JP2001140167A - 防汚染性ポリウレタン弾性繊維およびその製法 - Google Patents

防汚染性ポリウレタン弾性繊維およびその製法

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JP2001140167A
JP2001140167A JP31265599A JP31265599A JP2001140167A JP 2001140167 A JP2001140167 A JP 2001140167A JP 31265599 A JP31265599 A JP 31265599A JP 31265599 A JP31265599 A JP 31265599A JP 2001140167 A JP2001140167 A JP 2001140167A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 染色堅牢度、ドライクリーニング液汚染性の
軽減された分散染料可染性繊維混用布帛染色物を製造で
きるポリウレタン弾性繊維の提供。 【解決手段】 仕上げ剤を付着して成るポリウレタン弾
性繊維において、合成タンニン、天然タンニン酸および
天然タンニン酸誘導体のうち、少なくとも1種の防汚染
剤がポリウレタン弾性繊維に対して0.01〜20重量
%を付着または繊維中に含んでなる防汚染性ポリウレタ
ン弾性繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分散染料可染型繊
維と混用されるポリウレタン弾性繊維とその製造方法に
係り、詳しくは分散染料可染型繊維とポリウレタン弾性
繊維を混用し、分散染料によって染色された布帛が、優
れた発色性、染色堅牢度を有し、特にドライクリーニン
グの際に、ドライクリーニング液の汚染を低減させた、
防汚染性ポリウレタン弾性繊維およびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維に代表される分散染料
可染型繊維とポリウレタン弾性繊維との混用布帛は分散
染料を用いて染色される。このポリエステル繊維・ポリ
ウレタン弾性繊維混用布帛は、分散染料がポリウレタン
弾性繊維に吸脱着されやすいために、ポリウレタン弾性
繊維側に分散染料が過度に染着して、分散染料可染型の
ポリエステル繊維への染着が低下することにより染色布
帛の発色性が低くなる。
【0003】また、ポリウレタン弾性繊維に過度に染着
した分散染料により、染色布帛の染色堅牢度が著しく低
下するという問題がある。ポリウレタン弾性繊維に過度
に染着した分散染料は、染色後に実施される通常の還元
洗浄では十分に除去することが困難である。そこで、染
色混用布帛は、染色堅牢度について不満足なものとな
る。特に得られた染色布帛をドライクリーニングした場
合、ドライクリーニング液が著しく汚染されるため、白
場あるいは他繊維に逆汚染する問題がある。
【0004】染色堅牢度を向上させるためには、染色物
を還元洗浄する際に、還元剤濃度、アルカリ剤濃度およ
び処理温度を通常濃度よりも高めに設定した条件下での
処理が必要となる。しかし、カバリングヤーンなどのよ
うにポリウレタン繊維の被覆度合いの高い編織物では、
還元洗浄条件をたとえ強化してもポリウレタン繊維中の
分散染料を十分満足できる程度に除去することができな
いばかりか、分散染料可染型繊維の発色性が低下し、染
色バッチごとの色のバラツキが大きくなるという問題が
ある。
【0005】特公昭62−38479号公報には、弾性
ポリエステルフィラメントを含有する繊維構造物を分散
染料にて染色した後、タンニン酸、吐酒石水溶液にて処
理する方法により染色堅牢度、とりわけ洗濯堅牢度を向
上する方法が提案されている。しかしながら、弾性ポリ
エステルフィラメント自身には分散染料が多く残存して
いることから、ドライクリーニングした場合、ドライク
リーニング液を著しく汚染するという問題がある。ま
た、汗堅牢度において十分に満足のいくレベルではない
という問題がある。
【0006】特開平5−279971号公報には、ポリ
エステル繊維とポリウレタン繊維との混用布帛を非反応
型分散染料と反応型分散染料を用いて120℃以上で染
色する方法が提案されている。しかし、この染色方法
も、特殊で限られた分散染料を用いる必要があり、染色
できる色が限定されてしまうという欠点がある。特開平
11−172584号公報には、ポリエステルとポリウ
レタンの複合素材を合成タンニンの存在下に分散染料で
染色することにより、ポリウレタン側への染着性を抑
え、ポリエステル側への染着性をできる限り高めるよう
な染色法が開示されている。しかし、染色工程で処理す
るためには実際より過剰な処理剤を使用する必要があ
り、処理後の処理剤溶液を廃棄する際に、残留している
処理剤を含むため、環境への負荷増大に繋がる。
【0007】以上に例示した改善の提案は、いづれも染
色加工工程での特別な処理を必要とし、染色工程での負
荷の増大やコストアップに繋がるだけでなく、得られる
製品の品質、染色堅牢度が顧客が要求水準のレベルに達
成されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来技術の問題点を解決して、特殊な加工処理を必要とせ
