JP3948942B2 - ポリトリメチレンテレフタレート繊維の染色方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリトリメチレンテレフタレート繊維を染色するに際し、特定の染料を用いることにより青色色相で鮮明性に優れ、且つ染色再現性に優れたポリトリメチレンテレフタレート繊維を得るための染色方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリトリメチレンテレフタレート(以下「PTT」という)繊維は、低弾性率から由来するソフトな風合い、優れた弾性回復率を有するといったナイロン繊維に類似した性質と、ウォッシュアンドウエアー性、寸法安定性、耐黄変性といったポリエチレンテレフタレート(以下「PET」という)繊維に類似した性質を併せ持つ画期的な繊維であり、その特長を活かして、衣料(スポーツ、アウター、インナー)や資材(カーペット、カーシート、椅子張り)等への応用が進められている。
しかしながら、PTT繊維は、特定のアンソラキノン系分散染料の青色染料で染色した場合、従来のポリエステル系繊維を染色したものと比べると鮮明性が劣り、黄色くくすんだ色相のものしか得られない。又、工業的生産に於いては染色再現性が悪いと言う問題のあることが判った。特開2001−214383号公報には、この問題に対して、染色前の熱水処理あるいは助剤の変更等により、このくすんだ色相を改善する方法が開示されている。
【0003】
くすみが起こる特定のアンソラキノン系分散染料の青色染料は、基本的なポリエステル系繊維の淡色染色用の分散染料に含まれていることが多く、染料メーカー各社から市販されている。また、工業的にも淡色用の分散染色レサイプの青色として組み込まれていることが多い。そのため、くすみが起こらないようにするためにアゾ系の分散染料を代わりの染料として淡色用に用いると、鮮明な色相が得られない、他の色の染料との染め足が異なる、などの問題が生じていた。
そこで、実用的にPTT繊維を鮮明な青色あるいは青を配合した配合色に染色しようとした場合に、特定のアンソラキノン系分散染料を含む青色染料を使用してPET繊維を染色した時と同じ発色を示すことで、単なる染料の置き換えでくすみの改善可能な染色方法が必要とされていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、青色染料で鮮明性に優れ、且つ染色再現性に優れたPTT繊維を得るための染色方法を提供することにある。
【0005】
【発明を解決するための手段】
本発明者らは、PTT繊維の鮮明性不良、再現性不良に対して染料からの改善に着目して検討した結果、PTT繊維にくすみをもたらすことのない青色分散染料群の中でも特定の染料を、特定の割合で配合した染料を用いて、ある範囲の温度域において染色することにより、PTT繊維にくすみをもたらす特定のアンソラキノン系分散染料の青色染料でPET繊維を染色したときと同じ発色を示すことを明らかにし、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明は、PTT繊維を染色するに際し、下記染料(A)および(B)の配合比率(A)/(B)が30〜40%/60〜70%で構成された青色分散染料を用いて染色することを特徴とするPTT繊維の染色方法、並びに、該方法を用いて染色する際に染色温度90℃〜135℃で染色することを特徴とするPTT繊維の染色方法、である。
(A)C.I. Disperse Blue 60
(B)C.I. Disperse Blue 183
【0007】
以下、本発明について詳述する。
本発明において、まずPTT繊維をくすみなく染色する染料の選択が重要となる。PTT繊維は特定のアンソラキノン系の青色分散染料で染色すると鮮明性が低下してくすんだ色相になり、染色時の温度と時間によっても鮮明性度合いが異なる。そのため、PTT繊維でくすみが見られる染料を用いてPET繊維を染色した時の本来の発色と、PTT繊維を染色した時の色相が同じになるような染料を考えたときに、選択される染料として、PTT繊維を染色した時にくすまない染料であり、かつ鮮明色を維持するためにアンソラキノン系の染料であることが重要であった。その一つとして検討した結果見出したのが、C.I.Disperse Blue 60である。ただし、この染料単品ではビルドアップ性に欠け、同発色となりにくいために、アゾ系の染料の配合を検討した結果、中でも鮮明色を維持する染料としてC.I.Disperse Blue 183を選択し、これらを特定配合することにより、本発明の趣旨を満足する染料を得た。
