JP2003191276A - 薄肉部を有する射出成形体の製造方法および金型 - Google Patents

薄肉部を有する射出成形体の製造方法および金型

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JP2003191276A JP2001395457A JP2001395457A JP2003191276A JP 2003191276 A JP2003191276 A JP 2003191276A JP 2001395457 A JP2001395457 A JP 2001395457A JP 2001395457 A JP2001395457 A JP 2001395457A JP 2003191276 A JP2003191276 A JP 2003191276A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄肉部付近における熱変形等、熱による影響
の低減を図りつつ、バリ発生防止を図る。 【解決手段】 互いに開閉可能で型閉め時に相互間にキ
ャビティ13を形成する型体11,12間に薄肉部材6
を配置した後型閉めし、樹脂Rを射出して射出成形部5
を成形して薄肉部4を有する成形体1を製造する金型に
おいて、型体11,12の薄肉部材6に接する部分に、
射出成形部5に対応する高温金型11A,12Aより低
温とされる低温型体11B,12Bが設けられてなると
ともに、低温型体11B,12Bの輪郭が、低温型体1
1B,12Bが薄肉部材6に当接する面において、薄肉
部材6の輪郭位置12dまたは凹部25の輪郭位置25
aからずれた位置に設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄肉部を有する射
出成形体の製造および金型に係り、特に、携帯電池のケ
ース等小型軽量化の求められる分野に用いて好適な技術
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
薄肉部を有するプラスチック製品を射出成形により製造
する場合には、相互に開閉可能な型体間に所望とする薄
肉部を有する成形体に対応したキャビティを形成する金
型装置を用いて、型閉め時にキャビティ内に溶融樹脂を
充填し、これを冷却固化した後型開き及び離型を行うも
のであるが、薄肉部を有するプラスチック製品では、該
当するキャビティの間隙も当然薄く形成されることにな
るので、樹脂が充填されにくいという問題点があった。
また、樹脂が充填される充填工程において、キャビティ
内には空気などの気体が存在するだけでなく、溶融樹脂
に起因するガスが発生する。これら溶融樹脂から発生す
るガス及び充填前のキャビティ内の空気は溶融樹脂によ
り圧縮されて充填不良の原因となるが、特に薄肉部にお
いては樹脂が逃げにくいために充填不良を起こしやすい
という問題点がある。
【0003】そこで、ゲート位置を工夫したりガス抜き
溝を工夫したりして薄肉部に対応するキャビティ内への
樹脂の回り込み性を向上させているが、それでも0.4
mm以下、例えば0.25mm程度の薄肉部を形成する
のは困難であるのが実情である。また、この種の薄肉部
を有する成形体を射出成形により製造した場合、溶融樹
脂を冷却固化した後離型工程が行われるが、この離型は
通常キャビティに臨んで進退可能に設けられた突き出し
ピンなどにより押し出すものであり、薄肉部は通常広い
面積を占めることが多いためここに突き出しピンが位置
することになりかねない。そうすると0.25mm程度
の薄肉部では押された部分が変形してしまうという問題
もある。
【0004】また、薄肉部を別体である薄肉部材により
形成し、これをキャビティの中に位置して他の部分を射
出成形により成形する方法もある。ここで、薄肉部材に
対して溶融した樹脂が接触した際や、溶融樹脂に対して
好適な温度に設定した金型装置に薄肉部材を載置した場
合に、薄膜部材が熱による影響を受けて変形する可能性
があるため、薄肉部材に当接する部分の型体を別体と
し、この部分の温度を低く維持することがあったが、こ
の場合、薄肉部材の輪郭に沿って位置する型体どうしの
繋ぎ目(パーティングライン)に溶融樹脂が進入する場
合があり、このため、薄肉部材の輪郭に沿って成形体に
バリが生じてしまうという問題があった。
【0005】これは、充填された溶融樹脂が、薄肉部材
端部位置に到達した際に、そのままの勢いで型体の境界
に存在する僅かな隙間に進入してしまうからだと考えら
れる。そして、このバリ形成は、薄肉部材端部位置と型
体の境界が一致したときのみならず、溶融樹脂が充填さ
れる端部となる射出成形部の端部と型体の境界が一致し
たときにも発生する可能性があった。
【0006】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、以下の目的を達成しようとするものである。 薄肉部を確実に形成すること。 薄肉部付近における熱変形等、熱による影響の低減
を図りつつ、バリ発生防止を図ること。 薄肉部材と射出成形部との密着性および一体性を維
持しつつ、薄肉部材の変形防止を図ること。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の薄肉部を有する
射出成形体の製造方法は、互いに開閉可能で型閉め時に
相互間にキャビティを形成する複数の型体間に薄肉部材
を配置した後型閉めし、前記キャビティ内に樹脂を射出
して少なくとも薄肉部材の縁部付近に射出成形部を有す
る成形体を製造する際に、前記型体における前記射出成
形部に接する部分よりも前記薄肉部材に接する部分の温
度を低く設定するとともに、この低温部分の輪郭が、該
低温部分が前記薄肉部材に当接する面において、前記薄
肉部材の輪郭位置からずれた位置に設けられることによ
り上記課題を解決した。本発明において、前記型体にお
いて、前記射出成形部に接する部分が高温型体とされ、
前記薄肉部材に接する部分が低温型体とされ、前記高温
型体と前記低温型体との繋ぎ目が、前記型体が前記薄肉
部材に当接する面において、前記薄肉部材の輪郭位置か
らずれた位置に設けられる手段を採用することができ
る。本発明において、前記低温部分の輪郭が前記薄肉部
材の輪郭位置からずれる幅寸法が0〜5mmの範囲に設
定されてなることが望ましい。本発明の前記低温部分の
輪郭が、前記薄膜部材の輪郭の内側に位置するよう設け
られてなることができる。また、本発明の薄肉部を有す
る射出成形体製造金型において、互いに開閉可能で型閉
め時に相互間にキャビティを形成する複数の型体間に薄
肉部材を配置した後型閉めし、前記キャビティ内に樹脂
を射出して射出成形部を成形して薄肉部を有する成形体
を製造する金型において、前記型体の前記薄肉部材に接
する部分に、前記射出成形部に対応する部分より低温と
される低温型体が設けられてなるとともに、この低温型
体の輪郭が、該低温型体が前記薄肉部材に当接する面に
おいて、前記薄肉部材の輪郭位置からずれた位置に設け
られることにより上記課題を解決した。本発明において
は、前記型体において前記射出成形部に対応する部分に
高温型体が設けられ、前記高温型体と前記低温型体との
繋ぎ目が、該低温型体が前記薄肉部材に当接する面にお
いて、前記薄肉部材の輪郭位置からずれた位置に設けら
れることが望ましい。本発明において、前記低温型体の
輪郭が前記薄肉部材の輪郭位置からずれる幅寸法が0〜
5mmの範囲に設定されてなる手段を採用することがで
きる。本発明の前記低温型体の輪郭が、該低温型体が前
記薄肉部材に当接する面において、前記薄膜部材の輪郭
の内側に位置するよう設けられてなることができる。本
発明において、前記成形体において少なくとも前記薄肉
部材の片面縁部付近に接続代が設けられ、この接続代に
対応する凹部が前記型体に設けられ、前記薄肉部材に接
する部分に前記低温型体が位置し、該低温型体の周辺部
付近には、前記接続代および前記射出成形部に対応し
て、前記低温型体よりも高温の高温型体が位置するよう
に設けられてなるとともに、この低温型体と高温型体と
の繋ぎ目が、前記凹部側の面において、前記凹部の輪郭
位置からずれた位置に設けられることが可能である。本
発明の前記低温型体の輪郭が、前記凹部輪郭の内側に位
置するよう設けられてなることがある。
【0008】本発明の薄肉部を有する射出成形体の製造
方法は、キャビティ内に樹脂を射出して成形体を製造す
る際に、前記型体における前記射出成形部に接する部分
よりも前記薄肉部材に接する部分の温度を低く設定する
とともに、この低温部分の輪郭を前記薄肉部材の輪郭位
置からずれた位置に設けることにより、キャビティ内に
おいて、射出成形部に対応する部分では溶融樹脂に対し
て好適な温度に設定した状態を維持したままで、キャビ
ティ内の薄肉部材が接触する部分の温度を、薄肉部材に
対して熱影響を低減可能な温度にし、薄肉部材に対して
キャビティ内に射出された溶融樹脂が接触した場合に、
射出成形部と接続する部分以外の薄肉部材を好適な温度
に維持することができ、この状態で、低温部分と高温部
分との境界となる低温部分の輪郭を、薄肉部材の端部位
置からずらすことで、射出成形部と接続される薄肉部材
の端部がキャビティ内における射出成形部の形成される
部分に位置することになり、薄肉部材と射出成形部との
接続を、溶融樹脂に好適な高温の部分でおこなうことが
できる。これらにより、薄肉部材が熱による影響を受け
てしまい変形する可能性を低減することができる状態
で、薄肉部材と射出成形部とを強固に接続し、これらの
一体性を向上して成形をおこなうことができる。ここ
で、低温部分の輪郭とは、具体的には射出成形部に対応
する高温部分と薄肉部材が接触する低温部分との繋ぎ目
(境界)を意味している。
【0009】本発明の薄肉部を有する射出成形体の製造
方法は、キャビティ内に樹脂を射出して成形体を製造す
る際に、前記型体における前記射出成形部に接する高温
型体よりも前記薄肉部材に接する低温型体の温度を低く
設定するとともに、この高温型体と前記低温型体との繋