ず、分散染料で染色しても発色性が高く、染色堅牢度に
優れ、ドライクリーニング液汚染が少なく、品質に優れ
た分散染料可染型繊維とポリウレタン弾性繊維との混用
布帛を得ることができるポリウレタン弾性繊維を提供す
ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリウレ
タン弾性繊維に、特定の防汚染剤物質を含有もしくは付
着させることによって、ポリウレタン弾性繊維自身の分
散染料に対する染着性が低減し、さらにポリウレタン繊
維が分散染料で染色された場合でも染色堅牢度が向上し
て、染色物の洗濯、ドライクリーニング等においても、
石鹸液、ドライクリーニング液への染料の移行による汚
染が著しく低減することを見いだし、本発明を着想し
た。
【0010】本発明は、仕上げ剤を付着してなるポリウ
レタン弾性繊維であって、繊維の重量に対して0.01
〜20重量%の合成タンニン、天然タンニン酸および天
然タンニン酸誘導体の群から選ばれた少なくとも1種の
防汚染剤がポリウレタン繊維に付着および/または含有
してなる防汚染性ポリウレタン弾性繊維である。本発明
のポリウレタン弾性繊維は、既知のポリウレタン弾性繊
維と同様に、単独で編織されることはほとんどなく、天
然繊維もしくは化合繊繊維と交編織されたり、またこれ
らの繊維で被覆、交絡、合撚等をした加工糸が交編織さ
れて布帛とすることができる。そして、その染色加工製
品は、汎用の意の染色加工を適用して製造することがで
きる。そして、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の
分散染料可染性繊維を混用した編織物は、特殊な加工処
理を行なわなくても、汎用の分散染料染色法をそのまま
適用するだけで、今まで得られなかった高い発色性と優
れた染色堅牢度、優れたドライクリーニング堅牢度をも
った染色物に加工することができる。また本発明では、
防汚染剤と共に仕上げ剤が存在するために、加工時の摩
擦による糸切れや糸かすの発生について従来のポリウレ
タン弾性繊維と同等以上のものが得られる。
【0011】本発明でいう天然タンニン酸は、植物から
抽出・精製され得られる多価フェノール化合物である。
天然タンニン酸は、その原料、製造方法、精製などによ
り様々な組成のものが得られるが、どの組成のものを用
いてもよい。好ましくは、五倍子、没食子等から得られ
る、分子内にガロイル基を有するガロタンニンを主成分
とする加水分解型タンニンである。また、本発明でいう
天然タンニン酸誘導体とは、例えば、前述の天然タンニ
ン酸を化学的に縮合し高分子量化した化合物、天然タン
ニン酸に金属を作用させた金属錯塩等が挙げられる。
【0012】本発明でいう合成タンニンとは、ポリアミ
ド繊維用の酸性染料の固着剤において、上記天然タンニ
ン酸に対して、一般に合成タンニンと称せられる合成化
合物固着剤のことであり、本発明においてはいづれの合
成タンニンを使用してもよい。たとえば、ナフチルアミ
ン、フェノール、ナフトール等のスルホン化物がホルム
アルデヒドで結合されたオリゴマータイプの化合物で、
フェノール系化合物、チオフェノール系化合物、ジヒド
ロキシジフェニールスルホン系化合物、ナフタリン系化
合物、スルホンアミド系化合物、カルボジイミド系化合
物等が挙げられ、中にはさらにカルボンアミド、スルホ
ンアミド、スルホン、ウレイド等の極性基を有するもの
がある。市販品としては、例えば、ハイフィックスGM
(大日本製薬(株)製ナイロン用合成染料固着剤;ジヒ
ドロキシジフェニールスルホン系化合物)、ディマフィ
ックスES(明成化学工業(株)製ナイロン用酸性染料
固着剤;フェノール系スルホン化化合物)等がある。
【0013】本発明でいうポリウレタン弾性繊維は、例
えば、ポリマージオール、ジイソシアネート、多官能性
活性水素原子を有する鎖延長剤、および単官能性活性水
素原子を有する末端停止剤から製造されるポリウレタン
重合体組成物を、乾式、湿式または溶融紡糸して調製さ
れたものである。ポリマージオールとしては、両末端に
ヒドロキシル基を有する数平均分子量が500〜500
0の実質的に線状の高分子体であって、例えば、ポリオ
キシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコ
ール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキ
シペンタメチレングリコール等のホモポリエーテルジオ
ール、または、炭素原子数2から6の2種以上のオキシ
アルキレンから構成される共重合ポリエーテルジオー
ル、アジピン酸、マレイン酸、イタコン酸、アゼライン
酸、マロン酸等の二塩基酸の1種以上とエチレングリコ
ール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピ
レングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパン
ジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジ
オール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、1,10−デカンジオール、1,3−ジメチロー