C.I.Disperse Blue 60染料とC.I.DisperseBlue 183染料の配合比率は、30〜40%/60〜70%、好ましくは33〜38%/62〜67%である。いずれかの染料が増えたり減ったりしてこれ以外の範囲になると、特定のアンソラキノン系分散染料を含む青色染料の本来の色相と同じ色相に合わせることが困難になる。
【0008】
本発明の配合分散染料を用いて染色する方法としては、糸染め、反染め、製品染め等の浸染法、ローラー捺染、転写捺染などの捺染法いずれでも良いが、浸染法が好ましく、染色装置も特に限定されず、液流染色機等を用いることができる。
また、条件としては染色濃度に応じて完全吸尽する条件が好ましく、染色温度は90℃〜135℃であれば良い。好ましくは105℃〜130℃、より好ましくは110℃〜130℃である。染色時間は15分〜60分の範囲であれば良い。90℃未満では染料の吸尽が不十分となるため好ましくなく、135℃を超えても、吸尽性がほとんど135℃のものと大差なく、また繊維の物性低下を招く恐れがあるため好ましくない。
【0009】
本発明で言うC.I.Disperse Blue 60染料とは、COLOUR INDEX(The Society of Dyers and Colourists、American Association of Textile and Chemists and Colorists)に記載された染料であり、この染料と分散剤等からなるものであり、市販されている染料としては、Kayacelon Turquoise E−GL、Kayalon Polyester Turquoise Blue GL−S(商標;日本化薬社製)、Kiwalon Polyester Turquoise Blue BG(商標;紀和化学工業社製)、MCP Brilliant Blue HP−G(商標;林化学社製)、Serilene BrilliantBlue 2GN(商標;ヨークシャージャパン社製)、SumikaronTurquoise Blue S−GL、S−GLF(商標;住友化学社製)、Terasil Blue BGE、X−BGE(商標;チバスペシャルティケミカルズ社製)等が挙げられる。
【0010】
また同様に、本発明で言うC.I.Disperse Blue 183染料として市販されている染料としては、Foron Blue SE−2R(商標;クラリアントジャパン社製)、Kayacelon Blue E−BR、Kayalon Polyester Blue BR−SF(商標;日本化薬社製)、Kiwalon Polyester Blue BRF(商標;紀和化学工業社製)、Serilene Blue 2RLS(商標;ヨークシャージャパン社製)、Sumikaron Blue SE−2RF(商標;住友化学社製)等が挙げられる。
【0011】
また、これら染料に加えて、染料の低温での分散安定性および高温での分散安定性を良好に、また水への溶解性を良好にするためにリグニン系の分散剤およびタモール系の分散剤を混合して調整することが好ましい。
淡色用として併使用される青色分散染料は、アンソラキノン系のC.I.Disperse Blue 56染料を主体とする染料が多く用いられているが、この種の染料は、PTT繊維にくすみをもたらす。市販されているC.I.Disperse Blue 56染料を主体とする染料として、Dianix Blue AC−E(商標;ダイスタージャパン社製)、Sumikaron Polyester Blue E−RPD(商標;住友化学社製)、Kayalon Polyester Blue AQ−LE(商標;日本化薬社製)等が挙げられる。また、C.I.Disperse Blue 56染料としては、Kayalon Polyester Blue EBL−E(商標;日本化薬社製)、Foron Blue E−BL(商標;クラリアントジャパン社製)、Sumikaron Blue E−FBL(商標;住友化学社製)、Terasil Blue 3RL(商標;チバスペシャルティケミカルズ社製)、Chemlon PEBlue EB(商標;千々木染料社製)、Intrasil Blue 3RL−N(商標;Crompton&Knowles社製)、Kiwalon Polyester Blue FBL(商標;紀和化学社製)、Serilene Blue RL(商標;ヨークシャージャパン社製)等が挙げられる。さらに、C.I.Disperse Blue 158染料もPTT繊維にくすみをもたらす染料であり、市販されているものとしてはKayalon Polyester Blue T−S(商標;日本化薬社製)等が挙げられる。