ぎ目を、型体が薄肉部材に当接する面において薄肉部材
の輪郭位置からずれた位置に設けることにより、キャビ
ティ内において、射出成形部に対応する高温型体部分で
は溶融樹脂に対して好適な温度に設定した状態を維持し
たままで、キャビティ内の薄肉部材が接触する低温型体
部分の温度を、薄肉部材に対して熱影響を低減可能な温
度にし、薄肉部材に対してキャビティ内に射出された溶
融樹脂が接触した場合に、射出成形部と接続する部分以
外の薄肉部材を好適な温度に維持することができ、この
状態で、溶融樹脂の進入する可能性のある低温型体と高
温型体との境界となる低温部分の輪郭を、薄肉部材の端
部位置からずらすことで、この溶解樹脂の境界への進入
を防止することができる。これらにより、薄肉部材が熱
による影響を受けてしまい変形する可能性を低減するこ
とができる状態で、成形体の薄肉部付近におけるバリ発
生を防止して成形をおこなうことができる。ここで、低
温部分と高温部分との境界を薄肉部材の端部位置からず
らしたことにより、充填された溶融樹脂が、薄肉部材端
部位置に到達した際に、そのままの勢いで型体の境界に
存在する僅かな隙間に進入してしまうことを防止できる
ためであると考えられる。
【0010】本発明において、前記薄肉部材に接する部
分(低温型体)の温度が薄肉部材における軟化点より低
く設定されることにより、薄肉部材において熱影響によ
り変形等をおこすことが防止できる。ここで、薄肉部材
として例えばポリカーボネート等が適応された場合に
は、上記の前記薄肉部材に接する部分の温度が100℃
〜20℃程度の範囲に設定されることが好ましく、より
好ましくは90℃〜50℃程度に設定されることができ
る。
【0011】本発明において、前記低温部分の輪郭(低
温型体と高温型体との境界)が前記薄肉部材の輪郭位置
(端部位置)からずれる幅寸法が0.05〜1mmの範
囲に設定されてなることが好ましく、前記幅寸法が0.
05mmより小さく設定された場合には、充填された溶
融樹脂が薄肉部材端部位置に到達した際に、そのままの
勢いで型体の境界に存在する僅かな隙間に進入してしま
う可能性があり好ましくない。また、前記幅寸法が1m
mより大きく設定された場合には、溶融樹脂に対して好
適な温度に設定した高温部分が薄肉部材に接する部分が
大きくなるため、薄肉部材が熱による影響を受けてしま
い変形する可能性が増大し好ましくない。
【0012】本発明の前記低温部分の輪郭が、前記薄膜
部材の輪郭の内側に位置するよう設けられてなることに
より、型体の境界に存在する僅かな隙間に充填樹脂が接
触しないため、充填された溶融樹脂が薄肉部材端部位置
に到達した際に、そのままの勢いで型体の境界に存在す
る僅かな隙間に進入してしまうことを防止できるととも
に、薄肉部材に対して好適な温度に設定した低温部分が
溶融樹脂に接する部分がなくなるため、溶融樹脂が良好
に充填されない可能性を低減することができる。
【0013】また、本発明の薄肉部を有する射出成形体
製造金型は、前記薄肉部材に接する部分に対応して、前
記射出成形部に対応する部分より低温とされる低温型体
が設けられてなるとともに、この低温型体の輪郭が前記
薄肉部材の輪郭位置からずれた位置に設けられることに
より、型体により形成されたキャビティ内において、射
出成形部に対応する高温型体では、溶融樹脂が充分キャ
ビティに充填されるよう溶融樹脂に対して好適な温度に
設定した状態を維持しながら、キャビティ内に載置され
る薄肉部材が接触する低温金型を、薄肉部材への熱影響
を低減可能な温度に設定することができ、この状態で、
この状態で、低温部分と高温部分との境界となる低温部
分の輪郭を、薄肉部材の端部位置からずらすことで、射
出成形部と接続される薄肉部材の端部がキャビティ内に
おける射出成形部の形成される部分に位置することにな
り、薄肉部材と射出成形部との接続を、溶融樹脂に好適
な高温の部分でおこなうことができる。これらにより、
薄肉部材が熱による影響を受けてしまい変形する可能性
を低減することができる状態で、薄肉部材と射出成形部
とを強固に接続し、これらの一体性を向上して成形をお
こなうことができる。
【0014】また、本発明の薄肉部を有する射出成形体
製造金型は、前記射出成形部に対応する部分に高温型体
が設けられ、前記高温型体と前記低温型体との繋ぎ目
が、該低温型体が前記薄肉部材に当接する面において、
前記薄肉部材の輪郭位置からずれた位置に設けられるこ
とにより、型体により形成されたキャビティ内におい
て、射出成形部に対応する高温型体では、溶融樹脂が充
分キャビティに充填されるよう溶融樹脂に対して好適な
温度に設定した状態を維持しながら、キャビティ内に載
置される薄肉部材が接触する低温金型を、薄肉部材への
熱影響を低減可能な温度に設定することができ、この状
態で、溶融樹脂の進入する可能性のある低温型体と高温
型体との境界となる低温型体の輪郭を、薄肉部材の端部
位置からずらすことで、型体境界への溶解樹脂の進入を