ルシクロヘキサン、1,4−ジメチロールシクロヘキサ
ン等のジオールの1種以上とから得られたポリエステル
ジオール、または、ポリエステルアミドジオール、ポリ
エステルエーテルジオール、またはポリ−ε−カプロラ
クトンジオール、ポリバレロラクトンジオール等のラク
トンジオール、ポリカーボネートジオール、ポリアクリ
ルジオール、ポリチオエーテルジオール、ポリチオエス
テルジオール、またはこれらのジオールの共重合物、混
合物等を挙げることができる。
【0014】ジイソシアネートとしては、脂肪族、脂環
族、芳香族の有機ジイソシアネートが挙げられ、例え
ば、メチレン−ビス(4−フェニルイソシアネート)、
メチレン−ビス(3−メチル−4−フェニルイソシアネ
ート)、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−
トリレンジイソシアネート、m−およびp−キシレンジ
イソシアネート、α,α,α′,α′−テトラメチル−
キシレンジイソシアネート、m−およびp−フェニレン
ジイソシアネート、4,4′−ジメチル−1,3−キシ
レンジイソシアネート、1−アルキルフェニレン−2,
4−および2,6−ジイソシアネート、3−(α−イソ
シアネートエチル)フェニルイソシアネート、2,6−
ジエチルフェニレン−1,4−ジイソシアネート、ジフ
ェニル−ジメチルメタン−4,4−ジイソシアネート、
ジフェニルエーテル−4,4′−ジイソシアネート、ナ
フチレン−1,5−ジイソシアネート、1,6−ヘキサ
メチレンジイソシアネート、メチレン−ビス(4−シク
ロヘキシルイソシアネート)、1,3−および1,4−
シクロヘキシレンジイソシアネート、トリメチレンジイ
ソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペン
タメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、イソフォロンジイソシアネート等、またはこ
れらの混合物が挙げられる。
【0015】多官能性活性水素原子を有する鎖延長剤と
しては、例えば、ヒドラジン、ポリヒドラジン、炭素原
子数2〜10の直鎖または分岐した脂肪族、脂環族、芳
香族の活性水素を有するアミノ基を持つ化合物で、例え
ばエチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、特
開平5−155841号公報に記載されているウレア基
を有するジアミン類等のジアミン、ヒドロキシルアミ
ン、水、また低分子量のジオール、例えばエチレングリ
コール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロ
ピレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパ
ンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタン
ジオール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリ
コール、1,10−デカンジオール、1,3−ジメチロ
ールシクロヘキサン、1,4−ジメチロールシクロヘキ
サンを用いることができる。
【0016】単官能性活性水素原子を有する末端停止剤
としては、例えば、ジエチルアミンのようなジアルキル
アミン等やエタノールのようなアルキルアルコール等が
用いられる。これらの鎖伸長剤、末端停止剤は、単独ま
たは2種以上混合して用いてもよい。ポリウレタン重合
体を製造する方法に関しては、公知のポリウレタン化反
応の技術を用いることができる。例えば、ポリアルキレ
ンジオールとジイソシアネートとを、ジイソシアネート
過剰の条件下で反応させ、両末端にイソシアネート基を
有するウレタンプレポリマーを合成し、次いで、このウ
レタンプレポリマーをジアミン化合物等の活性水素含有
化合物で鎖伸長反応を行い、ポリウレタン重合体を得る
ことができる。
【0017】ポリウレタン化反応の操作に関しては、ウ
レタンプレポリマー合成時やウレタンプレポリマーと活
性水素含有化合物との反応時に、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド等の
溶剤を用いることができる。上述の方法等で得られたポ
リウレタン重合体組成物を一つもしくは複数のオリフィ
スを備えた紡糸口金を用いる汎用の乾式紡糸法、湿式紡
糸法、溶融紡糸法により紡糸し、ポリウレタン弾性繊維
が製造される。紡糸過程においては、ポリウレタン繊維
は、通常、仕上げ剤の付与を経てパッケージに巻き取ら
れる。
【0018】本発明のポリウレタン繊維に用いられる仕
上げ剤は、前記した紡糸過程で付与される汎用の仕上げ
剤組成物であり、ポリウレタン繊維糸の解舒抵抗の低減
や平滑性向上を実現するための汎用の組成成分からな
り、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変
性シリコン、ポリエーテル変性シリコン、アミノ変性シ
リコン、鉱物油などに、例えば、鉱物性微粒子、例えば
シリカ、コロイダルアルミナ、タルク等、高級脂肪酸金
属塩粉末、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリ
