JP2003191303A - 薄肉部を有する射出成形体の製造方法および金型 - Google Patents

薄肉部を有する射出成形体の製造方法および金型

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JP2003191303A
JP2003191303A JP2001395455A JP2001395455A JP2003191303A JP 2003191303 A JP2003191303 A JP 2003191303A JP 2001395455 A JP2001395455 A JP 2001395455A JP 2001395455 A JP2001395455 A JP 2001395455A JP 2003191303 A JP2003191303 A JP 2003191303A
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thin
temperature
cavity
injection
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JP2001395455A
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Asahiko Murayama
浅彦 村山
Atsushi Takeishi
篤 武石
Kunio Yamamoto
国雄 山本
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄肉部を確実に形成し、薄肉部付近における
熱変形等、熱による影響の低減を図る。 【解決手段】 互いに開閉可能で型閉め時に相互間にキ
ャビティ13を形成する複数の型体11,12間に薄肉
部材6を配置した後型閉めし、キャビティ13内に樹脂
Rを射出して射出成形部5を成形して薄肉部4を有する
成形体1を製造する金型において、型体11,12の薄
肉部材6に接する部分に、射出成形部5に対応する高温
金型11A,12Aより低温とされる低温型体11B,
12Bが設けられてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄肉部を有する射
出成形体の製造および金型に係り、特に、携帯電池のケ
ース等小型軽量化の求められる分野に用いて好適な技術
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
薄肉部を有するプラスチック製品を射出成形により製造
する場合には、相互に開閉可能な型体間に所望とする薄
肉部を有する成形体に対応したキャビティを形成する金
型装置を用いて、型閉め時にキャビティ内に溶融樹脂を
充填し、これを冷却固化した後型開き及び離型を行うも
のであるが、薄肉部を有するプラスチック製品では、該
当するキャビティの間隙も当然薄く形成されることにな
るので、樹脂が充填されにくいという問題点があった。
また、樹脂が充填される充填工程において、キャビティ
内には空気などの気体が存在するだけでなく、溶融樹脂
に起因するガスが発生する。これら溶融樹脂から発生す
るガス及び充填前のキャビティ内の空気は溶融樹脂によ
り圧縮されて充填不良の原因となるが、特に薄肉部にお
いては樹脂が逃げにくいために充填不良を起こしやすい
という問題点がある。
【0003】そこで、ゲート位置を工夫したりガス抜き
溝を工夫したりして薄肉部に対応するキャビティ内への
樹脂の回り込み性を向上させているが、それでも0.4
mm以下、例えば0.25mm程度の薄肉部を形成する
のは困難であるのが実情である。また、この種の薄肉部
を有する成形体を射出成形により製造した場合、溶融樹
脂を冷却固化した後難型工程が行われるが、この離型は
通常キャビティに臨んで進退可能に設けられた突き出し
ピンなどにより押し出すものであり、薄肉部は通常広い
面積を占めることが多いためここに突き出しピンが位置
することになりかねない。そうすると0.25mm程度
の薄肉部では押された部分が変形してしまうという問題
もある。
【0004】また、薄肉部を別体である薄肉部材により
形成し、これをキャビティの中に位置して他の部分を射
