JP2004027405A - 分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維との混用染色品 - Google Patents

分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維との混用染色品 Download PDF

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義田  潔
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Abstract

【課題】黒色での深色性が高く、目むきがなく、染色堅牢度に優れた分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維との混用染色品を提供する。
【解決手段】分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維との混用染色品であって、分散染料可染型繊維が分散染料で染着されたものであり、ポリウレタン繊維が建染染料で染着されたものであることを特徴とする分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維との混用染色品。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維との混用染色品に関し、詳しくは、黒色での深色性が良く、目むきがなく、染色堅牢度に優れた分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維との混用染色品に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレート繊維に代表される分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維との混用布帛を分散染料で染色する場合、分散染料がポリウレタン繊維に過度に染着するために、分散染料可染型繊維の発色性が低くなり見栄えが悪くなるばかりか、染色された混用布帛の染色堅牢度が著しく低下するという問題がある。このため染色した布帛を還元洗浄によって、ポリウレタン繊維に過度に染着している分散染料を除去する必要がある。しかしながら、ポリウレタン繊維に過度に染着している分散染料を還元洗浄によって十分に除去することが困難なため、染色堅牢度において満足のいくものが得られていない。混用布帛の染色物のドライクリーニング堅牢性についても問題がある。得られた染色物をドライクリーニングした場合、ドライクリーニング液が著しく汚れ、白場あるいは他繊維に逆汚染する問題がある。このドライクリーニング液汚染の原因は、ポリウレタン繊維中に残存している分散染料にあり、ドライクリーニング液汚染の程度は分散染料の残存濃度にほぼ比例する。
【0003】
このため分散染料で染色した混用染色物の還元洗浄は、還元剤、アルカリ剤の濃度が通常濃度よりも高められた厳しい条件下、例えば、各々10g/リットル、とする一方、処理温度も90℃と高くなるなど、還元洗浄条件を強化することが必要となる。ところがカバリングヤーンなどのようにポリウレタン繊維の被覆度合いの高い混用編織物においては、還元洗浄条件をたとえ強化したとしてもポリウレタン繊維中の分散染料を満足できる程度に除去することができないばかりか、分散染料可染型繊維の発色性が低下し、染色バッチごとの色のバラツキが大きくなってしまう。
【0004】
そのため特開平4−240277号公報に見られるように分散染料としては、複素環アゾ系、縮合系分散染料、ジエステル型分散染料といった易加水分解性の分散染料を用い染色することによりポリウレタン繊維中の汚染分散染料を除去する方法が用いられ、とりわけ洗濯堅牢度を向上する方法が提案されている。しかしながら、ポリウレタン繊維中の分散染料除去には有効で高堅牢度を達成できる方法であるが、ポリウレタン繊維は黄色味や赤味等の分散染料の分解生成物に着色される問題があり、このため布帛製品が着用時等に伸長されるとこの異色相のポリウレタン繊維が見え、いわゆる目むき現象が出て製品の商品価値を著しく低下させるという問題がある。
【0005】
このため特開平8−13355号公報に見られるように易加水分解性分散染料で染色した後、アルカリ還元浴中で弾性繊維に染着した分散染料を脱着させるとともに該還元浴中で水溶化された建染染料あるいは硫化染料を両繊維に吸着させる方法が用いられ、目ムキが解消され、洗濯堅牢度が向上する方法が提案されている。しかしながら、弾性繊維を着色しても高堅牢度達成には有効な方法であるが、易加水分解性分散染料でポリエステル繊維が染色されていることから、ポリエステル繊維に染着した染料も除去される問題がある。とりわけインナー、アウター用途でのブラックフォーマル分野では色の深み感が求められており、この方法においても発色性が不十分であり、特に黒色においては十分な深色性が得られないという問題があり、特にフルダル糸使いの商品においては特に深み感が得られない。
従って、特に黒の深色性が高く、目むきがなく、染色堅牢度に優れた品質のよい分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維との混用布帛は得られていないのが実状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情を背景としてなされたものであり、分散染料で染色しても黒の深色性が高く、目むきがなく、染色堅牢度に優れた品質のよい分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維との混用布帛の染色品を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維からなる混用染色品であって、分散染料可染型繊維が染色温度が120℃であって、pHが5のときの染着率に対するpHが11のときの染着率の割合が20%から80%で、ジエステル基、チアゾール、チオフェン、ベンゾジフラノン環を含まないベンゼンアゾ系分散染料で染着されたものであり、ポリウレタン繊維が建染染料で染着されたものであることを特徴とする分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維との混用染色品、並びに、分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維からなる混用染色品であって、JIS−L−0849法における乾摩擦堅牢度が3級以上であって、JIS−L−0848、A法における汗アルカリ堅牢度が3級以上であることを特徴とする分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維との混用染色品、並びに、分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維からなる混用染色品であって、その表面色の分光測色L値が17を超えない染色濃度であることを特徴とする分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維との混用染色品である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる分散染料可染型繊維とは、ポリエチレンテレフタレート、ポリオキシエチレンベンゾエート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、アセテート等の分散染料に可染の繊維をいう。分散染料可染型繊維は、単糸デシテックスが0.1〜6デシテックスが好ましく、より好ましくは0.5〜3デシテックスであり、トータルデシテックスが10〜280デシテックスであることが好ましい。このような繊維を用いると染色性、風合に優れる布帛が得られる。
【0009】
ポリエステル繊維としては、ポリウレタン繊維の熱脆化を防ぐ意味から易染性ポリエステル繊維を使用することが好ましい。易染性ポリエステル繊維とは、分散染料シー・アイ・ディスパース・ブルー56(C.I.Disperse Blue 56;例えば、レゾリンブルーFBL[ダイスター社製;商品名]を用い、染料使用量3%omf、浴比50倍、pH6(酢酸にて調整)、分散剤(例えば、ディスパーTL[明成化学工業社製;商品名])含有量1g/リットルの染浴中で100℃にて120分間の染色後、繊維に染着した染料の吸尽率が80%以上である繊維のことをいう。
ここで、染料吸尽率は次式で表される。
染料吸尽率(%)={[繊維に染着した染料量(質量)]/[染浴に添加した染料量(質量)]}×100
【0010】
このような易染性ポリエステル繊維としては、実質的には、ポリエチレンテレフタレートよりなり、例えば、紡速4000m/分以上で紡糸され、乾熱で220〜300℃または湿熱で180〜240℃の熱処理を受けたポリエチレンテレフタレートのホモポリマーよりなる繊維や、紡速6200m/分以上で紡糸されたスピンテイクアップ方式のいわゆる高速紡糸繊維が挙げられる。また、エチレンテレフタレートを繰り返し単位とした線状重合物で第三成分として、イソフタル酸、スルホン化イソフタル酸のナトリウム塩、ポリエチレングリコール、アジピン酸などを共重合せしめてなるものでも良く、通常合成繊維に添加される艶消剤、安定剤、制電剤などを含んでいてもよい。また重合度については、通常の繊維形成範囲内であれば特に制限はない。
【0011】
又、易染性ポリエステル繊維としてポリトリメチレンテレフタレート繊維が挙げられる。ポリトリメチレンテレフタレート繊維の特性としては、強度は、好ましくは2〜5cN/dtex、より好ましくは2.5〜4.5cN/dtex、さらに好ましくは3〜4.5cN/dtexである。伸度は、好ましくは30〜60%、より好ましくは35〜55%、さらに好ましくは40〜55%である。弾性率は、好ましくは30cN/dtex以下、より好ましくは10〜30cN/dtex、さらに好ましくは12〜28cN/dtex、特に好ましくは15〜25cN/dtexである。10%伸長時の弾性回復率は、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上である。
【0012】
ポリトリメチレンテレフタレートは、テレフタル酸又はその機能的誘導体と、トリメチレングリコール又はその機能的誘導体とを、触媒の存在下で、適当な反応条件下に結合せしめることにより製造される。この製造過程において、適当な一種又は二種以上の第三成分を添加して共重合ポリエステルとしてもよいし、又、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリトリメチレンテレフタレート以外のポリエステルやナイロンと、ポリトリメチレンテレフタレートとを、ブレンドしたり、複合紡糸(鞘芯、サイドバイサイド等)してもよい。
【0013】
複合紡糸に関しては、特公昭43−19108号公報、特開平11−189923号公報、特開2000−239927号公報、特開2000−256918号公報等に例示されるような、第一成分としてポリトリメチレンテレフタレートを用い、第二成分としてポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルあるいはナイロンを用いて、並列的あるいは偏芯的に配置したサイドバイサイド型又は偏芯シースコア型に複合紡糸したものが例示され、特に、ポリトリメチレンテレフタレートと共重合ポリトリメチレンテレフタレートの組み合わせや、固有粘度の異なる二種類のポリトリメチレンテレフタレートの組み合わせが好ましく、特に特開2000−239927号公報に例示されるような固有粘度の異なる二種類のポリトリメチレンテレフタレートを用い、低粘度側が高粘度側を包む込むように接合面形状が湾曲しているサイドバイサイド型に複合紡糸したものが、高度のストレッチ性と嵩高性を兼備するものであり、特に好ましい。
【0014】
