JP2003189842A - 香味と風味が改善され梅酒の製造方法 - Google Patents

香味と風味が改善され梅酒の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】副生する梅種子の有効利用を計りつつ、香味と
風味の改善された、梅酒を短期間に製造出来るだけでな
く、梅の種子仁に含まれる生理活性成分が効率的に抽出
された、梅酒とその製造法の提供。 【解決手段】生の梅から得た種子仁と共に青梅を焼酎類
及び蔗糖と糖アルコールとの混合液に浸漬する。またエ
タノールに浸漬した梅の花を後刻浸漬する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、青梅から得られた新鮮
な、生の梅の種子仁と共に青梅を焼酎類及び蔗糖と低エ
ネルギー値で、難消化性又は非消化性の糖アルコールの
少なくとも一種との混合液に浸漬することを特徴とす
る、香味と風味が改善され且つ品質が均一化された、ア
ルカリ性の高い梅酒を工業的な規模で而も短縮された期
間で製造する方法に係る。更に本発明は、青梅から得ら
れた新鮮な、梅の種子仁と共に青梅を焼酎類及び蔗糖と
低エネルギー値で、難消化性又は非消化性の糖アルコー
ルの少なくとも一種との混合液に浸漬して得られる梅酒
に、エタノールに漬け込んだ梅の花を出荷前に添加する
ことを特徴とする、更に一層香味と風味が改善され且つ
品質が均一化された、アルカリ性の高い梅酒を工業的規
模で且つ短縮された期間で製造する方法にも係る。
【0002】
【従来の技術】酒とは、一般にアルコールを含有する飲
料をいうものとされるが、有史以前から世界各地で独特
の酒類が造られ、人間の歴史の重要な一局面をなしてい
る。現在では、日本酒などの醸造酒、ビールに代表され
る穀物酒及びウイスキー、ジン、焼酎など蒸留酒に大別
され、量的に少ないがこの以外に果実を原料とした醸造
した果実酒が挙げられる。前述したように、酒類はその
まま飲用されるほか、その長い歴史の過程で主としてワ
イン、ブランデーなどに糖類や薬草など芳香性植物、香
味料、色素などを添加して香気や薬用成分など含有物質
を浸出させた所謂リキュールと称されるものがヨーロッ
パで発達し、主として食前酒や強壮健胃剤として愛用さ
れてきた。代表的な薬草としては、ニガヨモギ、ナツメ
グ、ハッカ、丁子、アニスなどが挙げられる。
【0003】一方我国においては税制の制約もあり、特
に第二次大戦後、家庭内での消費に目的を限定した所謂
果実酒が普及してきたが、これは二次醗酵を阻止するた
め専ら甲種焼酎を用いて果実(アンズ、梅、カリン、か
んきつ類など)、草根(朝鮮人参、にんにく、ウコンな
ど)、花(菊、ベニバナなど)、葉(アロエ、ヨモギ、
アシタバなど)また地域によっては毒蛇(マムシ、ハブ
など)などを浸漬し、アルコール又はアルコールと併用
した糖分による浸透圧作用により含有成分を浸出させる
もので、健胃、発汗、強壮、鎮痛、解熱、鎮咳、疲労回
復などの種々の医療・保健目的に使用されているが、梅
酒や朝鮮人参酒を除いて殆ど家庭内に留まり、広く普及
している訳ではない。中でも、梅を用いた梅酒は生産量
が最も多く、クエン酸やリンゴ酸が大量に含まれている
ため、健胃整腸、疲労回復、消化促進、暑気あたり回復
などの効果が古来言われてきた
【0004】従来梅の実は、クエン酸など有機酸及びカ
ルシウム、マグネシウムなどのミネラル成分を大量に含
有する強力なアルカリ性食品として1000年以前から
殺菌効果、活力増進、老化防止、疲労回復や血液浄化な
どの効能・効果がうたわれ、青梅を塩漬けにした梅干し
や青梅の果肉のみを濃縮処理した梅エキスまた青梅を大
量の蔗糖と共にアルコール水溶液に漬け込んで得られる
梅酒として愛用されてきた。このような梅の効果の根拠
としては、クエン酸やリンゴ酸などの有機酸類の含量が
高く、生体内ではミトコンドリアでのエネルギー代謝に
おけるクエン酸サイクルの回転速度の効率化・高速化効
果、カルシウムや鉄の吸収促進効果を生じることに帰結
されてきた。
【0005】更には、最新の科学的知見によれば、全て
の植物は、その生体内に含む多種多様な抗酸化物質(フ