出成形により成形する方法もあるが、薄肉部材に対して
溶融した樹脂が接触した際や、溶融樹脂に対して好適な
温度に設定した金型装置に薄肉部材を載置した場合に、
薄膜部材が熱による影響を受けて変形する可能性があ
り、薄肉部が盛り上がってしまう等、成形体の薄肉部付
近が上手く成形できないという問題があった。
【0005】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、以下の目的を達成しようとするものである。 薄肉部を確実に形成すること。 薄肉部付近における熱変形等、熱による影響の低減
を図ること。 薄肉部材と射出成形部との密着性および一体性を維
持しつつ、薄肉部材の変形防止を図ること。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の薄肉部を有する
射出成形体の製造方法は、互いに開閉可能で型閉め時に
相互間にキャビティを形成する複数の型体間に薄肉部材
を配置した後型閉めし、前記キャビティ内に樹脂を射出
して少なくとも薄肉部材の縁部付近に射出成形部を有す
る成形体を製造する際に、前記型体における前記射出成
形部に接する部分よりも前記薄肉部材に接する部分の温
度を低く設定することにより上記課題を解決した。本発
明において、前記薄肉部材に接する部分の温度が薄肉部
材における軟化点より低く設定されることが望ましい。
また、本発明の薄肉部を有する射出成形体製造金型にお
いて、互いに開閉可能で型閉め時に相互間にキャビティ
を形成する複数の型体間に薄肉部材を配置した後型閉め
し、前記キャビティ内に樹脂を射出して射出成形部を成
形して薄肉部を有する成形体を製造する金型において、
前記型体の前記薄肉部材に接する部分に、前記射出成形
部に対応する部分より低温とされる低温型体が設けられ
てなることにより上記課題を解決した。本発明の前記成
形体において少なくとも前記薄肉部材の片面縁部付近に
接続代が設けられ、この接続代に対応する凹部が前記型
体に設けられ、前記薄肉部材に接する部分に前記低温型
体が位置し、該低温型体の周辺部付近には、前記接続代
および前記射出成形部に対応して、前記低温型体よりも
高温の高温型体が位置するように設けられてなることが
できる。本発明においては、前記低温型体に、該低温型
体を所定の温度に設定する温度設定手段が設けられてな
る手段や、前記高温型体に、該高温型体を所定の温度に
設定する温度設定手段が設けられてなる手段を採用する
ことができる。
【0007】本発明の薄肉部を有する射出成形体の製造
方法は、キャビティ内に樹脂を射出して成形体を製造す
る際に、前記型体における前記射出成形部に接する部分
よりも前記薄肉部材に接する部分の温度を低く設定する
ことにより、キャビティ内において、射出成形部に対応
する部分では溶融樹脂に対して好適な温度に設定した状
態を維持したままで、キャビティ内の薄肉部材が接触す
る部分の温度を、薄肉部材に対して熱影響を低減可能な
温度にすることができる。さらに、薄肉部材に対してキ
ャビティ内に射出された溶融樹脂が接触した場合に、射
出成形部と接続する部分以外の薄肉部材を好適な温度に
維持することができる。これらにより、薄肉部材が熱に
よる影響を受けてしまい変形する可能性を低減すること
ができ、成形体の薄肉部付近をしわやいびつになること
なく成形することができる。
【0008】本発明において、前記薄肉部材に接する部
分の温度が薄肉部材における軟化点より低く設定される
ことにより、薄肉部材において熱影響により変形等おこ
すことを防止することができる。ここで、薄肉部材とし
て例えばポリカーボネート等が適応された場合には、上
記の前記薄肉部材に接する部分の温度が100℃〜20
℃程度の範囲に設定されることが好ましく、より好まし
くは90℃〜50℃程度に設定されることができる。こ
こで、設定温度が上記温度より高く設定された場合であ
ると、ポリカーボネートとされる薄肉部材が熱変形しま
い好ましくない。また上記の温度より低く設定された場
合には、隣接する射出成形部を形成するための溶融樹脂
が充分キャビティに充填されないなどの影響が出るため
好ましくない。
【0009】また、本発明の薄肉部を有する射出成形体
