JP2002339267A - ポリトリメチレンテレフタレート系繊維の染色方法 - Google Patents

ポリトリメチレンテレフタレート系繊維の染色方法

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JP2002339267A
JP2002339267A JP2001152717A JP2001152717A JP2002339267A JP 2002339267 A JP2002339267 A JP 2002339267A JP 2001152717 A JP2001152717 A JP 2001152717A JP 2001152717 A JP2001152717 A JP 2001152717A JP 2002339267 A JP2002339267 A JP 2002339267A
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sumikaron
dyeing
polytrimethylene terephthalate
rpd
dyed
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Hiroko Nakatani
裕子 中谷
Kazuto Oue
一人 大植
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高発色性を有し、かつ、染色堅牢度に優れた
ポリトリメチレンテレフタレート系繊維の常圧吸尽染色
方法を提供する。 【解決手段】 ポリトリメチレンテレフタレート系繊維
を染色するに際し、 Sumikaron Yello
w SE−4G、Sumikaron Orange
SE−RPD(いずれも商品名、住友化学工業(株)社
製)、Dianix Orange UN−SE(商品
名、ダイスタージャパン(株)社製)等、特定の分散染
料を用いて常圧下で吸尽染色することを特徴とするポリ
トリメチレンテレフタレート系繊維の染色方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリトリメチレン
テレフタレート系繊維を分散染料を用いて染色する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維を染色するに際して、多くの繊維素
材は100℃以上の熱履歴を受けると劣化するといった
問題があり、特に熱劣化の比較的大きいウールやスパン
デックスと複合する相手素材には、100℃以下で染色
可能なものが選ばれることが多い。例えば、インナー分
野ではナイロン繊維が100℃以下で染色可能であるこ
とから、スパンデックスの交編相手として選ばれる。し
かし、ナイロン繊維は熱や紫外線によって黄変しやすい
傾向を有しており、染色により黄ばみを生じる現象がし
ばしばみられることから、問題とされてきた。また、ナ
イロンがよく使用されるタイツ分野等では濃色が必要と
され、染色には常圧染色機が用いられる場合が多い。
【0003】一方、ナイロン繊維よりも黄変しにくいポ
リエステル系繊維を、ウールやスパンデックスの複合相
手素材として用いる場合は、常圧下で染色可能なポリエ
ステル系繊維が望まれる。このため、共重合法等による
易染性のポリエステル系繊維等が開発されているが、こ
のような従来の易染性ポリエステル系繊維でも100℃
以下の染色温度で染色堅牢度に優れた濃色を得ることは
著しく困難であった。
【0004】近年、ポリトリメチレンテレフタレート系
繊維の研究が進んできている。ポリトリメチレンテレフ
タレート系繊維は、低弾性率に由来するソフトな風合い
及び優れた弾性回復率といったナイロン繊維に類似した
性質と、ウォッシュアンドウエアー性、寸法安定性、耐
黄変性といったポリエチレンテレフタレート系繊維に類
似した性質を併せ持ち、かつ、ポリエチレンテレフタレ
ート繊維よりも低温染色が可能な画期的な繊維である。
そこで、その特長を活かして、ポリトリメチレンテレフ
タレート系繊維を衣料、資材分野等へ応用する試みがな
されている。
【0005】しかし、この繊維は低温で染色可能ではあ
るものの、濃色に染色するには120℃以上の染色温度
が必要であり、常圧染色が可能とはいい難く、たとえ1
20℃以下の染色温度で目的とする発色が得られたとし
ても、染色堅牢度が不充分であるという問題があった。