ン酸カルシウム等、高級脂肪族カルボン酸、高級脂肪族
アルコール、パラフィン、ポリエチレン等の補助的成分
を含む油剤組成物であるか、これらを乳化剤によりコロ
イド状で水中に均一に分散させた水系エマルジョン油剤
であり、必要に応じてこれらを任意に組み合わせて使用
できる。
【0019】仕上げ剤の付与手段には、噴霧法、ローラ
ー表面接触法、給油ガイド法等の公知の方法を用いるこ
とができる。また、仕上げ剤は、ポリウレタン弾性繊維
が交編織される前に付与される。例えば、紡糸したポリ
ウレタン弾性繊維をパッケージに巻取る前に付与する方
法に加えて、一度パッケージに巻取られたポリウレタン
弾性繊維を解舒し、再びパッケージに巻取る際に付与す
る方法、織物に使用する際の整経時のビームに巻取る前
に付与する方法等も採用することができる。
【0020】本発明のポリウレタン弾性繊維において、
防汚染剤は、ポリウレタン弾性繊維のマトリックスに混
合含有させて付与するか、仕上げ剤組成物に含ませて繊
維に付着付与されるか、あるいは繊維内と繊維の表面と
に付与するものとすることもできる。防汚染剤は、ポリ
ウレタン弾性繊維に対して0.01〜20重量%になる
ように存在させることが肝要である。防汚染剤の付与量
が0.01重量%以下であると分散染料可染繊維との分
散染料染色布帛の染色堅牢度の向上効果が充分ではな
い。また20重量%を超えると、染色堅牢度の向上効果
が一定効果以上に上がらず非経済的であるだけでなく、
これらの物質によるポリウレタン弾性繊維の着色が起こ
るため、ポリウレタン弾性繊維製品の品質上好ましくな
い。これらの防汚染剤は、ポリウレタン弾性繊維の内部
乃至表面に付与されることにより、ポリウレタン弾性繊
維に分散染料が吸着するのを防ぐ皮膜として作用するの
で、繊維中に均一に存在させる必要がある。
【0021】この防汚染剤のポリウレタン弾性繊維への
付与手段は、ポリウレタン弾性繊維における防汚染剤の
所定の全付与量が実現できる方法であれば、如何なる手
段を用いてもよい。前述したように、ポリウレタン弾性
繊維を製造するどの段階で行ってもよい。例えば、ポリ
マージオール等のポリウレタン原料中にあらかじめ添加
したり、ポリウレタンプレポリマー反応中や鎖伸長反応
中に添加することも可能であるが、好ましくは、防汚染
剤を含有する仕上げ剤をポリウレタン弾性繊維に付与さ
せる方法、防汚染剤を含有するポリウレタン重合体組成
物を紡糸してポリウレタン弾性繊維を製造する方法、ま
たはこれらの方法を組み合わせた方法によることができ
る。
【0022】ここで、防汚染剤を含有する仕上げ剤を付
与する方法では、仕上げ剤に対して防汚染剤を0.1〜
60重量%含む仕上げ剤組成物を用いることが好まし
い。0.1重量%に満たない濃度の場合、仕上げ剤を過
剰に付与することが必要となり、また60重量%を超え
る場合、仕上げ剤中に均一に溶解または分散することが
難しくなる。また、これらの防汚染剤を含有する仕上げ
剤は、ポリウレタン弾性繊維に対して2〜30重量%の
範囲として、これらの防汚染剤を所定の存在量付与する
ことが好ましい。仕上げ剤の総量が2重量%に満たない
場合は、膠着性、解舒性が悪化し、30重量%を超える
と製品の保管中に余剰の仕上げ剤がポリウレタン弾性繊
維から流出する問題が生じる。さらに、ポリウレタン弾
性繊維表面に均一に付着するように、これらの防汚染剤
が仕上げ剤中に均一に溶解または微分散した状態である
ことが好ましい。特に仕上げ剤にこれらの防汚染剤が不
溶または難溶である場合には、防汚染剤を含む仕上げ剤
をホモミキサー、ボールミル等で平均粒径1.0μm以
下の粒子としておくことが好ましい。1.0μm以上の
粒子として局所的に繊維上で存在すると、充分な効果が
得られない。防汚染剤を仕上げ剤に入れて付与すること
で、新たに防汚染剤を付着させるための処理浴等の設備
を設ける必要がなく、既存の生産設備をそのまま使用で
きる。また防汚染剤が表面に選択的に付与されるため、
防汚染剤が効率よく作用して効果が得られる。
【0023】防汚染剤をポリウレタン組成物に含有させ
る場合、これらの防汚染剤をポリウレタン重合体組成物
中で溶解または微分散した状態で混合する。またポリウ
レタン重合体組成物に溶剤が使用されている場合は、こ
れらの防汚染剤をこの溶剤に溶解もしくは微分散させた
後、この溶液をポリウレタン重合体組成物に添加、混合
することが好ましい。特にこのポリウレタン重合体組成
物に不溶または難溶である場合には、これらの添加防汚
染剤を平均粒子径が1.0μm以下の粒子状に微分散し
ておくことが好ましい。防汚染剤が1.0μmより大き
いと、紡糸工程中でフィルター詰まりや糸切れを起こし
やすくなる。ここで得られるポリウレタン弾性繊維は、
繊維中に防汚染剤が含有されるため、加工処理中の防汚
染剤の脱落が抑制される。
【0024】防汚染剤として天然タンニン酸が含まれる
場合、ポリウレタン弾性繊維が交編織される前に、天然
タンニン酸と、多価金属塩と同時に存在させ、この多価
金属塩が天然タンニン酸に対して1〜200重量%存在
させることが好ましい。この多価金属塩に含まれる多価
金属としては、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリ
ウム、アルミニウム、スズ、鉛、アンチモン、銅、ニッ
ケル、コバルト、ビスマスから選ばれる1種類以上の金
属であることがより好ましい。これらの多価金属塩とし
ては、例えば、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酒
石酸アンチモンナトリウム、酒石酸アンチモンカリウム
等が挙げられる。天然タンニン酸では、単独でも十分目
的とする効果が発揮されるが、これらの多価金属塩が存
在することにより錯体を形成し強固な皮膜となるため、
より性能が向上すると考えられる。よって、この多価金
属塩の添加量が天然タンニン酸に対して1%に満たない
場合、十分な錯体を形成することができず、多価金属塩
を添加する性能向上効果が得られない。また200%を
超えても効果は向上せず不経済となる。
【0025】ポリウレタン弾性繊維中に、この多価金属
塩を天然タンニン酸と共存させる方法は、ポリウレタン
弾性繊維を製造するどの段階で行ってもよい。好ましく
は、防汚染剤と多価金属塩を同時に含有する仕上げ剤を
ポリウレタン弾性繊維に付与させる方法、防汚染剤およ
び多価金属塩を同時に含有するポリウレタン重合体組成
物を紡糸してポリウレタン弾性繊維を製造する方法、多
価金属塩を含有するポリウレタン重合体組成物を紡糸
し、防汚染剤を含有する仕上げ剤を付与する方法、防汚
染剤を含有するポリウレタン重合体組成物を紡糸し、多
価金属塩を含有する仕上げ剤を付与する方法、またはこ
れらを組み合わせた方法が挙げられる。
【0026】ここで、多価金属塩を仕上げ剤に含有させ
る場合には、仕上げ剤に対して多価金属塩を0.01〜
20重量%含む仕上げ剤を使用することが好ましい。
0.01重量%に満たない濃度の場合、仕上げ剤を過剰
に付与することが必要となり、また20重量%を超える
場合、仕上げ剤中に均一に溶解または分散することが難
しくなる。また、これらの多価金属塩を含有する仕上げ
剤を、ポリウレタン弾性繊維に対して2〜30重量%付
与することが好ましい。仕上げ剤の総量が2重量%に満
たない場合は、膠着性、解舒性が悪化し、30重量%を
超えると製品の保管中に余剰の仕上げ剤がポリウレタン
繊維から流出する問題が生じる。さらに、ポリウレタン
弾性繊維表面に均一に付着するように、これらの多価金
属塩が仕上げ剤中に均一に溶解または微分散した状態で
あることが好ましい。特に仕上げ剤にこれらの多価金属
塩が不溶または難溶である場合には、多価金属塩を含む
仕上げ剤をホモミキサー、ボールミル等で平均粒径1.
0μm以下の粒子としておくことが好ましい。1.0μ
m以上の粒子として局所的に繊維上で存在すると、充分
な効果が得られない。
【0027】多価金属塩をポリウレタン重合体組成物に
含有させる場合、ポリウレタンに対して多価金属塩が
0.01〜10重量%含まれることが好ましい。この多
価金属塩は、ポリウレタン重合体組成物中で溶解または
微分散した状態で混合する。ポリウレタン重合体組成物
に溶剤が使用されている場合は、これらの多価金属塩を
この溶剤に溶解もしくは微分散させた後、この溶液をポ
リウレタン重合体組成物に添加、混合することが好まし
い。多価金属塩の多くは、ポリウレタンまたはポリウレ
タン用溶剤に難溶または不溶であるため、ポリウレタン
重合体組成物に対して多価金属塩が0.01重量%に満
たない場合、多価金属塩が局所的に存在するため効果が
目的に対し不十分となり、10重量%を越える場合、ポ
リウレタン重合体組成物中で多価金属塩粒子が凝集して
紡糸工程中でフィルター詰まりや糸切れを起こしやすく
なる。また、この多価金属塩がポリウレタン重合体組成
物に不溶または難溶である場合には、これらの多価金属
塩を平均粒子径が1.0μm以下の粒子状に微分散して
おくことが好ましい。多価金属塩が1.0μmより大き
いと、紡糸工程中でフィルター詰まりや糸切れを起こし
やすくなる。
【0028】ポリウレタン重合体組成物には、上記防汚
染剤と多価金属塩以外に、ポリウレタン弾性繊維に用い
られる既知の有機または無機の化合物、例えば、熱安定
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、黄変防止剤、熱変色防
止剤、粘着防止剤、顔料、帯電防止剤、防黴剤、着色
剤、充填剤、吸水剤等を併用して添加することができ
る。
【0029】本発明では、紡糸後、交編織される前に、
ポリウレタン弾性繊維に防汚染剤の存在している状態
で、ポリウレタン弾性繊維が40〜140℃の条件下で
1〜60分乾熱処理されることが好ましい。また、天然
タンニン酸が防汚染剤として含まれる場合には、同時に
多価金属塩がポリウレタン弾性繊維に含まれた状態で乾
熱処理することもできる。乾熱処理は、例えば、パッケ
ージに巻き取られる前に行っても、パッケージに巻き取
られた後パッケージのまま処理することもできる。乾熱
処理することにより、合成タンニン、天然タンニン酸ま
たは天然タンニン酸誘導体がポリウレタンポリマーに結
びつきやすくなり、より効果が向上する。そのために4
0℃に満たない温度では、熱処理する前後での効果の向
上が少なく、また140℃を超えても効果は、向上しな
いだけでなく、ポリウレタン弾性繊維の熱劣化が起こる
ため好ましくない。
【0030】本発明のポリウレタン弾性繊維は、分散染