防止することができる。これらにより、薄肉部材と射出
成形部との一体性を維持した状態で、薄肉部材が熱によ
る影響を受ける可能性を低減し、成形体にしわができた
りいびつになるなど変形することを防止可能な状態で、
成形体の薄肉部付近にバリができることなく成形するこ
とが可能な金型を提供することができる。
【0015】本発明において、前記低温型体の輪郭が前
記薄肉部材の輪郭位置からずれる幅寸法が0.05〜1
mmの範囲に設定されてなることが好ましく、前記幅寸
法が0.05mmより小さく設定された場合には、充填
された溶融樹脂が、薄肉部材端部位置に到達した際に、
そのままの勢いで型体の境界に存在する僅かな隙間に進
入してしまう可能性があり好ましくない。また、前記幅
寸法が1mmより大きく設定された場合には、溶融樹脂
に対して好適な温度に設定した高温型体が薄肉部材に接
する部分が大きくなるため、薄肉部材が熱による影響を
受けてしまい変形する可能性が増大し好ましくなく、ま
たは、薄肉部材に対して好適な温度に設定した低温型体
が溶融樹脂に接する部分が大きくなるため、溶融樹脂が
良好に充填されない可能性が増大し好ましくない。
【0016】本発明の前記低型体分の輪郭が、前記薄膜
部材の輪郭の内側に位置するよう設けられてなることに
より、薄肉部材と射出成形部との一体性を維持し、薄肉
部材に対して好適な温度に設定した低温型体が溶融樹脂
に接する部分がなくなるため、溶融樹脂が良好に充填さ
れないことを防止できる。
【0017】本発明においては、低温型体を設けて薄肉
部材に対する熱影響を低減し、高温型体を設けて薄肉部
材と射出成形部との一体性を維持するように溶融樹脂充
填状体を維持し、この状態で、低温型体の輪郭が、前記
凹部側の面において、前記凹部の輪郭位置からずれた位
置に設けられることにより、溶融樹脂の進入する可能性
のある低温型体と高温型体との境界となる低温型体の輪
郭を、凹部の端部位置からずらすことで、この溶解樹脂
の進入を防止することができる。これにより、薄肉部材
と射出成形部との一体性を維持した状態、かつ、溶融樹
脂が影響を受けない温度状態を維持可能な状態で、成形
体の接続代付近にバリができることなく成形することが
可能な金型を提供することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る薄肉部を有す
る射出成形体の製造方法および金型の一実施形態を、図
面に基づいて説明する。図1は、本実施形態により製造
可能な薄肉部を有する射出成形体の一例を示しており、
同図において成形体1は略箱体状で、平面状の薄肉部4
と、この薄肉部4の周縁に形成された垂壁部3と、長方
形状の薄肉部4の下側に位置して垂壁部3に接続する接
続代2とからなっている。図1に示すように、この薄肉
部4の厚さ寸法Wdは0.40mm以下、具体的には約
0.25mm〜0.20mmに設定されている。
【0019】このような本実施例における成形体1は、
薄肉部4下側に位置する接続代2と垂壁部3とからなる
枠体(射出成形部)5と、垂壁部3により囲まれた形状
を有し接続代2において枠体5と一体的に接合した薄肉
部4を構成する薄肉部材6とからなる。この薄肉部材6
は、例えばポリカーボネート等からなり、枠体5を構成
する例えばポリカーボネート等とされる射出樹脂と同じ
材質もしくは射出樹脂と融合性を有する樹脂材料からな
る。ここで融合性とは、射出樹脂の熱等によって軟化等
して一体化する性質のことである。なお、図1において
薄肉部材6は説明の便宜上、識別可能に図示してあるが
実際には枠体5との間に境界はなく完全に一体化してい
る。
【0020】上記の接続代2の幅寸法は、図1にWnで
示すように、薄肉部材6の縁部とこの薄肉部材6の縁部
に設けられた接続代2の成形体1中央側の端部との長さ
寸法であり、この幅寸法Wnは、薄肉部4の厚さ寸法W
dの100〜1/4倍の範囲に設定されており、具体的
には5mm程度に設定されることが好ましい。ここで、
接続代2の幅寸法Wnが薄肉部4の厚さ寸法Wdの10
0倍より大きく設定された場合には、射出樹脂の熱によ
る薄肉部材6の変形が大きくなり好ましくない。また、
この範囲より小さい値に設定した場合には、薄肉部材と
射出成形部との密着性が低下して好ましくない。
【0021】次に上述したような成形体1を製造する方
法について図2ないし図5に基づいて説明する。
【0022】図2は、本実施形態により製造可能な薄肉
部を有する射出成形体製造金型の一例を示しており、図
において、符号11は成形体1の内面側を形成する固定
型であり、12は成形体1の外面側を形成する可動型で
あり、射出成形用金型の型体であるこれら固定型11お
よび可動型12は、互いに図示上下方向へ移動して開閉
し、型閉め時に相互間に枠体5形状のキャビティ13を
形成するものである。
【0023】固定型11では、キャビティ13内に薄肉
部材6が配置された際にこの薄肉部材6に接触する部分
が低温金型(低温型体)11Bとされている。低温金型
11Bはキャビティ13の中央付近に配置され、この低