ァイトケミカル)によって紫外線などに由来する活性酸
素の有害作用から自らを防御しており、植物性食品の持
つ有用性と重要性も、このような新しい視点から改めて
強調されている。梅にも未だ同定されていないものの他
の植物と同様に多種類のファイトケミカル類が、無数と
言っていいほど含有されていることは当然であり、これ
らが有効に生体内に摂取された結果生じる多様な相互作
用により、免疫機能強化作用、活性酸素消去効果、抗変
異原性作用などが惹起され、梅の持つ数多くの好ましい
生理学的効果に関与しているものと考えられる。
【0006】しかしながら、梅干しは、塩分含量が高い
ため、腎臓病、高血圧や肝臓病に罹患した患者の摂取に
は問題が多く、また一般の健常成人や乳幼児の摂取に際
しても塩分の過剰摂取のほか、梅エキスの場合と同様に
強い酸味のため摂取が著しく限られ、殺菌効果は別にし
て、前記したごとき活力増進、老化防止、疲労回復や血
液浄化などの生理学的効果が、結果的に殆ど期待出来な
い。このような梅に独特な強い酸味を抑えるために、例
えば梅酒の調製時に大量の蔗糖が添加されているが、そ
のため得られた梅酒は、アルカリ性食品としての特徴を
失う結果、生体内においては過剰のグルコース摂取によ
って、シトクロームP450の解毒機能が阻害され、エ
チルアルコールの毒性が倍化され、体液の酸性化、悪酔
いなどの、反って健康上重大な問題を招来するとも限ら
ない。更には、蔗糖類を過大に摂取した場合、グルコー
スの水酸基とタンパク質のカルボニル基との縮合反応
(メイラード又はマイヤール反応)によってグルコース
−タンパク質間糖化架橋結合が多量に生成するため、ヒ
トのあらゆる組織及びその基底膜において硬化と黄変色
を招来し、その結果動脈壁の肥厚・硬化、関節の硬結、
筋肉の脆弱化や全ての臓器の機能衰退の原因となること
が明らかにされている。即ち、蔗糖の過剰摂取がグルコ
ース−タンパク質間糖化架橋結合を過剰に生成させるた
め、例えば糖尿病発症やそれに伴なう動脈硬化や網膜症
などのみならずシュレム管の硬化による房水循環障害に
起因した緑内障や前立腺組織の硬化・肥大による前立腺
肥大や前立腺ガンなど、多くの成人病発症の原因となる
ので、蔗糖などインスリン依存性糖類を多量に不用意に
摂取することは厳に回避する必要がある。このような状
況に鑑みても、梅の果実の加工においては蔗糖など単糖
類や二糖類などの使用量は、可能な限り低いレベルに抑
えることが望ましい。
【0007】更には、昨今市場の大半を占める、酸味を
抑えた所謂「調味梅干し」や「かつお梅干し」などは、
通常の量の食塩に加えて、有機酸塩や縮合リン酸塩など
の無機塩からなる食品添加物を含む調味料が、使用され
ているため、クエン酸など有機酸の大半が失われて梅本
来の効能効果が期待出来ないのみならず、食塩だけでな
く多くの食品添加物を過剰摂取することになり、長期間
継続摂取した場合の危険性は測りようがなく、同様に健
康上大きな問題を抱えている。いずれにしろ、上記した
ような健康上の理由から、梅果実の加工製品に使用する
インスリン依存性の単糖類や二糖類と共に添加物類の量
を大幅に低下させる必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の一般的な製造方
法によれば、一般的に梅酒の製造に際しては、生の梅果
実を洗浄し、水気を切ってからそのまま焼酎と砂糖の混
合液に漬け込み、最低6ヶ月以上おいた場合飲用に適す
るが、漬け込む時間が長い方が、熟成が進行する過程で
梅の成分の浸出が多くなり、2乃至3年間の漬け込みに
より得られる梅酒が、香味豊かで且つ美味であるとされ
る。焼酎としてはアルコール濃度の異なるいくつかの種
類のものが利用可能であるが、通常は35度の甲種焼
酎、即ちホワイトリカーを用い、また砂糖は、グラニュ
ー糖や氷砂糖が汎用され、通常焼酎1リットル当たり約
0.5kgの青梅を使用した場合300乃至500グラ
ム程度用いられる。砂糖の代わりにハチミツやブドウ糖
を用いる場合もある。しかし梅の果実の有効含有成分を
充分に浸出させ、香味と風味がよい梅酒を得るには2乃
至3年間もの長期間の漬け込みが必要であり、工業的規
模で大量生産するためには、それに見合う大規模な熟成