料染色物のドライクリーニング試験を行った場合に、液
汚染が3級以上であることが好ましい。このドライクリ
ーニング試験の液汚染評価で3級に満たない場合、ポリ
ウレタン弾性繊維と分散染料可染型繊維との混用布帛を
分散染料で染色した繊維素材について、ドライクリーニ
ング堅牢度だけでなく、発色性や、汗アルカリ堅牢度や
洗濯堅牢度についても満足するものが得られない可能性
がある。
【0031】本発明のポリウレタン弾性繊維は、例え
ば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテ
レフタレート、ポリオキシエチレンベンゾエート、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリアクリル、
ポリビニルアルコール等の分散染料可染型繊維と混用し
て、分散染料で染色される布帛などの繊維素材に好適で
ある。他の繊維、例えばウール、綿、絹、麻、またはキ
ュプラ、レーヨン等の再生セルロース繊維等と混用でき
ることは言うまでもない。
【0032】本発明のポリウレタン弾性繊維と分散染料
可染型繊維との混用布帛の分散染色による染色は、汎用
の分散染料染色方法を適用して行なうことができる。例
えば、分散染料可染型繊維としてポリエステル繊維を用
いた場合、分散染料の他、均染剤、pH調整剤等を含んだ
染料水溶液にて100〜135℃で20〜40分染色を
行う。その染色布帛は、一般に後に還元洗浄剤、熱アル
カリ剤の存在下、70〜80℃で10〜20分還元洗浄
して染色製品とされる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定
されるものではない。なお、実施例で用いた染色堅牢度
等各種評価項目の測定法は、以下の通りである。 〔1〕評価試験用ベアポリウレタン弾性繊維編地の調製 丸編機(小池機械製作所(株)CR−C型)を用いて、
ポリウレタン弾性繊維で編成したベアのポリウレタン弾
性繊維編地を1.2g計量し、ポリエステル繊維からな
るベア編地4.8gと表面を一緒にあわせて留め、ステ
ンレス製容器に入れ、C.I.ディスパースブルー16
7(ベンゼンアゾ系分散染料)5%owf、浴比1:5
0、pH5.0にて130℃で30分間染色する。この染
色されたポリウレタン弾性繊維とポリエステル繊維を、
ハイドロサルファイト1.6g/lと苛性ソーダ1.6
g/l、浴比1:50にて80℃で20分還元洗浄処理
を行う。得られるポリウレタン弾性繊維のベア編地を水
洗、風乾して、評価に用いる。
【0034】〔2〕評価試験用のポリウレタン弾性繊維
/ポリエステル繊維混用布帛の調製 ポリウレタン弾性繊維とポリエチレンテレフタレートか
らなるポリエステル繊維55デシテックス/24フィラ
メントを、ポリウレタン弾性繊維の混率が20%となる
ように、通常の編成条件にて6コースサテンネット編地
を得た。この混用布帛を、C.I.ディスパースブルー
167(ベンゼンアゾ系分散染料)5%owf 、浴比1:
50、pH5.0にて130℃で30分間染色を行う。続
いて、この染色布帛を、ハイドロサルファイト1.6g
/lと苛性ソーダ1.6g/l、浴比1:50にて80
℃で20分還元洗浄処理を行う。得られるポリウレタン
弾性繊維とポリエステル繊維の染色交編布帛を水洗、風
乾して、評価に用いる。
【0035】〔3〕ドライクリーニング液の汚染 JIS L−0860に従ってドライクリーニング試験
を実施し、ドライクリーニング液とドライクリーニング
試験後の汚れ液を磁器容器(20m/m×40m/m×
10m/m)に8ml採取し、液汚染程度を汚染用グレー
スケールと比較してその色落ち度を判定した。
【0036】〔4〕汗アルカリ堅牢度 JIS L−0848 A法に従ってアルカリ性人工汗
液にて評価した。褪色がなく、良好なものを5級とし、
順次1級(劣るもの)に判定した。 〔5〕洗濯堅牢度 JIS L−0844 A−2法に従って評価した。但
し、洗剤はアタック(花王(株)製)2g/リットルと
した。褪色がなく、良好なものを5級とし、順次1級
(劣るもの)に判定した。
【0037】
【実施例】〔実施例1〕数平均分子量(Mn)1800
のポリテトラメチレンエーテルジオール400g(重量
部、以下同じ)と、4,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアネート(以下MDIと表す)80.5gとを乾燥窒
素雰囲気下、65℃で1時間、撹拌下で反応させて、末
端がイソシアネートでキャップされたポリウレタンプレ
ポリマーを得た。このプレポリマーにジメチルアセトア
ミド720gを加え溶解してポリウレタンプレポリマー
溶液を調製した。一方、エチレンジアミン5.41gお
よびジエチルアミン0.80gをジメチルアセトアミド
390gに溶解し、これを前記プレポリマー溶液に室温
下で添加して、粘度450Pa・s(30℃)のポリウレ
タン重合体溶液を得た。
【0038】こうして得られたポリウレタン重合体溶液
に、ポリウレタン固形分に対して、4,4′−ブチリデ
ンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)を
1重量%、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル
−5′−メチルフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリア
ゾールを0.5重量%添加して、均一な溶液とした後、
室温減圧下で脱泡して、これを紡糸原液とした。
【0039】この紡糸原液を、紡糸口金孔数4ホールを
使用し、紡口直下熱風温度270℃、巻取り速度800
m/分の条件で、乾式紡糸した。得られたポリウレタン
弾性繊維をパッケージに巻取られる前に、仕上げ剤とし
て、ポリジメチルシロキサン30重量%、乳化剤3重量
%および水67重量%からなる水系エマルジョン油剤
に、防汚染剤としてこの水系エマルジョン油剤に対して
ハイフィックスGM(大日本製薬(株)製ジヒドロジフ
ェニールスルホン系化合物、30%水溶液)を5重量%
(純分濃度)を添加した組成の仕上げ剤を、ポリウレタ
ン弾性繊維に対して6重量%付与し、44デシテックス
/5フィラメントのポリウレタン弾性繊維の巻取パッケ
ージを得た。
【0040】〔実施例2〕実施例1の仕上げ剤に代え
て、ポリジメチルシロキサン97重量%、エーテル変性
シリコン2重量%およびステアリン酸マグネシウム1重
量%からなる油剤に、油剤に対して防汚染剤として天然
タンニン酸5重量%、および多価金属塩として酒石酸ア
ンチモンカリウム2.5重量%を含有する組成の仕上げ
剤を用いて、実施例1を繰り返してポリウレタン弾性繊
維を得た。
【0041】〔実施例3〕実施例1のポリウレタン重合
体溶液に、さらに多価金属塩として酒石酸アンチモンカ
リウムをポリウレタン固形分に対して0.15重量%添
加した紡糸原液を調製した。この紡糸原液を用いて、実
施例1と同様に乾式紡糸を行い、実施例1の仕上げ剤の
代わりに、ポリジメチルシロキサン97重量%、エーテ
ル変性シリコン2重量%およびステアリン酸マグネシウ
ム1重量%からなる組成の油剤に、油剤に対して防汚染
剤として天然タンニン酸5重量%を含有させた仕上げ剤
を用いて、実施例1を繰り返してポリウレタン弾性繊維
を得た。 〔実施例4〕実施例1で得られるポリウレタン重合体溶
液に、さらに防汚染剤としてハイフィックスGM(大日
本製薬(株)製)の水分を除去した固形物をポリウレタ
ン固形分に対して1重量%添加した紡糸原液を、実施例
1と同様に紡糸を行ってポリウレタン弾性繊維を得た。
この際、実施例1の仕上げ剤の代わりに、ポリジメチル
シロキサン97重量%、エーテル変性シリコン2重量%
およびステアリン酸マグネシウム1重量%からなる組成
の仕上げ剤を用いて、実施例1を繰り返した。
【0042】〔実施例5〕実施例4のハイフィックスG
M固形物の代わりに、天然タンニン酸を添加して調製し
た紡糸原液を用いて実施例4と同様にポリウレタン弾性
繊維を得た。 〔実施例6〕実施例4のハイフィックスGM固形物の代
わりに、天然タンニン酸を用い、さらに実施例4の仕上
げ剤の代わりに、ポリジメチルシロキサン97重量%、
エーテル変性シリコン2重量%およびステアリン酸マグ
ネシウム1重量%からなる油剤に、この油剤に対して多
価金属塩として酒石酸アンチモンカリウム2.5重量%
を含有させた組成の仕上げ剤を用いて、実施例4を繰り
返してポリウレタン弾性繊維を得た。
【0043】〔実施例7〕実施例1で得られるポリウレ
タン重合体溶液に、さらにポリウレタン固形分に対し
て、防汚染剤として天然タンニン酸1重量%、多価金属
塩として酒石酸アンチモンカリウム0.5重量%を添加
して調製した紡糸原液を、実施例1と同様に紡糸を行
い、また実施例1の仕上げ剤の代わりに、ポリジメチル
シロキサン97重量%、エーテル変性シリコン2重量%
およびステアリン酸マグネシウム1重量%からなる仕上
げ剤を用いて、実施例1と同様にポリウレタン弾性繊維
を得た。
【0044】〔実施例8〜11〕実施例1,2,4,6
で得られるポリウレタン弾性繊維を、パッケージのまま
セーフティーオーブンに入れ、80℃で3時間、乾熱処
理を行い、それぞれ熱処理されたポリウレタン弾性繊維
を得た。 〔比較例1〕実施例1の仕上げ剤の代わりに、ポリジメ
チルシロキサン30重量%、乳化剤3重量%および水6
7重量%からなる水系エマルジョン仕上げ剤を用いて、
実施例1と同様にポリウレタン弾性繊維を得た。
【0045】〔比較例2〕実施例1の仕上げ剤の代わり
に、ポリジメチルシロキサン97重量%、エーテル変性
シリコン2重量%およびステアリン酸マグネシウム1重
量%からなる仕上げ剤を用いて、実施例1と同様にポリ
ウレタン弾性繊維を得た。 〔比較例3〕比較例1で得られるポリウレタン弾性繊維
を、パッケージのままセーフティーオーブンにおいて8
0℃で3時間、乾熱処理を行い、熱処理されたポリウレ
タン弾性繊維を得た。
【0046】〔比較例4〕実施例1において、仕上げ剤
の付着量を1重量%として、実施例1と同様にポリウレ
タン弾性繊維を得た。 〔比較例5〕実施例4において、ハイフィックスGM固
形物の添加量を0.03重量%として、実施例4と同様
にポリウレタン弾性繊維を得た。
【0047】実施例1〜11、比較例1〜4で得られた
ポリウレタン弾性繊維を用い、ポリウレタン弾性繊維の
ベア編地のドライクリーニング液汚染性評価並びにポリ
ウレタン弾性繊維とポリエステル繊維との染色交編布帛
の汗、洗濯の各染色堅牢度評価、およびドライクリーニ