温金型11Bの周囲は後述する溶融樹脂Rがキャビティ
13内に充填された際にこの溶融樹脂Rに接触する部分
が高温金型(高温型体)11Aとされている。高温金型
11Aはキャビティ13の周縁部に位置して設けられ
る。可動型12では、キャビティ13内に薄肉部材6が
配置された際にこの薄肉部材6に接触する部分が低温金
型(低温型体)12Bとされている。低温金型12Bは
キャビティ13の中央付近に配置され、この低温金型1
2Bの周囲は後述する溶融樹脂Rがキャビティ13内に
充填された際にこの溶融樹脂Rに接触する部分が高温金
型(高温金型)12Aとされている。高温金型12Aは
キャビティ13の周縁部に位置して設けられる。
【0024】低温金型12Bと高温金型12Aとの境界
12cは、後述するように薄肉部材6端部6aが固定型
12に当接する位置12dよりも、成形される成形体1
の中央側へ移動している。言い換えると、境界12c
は、キャビティ13の内面において、薄肉部材6の輪郭
位置12dよりもキャビティ13の中央側へずれてい
る。つまり、低温型体12Bの輪郭が、薄膜部材6の輪
郭の内側に位置するように構成されている。境界12c
と位置12dとのずれ幅寸法Wsは、図2に示すように
設定され、この幅寸法Wsが、0.05〜1mmの範囲
に設定されてなることが好ましく、幅寸法Wsが0.0
5mmより小さく設定された場合には、充填された溶融
樹脂Rが、薄肉部材6端部位置に到達した際に、そのま
まの勢いで型体の境界に存在する僅かな隙間に進入して
しまう可能性があり好ましくない。また、幅寸法Wsが
1mmより大きく設定された場合には、充填される溶融
樹脂Rに対して好適な温度に設定した高温型体12Aが
薄肉部材6に接する部分が大きくなるため、薄肉部材6
が熱による影響を受けてしまい変形する可能性が増大し
好ましくない。
【0025】低温金型11B,12Bには、低温金型1
1B,12Bの温度を所定の値に維持するための温度設
定手段として冷却孔30B、30Bが設けられる。冷却
孔30Bの内部には、図示しない冷却媒体供給手段から
供給された水等の冷却媒体が流通され、この状態で低温
金型11B,12Bを冷却して、薄肉部材6が熱の影響
を受けない温度になるよう温度設定をおこなう構成とさ
れる。ここで、低温金型11B,12Bの温度は、10
0℃〜20℃程度の範囲に設定されることが好ましく、
より好ましくは90℃〜50℃程度に設定されることが
できる。ここで、設定温度が上記温度より高く設定され
た場合には、ポリカーボネートとされる薄肉部材6が熱
変形しまい好ましくない。また上記の温度より低く設定
された場合には、隣接する射出成形部5を形成するため
の溶融樹脂Rが充分キャビティ13に充填されないなど
の影響が出るため好ましくない。
【0026】高温金型11A,12Aには、高温金型1
1A,12Aの温度を所定の値に維持するための温度設
定手段として加熱冷却孔30A、30Aが設けられる。
この加熱冷却孔30Aは、キャビティ13の周縁の射出
成形部に沿うように設けられる。加熱冷却孔30Aの内
部には、図示しない加熱冷却媒体供給手段から供給され
た水等の加熱冷却媒体が流通され、この状態で高温金型
11A,12Aを加熱して、後述する溶融樹脂Rの温度
を維持して、その充填時に影響がでないよう温度設定を
おこなう。ここで、高温金型11A,12Aの温度が1
60℃〜50℃程度の範囲に設定されることが好まし
い。ここで、設定温度が上記温度より高く設定された場
合には、ポリカーボネート等とされる溶融樹脂Rが熱変
形する等の影響があり好ましくない。また上記の温度よ
り低く設定された場合には、溶融樹脂Rが容易にキャビ
ティ13に充填されないなどの影響が出るため好ましく
ない。
【0027】固定型11は、キャビティ13に開口する
ゲート14を有するとともに、このゲートを開閉するバ
ルブピン15を有し、前記ゲート14から溶融樹脂Rが
キャビティ13内に充填される。このゲート14は、成
形体1の垂壁部3下端部に対応する位置に開口するよう
に設けられる。また、固定型11には、先端がキャビテ
ィ13に臨んで位置する突き出しピン16を有してい
る。この突き出しピン16は、突き出す前は光端がキャ
ビティ13の面と同一面で、キャビティ13の面からそ
の先端が突き出て成形体1を離型するものである。この
突き出しピン16先端は、成形体1の垂壁部3下端部に
対応する位置に設けられる。
【0028】上述したような金型装置において、固定型
11は、固定側型板21とこの固定側型板21の背面図
示下面に取り付けられた固定受け板22とを有し、固定
側型板21には、薄肉部4すなわち薄肉部材6の形状に
対応して雄型部23が形成されており、この雄型部23
のキャビティ13側には、成形体1の接続代2に対応し
て凹部25が周設されている。この凹部25の幅寸法
は、接続代2の幅寸法Wnに対応するように設定されて
おり、また、凹部25の深さ寸法は、接続代2の厚み寸
法に対応するように設定されている。