【0006】特表平9−509225号公報には、ポリ
トリメチレンテレフタレート繊維を常圧で染色する方法
が開示されており、この中で染料としてC.I.Dis
perse Blue 139やC.I.Disper
se Red 60を用いる方法が開示されている。
C.I.Disperse Red 60のような拡散
係数の比較的大きな染料(比較的分子量の小さな染料)
を用いると、濃色に染色される傾向にあるが、反面、染
色堅牢度が著しく不良となる。染色堅牢度を高めるため
に、C.I.Disperse Blue 139のよ
うな拡散係数の比較的小さな染料(比較的分子量の大き
な染料)を用いると、常圧下の100℃以下の染色温度
では濃色の染色できないという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、常圧下、1
00℃以下の染色温度で染色しても、高発色であり、か
つ、高染色堅牢度を有するポリトリメチレンテレフタレ
ート系繊維が得られる吸尽染色方法を提供することを目
的とする。
【0008】
【発明を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するためポリトリメチレンテレフタレート系繊維
の常圧染色方法について鋭意検討した結果、ポリトリメ
チレンテレフタレート系繊維に対して、特定の染料を少
なくとも一種用いて吸尽染色することにより、常圧下で
淡色から濃色までの高発色を付与することができ、か
つ、優れた染色堅牢度を有する染色物が得られることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、ポリトリメチレンテ
レフタレート系繊維を、下記(1)〜(14)から選ば
れた少なくとも一種の分散染料を用いて、常圧下で吸尽
染色することを特徴とするポリトリメチレンテレフタレ
ート系繊維の染色方法である。 (1)Sumikaron Yellow SE−4
G、(2)Sumikaron Orange SE−
RPD、(3)Dianix Orange UN−S
E、(4)Sumikaron Scarlet SE
−3GL、(5)Sumikaron Red SE−
RPD、(6)Sumikaron Rubine S
E−RPD、(7)Foron Rubine SE−
CTL、(8)Sumikaron Turquois
e Blue S−GLF、(9)Kayalon Po
lyester Turquoise TLW、(10)
Sumikaron Blue SE−RPD、(1
1)Sumikaron Navy Blue SE−
RPD 300%、(12)Dianix Navy
Blue UN−SE 200%、(13)Kayal
on Polyester Navy NLW、(1
4)Kayalon Polyester Black
KLW(但し、1、2、4、5、6、8、10及び1
1は商品名、住友化学工業(株)社製;3及び12は商
品名、ダイスタージャパン(株)社製;7は商品名、ク
ラリアントジャパン(株)社製;9、13及び14は商
品名、日本化薬(株)社製)
【0010】以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明に用いられるポリトリメチレンテレフタレート系
繊維は、トリメチレンテレフタレート単位を主たる繰り
返し単位とするポリエステル繊維であって、トリメチレ
ンテレフタレート単位を50モル%以上、好ましくは7
0モル%以上、より好ましくは80モル%以上、最も好
ましくは90モル%以上含むものである。したがって、
第三成分として他の酸成分及び/又はグリコール成分の
合計量が、50モル%以下、好ましくは30モル%以
下、より好ましくは20モル%以下、最も好ましくは1
0モル%以下含有されたポリトリメチレンテレフタレー
ト系繊維を包含する。
【0011】ポリトリメチレンテレフタレートは、テレ
フタル酸又はその機能的誘導体と、トリメチレングリコ
ール又はその機能的誘導体とを、触媒の存在下で、適当
な反応条件下に結合せしめることにより合成される。こ
の合成過程において、適当な一種、又は二種以上の第三
成分を添加して共重合ポリエステルとしてもよいし、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト等のポリトリメチレンテレフタレート以外のポリエス
