牢
度を有する分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維との
混用染色品が得られる。
イプを問わずあらゆる分散染料において、ポリウレタン
繊維への分散染料の染着を著しく低減させることができ
るので、アルカリ還元洗浄時のポリウレタン繊維中の分
散染料除去を容易に行うことができ、ポリウレタン繊維
への分散染料汚染問題に関わる堅牢度の問題を一挙に解
決することが可能である。
ルエーテル弾性繊維を用いた場合には、染色時にタンニ
ン酸と多価金属化合物を含む染色浴で染色を行っても、
ポリエステルエーテル弾性繊維への分散汚染抑制効果は
認められない。
ン系化合物が好ましいが、その他としてはスズ、アルミ
ニウム、亜鉛、バリウム、ビスマス系化合物を用いるこ
とができ、これら多価金属化合物を併用して用いてもよ
い。
チモン塩が好ましく、酒石酸アンチモンナトリウム、酒
石酸アンチモンカリウムが例示され、酒石酸アンチモン
ナトリウムが特に好ましく適用できる。
0.01〜1.5%omf、さらに好ましくは0.02
〜0.5%omfである。この範囲であると、多価金属
化合物の使用による効果が発揮されて、本発明の目的が
十分に達成され、コスト面でも経済的である。
から得たタンニンが好ましく、その使用量は、製品濃度
で好ましくは0.1〜10%omf、さらに好ましくは
0.2〜5%omfである。この範囲であると、タンニ
ン酸の使用による効果が発揮されて、本発明の目的が十
分に達成され、コスト面でも経済的である。
率は、1:1〜1:40が好ましく、より好ましい比率
は1:3〜1:20であり、さらに好ましい比率は1:
3〜1:10である。
物とタンニン酸を含有する水溶液中に本発明に用いる混
用品を浸漬する方法が好ましく、処理温度としては40
〜130℃が好ましく、60〜100℃がより好まし
く、処理時間は10〜40分が好ましい。この際、処理
溶液のpHを3〜5に、酢酸等のpH調整剤にて調整し
ておくのが好ましい。
に、分散染料と金属錯塩染料とで染色を行えばよい。
タンニン酸類を共存させる併用染色法は、通常ポリエス
テル繊維に適用されている染色条件を用いればよく、染
料水溶液中に多価金属化合物とタンニン酸を溶解させ、
100〜135℃の温度で20〜40分染色すればよ
い。この際の染料水溶液のpHは4〜5に、酢酸等のp
H調整剤で調整しておくのが好ましい。
−ナフタリンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合体のよう
なアルキルナフタリン系や多価アルコール脂肪酸エステ
ルのポリアルキレンオキサイド付加物とその硫酸化物を
用いるのが好ましい。
ルカリ還元洗浄条件は、ポリウレタン繊維への分散染料
の染着量が少ないことから、還元洗浄における還元剤濃
度、アルカリ剤濃度は各々2〜4g/リットルの条件で
十分であり、処理温度も高める必要がなく、還元洗浄条
件の強化の必要がないことから、分散染料可染型繊維の
発色性が低下することがなく、還元洗浄バッチごとの色
のバラツキがほとんどない。
化合物を共存させた染色浴による処理は、分散染料のポ
リウレタン繊維への染着を抑制し、分散染料可染型繊維
への分散染料の分配を促進する作用に着目した処理であ
り、分散染料のポリウレタン繊維への染着が著しく抑制
されるばかりでなく、ポリウレタン繊維へ拡散した分散
染料は染色後のアルカリ還元洗浄により速やかに分解さ
れ、ポリウレタン繊維中からほぼ完全に除去される。そ
の結果、混用染色品の湿潤染色堅牢度は飛躍的に高くな
り、ドライクリーニング液汚染が顕著に低減した混用染
色品が得られる。また本発明によれば、分散染料可染型
繊維への分散染料の染着率を高め、染料の無駄を低減し
て、発色性が高く、見栄えのよい混用染色品の調製が可