添加する第三成分としては、脂肪族ジカルボン酸(シュウ酸、アジピン酸等)、脂環族ジカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(イソフタル酸、ソジウムスルホイソフタル酸等)、脂肪族グリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、テトラメチレングリコール等)、脂環族グリコール(シクロヘキサンジメタノール等)、芳香族を含む脂肪族グリコール(1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等)、ポリエーテルグリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、脂肪族オキシカルボン酸(ω−オキシカプロン酸等)、芳香族オキシカルボン酸(p−オキシ安息香酸等)等が挙げられる。又、1個又は3個以上のエステル形成性官能基を有する化合物(安息香酸等又はグリセリン等)も重合体が実質的に線状である範囲内で使用できる。
【0015】
さらに、二酸化チタン等の艶消剤、リン酸等の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、タルク等の結晶化核剤、アエロジル等の易滑剤、ヒンダードフェノール誘導体等の抗酸化剤、難燃剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤等が含有されてもよい。
ポリトリメチレンテレフタレート繊維の紡糸については、例えば1500m/分程度の巻取り速度で未延伸糸を得た後、2〜3.5倍程度で延撚する方法、紡糸−延伸工程を直結した紡糸直接延伸法(スピンドロー法)、巻取り速度5000m/分以上の高速紡糸法(スピンテイクアップ法)の何れを採用しても良い。
【0016】
繊維の形態は、長繊維でも短繊維でもよく、長さ方向に均一なものや太細のあるものでもよく、断面形状においても丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、扁平、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよい。さらに糸条の形態としては、リング紡績糸、オープンエンド紡績糸等の紡績糸、単糸デシテックスが0.1〜5デシテックス程度のマルチフィラメント原糸(極細糸を含む)、甘撚糸〜強撚糸、混繊糸、仮撚糸(POYの延伸仮撚糸を含む)、空気噴射加工糸等が挙げられる。
尚、本発明の目的を損なわない範囲内で通常30wt%以下の範囲内でウールに代表される天然繊維等他の繊維を混紡(サイロスパンやサイロフィル等)、交絡混繊(高収縮糸との異収縮混繊糸等)、交撚、複合仮撚(伸度差仮撚等)、2フィード空気噴射加工等の手段で混用してもよい。
【0017】
本発明に用いるポリウレタン繊維としては、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルジオールをジオール成分とし、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートをジイソシアネート成分とし、エチレンジアミン等をジアミン成分とするポリエーテル系ポリウレタン繊維やポリカプロラクトンやアジピン酸/1,6ヘキサンジオール/ネオペンチルグリコールからなるポリエステル等からなるポリエステルジオールとブタンジオール等の脂肪族ジオール等をジオール成分とし、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートをジイソシアネート成分とするポリエステル系ポリウレタン繊維等を用途に応じて適宜選択し使用することができる。また、鮮明性の高いブライト糸、あるいは光沢を抑えたセミダル系等、いずれも用途によって適宜選択して使用することができる。かかるタイプは、例えば酸化チタンの添加量によって制御することができる。
【0018】
ポリウレタン繊維には、必要に応じて、金属酸化物、金属水酸化物等の塩素水劣化防止剤を含有させてもよく、例えば、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト類化合物等を単独又は二種以上の混合物として用いてもよい。添加量としては0.1〜6.0wt%が好ましい。又、その他公知の安定剤、紫外線吸収剤等が含有されていてもよい。
本発明の分散染料可染型繊維に混用するポリウレタン繊維の割合は、用途により適宜決めることができるが、おおむねポリウレタン繊維を40wt%以下混用させるときに好ましい結果が得られる。本発明の混用品は分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維とからなるが、この両繊維以外にウール、絹、麻等を混用しても構わない。
【0019】
本発明の分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維との混用品の形態としては、糸条形態と布帛形態に大別される。
糸条形態としては、ポリウレタン繊維の裸糸(10〜500dtex)に分散染料可染型繊維を被覆した糸条、例えばいわゆるカバリングヤーン(シングル並びにダブルカバリング)、合撚糸、コアヤーン、交絡糸等の公知の被覆糸の形態が挙げられる。
又、布帛形態としては、編物、織物、不織布並びにこれらの複合布帛(例えば、積層布等)が挙げられる。具体例としては、いわゆる機上混用品があり、製編織時に、ポリウレタン繊維の裸糸(裸糸の場合は編成や製織時、2〜4倍程度に伸長させながら)又は被覆糸を機上にて分散染料可染型繊維と引き揃えて、又は合糸して混用した編織物が挙げられる。
【0020】
本発明においては、混用品の混用形態については何ら制限されるのものではなく、分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維が公知の混用手段によって混用されていればよい。
本発明の混用染色品は、JIS−L−0849法における乾摩擦堅牢度が3級以上であって、JIS−L−0848、A法における汗アルカリ堅牢度が3級以上であって、混用染色品の表面色の分光測色L値が17を超えないことが好ましい。この範囲であると例えばインナー、アウター等でのブラックフォーマル商品分野で黒の深色性が求められている分野において問題なく使用可能である。
【0021】