製造金型において、前記薄肉部材に接する部分に対応し
て、前記射出成形部に対応する部分より低温とされる低
温型体が設けられてなることにより、型体により形成さ
れたキャビティ内において、射出成形部に対応する部分
では、溶融樹脂が充分キャビティに充填されるよう溶融
樹脂に対して好適な温度に設定した状態を維持しなが
ら、キャビティ内に載置される薄肉部材が接触する低温
金型を、薄肉部材への熱影響を低減可能な温度に設定す
ることができる。さらに、薄肉部材に対してキャビティ
内に充填された溶融樹脂が接触した場合であっても、低
温型体を射出成形部と接続する部分以外の薄肉部材が変
形等をおこさない好適な温度に維持することができる。
これらにより、薄肉部材と射出成形部との一体性を維持
した状態で、薄肉部材が熱による影響を受ける可能性を
低減し、成形体にしわができたりいびつになるなど変形
することを防止可能な金型を提供することができる。
【0010】本発明における、前記薄肉部に対応した部
分に前記低温型体が設けられることにより、キャビティ
内に載置される薄肉部材に対する熱影響を低減すること
が可能となる。また、該低温型体の周辺部付近に、接続
代および射出成形部に対応して、前記低温型体よりも高
温の高温型体が設けられてなることにより、低温型体周
囲付近の接続代および射出成形部に対応する部分では、
薄肉部材と射出成形部との一体性を維持した状態となる
ように溶融樹脂をキャビティに充填可能に溶融樹脂に対
して好適な温度に設定した状態を維持することができ
る。
【0011】本発明においては、前記低温型体に、該低
温型体を所定の温度に設定する温度設定手段が設けられ
てなる手段を採用することにより、低温型体における温
度を適切な状態に設定し、薄肉部材に対する熱影響を低
減することができる。また、前記高温型体に、該高温型
体を所定の温度に設定する温度設定手段が設けられてな
る手段を採用することにより、高温型体における温度を
適切な状態に設定し、射出成形部に対応する部分で溶融
樹脂が充分キャビティに充填されるようにすることが可
能となるとともに、樹脂のキャビティへの充填工程後、
冷却固化工程において、射出成形部に対応するキャビテ
ィ付近を所定の温度状態にすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る薄肉部を有す
る射出成形体の製造方法および金型の一実施形態を、図
面に基づいて説明する。図1は、本実施形態により製造
可能な薄肉部を有する射出成形体の一例を示しており、
同図において成形体1は略箱体状で、平面状の薄肉部4
と、この薄肉部4の周縁に形成された垂壁部3と、長方
形状の薄肉部4の下側に位置して垂壁部3に接続する接
続代2とからなっている。図1に示すように、この薄肉
部4の厚さ寸法Wdは0.40mm以下、具体的には約
0.25mm〜0.20mmに設定されている。
【0013】このような本実施例における成形体1は、
薄肉部4下側に位置する接続代2と垂壁部3とからなる
枠体(射出成形部)5と、垂壁部3により囲まれた形状
を有し接続代2において枠体5と一体的に接合した薄肉
部4を構成する薄肉部材6とからなる。この薄肉部材6
は、例えばポリカーボネート等からなり、枠体5を構成
する例えばポリカーボネート等とされる射出樹脂と同じ
材質もしくは射出樹脂と融合性を有する樹脂材料からな
る。ここで融合性とは、射出樹脂の熱等によって軟化等
して一体化する性質のことである。なお、図1において
薄肉部材6は説明の便宜上、識別可能に図示してあるが
実際には枠体5との間に境界はなく完全に一体化してい
る。
【0014】上記の接続代2の幅寸法は、図1にWnで
示すように、薄肉部材6の縁部とこの薄肉部材6の縁部
に設けられた接続代2の成形体1中央側の端部との長さ
寸法であり、この幅寸法Wnは、薄肉部4の厚さ寸法W
dの100〜1/4倍の範囲に設定されており、具体的
には5mm程度に設定されることが好ましい。ここで、
接続代2の幅寸法Wnが薄肉部4の厚さ寸法Wdの10
0倍より大きく設定された場合、特に10mmより大き
く設定された場合には、射出樹脂の熱による薄肉部材6
の変形が大きくなり好ましくない。また、上記の範囲よ
り小さい値に設定した場合には、薄肉部材と射出成形部
との密着性が低下して好ましくない。
【0015】次に上述したような成形体1を製造する方
法について図2ないし図5に基づいて説明する。
【0016】図2は、本実施形態により製造可能な薄肉
部を有する射出成形体製造金型の一例を示しており、図
において、符号11は成形体1の内面側を形成する固定
型であり、12は成形体1の外面側を形成する可動型で
あり、射出成形用金型の型体であるこれら固定型11お
よび可動型12は、互いに図示上下方向へ移動して開閉
し、型閉め時に相互間に枠体5形状のキャビティ13を
形成するものである。
【0017】固定型11は、キャビティ13内に薄肉部
材6が配置された際にこの薄肉部材6に接触する部分が
低温金型(低温型体)11Bとされている。低温金型1
1Bはキャビティ13の中央付近に配置され、この低温
金型11Bの周囲は後述する溶融樹脂Rがキャビティ1
3内に充填された際にこの溶融樹脂Rに接触する部分が
高温金型(高温型体)11Aとされている。高温金型1
1Aはキャビティ13の周縁部に位置して設けられる。
可動型12は、キャビティ13内に薄肉部材6が配置さ
れた際にこの薄肉部材6に接触する部分が低温金型(低
温型体)12Bとされている。低温金型12Bはキャビ
ティ13の中央付近に配置され、この低温金型12Bの
周囲は後述する溶融樹脂Rがキャビティ13内に充填さ
れた際にこの溶融樹脂Rに接触する部分が高温金型(高
温金型)12Aとされている。高温金型12Aはキャビ
ティ13の周縁部に位置して設けられる。
【0018】低温金型11B,12Bには、低温金型1
1B,12Bの温度を所定の値に維持するための温度設
定手段として冷却孔30B、30Bが設けられる。この
冷却孔30Bは、キャビティ13に沿うように設けられ
る。冷却孔30Bの内部には、図示しない冷却媒体供給
手段から供給された水等の冷却媒体が流通され、この状
態で低温金型11B,12Bを冷却して、薄肉部材6が
熱の影響を受けない温度になるよう温度設定をおこなう
構成とされる。ここで、低温金型11B,12Bの温度
は、100℃〜20℃程度の範囲に設定されることが好
ましく、より好ましくは90℃〜50℃程度に設定され
ることができる。ここで、設定温度が上記温度より高く
設定された場合には、ポリカーボネートとされる薄肉部
材6が熱変形しまい好ましくない。また上記の温度より
低く設定された場合には、隣接する射出成形部5を形成
するための溶融樹脂Rが充分キャビティ13に充填され
ないなどの影響が出るため好ましくない。
【0019】高温金型11A,12Aには、高温金型1
1A,12Aの温度を所定の値に維持するための温度設
定手段として加熱冷却孔30A、30Aが設けられる。
この加熱冷却孔30Aは、キャビティ13の周縁の射出
成形部に沿うように設けられる。加熱冷却孔30Aの内
部には、図示しない加熱冷却媒体供給手段から供給され
た水等の加熱冷却媒体が流通され、この状態で高温金型
11A,12Aを加熱して、後述する溶融樹脂Rの温度
を維持して、その充填時に影響がでないよう温度設定を
おこなう。ここで、高温金型11A,12Aの温度が1
60℃〜50℃程度の範囲に設定されることが好まし
い。ここで、設定温度が上記温度より高く設定された場
合には、ポリカーボネート等とされる溶融樹脂Rが熱変
形する等の影響があり好ましくない。また上記の温度よ
り低く設定された場合には、溶融樹脂Rが容易にキャビ
ティ13に充填されないなどの影響が出るため好ましく
ない。
【0020】固定型11は、キャビティ13に開口する
ゲート14を有するとともに、このゲートを開閉するバ
ルブピン15を有し、前記ゲート14から溶融樹脂Rが
キャビティ13内に充填される。このゲート14は、成
形体1の垂壁部3下端部に対応する位置に開口するよう
に設けられる。また、固定型11には、先端がキャビテ
ィ13に臨んで位置する突き出しピン16を有してい
る。この突き出しピン16は、突き出す前は光端がキャ
ビティ13の面と同一面で、キャビティ13の面からそ
の先端が突き出て成形体1を離型するものである。この
突き出しピン16先端は、成形体1の垂壁部3下端部に
対応する位置に設けられる。