能になるほか、染色バッチごとの色のバラツキを抑え、
染色機の操業率を向上させるという効果もある。
浴中に前記多価金属化合物とタンニン酸を共存させる併
用染色法においても、分散染料のポリウレタン繊維への
染着抑制効果は変わらずに発揮され、しかも、分散染料
の構造タイプを問わずあらゆる分散染料においても染着
抑制効果は変わらず発揮される。
素化合物が含有されているため、金属錯塩染料のポリウ
レタン繊維への染着に対する悪影響はほとんどない。従
って、アルカリ還元洗浄後における混用染色品は、分散
染料可染型繊維には分散染料が、ポリウレタン繊維には
金属錯塩染料が染着しており、発色性が高く、目むきが
なく、染色堅牢度に優れた品質のよい混用染色品であ
る。
ポリウレタン繊維との混用品が布帛の場合は、編成、製
織後、リラックス精練してから、染色することが好まし
い。精練は60〜98℃の温度で、できるだけ布帛をリ
ラックスさせた状態で行うことが、布帛の伸縮回復性を
高めるなどの理由から好ましい。なお、染色前に形態固
定を行いたい場合は、170〜200℃の温度で乾熱で
プレセットを行えばよい。次に、還元洗浄後は、常法に
従って仕上げればよいが、ファイナルセット温度はプレ
セット温度より10℃以上低くし、170℃以下にてセ
ットすると好ましい結果が得られる。
さらに説明するが、本発明はこれら実施例などにより何
ら限定されるものではない。
法、評価法等は下記の通りである。
に従って評価した。
を、それぞれ変褪色用グレースケール、汚染用グレース
ケールと比較して判定した。
の汚れ液を磁器容器(20mm×40mm×10mm)
に8cc採り、液汚染程度を、汚染用グレースケールと
比較して、その色落ち度を判定した。
次、色落ちの大きいものを1級として判定した。
じてアルカリ性人工汗液を用いて評価した。
を、それぞれ変褪色用グレースケール、汚染用グレース
ケールと比較して判定した。
ライクリーニング試験を実施した。
グ試験後の汚れ液を磁器容器(20mm×40mm×1
0mm)に8cc採り、液汚染程度を、汚染用グレース
ケールと比較してその色落ち度を判定した。
次、色落ちの大きいものを1級として判定した。
orgen社製、形式マクベスMS−2020)を使用
して、Lab表色系におけるL値を測定した。L値は低
い方が発色性が高い。
タン繊維の色を判定した。分散染料可染型繊維とほぼ同
じ色相の場合を○とし(目むきとならない状態)、ポリ
ウレタン繊維の色が赤味や黄味のように分散染料可染型
繊維の色相と極端に違う場合を×(目むき状態)と判定
した。
ルの溶剤に1g/デシリットルの濃度で溶解し、その
後、得られた溶液をオストワルド粘度管に移して35℃
で測定し、下記式により算出した。
下時間(秒)、Cは溶液濃度(g/デシリットル)を表
す。
エーテル弾性繊維の繊度(デシテックス) 20℃、相対湿度65%雰囲気下で、ポリウレタン繊維
あるいはポリエステルエーテル弾性繊維を無緊張かつ無
荷電で直線状に静置して放縮させる。その後、試料を1
000mmの長さで切断したものを10本合わせて秤量
し、10000mあたりの質量(g)に換算し、その値
を繊度(デシテックス)とする。
O2の含有量0.4%のポリエチレンテレフタレートを
紡糸温度290℃で紡出し、スピンテイクアップ方式に
て巻取速度7200m/分で巻取り、56dtex/2
4fの糸条を得た。この糸条は、易染性ポリエステル繊
維に該当するものである(染料吸尽率=91%)。
ンエーテルグリコール1000部と4,4’7−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート235.6部を、窒素ガス
気流中85℃にて2時間撹拌しつつ反応させて、イソシ
アネート基を両末端に持つ中間重合体を得た。次いで、