【0012】
本発明に従って、特定の染料を特定の比率で配合した染料を使用して染色することにより、PET繊維を染色した時の本来の発色と同発色にPTT繊維をくすむことなく鮮明に染色することが出来、上記青色分散染料の置き換えとして用いることができるのである。
本発明で用いるPTT繊維とは、トリメチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とするポリエステル繊維をいい、トリメチレンテレフタレート単位を約50モル%以上、好ましくは70モル%以上、さらには80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上のものをいう。従って、第三成分として他の酸成分及び/又はグリコール成分の合計量が、約50モル%以下、好ましくは30モル%以下、さらには20モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下の範囲で含有されたPTTを包含する。
【0013】
PTT繊維の好ましい特性としては、強度は2〜5cN/dtex、好ましくは2.5〜4.5cN/dtex、さらには3〜4.5cN/dtexが好ましい。伸度は30〜60%、好ましくは35〜55%、さらには40〜55%が好ましい。弾性率は30cN/dtex以下、好ましくは10〜30cN/dtex、さらには12〜28cN/dtex、特に15〜25cN/dtexが好ましい。10%伸長時の弾性回復率は70%以上、好ましくは80%以上、さらには90%以上、最も好ましくは95%以上である。
PTTは、テレフタル酸又は例えばテレフタル酸ジメチルなどのその機能的誘導体と、トリメチレングリコール又はその機能的誘導体とを、触媒の存在下で、適当な反応条件下に重縮合せしめることにより製造される。この製造過程において、適当な一種又は二種以上の第三成分を添加して共重合ポリエステルとしてもよいし、又、PET、ポリブチレンテレフタレート等のPTT以外のポリエステル、ナイロンとPTTとを別個に合成した後、ブレンドしたり、複合紡糸(鞘芯、サイドバイサイド等)してもよい。
【0014】
複合紡糸に関しては、特公昭43−19108号公報、特開平11−189923号公報、特開2000−239927号公報、特開2000−256918号公報等に例示されるような、第一成分がPTTであり、第二成分がPTT、PET、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロンを並列的あるいは偏芯的に配置したサイドバイサイド型又は偏芯シースコア型に複合紡糸したものがあり、特にPTTと共重合PTTの組み合わせや、極限粘度の異なる二種類のPTTの組み合わせが好ましく、特に、特開2000−239927号公報に例示されるような極限粘度の異なる二種類のPTTを用い、低粘度側が高粘度側を包み込むように接合面形状が湾曲しているサイドバイサイド型に複合紡糸したものが、高度のストレッチ性と嵩高性を兼備するものであり特に好ましい。
【0015】
添加することができる第三成分としては、脂肪族ジカルボン酸(シュウ酸、アジピン酸等)、脂環族ジカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(イソフタル酸、ソジウムスルホイソフタル酸等)、脂肪族グリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、テトラメチレングリコール等)、脂環族グリコール(シクロヘキサンジメタノール等)、芳香族を含む脂肪族グリコール(1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等)、ポリエーテルグリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、脂肪族オキシカルボン酸(ω−オキシカプロン酸等)、芳香族オキシカルボン酸(P−オキシ安息香酸等)等が挙げられる。又、1個又は3個以上のエステル形成性官能基を有する化合物(安息香酸等又はグリセリン等)も重合体が実質的に線状である範囲内で使用出来る。
【0016】
さらにPTT繊維には、二酸化チタン等の艶消剤、リン酸等の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、タルク等の結晶化核剤、アエロジル等の易滑剤、ヒンダードフェノール誘導体等の抗酸化剤、難燃剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤等の改質剤が添加により含有されていてもよい。