【0029】低温金型11Bと高温金型11Aとの境界
11cは、接続代2の先端側に対応する凹部25端部位
置25aよりも、成形される成形体1の中央側へ移動し
ている。言い換えると、境界11cは、キャビティ13
の内面において、凹部25の輪郭位置25aよりもキャ
ビティ13の中央側へずれている。つまり、低温型体1
1Bの輪郭が、成形された接続代2の輪郭の内側に位置
するように構成されている。境界11cと位置11dと
のずれ幅寸法Wsは、図2に示すように設定され、この
幅寸法Wsが、0.05〜1mmの範囲に設定されてな
ることが好ましく、幅寸法Wsが0.05mmより小さ
く設定された場合には、充填された溶融樹脂Rが、凹部
25端部位置25aに到達した際に、そのままの勢いで
型体の境界に存在する僅かな隙間に進入してしまう可能
性があり好ましくない。また、幅寸法Wsが1mmより
大きく設定された場合には、充填される溶融樹脂Rに対
して好適な温度に設定した高温型体11Aが薄肉部材6
に接する部分が大きくなるため、薄肉部材6が熱による
影響を受けてしまい変形する可能性が増大し好ましくな
い。
【0030】一方、可動型12の雄型部23に対応する
位置のキャビティ面26には、薄肉部材6の位置に臨ん
で微小な吸引孔24が形成されている。また、キャビテ
ィ13に連通して図示しないガス抜き孔も形成されてい
る。固定型11の雄型部23における先端部23A、つ
まり凹部25以外の部分は、可動型12のキャビティ面
と型閉め時に近接して、可動型12のキャビティ13面
に対してごくわずかな間隔(本実施例においては、0.
25mm〜0.20mm以下)を形成するか、もしくは
ほぼ当接するようになっている。
【0031】前記構成につきその作用を説明する。図3
〜図5は、本実施形態により製造可能な薄肉部を有する
射出成形体製造方法における製造工程を示しており、図
3に示すように、はじめに固定型11と可動型12とは
型開き状態にあり、ここでキャビティ面26上に薄肉部
材6を載置する。このとき温度設定手段により低温金型
11B,12Bの温度が所定の状態に設定される。同時
に、吸引孔24からエアを吸引して、薄肉部材6をキャ
ビティ面26上にしっかりと位置決めする。
【0032】このようにして薄肉部材6をセットしたら
固定型11と可動型12とを型閉めすると、図2に示す
ように固定型11の雄型部23先端部23Aが可動型1
2のキャビティ面26に薄肉部材6を介在して当接す
る。このとき、温度設定手段により高温金型11A,1
2A,低温金型11B,12Bの温度をそれぞれ所定の
状態に維持する。そして、図4(a)に示すようにゲー
ト14からキャビテイ13内に溶融樹脂Rを射出する
(充填工程)。この充填工程において図示しない排気手
段を作動させることによりガス抜き孔からキャビテイ1
3内のガス(空気及び溶融樹脂Rから発生するガス)を
吸引し、充填終了とほぼ同時に吸引を停止する。このよ
うにガス抜きを行うことにより溶融樹脂Rがキャビテイ
13の全体にスムーズに流れて良好な充填が行われる。
【0033】このとき、キャビテイ13内に充填された
溶融樹脂Rは、図4(b)に示す矢印のように、キャビ
ティ13内において移動し、薄肉部材6の端部6aに到
達し、さらに凹部25に溶融樹脂Rが入り込む。溶融樹
脂Rがキャビテイ13内に充填されると、溶融樹脂Rの
熱により薄肉部材6の縁部、すなわち固定型11の雄型
部23に当接していない箇所に接続代2が形成されると
ともに、この薄肉部材6の部分が軟化もしくは溶融して
両者が一体的に接合して成形体1が形成される。このと
き、温度設定手段により高温金型11A,12A,低温
金型11B,12Bの温度を所定の状態に維持している
ため、薄肉部材6における接続代2と接する部分および
端部6a以外では、溶融樹脂Rから受ける熱影響を低減
することができ、薄肉部材6全体が熱変形してしまうこ
とが防止できる。同時に、低温金型11B,12Bと高
温金型11A,12Aとの境界11cは、位置12d,
25aよりも、成形される成形体1の中央側へ移動して
いるために、薄肉部材6と射出成形部5との一体性を維
持した状態で、充填された溶融樹脂Rが、位置11d,
25aに到達した際に、そのままの勢いで型体の境界に
存在する僅かな隙間に進入してしまうことが防止され
る。従って、この隙間に進入した樹脂により形成される
バリが改正されることはない。
【0034】そして、キャビテイ13に充填した溶融樹
脂Rを冷却固化する。このとき、加熱冷却孔30Aの内
部には、図示しない加熱冷却媒体供給手段から供給され
た水等の加熱却媒体を流通することで、高温金型11
A,12Aを冷却して、冷却固化工程における作業時間
を短縮することが可能となる。ここで、高温金型11
A,12Aの温度は、160〜50℃程度にすることが
できる。その後、図5に示すように固定型11と可動型
12とを型開きし、これに続く離型工程において突き出
しピン16が作動する。この突き出しピン16は、キャ
ビテイ13に臨んで配置されており、垂壁部3下端部に