ング液汚染評価を行った。それぞれの例の評価結果を表
1,2,3および4に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】表1〜4から、本発明のポリウレタン弾性
繊維を用いることにより、ポリエステル繊維との混用布
帛は、分散染料で染色した場合でも、その染色布帛に良
好な染色堅牢度を与えることができた。
【0053】
【発明の効果】本発明のポリウレタン弾性繊維は、分散
染料で染色された場合でも堅牢度に優れ、洗濯、ドライ
クリーニング等の処理を行っても処理液への汚染が少な
い。本発明のポリウレタン繊維の使用により、分散染料
可染型繊維からなる混用布帛は、特殊な染色加工処理を
適用しないでも、今まで得られなかった高い発色性と優
れた染色堅牢度、特に優れたドライクリーニング堅牢度
の有する分散染料染色物を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L033 AA06 AB01 AC15 BA13 BA20 CA48 DA00 4L035 BB02 BB60 CC20 EE20 JJ04 JJ15 JJ16 KK08 KK09 MH02 MH09 MH13

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 仕上げ剤を付着して成るポリウレタン弾
    性繊維において、合成タンニン、天然タンニン酸および
    天然タンニン酸誘導体のうち、少なくとも1種以上の防
    汚染剤がポリウレタン弾性繊維に対して0.01〜20
    重量%含有および/または付着された防汚染性ポリウレ
    タン弾性繊維。
  2. 【請求項2】 天然タンニン酸と多価金属塩とが共存し
    ており、かつ天然タンニン酸に対して1〜200重量%
    であることを特徴とする請求項1記載の防汚染性ポリウ
    レタン弾性繊維。
  3. 【請求項3】 防汚染剤に加えて多価金属塩中の多価金
    属がマグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、アル
    ミニウム、スズ、鉛、アンチモン、銅、ニッケル、コバ
    ルトの中から選ばれる1種以上の金属である請求項2記
    載の防汚染性ポリウレタン弾性繊維。
  4. 【請求項4】 仕上げ剤が防汚染剤を含有する組成物で
    ある請求項1〜3記載の防汚染性ポリウレタン弾性繊
    維。
  5. 【請求項5】 防汚染剤がポリウレタン弾性繊維中に含
    有されていることを特徴とする請求項1〜3記載の防汚
    染性ポリウレタン弾性繊維。
  6. 【請求項6】 仕上げ剤が天然タンニン酸を含有し、同
    時にポリウレタン弾性繊維が多価金属塩を含有している
    ことを特徴とする請求項2または3記載の防汚染性ポリ
    ウレタン弾性繊維。
  7. 【請求項7】 仕上げ剤が多価金属塩を含有すると共に
    ポリウレタン弾性繊維が天然タンニン酸を含有している
    ことを特徴とする請求項2または3記載の防汚染性ポリ
    ウレタン弾性繊維。
  8. 【請求項8】 ポリウレタン弾性繊維を分散染料によっ
    て染色された場合、JIS L−0860におけるドラ
    イクリーニングの液汚染等級が3級以上であることを特
    徴とする請求項1〜7記載の防汚染性ポリウレタン弾性
    繊維。
  9. 【請求項9】 ポリマージオール、ジイソシアネート、
    多官能性活性水素原子を有する鎖延長剤、および単官能
    性活性水素原子を有する末端停止剤を反応させて得られ
    るポリウレタン重合体組成物からポリウレタン弾性繊維
    を得る際に、合成タンニン、天然タンニン酸および天然
    タンニン酸誘導体のうち、少なくとも1種以上の防汚染
    剤を、ポリウレタン弾性繊維に対して0.01〜20重
    量%存在するように、仕上げ剤中および/またはポリウ
    レタン重合体組成物中に含有せしめることを特徴とする
    防汚染性ポリウレタン弾性繊維の製造方法。
  10. 【請求項10】 多価金属塩を仕上げ剤中および/また
    はポリウレタン重合体組成物中に含有させることによ
    り、天然タンニン酸と多価金属塩とを共存させ、かつこ
    の多価金属塩を天然タンニン酸に対して1〜200重量
    %になるよう繊維に存在させることを特徴とする請求項
    9記載の防汚染性ポリウレタン弾性繊維の製造方法。
  11. 【請求項11】 多価金属塩を含有させたポリウレタン
    重合体組成物を紡糸し、得られるポリウレタン弾性繊維
    に、防汚染剤を含有する仕上げ剤を付与させることを特
    徴とする請求項10記載の防汚染性ポリウレタン弾性繊
    維の製造方法。
  12. 【請求項12】 防汚染剤を含有するポリウレタン重合
    体組成物を紡糸し、得られるポリウレタン弾性繊維に、
    多価金属塩を含有する仕上げ剤を付与することを特徴と
    する請求項10の防汚染性ポリウレタン弾性繊維の製造
    方法。
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