テルあるいはナイロンと、ポリトリメチレンテレフタレ
ートを別個に合成した後、ブレンドしたり、複合紡糸
(鞘芯、サイドバイサイド等)してもよい。
【0012】複合紡糸に関しては、特公昭43−191
08号公報、特開平11−189923号公報、特開2
000−239927号公報、特開2000−2569
18号公報等に例示されているように、第一成分にポリ
トリメチレンテレフタレート、第二成分にポリトリメチ
レンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート等のポリエステルあるいはナ
イロンを並列に配置したサイドバイサイド型又は偏芯的
に配置した偏芯シースコア型に複合紡糸したものであっ
てもよい。
【0013】添加する第三成分としては、脂肪族ジカル
ボン酸(シュウ酸、アジピン酸等)、脂環族ジカルボン
酸(シクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボ
ン酸(イソフタル酸、ソジウムスルホイソフタル酸
等)、脂肪族グリコール(エチレングリコール、1,2
−プロピレングリコール、テトラメチレングリコール
等)、脂環族グリコール(シクロヘキサンジメタノール
等)、芳香族を含む脂肪族グリコール(1,4−ビス
(β―ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等)、ポリエーテ
ルグリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール等)、脂肪族オキシカルボン酸(ω―オキ
シカプロン酸等)、芳香族オキシカルボン酸(P−オキ
シ安息香酸等)等がある。又、1個又は3個以上のエス
テル形成性官能基を有する化合物(安息香酸等又はグリ
セリン等)も重合体が実質的に線状である範囲内で使用
することが可能である。
【0014】さらに繊維に、二酸化チタン等の艶消剤、
リン酸等の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等
の紫外線吸収剤、タルク等の結晶化核剤、アエロジル等
の易滑剤、ヒンダードフェノール誘導体等の抗酸化剤、
難燃剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消
泡剤等が含有されていてもよい。
【0015】本発明に用いられるポリトリメチレンテレ
フタレート系繊維の製造方法としては、例えば、特願2
000−522304号等に記載されているように、ポ
リトリメチレンテレフタレートを通常の溶融紡糸法によ
り紡糸し、例えば、1500m/分程度の巻取り速度で
未延伸糸を得た後、2〜3.5倍程度で延撚する方法、
紡糸−延伸工程を直結したスピンドロー法、巻取り速度
5000m/分以上の高速紡糸法(スピンテイクアップ
法)等の何れの方法を採用してもよい。繊維の形態は、
長繊維でも短繊維でもよく、長さ方向に均一なものや太
細のあるものでもよい。断面の形状は、丸型、三角、L
型、T型、Y型、W型、八葉型、偏平、ドッグボーン型
等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよ
い。
【0016】糸条の形態は、リング紡績糸、オープンエ
ンド紡績糸等の紡績糸、単糸デニールが0.1〜6デシ
テックス程度のマルチフィラメント、甘撚から強撚にい
たる各種の撚糸、混繊糸、仮撚糸(POYの延伸仮撚糸
を含む)、空気噴射加工等による嵩高加工糸であっても
よく、ポリトリメチレンテレフタレート繊維どうしや他
の繊維糸条との同時仮撚、位相差仮撚、伸度差仮撚等、
公知の複合仮撚手段によって得られる複合仮撚糸、本発
明の仮撚糸どうしや、本発明の仮撚糸と、各種の未加工
糸又は加工糸とインターレース交絡したり、空気噴射加
工したり、さらには交撚等の手段との組み合わせにより
得られた複合仮撚糸であってもよい。
【0017】ポリトリメチレンテレフタレート繊維の染
色に際して、通常、繊維全体の質量中、80質量%以下
の範囲内で、ウール等の天然繊維、綿、レーヨン等のセ
ルロース系繊維、ポリエステル、ポリアミド、ポリアク
リルニトリル、スパンデックス等の合成繊維等の繊維と
ポリトリメチレンテレフタレート繊維とが混用されてい
てもよく、特に、ウールやスパンデックスとの混用品が
好適である。本発明の繊維構造物としては、糸条、糸条