貯蔵保管施設の建設が不可欠であり、莫大な初期投資を
伴なうという問題があった。
【0009】また上述したように、梅酒の製造において
は梅の酸味を中和して飲みやすくするなどの目的のため
に、通常大量の蔗糖を併用するが、精白砂糖など蔗糖類
は、典型的な酸性食品であり、その過剰摂取は体液を酸
性化させる。その結果、青梅がクエン酸、リンゴ酸など
の有機酸類など他に比類のない優れたアルカリ食品であ
り、多くの好ましい生理学的作用を発揮するという特徴
が、ほぼ100%阻害されると見なされる。とはいえ、
砂糖の使用量を抑えれば、焼酎の比重を上げることによ
る抽出の効率化が少なくなり、それだけ浸漬期間は長く
なるほか均一な品質の確保が困難となるなどの重大な問
題点があった。即ち、梅酒として品質上のムラを隠蔽す
るため、必要以上の大量の砂糖を使用して過大な甘味を
付与した梅酒を製造せざるを得ないと言えなくもなく、
その結果梅果実のアルカリ食品としての特徴が阻害さ
れ、健康食品としての訴求力が無くなる。而も砂糖とア
ルコールとの同時摂取により、活性酸素生成、体液酸性
化など悪影響が倍化され、その結果悪酔いや二日酔いな
どが招来されるため、梅酒を普及させる上で致命的な欠
陥となっている。
【0010】更に、梅干や梅酒の加工に適さない青梅を
有効利用するため、本発明者は、かかる規格外品である
青梅から果肉のみを分離して梅エキスや梅肉の製造を行
ってきたが、この際副生する大量の種子は、殻が大きく
而も固くまた含水量が高いので、埋め立てや焼却処分の
何れにも適さず、環境保護の観点から有効利用を計る要
求が高い。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記した
三つの課題を一挙に解決するため鋭意検討を続けてきた
が、その結果生梅をそのまま梅干や梅酒に加工する代わ
りに、先ず果肉と種子とに分離し、果肉を梅エキスや梅
肉に加工する一方、副生する種子を従来のように産業廃
棄物として廃棄することなく、殻を破砕することによっ
て、何らの変質を伴なうことなく種子仁を効率よく且つ
大量に得ることができること、また得られた種子仁を焼
酎及び蔗糖と少なくとも一種の糖アルコールから成る浸
漬液に一定量以上添加することによって、香味と風味が
改善され梅酒を短期間で製造することが出来ること、ま
たマルチトールなど低エネルギー値で、難消化性又は非
消化性の糖アルコールを併用して蔗糖の添加使用量を低
減させることによって梅酒のアルカリ性維持などの品質
の均一化が確保出来ることを見出し、本発明を完成する
に到った。
【0012】本発明は、青梅を青梅から得られた梅仁と
共に、焼酎及び砂糖とマルチトールの混合物に浸漬する
ことを特徴とする、風味と香味が改善された、品質が均
一化されたアルカリ性梅酒を短期間で且つ工業的な大規
模で製造する方法、及びかくして製造された梅酒に、エ
タノールに漬け込んだ梅の花を後刻、出荷前に添加する
ことを特徴とする、さらに梅花の香味と風味が増強され
た、前記梅酒の工業的製造方法に係わる。
【0013】本発明の方法に従えば、生梅と共に新鮮な
梅種子仁を焼酎に漬け込むことによって、香味成分、風
味成分など好ましい生理活性成分を抽出して活用できる
ばかりでなく、低エネルギーであるか又は難消化性又は
非消化性の糖アルコール、例えばマルチトールを併用し
て砂糖など甘味料の添加量を低減させることが可能とな
り、風味と香味が改善された、飲用した場合体液のアル
カリ性を維持する、均一で安定した品質の梅酒が、著し
く短縮された期間で製造することが出来る。また前記し
た本発明の方法において、開花時期に採取し、エチルア
ルコールに浸漬して保存した梅の花を併存させ、独特の
香味と風味を一層増強させることが出来る。従って本発
明の方法よれば、副生する梅種子の有効利用を計ると同
時に、初期投資を大幅に低減させつつ、香味や風味、ア
ルカリ性など品質が大幅に改善された梅酒の工業的規模
での効率的な製造が可能となるのである。
【0014】
【発明の実施の態様】本発明に係わる梅酒の工業的製造
方法においては、選別工程において所定の規格を満たす
ものと判定された青梅果実を選別し、清水で充分洗浄し