本発明の混用染色品を得る方法は、上記のような混用品を本発明でいう分散染料を用いて染色し、染色後のアルカリ還元洗浄時に建染染料を用いて処理することにより、ポリウレタン繊維に染着した分散染料をアルカリ還元浴中で選択的に脱着させると共に、該還元浴中で水溶化された建染染料を主にポリウレタン繊維に染着させることに特徴がある。
本発明で使用する分散染料は、ベンゼンアゾ系分散染料であり、その構造中にジエステル基やチアゾール、チオフェン、ベンゾジフラノン環を含まないものであり、染色温度が120℃であってpHが5のときの染着率に対するpHが11のときの染着率の割合が20%から80%の分散染料である。本分散染料を用いるのことで分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維からなる混用品においては優れた深色性が得られやすい。
【0022】
例えばC.I.ディスパース イエロー5、C.I.ディスパース イエロー64、C.I.ディスパース イエロー192、C.I.ディスパース イエロ186、C.I.ディスパース イエロー76、C.I.ディスパース イエロー42、C.I.ディスパース イエロー163、  C.I.ディスパース イエロー79、C.I.ディスパース オレンジ29、C.I.ディスパース オレンジ30、C.I.ディスパース オレンジ73、C.I.ディスパース オレンジ55、C.I.ディスパース オレンジ61、C.I.ディスパース レッド43、C.I.ディスパース レッド191、C.I.ディスパース レッド288、C.I.ディスパース レッド192、C.I.ディスパース レッド135、C.I.ディスパース レッド92、C.I.ディスパース レッド221、C.I.ディスパース レッド154、C.I.ディスパース レッド323、C.I.ディスパース レッド91、
【0023】
C.I.ディスパース レッド258、C.I.ディスパース レッド73、C.I.ディスパース レッド54、C.I.ディスパース レッド126、C.I.ディスパース レッド72、C.I.ディスパース レッド127、C.I.ディスパース レッド205、C.I.ディスパース レッド111、C.I.ディスパース レッド76、C.I.ディスパース バイオレット28、C.I.ディスパース ブルー54、C.I.ディスパース ブルー60、C.I.ディスパース ブルー87:1、C.I.ディスパース ブルー198、C.I.ディスパース ブルー266、C.I.ディスパース ブルー268、C.I.ディスパース ブルー301、C.I.ディスパース ブルー142、C.I.ディスパース ブルー146、C.I.ディスパースブルー270、C.I.ディスパース ブルー128、C.I.ディスパース ブルー148、
【0024】
C.I.ディスパース ブルー211、C.I.ディスパース ブルー106、C.I.ディスパース ブルー167、C.I.ディスパース ブルー205、C.I.ディスパース ブルー94、C.I.ディスパース ブルー207、C.I.ディスパース ブルー186、スミカロン イエロー S−RPD、ダイアニックス イエロー UN−SE、ダイアニックス オレンジ UN−SE、スミカロン レッド SE−RPD、スミカロン レッド S−RPD、ダイアニックス カルミン UN−SE、ダイアニックス スカーレット 3R−SE、ダイアニックス ルビン UN−SE、スミカロン ブルー SE−RPD、スミカロン ブルー S−RPD、スミカロン ネービーブルー SE−RPD、ダイアニックス ネービーブルー UN−SE、スミカロン ブラック S−3BL、スミカロン ブラック S−BGL、スミカロン ブラック S−BB、スミカロンブラック S−2BF、スミカロン ブラック S−BL、ダイアニックス ブラック S−R、ダイアニックス ブラック SE−G、ダイアニックス ブラックK−B、ダイアニックス タキシードブラック Fなどが例示される。
【0025】
また、特開平4−240277号公報に見られるような易加水分解性の分散染料として、ジエステル基を有する分散染料や、アゾ系分散染料の中でも特にチアゾール型、チオフェン型、さらにベンゾジフラノン型分散染料があり、これらは染色温度が120℃であって、pHが5のときの染着率に対するpHが11のときの染着率の割合は20%未満であり、アルカリ還元洗浄時にアルカリ剤、還元剤濃度が高くなった場合、ポリウレタン繊維に染着した染料ばかりか、分散染料可染型繊維に染着した染料の脱着が大きく、染料濃度をいくら高めても濃色染色品、特に黒色においては深色性の高いものが得られない問題があるのに対し、本発明で用いる分散染料においては、分散染料可染型繊維に染着した染料の脱着はわずかであり、高い深色性が得られる。
【0026】
また、染色温度が120℃であって、pHが5のときの染着率に対するpHが11のときの染着率の割合が80%を越える場合、アルカリ還元洗浄時にポリウレタン繊維からの脱着が悪く、堅牢度性能の低いものしか得られず、商品価値の低いものしか得られない。
但し、本発明の目的を損なわない範囲内で、易加水分解性の分散染料を30重量%未満の範囲で併用してもかまわない。
分散染料可染型繊維を本発明の分散染料を用いて染色する際の染色条件は、ポリエステル繊維等に通常適用されている分散染料による染色条件が適用される。すなわち染色浴としては、染料の他に分散均染剤、pH調整剤等を含んだ染料液を用いて、100〜135℃のもとで20〜40分間染色を行う。本発明でいう混用染色品を得るには、分散染色後のアルカリ還元洗浄時に特定濃度の建染染料を併用し処理することに特徴がある。
【0027】
本発明に使用する建染染料は、その分子内に2個以上のカルボニル基を有する水不溶性の染料で、アルカリ性還元浴で還元されて水に可溶性のロイコ化合物となる染料である。
建染染料はその化学構造からアントラキノン系とインジゴ系に分けられ、アントラキノン系としては、アシルアミノアントラキノン系、アントリイミド系、アントラキノンカルバゾール系、アントラキノンアクリドン系、アントラキノンオキサゾール系、アントラキノンチアゾール系、アントラキノン・Nーヒドラジン系、ピレン系、ジアザピレン系、ペリレン系、ベンザントロン系、ジピラゾールアントロン系、アセジアントロン系、アントラピリミジン系の染料が例示され、インジゴ系としては、インジゴ、チオインジゴ系の染料が例示される。