の集合体であるチーズ、コーン、綛、織物、編物、不織
布等、及びこれらの複合体がある。
【0018】本発明に用いられる分散染料は、主に化学
構造の異なる染料が複数混合されている配合染料であ
り、具体的には、(1)Sumikaron Yell
owSE−4G、(2)Sumikaron Oran
ge SE−RPD、(3)Dianix Orang
e UN−SE、(4)Sumikaron Scar
let SE−3GL、(5)Sumikaron R
ed SE−RPD、(6)Sumikaron Ru
bine SE−RPD、(7)ForonRubin
e SE−CTL、(8)Sumikaron Tur
quoiseBlue S−GLF、(9)Kayal
on Polyester Turquoise TL
W、(10)Sumikaron Blue SE−R
PD、(11)Sumikaron Navy Blu
e SE−RPD 300%、(12)Dianix
Navy Blue UN−SE 200%、(13)
Kayalon Polyester Navy NL
W、(14)KayalonPolyester Bl
ack KLW(但し、1、2、4、5、6、8、10
及び11は商品名、住友化学工業(株)社製;3及び1
2は商品名、ダイスタージャパン(株)社製;7は商品
名、クラリアントジャパン(株)社製;9、13及び1
4は商品名、日本化薬(株)社製)である。
【0019】これらの染料を少なくとも一種用いて染色
することにより、常圧下で染色を行っても淡色から濃色
まで発色性及び染色堅牢度が優れたポリトリメチレンテ
レフタレート系繊維の染色物を得ることができる。必要
に応じて、本発明の染料と、本発明の染料以外の染料と
を併用してもよいが、本発明の染料以外の染料の割合
は、染料全体の質量中、好ましくは20質量%以下、よ
り好ましくは15質量%以下の範囲である。
【0020】かかる染料を用いて染色を行う前に、一般
的に行われる精練や熱セット処理を必要に応じて組み入
れてもよい。熱セット処理を行うと、ポリトリメチレン
テレフタレート系繊維の非晶部分の配向が緩和され、自
由体積が増大する結果、染料が繊維中に入りやすい状態
となって、熱セット処理前の状態よりも格段に染色性が
向上される。熱セット条件は特に限定されないが、ピン
テンター等を用いて150〜180℃で10〜90秒間
の乾熱処理を行うのが好ましい。
【0021】本発明の分散染料を用いて水性浴中で吸尽
染色を行う場合、染浴温度を40℃程度から1℃/分乃
至2℃/分程度の割合で、常圧下100℃以下、好まし
くは90℃〜100℃、より好ましくは95℃〜100
℃の範囲まで昇温する。この温度下での染色時間は、染
料の使用濃度によっても異なるが、完全吸尽に近づける
ためには、通常、30分〜90分、好ましくは45分〜
80分である。染色後は、染色堅牢度を向上させるため
の還元洗浄を行うことが好ましい。還元洗浄条件は、一
般的に従来のポリエステル繊維で行われている条件を採
用することができる。還元剤、アルカリ剤及びハイドロ
サルファイトナトリウムをそれぞれ0.5〜3g/リッ
トル用い、60〜80℃で10〜30分間処理する方法
が好ましい。
【0022】本発明によれば、100℃以下の低い温度
で吸尽染色を行うことが可能であるため、高温での染色
に伴なう強度劣化等が懸念されるウール等の天然素材と
の混用品の染色に特に優れている。また、ポリトリメチ
レンテレフタレート系繊維の仮撚加工糸は、従来のポリ
エチレンテレフタレート繊維と比べて潜在捲縮が大き
く、湿熱処理温度が高いほど捲縮が大きく発現する。そ
のため、ポリトリメチレンテレフタレート系繊維の仮撚
加工糸からなる生機を高温で吸尽染色すると捲縮が比較
的大きく発現し、表面の平坦性が劣る織編物になる。そ
れに対し、本発明によれば100℃以下の低い温度で吸
尽染色できるために、適度な捲縮が発現し、表面平坦性
の優れた織編物が容易に得られるという効果がある。こ
の効果は、ポリトリメチレンテレフタレート系繊維とし
て、サイドバイサイド型の潜在捲縮性複合繊維を用いた
場合に、特に顕著に発現する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を具体
的に説明する。本発明に用いる評価方法は以下の通りで
ある。 (1)ηsp/cの測定 ηsp/cは、ポリマーを90℃でo−クロロフェノールに