室温に冷却した後、これに乾燥ジメチルホルムアミド1
853部を加えて溶解した。別に、エチレンジアミン1
9.94部、ジエチルアミン3.1部を乾燥ジメチルホ
ルムアミド1922部に溶解させておき、これに上記の
中間重合体の溶液を室温で添加すると、混合溶液はすみ
やかに反応して、粘度2200ポイズ(30℃)のポリ
ウレタン溶液が得られた。
ロキシプロピル)−1,1−ジメチルプロピルアミン及
び79.3gのN−ブチル−ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)アミン及び198.7gのイソホロンジイソシアネ
ート及び378gのN,N−ジメチルアセトアミド溶液
を、乾燥窒素ガス中、室温で撹拌下に、触媒としてジブ
チル錫ジラウレート0.15gを添加して、1時間撹拌
後、系内を70℃にし、さらに5時間反応させ、赤外ス
ペクトルで反応溶液中に未反応のイソシアネート基の2
270cm−1における吸収が消失した事を確認してか
ら反応を終了させた。得られた共重合ポリウレタン化合
物の溶解性パラメータδは10.86であった。
部、及び少量の青み剤を含む酸化チタン2部を上記のポ
リウレタン溶液に加えた後、均一に分散溶解した。この
溶液を脱泡し、通常の乾式紡糸により311dtexの
ポリエーテル系ポリウレタン繊維を得た。得られたポリ
ウレタン繊維の強伸度物性は優れたものであった。
タン繊維を用い、通常の編成条件にて6コース・サテン
ネット編地(コース密度170ループ数/2.54c
m、ウエル密度40ループ数/2.54cm)を作製し
た(ポリウレタン繊維の混率は23wt%)。
した後、190℃でプレセットを行い、下記条件にて染
色した。
00)(ダイスタージャパン(株)製):3.5%om
f 金属錯塩染料;ラナシン ネービ− S−DNL(ジス
ルホネート型染料、還元洗浄耐久性71.9%、クラリ
アントジャパン(株)製):2%omf 分散均染剤;ニッカサンソルトRM−340(日華化学
工業(株)製):0.5g/リットル 酢酸 ;0.5cc/リットル 酢酸ナトリウム;1g/リットル 浴比; 1:20 染色温度、時間;120℃、30分 染色完了後、染色機から染色残液を排出し、染色機に水
を入れ、温度を75℃まで昇温し、これに下記薬剤を添
加し、下記の濃度に調整した。
業(株)製);0.5g/リットル 浴比; 1:30 この還元洗浄液で、染色品に75℃、15分間の還元洗
浄を施し、残液を排出し、温湯および水により染色物を
十分にすすぎ洗いを施した後、160℃、30秒間の乾
熱セットで仕上げた。
堅牢度、ドライクリーニング液汚染目むきを評価した。
結果を表1に示す。
リウレタン繊維は、易染性ポリエステル繊維とほぼ同等
の紺色の色相をしていた。
した編物を用い、分散染料と金属錯塩染料の染色浴中に
下記濃度のタンニン酸、酒石酸アンチモンナトリウムを
併用して染色したこと以外は、実施例1と同様にして染
色をおこなった。
上げた。
堅牢度、ドライクリーニング液汚染、目むきを評価し
た。結果を表1に示す。
リウレタン繊維は、易染性ポリエステル繊維とほぼ同等
の紺色の色相をしていた。
染料を用いずに分散染料のみで染色したこと以外は、実
施例1と同様にして染色加工を施し、仕上げた。結果を
表1に示す。
染色品は、発色性が高く、目むきがなく、洗濯堅牢度も
4級以上と著しく良好であり、ドライクリーニング液汚
染の少ない(3級以上)、商品価値の高いものが得られ
たことが明らかである。
堅牢度性能は良好なものの、発色性が低く、ポリエーテ
ル系ポリウレタン繊維が赤味をおびて、目むきがあり、
商品価値の低いものであることが判明した。
タン溶液に、p−クレゾールとジシクロペンタジエンの
重付加体のイソブチレン付加物1.5wt%、N,N−
ビス(2−ヒドロキシエチル)−t−ブチルアミン2.