【0028】
このロイコ化合物は水に可溶性でポリウレタン繊維に対して親和力が高く、ポリウレタン繊維に容易に染着させられる。このロイコ化合物を生成させるためのアルカリ還元浴のアルカリ成分としては苛性ソーダ、ソーダ灰等が好ましく、特に苛性ソーダが好ましい。還元剤としては二酸化チオ尿素、ハイドロサルファイト、ロンガリットC(ナトリウムスルホキシレートホルムアルデヒド)、ロンガリットCL、ロンガリットZ、酸化第一スズ、水流化ソーダ、硫化ソーダ等が好ましく使用でき、還元電位の持続性より二酸化チオ尿素が特に好ましい。この際のアルカリ成分の濃度、還元剤の濃度は、建染染料を還元させるに必要な還元電位を得るための濃度が必要であり、例えばアルカリ還元浴の還元電位を−600mV以上に保つために各々の濃度は2g/リットル以上が好ましい。さらに好ましくは、建染染料を水可溶のロイコ化合物での安定性および、ポリウレタン繊維中の分散染料を除去するために各々4g/リットル以上である。
【0029】
建染染料の安定的な還元、ポリウレタン繊維への安定染色より、アルカリ成分は苛性ソーダを用い、還元剤は二酸化チオ尿素を用いた組み合わせが好ましく、各々の濃度コントロール、還元電位のコントロールは極めて重要であり、染色濃度、染色設備などを勘案し適宜決定されるが、アルカリ濃度より還元剤濃度を過剰にし、還元電位が−1000mV以上の場合、染色性は安定する。アルカリ還元浴での処理温度は、40〜100℃が好ましく、特に高い還元電位を安定して得るためにも60〜90℃がより好ましく、処理時間は10〜60分が好ましい。
【0030】
またアルカリ還元浴には、繊維膨潤剤として一般に使用されているキャリヤー、例えば、クロルベンゼン系、メチルナフタリン系、オルソフェニルフェノール系、芳香族エーテル系、芳香族エステル系などを0.5〜5g/リットル併用してもかまわない。さらにポリウレタン繊維に親和性があるポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミンエーテル、ポリオキシエチレンアルキルベンジルアンモニウムクロライド、アルキルピコリウムクロライドなどを0.5〜5g/リットル併用してもかまわない。本発明の混用品を分散染料で染色した後、アルカリ還元浴にてポリウレタン繊維中の分散染料の除去とともに、水可溶性の建染染料をポリウレタン繊維に染着後は、過ホウ酸ソーダ等の酸化剤を用いて酸化処理や水洗等の空気酸化処理にて建染染料を不溶化させることで堅牢となり本発明の目的が達成される。
【0031】
建染染料の使用濃度は、綿の染色に見られるように黒色では一般的に10%omf前後の濃度が使用されており、特開平8−13355号公報でも高濃度が使用されている。しかしながら、ロイコ化合物となった建染染料は、分散染料可染型繊維へも汚染する問題があり、この汚染の程度は建染染料濃度にほぼ比例して増大する。この汚染により混用染色品においては特に乾摩擦堅牢度性能が悪くなる問題があり、汚染の増大とともに乾摩擦堅牢度も著しく低下する問題があり、混用染色品においてはさらに分散染料可染型繊維への汚染の増大に伴い発色性が低下する問題とともにコスト面でも不経済である。従って本発明でいうJIS−L−0849法における乾摩擦堅牢度の3級以上達成のためには、本発明の目的を損なわない範囲内で建染染料濃度を制限する必要があり、好ましい建染染料濃度はポリウレタン繊維質量に対し、10%以下であり、より好ましくは5%以下である。この範囲内であると本発明の効果が十分に達成され、コスト面でも経済的である。
【0032】
従って、本発明における混用染色品は、分散染料可染型繊維には主に分散染料が、ポリウレタン繊維には主に建染染料が染着しており、分散染料可染型繊維がセミダル糸、ブライト糸使いの場合においては分光測色L値が15を超えない範囲にあり、フルダル糸使いの場合においては分光測色L値が17を超えない範囲にあり、深色性が高く、目むきがなく、染色堅牢度に優れた品質の良い混用染色品である。さらに一般的に行われている低屈折率成分の物質にて後加工することで分光測色L値はさらに1〜2低下させることができ、より深み感のある商品が得られる。
またポリウレタン繊維を建染染料にて染色することで経筋、イラツキが緩和され生地の目面が良好となる特徴もある。
【0033】
本発明においては、さらに好ましくは、分散染料で染色するに際し、多価金属化合物とタンニン酸で処理した後染色する(染色前の処理法)、あるいは染色する際に多価金属化合物とタンニン酸を併用すること(併用染色法)により、分散染料がポリウレタン繊維への染着することを著しく抑制し、分散染料可染型繊維を選択的に染着するので、より優れた発色性、染色堅牢度を有する分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維との混用染色品が得られる。
このような方法により、分散染料の構造タイプを問わずあらゆる分散染料において、ポリウレタン繊維への分散染料の染着を著しく低減させることができるので、アルカリ還元洗浄時のポリウレタン繊維中の分散染料除去を容易に行うことができ、ポリウレタン繊維への分散染料汚染問題に関わる堅牢度問題が一挙に解決することが可能である。
【0034】
但し、ポリウレタン繊維としてポリエステルエーテル弾性繊維を用いた場合には、染色時にタンニン酸と多価金属化合物を含む染色浴で染色を行ってもポリエステルエーテル弾性繊維への分散汚染抑制効果は認められない。
ここで多価金属化合物としては、アンチモン系化合物が好ましいが、その他としてはスズ、アルミニウム、亜鉛、バリウム、ビスマス系化合物を用いることができ、これら多価金属化合物を併用して用いてもよい。
アンチモン系化合物としては、酒石酸アンチモン塩が好ましく、酒石酸アンチモンナトリウム、酒石酸アンチモンカリウムがあり、酒石酸アンチモンナトリウムが特に好ましく適用できる。
【0035】
多価金属化合物の使用量は、好ましくは0.01〜1.5%omf、さらに好ましくは0.02〜0.5%omfである。この範囲であると、多価金属化合物の使用による効果が発揮されて本発明の目的が十分に達成され、コスト面でも経済的である。