1g/デシリットルの濃度で溶解し、その後、得られた
溶液をオストワルド粘度管に移し、35℃で測定して下
記式により算出する。 ηsp/c=(T/T0−1)/C T:試料溶液の落下時間(秒) T0:溶剤の落下時間(秒) C:溶液濃度(g/デシリットル)
【0024】(2)発色性Mの測定 常圧可染性の一つの目安として、発色性Mを求める。常
圧下で染色した試料と120℃で染色した試料を分光測
色計(MacbethCE−3000(商品名)、サカ
タインクス(株)社製)を用いて、「視野2°」、「光
源C」、「鏡面光沢含む」、「UV光含む」の条件で測
色し、次式から算出する。 K/S値=(1−R)2/2R 式中、Rは最大吸収波長での反射率である。 発色性M=[(K/S)L/(K/S)120]×100 式中、(K/S)L及び(K/S)120は、それぞれ常圧
下及び120℃で染色した染色物のK/S値である。
【0025】(3)染色堅牢度の測定 洗濯堅牢度はJIS−L0844 A−2法、貯蔵中の
昇華堅牢度はJIS−L0854に準じて測定を行い、
洗濯堅牢度はナイロン添付布への汚染度合い、貯蔵中の
昇華堅牢度はポリエステル添付布への汚染度合いを級判
定評価した。
【0026】
【実施例1】ηsp/c=0.8のポリトリメチレンテレフ
タレートのセミダルチップを紡糸温度265℃、紡糸速
度1200m/分で紡糸して未延伸糸を得、次いで、ホ
ットロール温度60℃、ホットプレート温度140℃、
延伸倍率3倍、延伸速度800m/分で延撚して、84
dtex/36fの延伸糸を得た。上記の方法で得られ
た84dtex/36fのポリトリメチレンテレフタレ
ート繊維糸条をピンタイプ仮撚機を用いて仮撚数340
0T/m(仮撚係数31162)で仮撚してノンセット
タイプの仮撚加工糸を得た。
【0027】得られた84dtex/36fのポリトリ
メチレンテレフタレート繊維の仮撚加工糸を用い、28
GGのスムース生機を製編した。この生機をウィンス染
色機を用いて、スコアロールFC−250(商品名、花
王(株)製)2g/リットル、浴比1:20で70℃で
20分間精練を行った。次いで、乾燥後ピンテンター型
の乾熱処理機を用いて、160℃で30秒間熱処理を行
った。
【0028】得られた編地を、Sumikaron O
range SE−RPD(商品名、住友化学工業
(株)社製)4%omf、ニッカサンソルト7000
(商品名、日華化学(株)社製)1g/リットル、酢酸
0.5g/リットル、浴比1:30の染色浴に入れ、
40℃から1℃/分の割合で昇温し、95℃で60分間
染色を行った。次に、80℃で20分間還元洗浄を行
い、水洗・脱水を行った。その後、乾燥を行いピンテン
ターにより150℃で30秒の仕上げセットを行った。
得られた染色物は、120℃で染色した編地とほぼ同様
なオレンジ色に染色されており、発色性Mが95%と高
く、洗濯堅牢度4〜5級、昇華堅牢度4〜5級であり、
高い堅牢度を示した。
【0029】
【実施例2】実施例1において、染料をForon R
ubine SE−CTL(商品名、クラリアントジャ
パン(株)社製)2%omfに替えた以外は実施例1と
同様にして染色を行った。得られた染色物は、120℃
染色した編地とほぼ同様なルビン色に染色されており、
発色性Mが96%と高く発色性に優れ、洗濯堅牢度4〜
5級、昇華堅牢度4〜5級であり、高い堅牢度を示し
た。
【0030】
【実施例3】実施例1において、染料をDianix
Navy Blue UN−SE200%(商品名、ダ
イスタージャパン(株)社製)3%omfに替えた以外
は実施例1と同様にして染色を行った。得られた染色物
は、120℃染色した編地とほぼ同様なネイビー色に染
色されており、発色性Mが90%と高く発色性に優れ、
洗濯堅牢度4〜5級、昇華堅牢度4級であり、高い堅牢
度を示した。
【0031】
【比較例1】実施例1において、染料をKayalon
Polyester Yellow Brown Y
LW(商品名、日本化薬(株)社製)2%omfに替え
た以外は実施例1と同様にして染色を行った。得られた
染色物の染色堅牢度は4−5級と高かったが、発色性M
が75%と低く、120℃で染色した編地と比べて発色
差が大きく、常圧可染とは言い難い水準であった。
【0032】
【比較例2】実施例1において、染料をForon S
carlet SE−CTL(商品名、クラリアントジ