【0021】上述したような金型装置において、固定型
11は、固定側型板21とこの固定側型板21の背面図
示下面に取り付けられた固定受け板22とを有し、固定
側型板21には、薄肉部4すなわち薄肉部材6の形状に
対応して雄型部23が形成されており、この雄型部23
のキャビティ13側には、成形体1の接続代2に対応し
て凹部25が周設されている。この凹部25の幅寸法
は、接続代2の幅寸法Wnに対応するように設定されて
おり、また、凹部25の深さ寸法は、接続代2の厚み寸
法に対応するように設定されている。一方、可動型12
の雄型部23に対応する位置のキャビティ面26には、
薄肉部材6の位置に臨んで微小な吸引孔24が形成され
ている。また、キャビティ13に連通して図示しないガ
ス抜き孔も形成されている。固定型11の雄型部23に
おける先端部23A、つまり凹部25以外の部分は、可
動型12のキャビティ面と型閉め時に近接して、可動型
12のキャビティ13面に対してごくわずかな間隔(本
実施例においては、0.25mmまたは0.20mm以
下)を形成するか、もしくはほぼ当接するようになって
いる。
【0022】前記構成につきその作用を説明する。図3
〜図5は、本実施形態により製造可能な薄肉部を有する
射出成形体製造方法における製造工程を示しており、図
3に示すように、はじめに固定型11と可動型12とは
型開き状態にあり、ここでキャビティ面26上に薄肉部
材6を載置する。このとき冷却孔30Bの内部には、図
示しない冷却媒体供給手段から供給された水等の冷却媒
体を流通することで、低温金型11B,12Bの温度が
所定の状態に設定される。同時に、吸引孔24からエア
を吸引して、薄肉部材6をキャビティ面26上にしっか
りと位置決めする。
【0023】このようにして薄肉部材6をセットしたら
固定型11と可動型12とを型閉めすると、図2に示す
ように固定型11の雄型部23先端部23Aが可動型1
2のキャビティ面26に薄肉部材6を介在して当接す
る。このとき、加熱冷却孔30A,冷却孔30Bの内部
には、図示しない加熱冷却媒体供給手段,冷却媒体供給
手段から供給された水等の加熱冷却媒体,冷却媒体を流
通することで、高温金型11A,12A,低温金型11
B,12Bの温度をそれぞれ所定の状態に維持する。そ
して、図4(a)に示すようにゲート14からキャビテ
イ13内に溶融樹脂Rを射出する(充填工程)。この充
填工程において図示しない排気手段を作動させることに
よりガス抜き孔からキャビテイ13内のガス(空気及び
溶融樹脂Rから発生するガス)を吸引し、充填終了とほ
ぼ同時に吸引を停止する。このようにガス抜きを行うこ
とにより溶融樹脂Rがキャビテイ13の全体にスムーズ
に流れて良好な充填が行われる。
【0024】このとき、キャビテイ13内に充填された
溶融樹脂Rは、図4(b)に示す矢印のように、キャビ
ティ13内において移動し、薄肉部材6の端部6aに到
達し、さらに凹部25に溶融樹脂Rが入り込む。溶融樹
脂Rがキャビテイ13内に充填されると、溶融樹脂Rの
熱により薄肉部材6の縁部、すなわち固定型11の雄型
部23に当接していない箇所に接続代2が形成されると
ともに、この薄肉部材6の部分が軟化もしくは溶融して
両者が一体的に接合して成形体1が形成される。このと
き、温度設定手段により高温金型11A,12A,低温
金型11B,12Bの温度を所定の状態に維持している
ため、薄肉部材6における接続代2と接する部分および
端部6a以外では、溶融樹脂Rから受ける熱影響を低減
することができ、薄肉部材6全体が熱変形してしまうこ
とが防止できる。
【0025】そして、キャビテイ13に充填した溶融樹
脂Rを冷却固化する。このとき、加熱冷却孔30Aの内
部には、図示しない加熱冷却媒体供給手段から供給され
た水等の加熱却媒体を流通することで、高温金型11
A,12Aを冷却して、冷却固化工程における作業時間
を短縮することが可能となる。ここで、高温金型11
A,12Aの温度は、160℃〜50℃程度にすること
ができる。その後、図5に示すように固定型11と可動
型12とを型開きし、これに続く離型工程において突き
出しピン16が作動する。この突き出しピン16は、キ
ャビテイ13に臨んで配置されており、垂壁部3下端部