たあと、水気を切って焼酎に漬け込む。使用する焼酎
は、甲種又は乙種また25度乃至35度の何れのもので
もよいが、香りが少ないホワイトリカーと称される35
度の甲種焼酎が好ましく、1リットル当たり約0.3乃
至0.7kg、好ましくは0.5乃至0.6kgの青梅
を仕込む。
【0015】また焼酎には、通常の梅酒つくりの場合と
同様に予め上白砂糖、グラニュー糖、氷砂糖など何れか
一種以上の蔗糖に加えて、難消化性又は非消化性である
マルチトールなどの糖アルコールの少なくとも一種との
混合物を、焼酎1リットル当たり0.1乃至0.6kg
の割合、好ましくは0.2乃至0.5kg、更に好まし
くは0.3乃至0.4kgの割合で加えて本発明に係わ
る梅酒製造法の浸漬液とする。
【0016】蔗糖とマルチトールとの混合割合は、低エ
ネルギー値や難消化性又は非消化性である糖アルコール
の比率を多くするのがよく、例えば10−50:90−
50、好ましくは20−30:70−80、更には好ま
しくは20−25:75−80程度である。
【0017】なお糖アルコールについて述べるならば、
食材の種類が豊富と成るにつれて、エネルギー摂取量が
全般的に過大となっている現在、低エネルギーで甘過ぎ
ず且つ生理液機能を併せ持つ新しい甘味料として、糖ア
ルコールが注目を集めている。例えば、エネルギー値ゼ
ロで非う蝕性のエリスリトール、非う蝕性のキシリトー
ル、吸湿性が高い、非う蝕性のソルビトール、低エネル
ギーで血糖値を上げないマンニトール、非う蝕性、難消
化性、インスリン非依存性、体脂肪蓄積抑制性、カルシ
ウム吸収促進効果などを有するマルチトールなどが、蔗
糖代替甘味料や食品添加物として広く使用されつつあ
る。本発明においては、蔗糖の過剰摂取によるグルコー
ス−タンパク質間糖化架橋結合の生成を抑制しまた低い
エネルギー値や難消化性、従って体液の酸性化の防止機
能及びシトクロームP450のアルコールなど解毒機能
をグルコースから保護する観点からマンニトール、エリ
スリトール、マルチトールが好ましく、特にマルチトー
ルが好ましく使用される。なお、糖アルコールとして
は、例示した以外の工業的に生産される他の糖アルコー
ル類も、低エネルギー値、難消化性又は非消化性ある限
り適宜に使用できる。
【0018】梅の種子仁に含まれるファイトケミカル
(植物性抗酸化栄養素)、香味や風味成分などの生理活
性成分を効率的に抽出して香味と風味を改善するために
は、これら糖類の添加量は、酸味を抑制できる限り少な
い方が好ましい。
【0019】また花を食用にすることは、やはり洋の東
西を問わず長い歴史を有しており、ローマ時代のバラ酒
やスミレ酒また日本における菊酒またサクラ酒、更には
刺身のつまとしてのシソの花など多くの例を挙げること
が出来る。ほとんどの花は、85乃至95%の水分以外
に、リン、鉄、マグネシウム、カルシウムなどの微量栄
養素、ビタミンB群,CやKなどと共に薬効成分、種々
の芳香成分を含んでいる。本発明において適宜に用いる
梅の花は、満開時に摘果を兼ねて適当なものを摘み、1
00%エタノール又は水性アルコールに漬け込んだ梅の
花を用い、出荷直前に適量、例えば梅酒1リットル当た
り湿潤量として1グラム程度までを加えて、得られる梅
酒の香味及び風味を増強する。
【0020】先の選別工程において梅干や梅酒の加工に
は適さない規格外と判定された青梅を水洗した後、ピー
リングマシンにかけて果肉を種子から分離し、果肉は梅
エキスや梅肉製造工程に送る一方種子を種割機にかけて
破砕して、仁を取り出し、薄い被膜を除去することによ
って梅の種子仁を得る。かくして得られた梅の種子仁
は、原料焼酎1リットル当たり3乃至50g程度の割
合、好ましくは5乃至30g程度、更に好ましくは7乃
至20g程度の割合で焼酎及び蔗糖と糖アルコールから
成る前記梅酒製造浸漬液に添加し、緩やかに撹拌した後
密封して1乃至12ヶ月間、好ましくは2乃至9ヶ月
間、更に好ましくは3乃至6ヶ月間低温に貯蔵して、梅
果肉からはクエン酸、リンゴ酸などまた種子仁からファ
イトケミカル、香味・風味成分など生理活性物質を迅速
に溶出させる。
【0021】またこの梅酒製造浸漬液及び得られた梅酒