位置しているので離型時に薄肉部4に変形をきたすおそ
れがない。このとき吸引孔24およびガス抜き孔から微
弱にエアを吐出してやることにより、成形体1が離型す
るのを補助することができるため、離型しやすくなって
いるとともに突き出しピン16により押圧される箇所の
押圧力を緩和し、この部分の変形や痕跡が軽減すること
ができるようになっている。
【0035】以上詳述したとおり、本実施例の薄肉部を
有する射出成形体の製造方法は、キャビティ13内に樹
脂を射出して成形体1を製造する際に、型体11,12
における射出成形部(枠体)5に接する部分よりも薄肉
部材6に接する低温金型11B,12Bの温度を低く設
定することにより、キャビティ13内において、高温金
型11A,12Aおよび低温金型11B,12Bの温度
を、溶融樹脂Rおよび薄肉部材6に対して好適な温度に
した状態で、低温金型11B,12Bと高温金型11
A,12Aとの境界11cは、位置12d,25aより
も成形される成形体1の中央側へ移動しているために、
充填された溶融樹脂Rが、位置11d,25aに到達し
た際に、そのままの勢いで型体の境界に存在する僅かな
隙間に進入することを防止することができる。これによ
り、薄肉部材6が熱による影響を受けてしまい変形する
可能性を低減した状態で、薄肉部材と射出成形部との一
体性を維持することができる。また、この境界11c,
12cに進入した樹脂によりバリが形成されることが防
止でき、バリのない成形体1を成形することができる。
【0036】なお本実施形態においては、所定の形状に
切断した薄肉部材6をキャビティ面26に載置したが、
薄肉部材6を、口ール状のフィルムを供給して、雄型部
23の外周縁に沿って枠状のカッターが設けられて、連
続して薄肉部材6を供給可能とすることもできる。ま
た、図6に示すように、枠体5の垂壁部3が曲面形状と
なるようなものでもよく、薄肉部材6の周縁部の少なく
ともその一部に溶融樹脂を成形して成形体1を成形する
ものであればよく、その形状にはこだわらない。
【0037】
【発明の効果】本発明の薄肉部を有する射出成形体製造
方法および金型では、前記薄肉部材に接する部分に対応
して、前記射出成形部に対応する高温型体(高温部分)
より低温とされる低温型体(低温部分)が設けられてな
るとともに、この低温型体の輪郭が前記薄肉部材の輪郭
位置からずれた位置に設けられることにより、型体によ
り形成されたキャビティ内において、高温型体では溶融
樹脂が充分キャビティに充填されるよう溶融樹脂に対し
て好適な温度に設定した状態を維持しながら、キャビテ
ィ内に載置される薄肉部材が接触する低温金型を、薄肉
部材への熱影響を低減可能な温度に設定することがで
き、この状態で、溶融樹脂の進入する可能性のある低温
型体と高温型体との境界となる低温型体の輪郭を、薄肉
部材の端部位置からずらすことで、この溶解樹脂の進入
を防止することができることにより、薄肉部材と射出成
形部との一体性を維持した状態で、薄肉部材が熱による
影響を受ける可能性を低減し、成形体にしわができたり
いびつになるなど変形することを防止可能な状態で、バ
リのない成形体を成形することが可能な製造方法および
金型を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る薄肉部を有する射出成形体の
製造方法により製造される成形体の一実施形態を示す斜
視図である。
【図2】 本発明に係る薄肉部を有する射出成形体製
造金型の一実施形態を示す断面図である。
【図3】 本発明に係る薄肉部を有する射出成形体の
製造方法の一実施形態における製造工程を示す断面図で
ある。
【図4】 本発明に係る薄肉部を有する射出成形体の
製造方法の一実施形態における製造工程を示す断面図
(a)およびその拡大図(b)である。
【図5】 本発明に係る薄肉部を有する射出成形体の
製造方法の一実施形態における製造工程を示す断面図で
ある。
【図6】 本発明に係る薄肉部を有する射出成形体製
造金型の他の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】 1 成形体 2 接続代 3 垂壁部 4 薄肉部 5 枠体 6a 端部 6 薄肉部材 11 固定型 11c 境界 11A 高温金型 11B 低温金型 12 可動型 12c 境界 12d 端部位置 12A 高温金型 12B 低温金型 13 キャビテイ 14 ゲート 15 バルブピン 16 突き出しピン 21 固定側型板 22 固定受け板 23A 先端部 23 雄型部 24 吸引孔 25 凹部 25a 端部位置 26 キャビティ面 30A 加熱冷却孔(温度設定手段) 30B 冷却孔(温度設定手段) R 溶融樹脂 Wd 厚さ寸法 Wn 幅寸法 Ws 幅寸法