に位置しているので離型時に薄肉部4に変形をきたすお
それがない。このとき吸引孔24およびガス抜き孔から
微弱にエアを吐出してやることにより、成形体1が離型
するのを補助することができるため、離型しやすくなっ
ているとともに突き出しピン16により押圧される箇所
の押圧力を緩和し、この部分の変形や痕跡が軽減するこ
とができるようになっている。
【0026】以上詳述したとおり、本実施例の薄肉部を
有する射出成形体の製造方法は、キャビティ13内に樹
脂を射出して成形体1を製造する際に、型体11,12
における射出成形部(枠体)5に接する部分よりも薄肉
部材6に接する低温金型11B,12Bの温度を低く設
定することにより、キャビティ13内において、射出成
形部5に対応する高温金型11A,12Aでは溶融樹脂
Rに対して好適な温度に設定した状態を維持したまま
で、キャビティ13内の薄肉部材6が接触する低温金型
11B,12Bの温度を、薄肉部材6に対して熱影響を
低減可能な温度にすることができる。さらに、薄肉部材
6に対してキャビティ13内に射出された溶融樹脂Rが
接触した場合に、射出成形部5と接続する端部6aおよ
び接続代2に接続する部分以外の薄肉部材6を好適な温
度に維持することができる。これらにより、薄肉部材6
が熱による影響を受けてしまい変形する可能性を低減す
ることができ、成形体1をしわやいびつになることなく
成形することができる。また、溶融樹脂Rの充填時に
は、加熱冷却孔30A,冷却孔30Bの内部に、図示し
ない加熱冷却媒体供給手段,冷却媒体供給手段から供給
された水等の加熱冷却媒体,冷却媒体を流通すること
で、高温金型11A,12A,低温金型11B,12B
の温度を所定の状態に維持することができる。
【0027】なお本実施形態においては、所定の形状に
切断した薄肉部材6をキャビティ面26に載置したが、
薄肉部材6を、口ール状のフィルムを供給して、雄型部
23の外周縁に沿って枠状のカッターが設けられて、連
続して薄肉部材6を供給可能とすることもできる。ま
た、図6に示すように、枠体5の垂壁部3が曲面形状と
なるようなものでもよく、薄肉部材6の周縁部の少なく
ともその一部に溶融樹脂を成形して成形体1を成形する
ものであればよく、その形状にはこだわらない。
【0028】
【発明の効果】本発明の薄肉部を有する射出成形体製造
方法および金型では、前記薄肉部材に接する部分に対応
して、前記射出成形部に対応する部分より低温とされる
低温型体が設けられてなることにより、射出成形部に対
応する高温金型部分では、溶融樹脂が充分キャビティに
充填されるよう溶融樹脂に対して好適な温度に設定した
状態を維持したままで、キャビティ内に載置される薄肉
部材が接触する低温型体を、薄肉部材への熱影響を低減
可能な温度に設定することができ、薄肉部材が熱による
影響を受けてしまい変形する可能性を低減可能な金型を
提供することができる。本発明において、前記薄肉部材
に接する部分の温度が薄肉部材における軟化点より低く
設定されることにより、薄肉部材において熱影響により
変形等おこすことを防止することができる。本発明にお
いては、前記低温型体および高温型体に、低温型体およ
び高温型体を所定の温度に設定する温度設定手段が設け
られてなる手段を採用することにより、低温型体におけ
る温度を適切な状態に設定し、薄肉部材に対する熱影響
を低減するとともに、高温型体における温度を適切な状
態に設定し、射出成形部に対応する部分で溶融樹脂が充
分キャビティに充填されるようにすることが可能となる
とともに、樹脂のキャビティへの充填工程後、冷却固化
工程において、射出成形部に対応するキャビティ付近を
所定の温度状態にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る薄肉部を有する射出成形体の
製造方法により製造される成形体の一実施形態を示す斜
視図である。
【図2】 本発明に係る薄肉部を有する射出成形体製
造金型の一実施形態を示す断面図である。
【図3】 本発明に係る薄肉部を有する射出成形体の
製造方法の一実施形態における製造工程を示す断面図で
ある。
【図4】 本発明に係る薄肉部を有する射出成形体の