タンニン酸としては、五倍子または没食子から得たタンニンが好ましく、その使用量は製品濃度で好ましくは0.1〜10%omf、さらに好ましくは0.2〜5%omfである。この範囲であるとタンニン酸の使用による効果が発揮されて、本発明の目的が十分に達成されコスト面でも経済的である。
多価金属化合物とタンニン酸の使用量の比率は、1:1〜1:40が好ましく、より好ましい比率は1:3〜1:20であり、さらに好まし比率は1:3〜1:10である。
【0036】
前述した染色前の処理法は、多価金属化合物とタンニン酸を含有する水溶液中に本発明に用いる混用品を浸漬する方法が好ましく、処理温度としては40〜130℃、より好ましくは60〜100℃であり、処理時間は、10〜40分が好ましい。この際、酢酸等のpH調整剤にて処理溶液のpHを3〜5に調整しておくのが好ましい。
前処理を経た混用品は、前述した本発明の分散染料で染色を行えばよい。
分散染料の染色浴に前記多価金属化合物とタンニン酸類を共存させる併用染色法は、通常ポリエステル繊維に適用されている染色条件を用いればよく、染料水溶液中に多価金属化合物とタンニン酸を溶解させ、100〜135℃の温度で20〜40分染色すればよい。この際の染料水溶液のpHは4〜5に酢酸等のpH調整剤で調整しておくのが好ましい。
【0037】
この際に併用する分散均染剤としては、β−ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合体のようなアルキルナフタレン系や多価アルコール脂肪酸エステルのポリアルキレンオキサイド付加物とその硫酸化物を用いるのが好ましい。
分散染色後のアルカリ還元洗浄条件は、上記の条件を用いればよく、ポリウレタン繊維への分散染料の染着量が少ないことから、還元洗浄条件を強化する必要がなく、それにより分散染料可染型繊維の発色性が低下することがなく、還元洗浄バッチごとの色のバラツキがほとんどない。
【0038】
分散染料染色浴へのタンニン酸と多価金属化合物を共存させた染色浴による処理は、分散染料のポリウレタン繊維への染着を抑制し、分散染料可染型繊維への分散染料の分配を促進する作用に着目した処理であり、分散染料のポリウレタン繊維への染着が著しく抑制されるばかりでなく、ポリウレタン繊維へ拡散した分散染料は染色後のアルカリ還元洗浄により速やかに分解されポリウレタン繊維中からほぼ完全に除去される。その結果、混用染色品の湿潤染色堅牢度は飛躍的に高くなり、ドライクリーニング液汚染が顕著に低減した混用染色品が得られる。また本発明によれば、分散染料可染型繊維への分散染料の染着率を高め、染料の無駄を低減して、発色性が高く、見栄えのよい混用染色品の調整が可能になるほか、染色バッチごとの色のバラツキを抑え、染色機の操業率を向上させるという効果もある。
【0039】
尚、本発明に用いる分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維との混用品が布帛の場合は、編成、製織後、リラックス精練してから、染色することが好ましい。精練は60〜98℃の温度で、できるだけ布帛をリラックスさせた状態で行うことが布帛の伸縮回復性を高めるなどの理由から好ましい。なお、染色前に形態固定を行いたい場合は、170〜200℃の温度で乾熱でプレセットを行えばよい。次に還元洗浄後は、常法に従って仕上げればよいが、ファイナルセット温度はプレセット温度より10℃以上低くし、170℃以下にてセットすると好ましい結果が得られる。
【0040】
以下、本発明を実施例などによりさらに説明するが、本発明はこれら実施例などにより何ら限定されるものではない。尚、実施例に示した特性の測定方法は下記の通りである。
(1) 染着率
分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維との混用布帛を染料使用量4%omf、浴比30倍、pH5(酢酸にて調整)、分散剤(日華化学工業(株)製、商品名:ニッカサンソルトRM−340)0.5g/リットルの染浴で120℃にて30分間染色する。別にpH11(炭酸ナトリウムにて調整)にするほかは同様にして染色する。ジメチルホルムアミドにてpH5並びにpH11の染色布からそれぞれ染料を抽出し、比色分析にて染着染料量を測定し下式により染着率を求めた。
染着率(%)=(pH11の染着量/pH5の染着量)×100(%)
【0041】
(2)摩擦堅牢度
混用染色品について、JIS−L−0849法に従って評価した。添付白布片の汚染の程度を汚染用グレースケールと比較して判定した。
(3)汗アルカリ堅牢度
混用染色品について、JIS−L−0848、A法に準じてアルカリ性人工汗液を用いて評価した。試験片の変褪色と添付白布片の汚染の程度をそれぞれ変褪色用グレースケール、汚染用グレースケールと比較して判定した。
(4)ドライクリーニング液の汚染
混用染色品について、JIS−L−0860に準じてドライクリーニング試験を実施し、ドライクリーニング液とドライクリーニング試験後の汚れ液を磁器容器(サイズ20mm×40mm×10mm)に8cc採り、液汚染程度を汚染用グレースケールと比較してその色落ち度を判定した。色落ちの少ない良好なものを5級とし、順次1級(色落ちの大きいもの)に判定した。
【0042】
(5)染色物の発色性L値の測定
染色布帛の表面を分光測色計(Kollmorgen社製、形式マクベスMS−2020)を使用してLab表色系におけるL値を測定した。L値は低い方が深色性(色の深み感)が高い。
(6)染色物の目むきの判定
染色布帛を引っ張ったときに見えるポリウレタン繊維の色を判定した。分散染料可染型繊維とほぼ同じ色相の場合を○とし(目むきとならない状態)、ポリウレタン繊維の色が赤味や黄味のように分散染料可染型繊維の色相と極端に違う場合を×(目むき状態)と判定した。
【0043】
(7)ηsp/cの測定法
ηsp/cは、ポリマーを90℃でo−クロロフェノールの溶剤に1g/デシリットルの濃度で溶解し、その後、得られた溶液をオストワルド粘度管に移し35℃で測定し、下記式により算出した。
ηsp/c=(T/T0  − 1)/C