には必要に応じて、梅の開花時期に摘果を兼ねて採取
し、エタノールに浸漬処理しておいた梅の花を、適時に
又は出荷前に所望とする風味と香味の強度に応じて適当
量添加することも出来る。
【0022】このようにして短期間の浸漬処理で得られ
る梅酒は、梅の種子仁に含まれる種々の生理活性成分が
効率的に抽出されており、その結果風味と香味が一段と
改善され而も甘味度は若干低くなるものの、低エネルギ
ー性また不消化性乃至難消化性の糖アルコールを使用す
るため、甘味の切れが良くなり且つ飲用した場合アルカ
リ性が保持されており、その結果悪酔いや二日酔いを招
来する可能性が低く、連用すれば健康の維持・増進に寄
与する、品質が著しく改善された、従来にない新しいタ
イプの梅酒である。
【0023】
【実施例】以下実施例を記載して本発明を更に詳細に説
明する。
【0024】
【実施例1】選別工程で梅干及び梅酒の加工に適さない
規格外の青梅を選別し、ピーラーにかけて果肉と種子に
分離し、果肉を梅エキスの製造に使用する一方、種子
は、種子割機で破砕し、破砕殻から種子仁をより分け、
茶色の薄膜を剥がし、水洗することによって梅の種子仁
を得た。収量は、種子1、000kg当たり約260k
gであった。
【0025】
【実施例2】電動撹拌機を備えた、ジャケット付き1
0,000リットル容量のステンレススチール製タンク
に8,000リットルのホワイトリカーを仕込み、別途
秤量した400kgの氷砂糖及び1、200kgのマル
チトールを引続いて投入して室温で30分間緩徐に撹拌
した。得られた浸漬液に軽く撹拌しながら8、000k
gの水洗した青梅及び25kg又は30kgの実施例1
の種子仁をそれぞれ投入して加えた後、投入孔を密閉
し、ジャケットに20乃至25℃の冷水を循環させて、
2ヶ月、3ヶ月及び6ヶ月の異なる期間静置して熟成さ
せた。20人から成るパネルで味覚官能試験を行った結
果、3ヶ月間以上熟成させた梅酒は、風味と香味が豊か
で、甘味が口に残らずまた大量に摂取しても悪酔いのな
い、従来の梅酒を凌駕する品質を示し、梅の種子仁につ
いて二つの異なる使用量の間では梅酒品質おける差異は
認められなかった。
【0026】
【実施例3】実施例2において、氷砂糖及びマルチトー
ルの代えて蔗糖及びソルビトール又はキシリトールを同
じ割合で使用して、別のステンレススチール製タンクで
同様の操作を繰り返して二種類の梅酒を得た。同一パネ
ルでの味覚試験の結果、何れも3ヶ月の熟成で、同様の
優れた品質の梅酒であることが明らかとなった。
【0027】
【実施例4】1,000リットルのステンレススチール
製タンクにおいて、800リットルのホワイトリカー、
40kgの蔗糖と120kgのマルチトールの混合液、
800kgの洗浄青梅及び2.5kgの実施例1の種子
仁以外に、湿潤重量で500gのエタノールに浸漬した
梅の花を味覚試験直前に用いて、実施例2の手順を繰り
返して、20人から成るパネルで味覚試験を行った。そ
の結果、2ヶ月間だけ熟成させた梅酒でも、香味が改善
されていることが確認できた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 青梅から得られた梅の種子仁と共に青梅
    を焼酎及び蔗糖と糖アルコールとの混合溶液に浸漬する
    ことを特徴とする、香味と風味が改善された、均一な品
    質のアルカリ性梅酒を短期間で製造する方法。
  2. 【請求項2】 青梅から得られた梅の種子仁と共に青梅
    を焼酎及び蔗糖と糖アルコールとの混合溶液に浸漬して
    製造される、請求項1に記載された梅酒に、エタノール
    に漬け込んだ梅の花を出荷前に添加することを特徴とす
    る、更に香味と風味の改善された、均一な品質のアルカ
    リ性梅酒を短期間で製造する方法。
  3. 【請求項3】 糖アルコールが、マルチトール、エリス
    リトール又はマンニトールである、請求項1又は2にお
    いて記載された製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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