本発明においてPTT繊維の紡糸については、1500m/分程度の巻取り速度で未延伸糸を得た後、2〜3.5倍程度で延撚する方法、紡糸−延撚工程を直結した直延法(スピンドロー法)、巻取り速度5000m/分以上の高速紡糸法(スピンテイクアップ法)の何れを採用しても良い。
【0017】
溶融紡糸において、2000m/分、好ましくは2500〜4000m/分の巻取り速度で引取って得られる部分配向未延伸糸を用いることもできる。この場合には、仮撚加工は当然のことながら延伸仮撚法が適用される。
又、繊維の形態は、長繊維、短繊維のいずれでも良く、長さ方向に均一なものや太細のあるものでもよく、断面形状においても丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、扁平、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよい。
又、繊維の形態は、糸条、糸条の集合体であるチーズ状、織物、編物、不織布等が挙げられ、他の繊維と混用されていても良い。
【0018】
糸条の形態としては、原糸、仮撚糸(POYの延伸仮撚糸を含む)、先撚仮撚糸(例えば、S又はZ方向に600〜1000T/m先撚し、Z又はS方向に3000〜4000T/m仮撚したもの)、空気噴射加工糸、リング紡績糸、オープンエンド紡績糸等の紡績糸、マルチフィラメント原糸(極細糸を含む)、混繊糸等が挙げられる。
又、混用する繊維としては、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリビニル系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリウレタン系等の弾性繊維(酸化マグネシウム、酸化亜鉛に代表される金属酸化物、金属水酸化物等の塩素水劣化防止剤を添加したものを含む)等の合成繊維や、綿、麻、ウール、絹等の天然繊維やキュプラ、レーヨン、ポリノジック等のセルロース系繊維やアセテート系繊維が挙げられる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。なお、実施例における評価は以下の方法により測定した。
(1)固有粘度[η]
固有粘度[η](dl/g)は、次式の定義に基づいて求められる値である。
[η]=lim(ηr−1)/C
C→0
定義中のηrは純度98%以上のo−クロロフェノール溶媒で溶解したポリマーの稀釈溶液の35℃での粘度を、同一温度で測定した上記溶媒の粘度で除した値であり、相対粘度と定義されているものである。Cはg/100mlで表されるポリマー濃度である。
なお、サイドバイサイド型複合マルチフィラメントは、紡糸したマルチフィラメントを構成する繊維のそれぞれの固有粘度を測定することは困難であるので、複合マルチフィラメントの紡糸条件と同じ条件で2種類の繊維をそれぞれ単独で紡糸し、得られた糸を用いて測定した固有粘度を、複合マルチフィラメントを構成する繊維の固有粘度とした。
【0020】
(2)弾性回復率の評価
繊維をチャック間距離20cmで引張試験機に取り付け、伸長率10%まで引張速度20cm/分で伸長し1分間放置した。その後、再び同じ速度で収縮させ、応力−歪み曲線を描く。収縮中、応力がゼロになった時の伸度を残留伸度(A)とする。弾性回復率は以下の式に従って求めた。
10%伸長時の弾性回復率(%)=〔(10−A)/10〕×100
【0021】
(3)Δb値の測定(JIS−Z−8729)
サカタインクス株式会社製の分光測色計MacbethCE−3000(商標)にて、測色条件を視野2°、光源C、鏡面光沢含む、UV光含む、にして測色した色差式CIE1976(Lab)のbの値を測定する。ここでb値は、染色物の鮮明性の一指標であり、b値が高いほど黄味が強く青色成分の鮮明性に欠ける事を意味する。PET繊維の染色加工後のb値およびPTT繊維の染色加工後のb値を測定し、その差をΔb値とした。PET繊維は実施するPTT繊維と同条件で染色を行った試料を用いた。Δb値が小さいほどPET繊維との発色差がほとんどなく、PTT繊維がくすみなく染色されていることを表す。
【0022】
【実施例1】
固有粘度[η]=0.92のポリトリメチレンテレフタレートを紡糸温度265℃、紡糸速度1200m/分で紡糸して未延伸糸を得、次いで、ホットロール温度60℃、ホットプレート温度140℃、延伸倍率3倍、延伸速度800m/分で延撚して、56dtex/24fの延伸糸を得た。延伸糸の強伸度、弾性率並びに10%伸長時の弾性回復率は、各々3.3cN/dtex、46%、20cN/dtex並びに98%であった。