製造方法の一実施形態における製造工程を示す断面図
(a)およびその拡大図(b)である。
【図5】 本発明に係る薄肉部を有する射出成形体の
製造方法の一実施形態における製造工程を示す断面図で
ある。
【図6】 本発明に係る薄肉部を有する射出成形体製
造金型の他の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 成形体 2 接続代 3 垂壁部 4 薄肉部 5 枠体 6a 端部 6 薄肉部材 11 固定型 11A 高温金型 11B 低温金型 12 可動型 12A 高温金型 12B 低温金型 13 キャビテイ 14 ゲート 15 バルブピン 16 突き出しピン 21 固定側型板 22 固定受け板 23A 先端部 23 雄型部 24 吸引孔 25 凹部 26 キャビティ面 30A 加熱冷却孔(温度設定手段) 30B 冷却孔(温度設定手段) R 溶融樹脂 Wd 厚さ寸法 Wn 幅寸法
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 国雄 新潟県新潟市小金町3丁目1番1号 三菱 マテリアル株式会社新潟製作所内 Fターム(参考) 4F202 AA28 AD08 AG03 AH33 AR06 CA11 CB01 CB12 CK11 CN05 CN21 4F206 AA28 AD08 AG03 AH33 AR064 JA07 JB12 JM04 JN44 JQ81

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに開閉可能で型閉め時に相互間に
    キャビティを形成する複数の型体間に薄肉部材を配置し
    た後型閉めし、前記キャビティ内に樹脂を射出して少な
    くとも薄肉部材の縁部付近に射出成形部を有する成形体
    を製造する際に、前記型体における前記射出成形部に接
    する部分よりも前記薄肉部材に接する部分の温度を低く
    設定することを特徴とする薄肉部を有する射出成形体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記薄肉部材に接する部分の温度が薄
    肉部材における軟化点より低く設定されることを特徴と
    する請求項1記載の射出成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 互いに開閉可能で型閉め時に相互間に
    キャビティを形成する複数の型体間に薄肉部材を配置し
    た後型閉めし、前記キャビティ内に樹脂を射出して射出
    成形部を成形して薄肉部を有する成形体を製造する金型
    において、 前記型体の前記薄肉部材に接する部分に、前記射出成形
    部に対応する部分より低温とされる低温型体が設けられ
    てなることを特徴とする薄肉部を有する射出成形体製造
    金型。
  4. 【請求項4】 前記成形体において少なくとも前記薄
    肉部材の片面縁部付近に接続代が設けられ、この接続代
    に対応する凹部が前記型体に設けられ、 前記薄肉部材に接する部分に前記低温型体が位置し、 該低温型体の周辺部付近には、前記接続代および前記射
    出成形部に対応して、前記低温型体よりも高温の高温型
    体が位置するように設けられてなることを特徴とする請
    求項3記載の射出成形体製造金型。
  5. 【請求項5】 前記低温型体には、該低温型体を所定
    の温度に設定する温度設定手段が設けられてなることを
    特徴とする請求項3または4記載の射出成形体製造金
    型。
  6. 【請求項6】 前記高温型体には、該高温型体を所定
    の温度に設定する温度設定手段が設けられてなることを
    特徴とする請求項4または5記載の射出成形体製造金
    型。
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CN113715287A (zh) * 2021-08-31 2021-11-30 浙江天能精工科技有限公司 一种电池塑壳热流道注塑模具结构及方法

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