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武石 篤 新潟県新潟市小金町3丁目1番1号 三菱 マテリアル株式会社新潟製作所内 Fターム(参考) 4F202 AA28 AD08 AG03 AH33 CA11 CB12 CK11 CK42 CN05 CN22 4F206 AA28 AD08 AG03 AH33 JA07 JB12 JM04 JN44 JQ81

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに開閉可能で型閉め時に相互間に
    キャビティを形成する複数の型体間に薄肉部材を配置し
    た後型閉めし、前記キャビティ内に樹脂を射出して少な
    くとも薄肉部材の縁部付近に射出成形部を有する成形体
    を製造する際に、前記型体における前記射出成形部に接
    する部分よりも前記薄肉部材に接する部分の温度を低く
    設定するとともに、 この低温部分の輪郭が、該低温部分が前記薄肉部材に当
    接する面において、前記薄肉部材の輪郭位置からずれた
    位置に設けられることを特徴とする薄肉部を有する射出
    成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記型体において、前記射出成形部に
    接する部分が高温型体とされ、前記薄肉部材に接する部
    分が低温型体とされ、 前記高温型体と前記低温型体との繋ぎ目が、前記型体が
    前記薄肉部材に当接する面において、前記薄肉部材の輪
    郭位置からずれた位置に設けられることを特徴とする薄
    肉部を有する請求項1記載の射出成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記低温部分の輪郭が前記薄肉部材の
    輪郭位置からずれる幅寸法が0〜5mmの範囲に設定さ
    れてなることを特徴とする請求項1または2記載の射出
    成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記低温部分の輪郭が、前記薄膜部材
    の輪郭の内側に位置するよう設けられてなることを特徴
    とする請求項1から3のいずれか記載の射出成形体の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 互いに開閉可能で型閉め時に相互間に
    キャビティを形成する複数の型体間に薄肉部材を配置し
    た後型閉めし、前記キャビティ内に樹脂を射出して射出
    成形部を成形して薄肉部を有する成形体を製造する金型
    において、 前記型体の前記薄肉部材に接する部分に、前記射出成形
    部に対応する部分より低温とされる低温型体が設けられ
    てなるとともに、 この低温型体の輪郭が、該低温型体が前記薄肉部材に当
    接する面において、前記薄肉部材の輪郭位置からずれた
    位置に設けられることを特徴とする薄肉部を有する射出
    成形体製造金型。
  6. 【請求項6】 前記型体において前記射出成形部に対
    応する部分に高温型体が設けられ、 前記高温型体と前記低温型体との繋ぎ目が、該低温型体
    が前記薄肉部材に当接する面において、前記薄肉部材の
    輪郭位置からずれた位置に設けられることを特徴とする
    請求項5記載の薄肉部を有する射出成形体製造金型。
  7. 【請求項7】 前記低温型体の輪郭が前記薄肉部材の
    輪郭位置からずれる幅寸法が0〜5mmの範囲に設定さ
    れてなることを特徴とする請求項5または6記載の射出
    成形体製造金型。
  8. 【請求項8】 前記低温型体の輪郭が、該低温型体が
    前記薄肉部材に当接する面において、前記薄膜部材の輪
    郭の内側に位置するよう設けられてなることを特徴とす
    る請求項5から7のいずれか記載の射出成形体製造金
    型。
  9. 【請求項9】 前記成形体において少なくとも前記薄
    肉部材の片面縁部付近に接続代が設けられ、この接続代
    に対応する凹部が前記型体に設けられ、 前記薄肉部材に接する部分に前記低温型体が位置し、 該低温型体の周辺部付近には、前記接続代および前記射
    出成形部に対応して、前記低温型体よりも高温の高温型
    体が位置するように設けられてなるとともに、 この低温型体と高温型体との繋ぎ目が、前記凹部側の面
    において、前記凹部の輪郭位置からずれた位置に設けら
    れることを特徴とする請求項5から8のいずれか記載の
    射出成形体製造金型。
  10. 【請求項10】 前記低温型体の輪郭が、前記凹部輪
    郭の内側に位置するよう設けられてなることを特徴とす
    る請求項9記載の射出成形体製造金型。
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CN109468786A (zh) * 2018-11-30 2019-03-15 苏州爱慕内衣有限公司 分区域控温模具

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