得られた56dtex/24fのPTT繊維のマルチフィラメント糸条を使用して、28GGのスムース生機を製編した。得られた生機をスコアロールFC−250(商標;花王社製)2g/リットル、浴比1:20で70℃×20分間精練を行った。次いで、乾燥後ピンテンター型の乾熱処理機を用いて、160℃×30秒間熱処理を行った。
【0023】
次に、住友化学(株)社製のSumikaron Turquoise Blue S−GLF(商標:C.I.Disperse Blue 60)および住友化学(株)社製のSumikaron Blue E−FBL(商標:C.I.Disperse Blue 183)の配合比率を35.2%/64.8%として、全体の47.5%がリグニン系およびタモール系の分散剤となるように青色分散染料を調整した。この青色染料を0.05%omf用いて、日華化学(株)社製のニッカサンソルト7000(商標:アニオン系界面活性剤)1g/リットル、酢酸0.5g/リットル、浴比1:30で40℃から120℃迄40分かけて昇温して、120℃で30分間染色を行った。染色後80℃迄冷却を行い排液後オーバーフローにて10分間水洗を行った。その後脱水乾燥を行いピンテンターにより160℃で30秒の仕上げセットを行った。
得られた編物を用いてΔb値を測定した結果、Δb値は0.1を示しPET繊維とほぼ同様な鮮明性に優れた青色に染色されていた。
【0024】
【比較例1】
実施例1において、住友化学(株)社製のSumikaron Blue E−RPD(商標)を用いる以外はすべて実施例1と同様にして染色を行った。得られた編物を用いてΔb値を測定した結果、Δb値は13と高く、PTT繊維のほうが黄みを帯びた鮮明性に欠ける青色に染色されていた。
【0025】
【実施例2】
実施例1と同様にして84dtex/36fの延伸糸を得た。延伸糸の強伸度、弾性率並びに10%伸長時の弾性回復率は、各々2.9cN/dtex、45%、24.5cN/dtex並びに94%であった。
得られた延伸糸をピンタイプ仮撚機を用いて仮撚数3400T/m(仮撚係数31162)で仮撚してノンセットタイプの仮撚加工糸を得、実施例1と同様にスムース生機を製編した。
染料として、実施例1で使用した青色染料を0.05%omf、ダイスタージャパン(株)社製のDianix Yellow AC−E(商標)0.03%omf、Dianix Red AC−E(商標)0.03%omfを用いる以外は実施例1と同様に染色加工を行った。
得られた編物を用いてΔb値を測定した結果、Δb値は0.3を示しPET繊維とほぼ同様な鮮明性に優れた配合色に染色されていた。
【0026】
【比較例2】
実施例2において、使用した青色染料の代わりにダイスタージャパン(株)社製のDianix Blue AC−E(商標)を用いる以外はすべて実施例2と同様にして染色を行った。
得られた編物を用いてΔb値を測定した結果、Δb値は10と高く、PTT繊維のほうが黄みを帯びた鮮明性に欠ける配合色に染色されていた。
【0027】
【実施例3】
実施例1において、56dtex/24fのPTT繊維を、固有粘度の異なる2種類のPTTを比率1:1でサイドバイサイド型に押出し、紡糸温度265℃、紡糸速度1500m/分で未延伸糸を得、次いでホットロール温度55℃、ホットプレート温度140℃、延伸速度400m/分、延伸倍率は延伸後の繊度が56dtexとなるように設定して延撚して得た56dtex/12fのサイドバイサイド型複合マルチフィラメントに置き換える以外は実施例1と同様にして染色を行った。得られた複合マルチフィラメントの固有粘度は高粘度側が[η]=0.90、低粘度側が[η]=0.70であった。
得られた編物を用いてΔb値を測定した結果、Δb値は0.3を示し鮮明性に優れた青色に染色されていた。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、青色色相で鮮明性に優れ、且つ染色再現性に優れたPTT繊維の染色物が得られる。
Claims (2)
- ポリトリメチレンテレフタレート繊維を染色するに際し、下記染料(A)および(B)の配合比率(A)/(B)が30〜40%/60〜70%で構成された青色分散染料を用いて染色することを特徴とするポリトリメチレンテレフタレート繊維の染色方法。
(A)C.I. Disperse Blue 60
(B)C.I. Disperse Blue 183 - 染色温度90℃〜135℃で染色することを特徴とする請求項1記載のポリトリメチレンテレフタレート繊維の染色方法。
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