T:試料溶液の落下時間(秒)
0 :溶剤の落下時間(秒)
C:溶液濃度(g/デシリットル)
(8)ポリウレタン繊維及びポリエステルエーテル弾性繊維のデシテックス測定方法
20℃、相対湿度65%雰囲気下でポリウレタン繊維あるいはポリエステルエーテル弾性繊維を無緊張かつ無荷電で直線状に静置し放縮させる。その後、試料を1000mmの長さで切断したものを10本合わせて秤量し、10000mあたりの重量に換算し、その値をデシテックスとする。
【0044】
【実施例1】
ηsp/c=0.65、TiO2 0.4%含有のポリエチレンテレフタレートを紡糸温度290℃で紡出し、スピンテイクアップ方式にて巻取速度7200m/分で巻取り56dtex/24f(セミダル糸)の糸条を得た。この糸条は前記した易染性ポリエステル繊維に該当するものであった(染料吸尽率=91%)。
この糸条と311dtexのポリエーテル系ポリウレタン繊維(旭化成(株)製、商品名:ロイカSC)を用い、通常の編成条件にて6コースサテンネット編地(コース密度170ループ数/2.54cm、ウエル密度40ループ数/2.54cm)を作製した(ポリウレタン繊維の混率は23wt%)。
【0045】
次いで、拡布状で90℃で精練リラックスしたのち190℃でプレセットを行い、下記条件にて分散染色した。
Figure 2004027405
【0046】
染色完了後、染色機から染色残液を排出し、染色機に水を入れ、温度を40℃まで昇温し、これに下記染料、薬剤を添加し、下記の濃度に調整した。
Figure 2004027405
このアルカリ還元溶液を80℃まで昇温し、染色物に80℃、20分間の処理を施し、残液を排出し、温湯および水により染色物を十分にすすぎ洗いを施したのち、過ホウ酸ソーダ2g/リットルを用い40℃にて10分間酸化処理を行い、水洗後、160℃、30秒間の乾熱セットで仕上げた。
得られた染色品の摩擦堅牢度、汗アルカリ堅牢度、ドライクリーニング液汚染目むきを評価した。その結果を表1に示す。
【0047】
【比較例1】
実施例1において、アルカリ還元溶液に建染染料を用いずに、還元剤とアルカリ剤のみで処理する他は全く実施例1と同様に染色加工を施し仕上げた。その結果を表1に示す。表1の結果より、本発明の染色方法による染色物は、深色性が高く、目むきがなく、乾摩擦堅牢度、汗アルカリ堅牢度とも4級以上と良好であり、ドライクリーニング液汚染の少ない(3級以上)商品価値の高いものが得られていることが明らかである。
これに対して、比較例1による染色物は堅牢度性能は良好なものの深色性が低く、ポリエーテル系ポリウレタン繊維が赤味をおびて目むきがあり商品価値の低いものである。
【0048】
【比較例2】
実施例1において、分散染料を下記の易加水分解性の分散染料に変更して染色する他は全く実施例1と同様に染色加工を施し仕上げた。
(易加水分解性分散染料:ディスパーゾール ブラック XF 18%omf、三井BASF染料(株)製、染着率4%)
その結果を表2にに示す。表2の結果より、比較例2における染色物は堅牢度性能は良好で、目むきはないものの深色性が低く、商品価値の低いものである。
【0049】
【表1】
Figure 2004027405
【0050】
【実施例2】
ポリエチレンテレフタレート44dtex/48f(カネボウ合繊(株)製、商品名:ヴェガ フルダル糸)と44dtexのポリエーテル系ポリウレタン繊維(旭化成(株)製、商品名:ロイカSC)を用い、通常の編成条件にて2ウエイトリコット編地(コース密度65ループ数/2.54cm、ウエル密度28ループ数/2.54cm)を作製した(ポリウレタン繊維の混率は21wt%)。
【0051】
次いで、拡布状で90℃で精練リラックスしたのち190℃でプレセットを行い、下記条件にて分散染色した。
Figure 2004027405
【0052】
染色完了後、染色機から染色残液を排出し、染色機に水を入れ、温度を50℃まで昇温し、これに下記染料、薬剤を添加し、下記の濃度に調整した。
Figure 2004027405
このアルカリ還元溶液を80℃まで昇温し、染色物に80℃、20分間の処理を施し、残液を排出し、温湯および水により染色物を十分にすすぎ洗いを施した後、過ホウ酸ソーダ2g/リットルを用い40℃にて10分間酸化処理を行い、水洗後、160℃、30秒間の乾熱セットで仕上げた。
得られた染色品の摩擦堅牢度、汗アルカリ堅牢度、ドライクリーニング液汚染目むきを評価した。その結果を表2に示す。
【0053】
【比較例3】
実施例2において、アルカリ還元溶液に建染染料を用いずに、還元剤とアルカリ剤のみで処理する他は全く実施例2と同様に染色加工を施し仕上げた。その結果を表2に示す。表2の結果より、本発明の染色方法による染色物は、深色性が高く、目むきがなく、乾摩擦堅牢度、汗アルカリ堅牢度とも4級以上と良好であり、ドライクリーニング液汚染の少ない(3級以上)商品価値の高いものが得られていることが明らかである。
これに対して、比較例3による染色物は堅牢度性能は良好なものの深色性が低く、ポリエーテル系ポリウレタン繊維が赤味をおびて目むきがあり商品価値の低いものである。
【0054】
【表2】
Figure 2004027405
【0055】
【実施例3】
ポリエチレンテレフタレート84dtex/36f(クラレ(株)製、商品名;SN−2000)と上記で得られた33dtexのポリウレタン繊維を2.5倍にS方向に800T/Mで合糸追撚し、この糸を経糸(経糸密度140本/インチ)、緯糸(緯糸密度100本/インチ)にそれぞれ用い、2/1の綾織物を調整した(ポリウレタン繊維の混率は9%)。
【0056】
次いでこの混用織物を常法により糊抜き精練、リラックスをした後、200℃でプレセットを行い、下記の条件にて染色した。
Figure 2004027405
【0057】
染色完了後、染色機から染色残液を排出し、染色機に水を入れ、温度を40℃まで昇温し、これに下記染料、薬剤を添加し、下記の濃度に調整した。
Figure 2004027405
このアルカリ還元溶液を80℃まで昇温し、染色物に80℃、20分間の処理を施し、残液を排出し、温湯および水により染色物を十分にすすぎ洗いを施した後、過ホウ酸ソーダ2g/リットルを用い40℃にて10分間酸化処理を行い、水洗後、160℃、30秒間の乾熱セットで仕上げた。