5wt%、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5−ジベン
ジル−フェニル)−ベンゾトリアゾール0.3wt%、
ステアリン酸マグネシウム0.05wt%、及びN−
(2−アミノエチル)ピペラジン、4,4−ジフェニル
メタンジイソシアナート、フェニルイソシアナート(モ
ル比2:1:2)とからなる平均ウレア結合単位数が4
のウレア化合物6wt%、及び実施例1で得られた共重
合ポリウレタン化合物3wt%を加えた後、均一に分散
溶解した。この溶液を脱泡して、通常の乾式紡糸により
33dtexのポリエーテル系ポリウレタン繊維を得
た。
dtex/36f(クラレ(株)製、SN−2000)
と上記で得られた33dtexのポリウレタン繊維を、
2.5倍にS方向に800T/mで合糸追撚し、この糸
を経糸(経糸密度140本/2.54cm)、緯糸(緯
糸密度100本/2.54cm)にそれぞれ用い、2/
1の綾織物を調製した(ポリウレタン繊維の混率は9
%)。
練、リラックスをした後、200℃でプレセットを行
い、下記の条件にて染色した。
ASF染料(株)製、ジエステル型分散染料):14%
omf 金属錯塩染料;アイゼン オパール ブラック ニュ
(モノスルホネート型染料、還元洗浄耐久性62.6
%、保土ヶ谷化学工業(株)製):1%omf 分散均染剤;ニッカサンソルトRM−340(日華化学
工業(株)製):0.5g/リットル 酢酸;0.5cc/リットル 酢酸ナトリウム;1g/リットル 浴比; 1:20 染色温度、時間;130℃、30分 染色完了後、染色機から染色残液を排出し、染色機に水
を入れ、温度を80℃まで昇温し、これに下記薬剤を添
加し、下記の濃度に調整した。
業(株)製);0.5g/リットル 浴比; 1:30 この還元洗浄液で、染色品に80℃、20分間の還元洗
浄を施し、残液を排出し、温湯および水により染色物を
十分にすすぎ洗いを施したのち170℃、30秒間の乾
熱セットで仕上げた。
堅牢度、ドライクリーニング液汚染目むきを評価した。
結果を表1に示す。
リウレタン繊維は、易染性ポリエステル繊維とほぼ同等
の黒い色相をしていた。
した織物を用い、分散染料と金属錯塩染料の染色浴中に
下記濃度のタンニン酸、酒石酸アンチモンナトリウムを
併用して染色したこと以外は、実施例3と同様にして染
色をおこなった。
を入れ、温度を80℃まで昇温し、これに下記薬剤を添
加し、下記の濃度に調整した。
業(株)製);0.5g/リットル 浴比; 1:30 この還元洗浄液で、染色品に80℃、20分間の還元洗
浄を施し、残液を排出し、温湯および水により染色品を
十分にすすぎ洗いを施した後、170℃、30秒間の乾
熱セットで仕上げた。
堅牢度、ドライクリーニング液汚染、目むきを評価し
た。結果を表1に示す。
リウレタン繊維は、易染性ポリエステル繊維とほぼ同等
の黒い色相をしていた。
染料を用いずに分散染料のみで染色したこと以外は、実
施例3と同様にして染色加工を施し、仕上げた。結果を
表1に示す。
染色品は、発色性が高く、目むきがなく、洗濯堅牢度も
4級以上と著しく良好であり、ドライクリーニング液汚
染の少ない(3級以上)、商品価値の高いものが得られ
たことが明らかである。
堅牢度性能は良好なものの、発色性が低く、ポリエーテ
ル系ポリウレタン繊維が赤味をおびて、目むきがあり、
商品価値の低いものであった。
った、発色性が高く、目むきがなく、洗濯堅牢度に優
れ、しかもドライクリーニング液汚染の極めて少ない分
散染料可染型繊維とポリウレタン繊維との混用染色品が
得られる。
Claims (4)
- 【請求項1】 分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維
との混用染色品であって、分散染料可染型繊維が分散染
料で染着されたものであり、ポリウレタン繊維が金属錯
塩染料で染着されたものであることを特徴とする分散染
料可染型繊維とポリウレタン繊維との混用染色品。 - 【請求項2】 JIS L−0844 A−2法におけ
る洗濯堅牢度が3〜4級以上であって、JIS L−0
860法におけるドライクリーニング液汚染が3級以上
であることを特徴とする請求項1記載の分散染料可染型
繊維とポリウレタン繊維との混用染色品。 - 【請求項3】 ポリウレタン繊維が3級窒素化合物を含
むことを特徴とする請求項1又は2記載の分散染料可染
型繊維とポリウレタン繊維からなる混用染色品。 - 【請求項4】 分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維
との混用品を、分散染料および金属錯塩染料を用いて一
浴法または二浴法にて染色し、分散染料で染色後にアル
カリ還元洗浄することを特徴とする分散染料可染型繊維
とポリウレタン繊維との混用染色品の製造方法。
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