ャパン(株)社製)3%omfに替えた以外は実施例1
と同様にして染色を行った。得られた染色物は、120
℃染色した編地とほぼ同様なスカーレット色に染色され
ており、発色性Mが98%と高い値を示したが、昇華堅
牢度が2級と非常に劣っていた。
【0033】
【比較例3】実施例1において、染料をSumikar
on MF Blue B(商品名、住友化学工業(株)
社製)4%omfに替えた以外は実施例1と同様にして
染色を行った。得られた染色物の染色堅牢度は4〜5級
であったが、発色性Mが73%と低く、120℃で染色
した編地と比べて発色性が劣っており、常圧可染とは言
い難い水準であった。
【0034】
【比較例4】実施例1において、染料をC.I.Dis
perse Red 60からなる染料、例えばKiwa
lon Polyester Red FBE 200(商
品名、紀和化学工業(株)社製)2%omfに替えた以
外は実施例1と同様にして染色を行った。得られた染色
物は、120℃染色した編地とほぼ同様なピンク系レッ
ド色に染色されており、発色性Mが94%と高い値を示
したが、昇華堅牢度が2〜3級であり、非常に劣ってい
た。
【0035】
【比較例5、6】実施例1において、染料をSumik
aron Brilliant RedS−BWF 2%
omf及びSumikaron Black S−BL
(N) 12%omf(いずれも商品名、住友化学工業
(株)社製)に替えた以外は実施例1と同様にして染色
を行った。得られた染色物の染色堅牢度はほぼ4〜5級
であったが、発色性Mが45%及び60%と低く、12
0℃で染色した編地と比べて発色性が劣っており、常圧
可染とは言い難い水準であった。
【0036】
【実施例4〜14】実施例1において、染料を表1に示
す染料に替えた以外は実施例1と同様にして染色を行っ
た。得られた染色物は、120℃で染色した編地とほぼ
同様に、各色に染色されており、各々、表1に示すよう
に発色性Mが高く発色性に優れ、高い堅牢度を示した。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、常圧下、100℃以下
の染色温度で染色しても、高発色であり、かつ、高染色
堅牢度を有するポリトリメチレンテレフタレート系繊維
が得られる吸尽染色方法を提供することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリトリメチレンテレフタレート系繊維
    を、下記(1)〜(14)から選ばれた少なくとも一種
    の分散染料を用いて、常圧下で吸尽染色することを特徴
    とするポリトリメチレンテレフタレート系繊維の染色方
    法。 (1)Sumikaron Yellow SE−4
    G、(2)Sumikaron Orange SE−
    RPD、(3)Dianix Orange UN−S
    E、(4)Sumikaron Scarlet SE
    −3GL、(5)Sumikaron Red SE−
    RPD、(6)Sumikaron Rubine S
    E−RPD、(7)Foron Rubine SE−
    CTL、(8)Sumikaron Turquois
    e Blue S−GLF、(9)Kayalon Po
    lyester Turquoise TLW、(10)
    Sumikaron Blue SE−RPD、(1
    1)Sumikaron Navy Blue SE−
    RPD 300%、(12)Dianix Navy
    Blue UN−SE 200%、(13)Kayal
    on Polyester Navy NLW、(1
    4)Kayalon Polyester Black
    KLW(但し、1、2、4、5、6、8、10及び1
    1は商品名、住友化学工業(株)社製;3及び12は商
    品名、ダイスタージャパン(株)社製;7は商品名、ク
    ラリアントジャパン(株)社製;9、13及び14は商
    品名、日本化薬(株)社製)
JP2001152717A 2001-05-22 2001-05-22 ポリトリメチレンテレフタレート系繊維の染色方法 Pending JP2002339267A (ja)

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