得られた染色品の摩擦堅牢度、汗アルカリ堅牢度、ドライクリーニング液汚染目むきを評価した。その結果を表3に示す。
【0058】
【比較例4】
実施例3において、アルカリ還元溶液に建染染料を用いずに、還元剤とアルカリ剤のみで処理する他は全く実施例3と同様に染色加工を施し仕上げた。その結果を表3に示す。表3の結果より、本発明の染色方法による染色物は、深色性が高く、目むきがなく、乾摩擦堅牢度、汗アルカリ堅牢度とも4級以上と良好であり、ドライクリーニング液汚染の少ない(3級以上)商品価値の高いものが得られていることが明らかである。
これに対して、比較例4による染色物は堅牢度性能は良好なものの深色性が低く、ポリエーテル系ポリウレタン繊維が赤味をおびて目むきがあり商品価値の低いものである。
【0059】
【表3】
Figure 2004027405
【0060】
【実施例4】
固有粘度[η]0.92のポリトリメチレンテレフタレートを紡糸温度265℃、紡糸速度1200m/分で未延伸糸を得、次いで、ホットロール温度60℃、ホットプレート温度140℃、延伸倍率3倍、延伸速度800m/分で延撚して、56dtex/24fの延伸糸を得た。延伸糸の強伸度、弾性率並びに10%伸長時の弾性回復率は、各々3.3cN/dtex、46%、20cN/dtex並びに98%であった。尚、10%伸長時の弾性回復率は以下の方法で求めた。
繊維をチャック間距離10cmで引っ張り試験機に取り付け、伸長率10%まで引っ張り速度20cm/minで伸長し1分間放置した。その後、再び同じ速度で収縮させ、応力−歪み曲線を描く。収縮中、応力がゼロになった時の伸度を残留伸度(A)とする。弾性回復率は以下の式に従って求めた。
10%伸長時の弾性回復率=(10−A)/10×100(%)
又、固有粘度[η](dl/g)は、次式の定義に基づいて求められる値である。
[η]=lim(ηr−1)/C
C→0
定義中のηrは純度98%以上のo−クロロフェノール溶媒で溶解したポリマーの稀釈溶液の35℃での粘度を、同一温度で測定した上記溶媒の粘度で除した値であり、相対粘度と定義されているものである。Cはg/100mlで表されるポリマー濃度である。
【0061】
このポリトリメチレンテレフタレート糸と311dtexのポリエーテル系ポリウレタン繊維(旭化成(株)製、商品名:ロイカSC)を用いて、通常の編成条件にて6コースサテンネット編地(コース密度171ループ数/2.54cm、ウエル密度41ループ数/2.54cm)を作製した(ポリウレタン繊維の混率は21wt%)。
この混用編地を拡布状で90℃で精練リラックスしたのち175℃でプレセットを行い、実施例1において、分散染料を用いた染色において染色温度を110℃に変更する他は全く実施例1と同様に染色加工を施し仕上げた。
得られた染色品の摩擦堅牢度、汗アルカリ堅牢度、ドライクリーニング液汚染、目むきを評価した。その結果を表4に示す。
【0062】
【比較例5】
実施例4において、アルカリ還元溶液に建染染料を用いずに、還元剤とアルカリ剤のみで処理する他は全く実施例4と同様に染色加工を施し仕上げた。その結果を表4に示す。
表4の結果より、本発明の染色方法による染色物は深色性が高く、目むきがなく、乾摩擦堅牢度、汗アルカリ堅牢度とも4級以上と良好であり、ドライクリーニング液汚染の少ない(3級以上)商品価値の高いものが得られていることが明らかである。
これに対して、比較例5による染色物は堅牢度性能は良好なものの深色性が低く、ポリエーテル系ポリウレタン繊維が赤味をおびて目むきがあり商品価値の低いものである。
【0063】
【表4】
Figure 2004027405
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、今までは得られなかった黒色での深色性が高く、目むきがなく、乾摩擦、汗アルカリ堅牢度に優れ、しかもドライクリーニング液汚染の極めて少ない分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維との混用染色物が得られる。

Claims (3)

  1. 分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維からなる混用染色品であって、分散染料可染型繊維が染色温度が120℃であって、pHが5のときの染着率に対するpHが11のときの染着率の割合が20%から80%で、ジエステル基、チアゾール、チオフェン、ベンゾジフラノン環を含まないベンゼンアゾ系の分散染料で染着されたものであり、ポリウレタン繊維が建染染料で染着されたものであることを特徴とする分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維との混用染色品。
  2. 分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維からなる混用染色品であって、JIS−L−0849法における乾摩擦堅牢度が3級以上であって、JIS−L−0848、A法における汗アルカリ堅牢度が3級以上であることを特徴とする請求項1記載の分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維との混用染色品。
  3. 分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維からなる混用染色品であって、その表面色の分光測色L値が17を越えない染色濃度であることを特徴とする請求項1または2記載の分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維との混用染色品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104262570A (zh) * 2014-09-16 2015-01-07 中国科学技术大学 一种黑色水性聚氨酯染料的制备方法

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